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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.11(令和元年12月号)(HTML版)

ページ番号259090

2019年11月15日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.11(令和元年12月号)

輝きピープル 俳優・タレント 風見しんごさん

同じ経験をした人が前向きに生きている。言葉よりもその現実が励みになりました。

 デビュー以来,歌手,俳優,タレントとして幅広く活躍している風見しんごさん。一方,私生活では当時10歳だった愛娘を交通事故で亡くすという辛い経験もされています。命の大切さを訴えながら,講演などを通じて交通安全啓発活動に取り組む風見さんに,被害者の置かれた状況や支援についてお話を伺いました。

 

――2007年に交通事故に遭われた長女・えみるさんは,どのようなお子さんでしたか。

 「えみる」という名前は「笑顔で満ちる人生になって欲しい」という願

いを込めて付けました。事故に遭うその瞬間まで,本当によく笑う元気な女の子でしたね。

 

――事故の一報を聞いたときのお気持ちは。

 事故現場が家から150mぐらいのところでしたので,近所の方が「えみるちゃんが事故に!」と飛び込んでこられて。尋常ではない感じがありましたが,まさか命を落とすほどとは考えもしませんでした。

 現場に着くと,不自然に止まったトラックのそばで人がざわついていて。下をのぞきこんだら,後輪の間からひしゃげた足が見えました。とにかく娘をトラックの下から出さないと,という思いでしたが,ビクともしません。そこで初めて全身の力が抜けて。よくパニックなんて言いますけど,言葉では表現できない世界が広がりましたね。頭の中にも目の前にも。

 

――えみるさんが病院に運ばれ,治療を受けている間はどのような思いでしたか。

 救急車に乗せるときは,近所の方をはじめ,工事現場の方など,みんなが力を合わせてトラックを持ち上げてくれました。娘が出てきたときの姿は一生忘れないでしょう。頭,頬,胸,腰,全部壊れていましたから。こんな我が子の姿は見たことがないという状態でした。

 搬送先の病院では,妻が「頑張れ,頑張れ」と叫び続けていたのを覚えています。僕も同じ思いでしたが,お医者様から「お嬢さんは頑張っていらっしゃる。まだ生きよとされています」と聞いたとき,10歳の体があれだけ壊され,それでも生きようとしていることに,一瞬,「そんなに辛かったらもう逝ってもいい」と思ってしまったんですよね。でも妻は最後まで「頑張れ」と言い続けて。後で聞くと,妻は後悔していました。「私は子どもに何でも頑張れと言い続けてきた。1回ぐらい,『もう頑張らなくていい,十分やったよ』と言ってあげれば良かった」と。僕は逆に,「もういいだろう」という思いを持ってしまった自分が腹立たしくて。

 

――えみるさんを亡くされ,御家族はどのような苦しみを抱えられましたか。

 二度と会えないことは,頭の中では分かっているんです。それが一箇月,半年,一年と,時間を追うごとに,現実として襲ってくる。とにかく一番辛いのは会えないことですよね。よく御遺族の方がおっしゃる「もう一度戻して欲しい」という言葉が全てだと思います。

 次女のふみねは3歳半ぐらいでしたが,ある日,近所の方に名前を尋ねられたとき,ふみねではなく「えみるです」と答えることがありました。長女がいなくなって,家の中の空気の変化を一番感じていたのは幼い次女だったのです。恐らくふみねは「お姉ちゃんがいなくなって,家の中は真っ暗になってしまった。私がお姉ちゃんになれば明るくなるかも」と考えたのでしょう。小さいながら懸命にお姉ちゃんの代わりになろうとしてくれましたね。

 

――その当時,事故とは関係のない他者からの思わぬ二次被害はありましたか。

 仕事柄,インターネットなどで暴言を吐かれるのは覚悟をしていますが,このときばかりはこたえましたね。僕自身のことならいいんですよ,芝居がどうとか,歌がどうとか。でも,既に他界している長女のことまで言われると,そこに悪魔を見ますよね。当時は拡散なんて言葉は広まっていませんでしたが,いまはクリック一つで拡散が行われ,そのことで被害者がより被害者になっていく。加害者はもちろん,被害者の素性なども暴かれてしまう世の中なので,心配な部分ではあります。

 

