自然にふれる遊びを通した学びのガイドブック
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2023年3月22日
「しぜん と ともだち」~自然にふれる遊びを通した学びのガイドブック~
ガイドブックのねらい
幼児期においては、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接ふれる体験を通して、豊かな感性、好奇心、探究心、思考力、表現力の基礎が培われます。
子どもは、遊びの中で「みる、きく、かぐ、ふれる、あじわう」などの感覚を使って自然を感じ、心を動かされる体験をすることで、自然を大切にする気持ちが芽生え、環境保全の担い手となる基盤が形成されることが期待されます。
このガイドブックは、保育園(所)・認定こども園・幼稚園の先生方及び保護者の皆様が、子どもたちと一緒に自然にふれて遊ぶためのヒントを見つけていただくために作成したものです。
「しぜん と ともだち」~自然にふれる遊びを通した学びのガイドブック~
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ガイドブックへの御助言をいただいた皆様
本ガイドブックの作成に当たりまして、以下の皆様(役職、団体名等は当時のもの)から、園等での自然に触れる遊びの例や子どもたちに伝えたいことなどの情報や貴重な御助言をいただきました。(五十音順)
・桂川クラブ(生物調査、美化清掃活動、希少植物保全活動などを行っている市民団体)
・川北 典子 氏(大谷大学教育学部教授)
・小泉 昭男 氏(小泉造園代表、京都女子大学非常勤講師)
・公益社団法人京都市保育園連盟 八瀬野外保育センター
・公益財団法人京都市環境保全活動推進協会
・島川 武治 氏(滋賀県近江富士花緑公園所長)
・冨岡 量秀 氏(大谷大学教育学部長・教育学科教授)
・山﨑 春人 氏(一般社団法人みつおおじ理事、京都教育大学非常勤講師)
また、本市子ども若者はぐくみ局、教育委員会事務局等の関係局と連携し発行しました。
各テーマに関連する情報
おすすめの絵本
子どもたちと一緒に自然にふれて遊んだ後に、子どもたちがもっと広く、深く自然を感じることができる絵本を紹介します。
これらの絵本は、京都市子育て支援総合センター こどもみらい館 子育て図書館の司書の皆様から推薦していただきました。
ビンゴシートに書く言葉の例
「テーマ2 自然の多様さを感じよう!」で使用するビンゴシートに書く言葉の例を紹介します。これをヒントに、季節に合った、楽しく遊ぶことができる言葉を作ってみましょう。
No. | 言葉の例 | 想定する自然物 |
1 | きいろいはな | タンポポ、ヒマワリ、菜の花などの黄色い花 |
2 | きいろいは | イチョウ、アジサイなどの黄色い葉 |
3 | あなのあいたは | 昆虫などにかじられて穴の空いた葉 |
4 | ぎざぎざしたは | ヒイラギなどのギザギザした葉 |
5 | ほそながいは | ササ、エノコログサなどの細長い葉 |
6 | ざらざらしたは | などのザラザラした葉 |
7 | はーとのは | カツラの木の葉などハートの形をした葉 |
8 | てのひらよりおおきいは | アジサイ、カシワ、ヤツデ、トチノキ、プラタナスなどの大きな葉 |
9 | みつば | シロツメクサ(クローバー)の葉、ミツバの葉 |
10 | よつば | 四葉のクローバー |
11 | あかいもの | 赤い花、赤い実、モミジなどの赤い葉 |
12 | まるいもの | 丸い石、まるい形の葉や木の実(種) |
13 | かたいもの | 石、実、種、枝 |
14 | ちくちくするもの | 栗などの木の実、ヒイラギなどの尖った葉、松の枯れ葉 |
15 | においのするもの | 花、葉、枝、実、キノコなど、かいで臭いがするもの |
16 | ふわふわするもの | たんぽぽの綿毛、鳥の羽、動物の毛 |
17 | つるつるするもの | ツバキの葉、どんぐりなどの木の実 |
18 | ねばねばするもの | 松ヤニ、木の樹液 |
19 | かおにみえるもの | 人や動物の顔の形に見える葉や枝 |
20 | 木の実 | ドングリ、松ぼっくり |
食品ロス削減に関する情報
「テーマ5 エコライフにチャレンジ!」において、本来食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」について紹介しています。
「子どもといっしょに調べてみよう!」にある「毎日、市民1人当たりおむすび1個分程度の食べ物を捨てている」って本当かな?の答えを紹介します。
京都市では、年間で5.5万トン(令和3年度)もの食品ロスが発生しています。これは市民1人1日当たりに換算すると、おむすび1個分程度です。また、日本では、年間で522万トン(令和2年度推計値)発生しています。
・京都市の食品ロス削減の取組はホームページ「京都市食品ロスゼロプロジェクト」に紹介しています。
・日本の食品ロスの量については、農林水産省ホームページ「食品ロスとは」に紹介しています。
SDGs(持続可能な開発目標)に関する情報
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17の目標(ゴール)・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組む普遍的なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
17の目標は、(1)貧困や飢餓、教育など未だに解決を見ない社会面の開発アジェンダ、(2)エネルギーや資源の有効活用、働き方の改善、不平等の解消などすべての国が持続可能な形で経済成長を目指す経済アジェンダ、そして(3)地球環境や気候変動など地球規模で取り組むべき環境アジェンダといった世界が直面する課題を網羅的に示しています。SDGsは、これら社会、経済、環境の3側面から捉えることのできる17の目標を、統合的に解決しながら持続可能なよりよい未来を築くことを目標としています。

