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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.16(令和3年12月号)(HTML版)

ページ番号291486

2021年12月14日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.16(令和3年12月号)

我ら,企業市民

小川珈琲株式会社

抽選で3名様にドリップコーヒーをプレゼント!

特集企画

もうすぐ全国水平社創立宣言100周年

輝き People

法学者

谷口真由美さん

私たちと社会の人権問題Q&A

 

輝き☆People 法学者 谷口真由美先生

私たちと社会の人権問題Q&A

 近年メディアでも大きく取り上げられる,様々な人権問題。

 そもそも人権ってなに?人権を大切にするために必要なことは?ますます注目されるこの問題について,テレビやラジオでもお馴染みの法学者・谷口真由美先生にお話を伺いました。

 私たちの身近なこととして,人権について考えてみましょう!

谷口真由美(たにぐち まゆみ) 

1975年,大阪市生まれ。法学者。大阪芸術大学客員准教授。国際人権法・ジェンダー法・日本国憲法などが専門。大学教員の傍ら,新聞やテレビ,ラジオのコメンテーターとしても活躍。独特の視点と切り口,分かりやすい語り口で政治や人権問題にツッコむ解説には定評がある。各種人権啓発活動にも積極的に参加。

Q 最近「人権」について気になることは?

A ここ数年で日本の人権意識は格段に進歩。しかし社会的な少数派(マイノリティ)に対する視点は,まだまだ多数派(マジョリティ)からの「上から目線」。

 社会的な弱者・少数者の人権に対する社会の意識は次第に高くなっているように思います。女性差別的な発言への批判の声が大きな高まりを見せたり,与党の総裁選においても選択的夫婦別姓や同性婚について議論が交わされたり…こうしたことは数年前なら考えられなかったことです。しかしその反面,「人権」の本来の意味が,社会的によく理解されていないのではないかと思われることが目立つのも確かです。例えば,「少数派の権利を認めるか否か」などという議論が行われることがあります。おかしいですよね?人権は,この国に暮らす誰もが持っているものであるはず。なぜ少数派の権利を,多数派が上から目線で「認める」とか「認めない」とかジャッジできるのか?「…なに言ってんの?」という感じです(笑)

 人権は,多数派が少数派に対して上から目線で「与える」ようなものではありません。しかし人間は弱いもので,どうしても「常識」「普通」「一般的」などという言葉を盾に,多数派の側に立って少数派を見下そうとします。これを克服することが必要ではないでしょうか。

Q 「人権」を意識するために必要なことを具体的に教えてください。

A 自分たちの問題として考えること。そして「当たり前」とされる価値観や権威を疑い,抗うための知性を養うこと。

 日本にはまだまだ少数派と多数派の間に「見えないヒエラルキー」が存在します。来年2022年には全国水平社創立宣言の100周年を迎えますね。京都は全国水平社創立の地です。全国水平社創立宣言は日本において唯一とされる,被差別者が自分たちの手で獲得した人権に関する声明文です。「人権」という概念は元々,フランス革命に代表されるように当事者の集団が自らでボトムアップ,つまり権威者に対して革命をすることで手に入れてきたものです。近代国家の成り立ちにおいてそういった経緯を持つ欧米社会では,人権は血を流して獲得してきたものであり,かけがえのないものとして尊重されています。しかし多くの日本人にとって,人権は自然に上から与えられたものという意識がある。だから,生まれながらにして人権を得ている多数派は,新たに人権を獲得した,あるいはしようとする少数派に対して脅威を感じ,「新たな権利を得ようとする少数派はズルい」というような感覚で攻撃を行いがち。これがネットでの匿名による,少数派への差別的な言説に繋がっていると考えます。少数派と比べて「上位」の立場にいた人間が,その構造を維持しようとするためです。多数派の既得権を維持したいということでもあります。しかし,そうした人権に反する無意味な権威や権力を疑ったり,抗ったりする意識を高めるために,私たちは「学ぶ」のです。

 近年,若い人たちの間で「マウントをとる」という言葉を耳にしますね。彼らの間では,無意味な権威を振るい,上位に立ちたがる人間に対する反発心が高まっているのかもしれません。とても聡明です。これも人権教育が進んだことの証かもしれませんね。

Q 企業に期待されることは?

