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京都市消防局

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H30.2.25 小野学区総合防災訓練

ページ番号233086

2023年6月16日

アイデアにあふれたユニークな防災訓練

2月の最後の日曜日,曇天ながらも少し寒さが緩んだ空の下,小野小学校で山科13学区の最後の防災訓練が開催されました。

自主防災会の皆さんのアイデアあふれる防災訓練を御紹介します。

訓練前の様子

地震発生!各地域での対応訓練と避難行動

午前9時に地震が発生という想定で訓練は各家庭での地震対応から始まりました。

各家庭での初動対応,隣近所の声掛け,地域の集合場所への集合,地域での地震対応訓練などを行い,避難所である小野小学校に9時50分までに到着する避難行動訓練が行われます。

負傷者を応急担架で搬送しながらの避難行動

避難行動訓練では負傷者を応急担架で搬送します。

会場へ避難してきた人々

避難誘導班を先頭にして,次々と到着します。

避難状況の報告

到着したら受付で避難状況の報告を行います。

避難人員の報告

受付担当から自主防災会長へ避難人員の報告です。400名を超える地域住民が集まりました。

震災時の初動活動,3・3・3の法則の実演

大地震が起きたときの初動行動についての確認です。

3・3・3の法則に従い,大地震後3分,30分,3時間の行動を住民自らが演じ,その様子を見て震災対応への理解を深めます。

起震車を使った地震対応の展示

地震発生直後の3分間を起震車で再現します。姿勢を低くして頭を守り動かない(シェイクアウト),揺れが収まれば火の元を確認,避難経路を確保といった一連の行動を実演します。

初期消火を実演する消防団員

次の30分は火災への対応です。「ポンとホースをはずし,ピンとピンを抜き,パンとレバーを握る!『ポン・ピン・パン』と覚えてください。」消火器使用のコツを消防団員が分かりやすく説明しています。

人命救助のために集まる人々

地震発生後3時間は,人々が協力して人命救助に全力を挙げます。けが人や閉じ込められている人がいる時,大声で助けを呼び,できるだけ多くの人を集めます。

けが人の救護にあたる

最初に路上で倒れているけが人の救護にあたります。多くの負傷者がいる場合,まず,助けやすい人から助ける。応急手当てをして,毛布と担架,歩けない人にはリヤカーを活用します。

閉じ込められている人を救助する様子

次につぶれた家に閉じ込められたり挟まれたりした人を救出します。声を掛けて励ましながら,がれきを取り除きます。

チェーンソーで材木を切断する消防団員

ウインチやチェーンソーなど,使用に際して危険が伴ったり,技術が必要な機材の操作は消防団員が行います。

ジャッキを使用して救助している様子

足などが挟まれて抜けない場合は,車用のジャッキを使用して隙間を広げます。後方では担架を用意し,指揮者が安全管理をしています。

救出を完了した様子

挟まれていた人を引きずり出し,無事救出完了。クラッシュ症候群の恐れがあるため,医師のいる救護所へ搬送します。

訓練に見入る地域住民の皆さん

実に手慣れた様子の展示訓練を行った皆さんは,ずいぶん多くの時間をかけて事前訓練を重ねられたのではないでしょうか。
緊迫感あふれるリアルな訓練を真剣なまなざしで見入る人々も,ヘルメットの着装率が高いことと,若者や子供たちの参加が多いことに感心します。

避難署運営のノウハウを学ぶ

展示訓練の後は,トイレ,炊き出し,避難所の3つのコーナーに分かれて,それぞれのノウハウを学びます。

準備から訓練の運営まですべて自主防災会が行っています。

トイレ対策のコーナー

京都市が備蓄しているトイレ

京都市が備蓄しているマンホール利用型の組み立て式トイレです。実際に下水用のマンホール上に設置してあります。

小野学区オリジナルの応急トイレ

小野学区オリジナルの災害用トイレです。汎用テントに養生シートを結束バンドで固定してできており,裏側と合わせて6室あります。使用中の表札はクリアホルダーでできています。

