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京都市教育委員会

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【レポート】 令和3年度総合教育会議(令和3年6月4日)

ページ番号286490

2021年8月16日

【テーマ】「京都市の教育に関する大綱について」及び「1人1台端末の活用による教育のICT化推進について」

 令和3年6月4日,「京都市の教育に関する大綱について」及び「1人1台端末の活用による教育のICT化推進について」をテーマに令和3年度京都市総合教育会議を開催しました。

 【当日資料1】

 【当日資料2】

 会議での概要は以下のとおりです。また,会議全体の議事録は本ページ最下部の「会議の詳細はこちら」をご覧ください。

開会挨拶

門川 市長

 コロナ禍となって1年半経過しましたが,新たに変異株が猛威を振るっており,若い世代でも感染が増えております。今回の総合教育会議のテーマは,本市基本計画を教育に関する大綱に位置付けることでありますが,コロナ禍において,さまざまな社会的課題が生じてきているなかで,将来を見据えた内容となっています。

 そして,もう1つのテーマであるGIGAスクール構想による1人1台端末の活用ですが,昨年度に学校現場を拝見し,活用はできているものの,全学校で着実に取り組んでいかなければならないと実感いたしました。また,ICT化も大事でありますが,これまで本市が取り組んでいる華道や茶道等の京都ならではの体験学習についても,感染対策を講じながら,実施していく必要があります。

意見交換「京都市の教育に関する大綱について」

笹岡 教育委員

 ICTで選択肢を増やすこと,学んだことをどのように生かすのかが課題だと思います。特に,生涯学習の分野においては,世代を超えて高め合うことも大切で,子どもから親が学ぶことも大きい。また,特別支援教育におけるICT支援の事例もそうですが,社会的弱者にも届く生涯学習を展開してくことが必要になると思います。

奥野 教育委員

 コロナ禍によってICT化が10年進んだと言われており,今までの常識にとらわれない柔軟な考えを持って,各種の取組を進めていく必要があります。ICTは可能性が無限である一方で危険性もあり,10年進んだ分だけ,悪影響も生じる可能性があります。特に児童生徒の体力面への影響を懸念しており,どのようにフォローできるかが重要だと思います。

髙乘 教育委員

 新たな基本計画は,これまでの京都の長い歴史で積み重ねた伝統がしっかりと引き継がれている内容になっておりますが,これからの教育で重視したいのは,子どもたちが持続可能な社会の担い手として育っているかということです。そういった能力は,コロナ禍では制約はありますが,学校の外に出て,京都のまち全体を舞台に学んでいくことで育っていくと思います。

野口 教育委員

 オンライン授業に慣れてくると,弊害もみられます。私が大学で講義をする際,久しぶりに教室に戻って授業を行ったときに,学生たちは,真面目に授業を聞いていますが,教員の言うことへのリアクションや,学生同士のコミュニケーションがなくなっており,どこかオンラインと同じような平面的な印象を受けました。オンラインというのは,学習はできても,人間形成の部分で課題があるのではないかと感じています。

意見交換「1人1台端末の活用による教育のICT化推進について」

松山 教育委員

 よく海外と日本の教育は比較されますが,日本の教育は,勉強に付いていけない子どもたちへのフォローアップが充実していることが特徴的です。ICTの活用によって,可能性は大きく広がっており,すべての教員が,同じクオリティーで授業を行うことは難しいですが,ICTの活用が得意な教員の動画を全市的に配信することで,同じクオリティーのものが全市的に共有できるため,非常に良い教材になると思います。

 コロナ禍での一番の弊害は,子どもたちの心に火をつけることが非常に難しいことです。スタンフォード大学と広島県教育委員会が行っているプログラムでは,オンライン授業によって,広島県の生徒が遠く離れたスタンフォード大学の授業を受けました。このような取組は,まさに今の時代でないとできません。現在,コロナ禍で,留学等の体験的な授業が難しい状況で,このようなオンラインならではの取り組みは非常に有益です。

 また,私が行っている高校生へのオンライン相談の中で,将来プロのバスケットボール選手を目指している生徒が,「部活動の練習ができない,大会もない,そんな状況でどうやって夢をもったらいいのか,モチベーションが維持できない」という相談がありました。そういった子どもたちに対して,子どもたちが目標とする有名な元プロ選手とオンライン上で引合せ,対談する機会を設けることで,心に火をつけることができると思います。普段ならあり得ない人と交流できるのも,オンラインならではのこと。オンラインを目的化せず,ツールとしていかに活用できるかがICT化推進に必要だと思います。