――風見さんは,交通事故をなくすため,様々な活動をされています。こうした活動をどういう思いで続けているのですか。

 交通事故や犯罪は,そこで血が流れて,人の命が失われるということでは戦争と何ら変わりません。本当に恐ろしい現場です。僕自身が事故現場で長女の姿を見ているだけに,これだけは絶対に起きてはいけないことだという思いがまずあります。もうひとつは,自分に対する戒めの意味もあります。もちろん事故のことは忘れていませんが,運転中に「イライラしちゃいけない」と思っていても,十年,二十年経ち,ふと気づくと渋滞で苛立っていることがあります。やはり人間にはそういう部分があるので,半分は自分に言い聞かせているのもあると思いますね。

 

――いまなお,あおり運転や高齢者の操作ミスなども含め,悲惨な交事故が後を絶ちません。事故を防ぐにはどうしたら良いでしょうか。

 ひとつは,ハンドルを握るときに,一瞬でも御自身の大切な家族を思い出してみることです。安全運転をするのはもちろんのこと,自分が運転するときこそ逆に,「私の家族に今日絶対事故が起きませんように」と願えば,事故が少しは減るような気がします。

Profile 風見(かざみ)しんごさん

1962年広島県生まれ。18歳のとき,萩本欽一氏に見出され,芸能界へ入る。歌手,俳優,タレントとして,テレビや映画,舞台などで活躍。1994年に結婚し,二女をもうける。2007年1月17日,長女・えみるさん(享年10歳)を通学途中の交通事故で亡くす。著書に,えみるさんとの思い出を綴った『えみるの赤いランドセル』,事故後の家族の日々をしたためた『さくらのとんねる』がある。命の大切さについての講演活動を各地で続けている。

 

プレゼント サイン入り色紙を差し上げます!

風見しんごさんのサイン入り色紙を3名様にプレゼントします。どしどし御応募ください!

【応募方法】

 ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号・「きょう☆COLOR」への御感想・御意見を必ず記入のうえ,以下の宛先へお送りください。(御応募はお一人につき一口までとさせていただきます。)

★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

【宛先】

 〒604-8571(住所不要)京都市共生社会推進室「きょう☆COLOR」Vol.11プレゼント係

【締切】

 2020年2月28日(金曜)(当日消印有効)

 

こんな時どうする?!

Q 犯罪や交通事故の被害に遭い,心身の不調や生活上の問題を抱えている。

A 以下の窓口で相談できます。秘密は厳守します。

【犯罪やそれに類する迷惑行為に遭われた方】

京都市犯罪被害者総合相談窓口

●公益社団法人京都犯罪被害者支援センター

☎075−451−7830(よいひと なやみゼロ)−

月〜金 13時〜18時

(祝・休日,8月12日〜16,12月28日〜1月4日を除く。)

●全国共通ナビダイヤル(通話料がかかります)

☎0570−783−554(なやみはここよ)

毎日 7時30分〜22時(12月29日〜1月3日を除く。)

全国の被害者支援センター相談窓口と連携して支援を行います。被害者支援センターの開設時間内は,お住まいのエリアの被害者支援センターにつながります。

【性暴力被害に遭われた方】

●京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター(京都SARA)

☎075−222−7711

毎日 10時〜22時

 

もし身近な人が犯罪被害に遭ったら 〜犯罪被害者を温かく支える地域社会をつくるために〜

犯罪被害に遭うということ

 私には関係ない。テレビの向こう側で起こっていること。

 そんなことはありません。もしあなたの家族や友達が被害に遭ったら。もし事件や事故の場所に居合わせたら。

 いつどこであなたが犯罪や事故の被害者となるか分かりません。

 犯罪被害者とは,被害を受けた本人だけでなく,家族・友達などの周囲の人も同じように傷つき,犯罪被害者となり得ます。

 犯罪被害者やその御家族・御遺族は,理不尽な犯罪による直接的な被害だけでなく,被害後,平穏な日常生活が一変し,精神的ショックや心身の不調,経済的困窮,マスコミの取材や報道等によるストレスなど,二次的被害に苦しめられています。

 

京都市における支援

  

