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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.17(令和4年8月号)(HTML版)

ページ番号301461

2022年8月15日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.17(令和4年8月号)

我ら、企業市民

株式会社ハートフレンド

 

特集企画

親子でトライ!じんけんクイズ

 

輝き☆People

お笑いタレント・漢字研究家

ゴルゴ松本さん

いつからでも人生は新たに始められる!

 

抽選で3名様に

ゴルゴ松本さんのサイン入り色紙

フレスコ商品券(500円分)

をプレゼント!


輝き☆People いつからでも 人生は新たに 始められる!

お笑いタレント・漢字研究家 ゴルゴ松本

 体を使って「命」の一文字を表現するネタでおなじみのTIMゴルゴ松本さん。2011年から全国各地の少年院・女子少年院を訪れ、再犯防止に向けて「『命』の授業」と題した講演活動をされています。今回はその取組にかける熱い思いを語っていただきました。

ゴルゴ松本(まつもと) 

 1967年、埼玉県生まれ。お笑いコンビ「TIM」のメンバーでボケ担当。 相方はレッド吉田。 「命」や「炎」など体全体を使った人文字で表現するネタが人気。2011年からボランティアとして少年院・女子少年院での講演を続けている。2018年には法務省より矯正支援官を委嘱された。趣味はゴルフ、漢字、歴史、読書。

「命の授業」のはじまり

 僕が少年院での講演を始めたのは、2011年のこと。東日本大震災が発生した年で、自分も何か世の中の人々に対してアクションを起こさないと…と考えていたときでした。僕の妻が友人の集まりで話題になった、北村啓一さん※の話をしてくれたんです。なんでも犯罪を犯した子どもたちの更生にボランティアで取り組んでいる人で、少年院で少年・少女たちに講演できる人を探しているとのこと。
 北村さんは、とてもエネルギッシュに活動されている方でした。彼の「出所した少年・少女たちの再犯を少しでも減らしたい」という思いに胸を打たれ、僕が慰問講演を引き受けることに。そのとき、僕の頭にあったのは「ゴルゴ塾」という、後輩芸人たちを集めて叱咤・激励をしてきた場のことでした。持ちネタが「命!」だったこともあり、漢字にからめた人生訓、これまで僕が読んできた本や人生経験から得たことを話していました。

※刑務所出所者の就労支援に取り組む一般社団法人「チーム太陽」の代表 

言葉はスイッチ

 「お前ら、そんな辛そうな顔でお客さんを笑わせられるわけないだろ?『辛(つらい)』と『幸(しあわせ)』は一本の線があるかないかだけでよく似た漢字だろ?辛いことも、たった一本の線で幸せに変わるんだ。」
 言葉は人生を変えるスイッチになる。そう信じてきたから、「ゴルゴ塾」で続けてきたことを少年院でもやろうと思ったんです。
 罪を犯してしまう人を完全にゼロにすることは難しいでしょう。それならば子どもたちに働きかけて、少しでも再犯を減らすことができたら…そんな思いで講演を始めました。

漢字から考える人生

 少年院を訪れるとそこにいるのは、ごく普通の少年・少女たちという印象です。僕は彼・彼女らを、「罪を犯した子ども」だと思わずに接しています。
 講演では、いきなり漢字の話はしません。最初は僕から子どもたちに話しかけていくんです。
 「君らラーメン好きか?何味のラーメンが好き?」とか「将来は何になりたい?」とかそんな何気ない質問を次々と。子どもたちの答えに、僕が突っ込む。すると、笑いが起きますよね。なんとなく「親戚のおじさん」と話しているような気分にしていく。場が温まると、講義を始めます。
 いつも「言葉」とはどういうものか、という話をします。昔は「言葉(ことば)」のことを「ことのは」と言いました。「言う」に「葉」ですね。植物は「葉」をつけて、そこで光合成を行い、木を育てます。役目を終えたら葉は地面に落ちて、それが栄養になり、翌年になれば植物は再び葉をつける。つまり、「葉」は繰り返し再生するものです。
 「言葉」も同じです。繰り返し、繰り返し口にすることで、そこには「魂」が宿ってくる。言葉に宿る魂、つまり「言霊(ことだま)」です。良い言葉を口にしていると、きっと自分の毎日にもいいことが起きる。逆に、悪い言葉ばかり口走っていると、人生は良くならない。「言葉」にはそれだけの力があるんだ、とても大切なものなんだ、という話をします。
 また、よくテーマにする漢字は「叶(かなう)」という字。「弱音を『吐く』」の「吐」という字ですが、口へんにプラス(+)とマイナス(-)でできていますよね。人は弱音を吐いていいんです。弱音を吐いて、どんどん「マイナス」を吐き出していけばいい。全部吐き出せば、プラスだけが残って「叶(かなう)」の文字になる。そうして人は夢を追いかけていけばいいんです。

