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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.15(令和3年8月号)(HTML版)

ページ番号286769

2021年8月16日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.15(令和3年8月号)

輝き☆People

お笑いジャーナリスト

たかまつななさん

誰もが傷つくネットいじめ撲滅宣言!

我ら,企業市民

有限会社小川金正堂

見て・知って人権~京の学生が行く~

ツラッティ千本(ふれあい共生館内)

 

輝き☆People お笑いジャーナリスト たかまつ ななさん

誰もが傷つくネットいじめ撲滅宣言!

ネットいじめとは?

ネットいじめとは,インターネット上におけるいじめや嫌がらせですが,今の子どもたちの場合はLINEグループの間で行われることが多いですね。相手を傷つけることを言ったり仲間外れにしたり,ネット上の閉じられた世界でやりとりされるので,第三者が気付きづらく,先生も発見しづらいことが特徴です。SNSは誰もが気軽に発信しやすい反面,一時の感情に任せて言いたい放題になることもあり,使い方には注意が必要です。

そして学校でもSNSでもいじめられて孤独を感じている子どもが,周囲に相談できずに,ネット上で居場所を探そうとしますが,世の中にはそんな子どもを狙っている悪い大人がいます。仲良くなった大人に「裸の写真を送って」などと言われて逆らえずに送ってしまう。そうなったら犯罪の被害者になってしまいます。また,大人でも誹謗中傷は後を絶ちません。いくら規制をしても,ネット上のアカウントはすぐ新しく作れるし,すぐに消せる。また,「自分は正しいことをやっている」と思っている人の発言がエスカレートするケースや,人格攻撃と意見に対する批判とが混同されているケースも見られます。これでは建設的な議論になりません。もはやSNSは分断や煽りのツールになってしまっているのではないでしょうか。

 

ネット上の否定的な発言に対して,どのように向き合っておられますか?

私もネット上で色々と発言していますが,「ブスのくせに」といった誹謗中傷は日常茶飯事ですよ。もう特定のTwitterアカウントはミュート※にしているくらいで,いちいち受け止めていたらメンタルがやられます。仕事も手につきません。セクハラのようにネットいじめも明確に定義づけた方がいいですね。こういう場合はネットいじめですよ,と。

一方で,「意見・批判」と「誹謗中傷」の区別がつかないと,まともに議論できなくなってしまいます。特に政治や人種差別,ジェンダーギャップなどの社会問題に対して意見すること自体が,今はリスクになっています。目の前に社会問題があっても,炎上しないように誰もが見て見ぬふりをするのが賢い,となるのが,私としてはショックですね。

また,私自身は常に「意見」として発言していますが,自分の意見を誰かに押しつけていないか,他者を苦しめていないかは気をつけるようにしています。

※ 特定のアカウントの書込みを,自分のアカウント上で非表示にすること。

 

たかまつなな

1993年神奈川県横浜市生まれ。時事YouTuberとして,政治や教育現場を中心に取材し,若者に社会問題を分かりやすく伝える。株式会社笑下村塾を18歳選挙権をきっかけに設立し,出張授業「笑える!政治教育ショー」「笑って学ぶ SDGs」などを全国の学校や企業,自治体に届ける。著書に『政治の絵本』(弘文堂)『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』(くもん出版)がある。

 

Check!

もっとよく知ろう

ネットいじめで自殺に追い込まれるケースもありますが…

テレビ番組での言動を巡り,SNSで多数の誹謗中傷を受けたことを明かしていたプロレスラーの木村花さんが自殺された事件は衝撃的でした。私のYouTubeチャンネルにゲスト出演していただいた母親の木村響子さんは,SNSでの誹謗中傷の問題を解決するためにNPO法人を設立して活動されています。しかし,そんな響子さんのことを「毒親」だと,また誹謗中傷する人がいるのです。また,自分の発言が花さんを自殺まで追い込んだことを認めたくない人々がいます。いじめに関する問題では,加害者が更生できていない場合があることにも非常に問題があります。被害に遭っても裁判を起こすには費用が要る,加害者を追及しようとしてもアカウントはすぐに消される。そのような状況の中で,ネット上の被害も加害も未然に防ぐためには,私は「人権に対する教育の強化」が最も重要だと思っています。まず,何をしてはダメなのか,逆に何をされたらダメなのかという知識を身につけること。交通安全教室のように,ネット上でも身の守り方を学ぶことが大切です。

※京都市では,児童・生徒向けにスマートフォン・SNSの危険性や使い方を考える授業「情報モラル教室」等を実施しています。ネット上で人権を侵害する事件はここ数年,高水準です。自分がいつ被害者になるか,加害者になるか分からないのがネットの怖いところ。一人一人が当事者として考えていきたいですね。

 

Check!

