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離婚後の子の養育に関する民法等改正

ページ番号350481

2026年4月1日

法改正の概要

 父母が離婚後も適切な形で子どもの養育に関わり、その責任を果たすことは、子どもの利益を確保するために重要です。  

 令和6年5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後も子どもの利益を確保することを目的として、子どもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています。

 この法律は、令和8年4月1日に施行されます。

目次

1.親の責務の明確化

 父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを養育する義務を負うことなど、親の責務が明確化されています。

1.子どもの人格の尊重

 父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもの心身の健全な発達を図るため、子どもを養育する義務を負います。その際には、子どもの人格を尊重しなければなりません。

2.子どもの扶養

 父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを扶養する義務を負います。なお、扶養の程度は、子どもが親と同程度の生活を維持できる水準でなければなりません。

3.父母間の人格尊重・協力義務

 父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。

 どのような場合に父母相互の人格尊重・協力義務に違反したと評価されるかは、個別具体的な事情に即して判断されるべきですが、一般論としては、次の各場合等には、個別具体的な事情によっては、父母相互の人格尊重・協力義務に違反すると評価される場合があります(ただし、DVや虐待から避難するために必要な場合等はこの義務に違反しません。)。

  • 暴行、脅迫、暴言等の相手方の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等をする場合
  • 親権者の一方による養育に対して、他の一方が不当な干渉をする場合
  • 父母双方が親権者である場合において、その一方が何ら理由なく他方に無断で子の居所を変更するなどする場合
  • 父母の協議や家庭裁判所の調停・審判により親子交流についての定めがされたものの、父母の一方が特段の理由なくこれを履行しない場合
  • 父母の一方が、養育費や親子交流など、子の養育に関する事項についての協議を理由なく一方的に拒否する場合
  • 子の面前で他方の親の誹謗中傷等する場合
  • 父母の一方が、正当な理由なく、子の監護に関する裁判所の判断に従わない場合 
 なお、父母の一方が父母相互の人格尊重・協力義務等に違反した場合には、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。

4.子どもの利益のための親権行使

 親権(子どもの面倒をみたり、子どもの財産を管理したりすること)は、子どもの利益のために行使しなければなりません。

2.親権に関するルールの見直し

1.父母の離婚後の親権者

 父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の父母双方を親権者と定めることができるようになります。

(1) 親権者の定め方

ア 協議離婚の場合

 父母が、その協議により、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

イ 父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合               

 家庭裁判所が、父母と子どもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮したうえで、子どもの利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

 ただし、次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。

  • 虐待のおそれがあると認められるとき
  • DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき
(※)殴る・蹴る当の身体的な暴力を伴う虐待・DVに限定されません。また、これらの場合以外にも、共同親権と定めることで子どもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。

(2) 親権者の変更

 離婚後の親権者については、子どもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所が、子ども自身やその親族の請求により、親権者の変更(父母の一方から他の一方/一方から双方/双方から一方)をすることができます。

2.親権の行使方法

 父母双方が親権者である場合の行使方法のルールが明確化されています。

(1) 親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。

(2) 次のような場合は、親権の単独行使ができます。

ア 監護教育に関する日常の行為※をするとき

(※)日々の生活の中で生じる監護教育に関する行為で、子どもに重大な影響を与えないもの。

  例:食事や服装の決定、短期間の旅行、通常のワクチン接種及び習い事など

イ 子どもの利益のため急迫の事情※があるとき

(※)父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては親権の行使が間に合わず、子どもの利益を害するおそれがある場合

  例:DVや虐待からの避難をする必要がある場合、子どもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合   及び入学試験の結果発表後に入学手続の期限が迫っているような場合など

(3) 父母の意見が対立するときは、父母が共同して親権を行うべき特定の事項※について、家庭裁判所の手続で、父母の一方を当該事項に係る親権行使者として定めることができます。

(※)急迫の事情があるとはいえない場面における子どもの転居や財産管理など

3.監護についての定め

 父母の離婚後の子どもの監護に関するルールが明確化されています。

(1) 監護の分担

 父母が離婚するときは、子どもの監護の分担についての定めをすることができます。この定めをするに当たっては、子どもの利益を最も優先して考慮しなければなりません。

(2) 監護者の権限

 離婚後の父母双方を親権者とした場合であっても、その一方を「監護者」と定めることで、子どもの監護をその一方に委ねることができます。

3.養育費の支払確保に向けた見直し

 養育費を確実に受け取ることができるようにルールが見直されました。

1.合意の実効性の向上

 養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与され、債務名義がなくても、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、差押えの手続を申し立てることができるようになります。

2.暫定的に請求することができる養育費(法定養育費)の新設

 離婚の時に養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続き子どもの監護を主として行う父母は、他方に対して、暫定的に一定額の養育費(子ども一人当たり月額2万円)を請求することができるようになります。

(注)この制度は、養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。子どもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続により、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。

3.裁判手続の利便性向上

 養育費に関する裁判手続において、家庭裁判所が、当事者に対して収入状況の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行手続において、地方裁判所に対する1回の申立てで、財産開示、給与情報の提供及び判明した給与債権の差押えという一連の手続を申請することができるようになります。

4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

 親子交流の試行や父母以外の親族との交流に関するルール等が見直されました。

1.親子交流の施行的実施

 家庭裁判所における調停・審判手続き中に親子交流を試行的に実施する制度が設けられています。

2.婚姻中別居の場合の親子交流

 父母が婚姻中に子どもと別居している場合の親子交流について、子どもの利益を最優先に考慮したうえで、父母の協議又は家庭裁判所の審判等により定めることとされました。

3.父母以外の親族と子どもの交流

 子どもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族と子どもとの交流を実施するよう定めることができることとされました。

5.財産分与に関するルールの見直し

1.財産分与の請求期間

 財産分与の請求期間が2年から5年に伸長されています。

2.財産分与の考慮要素

 財産分与の目的が各自の財産上の衡平を図るものであるとしたうえで、財産分与に当たってどのような事情を考慮すべきかが明確化されています。

3.裁判手続きの利便性向上

 財産分与に関する裁判手続きでは、分与の対象となる財産の種類や金額を明らかにする必要があることから、家庭裁判所が、当事者に対して財産情報の開示を命じることができることとしています。

6.養子縁組に関するルールの見直し

1.養子縁組後の親権者

 養子縁組がされた後に、誰が親権者になるかが明確化されています。

2.養子縁組についての父母の意見調整の手続

 養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続が新設されています。

7.関連パンフレット・リーフレット

8.関連サイトリンク

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電話:(代表)075-222-3939、(発達支援担当)075-222-3937

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