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京都市消防局

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平成28年7月号 人事課通信

ページ番号200856

2016年7月1日


 消防署に社会見学で訪れる子どもたちに,「消防署は,どんな仕事をするところか知っていますか?」と聞くと,「消防車で火事を消しに行く!」,「救急車でけがをした人を病院へ運ぶ!」,「火事のときは119番に電話する!」などと,元気な答えが返ってきます。消防の仕事は災害現場活動だけではなく,火災予防の啓発や応急手当の指導,火災原因の調査など,様々な仕事があることを説明して,その後はお待ちかねの,消防隊員による消火・救出活動の訓練見学です。迫力ある放水やはしご車のはしごを伸ばしての救出活動などに,子どもたちの歓声が上がります。そして,最後に感想や質問がないかを聞くと,こんな質問が寄せられることがあります。

 「消防隊に,女性の人はいないのですか?」

 平成28年4月1日現在,京都市消防局で働く職員のうち,消防吏員は,初任教育生・再任用職員を含め1,770人となっています。そのうち,女性消防吏員の数はどのくらいだと思われますか?

 答えは,全体の3.8%に当たる67名です。現在,その67名のうち,48名が「日勤」と呼ばれる毎日勤務,19名が24時間三交替の交替制勤務で仕事をしています。



 京都市消防局では,平成5年に女性消防吏員第1期生を採用し,20年余りが経ちました。当初は火災予防や広報などの毎日勤務のみであった職務内容も,救急隊,消防指令センター,指揮隊…と,交替制勤務や災害現場活動へ,順次,活躍の場を広げてきました。そして,この4月には,管理職(課長級)への登用,消防隊への配置が実現(冒頭の子どもたちの質問に,「いるよ!」と答えられるようになりました。)するなど,大きな変動がありました。

 採用後に受講する消防学校における初任教育も,当初の日勤・4箇月教育から,日勤・6箇月教育,全寮制6箇月教育へと,順次,移行してきました。さらに,平成26年度の採用試験からは,男女別の採用枠が廃止され,体力試験における体力差考慮を除けば,女性消防吏員は男性と同様の採用条件となっています。

 しかし,子どもたちの質問からも分かるように,消防で働く女性はあまり知られていないのが現状です。もっと広く女性消防吏員の存在を知ってもらおうと,人事課では,業務説明会や採用メールマガジン,採用案内パンフレット,京都市消防局facebookなど,さまざまな機会を捉えて発信しているところです。また,国においても,女性消防吏員の積極的採用や活躍促進について,様々な取組がなされています。

 ※ 業務説明会の模様や国の取組については,平成28年3月号の「Web京都消防」でも紹介していますので,是非そちらも御覧ください。⇒ 【平成28年3月号「人事課通信」

 消防という職場に限ったことではありませんが,男性の多い職場に女性の職域を拡大することは,一見するとメリットばかりではないかもしれません。しかし,機会を与えられた女性側も,これまで先駆けて道を切り拓いてこられた先輩方に感謝し,「期待に応えたい」と努力を重ね,その職責を果たそうとしています。新たに女性の部下や同僚を持つことになった職員も,「女性を育てる」という視点から「個人を育てる」視点へと,意識の切換えが必要となります。何より,女性が働きやすい環境の整った職場は,年齢や性別に関わらず,誰もが働きやすい職場になることと思います。

 全消防吏員に占める女性吏員の割合から考えても,市民の皆様が女性消防吏員の働く姿を目にする機会は少ないかと思います。まだまだ人数は少ないですが,消防署の前を通る子どもたちが振る手に,女性消防吏員が手を振り返す光景が,将来は「普通」になるかもしれません。


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お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195