A SDGsなど,企業の意識も高まりつつある。しかし理念のつまみ食いはダメです!人権を強く意識することは必須。

 近年,企業でもSDGsの取組目標を掲げるところが増えています。SDGsは「人権・環境・平和」などの観点から持続可能な社会づくりのために企業の努力を求めているところが画期的です。しかし問題点もあり,「ウチの会社はSDGsの中の『環境』だけ取り組みます」「ウチは『平等』だけ」と都合の良い部分だけをつまみ食いして,その他の理念には無関心な企業が多いと意味がありません。「人権・環境・平和」は常にワンセット。自分たちの次の世代に向けてより良い社会を継承していくためには,どの理念も欠けてはならないのです。平和や地球環境が維持されないと,ビジネスどころではないでしょう?また,企業として人権意識を重視しているか,という点は,社会からますます注目されていくでしょう。それをないがしろにしているような企業は取引先を失ったり,業務停止になったりすることがグローバルスタンダードになりつつあります。またブラック労働やハラスメントなどの悪しき体質を改められないような企業は,就職を希望する学生たちから選ばれず,働き手を確保できないようになるでしょうね。学生たちは既にそういう目で就職先企業をチェックしています。魅力的な企業であるためには,人権を尊重する姿勢が必須なのです。

Q 人権について私たち一人ひとりができることは?

A 社会の状況に応じて人権に関する意識を常にアップデートすること。そして,他者と対話を重ねていくことが大切です。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延により,日本社会に隠れていた人権問題が可視化されたところがあります。例えば女性の自殺者が増えたり,配偶者等からの暴力(DV)が増加したり,仕事を失って貧困に苦しむ人が増えたり…平常の社会においてギリギリで生きてきた人々が,この状況下で一番追い詰められています。特に女性が育児や家事,介護など「ケア」の仕事を担わされてきた社会的構造が顕在化したところがありますね。このように,これからも世の中の状況に応じて次々と「新しい人権問題」が私たちの社会に現れてくるでしょう。でもよく考えてみると,これは当然のことなのです。なぜなら人類文明の歴史は,モノの本によると6000年ほどですが,人類が「人権」や「民主主義」という意識を獲得したのはほんの数百年前,日本で近代的な「民主主義」が確立されたのは戦後で,70数年の歴史しかありません。言ってみれば,日本はもちろん,世界でも,「人権」や「民主主義」はまだ試運転中のようなもの,世界中で行われている壮大な社会実験のようなものなのです。だから「人権」に関して人々は常に,状況に合わせて認識をアップデートしていく必要があります。私たちが小学生の頃に学んだ「人権」の概念は,大人になってからは全く意味を成さないかもしれません。

 例えば,LGBTQ等の性的少数者の人権に関わる議論では,特に高齢の方の中には話が理解できなくて戸惑う人もいると思います。しかし,理解できないからといって少数派を社会から排除するのではなく,また無理やり理解しようとするのでもなく,「理解できなくても相手を認める」姿勢が必要です。そのために必要なのは「対話」。相手をやりこめる「議論」ではなく,相手と目線を合わせていく「対話」が重要です。「対話」は人権に対する認識をアップデートさせる重要な手段です。また,人権というものは「優しさ」から生まれてくるものではありません。全く主張も合わないし,好きになれない,共感もできない…そうした人々の人権を当然のこととして尊重する理性を持つことが,人権を守るということ。人間は感情を持つ生き物なので,悲しいですが,他者を排除し,攻撃することは本能のようなものです。そんな人間同士が社会の中で,お互い安全に暮らしていくための知恵として,「人権」という概念が存在するのです。

Q 読者にメッセージをお願いします。

A 「学び続ける」ことが大切。京都は学びの機会に富んだとても理想的な土地です。

 私はよく学生たちに「親や先生が押し付けてくる『伝統や常識』に反抗するために勉強するんだよ」と言っていますが,それくらい「学ぶ」ということは大切なことだと思っています。

 私は以前から京都に御縁があり,公益財団法人世界人権問題研究センターの活動などでよく訪れていましたが,京都は市民の皆さんが「学ぶ」ということにとても積極的な土地ですね。元々「学生のまち」ということも影響していると思いますが,市民が歴史や文化についてよく学び,各大学も様々な公開講座を常に開講しています。これほど学びが市民に開放され,あちこちにチャンスが転がっている地域は珍しいのではないでしょうか。こうした土地の特性を生かせるのは,京都の皆さんの利点だと思います。是非これからも学び続けてください。って上から目線で失礼しました!(笑)

第5次京都市男女共同参画計画を策定!!

