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京都市市民参加推進フォーラム第34回会議

ページ番号138110

2012年1月6日

案件名

京都市市民参加推進フォーラム第34回会議

開催日時

平成24年1月13日(金曜日)17時00分~19時00分

開催場所

ウィングス京都 セミナー室B
住所 京都市中京区東洞院通六角下ル御射山町262
電話 212-7490
    地下鉄「四条駅」又は「烏丸御池駅」から徒歩10分

議題

1 「市民参加推進の手引き(仮称)作成部会」と「協力・連携の在り方検討部会」の今後の進め方について
2 その他

公開・非公開の別

公開

議事内容

【出席者】京都市市民参加推進フォーラム委員9名
     (岡野委員,小林委員,芝原委員,谷口副座長,土山座長,永橋委員,西田委員,
松本委員,森本委員)

【傍聴者】6名
【特記事項】動画共有サイトUstream(ユーストリーム)による会議のインターネット中継を実施

【会議次第】
1 開会

2 座長挨拶
<土山座長>
 ますます困難な時代ではあるが,そう言うのではなく,様々な形の変革の必要性,しかもそれをポジティブに変えていくことの必要性をたくさんの人が共有している年だと表現したい。
より良いまちを作っていくには,市民と行政がどう関係を築き,何をしていけるか考えなくてはいけない。市民が様々な活動や変化を起こし,同時にポテンシャルを上げていくには,市民と行政がどういった関係を持つべきなのか,また,行政もポテンシャルをいかしていくためには,どのよう変わっていかなければならないのか,ということを議論し形にしていくことが私達のミッションだと思っている。
 新しくパワフルなメンバーにも参加いただいたので,どんどん議論を深めて頂きたい。私も,皆さんの力をお借りしながら,活発な議論ができる場づくりを楽しみながら創っていきたいと思うので,よろしくお願いする。

3 議題
(1)職員のための市民参加推進の手引き(仮称)の作成の進め方
<土山座長>
 それでは議事に入る。今年度,市民参加推進フォーラムでは,「職員のための市民参加推進の手引き(仮称)部会」「協力・連携の在り方検討部会」の2つの部会で議論を進めている。
まず,「職員のための市民参加推進の手引き(仮称)部会」について,永橋部会長から説明頂き,皆さんで共有したいと思う。では,永橋部会長にお願いする。