自分ならどうする

自分が加害者にも被害者にもならないためには?

インターネットを正しく利用するためのチェックポイント

誰かを傷つけないために

書き込む内容は,世界中から見られていることを認識する。

他人の悪口や差別的な内容は書き込まない。

使用する言葉に注意し,暴力的な言葉は使わない。

他人の書込みに便乗し,エスカレートさせる書込みはしない。

うわさ話や偽の情報を書き込む,又は転送しない。

他人の個人情報を勝手に書き込まない。

人が写っている写真や動画を掲載しない。

チェーンメールを転送しない。

無料通信アプリで友達を仲間外れにしたり,いじめたりしない。

他人になりすまして書き込まない。

 

自分自身を守るために

自分の個人情報を安易に書き込まない。

怪しいサイトには近づかない。

IDやパスワードは書き込まない。

心当たりのないメールには,返信しない。

見覚えのないメールの添付ファイルは,開かない。

インターネットで知り合った人とは,安易に会わない。

“無料”のうたい文句に惑わされない。

“プレゼント”“特典”などの誘い文句に,むやみに乗らない。

不当な請求には,料金を払わない。

インターネット上の情報は,全てが正しいとは限らないと心得る。

 

まず加害者にならないためには,発信する前に一拍置くことですね。私はLINEで一人のグループを作って下書きしているんですよ。イライラしている時に送ったら語気が強くなりますから,冷静になってから文面を見直して送るようにしています。

それから,自分を知ること。怒りを鎮めるためにはどうすればいいか対処法を知っておくことですね。本人を目の前にしてもそんなことが言えるか,自分の発言が他者を傷つけるかもしれないという意識を持つことも大切です。

また自分をよく知ると,どんなことが辛いかが分かります。どうしても苦手な相手とは距離を置く,関わらないという対処もできるでしょう。これは被害者にならないためにも言えることです。

みんながインターネットを正しく使って,より良い社会の実現のために健全な交流ができることを切に願っています。

 

SOS!

相談はこちら

◯誹謗中傷・いじめから子どもを守る「ネット・トラブル情報デスク」 https://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000042869.html

◯みんなの人権110番 0570-003-110

◯京都府青少年ネット被害相談窓口 075-605-7830

インターネット上の情報に関するトラブルや権利侵害について,相談などに応じる窓口があります。一人で悩まず,相談してください。

                            

どしどし御応募ください!

プレゼントサイン入り色紙を差し上げます!

たかまつななさんのサイン入り色紙を3名様にプレゼントします。

応募方法 以下のいずれかの方法で御応募ください。

1 ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を記入のうえ,以下の宛先に郵送

2 京都市共生社会推進室公式ツイッター「Live Together」(@kyosei_kyoto)をフォローし,ハッシュタグ「#きょうCOLOR」を付けてツイート

※当選された場合はダイレクトメッセージにより,必要事項を確認します。

※いずれも必ず本誌への御意見・御感想をお書きください。

 

締切11月30日(火曜日)(当日消印有効)

宛先〒604-8571(住所不要)京都市共生社会推進室

「きょう☆COLOR」Vol.15プレゼント係

★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

京都市共生社会推進室公式ツイッター

「Live Together」

(@kyosei_kyoto)

是非フォローしてください!

 

人とつながる居場所づくり  LGBT等コミュニティスペース 京都まぁぶるスペース

京都市では,LGBT等の人や,その友人や御家族など周囲の人たちが気軽に集まって話し,交流できる場であるコミュニ

ティスペース「京都まぁぶるスペース」と,悩み事などについて相談できる専門相談員による個別相談会を開催しています。

 

 こんな方に!