 この度,新型コロナウイルス感染症の影響に伴う働き方・暮らし方の変革等にも対応し,市民一人ひとりが,性別にかかわりなく個人として尊重され,様々な分野でいきいきと活動できる社会を目指し,策定しました。

〈私たちが目指す社会〉

性別による格差がなく,誰もがあらゆる分野で活躍できる社会

あらゆる暴力が根絶され,誰もが安全・安心に暮らせる社会

誰もが人権を尊重され,また健康的に暮らせる社会

計画には,こんな内容を記載しています!

1 これは何の数字?

妻258 分 夫39 分 計画P.5参照

2 これは何のマーク?

計画P.34,43参照

3  女性活躍,男性の育休って,どれだけ進んでいるの?

計画P.20〜参照

4 こんなコラムも掲載!!

・コロナ下を性別分業を見直す機会に

・家事への関わり方を考える

・DVと児童虐待

・「多様な性の在り方」について 等

計画P.12,25,37,47参照

詳しくは,こちら!https://www.city.kyoto.lg.jp/digitalbook/page/0000001472.html

【計画の位置付け】

 DV対策基本計画を盛り込み,さらに本計画から,これまで別の分野別計画であった「真のワーク・ライフ・バランス推進計画」を統合し,一体的,効果的に取り組んでいきます。

「真のワーク・ライフ・バランス(WLB)」の推進に向けた取組

 市民全体の意識醸成や,市内事業所の99%を占める中小企業の労働環境整備に向け,市民啓発や先進企業の取組事例の他事業者への周知啓発など様々な取組を行っています。

 専用のホームページには,真のWLBを実現するためのヒントとなるような,市民・企業の実践例や俳優の本上まなみさん,タレントのギャル曽根さん,映画監督の河瀨直美さんへのインタビュー情報を掲載しています。是非御覧ください。※ 「 真のWLB」とは,仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に加え,地域活動や社会貢献活動等に積極的に参加することで,心豊かな充実した人生を送ることができるという,京都市独自の考え方です。

サイトはこちらから!!https://www.kyotostyle-wlb.jp/外部サイトへリンクします

ドメスティック・バイオレンス(DV)等をなくす取組

 「女性に対する暴力をなくす運動」期間(11月12日~ 25日)を中心に,DV(配偶者や恋人等からの暴力)をはじめとする,あらゆる暴力の根絶に取り組んでいます。本年10月,京都市DV相談支援センターは開所10 周年を迎えました。これまでたくさんの方から御相談いただき,自分らしく,前向きな生活が送れるよう,手助けをさせていただきました。殴る・蹴るなどの身体的暴力だけがDVではありません。匿名でも大丈夫です。一人で悩まず,お電話ください。

【女性の相談】京都市DV 相談支援センター

       月~土曜日(祝日除く) 9時~ 17 時15 分 電話874-4971

      ( 受付時間外の緊急時)緊急ホットライン 電話874-7051

【男性の相談】ウィングス京都 男性のためのDV 電話相談

       第2・第4火曜日(祝日除く) 19 時~ 20 時30 分 電話277-1326

毎年11月12日に京都タワーを紫色にライトアップしています

〈お問合せ先〉文化市民局共生社会推進室男女共同参画推進担当(TEL:075-222-3091)

 

~思春期の子どもをもつ保護者の皆様へ向けたリーフレット~

「LGBTQについて知っていますか?」を発行!