 京都市では,平成23年4月に施行した「京都市犯罪被害者等支援条例」に基づき,(公社)京都犯罪被害者支援センターへの業務委託によりワンストップ窓口として「京都市犯罪被害者総合相談窓口」を設置し,犯罪被害者等が受けた被害の回復・軽減のための支援を中長期にわたって行っています(8,9ページ参照)。また,犯罪被害者の置かれている状況等について,市民の方の理解を深めるため,犯罪被害者支援京都フォーラム,遺族講演会,京都ホンデリング,いのちを考える教室等を実施しています。

 

各取組についてはこちら

京都市情報館(京都市:トップページ(https://www.city.kyoto.lg.jp/index.html)⇒

画面上部「暮らしの情報」⇒「安全」⇒「犯罪被害者等支援」)

https://www.city.kyoto.lg.jp/menu1/category/11-5-0-0-0-0-0-0-0-0.html

 

「京都市人権相談マップ」を配布中

1人で悩まず,相談を!

   人権に関することでお困りの際に,適切な機関・窓口に相談ができるように,「京都市人権相談マップ」を配布しています。(無料)
 相談機関・窓口の地図に加えて,具体的な相談例を掲載していますので,適切な相談先が探しやすくなっています。


 市役所案内所,区役所・支所(地域力推進室),市立図書館や文化会館等で配布しているほか,ホームページでも御覧いただけますので,御活用ください。

詳しくはこちら。 URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000258468.html

毎年12月10日から16日までは,「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です。

 拉致問題は,我が国の喫緊の国民的課題であり,この解決を始めとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が,国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中,この問題についての関心と認識を深めましょう。

 

我ら,企業市民

株式会社 ローバー都市建築事務所

 

代表取締役・一級建築士  野村(のむら) 正樹(まさき) さん

 

建築設計業界でワーク・ライフ・バランスを

柔軟な勤務体制とチームワークで両立を実現

 

 ローバー都市建築事務所(本社・京都市上京区)は,京都の建築設計業界において,創業当初からワーク・ライフ・バランスの実践と女性が活躍するための職場環境の整備に取り組むトップランナーです。

 代表取締役で一級建築士の野村正樹さんに,子育てと両立できる勤務体制や,柔軟な働き方を支えるための工夫,今後の展望などについてお話を伺いました。

 

一生の仕事にするために

持続可能な労働環境を改革

 

 ローバー都市建築事務所は平成12(2000)年2月に京都で創業。注文住宅や店舗,町家や古民家再生などを幅広く手がけており,京都を拠点に,東京にも事務所を構えています。建築を単体で捉えるのではなく,都市・まちとの関係を視野に入れ,温もりのある設計を行うのが特長。その心は,従業員を大切にし,広い視野で仕事を捉える野村さんの姿勢に通じています。

 同社がワーク・ライフ・バランスに取り組んだのは,それが社会で広く唱えられる以前の創業当初から。大学時代,法学部で労働法を専攻した野村さんは「今後の日本社会は女性と高齢者,外国人の人材を活用していかないと将来的に成り立たない」という教授の教えがずっと心にあったといいます。建築設計業界は師弟関係を重視し,初めは低収入,長時間勤務が当たり前の所が多く,野村さんが以前勤めた会社も同様だったそうです。それで自らが会社を設立する時には,創業と共に労働環境の整備を行いました。このことについて野村さんは「せっかく一生の仕事として建築設計を志すのだから,持続可能な環境を整えるのが業界で必要な改革だと自負しています」と話します。

 また同社は,父親が子育てに参加しやすい職場づくりを進める京都市内の事業所をO(おやじの)K(子育て参加に理解がある)企業として登録する「OK企業」の認定を受けました。さらに野村さん自身が,京都の企業経営者の有志による「京都女性活躍応援男性リーダーの会」に参画しています。

 

休みやすい体制を整備

朝9時スタートが要

 

 「長く勤めていただけて,皆の人生が幸せになるように,会社がひとつの器になれば」と話す野村さん。同社の具体的な取組としてまず挙げられるのが,休みの取りやすさ。子育て中の従業員が多いことから,当日でも有給休暇を取れるようにして,急な病気の時などでも気兼ねなく休める体制を整えています。そして平成29(2017)年に施行された改正育児・介護休業法を受けて,看護休暇制度を導入。小学校入学までの子がいる従業員に年間5〜10日,有給休暇に加えて育児目的で利用できる休暇の幅を広げています。別途,介護休暇も制定されており,実際に家族の介護が必要な対象者が出てきた時には使えるようにしています。更には従業員自身の健康にも気遣ってほしいという思いから,1日300円の昼食費の補助も福利厚生に含まれている充実ぶり。これは従業員にも好評だそうです。

