バイオディーゼル燃料化事業
ページ番号8
2024年6月6日
バイオディーゼル燃料化事業
(1)取組概要
京都市では、京都議定書が誕生した平成9年から全国に先駆けて、家庭からの使用済てんぷら油などの廃食用油からバイオディーゼル燃料を精製し、令和5年度には、ごみ収集車や一部の市バスの燃料に年間約40万リットル利用しました。
これにより、年間約1,000トンの二酸化炭素の削減に貢献しました。
(2)バイオディーゼル燃料とは
バイオディーゼル燃料とは、家庭やレストラン、食堂から回収された使用済てんぷら油などの廃食用油を、メタノールと反応させることで粘性や引火点を低くし、ディーゼル車で利用できる燃料に精製したものです。
(3)廃食用油回収の現状
京都市で精製されるバイオディーゼル燃料は、京都市内の一般家庭から出される使用済てんぷら油のほか、レストランや食堂などから出される廃食用油を原料としています。
家庭からの回収は、市民とのパートナーシップにより、それぞれの地域を基本単位として結成された「地域ごみ減量推進会議」や各地域におけるボランティアの方々の御協力のもと、各回収拠点に回収容器とのぼりを設置し、定期的に実施するほか、移動式拠点回収を実施しています。
今後とも、市民、事業者、行政が連携を強化し、更に拠点の拡大を目指します。
※回収拠点の新規募集についてはこちら
※使用済てんぷら油を含めた、資源物回収マップはこちら
>>資源物回収マップ
<直近の回収実績>
・回収拠点数:1,691拠点(令和6年3月末現在)
・回収量:12.3万リットル(令和5年度実績)
(※)京都市廃食用油燃料化施設
回収した廃食用油は、平成16年6月から稼働している、京都市廃食用油燃料化施設(製造能力:日量5,000リットル)にてバイオディーゼル燃料に精製しています。
京都市廃食用油燃料化施設についての詳細はこちら
京都市廃食用油燃料化施設の見学のご案内
(4)バイオディーゼル燃料の使用状況
車両 | 使用しているバイオディーゼル燃料 |
ごみ収集車(20台) | B100(100%の濃度のバイオディーゼル燃料) |
ごみ収集車(165台) | B5(軽油に5%のバイオディーゼル燃料を混合) |
市バス(114両) | B5(軽油に5%のバイオディーゼル燃料を混合) |
※令和6年4月1日現在
※軽油と混合して利用する場合、「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」により、混合上限が5%までに制限されています。
(5)バイオディーゼル燃料の効果・意義
<1>廃食油のリサイクル
廃食用油を貴重な資源としてリサイクルし、活用することができます。
<2>二酸化炭素の排出抑制
バイオディーゼル燃料は、カーボンニュートラルにより、二酸化炭素の排出につながらないバイオマス燃料であることから、軽油を使用しないことによる二酸化炭素の排出削減が可能です。
<3>自動車排ガスのクリーン化
燃やしてもすすや硫黄酸化物が出ないため、排ガスのクリーン化につながります。
<4>生きた環境教育
市民の皆様が自ら回収した油で身近な市バスやごみ収集車が走行することで、回収した油が地域で循環していることを実感でき、生きた環境教育となります。
<5>地域コミュニティの活性化
決められた時間に近所の方々が油を持ち寄り、そこで会話が弾むことで地域コミュニティの活性化につながります。
<6>河川の汚染防止
日本ではあまり見られませんが、海外では油を河川に捨てる事例もあります。河川に流出すれば、大きな環境負荷となり、浄化に時間がかかりますが、廃食用油を回収することにより、河川の水質汚濁の防止につながります。
<7>食料との競合回避
バイオマス燃料を作る場合、新品の油や穀物を使用すると、食料生産と競合することがありますが,廃食用油を使うことにより、食料との競合を避けることができます。
○ 市民の皆様の御協力により回収している使用済てんぷら油については、二酸化炭素排出量削減、環境意識の向上、リサイクルの推進等のために意義が大きいことから、引き続き、その全量をごみ収集車と市バスの燃料の原料として、有効に活用してまいります。
お問い合わせ先
京都市 環境政策局地球温暖化対策室
電話:075-222-4555
ファックス:075-211-9286