 「LGBTQって最近よく聞くけど周りにはいない」「自分にはあんまり関係ない話」・・・そう思われている方も多いのではないでしょうか。

 思春期は,心も体も急激に変化する中で,自分の性別に違和感を抱いたり,恋愛等に関して周囲との違いに気付き始めたりする時期だと言われており,自身の性に揺れ動く子どもも少なくありません。多様な子どもの気持ちに寄り添えるよう,大切なことをまとめましたので,是非御覧ください。 

https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000289448.html

▲こちらからダウンロードいただけるほか,共生社会推進室で希望者にお渡しします。

〈お問合せ先〉文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当(TEL:075-222-3096)

我ら,企業市民

小川珈琲株式会社

お客様に上質なコーヒーを届け続けるために,

持続可能な世界を目指し,多彩な活動に取り組む。

香り高いこだわりのコーヒーで人々を魅了する小川珈琲。2022年には創業70周年を迎える同社は,かねてから有機栽培コーヒーの提供やフェアトレード,自然環境保護を行うコーヒー農園への支援などに取り組んでおり,2018年にそれらの活動をまとめ,形にした「小川珈琲SDGs宣言」を発表しました。「一杯のコーヒーからできること」を合言葉に,同社が消費者に届けたい思いとは?SDGs推進委員会委員長の小川雄次さん(経営企画室長)と副委員長の三輪欣悟さん(企画開発課長)にお話を伺いました。

生産地の人々の生活を守りコーヒーの品質を守る

 選び抜いた豆とこだわりのロースト,ブレンドでコーヒーを愛する人々を魅了する小川珈琲株式会社。京都市右京区に本社を置き,市内各所をはじめ首都圏にも直営店を展開,2015年には米国のボストンにも進出しています。そんな同社は「一杯のコーヒーからできること」を合言葉として,2018年8月に「小川珈琲SDGs宣言」を発表しました。「宣言を発表したのは,これまで当社が取り組んできたフェアトレードや有機栽培コーヒー,途上国支援などの取組を改めて一つにまとめ,発信していく良い機会だと考えたからです」と小川さん。フェアトレードに関しては次のように語ります。

コーヒー豆を作るのは主に開発途上国の生産者

 「コーヒー豆生産国のほとんどは,開発途上国と言われる国々です。豆の価格は国際市場で決められるため,業者との交渉の手段を持たない生産者は,時として生産コストを下回る取引を強いられることも。その結果,不安定な生活を余儀なくされている場合があります。しかし,生産者の力がなければ,良いコーヒー豆は作れません。お客様においしく,品質の高いコーヒーを持続的・安定的に提供していくためには,そうした生産者の生活を安定したものにする必要があるのです」同社が国際フェアトレードラベル機構から認定を受けたのは2003年のこと。また,有機コーヒーの販売は1995年から始めており,2001年には日本でいち早く有機JAS認定を受けています。

「小川珈琲SDGs宣言」以前に全ては始まっていた

 その他にも同社の取組は,森林を伐採せずにコーヒー栽培を行う生産者と取引を行うことで,渡り鳥の休息地としての森を残す「バードフレンドリー®」活動や,コーヒーの販売による利益の一部をオランウータンの保護活動に還元する「オランウータンコーヒー」,パーカッショニストの斉藤ノヴさんと夏木マリさんが発起人として開始した,音楽ライブの収益と薔薇の販売収益を,途上国の子どもたちの教育環境や働く女性たちの雇用整備の向上に役立てる支援活動「One of Love プロジェクト」への支援など,実に多様。環境保護や途上国支援など,SDGsの目標全般にバランスよく取り組んでいます。「私たちは『One of Loveプロジェクト』への共感を込めて毎月21日,本店を含めた直営店3店舗で数量限定のコーヒーをオリジナルカップで提供しています。また,先着10名のお客様に,当社が買い取った赤い薔薇の花をプレゼントします。SDGs宣言の取組の主な支援の対象は,エチオピアやバングラデシュといったコーヒー生産が盛んな地域。全ての活動はまさに『一杯のコーヒーからできること』という私たちのSDGsコンセプトに基づいています」と小川さん。こうしたあらゆる取組は,SDGs宣言を行う以前から手掛けていたものばかりで,同社の社会に対する高い意識が感じられます。

「One of Love プロジェクト」の一環で提供されるオリジナルカップのコーヒー

 また昨年,全社員間の意識を総合的に高めていくため,社内で「SDGs推進委員会」が立ち上げられました。委員は各部署から公募し,予想していた10人ほどの枠に,部署間の垣根を越えて30人以上の応募がありました。現在この委員会は月に一度,会合を開き,新たなアイデアの検討や情報共有を行っています。そうした取組の結果,同社には学校や他企業からSDGsに関する勉強会の講師の依頼が次々と寄せられるようになりました。今後も積極的に情報発信を行うため,2021年の8月に,SDGs活動など様々な話題を提供する特設ページ,『珈琲の広場』が公式サイトに設置されています。