 勤務時間は基本的に平日9時から18時まで。そこに短時間勤務制度を取り入れ,事情に応じて個別に勤務時間を柔軟に設定できる仕組みにしています。要となるのは,朝9時勤務開始を徹底すること。野村さんは「この業界は徹夜で仕事をすることが多いです。すると朝が遅くて午前中を無駄にしてしまう。そこで時間の使い方を変えて,朝だけは9時にしっかり始まるように,とお願いしています。スタッフには,なぜこのような自由の中で仕事をしているかを理解した上で行動してもらいたいと思い,皆その意識を持ってくれています」と。9時から全力で業務にかかり,密度の高い仕事をすること,その意識の共有がワーク・ライフ・バランスの実践を支えています。

 

チームで動き

互いに声をかけやすく

 

 同社では,管理職も男性2人,女性2人と同じ比率です。千差万別の納期に対応しながら,柔軟な職場環境を整える。その中で特定の個人に負担が偏らないように「皆が納得できる在り方を模索しています」。そこで週1回,社長と管理職4人がリーダー会議を開いて課題の解決策を話し合い,経営と現場の双方の目線を重ねて意見を出し合う。そうして方向性を定めて現場に伝えると,コミュニケーションが円滑に進むそうです。

 もう一つの要となるのは,チーム制。会社の成長と共に,仕事も従業員数も増える中で「担当者不在で仕事が滞るのを避け,突発的な事態にも対応できるように」と約3年前に改革。チームワークを活かした体制の構築に「スクラム」という手法を導入しました。全ての作業を細分化し,すべきことを付箋に書いて壁に貼る。そうすることでメンバー同士が業務量や進捗を把握できます。細部まで具体的に書くほどそれを見た人が手伝おうと声をかけやすく,フォローも頼みやすくなり,全体の業務が調整しやすくなっているそうです。

 建築設計の仕事は,人々の暮らしや人生に大きく関わるもの。「コンクリートの建物と,町家で育った人とでは性格が違います。温もりなど人間を含めた動物が本来持っている長所を住まいに生かして設計しています。設計は使う人が幸せになれるように,と形のないものをデザインすること。会社も人の集合体で,形のない器のイメージ。そこで働くスタッフと御家族が充実した人生を過ごせるように,百年先も社会に必要とされる会社であるように,共存共栄で歩みを進めていきたいです」と野村さんは熱く語ります。

 

従業員の声

 

山本 ちなつ さん

チーフデザイナー

 

お客様や取引先にも

時短勤務をオープンに

 

 平成30(2018)年に三つ子を出産しました。今年4月から息子達を保育園に通わせて5月に職場復帰,現在は平日15時までの時短勤務です。お客様や取引先にも,時短勤務であることを伝えています。その方が予定を組みやすく,理解も得やすいです。

 復帰後は1分でも大事にしたいと,時間単位で仕事を割り振る習慣が身に付きました。現場を回す管理職として育児と両立できるのは,チーム制になったことも大きいです。子育て中の女性スタッフに限らず,男性も子どもの送迎などで早退することも普通にあります。それで誰も気を悪くすることはありません。皆で楽しく仕事ができるのがローバーの魅力。ここで,ずっと働き続けたいと思っています。

 

見て・知って人権 京の学生が行く

 このコーナーでは,京都で学ばれている学生の皆さんなどに,取材や誌面作りに参加いただき,毎号,京都市の人権関連施設を1箇所ずつ紹介していきます。

第11回 京都犯罪被害者支援センター

 

 

京都産業大学 4回生 新 恵里先生のゼミで学ぶ 水岡(みずおか) 美月(みつき)さん

 

京都産業大学 4回生 新 恵里先生のゼミで学ぶ 中島(なかじま) 美優(みゆ)さん

 

京都先端科学大学3回生 阿部千寿子先生のゼミで学んだ 榊原(さかきばら) 蓮(れん)さん

 

