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市長記者会見(2023年11月17日)

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2023年4月12日

市長記者会見(2023年11月17日)

ピックアップ動画(記者会見のポイントを紹介)

令和5年11月17日市長記者会見の動画

記者会見内容

以下2つの案件について、京都市長が記者会見を実施しました。

○  人口戦略アクション2023

○ 洛西“SAIKO(さぁ、いこう)”プロジェクト みんなで進める!実行策

○ 令和5年度11月補正予算

  ※発表内容は、令和5年11月17日時点の情報です。

市長冒頭発言

北部クリーンセンター職員の逮捕について

(門川市長)

 まず最初に、昨日北部クリーンセンターにおいて、始業前に職員が同僚職員を刃物で刺すという、あってはならない、公務員として人間として、許されない事件が発生しました。市民の皆様に信頼を裏切る行為であり、深くお詫びしたいと思います。さらに、綱紀粛正を徹底し、再発防止に努めてまいります。どうぞよろしくお願いします。

「人口戦略アクション2023」について

(門川市長)

 それでは、3件につきまして、まず私から発表させていただきます。1つは、「人口戦略アクション2023」です。人口減少、担い手不足等が我が国の喫緊の課題となっています。京都市では、若い世代を惹きつける居住環境や働く場の創出に向け、景観を大切にしつつ、都市計画を大胆に見直すなど、全庁横断的な検討を進めてきました。

 とりわけ、洛西地域の活性化に向けて、「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクト」の中間取りまとめを7月に発表しました。

 本日は、これらの人口減少対策を一気呵成に推進していくため、1つは「人口戦略アクション」、もう1つは「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクトみんなで進める!実行策」を取りまとめました。また、今年度中に着手できる事業は、来年度予算の成立を待たず開始するため、「11月補正予算案」を議会に提出しました。これら3点を発表させていただきます。

 1点目は、若い世代から選ばれる持続可能な都市の実現のための「人口戦略アクション2023」です。

 京都市では、若い世代の人口流出の傾向が続いております。要因をしっかりと分析いたしました。特に、結婚・子育て期(25~39歳)の近隣都市へ、より住みやすい住居を求めての転出。もう1つは就職期(20~24歳)。京都に素晴らしい企業がたくさんありますが、生産拠点等が規制等の関係もあり、市域外に転出している、そうした課題への対応。

 次に、人口減少が著しい地域が存在している課題に的確に対応した取組を進めます。全庁横断的な検討・実行を実現する、「人口減少対策推進タスクフォース」において、具体的な取組をまとめました。

 今年は、全市的な都市計画の見直しを実施するなど、まさに京都市の発展に向けた取組を強力に進めていくタイミングです。

 現在、実施中の取組は「住まい・子育て」「しごと」「地域」、全てまとめると105の対策になります。これらの全体像をお示しするため、「人口戦略アクション2023」を取りまとめました。105のアクションを、市民の皆さんはもとより、京都のまちづくりに携わっていただく多くの皆さん、全員で力を合わせて実行していくことで、若い世代に選ばれる持続可能な未来の千年都市を作ってまいります。

  このアクションは、令和5年(2023)時点の取組としてまとめたものです。今も、全局的に様々な議論、また地域で様々な討論が行われています。更なるアクションを追加・具体化し、進化させていきたいと考えています。

 一方で、すぐに取り組めるものはすぐ実行、という考えのもと、アクションから11月補正予算案で5事業を提案しております。後ほど御説明します。

 この次に詳しく御説明しますが、今年始動した「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクト」においては、地域特性をいかした集中的な取組でまちを活性化するモデル事例を生み出そうとしています。

  人口戦略アクションは、行政だけで進めるものではありません。京都市の取組に賛同される民間事業者等による「応援団」、子育てを応援する「はぐくみネットワーク」などとも連携を強化し、市民全体で、みんなで人口減少対策に取り組み、輝く未来を作ってまいります。

 いくつかの具体例を紹介します。「住まい・子育て」に関する取組では、30アクションを掲げております。居住環境の創出では、令和9年度には伏見工業高校等の跡地に全549世帯、約1600人規模の大規模住宅街区が実現します。これは2030年脱炭素先行地域の取組と、若者の居住環境を総合的に進める、非常に挑戦的な取組です。このように、市有地も活用した若者向けの住宅確保、居住環境の整備に取り組んでまいります。さらに、市営住宅を活用した全国初の取組「若者・子育て応援住宅(こと×こと)」。市営住宅というのは、福祉施策として取り組んできたものですが、初めて国の認可を得て、民間企業で若者が好む住環境を創出して、子育て世帯に住んでいただく取組を展開していきます。

 また、子育て支援・教育等については、令和6年度から、産後ケアの対象拡大。京都市が先進的に取り組んできたものですが、今まで様々な条件のある人に限っていましたが、対象・制約をすべて解除していく画期的な取組です。また、保育所を利用する方のきょうだいを同一保育園に入園してもらう、さらに子育てしやすい環境の充実を図ってまいります。さらに、かねてからの課題でありました、市立中学校での全員給食。議論を重ねていただき、令和10年度中の実施を目標とし、可能な限り早期に実現してまいります。

 さらに、市内に約900ある公園につきまして、遊具の充実・補修やトイレのリニューアル等を行い、安心して通える、子育て支援も含めた遊び場としての魅力を向上させていきます。

 さらに、「しごと」に関する取組では、23のアクションを掲げております。企業誘致では、京都駅南側にオフィス・ラボを誘導する京都サウスベクトルを展開するなど、首都圏を中心に様々な営業活動を実施しており、私も東京で企業にアピールしてまいりましたが、非常に関心が高く、既に数社がオフィス・ラボの計画を検討されております。

 また、京都駅東部エリアの京都芸大移転、非常にスムーズにいきました。芸術が、地域にどれほどのインパクトを与えるかということを、地域の皆さんはもとより、多くの関係者・市民の皆さんと実感しています。その隣接地、東九条地域に「チームラボミュージアム京都(仮称)」が着工されました。さらに体験型「スーパーブルー」も進出されます。すでにE9が大変な人気ですが、東九条地域が、文化・芸術、多世代交流等で脚光を浴びています。崇仁地域でも将来活用地がたくさんございますが、それらについても、国内外の企業から高い関心を持っていただき、文化と経済の融合に役立つ地域になっていこうとしています。

