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京都市教育委員会

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【レポート】 令和元年度第1回総合教育会議(令和元年8月1日)

ページ番号257738

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2019年10月28日

【テーマ】“次世代の学び舎づくり”


画像をクリックすると当日の資料をダウンロードできます☝ 

8月1日,教育長・教育委員と市長の協議の場を,京都市ではPTAの代表等も参加いただき,オープンな場で闊達に協議・意見交換する「京都市総合教育会議(拡大版)」を開催。今回は「次世代の学び舎づくり」テーマに,「Society5.0」と言われる超スマート社会の到来も見据え子ども達に必要となる力,様々な困りを抱えた子どもへのきめ細かな対応,学校教育を取り巻く多様化・複雑化した課題への対応,学校の働き方改革 等々,幅広いテーマについて議論しました。

>会議での議論の概要は以下のとおりです。また,会議全体の議事録は本ページ最下部の「会議録の詳細はこちら」をご覧ください。

これからの学校づくりに必要なこととは?

門川 市長

今年は,番組小学校創設150周年の節目の年。

地域ぐるみ・市民ぐるみで子どもを育むという伝統は,明治以来,現代に受け継がれており,地域・PTAが学校の最大の応援団となり一人一人の子どもの成長をしっかりと支えていただいています。本日お越しいただいたPTAの代表者の皆様に改めて感謝申し上げます。


さて,人生100年時代を迎え,今学校で学んでいる子どもたちこそが,令和,そして21世紀の主役として持続可能な社会をけん引していく存在となります。

こうした中で,22世紀まで生きる子どもたちに,その人生の基盤・土台となる力をどのように育んでいくのかが,学校教育の大変重要な使命であり,課題であると感じています。

本日は,PTAの代表の皆様にも御参画頂く中で「次世代の学び舎づくり」という大きな視点で,京都の教育にとって必要だと考えておられることについて,様々な視点から意見交換を行っていければと思っています。

開智校写生図 明治10年頃

 開智校写生図 明治10年頃☝
(幕末の動乱による戦禍,明治維新による事実上の東京遷都により,京都は衰退の危機にあった。しかし,町衆をはじめとする明治の先人達は,厳しい状況下にもかかわらず,京都の復興のため,「まちづくりは人づくりから」の信念により,明治5(1872)年の学制公布に先立ち,明治2年に日本で最初の学区制小学校である64校もの「番組小学校」を開校させた。)

在田 教育長

現在,学校教育は大きな転換期を迎えています。新学習指導要領では,「社会に開かれた教育課程」という理念を掲げ,思考力・判断力・表現力を基にして,学びに向かう力や人間性を高めるべく学校教育を変えていこうとしているところですが,

まず,PTAの皆さんが日々,学校・幼稚園で活動する中でお考えになっていることから伺っていきたいと思います。

植松 中学校PTA連絡協議会会長

先日,京都出身で東京の霞が関で働く友人と話す機会があったのですが,その中で,彼は京都市立の小学校・中学校で学んで本当によかったと言っていたことが印象に残っています。

その理由を尋ねると,市立学校は多様性があり,色んな人がいて色んな考え方があることを肌感覚で感じることができ,その時の経験が,仕事をする上で,非常に役に立っているとのことでした。

現在,アクティブラーニングの視点から,子どもたちが主体的に意見を交わす中で授業を展開されていますが,様々な人や考え方があることに子どもたちが触れて育つことにより,社会に出た時に役に立つ,生きる力につながっていくのではないかと思っています。


村田 幼稚園PTA連絡協議会会長

幼稚園では,2018年度から新しい幼稚園教育要領がスタートしており,その中で,幼児期の終わりまでの育ってほしい10の姿が掲げられていますが,ほとんどの保護者がその内容を御存じありません。

今年の10月から幼児教育無償化がスタートすれば,現在よりも質の面で幼稚園と保育園が比較されることとなります。

市立幼稚園では,日々教職員の皆さんが研修等により自己研鑽をされ,遊びを通じた自由な保育の中で子どもたちの未来につながる力を育んでいますが,市立幼稚園での素晴らしい教育実践を多くの人に届けられれば,もっとたくさんの人が集まってくるのではないでしょうか。