こんな大人もいるんだ 

 罪を犯してしまった「過去」は変えられません。でも「過(あやまち)」が「去(さる)」と書いて「過去」。僕の話で子どもたちの人生を変えることはできないけれど、これから再び人生を歩み出すためのヒントになればと思っています。
 近年は特殊詐欺の「受け子」(被害者から現金を受け取る役)をして少年院に入った子どももいます。彼らからすれば簡単な「仕事」を与えてくれて、普通のバイトではとても稼げないような大金を与えてくれる大人は「良い大人」に見えてしまう。でも、僕と出会ったことで「世の中にはいろんな大人がいるんだ」と気づいてほしい。いろんな人に出会い、様々な人生を知ることで人生は変わるんです。
 また、人生をやり直すために必要なのは、自分の言葉を変えていくことだと思っています。前向きな言葉を口にする人の周囲には、必ず前向きな人、良い人が集まってくる。そうすることで、人生はずっと良くなるんです。
 講演の中でハッとする言葉に気づいたらメモを取るようにと、子どもたちに伝えてきました。そして講演後、子どもたちが書いた感想文を、少年院の担当者から送っていただくこともあります。
 一人ひとりに、それぞれ僕の話の受け止め方があると思います。子どもたちには、自由に受け止め、感じてもらいたい。そしてそれが、彼・彼女らが未来への一歩を踏み出すためのきっかけになればいいと思っています。特に自分の一番伝えたかったことを子どもたちがしっかり受け止めてくれたと実感できたときは、本当にうれしいですね。 

少しでも再犯を減らせられれば

 そんな風にこれからも、今までやってきたことを続けていきます。そして僕の活動で0・1%でも子どもたちの再犯率が低くなればいい。それは、僕をこの活動に招いてくれた北村さんとも共有している思いです。
 何ごとも「始める」ことが大切。「後始末」という言葉がありますが、これは何かが起こった『後』に、人生の行く『末』、つまり未来に向かって歩み『始』める、という意味だと僕は考えています。抱えている問題を整理整頓して、大切なことは心に仕舞っておきながら、一日一歩ずつでも先に進む。その繰り返しが人生だと思うんですね。
 いつでも、一からでも始められる。誰だって人生をやり直すことができる、そう信じてこれからも活動を続けていきたいと思います。

TikTok「ゴルゴ松本 命の授業」で漢字や言葉から人生を生き抜くためのヒントを配信中

御案内

ゴルゴ松本さんの本

「命」の相談室

僕が10年間少年院に通って考えたこと(中公新書ラクレ) 

プレゼント

 サイン入り色紙・フレスコ商品券(500円分)を差し上げます!
 ゴルゴ松本さんのサイン入り色紙とフレスコ商品券(500円分)をセットで3名様にプレゼントします。

 ※抽選に外れた方にも、Wチャンスでフレスコ商品券(500円分)を3名様にプレゼントします。

 どしどし御応募ください!

応募方法

 以下のいずれかの方法で御応募ください。

1 ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を記入のうえ、以下の宛先に郵送

2 京都市共生社会推進室公式ツイッター「Live Together」(@kyosei_kyoto)をフォローし、ハッシュタグ「#きょうCOLOR」を付けてツイート

※2でお申込みいただき当選された場合は、ダイレクトメッセージにより、必要事項を確認します。

※いずれも必ず本誌への御意見・御感想をお書きください。

締切       11月30日(水曜日)(当日消印有効)

宛先       〒604-8571(住所不要)京都市共生社会推進室「きょう☆COLOR」Vol.17プレゼント係

★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 京都市共生社会推進室公式ツイッター「Live Together」

(@kyosei_kyoto)

是非フォローしてください!