 さらに、スタートアップの都・京都を目指して、スタートアップの創出・発掘から育成支援まで、オール京都体制で取り組んでおります。資金獲得等も東京に次いで多いと発表されていますが、非常に着目されています。大学のまち、ベンチャーのまち、これがスタートアップのまちとして発展していきます。さらに文化庁が京都に来て、文化と経済の融合、そこでカルチャープレナー(文化起業家)の聖地にしていこうと、これも大きな脚光を浴びています。さらに強化してまいります。

 加えて、「学生のまち」としての強みをいかした、市内学生を中心とした市内企業への就職を促進するための「地域企業インターンシップ促進プロジェクト」等の取組を推進しております。留学生についてもこの7年間、全国では1.1倍の増加でしたが、京都市内は1.6倍の1万4000人、国内外から多くの学生さんが集まる京都になってきております。そうしたことも含めて、世界を視野に取り組んでまいりたいと思っています。

  最後に、「地域」に関する取組では、52のアクションを掲げております。特に、洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクトを先進事例として、しっかりと実績を積み上げて、それを全市に展開してまいりたいと思います。


「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクトみんなで進める!実行策とりまとめ」について

(門川市長)

 次に、洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクトみんなで進める!実行策とりまとめでございます。「人口戦略アクション」の1つの目玉政策といえると思います。みんなで進める実行策であります。

 本プロジェクトは、洛西地域のさらなる活性化を目指し、中間とりまとめ以降、さらに徹底した議論を積み重ねてきました。本日、実行策をまとめました。

  今回は、中間とりまとめの実績とさらなる具体化に向けた新規取組を加え、内容を大幅に充実しました。

 本プロジェクトで実現したい暮らしのイメージ。子育て世帯を含めた全世帯を対象にした洛西地域の人々が、「身近でショッピング」、「便利なバス交通」、「豊かな公園や自然」、「ハイレベルな学術研究」など洛西の魅力を最大限に活かし、さらにそれを進化させ、あらゆる取組を集中して進めます。

 実行策は6のテーマと55のアクションからなります。参考資料に詳細を全て記載しておりますので、お読みいただけますと幸いです。全て具体的、集中的に実行いたします。

  全てをお伝えしたいところですが、時間の関係もありますので、ポイントだけ。まず4ページですが、タウンセンターなどもっと賑わいを作っていく。そして、若者を呼び込む住まいづくり。バスをもっと便利に乗りやすく。そして、遊具予算。公園の遊具の予算を倍増させ、公園の魅力アップ。協働と魅力の発信。この5点に絞って紹介します。

  1点目、タウンセンターなどもっとまちに賑わいを。洛西地域の核であるタウンセンターの魅力を、賑わい・住まいの両面で、さらに高めてまいります。

 便利で活力あるタウンセンターを目指し、都市計画を見直し。ファミリー向け分譲マンション事業者と髙島屋が連携し、整備の検討に着手されています。

 京都市といたしましても、今回の都市計画の見直しに加え、バスの再編、公園充実など、利便性や魅力の向上により一層努めまして、若者世代に魅力的な地域にしていきたい。景観にも配慮しながら、素晴らしいマンションとなるよう、事業者とも調整してまいります。

 ラクセーヌ専門店街が、12月15日に全面リニューアルオープンします。

 11月1日にはスーパーサンサンが先行オープンしました。家電量販店・薬局・書店・飲食店などが入居予定であります。大人も子どももワクワクするイベントも数々実施し、非常に人気を博しております。9月の夜バル・らくさい夜まつりは、約500名の方がお越しいただき大好評でした。明日、明後日、コーヒーフェスティバルを開催します。次々と、魅力的な行事が、昼も夜も、大人から子どもたちまで賑わっております。

 タウンセンターの広場と小畑川中央公園、一体利用や整備に向け、庁内若手チームで検討中です。令和6年度には基本計画を策定し、速やかな実現に向けて進めます。境谷サブセンターの中核・境谷会館で、地域ニーズを踏まえ、再整備を目指します。

  2点目は、若者を呼び込む住まいづくり。豊富な住宅ストックを活用し、住まいのニーズに応えてまいります。

 市営住宅のリノベ・活用。空き住戸を民間事業者により若者・子育て世帯向けにリノベのうえ手頃な価格で賃貸することにしました。既に入居申込も受け付けております。さらに第2弾の事業者も募集してまいります。

 ニュータウン内住宅の買取販売につきましても、今年度内に販売開始を予定しております。一歩踏み込んで、民間事業者と協調しながら取組を進化させてまいります。

 府営住宅、URの住宅もございます。そこと連携をいたしまして、協定を締結するなど一層連携します。

 さらに既存住宅の流通をスムーズにしていくためにカルテを発行して、住宅ローンの融資を受けやすい仕組みを作る。安心できる住まいを供給。今年度中に3件、モデル事業として取り組み、その効果を検証してまいります。

  バスをもっと乗りやすく。洛西地域には4社局のバスが走っております。市バス以外に3社が走っています。バスの台数も運行も充実しているのですが、それをシームレス化していこうということも含めて、利便性を向上させてまいります。

 まず目指す将来像は4点。バス路線の再編で、駅への速達性、地域内の回遊性を向上させます。洛西バスターミナルでの乗継ぎを便利にします。洛西バスターミナルをリニューアルします。そして、ICカードで、バスの色を気にせず乗車できる。以上を進めてまいります。

 まず、バス路線網のブラッシュアップです。

 駅へのアクセスを一層向上するため、バスターミナルから阪急洛西口駅・JR桂川駅へ約10分の直行路線を来年度から新設します。鉄道ダイヤに合わせ、約15分間隔の運行を目指します。かつて桂駅行きしかなかったのが、洛西口駅、桂川駅へ、そこから10分の直行便で行けます。そうしたことを徹底して取り組んでまいります。そして一部の市バスにつきましても、今、タウンセンターで止まっているバスを、洛西ニュータウン内を周っていくなどの取組も進めてまいります。

