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サキョウ見聞録 その7 左京の奥山へ2 花脊~広河原ルート

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2024年11月11日

京都バス32号系統最北端・広河原バス停

 大阪市よりも広い左京区は南北に長~いです。左京区の16万人の人口の大部分が、南の平野部に住んでいて、北の4分の3くらいは森林に覆われた山間部です。

  その山間部を大堰川(おおいがわ・桂川のはるか上流)に沿って南北に貫く京都府道第38号(広河原美山線)を、見聞録その3に引き続き、花脊から広河原までたどってみました。

  広河原は、花脊よりも更に北8kmあたりに位置する集落で、京都バス第32号系統の終点でもあります。かつて北桑田郡京北町に属していましたが、昭和32年(1957に)年に京都市に編入され、現在に至っています。

 春から夏には多くの渓流釣り客が訪れます。雪の多い地域でもあり、冬の間にはスキー場も開かれていました。

花背出張所前を出発


 花背出張所前を出発。この日は4月某日、春がゆっくりな花脊ではまだ桜が咲いています。



 こちらにも絵地図の看板が。これは花背第二中学校(当時。現在の花背小中学校)生徒会と花脊自治振興会によるもので、花脊地域中心の地図になっています。左下が広河原方面となっており、今回の旅では地図の真ん中あたりから左下の方に向かって進んでいくことになります。


 それでは出発。いきなり道が細くなります。このカーブの先には、左京消防署花背消防出張所があり、花脊八桝町(はなせやますちょう)の集落が続きます。


左京消防署花背消防出張所


 集落を越えると上り坂に。左に「学校あり」の道路標識が。


旧京都市立八桝小学校跡地

 かつては花背別所町を除く花背地域の子どもたちがたくさん通学していました。平成2年に広河原の堰源小・中学校が閉校になったため、広河原から遠距離通学する児童もいたそうです。

 平成19年に花背小中学校ができたときに統合され廃校となりました。

 校庭に赤い煙突が見えますが、これは今年の6月に完成した登り窯の煙突です。


 旧八桝小学校校庭の登り窯の建屋。陶芸家の近藤高弘氏によって造営されたものです。

 登り窯については見聞録その4「花脊八桝の登り窯(はなせやますののぼりがま)」で書いていますので、こちらもどうぞ。

松上げの里へ


 蛇行する大堰川を見下ろしながら、道は続く。


 花脊八桝町。写真の奥には伝統行事「花脊松上げ」の火を授ける春日神社が。


 その先には市民農園「たんぽぽの里」。空きがあれば入園者を募集しています。緑豊かな山々、透明な清流、澄んだ空気を肌で感じながら野菜づくりを楽しみたい方にオススメです。


 たんぽぽの里の看板の横には、「花背の自然を守るために」の看板が。

 黄色いかわいらしい花を咲かせる特定外来生物のオオハンゴンソウが花背~広河原地域で繁殖しているので、駆除を呼びかけるものです。繁殖力が非常に強く、夏場には黄色い花が咲き乱れる場所が増えましたが、NPO法人自然観察指導員京都連絡会のみなさまをはじめ、駆除活動を頑張っておられる方たちがいらっしゃいます。

 私も家の庭のオオハンゴンソウは一本残らず引っこ抜いています。


 花脊リゾート山村都市交流の森外部サイトへリンクしますの入口。夏場には川遊び、バーベキューなどで多くの親子連れでにぎわっています。カフェもあります。花脊の美しい自然を楽しむのには絶好のスポットです。

 次の週に開催された「民家サミット2024」の案内も書かれています。


 森に囲まれた広大な森林公園。写真は5月の「花背の森で木と遊ぶ~おつきようか2024」というイベントの一場面。


 川遊びが楽しい夏!多くの人でにぎわいます。


 その隣の河川敷には松上げ場が。花脊松上げはここで行われます。

 花脊松上げは毎年8月15日に行われる伝統行事で、火伏せの神を祀る愛宕神社の神事。燈籠木(トロギ)と呼ばれるひのきの丸太の先端のカサに向けて、火を灯した松明を放り上げる祭で、夜の闇に浮かび上がる火が幻想的です。