 

お話を伺った方

 

公益社団法人 京都犯罪被害者支援センター 事務局長

冨名腰(ふなこし) 由美子(ゆみこ) さん

 

このセンターの活動について教えてください。

 

 当センターは昨年,設立20周年を迎えました。かつての日本では,犯罪によって傷ついた被害者を社会で支えるような仕組みは存在しませんでした。そんな中,同志社大学名誉教授である大谷實先生が,司法関係者や臨床心理学などの専門家を集めてこのセンターを立ち上げたのです。

 平成23年4月には公益社団法人に移行し,京都市からは「京都市犯罪被害者総合相談窓口」の業務委託を受け,被害者支援に取り組んでいます。

殺 人や強盗,暴力犯罪,性犯罪,交通事故などの事件が発生した際は,京都府警から情報提供を受けます。また,ホームページやチラシなどから当センターを知り,連絡してこられるケースも多く,身体的被害や精神的被害,PTSDなどに苦しむ方々の支援を行います。対応するのは,被害者支援のために犯罪被害・法律・臨床心理など様々な知識を身に付けた経験ある相談員たちです。電話での相談の後,センターにて面談を行いますが,場合によっては訪問することもあります。

 面談を経て,法律事務所への同行や裁判の傍聴,精神医療を含む医療機関への付添いなどをはじめ,被害者の代理で傍聴を行ったり,辛い犯罪被害の記憶から住居を変えたいと考える方々のための転居手続をしたりすることもあります。

 

犯罪は被害者の方々にどんな影響を与えるのでしょうか。

 

 今年7月,この京都ではアニメーション制作会社が放火され,多数の方々が死傷されるという痛ましい事件が起こりました。当センターでは周辺地域にお住まいの方々にも目に留めていただけるよう,近くの金融機関や駅などに協力をいただきチラシを配架しました。犯罪が人にもたらす被害とは想像以上に深刻なものです。直接被害に遭われた方はもちろん,その事件を目にした方も心に傷を抱える場合があります。大きく報道されるような事件があった場合や,被害を受けた時期が巡ってくると,自分自身が受けた被害のトラウマに苦しむこともあります。また,被害直後は言うに及ばず,時間の経過とともに生じる困難にも被害者は苦しめられます。元どおりとはいかないまでも,何とか暮らしを取り戻せるよう,新たな人生を歩み出すお手伝いができたらと思います。

 

読者の皆さんにメッセージをお願いします。

 

 まだまだ当センターの活動は市民の方々に知られていないため,幅広い方々にその存在を知ってもらいたいと思っています。

 シンポジウムや講演会などを開催し,ふれあいまつりなどの市民イベントにも積極的に参加しながら,一人でも多くの方々が犯罪被害に遭った方々のことを知り,その苦しみや辛さを自分のこととして想像してもらえるように,これからも活動を続けていきます。

 

 

相談室

 

 当センターに寄せられる電話相談を受け付けています。3つの相談受付ブースがあり,常時2〜3名の相談員が対応できる体制をとっています。被害者の方々の声に親身に耳を傾け,寄り添います。

 

 犯罪被害者支援の「窓口」として,相談員の方々が親身に対応されています。ここに寄せられた相談から,すべての支援がスタートします。

 

会議室

 

 当センターに来られた犯罪被害者の方々と面談を行います。ただでさえ不安を抱えた訪問者の方々が少しでもリラックスしてお話できるよう,家庭的な家具調度をしつらえています。

 

 落ち着いた雰囲気のお部屋で,被害者の方の不安や緊張を和らげられるよう,プライバシーも含めた配慮がなされています。

 

事務室

 

 相談員の研修用の資料を整えたり,講演やイベントの手配を行ったり,弁護士や医療機関,裁判所・警察などとの連絡をとったりと,犯罪被害者支援のための事務業務全般を行っています。

 

 センターの重要な業務を担っている職員さんが在席されていますが,訪問者を受け入れる和やかなムード。犯罪被害者の皆さんへの細やかな心配りを感じました。

 

■所在地

〒602-8018

京都市上京区衣棚通出水上る

御霊町63番地 交通安全会館

TEL・FAX:075-415-3008

■E-mail [email protected]