トイレの中の様子

2枚重ねの入口を開いて中を見ると,箱型の簡易トイレが置いてあります。使用するときは便座にビニール袋を掛けて,使った人が後始末をします。

小野学区オリジナルトイレの様子

下水が壊れて水が流れなければ,学校のトイレは使えません。また,震災直後,京都市の備蓄用トイレがすぐに使えるとは限りません。そんな時,役立つのがこのテントとシートで作る簡易トイレです。

炊き出しのコーナー

炊き出し訓練の様子

災害で意気消沈しているとき,温かい物を食べることはとても大切です。いち早く炊き出しができるように,様々な工夫をしています。

かまどと炊飯器

自主防災会でプロパンガス,かまど,炊飯器を用意しています。特にこの立派な業務用かまどは廃業したうどん屋さんから譲り受けたものだそうです。重いのが難点とのこと。

アルファ化米の説明をする様子

京都市が備蓄しているアルファー化米の説明と実演を行っている様子です。でも,主力は炊飯器,各家庭のお米を持ち寄ればすぐに炊き出しができます。

かまどで火を起こしている様子

備蓄物資のアルファー化米もなく,プロパンガスも切れてしまったとき,最後の手段は薪釜です。新聞紙や使用済みの割り箸を使って実際に火を起こしてみます。

避難所のコーナー

避難所のしつらえの様子

避難所となる体育館は,さながら避難グッズの展示場のようになっています。

備蓄物資の展示の様子

こちらでは,京都市が用意している避難所開設セット,自主防災会で用意している備蓄品,そして,各家庭で用意してほしい備蓄品に分けて展示されています。

避難署運営に関する説明の様子

自主防災会の避難署運営担当が避難署運営の要諦を説明しています。

パーテーションの様子

ストレス低減のため設けるパーテーションは,ビニールハウスの廃材(スチールパイプ)と養生シートでできています。また,ダンボールを敷いた床と畳を敷いた床を比較体験できるようにしてあります。

備蓄品の展示を見る地域住民

具体的な備蓄品の展示に「これはうちも備えなければいけないな」という声が上がっていました。

車中泊を想定した展示

体育館脇のグラウンドでは,車中泊をイメージした展示が行われていました。エコノミークラス症候群を防ぐため,足を延ばして寝られるようにとのことです。

子供たちへの防災指導

ミニ消防車に乗る子どもたち

将来の地域防災を担う子供たちが参加できる防災訓練ということで,子供向けの工夫もなされています。

起震車で地震体験をする子供たち

子供たちを対象とした起震車による地震体験です。地震の際の行動を学びます。

●×クイズの様子

子供たちに防災●×クイズを行っているところです。消防署とPTAが担当しています。

真の自主防災を目指して


 小野学区では,震災の教訓を忘れないようにということで,阪神・淡路大震災が起きた1月17日,東日本大震災が起きた3月11日の間のあえて寒さが厳しい時期に総合防災訓練を行っています。

 また,新旧の町内役員の交代時期でもあることから,防災訓練の企画運営は,新旧の役員が共に係わり,地域防災の連続性を確保しています

 さらに,起震車やミニ消防車といった訓練用の機材を借りる場合も,この時期は他の地域と競合することが少なく借りやすいというのも大きなメリットです。


 そして,特筆すべきは,消防署は起震車やミニ消防車など訓練で使用する機材の準備を行っただけで,防災訓練の企画運営はすべて自主防災会で取り仕切っているということです。

 自らが考え,主体的に実践する。身近なものを活用して,一つの方法に頼ることなく,多重の方策を用意する。自助と共助の役割分担を明確にするなど,学ぶべきことが多い防災訓練でした。

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お問い合わせ先

京都市 消防局山科消防署

電話:075-592-9755

ファックス:075-591-1999