 より色んなバスに乗りやすく!ということで、先月から民営バスにも敬老乗車証を使っていただけるように改革をいたしました。洛西全域で使用可能になります。

 また、ヤサカバスが、令和6年度中にICカードに対応されます。従って、洛西地域の全体のバスをICカードで利用可能になります。市バスIC定期券、これも洛西地域の民営バスにも乗れるよう調整中です。バスの色を気にせずに、通勤・通学が便利になります。

  4点目、遊具予算を倍増し、公園の魅力アップ。洛西地域の公園面積は市内トップクラスです。大きな公園から身近な公園まで、多様な公園がございます。ハード・ソフト両面で魅力をさらに向上させます。

 遊具予算を倍増し、子どもに人気の遊具の導入など、どんどん充実してグレードアップしてまいります。次にトイレは、おむつ交換を快適にできるようなトイレに。あるいは親子で使いやすいよう、大規模な公園からリニューアルを考えております。

 協働と魅力発信。洛西地域のまちづくりは、行政でやるものではありません。住民・事業者の皆様が主役。そして行政と連携して、いっそう盛り上げてまいります。

 地域の動きが急拡大しています。「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”サポーター」には、個人、法人、ジュニアサポーターも含めて、600名を超える方々が登録いただきました。みんなで進める「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクト」でございます。

 サポーター発イベントも登場し、積極的に盛り上げていただいています。サポーターと一緒に、夜のドローンショー、マルシェなどの社会実験も実施。洛西が、地域も自然も人々も含めて、可能性の大きな場所だと私自身も実感しております。今後も進捗管理と情報発信を含めて、全庁一丸になって一気呵成に取り組んでまいります。そして、この実績を伏見や山科、向島ニュータウンなどに活かしてまいります。もっとも、向島で取り組んだことが、洛西で進化している面もございます。机上で議論しているのではなく、洛西で徹底して、地域と一緒にやれることは何でもやる。あるいは大胆に壁を打ち破って実行していく。そのことによって、若い世代あるいはすべての世代が、働き、学び、子育てし、そして未来を展望できる地域に取り組んでまいります。

11月補正予算について

(門川市長) 

 次に補正予算です。人口減少対策を推進していくため、子育て・教育環境の更なる充実、

 洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクトをはじめとした、持続可能な地域づくりを推進するために「11月補正予算」を計上いたしました。

 今回は、人事委員会勧告等を踏まえた京都市職員の給与改定、また新型コロナ5類移行に伴う減額なども計上しています。

 補正予算の具体的な実施内容です。

 まず、子育て・教育環境の更なる充実、洛西地域をはじめとした持続可能な地域づくりの推進等による人口減少対策の推進に30億6千万円を計上しました。

「洛西“SAIKO(さあ、いこう)”プロジェクトの推進」では、9,400万円を計上し、洛西地域の公園等の魅力向上、洛西の魅力創造・発信の強化、さらには賑わいの創出に要する経費を計上いたしております。スピード感を持って進めていきます。

 次に、「こどもまんなか公園魅力アッププロジェクトの推進」に1.3億円を計上しています。こどもまんなか社会の実現、若者・子育て世代の定住・移住促進に向け、より魅力を感じられる公園づくりを進めていくことは、極めて重要です。

 今回は、プロジェクトの第一弾の取組として、洛西地域に加え、向島ニュータウンや梅小路公園、宝が池公園子どもの楽園の遊具の新設等に取り組みます。

 次に「民間保育園等への人件費等補助金の充実」に、4億円を計上しています。これまでから全国トップ水準の保育を行ってまいりました。民間保育園の保育士の給与水準は、全国平均から100万円以上超える額を確保する、あるいは保育士の人数は国基準の1.3倍を確保する取組として、今年度も京都市独自で53億円の予算を確保しております。

 この度、保育園舎の修繕や改築に向けた積立てなど、民間保育園が人件費以外にも自由に使える経費を措置してほしいという保育関係団体の強い要望も踏まえまして、4億円を措置することにいたしました。3年後に総括して、改革を仕上げると申し上げてきましたが、先取りして、今年度補正予算で取り組みます。さらに、4月に遡って民間保育園でより充実した保育、子育て支援ができるように取り組んでまいります。 

 次に、「持続可能な子育て・教育環境の整備に向けた基金積立」に、25億円を計上しています。国において、次元の異なるレベルでの子育て支援、少子化対策の取組を発表されました。京都市会でも、これまでから様々な取組を進めてきましたが、それを一歩二歩、踏み込んだ取組を進めるべきじゃないかという議論もいただき、私は市長就任以来、子育て環境の充実に力を尽くしてきましたが、全員制中学校給食について、学識経験者、保護者代表、教育関係者、市民の代表等々で議論していただき、意見をおまとめいただきました。中学校給食をできるだけ早くということで、令和4年度の決算黒字等を活用し、

 全員制中学校給食を令和10年度中に実施を前提に、できるだけ早く実施したいといことで、必要経費を基金に積み立ててまいります。

 以上、ご説明申し上げました。それに加えまして、人事委員会勧告等を踏まえた京都市職員の給与改定に26億円、児童手当制度拡充に伴うシステム改修に1,300万円を計上しています。

 また、新型コロナウイルス感染症対策については、保健所体制や、検査体制の確保など、様々な取組をしてまいりましたが、新型コロナの5類移行に伴い、不要になった予算について減額いたしております。

 

私からは以上です。


質疑応答(摘録)

発表案件について

記者

人口戦略タスクフォースを立ち上げられて最も効果があった取組は何ですか。また、具体的にどのような効果があったか、データがあればお願いします。

市長

まず全庁横断的に徹底して、とりわけ、局のトップ、若手職員が局を越えて議論に議論を重ね、大胆にやっていく、かつ、できることはすぐやろうという考えで取り組んできました。