 ◆ LGBT等について,思いや経験を共有したい方

 ◆ 性別への違和感や恋愛対象の性別等について,身近に話せる人がいない方

 ◆ 知り合いが性別のことで悩んでいるがどう接したらよいか悩んでいる方 等

 6月21日,8月2日に開催し,参加者からは「素直に思いが言える場所だと感じた」

「LGBT等の方と交流し,理解を深められた」などのお声をいただいています。

次回「京都まぁぶるスペース」の開催は,10月です。

・日時 10月24日(日曜日)午後2時~午後4時

・メインテーマ パートナーシップ宣誓制度について考える

・場所 京都市男女共同参画センター(ウィングス京都)2階

  ・ セミナー室(京都まぁぶるスペース)

  ・ 第6会議室(個別相談。LGBT等の相談経験のある相談員が担当します。)

 ※新型コロナウイルス感染症の状況により,オンライン開催となる場合があります。

・応募 応募フォーム,メール,電話,FAXのいずれかで御応募ください。

メール:[email protected] TEL:075-366-0322 FAX:075-366-0139

・定員(先着順) 京都まぁぶるスペース :15名,個別相談:2名

 

亀岡市・長岡京市と協定を締結し,

3市の間で転居した場合の手続が簡略化されました!

京都市は,令和3年7月に,亀岡市及び長岡京市と『パートナーシップ宣誓制度に係る都市間連携に関する協定』を締結しました。これにより,パートナーシップ宣誓制度の利用者が3市間で転居をしても,転出先で簡易な継続申告手続を行うことで宣誓の効果が継続できるようになります。

パートナーシップ宣誓制度とは・・・

 LGBT等の方々に,互いが人生のパートナーであることを宣誓していただき,市から受領証等をお渡しすることで,お二人を応援する「京都市パートナーシップ宣誓制度」を,令和2年9月から開始。受領証等は,市立病院でパートナーの病状説明を受ける際や,里親の認定,市営住宅の入居の申込みの際のほか,生活の様々な場面で,お二人の関係を説明される際に活用いただけます。

 

LGBT先進企業を紹介!

株式会社 チェリオコーポレーション(京都市南区)

チェリオでは,「多様性」を重視した会社づくりを目指し,平成26年の東京レインボープライド(TRP)への協賛をきっかけにLGBT等に関する研修や社内報の連載等を通じて,社内での認知度が全社員の9割にまで向上。

令和2年から,誰でも気軽に参加ができ,売上の一部が国内のセクシュアルマイノリティ関連の活動の応援に充てられる「のんでCHANGE!」参加型自動販売機を展開中!

 

担当者の声

「 日本の社会をもっとオープンなものにできるよう,世の中に伝えていきたい」

 

京都信用金庫 (京都市下京区)

京都信用金庫では,多様な価値観が共存する中で一人ひとりが個性を十分に発揮し,誰もが幸せに暮らせる地域を目指して,令和3年4月5日から,事実婚や同性パートナーの方も「配偶者」として共同名義で住宅ローンを借入れできるように。

 

担当者の声

「 住宅ローンの取組から,地域,全国の自治体に(パートナーシップ宣誓制度などが)広がっていくことに繋がれば」

 

令和3年度企業向け人権啓発講座「~LGBTの視点から考える~自分らしく働く。自分らしく暮らす。」を9月30日に開催します。上の2企業も発表者として登壇いただきます! 詳しくは裏表紙を御覧ください。

 

我ら,企業市民

有限会社小川金正堂

コロナ禍における差別・偏見をなくしたい。

その思いを込めて,シトラスリボンの缶バッジを無料配布

長引くコロナ禍で人々の閉塞感が高まる中,新型コロナウイルスに感染した方や医療・福祉に携わる方などに向けた心ない差別や偏見が問題になっています。京都市内でトロフィーやカップ,徽章などの記念品を製作・販売している小川金正堂は,2020年5月から自社で製作した「シトラスリボン」缶バッジを店頭で無料配布し,差別や偏見をなくすための取組を地道に続けてきました。そのきっかけや缶バッジに込めた思いについて,代表取締役の小川隆之さんにお話を伺いました。