<永橋部会長>
 資料4から資料5までが,当部会の資料となる。今から約1時間程度お時間を頂きたい。
まず資料の4を御覧頂きたい。
 まず1つ目,当部会では,平成15年発行の職員が市民参加を進めていくための手引書「市民参加ガイドライン」を改訂することをミッションとしている。改訂に当たっては,市民参加推進フォーラムのメンバーだけでなく,利用者である行政職員も改訂のプロセスに関わって頂こうと,職員を対象に2回のワークショップを開催した。
 本日は,そのワークショップで何が分かったのか,を共有したい。情報が多いので,ゆっくり20分ほど掛けて,皆さんと内容の理解を深めたいと思う。
ワークショップを実施して分かったことがあったので,現行の「市民参加ガイドライン」のパワーアップすべきところについても検討を始めている。それを共有した後,今後の改定作業の進め方について一緒に考えていきたいと思う。
 職員ワークショップは,2回に分けて実施した。参加者は,1日目が25名,2日目が20名。各局区等から市民参加を担当している職員と,財政や税金等の業務に従事しており,あまり市民参加と関係のない職員にも参加してもらった。参加者の年齢層は,若手・中堅がほとんどだった。
京都市は1万5千人も職員がいるので,初めての人同士が多く,異業種交流会のようであった。お互いに自己紹介をしてもらい,市民参加にどのようなイメージを持っているのか意見交換させてもらった。
 裏面の(1)には,浮き彫りとなった課題をコンパクトにまとめている。浮き彫りになったのは,「市民参加とはなにか」について職員によって様々な捉え方があるということだった。職員は,市民参加の必要性について理解しているが,なぜ必要なのかについては,様々な意見があった。例えば,窓口業務で苦情を受ける。あるいは生活保護の相談が市民参加といえるのかどうかといった意見があった。
 市民参加のイメージをワークショップ実施前と実施後に記載してもらった。もちろん職歴や在職年数によって違うのだが,ワークショップの実施前と後で,大きな変化があったのが,交通局の職員だった。交通行政にとって,市民はオーナーであり,お客様なので,対等パートナーは在り得ないと考えられた。それが,同じテーブルにいた建設局の職員が,「市民が税金を払っていることで市職員は,面白い経験をさせてもらっている。その中で市民とのやり取りを充実させると言うことは,結果として,仕事のやりがいにもつながる。」と発言されたことで,交通局の職員が,納得された経過がある。
 例えば,バス停は近隣の住民にとっては迷惑施設であるが,バス停をもっと心地良いものにしようと,近隣の住民と一緒に検討することは十分可能なのではないかと思う。本当に居心地の良い交通機関とは,どういったものだろうかという意見を聞くことも参加だと思う。市民の定義は,観光客含めて京都を愛する全ての人を市民と捉えても良いのではないか。そんな発想が広がっていき,変化が見てとれた。とてもうれしい変化である。
 ワークショップを実施してみて,職員がどのように市民参加に取り組めばいいのかという悩みを赤裸々に語ってくれた。このときの職員の悩みは6つに集約できると思う。どのような手引書になるかは,私たちがきちんと理解すること重要だと改めて思う。
では,(2)の6つの悩みを順番に見ていきたい。
 1番目の「市民は市民参加を求めていないのではないかと思うことがある」と2番目の「行政指導で行わなければ進まないものもあり,それはそれでよいのではないか」。これは,具体的には,大規模なイベントは,行政側がお膳立てをしないと,なかなか進まない。だから,市民は主体的に動きたいとほんとうに思っているのかという疑問が提示されたものである。そう思うことを非難するのではなく,職員がどうすれば気持ちを楽にして考えられるかを,私達から投げ掛けを行っていかなければならない。
 3番目の「市民参加はどの程度まで必要なのか,どの範囲を対象にするべきなのか,情報提供もどの程度必要なのかについて分からない,又は自信がない。」は,全市民に情報発信することはまず不可能である。では,どこまですべきか。費用対効果が分かりにくい。あるいは,参加の範囲についても,様々な事業を実施するに当たって,どこまで呼び掛けたら良いのか。本当に市民参加をできているといえるのか自信が持てないということがあった。
 私の職場でも予算上の制約もあって,広報するか対象を絞るかで意見が分かれる。これについて,ワークショップの両日とも参加いただいた松本委員,森本委員は気付いた点,気になった点はあるか。

<松本委員>
 様々な分野を担当している職員が参加していた。市民参加の業務に直接携わっていないので市民参加が実感として分からない職員もおられたが,どの職員にも共通していたのは市民を大事にしようと思う意識が高いと感じられたこと。非常にありがたいと思った。
手引書作成に当たっては,言葉の使い方,どのように協議していくかが課題だと思う。

<森本委員>
 すごく真剣に意見交換をされており,市民参加をしたい職員が多いことが分かった。ただ,市民参加をどのようにやっていけばいいのかについて迷いがあるから,そのような点を詰めなければならない。

<永橋部会長>
 5番や6番は,予算や時間的制限のある中で市民参加に取り組むギャップの問題については,職員ワークショップを実施する前から事務局の北川課長が主張していたことである。
補足説明をお願いしたい。

<事務局>
 以前から市民参加に取り組みながら実施する事業には,予算と時間上の縛りがある。予算は議会で議決し,決算日まで決まっている。スケジュールの制約と,丁寧にすることとのバランスを取るのが難しい。一定期間内に,事業を達成し,成果を出さなければならないという中で,どうやって関わっている多くの人たちの納得を得られるものができるのかということを悩んでいる。

<永橋部会長>
 職員ワークショップで出た意見をいくつか紹介して,皆さんからも意見をいただきたいと思う。
 「市民参加の満足度をどの様に把握するのか,どの程度満足を得られているのか分からない。」,「市民が満足されているか実際には分からない。」,「時間の制約とのバランスが難しい。」,「本当に盛り上がっているのか判断基準が分からない。聞かないと分からない。」と言った意見があった。
 「市民は本当に市民参加を望んでいるのか。」と発言した職員が,一方で「やり遂げたあとのお疲れ様会などで市民の人たちに大変だったけどよくやったといわれることに満足感を感じる。」と発言している。とても素敵なことだと思う。
 ワークショップで意見を聴く中で,職員が様々な悩みを抱えていることが改めて分かったので,これにきちんと対応する「市民参加推進の手引き」を作らないといけないと思った。