京都市人権文化推進計画に基づく事業報告書 令和4年度 京都市人権レポート

 京都市では、人権文化推進計画に基づき様々な取組を進めています。昨年度の取組の一部を御紹介します。

ヤングケアラーに関する取組 ~子どもが子どもでいられる社会を目指して~

【ヤングケアラーって?】

・本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている児童のことです。

・年齢や成長の度合いに見合わない重い責任を負うことで、本人の成長や教育に影響があるといった課題があると言われています。

●孤独・孤立に起因する様々な社会問題に取り組むため、プロジェクトチームを令和3年4月に、ヤングケアラーの問題を集中的に検討する部会を同年6月に設置しました(令和4年3月まで)。

●同部会において、7月以降にヤングケアラーに関する実態調査を実施しました(主な調査結果は、以下のとおり)。

実態調査(対象:市立中高生、市立学校、ひとり親世帯、支援者等)

<結果概要(アンケート調査)>

・「世話している家族がいる」と回答したのは、中学生の5.4%、高校生の3.5%

・「ヤングケアラーという言葉を聞いたことがある」と回答したのは、中学生は32.1%、高校生は27.3%

・家族の世話に費やす平日1日当たりの時間について、中高生ともに「3~7時間」の回答が最も多いが、「7時間以上」の回答も2~3%程度

・実態調査の結果等、ヤングケアラー部会の取組については↓

 (https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000294497.html)

 

認知症サポーター活動促進事業 ~認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを~

 令和3年度から、認知症への偏見をなくし、認知症の御本人・御家族や、認知症サポーター※など地域住民等の地域の多様な主体が、「支える側」「支えられる側」の関係を超えて地域をともにつくっていくことを目指す「認知症サポーター活動促進事業」を始めました。
 京都市長寿すこやかセンターに配置しているコーディネーターが、認知症の御本人・御家族の思いと地域住民等をつなぎ、認知症の御本人・御家族が社会参加できる地域づくりの取組を進めています。その取組の一つ(チーム上京!)が、NHK及びNHK厚生文化事業団が主催する、第5回「認知症とともに生きるまち大賞」の本賞を受賞しました。

※認知症に対する正しい知識や具体的な対応方法といった接し方を学んだ、認知症の御本人・御家族を温かく見守る応援者

チーム上京!の取組

 認知症になられた方の「もっと地域と繋がりたい!」という思いをきっかけに、御本人の自宅前ガレージを開放し、出張カフェを開催したり、地域の子どもたちの遊び場として提供したりするなど、地域住民同士の世代を超えた交流の場を生み出しています。

チーム上京!についてはこちら(https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000292018.html)

 

再犯防止推進事業 ~やり直すことができる社会と安心・安全なまちの実現を目指して~

 京都市再犯防止推進計画に基づき、「やり直すことができる社会と安心・安全なまちの実現」を目指し、国や民間団体等と連携しながら再犯防止の取組を総合的かつ計画的に推進しました。

令和3年度の取組

・「京都市生きづらさを抱える若年者の居場所づくり等支援事業補助金」の創設

 交付件数:2件。補助金を活用して、生きづらさを抱える若年者に対する居場所づくりに加え、専門家(保健師等)によるセミナーの開催や個々の特性に応じた就労支援を実施。

・人権啓発パネル展「やり直すことができる社会と安心・安全なまちの実現を目指して」の開催

 場所:ゼスト御池寺町広場 期間:令和3年8月17日~20日

・企業向け人権啓発講座「『協力雇用主』という社会貢献」の開催(令和4年2月24日実施)

詳細はこちら(https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000281846.html

 

我ら、企業市民

株式会社ハートフレンド

総合支援学校の生徒に職場実習の場を提供。

そして障害のある人の雇用に取り組み、24年。

 京都で暮らす人々にとっておなじみの「総合食品スーパー フレスコ」。市民の皆さんが日常的に利用するこのスーパーで、障害のある人たちが従業員として活躍しています。
 フレスコを運営する株式会社ハートフレンドは、20年以上前から京都市内の総合支援学校(※)に職場実習の場を提供し、障害のある人の雇用に取り組んできました。同社の取組について、常務取締役 人事本部長の中野周策さんにお話を伺いました。

※障害のある子どもたちの将来の可能性を伸ばすことで自立・社会参加を目指す教育機関。京都市では就労のための幅広い知識・技術を学ぶ高等部職業学科を白河総合支援学校、東山総合支援学校及び鳴滝総合支援学校に設置。2006年度からは学校での授業と企業での長期的・計画的な職場実習を組み合わせた「総合支援学校デュアルシステム」の取組を進めている。

