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木製防火雨戸

ページ番号291405

2021年12月13日

木製防火雨戸

開発背景

 近年、ストック重視型の時代への転換が進み、京町家等の歴史的建築物の活用ニーズが高まる中で、建築物の安心、安全を確保したうえで活用し、良好な状態で次世代へ継承していく方策が求められています。

 その一方で、こうした歴史的建築物は、建築基準法(以下「法」といいます。)の規定に適合していない部分も多く、大規模修繕や増築、用途変更等を行う際には、現行法への適合が求められ、建物の歴史的価値のある意匠形態等を残すことが困難な場合があります。

 実例として、京町家の多くは、準防火地域に存しているため、外壁の開口部にアルミサッシ等の防火設備の設置が必要となり、京町家の趣ある意匠形態を保存しながら活用することが困難な状況にありました。

 そこで、平成30年度から、産(京都府建築工業協同組合等)、学(早稲田大学等)、官(京都市等)が連携を取りながら、京町家の意匠の保存・復原と火災に対する安全性の両立が可能となる「木製防火雨戸」の研究開発を行い、その結果、令和3年4月に、法施行令第137条の10第四号に基づく20分間防火設備として、国土交通省大臣の認定(以下「大臣認定」といいます。)を取得しました。


実大燃焼実験の様子

概要

 木製防火雨戸は、雨戸の鏡板に厚さ30mm の木材を用いた防火設備であり、建物の躯体に取り付く「枠」と、「枠」の中に納まる「戸」により構成されます。三本溝による3連の雨戸と、二本溝による2連の雨戸が設計可能です。

 また、火炎が貫通しやすい枠と戸の取り合い部には、加熱発泡材や金属製の補強材を設けることで、20分間の遮炎性を確保しています。

 その他にも、大臣認定の仕様には、使用する木材について、厚さや納まり、防火性能に関わる加工寸法等が細かく定められています。

木製防火雨戸の主な諸条件
認定仕様二本溝2連雨戸三本溝3連雨戸
枠の外形寸法高さ2000mm以下 × 幅2074mm以下高さ2000mm以下 × 幅3030mm以下
戸の寸法高さ1863mm以下 × 幅1016mm以下 × 厚さ36mm以上
樹種どんな樹種でもOK (ただし、木材密度0.3g/cm3以上)
節があってもOK (ただし、抜け節・節の欠けがある場合、木工用パテで隙間なく補修が必要)

特徴

見た目の良さ 

 「木製防火雨戸」は、外壁開口部の防火性能を向上させるものですが、その名のとおり、枠も戸も木製ですので、京町家等の歴史的建築物の趣ある雰囲気を損なうことはありません。

防火性能

  「雨戸」という名称ですが、「もらい火を防ぎ、建物を守る」ことを目的に開発したものです。隣家等の火災の際は雨戸を閉めることで、建物を延焼から守ることができます。

 また、木は水分を含むことから、熱を伝えにくい特徴があり、厚みがあれば燃えている間でも、戸の反対側は手で触れられるほどしか温度が上がりません。

抜群の操作性

 戸1枚につき1本の専用溝(レール)を付けることで、火災の際に素早く、また、お子様でも簡単に雨戸を閉めることができます。

建築基準法上の位置付け

法施行令第137条の10第四号の規定に基づく「20分間防火設備」

(法施行令第109条に規定する防火設備であって、これに建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)に火炎を出さないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとなります。)

木製防火雨戸を使用可能な建築物

・ 準防火地域内にある建築物のうち階数2以下で、延べ面積が500㎡以下のもの

・ 防火地域内にある延べ面積が50㎡以内の平家建ての附属建築物 など


※ 木製防火雨戸の内側には、木製建具などの防火性能のない窓も設置可能です。

※ 京町家などの木造建築物のみならず、鉄骨造、鉄筋コンクリート造においても、また、新築、増築に関わらず使用可能です。

木製防火雨戸の活用方法と製作者リスト

 「木製防火雨戸」の製作は、木製防火雨戸の製作に係る講習会を受講し、本市から製作等の許諾を受け、製作者リストに登録されている方に限ります。

 木製防火雨戸の活用を検討している場合は、まずは事務局である京都府建築工業協同組合(電話番号:075-802-1281)までご連絡ください。

製作者リスト(木製防火雨戸製作者 登録簿)

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木製防火雨戸の設置に至るまで

 「木製防火雨戸」は、すべてオーダーメイド(受注生産)となります。木製防火雨戸設置の可否、製作に係る費用や期間等については、製作者との打合せ後の決定となりますので、予めご了承ください。