<土山座長>
 現在の「ガイドライン」の「15のチェックポイント」は,元々15年前に市職員20名で構成する「市民参加検討プロジェクトチーム」が作ったものである。ワークショップでは,このチェックポイントに意見を頂いた。
 資料4の前から2枚がワークショップの内容を取りまとめたものである。委員の皆さんからは,ワークショップでやりとりされた議論や発言で,この発言は良かった,この発言はどのような文脈で発言されたものかなど,聞いていただければ,お答えできると思う。また,その疑問を共有することで,私たちもどのように説明すればいいか分かると思う。委員でも傍聴の方でも,ご意見があれば頂きたい。

<永橋部会長>
 職員ワークショップを実施した後で気が付いたのだが,「15のチェックポイント」は,公園づくりを実施するときの手順であることが分かった。だから,市民参加全般に当てはめようとしても,なかなかイメージが湧きにくい。

<土山座長>
 全体の雰囲気として,市民参加が必要だということは認識しているが,何をすれば市民参加と言えるのか,どの状態を市民参加というのか,参加した人に満足してもらうにはどうすればいいのかといった真摯なお悩みを寄せて頂いた。

<傍聴者>
 チェックポイントの5番「参加の方法をいろいろ検討していますか。」について,意見したい。新聞に掲載された福祉系イベントに応募しようと,担当者に問い合わせたところ,福祉関係や医療関係などの専門職は除外しているとして断られたことがあった。新聞では文字数が決まっているため書いてなかったようだ。参加できる対象を限定する集め方はおかしいのではないかと思う。
一般参加者と専門職の人が意見交換できる場を設けるとか,時間の工夫もできるように思う。

<土山座長>
 頂いた意見を確認するが,内容を整理すると,1つ目は,紙面上の制約がある中で,実施主体側で必要なことをどこまで伝えなければならないのか。2つ目は,その基準が合理的なものであるか。3つ目は,工夫次第で,多様な人が集まって意見やアイデアを持ち寄れることができるのではないかということだった。

<永橋部会長>
 貴重な意見ありがとうございます。頂いた意見は,「市民参加ガイドライン」の5ページ「参加対象の設計」にも記載している。工夫次第で様々な創造的なことができるのに,年齢等を理由に阻害するのはもったいない。
 どうしても対象を限らないといけないときは,市民に説明して,納得してもらわなければいけないということも手引書にきっちり盛り込んでいきたいと思う。

<傍聴者>
 審議会の運営で傍聴者に意見を求めてくれるのは非常に良いと思う。
 市役所内の部署によって市民参加に対する意識のギャップを感じている。どのように広げればいいか考えている。
 一点確認させていただきたい。ワークショップに職員は自発的に参加しているのか,または指名制にしたのか教えていただきたい。


<事務局>
 年齢や役職の制限は設けなかった。各局区から日ごろ市民参加に関わる仕事をやっている職員と,そうでない職員を各一名選出してもらった結果,比較的若い職員が多くなった。

<永橋部会長>
 その他にも,お気づきになったこと,疑問に思ったことがあれば御意見ください。
 資料5は,座長,副座長,事務局と私で事前に整理したものである。これは,現段階で思い付いたことをまとめただけのものであるので,これを敲き台として,この場で議論したい。また,今日だけでは決まらないと思うので,別途部会で集中的に議論をしようと思う。
 (1つ目の点)何を市民参加というのか。様々なケースがあるので,一つの答えを出すのは難しいが,現ガイドラインの1ページから3ページでも的を射た理念が記載されている。しかし,ワークショップの結果を見ると,何をもって市民参加といえるのかについて具体的なものを含めて提示する必要性と感じている。
 (4つ目の点)「「日常の仕事から考える市民参加」に窓口業務などの微妙なところも記載されているが,参加の形態やツールをプロットした散布図を掲載してはどうか」いうのは,現ガイドライン3ページに掲載している窓口業務の部分である。この発想がなかなか共有しにくい。具体的に,他の市民参加と比べて,どういう位置付けにあるのかをしっかり分かるようにしなくてはいけないという議論になった。
 (5つ目の点)プロセス別の整理について事務局にご説明いただきたい。

<事務局>
 自分の仕事と市民参加がどのような関係にあるのかについて,頭の整理ができている職員と,できていない職員がいる。職員の中には,自分の仕事は市民参加に関係ないと言う者もいるが,そうではないはずである。自分の仕事と市民参加がどう関わっているのかをイメージできるよう,職員にも見える化したほうがいいのではないかというものである。