 

シトラスリボン缶バッジ,御自由にお取りください

烏丸丸太町交差点の近く,烏丸通を挟んだ京都御苑のすぐ西隣に,有限会社小川金正堂はあります。創業は昭和8年。ショーウィンドウには商品である企業や団体・自治体などの徽章,スポーツ大会などのトロフィーやカップ,メダル等が並べられています。

店舗の入口には「御自由にお取りください」という表示とともにメッセージを添えた缶バッジが。そしてデジタルサイネージで,この缶バッジの意味が説明されています。

この缶バッジの配布は「シトラスリボンプロジェクト」の一環。このプロジェクトは,愛媛県の大学の先生方が始めたもの。同県の特産物である柑橘類にちなみ,黄緑色などシトラス色の紐で作ったリボンを身に付けることで,コロナ禍における差別や偏見を社会からなくしていこうという活動です。バッジの配布に関して,小川さんはこう語ります。

「これまでこうした社会活動を手掛けたことはなかったのですが,かつて看護師として働いていた妻がコロナ禍の現状に強く問題意識を抱いたことがきっかけで,2020年5月から始めました」。「妻はかつての同僚たちから話を聞き,非常に悲しんでいました。病棟で患者さんを精一杯ケアし,必死に頑張っているのに,仕事を終えて帰宅すると,近所の人から偏見の目で見られることがある,と。こんなことはあってはならない。当社でも何かできることはないかと夫婦で考えました」。

 

店頭に置かれている缶バッジのセット

シトラスリボンプロジェクトの趣旨や小川金正堂のメッセージが同封されている

 

得意分野で無理なく続けられるように

愛媛県出身である妻の静香さんが,インターネットを通して「シトラスリボンプロジェクト」のことを知ったそうです。初めはリボンの形を模したピンズを作ることなども考えたそうですが,「無理せずに長く続けられる方法でいこう」ということから,すぐに作れる缶バッジに決定。

「早速プロジェクトの本部に連絡して,缶バッジを作る許可を得ました。快く了承をいただき,ロゴデータを送っていただいたのです」と語る小川さん。缶バッジは社内で製作し,小川さん自ら作ることもあるとか。

「ピンバッジを販売して売上を寄付する,ということも考えたのですが,営利目的だと勘違いされる取組にしたくなかった。自分の会社が持つノウハウを生かして,手軽に,気負わずに継続する方法を選びました」。

店先に20個ほど設置しているバッジは,1日10個ほどを持ち帰ってもらえるとのこと。設置されているバッジを見て,プロジェクトのことを詳しく知りたいと入店して小川さんに尋ねられた女性もいました。

「また,当社のFacebookにこのプロジェクトについての記事を掲載していたところ,これまでお付き合いのなかった府外の企業のお客様から,『ちょうど社章をリニューアルしようと思っていたところだった。お願いするなら貴社のような心ある企業にお任せしたい』と連絡をいただいたこともありました。会社の宣伝のためにやっていたわけではないのですが,

この取組が認められたことはとても嬉しかったですね」と小川さんは微笑みます。

 

みんなが「自分ごと」として新型コロナを考える

小川金正堂は地域の各種スポーツ大会のトロフィーやカップなどを商品の一つとしており,このコロナ禍では事業に大きな影響を受けました。各種大会が軒並み中止・延期になったため,注文が減少。これを受けて現在は誕生日や長寿祝い,退職記念などに使える,メッセージやネーム入りのタンブラーや文具・食器など,個人を対象とした新たな商品を展開中です。

「ネット通販でこうした商品を販売しているのですが,お買い上げのお客様に向け,メッセージを添えたシトラスリボンの缶バッジをおまけとしてお付けするのもいいかもしれませんね?」と,取材中にひらめく小川さん。こうした柔軟な発想が,活動を継続する秘訣かもしれません。

「缶バッジ配布を始めた1年前と比べて,新型コロナはより身近なものになったと感じます。医療従事者の皆さんに向けた感謝や敬意の声は一般的になりましたが,現在でも感染者本人への偏見は根強く残っています。今は誰が感染してもおかしくない状況。大切なのは,みんなが『自分ごと』として考えることです」。

