認知症サポーター養成講座を実施!!
ページ番号223878
2018年3月29日
8月9日【水】伏見消防署員を対象とした,認知症サポーター養成講座を開催しました。
この取組は,認知症に対する理解を深めることにより,災害現場活動及び市民応対力の向上を図るものです。
当日は,竹田ネットワーク協議会及び東高瀬川包括支援センターから講師をお迎えして,認知症サポーターや高齢サポート等についての講演をしていただきました。
また,講演に引き続き,「認知症の方への対応」をテーマにグループワークを行いました。
開会挨拶,メンバー紹介
城南ホーム 副施設長 中井 雄亮
「たけ・ねっと」とは?
「たけ・ねっと」とは? 竹田ネットワーク協議会の愛称です。
竹田ネットワーク協議会は,竹田学区にある介護保険サービス事業所(福祉施設)が中心となり相互に連携を図り,地域福祉活動を推進・発展へつながるような取り組みを行うことを目的とした協議会です。
会員事業所(平成28年4月現在)
「城南ホーム」 「みちくさ」 「洛和 伏見竹田」 「ソラスト伏見」 「東高瀬川センター」(順不同)
「たけ・ねっと」の主な取組
1 介護予防(いつまでもお元気で)
2 認知症への取り組み(認知症になっても)
3 防災への取り組み(もしもに備えて)
4 居場所作り(みんなでワイワイ)
認知症サポーターとは?
講師 東高瀬川包括支援センター 小幡 一人 氏
高齢サポートについて
講師 東高瀬川包括支援センター 粟津 雅美 氏
高齢サポートは,京都市が運営を委託している公的な相談窓口です。
介護,福祉,健康,医療など様々な面から総合的に支援をするために,市内61箇所に設置しており,保健師,社会福祉士,主任ケアマネージャーなどの専門職員がきめ細かな対応をしています。
脳の機能 認知症の理解
講師 洛和グループホーム 宮永 氏
★ 認知症とは? 加齢による物忘れではない
○ 加齢による物忘れ ・・・ 昨日の晩御飯,何食べた?
○ 認知症 ・・・ 私,まだ晩御飯食べていない(エピソード自体を忘れる)
★ 認知症の方と関わる心構え
○ 慌てさせない
○ 驚かせない
○ 後ろから声を掛けない
○ はっきりした口調で話す(端的に)
○ 同じことを何度聞かれても,受け入れる
○ 事実と違っても否定しない(年齢など)
グループワーク
6つのグループに分かれて実施
グループワークの発表 【第1班】
○ 身内の家族が環境(入院・居住場所)の変化で認知症が発症した。
○ 親が認知症のときは,受け入れられなく,つい強い口調で言ってしまう。しかし,孫の場合は,うまくお互いが声を掛けられる。
○ 「ご飯を食べていない」など繰り返し発言するときは,冗談が受け入れられない。
○ 身内は,基本的な接し方ができないが,他人に対しては,基本的な接し方ができる。
グループワークの発表 【第2班】
○ 独居宅を年1~2回の訪問だと覚えているが,それ以上になると回数や誰なのか分からなくなる。
○ 独居の方からのガス漏れの要請で119番通報があり,現場に着くと何もなく普通の状態であった。これは,単に寂しいから話し相手がほしくて119番通報したものと思われる。
○ 認知症の独居の方を訪問し,氏名や年齢を訪ねてもわからない。また,回答があっても誤った情報を伝えられることがある。
○ こういう可能性があるときは,近所などに確認する方法もある。
グループ討議での意見 【発表以外】
○ 親族で,認知症の方があり,非常に困った経験がある。
○ 災害現場で,聞き込み結果,認知症の方とわかるまでに時間を要した。今回の受講で見分ける方法が少し分かった。
○ 軽度の認知症の場合は,認知症の判別が非常に難しいことがある。
○ 第三者が現場で対応することと,親族が対応するのでは,違いがある。明らかに親族の認知症の対応の方がしんどくなる。
○ 認知症の方は,「不快感」に反応する。例えば,骨折をしていても本人には自覚がない。しかし,その部分を触ると,意識が骨 折部分にいき,痛みがあるので,とても嫌がるケースがある。
○ こちら側が◇◇をしたと言っても,本人がしていないという認識であれば,あえてそれを否定しない方が良い。本人は,◇◇したという記憶が無いため,していないという認識である。相手側の立場に立って話をしてあげる。
○ 痛みがなくなったり,記憶がなくなったりするが,感情は残っているので,不快感を感じることもある。
○ こちらが正しくても,認知症の方にとって正しくないこともあるので,まず話を合わせてあげる。
職員からのコメント
本日はお忙しい中,認知症について学ぶ機会を与えていただき,誠にありがとうございました。
特に印象に残ったのは,認知症の中核症状として記憶,見当識,実行機能の各障害があるが,周囲の理解があれば認知症状が軽減されることがあるということでした。
これまでは認知症の方に対して他人事なら冷静に対応することはできても,それが家族や親族が認知症になっても冷静に対応することができるのかは疑問に感じていました。しかし,問題を抱え込まず,周囲と連携して解決を図ることで負担が少なくなるとお話しされたことを忘れずにいたいと考えています。
認知症をあまり理解していなかった。「認知症」イコール大変であるイメージしか持っていなかった。
しかし,今回の研修でイメージが変わった。
認知症患者に対して,お願いし行動してもらうことは大変であるが,認知症のことをきちんと理解して接すれば,認知症の方にも理解していただき行動していただける可能性があることがわかった。
話し方に気を付けるだけでも認知症患者の気持ちを変えられるということが新鮮だった。
消防業務でも高齢者と接する機会が多いので,今後は認知症の可能性がある人と相対したときは今日学んだことを意識して会話し,相手が認知症であり,支援を受けていない状態であると分かれば,包括支援センター等に情報提供することも考えていきたい。
お問い合わせ先
京都市 消防局伏見消防署
電話:075-641-5355
ファックス:075-643-1999