きっかけは総合支援学校生徒のアルバイト採用から

 京都の人々の生活に欠かせない存在の「総合食品スーパー フレスコ」を運営する株式会社ハートフレンド。スーパーやディスカウントストアを多数運営し、その店舗数は128店舗にも上ります。
 フレスコでは現在、各店舗で合計74人の障害のある人が勤務中。

 1998年、フレスコは地域の総合支援学校に通う女子高校生をアルバイトとして採用しました。そして高校卒業後、彼女をアソシエイト(パート)として雇用できないか、と総合支援学校とハローワークから相談を受けたことが全ての始まりでした。それまで障害のある人の雇用実績がなかった同社は当初、戸惑いましたが、彼女と共に働いてきた店舗の現場の人々から、「仕事の上では何の支障もない」という声があり、雇用することに。
「現在、本社では『職場実習』として、総合支援学校に通う生徒たちを、年間のべ60~70人受け入れています。生徒それぞれの適性を踏まえ、売り場やバックヤードなどで職業体験をしてもらっています」
 生徒たちが卒業後、フレスコでの雇用を希望した場合は、学校・ハローワークと話合いを行い、正式に採用の判断を行います。現在、フレスコで働いている障害のある人の約半数が、総合支援学校での職場実習を経て採用された方々です。そのほか、支援組織からの紹介や、ハローワーク求人枠からの雇用もあります。近年では「フレスコでは障害のある人が活躍しているらしい」という評判が広まったことから、自由応募も増えています。
「将来的に全ての店舗で少なくとも1人ずつは障害のある人を採用するのが目標です」

商品をきれいに陳列するのも店舗スタッフの仕事

本人のやる気と向上心を見極める

 学校からの職場実習経由以外で雇用した人にも、2週間程度の「実習期間」を設けています。
「実習中にその人がどれだけ仕事に意欲を持って取り組んでいるのか、その『やる気』を見極めます。採用で何より重視するのは、この部分ですね。店舗によって仕事内容は違いますし、最初から仕事をうまくできないのは誰でも同じ。それより、『今より自分を向上させたい』という思いが大切なんです」
 仕事の指導役となるのは、各店舗の店長やパートタイムの従業員など現場の人々です。
「アソシエイトの皆さんは店舗の近所に住まれている女性が多く、中には10年以上勤務するベテランの方もいます。彼女たちが優しく、ときに厳しく指導することで、無理なく仕事を覚えることができているようです」
 このように良好な職場の人間関係を築くために必要なのは、基本的なコミュニケーションだと中野さんは言います。「“ありがとう”や“おつかれさまです”と声を掛け合うだけで、働く者同士、お互いの思いやりを示すことができますよね。職場ではそんな風に、“笑顔・元気・やる気”といった、自分の心がけ次第で出せるものを大切にしてほしいと、全ての従業員に言っています」
 勤務時間も、障害の内容や本人の希望に応じて柔軟に対応。まずは「週20時間」の勤務から始め、徐々に勤務時間を増やしていかないか、と働きかけています。
「また、一つの仕事に慣れ、その人に向上心が見られたら、店長から『次はこの仕事に挑戦してみないか』と提案しています。そうすることで、仕事に新たなやりがいが生まれます」 

地域の多様な人々が集う“まちの公園”として

 株式会社ハートフレンドが障害のある人の雇用を始めて24年。今では障害のある人がいることが、「当たり前の風景」になっているとのこと。
 なぜこれまで障害のある人たちの雇用を続けてこられたのかを尋ねると、「あまり肩に力を入れずやってきたからでしょうか…。ただ言えるのは、スーパーは地域の人々の生活に密接した存在です。地域社会の一員としての役目を果たす、という当たり前の意識を持ってきたからかもしれませんね」
 元々フレスコでは、中学を卒業したばかりの人から、定年後も働き続けている80代の人まで、年齢も人生経験も様々な人々が働いています。また、訪れるお客様も実に多様です。こうした職場の風土が、「多様性」に馴染みやすい空気を作り出しているのかもしれません。
「フレスコは地域の皆さんが気の向いたときにいつでも集まることができる、“まちの公園”のように、ほっとできる場所でありたいと思っています。地域で育ち、暮らす障害のある人々が、将来はフレスコで働くことができると、安心してくれるとうれしいですね」
 これからも株式会社ハートフレンドは、全ての人々にとって「安心できる場所」を提供し続けていきたいと中野さんは笑顔で語ってくれました。

プレゼント

本誌への御意見・御感想を送ってくださった方に

フレスコ商品券をプレゼント!