小川さんに,企業がこのコロナ禍を乗り越えるために必要なことは何かを伺いました。

「コロナと共存していくため,人々の生活様式の変化に柔軟に対応できないと企業の存続は難しい世の中になってしまいました。しかし皆が痛みを知ったことで社会貢献を考える企業が今まで以上に増えていくようにも感じます。弊社もその中の一社になれるように,社会の皆様に認めていただけるように今後とも努力してまいります」。

一人一人が当事者意識を持って,お互いを思いやり,行動することが差別・偏見の解消に繋がります。実際に活動されている小川さんの発言には説得力がありました。

 

シトラスリボンプロジェクトとは…

コロナ禍の下で生まれた差別や偏見を耳にされた愛媛の有志「ちょびっと19+」が始められたプロジェクト。愛媛の特産品である柑橘にちなんで,シトラス色(黄緑色など)のリボンを身に着け,新型コロナウイルスに感染された方や医療に携わる方などに寄り添い,相手を思いやる気持ちを表すことで,ひいては新型コロナウイルスの感染拡大防止にもつながる活動です。

 京都市は,シトラスリボンプロジェクトに賛同しています。感染が確認された方,私たちの暮らしを守り,支えてくれる方(医療従事者・「エッセンシャルワーカー」の皆様など)が,それぞれの暮らしの場で「ただいま」「おかえり」と言い合えるまちになるよう,思いやりの心を広げていきましょう。

 

見て・知って人権 京の学生が行く

このコーナーでは,京都で学ぶ学生の皆さんなどに,取材や誌面作りに参加いただき,毎号,京都市の人権関連施設を1箇所ずつ紹介していきます。

第15回ツラッティ千本(ふれあい共生館内)

令和3年ふれあい共生館オープン!

佛教大学 教育学部4 年生

松尾水晶(まつおみずき)さん

佛教大学 教育学部4 年生

荒井満帆(あらいまほ)さん

ふれあい共生館

ボランティアスタッフ

中山悠希(なかやまゆうき)さん

佛教大学 教育学部4 年生

藤林菜穂(ふじばやしなほ)さん

佛教大学 教育学部3 年生

寺崎温也(てらさきあつや)さん

 

ツラッティ千本はどんな施設ですか?

「ツラッティ千本」は,平成6年に開設した人権資料展示施設です。

千本地域は,被差別身分の廃止を明治政府に訴えた益井元右衛門(ますいもと(がん)えもん)・茂平(もへい) 親子や全国水平社創立時に初代委員長を務めた南梅吉を輩出するなど,日本の人権尊重に関する運動の歴史において重要な役割を担ってきました。

昭和30年代からは住環境改善事業で改良住宅が建てられ,平成5年には「千本ふるさと共生自治運営委員会(じうん)」が発足。住民自ら計画を作り,改良住宅の建替えやコーポラティブ住宅の建設など,行政と共に生活環境の向上を進めてきました。当施設はこのような地域の歴史やまちづくりの経緯に関する資料を展示しています。

 

移転先の「ふれあい共生館」について教えてください。

ツラッティ千本は令和3年6月に「ふれあい共生館」に移転しました。ふれあい共生館とは,2年前に閉校した楽只小学校跡地をリニューアルした複合施設で,ツラッティをはじめ,市民の交流の場,児童館,アートのアトリエなどが入居しています。

楽只小学校は明治初期に開設された私塾をルーツとし,閉校まで子どもたちの教育保障や同和教育・人権教育を実践してきた歴史があり,当施設と共に人権啓発活動に取り組んできました。地域の人々にとって馴染み深い「小学校の跡地」にこれらの施設が入居することは,地域の交流促進にとってまさに理想的です。今後は他の施設の機能と当施設の持つ資源が,高い相乗効果を発揮できるように取り組んでいきたいです。

また,ふれあい共生館では,かつて楽只小学校等に勤務していた先生方や卒業生たちがボランティアとして活躍中です。地域と活発な交流を続けてきた佛教大学の学生たちも,ボランティアの仲間として協力して運営を行っています。

 

今後の目標や,市民の皆さんに伝えたいことは?