一杯のコーヒーに込められたたくさんの思い

 さらに同社では,多くの女性社員が活躍していることも顕著です。「女性が妊娠・出産を経ても安心して働き続けられるよう,子育て中の社員は男女を問わず,子どもが小学校に入学するまで時短で勤務することが可能です。ちなみに当社にはバリスタの全国大会で優勝した女性社員がいるのですが,彼女も出産後,時短勤務をしながら,後に続く社内バリスタたちの指導にあたっています」と三輪さんは話します。またコロナ禍において,医療の最前線で活躍する医療従事者に20,000杯分のドリップコーヒーを提供するなど,直近の社会状況に対応した活動も推進。こうした誰もが活躍できる働き方の環境整備や社会的な支援活動もSDGsの理念に繋がるものです。「ただ,フェアトレードや有機コーヒーの販売に力を入れていても,お客様に当社の商品であるコーヒーに満足していただけなければ意味がありません。SDGsの根本は生産者・販売者・消費者全てが『三方よし』の関係になること。コーヒーを中心とした活動によって問題の解決に寄与し,その効果が他の持続可能性の向上に繋がっていく…そんなサイクルを作っていくことが,私たちの使命だと思っています」と語る小川さん。私たちの暮らしに一時のやすらぎを与える一杯のコーヒーに,次世代へ世界を繋ぐための,たくさんの思いが込められています。

プレゼント

小川珈琲のドリップコーヒーを3名様にプレゼントします!

ASUE Fairtrade Coffeeドリップコーヒー 5杯分×2箱

SDGs活動の一環として商品開発された新商品。有機JAS認証や国際フェアトレード認証などのサスティナブルコーヒーを使用し,売上の一部は「One of Love プロジェクト」に寄付されます。

応募方法 以下のいずれかの方法で御応募ください。

1 ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を記入のうえ,以下の宛先に郵送

2 京都市共生社会推進室公式ツイッター「Live Together」(@kyosei_kyoto)をフォローし,ハッシュタグ「#きょうCOLOR」を付けてツイート

※当選された場合はダイレクトメッセージにより,必要事項を確認します。

※いずれも必ず本誌への御意見・御感想をお書きください。

締切令和4年4月28日(木曜日)

宛先〒604-8571(住所不要)

京都市共生社会推進室「きょう☆COLOR」Vol.16プレゼント係

★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます

もうすぐ全国水平社創立宣言100周年

 「人の世に熱あれ,人間に光あれ。」全国水平社創立宣言というと,学校の教科書で見たことがあるという方もいらっしゃるでしょう。この宣言は,100年前の大正11(1922)年3月3日,いわれなき差別からの解放を求めて立ち上がった約三千人の人々が,この京都・岡崎の地に集まり,開催された全国水平社創立大会において生まれたもので,日本初の人権宣言と言われています。

「全国水平社創立の地」記念碑
 この石碑は,全国水平社創立大会の開催地を示しており,水平社創立60周年を記念し,昭和57(1982)年に京都市が建立したものです。
■所在地左京区岡崎最勝寺町13ロームシアター京都敷地内

 水平社創立宣言の,人間の尊厳と全ての人の平等という理念は,被差別部落の人々だけでなく,世界中のマイノリティの人々の権利回復運動にも大きな影響を与えるとともに,今日の,「誰一人取り残さない」,多様性と包摂性のある社会を目指す,国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも共通するものです。本特集記事を機に,水平社創立宣言の理念について,改めて考えていただければ幸いです。

「全国水平社創立大会綱領 宣言」
崇仁自治連合会蔵法政大学大原社会研究所蔵
18.3×39.0cm 1922年3月3日
全国水平社

チラシ「全国水平社創立大会参加へ!!」
崇仁自治連合会蔵 
15.5×10.2cm 1922年2月
 水平社同人
 本チラシは全国水平社創立のために「水平社同人」の名前で呼び掛けられたもので,1922年2月下旬から大阪,奈良,京都市内において配布されました。

「全国水平社本部」記念碑
全国水平社の本部は初代委員長となった南梅吉の自宅に置かれました。
■所在地北区紫野北花ノ坊町

人の世に熱あれ,人間に光あれ
全国水平社連盟本部初代事務所の地是より南三十米京都市(石碑本文)