応募方法についてはP3プレゼントコーナーを御覧ください

※応募者多数の場合は抽選となります。

従業員の声

フレスコ五条西洞院店 青果部 原(はら) 千瑛(ちあき) さん

実習時代からお世話になった皆さんに支えられて

 フレスコには総合支援学校3年生のときから実習でお世話になり、様々な仕事を経験させていただきました。卒業後にパートとして採用され、初出勤したとき、実習時代にお世話になった従業員の皆さんから「待ってたよー!」と歓迎されたことがとてもうれしかったのを覚えています。
 フレスコの青果部で働き始めて丸6年。加工場で葉物・野菜を袋詰めしたり、ラップしたりするのが主な業務です。作業が大変なこともありますが、そんなときほど仕事を成し終えたときの達成感は格別。これまでの経験で作業のスピードや効率がとても向上しました。特にスイカ1玉をきれいに切れることが自慢です。
 分からないことは他の従業員の皆さんに聞くことも多いため、これから一日でも早く、自分一人で完璧に仕事がこなせるようになりたいと思います。

親子でトライ!じんけんクイズ

あやちゃんの

青いラジコンカー

 

 しょう太(た)くんは小学1年生。

 きょうはお友(とも)だちのあやちゃんが、今(いま)、一番(いちばん)大事(だいじ)にしているおもちゃを持(も)って遊(あそ)びに来(く)ることになっています。何(なに)を持(も)って来(く)るのかな。

 しょう太(た)くんはとても楽(たの)しみにしています。

 

しょう太(た)くん

「でもね、あやちゃんはすぐ『私(わたし)のほうがおねえさんよ。』って言(い)うんだよ。あやちゃんは4月生まれでぼくは10月生まれだから。」

 

ピンポーン。

 

しょう太(た)くん

「あ、来(き)た来(き)た。いらっしゃーい。

あやちゃん、大事(だいじ)なおもちゃ、持(も)って来(き)た?」

 

あやちゃん

「しょう太(た)くん、こんにちは。持(も)って来(き)たから一(いっ)緒(しょ)に遊(あそ)ぼ。」

 

 あやちゃんは、持(も)って来(き)た大きなふくろの中から、大事(だいじ)そうに、おもちゃの入ったはこをとり出しました。

 

あやちゃん

「じゃあ、見せてあげるね、これが私(わたし)の一番(いちばん)大事(だいじ)なもの。じゃーん。」

 

 それは青いラジコンカーでした。しょう太(た)くんはびっくり。

 

しょう太(た)くん

「えー、あやちゃん、車が大事(だいじ)なものなの?

ぼくもいま、ミニチュアカーが一番(いちばん)大事(だいじ)な宝物(たからもの)なんだよ。」

 

あやちゃん

「そうなの? 見せて、見せて。すごーい。いっぱいあるのね。」

 

しょう太(た)くん

「ね、すごいでしょ。」

 

あやちゃん

「私(わたし)もミニカー持(も)ってるわよ。でも、今(いま)は、ラジコンカーが大好(だいす)き。

ほら、こうやると前進(ぜんしん)。右に転回(てんかい)ー。」

 

しょう太(た)くん

「ぼく、あやちゃん、お人形(にんぎょう)さんかぬいぐるみを持(も)って来(く)ると思(おも)ったよ。」

 

あやちゃん

「お人形(にんぎょう)さんも好(す)きよ。ぬいぐるみも好(す)き。でも、ラジコンカーは前(まえ)からほしくて、ずっとおねだりしてたの。

小学生になってから、たくさんおてつだいしたので、買(か)ってもらったの。

だからね、今(いま)はこれが一(いち)番(ばん)好(す)きなの。」

 

しょう太(た)くん

「へえー。それ、かっこいいね。」

 

あやちゃん

「そうでしょ。これはカーレースに出る本物(たからもの)とそっくりなのよ。タイヤのところだって本物(たからもの)みたいでしょ。

私(わたし)はしょう太(た)くんよりおねえさんだから、宝物(たからもの)だって、しょう太(た)くんより大人(おとな)っぽいのよ。」

 