当施設の名称「ツラッティ千本」には,この地域の人々が「連れ合って生きてきた」という意味,そしてみんながここに「連れ合って」訪れてほしいという思いが込められています。まずは再スタートを切ったツラッティに親しんでもらうことが当面の目標です。そして,ツラッティを訪れた子どもたちが,学んだことを帰って家族に伝えるという風に,展示している人権に関する情報を,訪れた方々が更に多くの方に伝えてくださることを期待しています。また,来年は全国水平社創立100周年ということもあり,ツラッティも関連企画をしていきたいです。

お話を伺った方

ツラッティ千本

館長 堀家由妃代(ほりけゆきよ) さん 〈中〉

スタッフ 菅野泰敏(かんのやすとし) さん〈右〉

スタッフ 井川勝(いかわまさる) さん〈左〉

 

見て・知って人権

京の学生が行く

ツラッティ千本(ふれあい共生館内)

 

■京都市楽只児童館

 0~18歳未満の児童を対象に,遊びの場の提供や指導,クラブ活動の育成,小学校1~6年生の児童への学童クラブ事業などを行う児童福祉施設です。

職員さんはみんな優しく,子どもたちはとても活発。賑やかな声が聞こえると,自分も元気をもらえます!

■北いきいき市民活動センター

  市民公益活動やサークル活動などの市民活動を支援するため,場所と機会を提供します。会議室と多目的ホール,コミュニティスペースを設置。

大学のサークルや市民の皆さんの交流などが行われます。様々な人々が集まるにぎやかな雰囲気がとてもいいですね!

 

■天才アートKYOTOアトリエ

 障害のある人の芸術活動を推進するために,制作活動をはじめ,展覧会や作品アーカイブなど様々な活動をしています。現在41名の作家が登録しています。

障害のある人々が自由に創作活動に取り組んでおられ,素敵な作品がたくさん生まれています!

 

■HAPSスタジオ

 若手芸術家のための居住確保,制作・発表を支援する団体が管理。公募によって選出された若手芸術家に制作の場所を提供しています。

芸術家やスタッフの皆さんが児童館の子どもたちに向けたワークショップを開催してくださいました。アートを身近に感じられますよ。

 

■京都市楽只保育所

※令和4年4月移転予定

保育を必要とする産休明けから就学前までの子どもの保育を実施する児童福祉施設です。一時預かり事業等も実施します。

僕も楽只保育所に通っていました。子どもたちもその親同士もとても仲が良くて,温かい環境が魅力です。

 

ツラッティ千本の展示室

 

施設情報

■所在地〒603-8226

京都市北区紫野西舟岡町2

元京都市立楽只小学校跡地複合施設内

(愛称:「ふれあい共生館」)

ツラッティ千本:TEL075-441-1011

■ ホームページ京都市情報館(https://www.city.kyoto.lg.jp/)から

「ツラッティ千本」で検索

■開館時間午前10時~午後4時30分

■休館日日曜日,火曜日,祝・休日,年末年始(12月29日~1月3日)

■入館料無料

■交通案内市バス「千本北大路」下車

 

考えてみよう! 自分にとっての「真のワーク・ライフ・バランス」

 

京都style 「真のワーク・ライフ・バランス」応援WEB

 「真のワーク・ライフ・バランス」を実現するためのヒントとなるような情報を掲載しています。

 市民・企業の実践例や俳優の本上まなみさん,タレントのギャル曽根さん,映画監督の河瀨直美さんへのインタビュー,イベント情報を掲載しています。

※「真のワーク・ライフ・バランス」とは?

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に加え,地域活動や社会貢献活動等に積極的に参加することで,心豊かな充実した人生を送ることができるという,京都市独自の考え方です。

 

相談したい悩みはありませんか?