大澤 小学校PTA連絡協議会会長

今日的な課題として,PTAとしても地域コミュニティの活性化に向けた取組を考えていく必要があります。

学校教育については,新学習指導要領が小学校で来年度からスタートすることに伴い,英語教育やプログラミング教育等の新しい学習内容も盛り込まれ,先生は今以上に忙しくなるのではないでしょうか。

先生の多忙化を解消するとともに,学校教育の質を上げていくには,現在5年生・6年生に導入している専科教員を中学年以下にも配置拡大することや,教科担任制の導入等についても検討していく必要があると感じています。

在田 教育長

本市では,15年前から専科教員の配置を全国に先駆けて導入しており,昨年度からは,これまで6年生だけであった専科教員の配置を5年生にも拡大したところです。

今年度から文科省では,中教審において,小学校への教科担任制の導入等について議論が始まっているところであり,こうした国の動向も注視しつつ,更なる教育環境の充実につなげていければと考えています。


野上 高等学校PTA連絡協議会会長

私自身,PTA活動に携わるようになったことで,学校でどのような教育活動をしているのかを間近で見る機会が増えたものの,まだまだ知らないことばかり。

また,令和2年度から大学入試改革によりセンター試験が大学入学共通テストに変わりますが,保護者としては,制度についての情報収集も大変。

市立高校での各校での特色ある教育実践をはじめ,大学入試改革等についてもっと情報発信していただけたらありがたいし,保護者もそうした情報をもとに勉強していく必要があると感じています。

久保 総合支援学校PTA連絡協議会会長

昨年,特別支援教育に係るPTAの全国研究協議大会が京都で開催されました。

様々な方と話をする中で,京都市では平成16年に全国で初めて知的障害や肢体不自由等の障害種別の垣根を越えた総合支援学校に再編し,地域の障害のある子どもや保護者等に対しても一人一人のニーズに応じたきめ細かい支援を施してきたことを知り,京都の総合支援学校の素晴らしさを実感しました。

また,京都市では地域の子どもは地域で育てるという理念を大切にされており,自分の子どもが通う西総合支援学校でも,地域の方との交流機会を設けていただいています。

障害を抱えた子どもは,家と学校を往復するだけになりがちですが,様々な人とのつながりは,子どもの健やかな成長につながります。

こうした取組に加えて,例えば,西総合支援学校は西京区にありますが,右京区の市立学校との交流機会等も設けるなど,行政区を超えた交流機会も設けることができれば,一層子どもたちの成長につながっていくと感じています。

キーワードは“多様性”

門川 市長

皆様からの御意見を聞かせていただく中で,キーワードは多様性だと感じました。一人一人に子どもたちに多様性があり,その多様性を感じ,互いに認め合い,学び合うことの大切さを改めて認識しました。

久保会長からは,総合支援学校再編についての話がありましたが,当時は様々な反対意見があり,不安に思う保護者の方もたくさんおられました。しかし,障害のある子どもたちの教育に熱心に取り組んでいる先生方,教育委員会,そして保護者・地域が侃侃諤諤に議論を重ねた結果,国が制度化する3年前の平成16年に全国に先駆けて地域制・総合性の総合支援学校の創設に至ることができました。

そして同じ平成16年に,就職を希望する生徒や保護者の願いに応えるため,働くための幅広い知識や技術を学ぶ高等部職業学科も創設。現在は,障害者技能競技大会(アビリンピック)のビルメンテナンス部門等で,総合支援学校高等部の生徒が最優秀賞を受賞するという素晴らしい成果にも繋がっています。

また,東山総合支援学校では,地域にあるホテルの調理人やパティシエが学校を訪問し直接指導していただいており,その結果,4人が調理師やパティシエとしてホテルに就職することが決まった。まさに,新学習指導要領が目指す,学校での学びが将来につながっている事例ではないでしょうか。

このように,本市では様々な課題に対して真正面から向き合い,教育改革を進めてきましたが,我々は常に先を見据え,これからどうしていくかを考えなければなりません。

これからの時代の教育環境

門川 市長

少し話は変わるのですが,現在本市ではタブレット型PCの計画的整備を進めているところです。

この先の次代を見据えると,紙の教科書ではなくデジタル教科書を使用することが当たり前になる等,日常的にタブレット型PCを使うことが前提になれば,昭和の時代に教科書が有償から無償化されたように,国策としてタブレット型PCも無償化される時代が来るのではないでしょうか。