例えば、子ども若者はぐくみ局と教育委員会と総合企画局が連携して、保護者、子育て世代の方が最も知りたいことを知りたい時に知ってもらえるよう、YouTubeでの子育て支援策等を発信いたしました。大変好評を博しております。

また、都市計画の見直し等を含めまして、若い人が住める住宅を、働く場を、ということで、東京事務所とも連携しながら全国的な営業活動も進めております。従前と違って、多くの事業者から、京都サウスベクトルの(エリア内である)京都駅南から十条ぐらいまでは、オフィス・ラボ等が非常に関心を呼んでおります。それから、伏見の南部は、ものづくり企業等の生産研究拠点として関心が高まっております。全市的に、若い人の働く場、京都ならではの研究開発拠点、利便性の高いところで相対的に土地が都心部ほど高くない、そうしたところでの若い人の住居が創出していける、そんな手応えを感じております。まだまだこれから進化していきます。

さらに実態を見極め、そして市民の皆さん、事業者の皆さんの声を積極的に聞かせていただいて、取り組んでまいります。特に、市営住宅の利活用等については大きな可能性があり、全国的にも注目され、国の骨太方針にもその趣旨が書かれましたが、京都市職員の英知で持って民間企業とともに大胆に進めてまいりたいと考えております。

記者

 サウスベクトルのエリア内で、オフィス・ラボ計画を検討しているのはどのような会社で、京都駅周辺がどのように変わると具体的にイメージしているのでしょうか。

市長

 率直な意見交換をそれぞれの担当もしております。私も東京で説明会をやった時に、説明が終わったらどっと私の回りにも来られました。ただ、企業秘密があり、他社との関係を非常に気にされていますので、相当数のプランが練られているということで、御容赦願いたいと思います。

記者

 芸大が移転し、キャンパスに隣接する新たな文化施設の建設が予定されていると思うのですが、既に移転の効果を実感されているものが具体的にあればお願いします。

市長 

 先だって芸大祭へ行ってきました。学生の実行委員の人が「(準備について)想定の6倍です」というようにおっしゃっていました。10月1日に竣工して、そして短期間で引っ越しをして、短期間で学園祭の準備をしたと。「夜も寝れませんでした」と言いながら、ニコニコとされていました。これは何か。多くの方が来られている。そして、文化芸術に対する関心がいかに高いかということで、ありがたいなと思います。そして、学生さんがどんどんと地域に入って、地域の写生をされているとか、音楽部の学生さんが商店街で音楽を、あるいは地域のお寿司屋さんで演奏されているとか。沓掛も良い場所で、地域に愛されていたんですけれども、そういう展開はなかったと。こういう展開があって、芸大と地域が一体となっている、幅広い地域が一体となっているということを感じています。長年にわたって様々な課題があり、その課題を乗り越えてより良い地域を作っていこうということが崇仁地域はもとより、全市的な理解と協力のもとに進んでまいりました。劇的に変わりました。これは崇仁だけではありません。東九条地域での現代アート、ニューヨークのスーパーブルーの体験型アートの拠点が日本初進出などもあります。菊浜地域、芸大のすぐ北側の地域ですけれども、長年、大きな問題でありました暴力団事務所が全面的に撤去され、非常に静かで、文化、歴史を感じられるまちになり、多くの方が来られております。そして、高瀬川、五条から七条まで100年間、改修が手つかずの建物がありました。これは大胆な改修も任天堂御一族の山内万丈さんの御寄附も含めて進んでおります。高瀬川という川は、400年を超える歴史なんですけれども、その時代時代、いろんな歴史がありましたので、ずっと川は流れているんですけれども、人が(川の)流れに沿って歩いて行くということはあまり考えられなかった。これが丸太町からずっと順番に高瀬川、五条・七条間が劇的に美しくなり、さらに七条を越えたら芸大の横を流れ、そしてJRを越えたらチームラボの横を流れると。そして、伏見のお稲荷さんまで行くと。こういうようになっていきます。

 千年の京都の歴史は、輝かしい歴史とともに時代時代の制約で様々な軋轢等がございましたけれども、これを乗り越えて、みんなが共存する、共生する、そんなまちになっていく、その象徴だなと、こんなことを実感いたしております。そして、この崇仁地域にも、東九条地域にも、その周辺にも、様々な民間が活用できる土地がたくさんございます。それらについて、国内外から非常に関心を呼んでいるということで、研究開発拠点を移したい、設けたい、こういうことが起こっており、芸大移転の果たした役割の大きさを実感し、御尽力いただいた全ての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいでございます。

記者

 人口戦略アクションに関連して、人口減、子育て世代の流出などがこれから進んでいくと、具体的にどのような課題が京都市に生じると想定されていますでしょうか。

市長

 人口減少の要因は3つあります。

 1つ目は、京都にはすばらしい大学、企業、子育て環境があるにも関わらず、就職期に首都圏や大阪等に行かれます。この要因も2つあり、1つは、京都の企業の魅力をしっかりと学生さんに発信できず、マッチングができていない。そのため、一般的に認知度の高い東京の企業などに行かれるということ。2つ目は、京都にすばらしい企業があるにもかかわらず、規制等が厳しいために、事業を拡大する時に京都市域外に出ていかざるを得ない状況であったと。これは大胆に都市計画の見直しを行いましたので、京都の企業が京都で事業拡大していただけると同時に、国内外から京都に大学のまち、ベンチャーのまち、そして文化と経済が融合できるまち、そこに拠点を創設したい、移転したい、こういう動きが加速されようとしています。そうしたことで就職期の人口流出の課題を越えていけると思っています。

 2つ目は、結婚期、子育て期、例えば、パートナーが大阪に勤めているからそちらの方に移ったとか、色々な要因があります。人口が一番減っているのが、伏見区と西京区ですが、大きな要因の1つに、その周辺に出ていくという要素がございます。山科区もその1つです。周辺のほうが、住居が安い、こういう問題があります。京都市内に住みたい人がいっぱいおられる中、これも都市計画の見直しを含めまして、若い人が住める住居を提供できる京都市に、民間と一緒にやっていく、そのことによって人口減少に歯止めがかかっていくと、このように考えております。

