琵琶湖疏水の歴史(3)
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2022年10月12日
第3章 疏水分線
疏水分線べり哲学の道全線開通記念碑(昭和47年)
第1疏水建設当初,幹線水路として計画されましたが,計画変更により規模を縮少することになりました。蹴上から分岐する枝線水路として,京の夏の風物詩として知られている大文字(如意岳)の山麓に沿って,南禅寺,若王子,吉田山の東北を経て,高野,下鴨,堀川と,南から北へ,その後西へ流れ,沿線各地への水力利用,かんがい,防火用水等の供給を主目的として設けられました。
第1疏水と同時期の明治20年9月に着手し,明治23年3月に竣工しました。当時の延長は約8.4キロメートルありましたが,現在ではその大半が所管替えされて約3.3キロメートルと短くなっています。
この疏水分線の工事を行うに当たり,沿線には社寺が多く点在しているため,環境を壊さないような配慮から,南禅寺境内に当時では画期的な異国風建造物の水路閣を設けましたが,今日ではそれが歴史的な風土に溶け込んだ景観となっています。
南禅寺水路閣
平成8(1996)年,国の史跡に指定されました。
さらに「若王子~銀閣寺道」は,哲学者西田幾多郎や,文化人がこよなく愛し,瞑想にふけった散策路であり,その後整備も進み,現在では「哲学の道」として多くの市民や観光客に親しまれ,四季を通じて訪れる人々の心をなごませています。
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