こうした未来が来ることも想定しながら,今できることを精一杯やっていくことが大切だと感じています。

笹岡 教育委員

先ほど市長からもあったように,これからの京都の教育の在り方を考える中でのキーワードは多様性。そして,子どもたちが多様なものを受け入れるためには寛容性が必要。

その寛容性を育むには自己肯定感を感じることが必要であり,そのためには多様な経験をすることが必要。今年度から小学校では茶道体験,中学校では華道体験を全ての児童生徒が体験していくことになりますが,こうした多様な経験は社会に出た時にも大きな力となるものです。

また,地球環境のこと等も考えれば,今後様々な場面でペーパレス化が進んでいくはずです。そうすると,教科書がデジタル化されていくことも見据えた,ICT環境の整備を推進していく必要があるのではないでしょうか。


市立中学校での華道体験の様子☝

在田 教育長

これからの時代を生きていくためには,知識の習得だけでなく,どう活用するかが大切であり,そのためには子どもたちの創造力を育む必要があります。

しかし現在は,芸術教育の授業時間数が減少しており,昔は週2時間程度であったが1.5時間程度になっており,今後,子どもたちの芸術教育をもう少し踏み込んで実施していかなければならないと考えています。


 「障害者アートのワールドカップ」と言われるパラリンアート世界大会2018にて,グランプリ・準グランプリに次ぐ賞であるスポンサー賞を受賞された西総合支援学校 小学部2年生 熊瀬川 健太さんの作品(学年は受賞当時)☝
 作品名:「はなび」(2017年9月制作)

デジタルを使いこなす一方で・・・

奥野 教育委員

ICTの活用により教科書がデジタル化されていくという話がありましたが,デジタルを使いこなす力は欠かせないものの,仮に身の回りからデジタルが無くなった時に,デジタルに頼らずとも生きていくことができる力を学校教育の中で育むことができるかがポイントだと思います。

近年は大規模な自然災害等も数多く発生しており,想定外の事態が起きた際やサバイバルな環境に置かれた時に,柔軟に対応することができる発想力や創造力を育んでいく必要があるのではないでしょうか。

また,地域コミュニティの弱体化という話もありましたが,子どもは親の姿をよく見ているもの。親が自治会や地域の活動に関心を持たなければ,子どもが地域活動に参加する機会もなくなってしまいます。

もう一度,子どもを真ん中に置いて,自分の子どもだけでなく社会全体で地域の子どもを育てていくことが必要だと感じています。


京都は多様性と先進性を兼ね備えたまち

髙乘 教育委員

多様性ということがキーワードとなっていますが,京都は,都として古くからたくさんの人が集まる場所であり,様々な人が交わることで常に新たなものを生み出してきた,多様性と先進性を兼ね揃えたまち。

今年で番組小学校創設150周年を迎えましたが,明治初期にも関わらず,当時の学校には,地域の方の寄付によりピアノや顕微鏡,天体望遠鏡などが備えられており,最先端を学ぶことができる場所でした。

さて,来年度から新学習指導要領が小学校で全面実施されますが,これまでは,わかる,できる等の知識が学力の中核とされてきましたが,これからは知識だけでは不十分で,困難な状況でも目標に向かって頑張ろうとする意欲や他者と協力しながら目標を達成する協働の力など,いわゆる非認知的能力を育むことが重要となります。

教育基本法の第 1 条には,「教育は,人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」とありますが,これはいつの時代にも通じる教育の普遍的な理念,目的であります。

地域コミュニティの弱体化が危惧されていますが,子どもたちが民主的な国家及び社会の形成者として,よりよい地域を,どのようにして自分たちで作っていくのか。

まず,学校でこれを考え,体験できるようにしていく必要があるのではないでしょうか。近年,地域によっては,以前は大人だけで運営していた夏祭りを,子どもたちもスタッフの一員に加えて実施しているところがありますが,こうした経験を積み重ねることが,これからの子どもたちには必要ではないかと考えています。

いつの時代も変わらず大切にしなければならないこと

星川 教育委員

主人公は子ども,そして子ども支える教職員。タブレット型PCの配置充実など,ICT環境の整備ももちろん大切ですが,いつの時代も基本となるのは,子どもと教職員がいきいきと輝いていること。