しょう太(た)くん

「ほらー、またすぐに、おねえさんって言(い)っていばるんだよ。

なんだよ。あやちゃんは女の子なのに車が好(す)きなんておかしいよ。へんなの。」

 

あやちゃん

「おかしくないわよ。女の子だって、車が好(す)きでもいいでしょ。

それに、すぐに女の子だからって言(い)うの、おかしいわよ。

私(わたし)、大きくなったら、車を作(つく)る人になりたいんだもの。」

 

しょう太(た)くん

「女の子が車のおもちゃが好(す)きなんて、おかしいよ。

色(いろ)も青だし。青は男の色(いろ)だよ。

それに、車を作(つく)るのは、男の人の仕(し)事(ごと)でしょ?」

 

あやちゃん

「そんなこと言(い)う、しょう太(た)くん、きらいよ。」

 

 あやちゃんは、ぷん、と怒(おこ)って、帰(かえ)ってしまいました。

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 その晩(ばん)、しょんぼりしているしょう太(た)くんに、おかあさんが声(こえ)をかけました。

 

おかあさん

「しょう太(た)、あやちゃんに、女の子なのに車が好(す)きなのはへんだって言(い)ったの?」

 

しょう太(た)くん

「うん、だってあやちゃんが、『自(じ)分(ぶん)の方(ほう)がおねえさんだ』って言(い)っていばるんだもん。女の子がいばるのだって、へんだよ。」

 

おかあさん

「あらあら、しょう太(た)、男の子がしょう太(た)にいばるんだったら平(へい)気(き)なの?」

 

しょう太(た)くん

「ううん、いばる子はみんないやだ。」

 

おかあさん

「そうよね、女の子だからとか、男の子だからとか言(い)うのは、おかしいわよね。」

 

しょう太(た)くん

「・・・・・・」

 

おかあさん

「それに、女の子はお人(にん)形(ぎょう)さんで遊(あそ)ぶとか、男の子は車で遊(あそ)ぶとか、きめてしまうのはおかしいでしょ?

あやちゃんが大人になって車を作(つく)る人になるのも、すてきなことよ。

しょう太(た)も小さいときから持(も)っている、くまちゃんのぬいぐるみ大(だい)好(す)きでしょう?」

 

しょう太(た)くん

「うん、そうだね・・・、あした、あやちゃんに、女の子なのに・・・なんて言(い)ってごめんねってあやまろう。」

 

おかあさん

「さすがー、しょう太(た)、ちゃんと考(かんが)えられるわね。」

(内閣府男女共同参画局(国立大学法人お茶の水女子大学との協働)作成)

 

考(かんが)えてみましょう

Q1 あやちゃんは、なぜ怒(おこ)って帰(かえ)ってしまったのでしょう?

Q2 しょう太(た)くんが「女の子が車のおもちゃが好(す)きなんて、おかしいよ」と言(い)っているのを、あなたはどう思(おも)いましたか?

Q3 女の子が車を作(つく)る人になるのはおかしいと思(おも)いますか?

Q4 あなただったら、しょんぼりしているしょう太(た)くんに、どんなふうに言(い)ってあげますか?

 

しょう太くんと同じ、京都市内の小学1年生に考えてもらいました!

 

りおはさん

A1 変だって言われてイヤだったから。

A2 おかしくないと思った。しょう太くんの方が変。

A3 いいと思う。かっこいい。みんな、なりたいものになればいいよ。将来の夢が『昆虫はかせ』の女の子も、『服を作る人』の男の子もお友達にいる。

A4 うーん、しょう太くんのお母さんが言ってあげてるとおりだと思う。

 