 今年の花背松上げ。中央のトロギに向かって松明が放り上げられます。私の写真は(あえて)何も語っていないので、ぜひみなさまご自身の目でご覧いただきたいと思います。


 更に北に進むと、花脊原地町(はなせはらちちょう)に。分かれ道を東に向かうと、大悲山峰定寺(ぶじょうじ)、有名な美山荘、花脊の三本杉があります。


 大悲山峰定寺の仁王門。ここから約400段の石段を上った先に本堂があります。現在は限られた時期を除き入山禁止となっています。


 道が西に折れ、大堰川を左に見ながら続きます。道路沿いには古民家が点在しています。

そして広河原へ


 花脊原地町を抜け、広河原へ。春になると大堰川でアマゴ釣りが盛んになります。この辺りは住民さんの年齢層が比較的低く、遊んでいる子どもたちの姿を見かけることがよくあります。


 川の向こうに旧堰源(えんげん)小学校が。大堰川の源である地、というのが名前の由来だそうです。平成2年に休校になっていますが、校舎は地域の自治会の活動で使用されたり、災害時の緊急避難場所として指定されていたり、現在も地域の拠点です。


 旧堰源小学校の先には、左京区最北の地、久多(くた)への分かれ道があります。


 分かれ道の先は、能見峠を越えて、久多に至ります。久多への旅もいつか記事にしたいと思います。


 山際を流れる川沿いに、様々な色の桜が咲いています。


 広河原の松上げ場。長さ20メートルものトロギが置かれています。毎年8月24日の夜には、火に包まれた幻想的かつ勇壮な、広河原松上げ外部サイトへリンクしますが繰り広げられます。


 農村風景が続きます。


 更に北西に進んでいくと、広河原トラウトタウンが。築250年の古民家を改修した建物に加え、敷地には子ども向けのアスレチック広場やライブステージ、サウナ小屋もあります。その名が、アマゴ釣りが盛んな広河原を表しています。

 ここは8月4日に開催される「広河原里山フェスティバル」の会場にもなります。アユのつかみ取りや川遊びなど、子どもから大人まで楽しめる企画が盛りだくさんで楽しみ。


 ・・・などと言っていたら、どうやら8月4日にタイムスリップしてしまったようだ!

 これは、広河原里山フェスティバル!地域を挙げての夏のお祭り。地元の特産物や飲み物食べ物、いろんなお店が出ています。


 ああ、標高450mを超える広河原でも暑いもんは暑い。

 えーい、こうなったらアユつかみも楽しんでいこうじゃないか!


 いかんいかん。アスレチックまであるものだから子どもと遊んでいたらつい時間が・・・


 気を取り直して旅を。トラウトタウンの少し北には「広河原薪炭再生集団外部サイトへリンクします」の炭焼き窯が。

 広河原では戦前まで林業と炭づくりが盛んで、「鞍馬炭」の産地でしたが、20年ほど前に一度途絶えてしまいました。

 危機感を持った地域の方たちが2016年に「広河原薪炭再生集団」を結成し、現在は再び製品化に成功しています。


 おっと、いつの間にか4月に戻ってしまったようだ。急激な温度変化に体がついていかん。ブルブル・・・

 気を取り直して旅を。周囲の民家を見ると、屋根の形からも雪深い地域であることがうかがえます。まだ4月なので雪囲いをつけている家も。


 京都バスの「広河原」バス停。ここが終着点です。


 写真の奥は広河原スキー場。この辺りが広河原の集落の最北。


 それを更に行くと、南丹市の美山に向かうルート。見えにくいですがゲートがあり、ツーリングのバイクが颯爽と駆けていきました。この先は佐々里峠で、峠をこえたらそこは南丹市美山です。雪深いため12月15日から3月15日はゲートを閉じて全面通行止めとなります。

  花脊から広河原までの旅はこれでおしまいです。

 お読みいただいたみなさまが少しでも旅をした気分になれていたらうれしいです。

 

 今後機会がありましたら、広河原~久多の旅も書きたいと思います。

この記事を書いた人

矢野裕史(左京区役所 企画・山間地域振興課長)

左京区北部の花背在住の、左京区民歴20ウン年の自称左京ファン。冬は花背の山でシカを獲ったりしてます。


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