~ あなたのお悩み,聞かせてください☆彡 ~

 長引く自粛生活などによる日常の変化から,しんどさを感じている女性のための相談室を開設しました。

 資格を持った相談員があなたのお話をお聞きし,必要なサポートをあなたと一緒に考えます。

自粛生活が続き,社会から取り残されている気がする。

家族と一緒にいる時間が長くなってしんどい。

どこに相談したら良いか分からない。

いつも話を聞いてくれていた友人と会えず,気分が落ち込んでいる。

居場所が欲しい。

一人で抱え込まないで「話してみる」から始めませんか?

つながる相談室 電話での相談 075-275-0280

※ 希望者に面接相談有り(オンライン相談可)(要予約)

対象 市内在住・通勤・在学の女性

相談予約・詳細はこちら https://www.wings-kyoto.jp/tsunagari/

月~ 土曜 10:00 ~ 17:00 ( 水曜・祝日・年末年始は休み)

 

様々な御事情により,生理用品を購入できない方のために,生理用品を御用意しています。各受取窓口にある「引き換えカード」又は下記ホームページに掲載しているカードの画像をスマートフォン等の画面に表示させ,提示していただくことでお受取りいただけます。

配備場所

・男女共同参画センター(ウィングス京都)

・青少年活動センター

・ひとり親家庭支援センター(ゆめあす)

・京都市・区社会福祉協議会 など

 

■詳しくはこちら

https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000285376.html

京都ホンデリングの紹介~本で広がる支援の輪~

京都ホンデリングとは,不要になった書籍等を寄贈していただき,その売却代金を京都市の犯罪被害者総合相談窓口である(公社)犯罪被害者支援センターの支援活動に役立てる活動です。本1 冊から始めることができる支援ですので,皆様の御協力をお願いします。

◆寄贈可能な書籍等

 *I SBN※が付された2011年以降に出版された本(※書籍の裏表紙に記載されている,「ISBN」から始まる書籍を特定するための番号)

 *規格品番が付されたCD(シングルは対象外)・DVD・ゲーム

◆回収箱常設窓口

 左京区役所・中京区役所・右京区役所・ウィングス京都・消費生活総合センター・くらし安全推進課(京都朝日会館4 階),BiVi 二条入口等

◆5点以上あれば,集荷に伺います! 

 (URL:http://kvsc.kyoto.jp/hondering)

 問合せ:京都市文化市民局くらし安全推進課 TEL 075-222-3193

 

 

<お知らせ>

講座開催の御案内

令和3年度 企業向け人権啓発講座

※ 延期又は中止と判断する場合があります。

参加費無料

※対象は,京都市内企業等の経営者,人事・総務責任者,人権研修担当者等です。

事例発表 ~ LGBTの視点から考える~自分らしく働く。自分らしく暮らす。

(1)LGBTについて,知る,気付く

(2)LGBTについて,考える,行動する

●日時  令和3年9月30日(木曜日)午後2時~午後4時

●会場  京都信用金庫QUESTION 4階 コミュニティステップス

(中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2)

●定員  会場35名(先着順),オンライン50名(先着順)

●発 表 者

(1) 大久保暁 氏(暁project代表),

        杉 雄大 氏(株式会社releys代表取締役),

        本多 まさ 氏(プライドプロジェクト代表),

        松本 友生 氏(カラフル代表)

(2)京都信用金庫,株式会社チェリオコーポレーション

 

事例発表及び講演 第28回障害のある市民の雇用フォーラム~一人一人の働きたいという願いを実現するために~

(1)京都市立総合支援学校における就労に向けた取組について

(2)実習の受け入れから雇用1年目を終えて          

●日時  令和3年11月10日(水曜日)午後3時20分~午後5時

●会場  京都市総合教育センター4階永松記念ホール

(下京区河原町通仏光寺西入)

●定員  70名(先着順)

●(1)発表者: 京都市立東総合支援学校 進路指導主事,京都市立鳴滝総合支援学校3年生

 (2)講 師: ナナハグループ株式会社ナナハネクサス取締役 事業統括 野川 拓 氏

 

講演 21世紀の人権課題と企業活動─同和問題から考える─

●日時  令和3年12月2日(木曜日)午後2時~午後4時

●会場  京都市男女共同参画センター ウィングス京都 セミナー室

(中京区東洞院通六角下る御射山町262)

●定員  60名(先着順)