■ホームページ http://kvsc.kyoto.jp/外部サイトへリンクします

■開館時間 月曜日〜金曜日 10時〜18時

■休館日 祝日,8月12日〜8月16日,12月28日〜1月4日

■交通案内

 地下鉄烏丸線「丸太町」駅下車,2番出口から歩いて15分

 

全国共通ナビダイヤル(通話料がかかります) ☎0570-783-554

相談日:毎日 7時30分〜22時(12月29日〜1月3日を除く。)

 

京都市犯罪被害者総合相談窓口 ☎075-451-7830

相談日:月〜金曜日 13時〜18時(祝日,8月12日〜8月16日,12月28日〜1月4日を除く。)

ひとがつながり みんなでつくる やさしさあふれる 人権文化の息づくまち・京都

 京都市では,平成27(2015)年2月に策定した京都市人権文化推進計画(計画期間:平成27(2015)年度〜令和6(2024)年度)に基づき,まちや市民の暮らしの中に人権を大切にし,尊重し合う習慣が根付いた人権文化の息づくまちづくりに向けて,様々な取組を進めてまいりました。

 計画策定以降の,障害者差別解消法,ヘイトスピーチ解消法,部落差別解消法など人権に関する法律の整備やLGBT等の性的少数者に対する関心の高まりなど,人権を取り巻く社会状況の変化を踏まえ,計画の改訂を行います。

 この度,計画の改訂(案)を取りまとめましたので,皆さんからの御意見を募集します。

 改訂(案)の概要版は,市役所案内所,区役所・支所,市立図書館,文化会館等の本市施設等に配布しているほか,概要版及び全文を京都市公式ホームページ(京都市情報館)からダウンロードすることができます。

 

皆さんの御意見を募集しています!

 

■募集期間

 令和元年11月18日(月曜)〜12月17日(火曜)まで(必着)

 

■提出方法

 郵送,FAX,電子メール又は京都市公式ホームページの意見募集フォームのいずれか

 

■提出先及び問合せ先

 京都市文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

 

【住 所】

〒604−8101

京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65

京都朝日ビル8階

【電 話】075−366−0322

【FAX】075−366−0139

【メール】[email protected]

 

詳しくはこちら。 URL https://www.city.kyoto.lg.jp/templates/pubcomment/bunshi/0000258935.html

  

これらは,DVに当たります。二人の関係をもう一度見直してみませんか。

チェックリスト

 

□家族や友人と交際することを嫌がったり,制限されたりする。

□電話に出なかったり,メールやライン等の返信が遅いと怒られる。

□「バカ」とののしったり,無視したり,「出て行け!」などと怒鳴りつけられる。

□機嫌が悪くなると物に当たったり大声を出すなど,怖がらせる行動や態度を取る。

□行動をいちいち報告させられる。あなたが何かをする度に自分の許可を取らせる。

□別れ話をすると「どこまでも追いかけてやる」「子どもは渡さない」などと脅される。

□キスや性行為を強要される。避妊に協力してくれない。

□生活費を渡されなかったり,「外で働くな」「仕事をやめろ」と言われる。

 

 

DVとは・・

 DVとは,配偶者や恋人など親密な関係にある又はあった相手からふるわれる暴力のことです。男性から女性に対する暴力だけでなく,女性から男性への暴力も意味します。「殴る」「蹴る」などの身体的な暴力だけがDVではなく,言葉や態度で精神的に追い詰めたりすることもDVに当たります。このような行為は重大な人権侵害です。

 

京都市DV相談支援センター(女性被害者専用)

☎075-874-4971 月~土曜日(祝日・12月29日~1月3日を除く)9:00~17:15

緊急ホットライン(相談受付時間外はこちらの番号へ)

☎075-874-7051

男性のためのDV電話相談

☎075-277-1326 第2・第4火曜日(祝日・12月29日~1月3日を除く) 19:00~21:00(受付は20:30まで)

お気軽に御相談ください。同性の相談員が,あなたからの電話を待っています。

 

「京都市版ヘルプカード」を作成! 区役所等で配布しています! 〜困ったときに,支援を受けやすくするために〜

「京都市版ヘルプカード」って何?