<永橋部会長>
 とても大事なことだ。自分のやっている仕事と市民参加がどう関わっているのかを見えるようにはどうすればいいのかを検討するに当たって,札幌市を参考にしてマトリックスを作成した。札幌市は職員用の市民参加のガイドラインを作っており,目的ごとに市民参加の手法が分かる見取図を作っている。
 市職員の仕事が市民との貴重なやりとりの場であることを見えるようにしたい。その案としてその前のページの資料を作成した。これは,谷口副座長のアイデアで「インクルーシブデザイン」の考え方を利用しようとしたものである。谷口副座長,説明をお願いしたい。

<谷口副座長>
 京都大学の博物館に研究成果の発表会を見学しに行った際,とても良い言葉に出会った。
 「人々の参加による社会の革新を目指す。」より良い社会を作っていくためにどんな方法で作っていけばいいのだろう。「じゃあ,みんなでつくろう。参加でつくろう。」という方向性を提示されていた。みんなで創るためには,一部の専門家だけでなく,みんなが分かる言葉,みんなで議論できる場所を作らないといけない。この考え方が,インクルーシブデザインの概念である。
この概念は,我々がやっている市民参加で,使えるのではないかと思った。そのうちの一つが,「分かりやすい言葉で伝えよう」ということである。そして,よりよい社会を作っていくには,行政も市民も一緒になって物事を考えるという参加の手法が,有効なのではないか。明確に分かりやすく打ち出すことが大事だと思う。

<永橋部会長>
 谷口副座長からは,例えばガイドラインの副題の言葉をもっと積極的でインパクトがある分かりやすい言葉にしてはどうかと言った提案もいただいている。
 私がインスピレーションを受けたのは,市民と行政の方のやり取りの場面を,もっと分かりやすく言うことである。それを形にして提案したいのが,この「市民参加の手法と機能」というマトリクス図である。
 例えば「集める」という機能でいうとフォーラムやシンポジウムや審議会といった手法が考えられる。「広げる」であれば,フォーラム,シンポジウムという手法が使えるということが分かるように該当するところに丸を付けるようにすれば,分かりやすくなるのではないかと思う。札幌市と谷口先生のアイデアを組み合わせて,京都市における市民参加の場面というものをこのマトリクス図で一覧表にできるのではないかと思う。
 そうすると,苦情対応も,市民の方がどう思っているのかを聞く場面であるから,窓口対応も「集める」という市民参加の大事な場面になる。多様な市民参加の場面において,市民と行政とのやりとりがあることを示せる。
 これを中核に置けば,何が市民参加なのか,様々な場面で市民参加の機会があることを示せる。フォーラムやシンポジウムや審議会等では,どのような工夫ができるか,工夫することでもっと市民と行政との創造的なやり取りができるはずだと考えている。そうすれば,ガイドラインがもう少し使いやすくなるのではないかと思う。
 今までのところで何か意見や質問はあるか。

<松本委員>
 ワークショップに出席していた職員に感想を聞いたところ「とても楽しかった」と言っていた。「この職場はこういうことをしている」という理解も少しできたことで,市役所との距離が縮まった。情報提供である「集める」ということにも含まれるのだが,情報共有の場がなかったのではないかと思う。場の提供,情報の提供,この共有の場所をこれからも作っていくべきだと感じた。「広げる」には「拡げる」も入ると思う。

<土山座長>
 マトリクス自体は職員や現場の方への可視化の提案だが,市民から見ても,「これはこれに当てはまるな」というヒントがあれば良いと思う。

<小林委員>
 参加者は,熱心な方とそうでない方の2通りであった。それが市民参加に対して熱心である部局には熱心でない職員となると思う。それではいけないので,こういった職員研修を続けていく必要がある。そして,職員が市民参加に取り組むインセンティブとして,人事考課に反映されるようにすれば,意欲に大きな違いが出てくると思う。やればやるほど泥沼にはまるイメージではなく,積極的にやればやるほど楽しくなっていくという雰囲気を作っていきたい。

<永橋部会長>
 市民とやりとりすることは,相発的でクリエイティブであるということを手引書の中で取り入れたいと思う。
 西田委員からも意見をいただきたい。

<西田部会長>
 報告を聞いて一つ感じたのは,市民参加が必要だと言われているが,なぜしなければならないか。
ここでいう市民参加は市政参加なのか。まちづくりにおいて,行政が何を担い。市民活動団体と手を結ぶときの市民の関わり方はどうしたらいいのか。行政の仕事は何かということを整理したうえで,手法と機能をもう少し具体的にパターン作りをしたほうがいい。
 職員自身が手引きを読むことで,次はどの様なスキルを身につけるべきか見えると面白い。「なぜ」ということが分かりやすければよい。
 両方の意味で参加が必要でないと考える人に「このままじゃだめなんだ」と意識を持ってもらえると非常に良いものができると思った。