奥野 教育委員

 国際水泳連盟では,コロナ禍において会場に集合しての大会が実施できないことから,アーティスティックスイミングなどで,バーチャル大会を推奨しています。このようなICTの活用は,学校での部活動にも活用できるのではないかと思います。

 また,東京2020オリンピックまで,あと50日を切りました。オリンピックは,特にこのコロナ禍においては,単なる平和の祭典ではなく,社会的意義を持つ大会となっています。子どもたちに,「なぜ今オリンピックを行うのか」という議論をさせ,社会的課題に関心を持たせることも大切だと思います。

野口 教育委員

ICTは活用方法が重要であり,総合支援学校でのICT活用は,技術進歩によって,子どもたちが,これまで以上に自らの考えを表現できるようになっています。また,これまでリアルな社会に溶け込めなかった子どもたちが,オンラインによって,自らを表現できるようになる。より可能性が広がっている中で,よりよい活用方法を模索しながら,今後の活用を広げていってほしいと思います。

髙乘 教育委員

 ICT機器は,個別最適な教育を展開するツールであると同時に,協働的な学びの展開に活用することで本来の力を発揮することができると考えます。こうしたICT機器を活用した「深い学び」の実現には,教員の情報機器への実践的理解が不可欠であり,そのためには,教員の職務で最も大事な授業研究への活用を積極的に進める必要があると思います。

笹岡 教育委員

 学校教育でICT活用が進む中,端末を長時間使用することで姿勢が悪くなったり,視力が低下したり,子どもたちへの悪影響が懸念されます。

吉田 副市長

 総合支援学校での取組は,多様な児童生徒の将来的な社会参加を手助けし,可能性を広げるものであると感じています。また,ICT活用にあたり,児童生徒とともに,家庭学習への活用も求められる中で,保護者への取組も丁寧に行っていく必要があると思います。

下間 総合企画局長

 京都市基本計画の策定を担当する局として,基本計画の政策分野が,本市の教育に関する大綱として共有され,位置づけられることは感慨深いです。コロナ禍を踏まえ,多様な働き方がある中,職員の心にも火をつけられるような取組を進めていきたいと思います。

久保 子ども若者はぐくみ局長

 子ども若者はぐくみ局では,地域での人のつながりを作るための支援が職務の1つでありますが,ICT活用によって,新たな道ができると感じています。各種の相談事業では,オンラインになると,カメラを見てしまうため相談者と目が合わず相談しづらい等の課題があります。本日の議論も生かして,事業の拡大に努めてまいりたいと考えております。

結びに

稲田 教育長

本日,本市の教育に関する大綱に,京都市基本計画を位置付けることを確認いただきました。

ICT活用は,教育の可能性が広がっていくことと合わせて,コミュニケーション力の欠如や健康面等の危険性もあることを踏まえつつ,多様な子どもたちの可能性を広げる1つのツールとして,引き続き,拡充を努めてまいります。

コロナ禍においては,体験的な学習や人と人とのつながりが大事になっており,ウィズコロナ時代は,いわばウィズヒューマンとウィズICTで,よりよい教育環境の整備に努めてまいります。

門川 市長

京都の教育は,長い歴史と伝統を積み重ね,まち全体で子どもを育むという文化の根付きと教育委員会,学校現場の教職員による教育実践で成り立っております。このコロナ禍,1年半続いていく中で,まだ明確な見通しが立てられていない中,この総合教育会議において,今後の子どもたちの学びの在り方,とりわけICTについて議論ができたことは,有意義に感じております。

現在,コロナ禍において,本市は多くの課題を抱えています。1つはワクチン接種や3つの密の回避といった医学的な課題,もう1つは市民の不安解消等の心の課題です。毎日,コロナの陽性者や死亡者の数が報じられ,そうした中で,命の尊さと向き合っている毎日です。このような状況で学び過ごす,現在の子どもたちがつくる未来を輝かしいものとするためにも,コロナ禍を経てどのような大人になるのか,それを本市全体で子どもたちの心を支援していきたいと考えております。社会的な課題として,コロナの影響で更なる格差を生じさせてはならない。1人1人を大事にする,誰一人取り残さない取組みを進めてまいります。

 


お問い合わせ先

京都市 教育委員会事務局総務部総務課

電話:075-222-3767

ファックス:075-256-0483