サキョウ見聞録 その3 左京の奥山へ1 鞍馬~花脊ルート
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2024年10月15日
大阪市よりも広い左京区は南北に長~いです。左京区の16万人の人口の大部分が、南の平野部に住んでいて、北の4分の3くらいは森林に覆われた山間部です。
その山間部を南北に貫く道を、鞍馬から花脊までたどってみました。
花脊は、鞍馬火祭で有名な鞍馬から、ずっと北に位置する集落で、明治22年(1889年)に別所、大布施、八桝、原地新田の4つの村が合併して花脊村になり、昭和24年(1949年)に京都市に編入され、現在に至っています。
鞍馬出発
少し遅めの時間になってしまいましたが、鞍馬寺の山門前を出発。10月22日の鞍馬火祭のときには幻想的な風景が繰り広げられるこの場所も、人通りはまばら。
集落を抜けていくと、一番奥にくらま温泉が。
ずっと長い間閉鎖されていましたが、現在くらま温泉の再始動に向けたプロジェクトが動いていて、6月26日(6.26、露天風呂の日)に再開するのだそうです。そうなると新たな人の流れが生まれそうで楽しみ。
そして私が通るのは左の道。
杉木立を抜けて
急に両側が杉、杉、杉・・・
鞍馬の集落で駐車場を探していて迷い込んだらしい車がパニックになっているのに遭遇することも。それくらい急激に景色が変わります。離合困難な箇所もあるので運転はご注意ください。
京都バスの転回所。くらま温泉行きのバスが折り返します。ここから先は人家が途絶えます。
夜になるとシカさんが多くうろついているので、夜の運転は注意が必要です。私はここを「シカゾーン」と呼んでいます。
杉の木の間を抜けていくと、急に視界が開けて、法面が補強されているところも。こんなところばかりだったらいいのですが・・・
「花背峠トンネル化早期実現」の看板が。ここからヘアピンカーブが続きます。ここはシカゾーン2。
ヘアピン
「百井別れ」というところ。実はここまでは京都府道38号線で、有名な大原の集落から大原百井町を抜けてここで合流するのが国道477号です。
百井別れの先はこんな感じ。二度言いますが国道です。
花脊方面は向かって左側の道路を直進。
さて、国道に合流したので、花脊に向かってレッツゴー!国道477号
国道?酷道?国道も400番台は伊達じゃない。
またもヘアピン。鞍馬から数えると5つ目のヘアピンカーブ際には湧き水のわいているところもあるようで、水汲みに来られている方によく遭遇します。
上り最後のヘアピンカーブのところで急に眺望が開け、京都市内が一望できます。黒い影になっている山のかなたが京都市の市街地です。ここは夜景が美しいところでもあります。
京都のまちの明かり。私の写真だとこんな感じですが、ほんものはもっとすごいです。
花背峠。標高759メートル。この日は4月にしては暖かい日で、夕方でも20度ありました。
ここから花脊
峠を越えて更に進みます。文字が消えて見えにくいですが左の看板には「花背別所町」と書いてあります。ここから花脊です。
峠を越えても油断はなりません。狭い道とカーブが続きます。
そして鞍馬を出発して最初の集落、花脊別所町。平安時代から続く、山に抱かれた美しい集落です。
一息ついていると、京都バス32号系統 広河原行きが通り過ぎていきました。
一日二便の、貴重な地域の交通機関です。このバスは日本にここにしかないメロディーバスなのだそうで、音楽を流しながら走っています。バス停はありますが、どこでも乗り降りできるのだそうです。
集落を抜けていくと・・・
京都市野外活動施設「花背山の家」。京都市内の小学生が必ず一度は訪れるという施設です。
花脊と言ってピンと来なくても、「あ~山の家があるところか!」とおっしゃる方もよくおられます。
花脊別所町を抜けて更に北へ。左のお堂の脇には、花脊別所町と花背大布施町の境を示す立札が立っていましたが、老朽化のせいか倒壊していました。
花脊大布施町の集落に入ってきます。
花脊神社(大神宮社)。天照大神を祀っているのだそうです。
橋の向こうに看板を見ている人たちがおられる。
滋賀県から野草を摘みに来られたそうでした。看板は、「花脊・広河原の地図」。地図の左側が北で、現在地は地図の一番右側。
この看板は平成17年の花背第二中学校(現在の花背小中学校)の子どもたちが制作したものなのですね~。美しい自然のある地域ですが、その当時からゴミのポイ捨てが問題だったようです。隣にある2枚の看板でも、ごみを持ち帰ること、山菜や魚を採りすぎないことを求めています。
魚がよく釣れるところですが、採りつくしてしまったらいなくなってしまいますし、ごみをポイ捨てするとせっかくの景色も台無しです。
自然と付き合う作法は覚えておきたいですね。外国人観光客が増えてきた今日この頃ですが、それを予見してか英中韓の三か国語で書かれているのがすばらしいです。
しばらく行くと、
桂川の上流、大堰川を渡る橋が。
この橋には「開花橋」という名前がついています。由来は分かりませんでしたが、花脊を開く橋、と読むとなかなかよい名前のように思います。
橋を越えると、左は右京区京北方面、右は広河原方面の丁字路。右は大堰川沿いに広河原方面へ。開花橋から北は再び府道38号線になります。
左に向かうと京北方面に。こちらが引き続き国道477号。
右に曲がると花脊の中心地に到着。付近には花背小中学校、小規模保育所の京(みやこ)ベビーハウス堰源があります。
JAとAコープは残念ながら空き店舗になっていますが、地域の方が週に2回、火曜日と木曜日にお弁当やお惣菜を販売されています。観光トイレもあるので、ツーリングやドライブに来られた方が一服している姿をよく見ます。そして左京区役所花背出張所前でゴール。
今日の旅はここまで。次回は花脊から広河原に向かいます。
お楽しみに!この記事を書いた人
矢野裕史(左京区役所 企画・山間地域振興課長)
左京区北部の花背在住の、左京区民歴20ウン年の自称左京ファン。冬は花背の山でシカを獲ったりしてます。
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