 京都市人権資料展示施設では同和問題について深く学ぶことができます。

ツラッティ千本
千本地域の歴史や住民参加のまちづくりなどを通じて,同和問題をはじめ人権について学べます。
■所在地北区紫野西舟岡町2 ふれあい共生館内

柳原銀行記念資料館
崇仁地区関係の歴史や文化,生活資料等を中心とした展示を行うとともに,同和問題をはじめとする様々な人権課題について学べます。
■所在地下京区下之町6-3


「人の世に熱あれ,人間に光あれ」
〜誰一人取り残さない「SDGs」の達成へ〜

 人類の歴史は,人権確立の歴史でもあり,また,そうであらねばなりません。人権文化の伝統が息づくまち京都で生まれた全国水平社創立宣言は,人間の尊厳と平等を求め,全ての人々のあらゆる差別からの解放を理想としています。この間,人権への関心と意識は高まり,たゆみない努力が続けられているものの,宣言が希求する「差別のない社会」の実現は,まだまだ道半ばです。今,この創立宣言にこめられた先人たちの思いを改めて共有し,誰一人取り残さない「SDGs」の達成に向けて,多様性と包摂性のある共生社会を目指し,共に歩みを進めてまいりましょう。

京都市長 門川 大作

No More ヘイトスピーチ!

 ヘイトスピーチ解消法の施行から約5年。この法律は,本邦外出身者に対する不当な差別的言動を対象とし,そのような言動があってはならないとの理念を明らかにしたものです。しかし,現在もそういった言動は後を絶ちません。ここでは,皆さんに理解を深めていただくため,ヘイトスピーチに関する基本的な内容を紹介します。

Q1 そもそもヘイトスピーチって何?

A 明確な定義はありませんが,特定の国や地域出身の人々を,その出身であることのみを理由に日本社会から追い出そうとしたり,危害を加えようとしたりする言動が,一般にヘイトスピーチと言われています。

(例) ○○人は殺せ,○○人はこの町から出て行け,差別・軽蔑的な意味合いで「ゴキブリ」などの昆虫に例える言動 など

Q2 ヘイトスピーチでどんな問題が起きているの?

A ヘイトスピーチは街中でのデモやSNS 上で身近に起きており,実際に見聞きされたことで,心に傷を負う方や子どもたちへの影響を心配される方,日常生活に支障が出る方などがおられます。

悔しい情けない気持ちになった。ヘイトスピーチを知らない人や,子や孫には聞かせたくない。

ふいに涙がこみ上げてきたり,夜中に目が覚めて眠れなくなったりすることもあります。

※ 法務省が平成28年に公表した「ヘイトスピーチに関する聞き取り調査」より抜粋https://www.moj.go.jp/JINKEN/stophatespeech_chousa.html外部サイトへリンクします

Q3 もし自分や知り合いがヘイトスピーチの被害を受けたら,どうしたらいいの?