 3つ目は、洛西ニュータウンのように、半世紀前に国の政策もありベッドタウンとして造りました団地が、世代交代がうまくいっていないということで、こういうところに若い人が住んでいただきやすい環境を作っていく。非常に子育て環境も整っておりますし、学力も高く、文化的な要素も高いところであります。先ほど申しました洛西“SAIKO”(さあ、いこう)プロジェクトでは、徹底してバスの利便性から、そしてベッドタウンだけではなく、職住接近のまちにしていこう、あるいは規制を緩和して、今までマンションが建てられなかったところにもマンションが建つようにしていこう、そんな取組も進めまして、若い人に住んでもらいやすい場所にしていく、こうしたことで人口減少に歯止めがかかっていくと、このように考えております。

記者

 このまま人口減少が進んでいくと、税収減、市全体の人材不足が課題になると感じていますか。

市長

 もちろん、それもあります。ただ、京都市の昼間人口比率は20の政令指定都市で4番目です。例えば京都市営地下鉄六地蔵駅は宇治市内に所在しています。今度、その周辺に650戸ぐらいのマンションができる。六地蔵駅は京都市と宇治市の両方にありますが、住宅が建つところは宇治市で、そこは高層のマンションを建てられるということになる。そうすると、宇治に住まれても京都市内で勤めるということになります。私は近隣都市と人口の取り合いのようなものはあまり好ましくないと思います。ただ、宇治市には高層マンションを建てられる。醍醐に入ったら15mしか建てられない。向日市にはタワーマンションができるが、洛西、西京区にはできない状態なので、景観に問題がなかったら、建てられるようにしていこうと思います。

 もともと京都は文化も経済も大学も集中しているまちなので、京都市内にみんなが住んで、京都市内で働いてというまちではなく、周辺都市と一緒に発展していく都市です。従って、京都市内の人口だけを考える時代ではなく、周辺の人口も含めて考えなくてはいけない。今、京都市の人口は少し減っています。しかし、税収は大きく伸びています。従って、一つの都市の損得ということではなく、周辺も含めて考えたい。また文化庁が京都に移転してきて、京都は日本の文化の都になった。文化で日本中を元気にし、文化で地方創生、そんな任務も京都には与えられています。従って、都市間「競争」ではなく、「共創」にしていきたいと思います。

記者

 今回発表された人口戦略アクションにどの程度の効果が今後あると見込んでおられますか。

市長

 住宅を建てるとか、住宅を改修するのはすぐに効果が現れてきますが、それ以外は少なくとも5年、10年かかっていく。こういう問題は、やるべきことはスピード感を持ってやらなければならない。しかし、効果検証は中期に渡って見ていかなければならないと思います。ただ、今、言えるのは、ちょっと前まで京都市内にはマンション計画がほとんどなく、ホテルの建設計画ばかりだったんですが、最近、どんどん住宅建設が増えてきていますので、そうしたいい効果が着実に目に見えてくると思います。

記者

 宿泊施設の誘致などの観光推進が地価の上昇をもたらして、市内に家を買えない人たちが市外に流出しているという一面もあると思いますが、そのことについてはどう御認識されていますか。 

市長

 人口戦略アクションの28ページに区ごとの社会動態の増減率を載せているのですが、一番増加率が高いのが中京区、その次に多いのは下京区、その次、上京区、南区です。一番ホテルが増えたところが、土地も上がっているけど人口も増えている。そして、西京区、伏見区、山科区の増減率は下がっている。ここは土地の値段が上がっていない。ホテルも建っていない。従って、ホテルの建設が土地の値段を上げて人口が減っているわけではありません。しっかりと分析しながら必要な対策を取っていきたいと思っています。1つ言えるのは、都市格が高まったために、京都の、例えば田の字地区などが熱くなっている。従って、その周辺地域、例えば、京都駅の南側、オフィス・ラボを作っていきますが、その上には住宅を積んでもいい。西京極、西院もどんどん住宅を建てる。非常に便利な場所です。今、二条駅の周辺の住宅開発がかなり進んでいますが、もう1つは山科の京都外環状線沿い、あの周辺も非常に便利です。そういったところに、若い人が住める住宅を作っていく。私は長く、教育委員会で仕事をしてきましたけれども、京都市の本当の中心部、今、ホテルが進出してきているところは、もともと若い人が住めるところではありませんでした。だから、私の世代の人は、学校の先生も含めて、城陽に、宇治に、大津に住むというような時代でした。市内だったら、山科とか岩倉などです。この間、中京区などで染屋さんがどんどん閉鎖していかれた。染屋さんというのは結構土地があったから、その跡にマンションが建って、そこに一時期、人が増えたということはありますが、もともと若い人が街なかで住めるものではありませんでした。だから、その周辺の利便性の高いところに住んでいただける取組を集中的にやっていきたいと考えています。

 前のフランス総領事が、パリのシャンゼリゼ通りにマンション買えないということがパリでは問題にならないとおっしゃっていました。自分の友達は京都が大好きで京都に住んだと聞いたが、よく聞いたら大津市だったと。でも、その友達は京都で働いて、大津も京都だと思っている、そういうまちなんだと、パリもそうだと、こういう風におっしゃっていましたけれども、大津市だけでなく、京都市の中心部の周辺、便利なところにどんどん住んでもらえる状況も作っていきたいと思っています。これに照準をしっかり合わせて、色々な取組をしていきます。

記者

 補正予算について、職員給与改定が26億円、人事委員会勧告を踏まえてということですが、一方で今、行財政改革計画の集中改革期間中です。改めて、この時期に給与改定する理由を教えてください。