目標1 | あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる |
目標2 | 飢餓を終わらせ、⾷料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する |
目標3 | あらゆる年齢のすべての⼈々の健康的な⽣活を確保し、福祉を促進する |
目標4 | すべての⼈に包摂的かつ公正な質の⾼い教育を確保し、⽣涯学習の機会を促進する |
目標5 | ジェンダー平等を達成し、すべての⼥性及び⼥児の能⼒強化を⾏う |
目標6 | すべての⼈々の⽔と衛⽣の利⽤可能性と持続可能な管 理を確保する |
目標7 | すべての⼈々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネル ギーへのアクセスを確保する |
目標8 | 包摂的かつ持続可能な経済成⻑及びすべての⼈々の完全かつ⽣産的な雇⽤と働きがいのある⼈間らしい雇⽤(ディーセント・ワーク)を促進する |
目標9 | 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産 業化の促進及びイノベーションの推進を図る |
目標10 | 各国内及び各国間の不平等を是正する |
目標11 | 包摂的で安全かつ強靱(レジリエ ント)で持続可能な都市及び⼈間居住を実現する |
目標12 | 持続可能な⽣産消費形態を確保する |
目標13 | 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる |
目標14 | 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利⽤する |
目標15 | 陸域⽣態系の保護、回復、持続可能な利⽤の推進、持続可能な森林の経 営、砂漠化への対処、ならびに⼟地の劣化の阻⽌・回復及び⽣物多様性の損失を阻⽌する |
目標16 | 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての⼈々に 司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任 のある包摂的な制度を構築する |
目標17 | 持続可能な開発のための実施⼿段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
・京都市における持続可能な開発目標(SDGs)の推進について
・SDGsって何だろう?
危険な虫や植物
毒をもつ虫・人を刺す虫
毒をもつ虫・人を刺す虫から身を守るために、長袖や長ズボン、靴(サンダルなどは履かない)を着用し、腕、足、首などの肌の露出をなるべく少なくしましょう。必要に応じて、虫除けスプレーを使用しましょう。
アオバアリガタハネカクシ(ヤケドムシ) ※触ると水ぶくれ

体長6~7mm程度でアリのような形をしており、水田、畑、湿った草地で見られます。4月~10月は灯火によく飛来し、6~8月は特に多く見られます。体内に毒を持っており、人にとまって払い落とした時に体液が付着し、そこが数時間後に水ぶくれ(線状皮膚炎)になってしまうことがあります。
イラガ ※触れると激しい痛み

成長した幼虫の体長は24mm程度で、黄緑色で背面に褐色の斑紋があり、幼虫は夏から秋に多くみられます。幼虫の背面に多数の毒棘(とげ)があり、これに触れると激しい痛みが現れます。幼虫はカキ、ウメ、モミジなどの樹木に発生します。
キイロスズメバチ ※刺されると腫れなど
体長は17~28㎜程度で、巣を守る本能が強く、興奮すると人を攻撃するので、ハチの巣にいたずらしたり、近づいたりハチを刺激しないことが大切です。ヘアスプレーや香水などの香りやジュースの臭いがハチを誘因することがあります。
刺された場合は、安全な場所に移動し、患部を指や爪などを使って、すぐにハチの毒を血と一緒に絞り出し(口では毒を吸い出さない)、水や保冷剤で冷やします。患部の腫れ、じんましん、めまい、吐き気、息苦しいなどの症状が見られた場合、すぐに医療機関で受診してください。


セアカゴケグモ ※素手で触れると咬まれる

脚の部分を除いて、メスの体長は7~15mmで体色は黒色で、腹部背面の中央に赤色の斑紋があります。オスの体長は3~5mm程度で体色は褐色で、背面に白い斑紋があります。毒を持っていますが攻撃性はなく、素手で触れたりしない限り、咬まれることはありません。セアカゴケグモを発見したときは、素手で触らずその場で踏みつぶすか、市販のスプレー式殺虫剤を噴霧します。
咬まれた場合、針で刺したような痛みを感じ、患部が腫れて赤くなり、しだいに痛みの範囲が広がります。通常は、数時間から数日で症状は軽減しますが、場合によっては、脱力感、頭痛、筋肉痛、筋肉麻痺などの全身症状が現れることがあります。
チャドクガ ※毒針毛に触れると皮膚炎