しゅういちろうさん

A1 あやちゃんは車を作る人になりたいって言ったのに、しょう太くんが男の子がなるものだって言ったからじゃないかな。

A2 女の子もやっていいよ。ぼくのクラスの女の子も青や黒が好きな子がいるよ。車のおもちゃで遊ぶのってみんな楽しいことだよ。

A3 おかしくないよ。

A4 女の子だからおかしいって言ってごめんねってあやちゃんにあやまりに行こうね。(ごめんねが終わったら)一緒に遊ぼうって言ってあげたい。

ウクライナから避難された方への支援に御協力ください

 本年2月に、ロシアが開始したウクライナへの軍事侵攻によって、多くのウクライナの方が国外への避難を余儀なくされています。7月15日現在、京都市においても、姉妹都市であるキーウ市をはじめウクライナの各都市から、37名の方が避難されておられます。
 本市では、こうしたウクライナから避難された方を温かく受け入れ、支援を行っていくため、企業や団体、市民の皆様の協力のもと、令和4年3月18日に「ウクライナ・キーウ京都市民ぐるみ受入支援ネットワーク」を立ち上げ、様々な取組を行っています。 

主な取組

●ワンストップの相談窓口の設置(京都市国際交流会館内)

 住まい、就学、就労など、生活に関する相談に幅広く対応しています(メールによるウクライナ語での対応も可能)。例えば、住まいに関しては、住宅に入居するまでのホテルなどの一時滞在施設、市営住宅や民間から提供いただいた住宅などを紹介しています。

●寄付金の受付・生活支度金の提供

 避難者の受入支援のための寄付金を受け付けています。
 現在、寄付金を財源に、本市での居住が決定した避難者に対して、一世帯30万円(同居者1名につき10万円加算)の生活支度金をお渡ししています。

●就労や日本語学習の支援

 就労を希望される方に対して、ハローワークと連携して仕事探しをお手伝いしています。
 また、日本語学習を希望される方に対しても、ボランティアによる日本語教室をはじめ、支援のお申し出のある日本語学校とも連携して学びの機会を提供しています。
 その他、民間企業等から提供のあったサービス(空港からの無料送迎、健康診断等)の提供なども行っています。

 侵攻の長期化に伴い、京都へ避難される方は今後更に増えることが見込まれており、皆様からの温かい御支援を引き続き受け付けています。寄付金や支援の申し出方法、取組の詳しい内容については、以下のQRコードから御覧ください。本取組への御理解と御協力をお願いします。

【お問合せ先】ウクライナ・キーウ京都市民ぐるみ受入支援ネットワーク事務局

              電話:075-752-3511   メール:[email protected]

              場所:京都市国際交流会館内(左京区粟田口鳥居町2番地の1)

              休み:月曜(祝日の場合は翌平日)及び年末年始

「なんとなく不安…」を話せる人が待っています。

 つながる相談室

 なんとなく気分が落ち込み、孤独を感じることはありませんか?

 長引く自粛生活などによる日常の変化から、不安やしんどさを感じている女性のための相談室です。

 資格を持った相談員がお話をお聴きします。どんな内容でも構いません。

電話相談窓口 075-275-0280

★希望者に面接相談・オンライン相談あり

時間 月~土曜(水曜休室)10:00~17:00

対象 京都市内在住・在勤・在学の女性

障害者差別解消法を知っていますか?

 「障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」は、障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会(共生社会)をつくることを目的とした法律です。この法律は、令和3年5月に改正され、事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。
 そこで今回は皆さんに障害者差別解消法について理解を深めていただくため、改めて基本的な内容を御紹介します。

障害者差別解消法のキーワード

不当な差別的取扱いの禁止

 正当な理由なく、障害を理由として、サービスの提供を拒否すること、制限すること、条件を付けることは禁止されています。

例 車いすでの来店を断る、本人を無視して付き添いの人だけに話しかける、など

合理的配慮の提供

 障害のある人から、社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応を行わなければならないとされています。

例 聴覚障害のある方のために電話だけでなくメールやFAXでも対応できるようにする、障害特性に合わせて資料の文字を大きくしたりイラストや分かりやすい言葉を使う、など
 

改正で変わったこと

 今回の法改正では、民間事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。
 公布の日(令和3年6月4日)から3年以内の政令で定める日に施行されます。

改正前    不当な差別的取扱い           合理的配慮の提供

行政機関              禁止       提供しなければならない(義務)

民間の事業者       禁止       提供するように努める(努力義務)

 

 

改正後    不当な差別的取扱い           合理的配慮の提供

行政機関              禁止       提供しなければならない(義務)

民間の事業者       禁止       提供しなければならない(義務)

 