市長

 公務員の給与は、争議権等の制約の下に、法令によって第三者機関、国は人事院勧告、地方自治体は人事委員会勧告を尊重しなければならない。これは市長にも、議会にも、そういう意味で勧告されています。それを尊重するのは責務だと思っています。ただ、厳しい財政の下で給与カット等を行いました。私の市長就任以来、3回給与カットを行ったのは、全国の長でほとんどいないのではないかと言われています。職員の、職員団体も含めて協力に感謝したいと思っています。この期間中に500人の人員削減、そして働き方改革による人件費削減等につきまして、目標を超えて達成することができました。そして、今、働き方改革も含めて、職員のモチベーション、有能な人材の確保ということが大きなテーマになっています。従って、人事委員会勧告を踏まえた給与改定というのは、議会からも市民の皆さんからも御理解を得られるものと確信しています。

 なお、特別職の私、副市長等につきましては、私は市長就任以来、2割の給与カット、特にこの改革期間中3割の給与カットを行っていますが、それを継続し、期末手当の改定等については、今回はしないということにしています。

記者

 補正予算の民間保育園の人件費補助制度ですが、昨年度、制度を再構築されて、年度途中の見直しを2年連続されています。かなり大きく予算が増えていますし、その件について保育園側から制度そのものがずさんだったのではないかとか、拙速だったという声もありますが、年度途中の見直しと、そのような保育園の声についての受止めをお願いします。

市長

 保育園連盟、京都市日本保育協会、認定こども園協会京都府支部、保育に責任を持ち、全国トップ水準の保育を実践してきていただいた3団体から、今回の措置について高い評価をいただいております。行財政改革の時期と重なりましたので、今回の改革の趣旨が正しく伝わっていない部分もありますが、京都市独自の国の基準を上回る取組として大きく2点申し上げます。

 1つは、保育士の処遇を、全国の民間保育園の平均給与より100万円以上高くする。

もう1つは、保育士の人数を、国の基準の1.3倍にするという取組を進めてまいりました。しかし、令和3年度に行った実態調査によると、必ずしも京都市の措置が保育士の人件費に回らず、基金に積み立てられている、どの職種に使うべきものかを決めていなかったために、他の職種に非常に多くの人件費が回っている等の様々な課題がありました。その課題の原因として、大きくは、直接の措置ではなく保育園連盟を通じて措置していたということ、国の措置費と京都市の独自の上乗せについて優先順位を決めていなかったために、京都市の補助金を先に使い、国の措置費を積み上げておられた等、様々な要素がありました。本改革は、そうした課題に対して、本来の姿にするべきだという改革であります。そして、その間に、例えば障害児保育の加算については別枠にするべきではないか、認定こども園については事務職員が非常に多忙であるため措置をすべきだという御指摘もあり、それらにつきましても実態を聞き、改善をしてきました。その改善についても、評価していただいています。そして、今回、100万円以上を超える処遇というのは概ね保障されており、保育士等や給食調理員の処遇について、しっかりと維持、改善もされてきているということを確認しました。

 一方で、各保育所が、施設が老朽化しているため補修繕費を蓄えておきたい等の要因で、賃金の方に回っていないということもございます。そのため、保育園が各裁量の下で、自由に使える予算を増やしてほしいと、このような3団体から強い要請がございました。議会でもそうした趣旨の議論があり、この制度は3年後に総括しようという話もありました。しかし、3年を待たずに、4年度の総括も踏まえまして、先を見通して今回、保育園がこの大事な子育て支援、保育の充実のために、安心して将来を展望して実行していただけるようにということで、今回、4億円の予算を補正予算で措置し、今年4月に遡って実施しようというものであります。

記者

追加で保育団体から強い要請があって、今回4億円を補正予算で出していますが、団体から要望があれば、毎回毎回、増額するという形になるのでしょうか。

市長

 今回の措置は、令和4年度から始めた改革を3年後に総括するものを先に総括して、これをもってこの改革の完了であるという趣旨のものであります。その点につきましても、議会で答弁しており、さらに保育関係団体にも説明しております。従って、そのような誤解はないと思います。

記者

 では、年度途中の見直しは今後やらないと断言される、ということで良いのですか。

市長

 はい。年度途中というよりも、この改革はこれで完了ということであります。

記者

 大きく2点お聞きします。まず、人口戦略アクションについて教えてください。先ほど市長に御説明いただいたのは、市の人口減少の要因に合わせた課題の解決策であると理解しています。その解決策については、成果が出るまでに非常に時間がかかり、長いスパンで見ていく必要があると思います。そのため、現時点の課題の部分についてお聞きします。先程、京都の都市の活力自体は下がっていないという話をされました。そのことを踏まえると、今後、人口減少が進むと、どのような懸念があるのでしょうか。つまり、持続可能な都市経営というのを進める上でも人口減少対策が必要とのことですが、その持続可能な都市経営をどのように描いて、どういったことを危惧されて、この対策を打たれているのでしょうか。

市長

 一般的に、都市の衰退、人口減少というのは、都市の魅力の喪失、主力産業の衰退などが要因であります。京都市の都市の魅力は、国内においても、世界的に見ても極めて高まっています。その中で、都市の首都圏と周辺への流出、あるいは半世紀前作ったニュータウン、それらの対策が十分にできておりませんでした。従って、都市の魅力を維持向上させていく、これが都市経営の人口問題の最大のキーワードだと思います。京都の人口は、1000年前は10万から15万と想定されました。それが千年経って10倍ぐらいになっている。このように巨大にもならない良い状態が続いてきた、京都市はこのようなまちであります。確かに、周辺部に住む、京都地域以外に住まれて京都に通われるというのも良いことだとは思いますが、京都の魅力というのは、職住接近。観光としての魅力でも、市民の暮らしの美学、生き方の哲学、これが脈々と京都のあらゆるところにつながっている。これが魅力だと思います。市役所に出て行く時に、正面広場で子どもたちがいっぱい遊んでいるんですね。子どもが手を振ってくれて、市役所に出て行ける市長というのは大都市ではあんまりいないのではないかなと思います。このような職住接近はパリでは見られない姿だと思います。東京都でも見られない、大阪市役所でも見られないのではないでしょうか。こういうまちを維持していく。だから、若い人も、子育て世代も京都の町なかに住み、京都で働き、京都で文化芸術を楽しみ、大学のまちで学んでいく。こういう京都の魂のような部分、これを維持していかなければならないと思います。その意味で、人口減少、つまり市域外に住んで、京都に通う人が増えてくるということは、必要な部分はやむを得ないと思いますし、市職員でも他都市からどんどん来ます。しかし、やはり主力は京都に住み、京都で働き、京都で子育てし、京都で学び、こんなまちを維持していきたい、これを大事にしていきたいと考えています。