A 行政の相談窓口などへ御相談ください。

〈法務省が運営する窓口〉
みんなの人権110番 0570-003-110 
外国人人権相談ダイヤル 0570-090-911(多言語対応)
インターネット相談

※ 本市でも区役所・支所などで人権擁護委員による特設相談を行っています。

日時など詳細は,京都市文化市民局共生社会推進室へお問い合わせください。

電話:075-222-3096 FAX:075-366-0139

※ 京都市国際交流会館では,外国籍市民の方を対象に人権の内容を含めた,暮らしの相談ごとの受付,適切な窓口への案内などを行っています。

 皆さんに「ヘイトスピーチは許さない」という意識を持っていただけるよう,市内各所へのチラシ・ポスターの掲示等により,引き続き啓発に取り組みます。

ホームレスの方等(野宿者・元野宿者)の人権について~京都自立支援バックアップセンターの活動~

 今般のコロナ禍の中で,仕事を失い,住居を喪失するなど生きづらさを抱えている方がおられます。しかし,偏見や無理解から,そうした方への差別や嫌がらせなどの事件も起きています。全ての人がかけがえのない存在として,お互いに尊重し合い,困ったときに支え合う社会となるためには,市民の皆様一人ひとりの御理解と御協力が必要です。
 ホームレスの方等が抱える課題は様々です。例えば,特別定額給付金の申請や新型コロナワクチンの接種手続などにおいて,ホームレスの方等の多くには安定した住所地や連絡先がないことから,情報が届かない,書類の受取りや提出ができないなどの課題がありました。そのため,本市では,日頃からホームレスの方等と交流のある団体等の方による声掛けや,弁護士による各種申請の援助をお願いしました。多くの方々に御協力いただき,ホームレスの方等の特別定額給付金の受給やワクチンの接種に繋がりました。このように本市では,ホームレスの方等への支援を行っている方々がたくさんおられ,支援の輪が広がっています。
 ここでは,長年にわたり,ホームレスの方等への支援を行っている京都自立支援バックアップセンターの取組について,代表の竹下義樹弁護士から御紹介します。

京都自立支援バックアップセンターについて

 京都自立支援バックアップセンターは,以前から野宿者の方の支援活動を行ってきた有志が集まり,2002年に立ち上げました。法律相談を含めた「何でも相談会」の継続的な実施及び野宿生活をしていた方たちがアパートなどでの生活(居宅生活)に移行する際に必要となる,保証人をあっせんする事業を主軸として活動しています。 
 野宿者の方の中には,そうした状態になった原因をはじめとした様々な課題を抱えている方が多くおられます。これは,居宅に移行した元野宿者の方も同様です。ところが,野宿者の方・元野宿者の方は,社会との繋がりが少ないことが多く,困りごとを相談しようにも,相談窓口にたどり着かないことがあります。 
 そこで,当事者や支援者が容易にアクセスできるよう,2箇月に1回,ほぼ定例化して,「何でも相談会」を開催しています。野宿者の方から寄せられる相談内容には債務整理,親族間のトラブル,居宅移行後の賃貸住宅のトラブルといった,法律専門家が支援して解決できることから,生活保護申請や,生活に関することまで様々な相談があり,野宿者の方に寄り添いながら,支援を続けています。
 また,法律相談だけでなく,野宿者の方が生活保護の申請をして,賃貸住宅を借りようとしても,保証人がいないという理由で契約を断られるケースが存在することから,各区役所・支所と連携しながら,そのような方を支援し,居宅移行に繋げています。
 そして,居宅移行後も元野宿者の方が孤立した生活を送ることになってしまいかねないことから,2011年からは,「いのちのネットワーク」事業として,イベントや居宅訪問を継続しています。イベントについては,新年会,お花見,納涼会等を企画しており,地域住民やボランティアとも交流して,元野宿者の方が孤立せず,少しでも楽しく生活できるよう努めています。
 これからも,野宿者の方・元野宿者の方が地域社会で孤立することなく,いきいきと生活していけるよう,支援活動を行ってまいります。

ホームレスの方等の支援に関する相談窓口はこちら

○京都市保健福祉局生活福祉部生活福祉課

住所: 京都市中京区寺町通御池下る下本能寺前町500番地1中信御池ビル3 階

電話:075-251-1175

○京都自立支援バックアップセンター事務局

住所: 京都市中京区間之町通夷川上る楠町601番地3 楠町ビル3 階

電話:075-241-2248

北朝鮮当局による拉致問題について

 拉致問題は,我が国の喫緊の国民的課題であり,この解決をはじめとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が,国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中,この問題についての関心と認識を深めましょう。

「取り戻す」ためのシンボル ─ブルーリボン

 拉致被害者の救出を求める国民運動は,ブルーリボンと青色を運動のシンボルにしています。青色は,被害者の祖国日本と北朝鮮を隔てる「日本海の青」を,また,被害者と御家族を唯一結んでいる「青い空」をイメージしています。

「北朝鮮当局による拉致問題等」について▲ https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000288678.html

<お知らせ>

講座開催の御案内

令和3年度 企業向け人権啓発講座

※延期又は中止と判断する場合があります。

参加費無料

※対象は,京都市内企業等の経営者,人事・総務責任者,人権研修担当者等です。

開催予定

令和4年1月働き方改革について

令和4年2月

障害者差別解消法について

再犯防止の取組について

日時,会場,内容などの詳細は,京都市共生社会推進室HP又はSNSを御確認ください!