ツバキ、サザンカなどに発生する毛虫です。毒針毛で皮膚炎を起こします。チャドクガの幼虫は殺虫剤で駆除できますが、毛虫が死んでも皮膚炎の原因になる毒針毛は死骸や樹木に残っているので注意が必要です。毛虫に触れた場合はこすらない、掻かないで、毛虫が触れた周辺をセロハンテープでそっと斜めに押さえて毒針毛を取り除き、強い流水やシャワーで洗い流します。毒針毛に刺された場合は、すぐに医療機関に相談してください。
ヒアリ ※刺されたら痛みなど

ヒアリは南米中部原産のアリで、生態系、人の生命・身体、農林水産業に係る被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして「特定外来生物」に指定されています。体長は2.5㎜~6㎜程度で、攻撃性が高く、刺激するとお尻の毒針で刺します。刺された場合は、痛みやかゆみ、発熱、じんましん、動悸などの症状が現れ、アレルギーによるショック症状(呼吸困難や意識障害など)が現れることもあります。刺された時は、20~30分程度安静にし、体調の変化がないか注意してください。息苦しさや激しい動悸など、急激な容態の変化が現れた場合はすぐに医療機関で受診してください。
ヒトスジシマカ ※吸血する

ヤブカの一種であり、体長は4.5mm程度、黒と白の縞模様があります。京都市内では、5月上旬から11月中旬に見られます。成虫のメスが、庭、公園などに潜み、朝方から夕方まで吸血します。オスは吸血しません。
ブト(ブユ) ※刺されるとかゆみなど
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成虫の体長は2~4mm程度で、ハエを小さくしたような形で、春から夏にかけて、比較的水質のきれいな水辺近くの草むらなどで発生します。知らない間に刺され、吸血されたところが、うっすらと血がにじむこともあります。刺されると、唾液に含まれる毒素によって、かゆみ、腫れなど皮膚に症状が現れます。
マダニ ※咬まれると感染症の可能性

マダニの成虫の体長は吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mmで、野山や草むらの木の葉や草の裏などに生息しています。主に、シカやイノシシなどの野生動物に寄生しますが、散歩中の犬や人に寄生することもあります。
咬まれることで重症熱性血小板減少症(SFTS)などのダニ媒介感染症に感染することがあります。マダニに咬まれた場合、無理に引き抜こうとするとマダニの口器が皮膚に残り化膿してしまうことがあるため、無理に引き抜かず、医療機関で受診してください。
ムカデ ※咬まれると激しい痛み

体長は10㎝程度で、草むら、落ち葉の下、プランターや庭石の下、石垣の隙間などに生息しています。人を積極的に襲うことはありませんが、靴などにムカデがいることに気付かずに、うっかり触れた場合などは咬みつく習性があります。咬まれると激しい痛みがあり、患部が腫れたり発熱することがあります。
毒のある植物
食べられる植物と間違いやすい有毒な植物があることを知っておきましょう。食べられると確実に判断できない植物については、絶対に採らない、食べない、売らない、人にあげないようにしましょう!家庭菜園などで野菜と観賞植物を一緒に栽培する時は注意が必要です。
スイセン ※食べると吐き気など

園芸植物として栽培されることが多く、ニホンスイセンは冬に、ラッパズイセンやキズイセンは春に花を咲かせます。葉をニラと間違えて食べてしまい食中毒が発生しています。誤って食べると30分以内に吐き気、嘔吐、下痢、頭痛などの症状が現れます。また、植物の汁に触れると接触性皮膚炎の症状が現れます。
また、葉がスイセンに似ているオオマツユキソウ(別名:スノーフレーク)やヒガンバナも、ニラと間違えることがあります。また、スイセンには大きな球根(鱗茎)があり、タマネギと間違うこともあります。

スイセン

(参考)ニラ
ヨウシュヤマゴボウ(別名:アメリカヤマゴボウ) ※誤って根を食べると吐き気など

高さ1~2mほどの多年草で、秋になると赤紫色の複数の果実(液果)をつけます。キク科のモリアザミの根の醤油漬けや味噌漬けの製品が「ヤマゴボウ」という商品名で販売されていることがあるため、名前が似ているヨウシュヤマゴボウの根も食べられると勘違いされることがあります。誤って根を食べると2時間程度で吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れます。
そのほかの危険生物について
・自然毒リスクプロファイル(厚生労働省)
お問い合わせ先
京都市 環境政策局環境企画部環境総務課
電話:075-222-3450
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