木製防火雨戸の設置に至るまでのフロー図

※1 木製防火雨戸の主な諸条件や使用可能箇所等をご確認のうえ、希望する製作者又は京都府建築工業協同組合にご連絡ください。

※2 設置箇所の確認・打合せ方法等について、担当する製作者とご相談ください。

※3 代金の支払の時期・方法等について、担当する製作者とご相談ください。

木製防火雨戸の設計ガイドブック及びチラシについて

木製防火雨戸の設計ガイドブック

 京町家の既存の木製建具を活かした防火改修や、京町家の意匠に調和した新築・増築の際に「木製防火雨戸」を広く活用いただけるよう、その概要や設計に取り込むためのポイントなどをまとめた「木製防火雨戸の設計ガイドブック」を発行しています。建築指導課の窓口にて配布もしておりますので、「木製防火雨戸」を活用される場合は、大臣認定仕様から外れることのないようガイドブックをご確認ください。

木製防火雨戸の設計ガイドブック

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木製防火雨戸のチラシ

 「木製防火雨戸」の概要についてわかりやすく記載したチラシを発行しています。建築指導課の窓口にて配布もしておりますので、まずは「木製防火雨戸」の概要を知りたいという方は、参考にご確認ください。

木製防火雨戸の製作・施工チェックシートについて

 このチェックシートは、木製防火雨戸の製作に当たり、大臣認定の仕様どおりに製作・施工が行われているか製作者自身でご確認いただくために、大臣認定書の別添に記載された仕様等をチェック用にまとめたものです。「木製防火雨戸」を設計に取り込む場合などにも、必要に応じてご活用ください。


製作・施工チェックシート(三本溝用)
(画像をクリックするとPDFファイルが開きます。)


製作・施工チェックシート(二本溝用)
(画像をクリックするとPDFファイルが開きます。)

製作者の皆様

・ 木製防火雨戸の製作途中や完成時に、大臣認定の仕様どおりに製作・施工が行われているかご自身でチェックしてください。
・ カメラマークのある項目は完成時に見えず、仕様が確認できない部分のため、製作中に記録写真を撮っておいてください。
・ 製作・施工が完了したら、このチェックシート、製作中記録写真、完成写真を事務局へ提出し、完了報告を行ってください。
・ 建築確認の完了検査を受ける際には、チェックシートや製作中記録写真を用意し、仕様が確認できるようにしてください。

確認申請の検査員及び工事管理者の皆様

 完了検査時に木製防火雨戸の仕様を確認する際、このチェックシートを活用いただき、認定仕様に適合していることをご確認ください。なお、防火性能を確保するうえで特に重要な内容については、チェック内容を赤字にしています。

木製防火雨戸の維持管理について

木製防火雨戸を設置した建築主の皆様

 「木製防火雨戸」は常に使用することで、不具合など簡単に点検することができます。日頃から雨戸を使用するとともに、下のチェックシートを用いて点検することで、雨戸の性能を維持し続けるようにしましょう。

 また、「木製防火雨戸」は、「雨戸」という名称ですが、「隣近所で火災があった時に、もらい火を防ぎ、建物を守る」ことを目的として開発したものです。大雨や台風の時の雨戸として、留守にする際の防犯対策としてはもちろん、万が一隣近所で火事があったときにも、雨戸を使いましょう。

常日頃(定期的に)や、台風や地震の後に、確認してみましょう。

・ 戸はスムーズに開閉できますか、戸を動かす時に変な音がしませんか。

・ レール部分にゴミが溜まっていませんか。

・ 木が痩せたり割れたりして隙間は空いていませんか。

・ 鍵は上手く締められますか。

・ 加熱発泡材や気密材(黒いテープ状のもの)は剥がれていませんか。

こんなときは、当初の施工業者に連絡しましょう。

・ 戸がスムーズに開閉できない、戸を動かす時に変な音がする。

・ 戸の木が割れて、隙間が空いてきた。

・ 鍵が上手く締まらない。

・ 加熱発泡材や気密材が剥がれてきた。

いざという時(火災)は・・・

・ 隣近所で火事があった時は、可能な限り、雨戸を閉めてから避難しましょう。

 (身の危険を感じるときは、当然、身の安全確保が第一です。)

・ 雨戸を閉めるときは、鍵もすべて施錠することで、本来の防火性能を発揮します。


木製防火雨戸の維持管理チェックシート
(画像をクリックするとPDFファイルが開きます。)

要綱・申請様式等

木製防火雨戸の製作等の許諾に関する要綱

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木製防火雨戸に関するQA

木製防火雨戸に関するQA

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(参考)広報発表・お知らせ

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お問い合わせ先

京都市 都市計画局建築指導部建築指導課

電話:075-222-3620 【受付時間】午前8時45分~11時30分、午後1時~3時 (事業者のみなさまからのお問い合わせは受付時間内でのご協力をお願いします。)

ファックス:075-212-3657

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