 京都市・京都府が共同で「障害を理由とする差別解消のための事例集」を作成しました。
 是非一度御覧いただき、誰もが暮らしやすい共生社会について考えてみてください。

御相談ください

 京都市・京都府では、障害を理由とする不当な差別的取扱い、合理的配慮の提供等に関する相談を受け付けています。

●京都市の事業や所管施設に関すること

 ➡所管課へ直接御相談ください。直接相談しにくい場合は、京都市保健福祉局障害保健福祉推進室に御連絡ください。

(電話:075-222-4161(平日8時45分〜17時30分) FAX:075-251-2940 Eメール:[email protected]

●事業者の対応に関すること(京都市の事業に関わらないもの)

 ➡京都府広域専門相談員(障害者支援課)へ御相談ください。

  (電話:075-414-4609(相談専用)(平日8時30分〜17時15分) FAX:075-414-4597 Eメール:[email protected]

<お知らせ>

〈お知らせ〉

講座開催の御案内

令和4年度  企業向け人権啓発講座

※延期又は中止と判断する場合があります。

参加費無料

※対象は、京都市内企業等の経営者、人事・総務責任者、人権研修担当者等です。

開催予定

令和4年10月     同和問題について

                 「ビジネスと人権」について

令和4年11月     第29回障害のある市民の雇用フォーラム

令和4年12月     アライ(LGBTを理解し、支援しようとする人)について

日時、会場、内容などの詳細は、京都市共生社会推進室HP又はSNSを御確認ください!


英会話などのスキルや資格を身につけたいあなたに

 京都市とラボール学園では、学識経験者や各分野のエキスパートから学べるパソコン講座や英会話教室などを、受講しやすい料金で提供しています。
 私たちと一緒に楽しく学びましょう!

 ただいま受講生募集中!あなたに必要なスキルや知識は何ですか。情報発信力?実務能力?デジタルスキル?語学?あなたのチャレンジを応援します。

受講料    2,500円~40,500円


映画文化のまち右京区ならではの人権啓発事業「右京はーとふるシアター」 キャッチボール

 9作目にあたる今回のテーマは「吃音」※

 主人公は、転校してきた「吃音」に悩む中学生。

 そんな彼が、不安を抱えつつも心のキャッチボールを交わしながら次第に周囲と打ち解けていく様子を描いた作品となっています。

※吃音(きつおん):言葉を繰り返す、引き伸ばす、言葉が詰まる等、滑らかに話すことができない言語障害。

YouTubeきょうと動画情報館で配信中!

〈問合せ〉

右京区役所地域力推進室まちづくり推進担当(☎075-861-1264)

あなたも、私も、不安は同じ。 思いやりを大切に、みんなで乗り越えましょう。 断ち切ろう、コロナ差別

みんなで広げよう「シトラスリボンプロジェクト」

 シトラスカラー(黄緑色など)のリボンを身に着け、新型コロナに感染された方や医療に携わる方などに寄り添い、相手を思いやり、コロナ禍であってもなくても差別や偏見のない、みんなが暮らしやすい社会を目指す取組。
 京都市は、シトラスリボンプロジェクトに賛同しています。 
 シトラスリボンを作って、身に着けてみませんか?

〈問合せ〉共生社会推進室人権文化推進担当(☎075-222-3096)

編集後記

 十年ほど前、当時話題になっていた『スイーツ男子』(甘いものを食べるのが好きな男性のこと)をテーマに大学の卒業論文を書きました。そのときは、「甘いものを好んで食べることを公言する男性」が世間的に珍しかったのです。男性と言えば、「酒に強い(強くあるべき)=辛党=男らしい」というようなジェンダー規範が、日本で弱まってきた時期だったと思います。最近では、男性が日傘を差したり、化粧をしたりすることも一般に受け入れられつつあると感じています。
 また、学校においても、男女どちらでも着られる制服や水着が整備され始めているらしいですね。
 『性別に関係なく、誰もが自由に自分らしく生きられる社会の実現』と言うと、とんでもなく大層なことを言っているように思われるかもしれませんが、そういった些細な文化の面から、誰かの生きづらさが解消されていくといいな、と思います。 

<法務省委託事業>

人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.17 (発行 令和4年8月)

発行:京都市 文化市民局 共生社会推進室

☎075-222-3096 FAX075-366-0139

〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地 分庁舎地下1階

URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-2-3-0-0.html

この冊子はホームページでも御覧いただけます。また、区役所・支所、

市役所案内所ほかで配布しています。

 

京都市は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

京都市印刷物第043073号

お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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