記者

 補正予算の中で給食センター整備の話が上がっています。市議会の議論では、交渉がまとまる前に整備場所の有力な候補地の話がありました。これについて、441億円という大きなお金がかかります。その意味で言うと、議論の進め方について、子育に関することだから早く進めたほうが良いという声があることは分かりますが、なおさらそのプロセスについてきっちり進めていくことが大事だと思います。その議論のプロセスについて、どのようにお考えでしょうか。

市長

 (全員制中学校給食検討会議において、)京都ならではの食文化も含めた中学校給食、安心・安全、食文化、健康、異次元の子育て支援ということで議論を進めていただきました。専門業者による他都市の調査なども含めて、自校方式等では事実上いつになるか分からない。全ての学校に用地を確保して給食室を作っていくのは、ほぼ現実的には無理ではないかということでセンター方式が適切との結論でした。センター方式について他都市を調べていただいたら、(製造)ラインごとに衛生管理が徹底されていました。また、京都ならではの食文化もできるということで、センター方式が唯一無二の方法であるということで議論が深まり、教育委員会でも仮にセンター方式になった場合を想定し、どこか(センター設置の)場所があるのか検討、開建高校が洛陽工業高校跡地に、この春に移転・開校し、塔南高校の敷地が跡地になる。ここ(塔南高校跡地)が道路環境からも含めて、これほど良い場所はないということで、最有力の土地として検討を進めることとした。(まだ実施方式が)決まっていないと言って、検討会議での意見のとりまとめ等すべての結論が出た後に決めるよりも、私は良かったのではないかなと。地域の方々のコンセンサスも得てやっていきたい。あそこは34,000㎡あります。給食センターに、例えば、16,000㎡使っても、残りを地域の人が望んでおられる産業用地としても使っていける。地元の合意形成も進めながらやっていける。開かれた場で給食の在り方を議論し、センター方式がほぼ確実だとなった時に、それでは、京都市内にどこがあるのかという議論とちょうど重なって、有力な候補地を議会でも答弁させていただきましたが、少し最初の候補地に関する発言が早過ぎたのではないかという御指摘は閉ざされた場での議論なら分かりますが、(開かれた場での議論であるため)結果としていいものになったと思いますので、御容赦願いたいなと思います。441億円、まず初期投資は163億円、年間運営費が大体18億5,000万円。そのうちの一般財源が25億円ですので、今回、皆さんの御理解の下に4年度決算の黒字額の一部をこれに使わせていただき、基金としてしっかりと取り組めるように進めてまいりたいと思っています。

記者

 補正予算で、子こどもまんなか公園魅力アッププロジェクトの第1弾で2.3億円計上されていますが、一方で市内に900ある公園で、まだ未整備のところがあったりとか、老朽化している公園もあると思います。今後の公園整備のビジョンを教えていただけますか。

市長

 何度も行きましたが、洛西ニュータウン、向島ニュータウン。公園を、緑を整備して、そして遊具を作る、あるいはトイレでおむつを替えられるようにする。インパクトがあることを改めて実感しました。現に私が行った時に、平日の午前中ですが、小さい子どもの手を引きながら赤ちゃんをおんぶしておられる人が喜んでおられる姿も見ながら、公園って改めて大事だなと感じております。公園整備、3点あると思います。

 1点は国の補助制度、これを徹底して生かすことです。国にも先だっても要望してまいりました。

2点目は、民間活力を使った利活用。パークPFIなどにも積極的に取り組んでいきたいと思っています。

3点目はやはり最重点として公園整備をしていきたい。これは、もちろん子育て支援、かつて児童公園とか都市公園とか言われましたが、今は健康公園です。朝、高齢者が集まって体操しているといったことも含めて、公園がこれからの都市経営の中で非常に大事にしていかなければならないものですので、私の任期はあと100日ですが、しっかりとモデルを作りながら、補正予算を含めて次の市長でもしっかりと繋いでいただけると思っています。

一般質問

記者

 京都市長選の前哨戦とも言われた八幡市長選が終わりました。どのように受け止めていらっしゃいますか。

市長

 本音を申し上げまして、川田市長の誕生を喜んでおります。非常にさわやかで聡明な方で、堀口市長の実績を継承されて、しっかりと八幡の未来のために活躍されると確信しておりますし、京都市職員として、最初に生活保護ケースワーカーとして第一線で頑張られて、その次、資産活用を担当されて、あともう1つ、安心・安全の場で活躍された方であります。京都市職員としての経験も生かされていい市長になられると確信しておりますし、八幡市と京都市、様々な縁がございますので連携を深めていけると感じております。昨日、初登庁されて、今日、(私のところに)挨拶にお越しいただきます。

記者

 コメントを先日出されていましたが、門川市長の事実上の後継として松井孝治さんが市長選に出馬されることになりました。松井さんがふさわしいと思われるところはどこかということと、市長はどのような支援をされるのでしょうか。

市長

 松井孝治先生、京都に生まれ、京都で育たれ、こよなく京都を愛しておられます。私、教育長当時からいろいろ御縁をいただき、懇意にさせていただきました。そして、優れた官僚として大いに活躍され、政治家としても活躍され、そして、今、この間、大学の教授として、研究者として、幅広い方々といろんな討論されたことをネットや本等でも出版されて、私も読ませていただいています。何よりもお人柄です。本当に人に優しく、誠実で、真面目であられる。同時に、堅くない。文化芸術にも非常に造詣が深くて、平田オリザさん、松井孝治さんの紹介で、京都の小中学校をよく回っていただきました。私も一緒にシンポジウムに出させていただいたこともあります。例えば、(京響常任指揮者の)沖澤のどかさんの演奏会は東京でも京都でも必ず聴きに行っておられる。私も京響の学団長ですが、私の100倍ぐらい良い楽団長になられるのではないかと思います。文化の都となった京都、世界の文化首都を目指す京都、文化を基軸とした都市経営、そして文化と経済の融合、経産省の優れた官僚としての大変な実績もあられます。これからの京都に一番良い人が京都への恩返しということで御決断、本当に頭の下がる思いで、私もしっかりと応援していきたいと思っています。