私が子どもの頃は55人学級であり,教科書も有償でした。今は,少人数学級で教科書も無償で提供される。では,昔の教育はダメだったのかと言われれば,決してそうではありません。

大切なことは教育条件の整備だけではなく,子どもと教職員のふれあいや子どもたちが互いに力を合わせて何かを成し遂げる経験。ここが学校教育の本質的な部分ですし,いつの時代も変わらず大切にしなければならないことではないでしょうか。

教育の本質的部分を大切にしながら,明日子どもが行きたいと思う,そして教職員も子どもが輝くにはどうしたらいいのかをいつも考えている,こうした素晴らしい学校をこれからもつくっていけたらいい。

結びに

在田 教育長

昨日,教育委員会主催の新任教頭研修で訓示をする機会があり,その中で,公立学校の強みを生かしてほしいという話をしました。

公立の学校には色んな子どもたちがおり,多様性に溢れている。それが,学校・園にとっては様々な困難を伴うこともあるが,子どもたちが互いに違いを認め合いながら自分も生かし,他人も生かし一緒になって様々なものをつくりあげていく経験をすることができる点が公立学校の強みであることをお伝えしました。

また,この間,社会の中では大変痛ましい事件が発生しています。その原因を明確に究明することは難しいですが,そうした犯罪を起こした人も学校教育を経て社会に出てきた人。悲惨な事件が起きないようにするにはどうしたらよいのか,もう一度考えていく必要がありますし,こうしたことも踏まえ,子どもたちが自分だけでなく,友達のことに目を向ける姿勢を学校教育の中で培っていただきたいとお伝えしました。

本日,様々な御意見をいただきましたが,予算が伴うことについては,門川市長や議会にもしっかりと説明し,取り組んでまいりたいと思います。

特に,芸術に触れる機会をという御意見がありましたが,来年3月に美術館が新装オープンされ,常設展示が新設されます。現在,教育委員会の中で相談しているところですが,小学生が岡崎周辺によく遠足に行く機会を捉えて美術館を訪問し,素晴らしい展示を見る機会を設けられたらなと考えています。


 2020年3月21日にリニューアルオープンする「京都市京セラ美術館」☝
(建築家青木淳・西澤徹夫の革新的なコンセプトに基づき,竣工当時のデザインを活かしながら現代的な要素を加えることで,清新なイメージで「故」と「新」の位相が融合する,新しい美術館として生まれ変わる。)

門川 市長

子どもの学びと育ちにとって,教育・医療・福祉がしっかりと連携していかなければならないということで,子ども若者はぐくみ局を創設し,そしてすべての区役所・支所に子どもはぐくみ室をつくり2年が経過しました。

そしてこの4月からは,虐待の問題に対してより的確に対応していくため各区役所・支所に,新たに係長級の職員を配置するなど,子どもはぐくみ室や児童相談所に30名近い職員を配置したところです。

また,各区役所・支所の子どもはぐくみ室には,医療系の職員と福祉系の職員,行政職がいるが,その全ての職員が子育て支援コンシェルジュとして,しっかりと研修を積んで,一人一人の方々と寄り添っていくよう取組を進めています。

子ども若者はぐくみ局と教育委員会がより緊密に連携するとともに,保育所と幼稚園の連携も促進し,  子どもたちを小学校につないでいくことが改めて大切であると感じました。


 上京区役所の子どもはぐくみ室の窓口と相談の様子☝

最後に,公立の強みである多様性を生かしていこうという話がありましたが,以前,あるお医者さんと話をしている中で,公立で学んで良かったという話になり,その理由を尋ねたところ,

「患者さんや医療スタッフの方々には実に多様な方がたくさんいる。そうした方々と自然に心が通じ合える。だから公立の学校で学んで本当によかった。」と語られていました。

もちろん私学にも各校の建学精神に基づく多様性があり,素晴らしい教育実践をされている。その中で公立は,公立の良さを生かして,そして一人一人が世のため人のために貢献できる子どもを育んでいくことが大切であることを改めて感じました。

本日いただいた御意見・御提案については,厳しい財政状況ではありますがしっかりと検討し少しでも前進させていければと考えています。本日はありがとうございました。


お問い合わせ先

京都市 教育委員会事務局総務部総務課

電話:075-222-3767

ファックス:075-256-0483