 障害のある人などが,以下のことを記載したカードを持ち歩くことで,困った時に,周囲の人や救急隊などに見せて,必要な支援を受けやすくするためのカードです。

【カードに記載すること】

・障害の特性や病気の状態

・かかりつけの病院や薬のこと,アレルギーや注意してほしいこと

・障害や病気のことを踏まえて支援してほしいこと,緊急連絡先 など

 

どうして作ったの?

 障害の有無などにかかわらず,誰もが安心して外出し,社会参加できる環境を整えていくためには,様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人々が,互いに理解を深めようとコミュニケーションを取り,支え合う「心のバリアフリー」の推進が大事です。

 障害の特性や必要な配慮は,一人一人違います。また,自身の状況を伝えづらい人でも,「ヘルプカード」を見せることで,適切な支援を受けることができ,障害のある人などの安心・安全の向上につながります。

 また,カードが普及することで,障害をはじめヘルプカードを必要としている人への理解が広まっていくと考えます。

 

どんなときに使うの?

緊急のとき

 ・病気の状態が急に悪くなったとき

 ・パニックや発作を起こしたとき

災害が起きたとき

 ・地震が起きたとき,台風が来たとき

 ・避難所で生活するとき

普段の生活で困ったとき

 ・道に迷ったとき

 ・手助けが必要なとき

 

  「ヘルプカード」で支援を求められたときはどうしたらいいの?

 カードを持っている人は,一人一人の特性や状況に応じた支援が必要です。

 カードに記載されている内容を参考に支援をお願いします。

 また,カードには,必要な配慮や支援が全て書いてあるわけではないので,できる限り相手の状況を聞いたうえで支援をお願いします。

 

 

 「ヘルプマーク」とは,どう使い分けるの?

 ヘルプマークは,外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人が,周囲の人に配慮を必要としていることを知らせるマークです。

 ストラップを利用して,かばん等の見える位置に着けておくことで,電車や

バスで席を譲ってもらうなど配慮が得やすくなります。

 また,ヘルプマークを持っている人は,ヘルプマークの記入シールに,「支援内容を書いたヘルプカードが,かばんの中に入っているので,見てください」など,カードを入れている所が分かるように書いて持ち歩くことで,自らカードを取り出すことが難しいときでも,必要な支援を受けることができます。

 

お願い

 みなさんも,「京都市版ヘルプカード」と「ヘルプマーク」のことを知っていただき,街中で見かけたときは,「何かお手伝いしましょうか?」といった声掛けや手助けをお願いします。

 

【京都市版ヘルプカード・ヘルプマークの配布先】

 区役所・支所障害保健福祉課などで配布しています。

【京都市版ヘルプカードに関する問合せ先】

 保健福祉局障害保健福祉推進室(TEL:075−222−4161

 FAX:075−251−2940 メール:[email protected]外部サイトへリンクします

 

≪お知らせ≫

講座開催の御案内

令和元年度  企業向け人権啓発講座

 

参加費無料

 

※ 対象は,京都市内に事業所を持つ企業等の経営者,総務・人事責任者,人権研修担当者等です。

 

第8回 パネルトーク等

語ろう!ワーク・ライフ・バランス〜ひと・しごと・くらしの視点から〜

●日時 令和元年12月16日(月曜)午後2時〜午後4時

●会場 京都市男女共同参画センター ウィングス京都 セミナー室

(中京区東洞院通六角下る御射山町262)

●申込締切 令和元年12月13日(金曜)

●定員 50名

●第1部 事例紹介(パネルトーク)

コーディネーター 香水 雄介 氏

(シンク・アンド・アクト株式会社マネージングディレクター)

パネリスト 平成30年度真のワーク・ライフ・バランス推進表彰企業

●第2部 グループワーク

 

第9回 講演

病気や障害があっても活躍できる社会に向けて〜難病への理解と支援〜

●日時 令和2年1月24日(金曜)午後2時〜午後4時

●会場 ハートンホテル京都 宇治・伏見(1階)

(中京区東洞院通御池上る船屋町405)

●申込締切 令和2年1月17日(金曜)

●定員 100名(先着順)

●講演2 医療の進歩と難病の現状(相談から見る治療と仕事の両立のための課題等)

京都難病相談・支援センター

●講演1              難病の方の就労支援の事例から見る合理的配慮

京都労働局(難病患者就職サポーター)