 京都市情報館 ◀HP https://www.city.kyoto.lg.jp/menu1/category/19-4-2-0-0-0-0-0-0-0.html
◀Twitter https://twitter.com/kyosei_kyoto外部サイトへリンクします
◀Facebook http://facebook.com/jinkenbunka/外部サイトへリンクします


性暴力を,なくそう

京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター 京都SARA

性暴力にあわれた方に寄り添って支援します。まずはセンターに電話してください!

女性の支援員があなたのお話をお伺いします。

京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター 京都SARA

相談電話電話075-222-7711

相談時間 10:00~22:00

(土日,祝休日,年末年始も実施)

※緊急の場合は110番通報してください

24時間対応窓口はこちら

短縮番号「#8891」(はやくワンストップ)

(内閣府性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター)

短縮番号「#8103」(ハートさん)

(警察庁性犯罪被害相談電話)


今,知っとこ!

インターネットのいいとこ・悪いとこ

インターネット上の人権侵害等について,吉本芸人が分かりやすく紹介しています。

エルフ ネイビーズアフロ  御視聴はこちらから▲ https://kyoto-netjinken.yoshimoto.co.jp/外部サイトへリンクします

~コロナをみんなで乗り越えよう~皆様から届いた「シトラスメッセージ」を紹介します!!

今,必要なことは,「我慢」すること?他人を「責める」こと?私は,「自分もみんなも,こんなに大変な状況なのによく頑張ってる!えらい!」とほめてあげたい。(油断するとペシミストさん)

「コロナさん  ほなさいなら」と言える日を目指して共に 頑張ろう(匿名希望)

安心は1人ひとりの自覚から( マリコさん)医療従事者の方をはじめ,スーパーやドラッグストアの店員さんやごみ収集の職員さんなど,みなさん本当にお疲れ様です。ありがとうございます。早くみなさんが落ち着いてゆっくりできる日が来ますように。(匿名希望)

ワクチンもう打った?何気ない雑談だけど,答えづらい人もここにいる。 (匿名希望)

コロナ感染,長丁場になってます。焦らず,諦めず,いなおらず,みんなで乗り越えよう。 (京子さん)

三つの輪 リボンの色の あたたかさ( 廣子さん)

それぞれの できる範囲で 協力を様々な事情を抱えている人がいるので,無理せずできることをやればいいと思います。 (匿名希望)

病気になりたいひとなんかいないまずは「お大事に」,治ったら「よかったね」と言いませんか? (匿名希望)

~ 我慢は人のためならず~感染症の蔓延を防ぐために様々な我慢を強いられていますが,みんなの我慢が巡り巡ってコロナを終息させる近道だと思います。1日も早くみんなが笑顔で過ごせる日常が戻りますように。 (うえしまさん)

▼全てのメッセージは以下のホームページで公開しています。

https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000290378.html

〈問合せ〉文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当(電話075-222-3096)

※こちらは,京都市が7月9日~9月10日の期間に募集した応援メッセージの一部です。

「シトラスメッセージ」とは,京都市が賛同する「シトラスリボンプロジェクト」にちなんでいます。

編集後記

 「友達100人できるかな」を違和感なく聞き,「みんな仲良く」と教えられた子ども時代でしたが,今の子どももそうなのでしょうか? 高校,大学,社会人と,段々『クラス』や『学校』という確固たる枠の中から解き放たれるにつれ,私はどんどん息がしやすくなった方の人間です。 年齢を重ねるにつれ,「苦手な人や,苦手なことは,苦手なままでいいんだ」と自分を受け入れることができるようになりました。幼い頃は大人に教えられることと,自分の心で感じることとのギャップに真面目に困惑していたので,そこは誰かに教えてもらいたかったなぁ,と思います。 人間である以上,必ず苦手はあります。苦手な人や苦手なことに対して適度に関わらないでいられること,逆に自分が付き合いやすいと思う人や得意なことに対して繋がりやすいことが,自尊心の低下や,他人への加害・他人からの被害を招かないための手法の一つなのではないか,と考える今日この頃です。

<法務省委託事業>

人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.16( 発行 令和3年12月)

発行:京都市文化市民局 共生社会推進室

電話075-222-3096 FAX075-366-0139

〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地 分庁舎地下1階

URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-2-3-0-0.html

この冊子はホームページでも御覧いただけます。また,区役所・支所,市役所案内所ほかで配布しています。

京都市印刷物第033172号

お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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