●講師  井岡 康時 氏(奈良大学文学部教授,世界人権問題研究センター研究員)

申込方法

ホームページ「京都市情報館」トップページ(https://www.city.kyoto.lg.jp/)から画面上部

「暮らしの情報」→画面左下部「人権」→「企業啓発」→「企業向け人権啓発講座」を御覧ください。

申込書(開催案内の一部)に必要事項を記入のうえ,FAX(075-366-0139)でお送りいただくか,電子メール([email protected])に必要事項を記載して送信してください。申込書のダウンロード,詳細についてはホームページを御覧ください。(https://www.city.kyoto.lg.jp/menu1/category/19-4-2-0-0-0-0-0-0-0.html

 

~コロナをみんなで乗り越えよう~

シトラスメッセージを募集しています!

京都市では,思いやりを大切に,新型コロナウイルス感染症拡大を皆で乗り越える気持ちを込めたメッセージを募集しています。応募作品は,本市の広報物やSNS,啓発物品に掲載するなど,広く活用いたします。皆様からのたくさんの御応募をお待ちしています!

募集内容 新型コロナウイルス感染症拡大を皆で乗り越えるための思いやりの気持ちを込めたメッセージ(キャッチコピー,標語,川柳,創作熟語等,形式は問いません。)

キャッチコピーから川柳まで,なんでもOKです‼

メッセージやエールをお届けください。

以下の方に向けたメッセージやエール

・医療に携わる方へ

・日々の暮らしを支えるエッセンシャルワーカーの方へ

・感染対策を頑張るあなたや私へ

・新型コロナウイルスに感染した方へ

・マスクが着けられない,ワクチン接種ができないなど,様々な配慮が必要な方へ

・家族や友人へ(コロナ禍で周りの人や地域との繋がりの大切さを感じたこと,テレワーク等により自分が家で過ごして感じたこと,家で過ごす時間が増えた家族を見て感じたこと,友人との関わりの変化など)

文字数

川  柳:五・七・五

川柳以外: 70文字を目安に自由に作成してください。

募集期間 令和3年7月9日(金曜日)~9月10日(金曜日)(当日消印有効)

応募方法 Eメール,京都市情報館の申込みフォーム,FAX又は郵送

記載事項 以下の1~6の内容をメール本文やはがき等に記載のうえ送付してください。

(1メッセージ,2氏名(ニックネーム可),3氏名の公表の可否,4年代(任意),5職業(任意),6お住まいの市町村(任意))

応募先 Eメール:[email protected]

申込みフォーム:https://sc.city.kyoto.lg.jp/multiform/multiform.php?form_id=4626

郵 送: 〒604-8101 京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65

京都朝日ビル8階 京都市文化市民局共生社会推進室

人権文化推進担当 「シトラスメッセージ」担当

 

編集後記

何気ない一言が他人を傷つけてしまいかねないことは,様々な人権課題について説明する上で,よく言われることです。

 たとえば,見た目が男性の同僚に対して「彼女はいるの?」と聞くことは,暗黙のうちにその同僚を異性愛者だと見なした問いかけです。仮に同僚が同性愛者だった場合,問いかけの内容自体が悪いというよりは,質問者が「異性愛が『普通』」だと思っていることが伝わってくることが,まだまだLGBT等の方が生きやすいとは言えない社会に生きている人にとって,辛いのです。

 「○○なら△△をするのが『普通』」という,誰が唱えているわけでもないけれども,確かに存在している社会的な圧力が,色々な場面で私たちを生きづらくしていると感じます。

 『普通』という言葉を口に出しそうになったとき,もしくは頭の中に浮かんだとき,それは誰かを傷つけかねない考えではないだろうかと,自省していこうと思います。

<法務省委託事業>

人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.15( 発行 令和3年8月)

発行:京都市 文化市民局 共生社会推進室

☎075-366-0322 FAX075-366-0139

〒604-8101 京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65 京都朝日ビル8階

URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-2-3-0-0.html

この冊子はホームページでも御覧いただけます。また,区役所・支所,市役所案内所ほかで配布しています。

この印刷物が不要になれば「雑がみ」として古紙回収等へ!

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お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

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ファックス:075-366-0139

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