 

第10回 活動報告及び公演

第25回ふしみ人権の集い 〜人権文化のまちをひとりひとりの心から〜

●日時 令和2年2月22日(土曜)午後1時〜午後4時

●会場 京都市呉竹文化センター ホール

(伏見区京町南七丁目35番地1)

●申込不要

●第1部              活動報告 今年度の活動や取組について

●第2部              記念公演 『鼓色!鼓響! 鼓動!』-出会い! 繋がり! きずな!-

          出演 和太鼓「絆」の皆さん

 

申込方法

 ホームページ「京都市:トップページ(https://www.city.kyoto.lg.jp/)から画面上部「暮らしの情報」→画面右下部「人権」→「企業啓発」→「企業向け人権啓発講座」を御覧ください。

 

申込書(開催案内の一部)に必要事項を記入のうえ,FAX(075-366-0139)でお送りいただくか,電子メール([email protected]外部サイトへリンクします)に必要事項を記載して送信してください。(第10回は申込不要です。)

 また,手話通訳・要約筆記・ヒアリングループ(事前申込が必要です。)など,詳細については,各講座の開催案内を御覧ください。

 

ヒューマンステージ・イン・キョウト2020 伊東 歌詞太郎 トーク&ライブ

日時 令和2年1月25日(土曜)午後2時〜午後4時(開場は午後1時)

会場 ロームシアター京都サウスホール(左京区岡崎最勝寺町13)

定員 700人

参加無料

対象  京都市内在住又は通勤・通学の方に限る

申込期間 令和元年11月29日(金曜)〜12月31日(火曜)【申込多数の場合は抽選】

申込方法 京都いつでもコール(年中無休,受付時間:午前8時〜午後9時)

●電話 075-661-3755 お掛け間違いに御注意ください。

●FAX  075-661-5855 

●電子メール(送信フォームによる申込み)

パソコン              : https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000012821.html

携帯電話              : http://www.city.kyoto.lg.jp/mobile/main/page/0000180068.html

※住所,氏名(フリガナ),電話番号,同伴者数(3名まで)を明記してお申し込みください。

※託児(1歳以上就学前,人数と年齢も明記),車椅子席,手話通訳,要約筆記,ヒアリングループ席を希望される場合,その旨をお申し出ください。

※御来場は公共交通機関を御利用ください。

※入場券は1月中旬に当選者のみに発送します。

 

WORK&WOMEN IN INNOVATION SUMMIT Kyoto

 

Breakthrough

 

〜次世代の「女性活躍」と

「働き方」を京都から〜

 

入場無料

 

  

文化をはじめとする京都らしさを活かしたプログラムにより,女性活躍の推進に追い風となる働き方や実践的な取組を全国に発信します。

 

●日時:令和2年1月31日(金曜) 10時〜17時(予定)

●場所:京都経済センター(京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78番地)

●参加申込:令和元年11月下旬頃開始予定

※プログラムの詳細は,決定次第ホームページにてお知らせします。

URL https://workwomen-summit.jp外部サイトへリンクします

 

編集後記

 ラグビーワールドカップ2019日本大会開催で,大いに盛り上がった今秋。

 本大会は,本市でも,「都来」(トライ!)というポスターで誘致活動を行ったのです。残念ながら京都で試合は開催されませんでしたが,そこはノーサイドの精神。たくさんの声援が送られました。

 国籍の違う選手も含め同じチームの代表としてプレーする。ポジションによって,身体の大きさも,求められる役割も違う。ただ,同じチームで一丸となって勝利を目指す。そして,戦う相手への敬意も忘れない。

 これぞ「多様性」の尊重だと改めて感じた方もおられたのではないでしょうか。共生社会の一つの形を見られて,幸せな時間でした。

 

<法務省委託事業>

人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.11 (発行 令和元年11月)

発行:京都市 文化市民局 共生社会推進室

☎075-366-0322 FAX075-366-0139

〒604-8101 京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65 京都朝日ビル8階

URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-2-3-0-0.html

この冊子はホームページでも御覧いただけます。また,区役所・支所,市役所案内所などで配布しています。

 

この印刷物が不要になれば「雑がみ」として古紙回収等へ!

 

京都市印刷物第313144号

 

 

お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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