記者

 国民民主党の前原さんは前回、門川さんを応援してこられました。今回は前回の枠組みには乗らないということですが、どのように受止められていますでしょうか。

市長

 私を応援していただいた全ての人が、またそれ以外の人も含めて松井孝治さんを応援してほしい。それだけの価値のあるすばらしい可能性のある方だと思っていますので、念願いたしております。まだ時間もありますので、それぞれ様々な考え方があろうかと思いますが、松井孝治さんに京都の未来を創造していただけるように、多くの方の御支援を私からもお願いしたいと思っています。

記者

 今朝、前回の市長選挙で門川さんを支援していた政治団体で、収支報告書の誤記載があったという報道がありました。この件について、事実関係などお聞かせいただけますでしょうか。

市長

 未来の京都をつくる会は、私を応援していただいている団体でありますが、私が関与する団体ではありません。私がその運営に一切の権限も責任もございません。関与しておりません。したがいまして、私を応援していただいているけれども、私から独立した団体であるということで、詳細については一切存じ上げておりません。適切に対処していただけるものと考えております。

記者

 先ほど市長選の関係で松井さんを応援されるというふうにおっしゃいましたが、具体的に選挙期間中に応援演説でマイクを握るなど考えておられますか。

市長

 松井孝治さんを応援される団体組織が立ち上がるものと考えておりますので、あらゆる要請に応じてやれることは全力でさせていただきたい。このように考えております。同時に、私自身を応援してきていただいた個人的な友好関係にある方々がおられます。既に会うたびに色々な人にお話していますけれども、できることを全てやっていきたいと思っています。

記者

 自民党の繁市会議員が離党されて松井さんではない候補を応援するとおっしゃいました。今まで繁先生に応援していただいた身としてどういう風に思われますでしょうか。

市長

 繁先生、本当にお世話になってきました。繁先生のいいところは義理、人情、恩義というのをものすごく大事にされるというお人柄ですので、40年にわたって深いつながりがあった人についての、あの先生らしい悩んで悩んで悩んで苦しんでの判断だったのだろうなと思っております。率直に言って、先生のお人柄を知っているだけに、政策の云々ということではなく、やはり義理の人だな、人情の人だなということを思って、苦しまれたのだろうなと感じております。多くの人が引き続き、松井孝治さんというすばらしい候補者を推していただき、しっかりと京都の未来をより魅力的なものにしていただけるように、私自身、精一杯頑張っていきたいと思っています。

記者

 昨日、職員が逮捕された事件で、市長は不祥事の根絶を掲げられて1期目、当選されたと思いますが、今までのこの不祥事の根絶に向けた取組となかなか無くならないことへの御所見をお伺いします。

市長

 劇的に京都市職員、勤務姿勢も、それから市民サービス、多くの窓口サービス等につきましても、満足度調査でAランクが8割、9割となってきています。私は、例えば第一線の土木、あるいはごみの収集、バスの運転、あらゆる面で全国トップ水準の職員のモチベーション、奉仕の精神で頑張っていただいていると、劇的に変わってきたと、誇りに思っております。ただ、今回、本当に無念でなりませんし、これをもう一度、再度徹底していきたい。一番悔しがっているのは、真面目に一生懸命頑張っている職員だと思います。その無念さを共有して取り組んでまいります。

記者

 選挙の関係で松井孝治さんのお名前が出ましたが、市長としては、後を託すなら松井さんという風にお考えなのでしょうか。

市長

 もちろんそうです。

記者

 退任表明の会見の時には後継の指名はしないというお話でした。そうすると、市長のお考えとしては後継に松井さんと捉えていいのでしょうか。

市長

 私は市長任期の半年前に退任の表明をしました。これは、その時も申し上げたかもしれませんけれども、猛暑の中、毎日毎日、朝から晩まで走り回っている門川、次期も意欲満々に決まっているということがマスコミの世界でも様々な政党間でもあった。私は出る気がないのに、出たいという人は手を挙げるかもしれないけれども、松井孝治さんのような方は、私が出る意欲があると思っておられたら出られないだろうと。こういうことも含めて、早く退任表明を明らかにしたほうがいい。政治家というのは退任表明をしたら組織がガタガタになりますよと、こうおっしゃる方もおられますが、市役所の組織、そんな組織ではありません。しっかりと、まさに一気呵成にこの人口減少対策もあらゆる取組を一段と、あと100日頑張ろうというぐらいでやっていただいていると、そんな組織でありますので、堂々と半年前に表明させていただきました。その時に、私自身が後継指名というようなことはしませんということを明確にさせていただきました。

 そして、松井孝治さん、私を応援していただいた主だった団体等の方々、あるいは市民、文化人の方々が議論して、どんな市長像がいいのか、そしてそれに合う人は誰だということで、松井さんを候補者として決められた、その報告を受けました。それに対して、私はこんなすばらしい人はいない、私も応援させていただくということでありますので、私が後継指名した人ではございません。同時に、私が市民の皆さんと一緒に取り組んできた文化を基軸とした都市経営、安心・安全、様々な施策、これに共感しながらさらに発展させられる創造的に取り組まれる方だと思います。したがって、狭い意味での門川市政の継承ということではなく、次は松井孝治さんがどんな京都の未来像を皆さんと一緒に描いてやっていくのか。その時に、私のやってきた子育て支援や教育、既にコメントでも評価していただいている、そうしたことも発展させていただける。また文化を基軸とした都市経営も発展していただけるものだと確信しております。

記者会見動画(全編)

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

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