<永橋部会長>
 重要なことが3つあった。市民参加がなぜ必要かについて,理解しやすい表現にすること。技術や心構え等をしっかり示すこと。スキルを身に付けることで良い場を作れることについて御意見を頂いた。

<谷口副座長>
 西田委員の意見で気が付いたのだが,ここに出ている表は,どちらかというと行政が主体になっている。
 今回は,市政参加の手引きであるが,次の段階では,市民が主体の活動を行政がどのように支援するかのガイドラインを作って欲しい。

<永橋部会長>
 今回の市政参加の手引書も,次回の市民が主体のまちづくりにどう行政が関っていくかの作法も共通するところがあると思う。そこはそこでしっかりと言及するとしっかりとしたつながりが出てくるので大事にしたい。

<傍聴者>
 「集める」というところで,市民は何か自分にとって不都合な事があったときに行政に対して意見を言う。うまいこといくと気付かないままとなる。泥沼にはまっていくと「市民の声なんて聞きたくない」となる。現局主義で,元の局に戻され,そこだけで処理されるか,もしくは処理されず放置される。集めたものを次のステップとして横に伝え,一緒に中で解決していくというプロセスが,さきほどのスキルをくぐれないと,「聞いた人が損」と思うと進まない。次のステップにいけないと思う。

<永橋部会長>
 大事な御指摘ありとうございます。ワークショップの中でもその話は出ていた。上司や同僚などと,庁内で話せる関係を作る大事さ。そういう対策を取ることが市民とより良くつきあうことでもあることを書いておきたい。
 今日は時間になったが,「こんなこといれたらいいよ」といったアイデアを集めたい。別途部会の時間を設けて理念や,具体的な場面について詰めて議論したい。

<事務局>
 議論されたことを整理すると,見える化がキーワードなのではないか。仕事と市民参加がどういう関係があるのか。そもそもどうして市民参加が必要なのか。具体的にどうやって取り組むと良いのか。市民参加を必要ではないと思っている職員はいないが,自分とは関係がない,どう取り組めばいいか分からないと思っている職員が多かった。それぞれの関係や手法を「見える化」していこうということだったかと思う。
 このあたりに気をつけながら変えていきましょうねという部分が,赤い星マークのところに書いてある。
 そういった状況を支える方法として,研修やインセンティブとかの,制度的なこと,あるいは一人で悩まない体制の言及が必要である。以上が,本日の議論で見えてきたと思う。
それでは,次の議題に移りたいと思う。

(2)協力・連携の在り方の検討の進め方
<西田部会長>
 このフォーラムが始まる前に,協力・連携の在り方の検討部会を開催したので,その報告と,今後の進め方等についての御意見をいただければと思っている。
 当部会では,成果物を作るとか,何か企画することは目的としていない。計画に掲載したが具体的な方策や方向性について議論を深めるために設置したものである。フォーラムの中で成果をフィードバックしながら今後の進め方をより幅広く,多様な価値観を含ませつつ進めていきたい。
 資料6に,9月15日に開催した第2回部会の内容をまとめている。私たちは,市民参加や協働という言葉を聞いて意味をすぐに理解できるが,実際の京都市政やまちづくりの中での市民参加や協働という言葉を考えたときには,国語の辞書以外の意味がある。概念や考え方,考えに至るまでの歴史といったところをもう少し私たち自身が学ばないといけないのではないかということで,龍谷大学政策学部の富野先生をお招きして,協働や連携,市民参加について講義いただき,その後そこに関する質問やディスカッションを行った。
富野先生の詳しい話はユーストリームに動画を保存している。見た方の何人かに感想を聞いたところ「面白かった」という意見が多かった。まだ視聴されていない方は,是非とも御覧いただきたい。
1点目に,大きな話の流れとしては,市民参加や協働が言われるようになった背景の整理。2点目に世界ではどのように市民参加が取り組まれているか。3点目に,類型化して議論を進めること。市民参加と協働にはどのような形態があるのかを整理したもので,例示を含めながら話して頂く内容となっている。
 背景整理の中身は時間が有るときに参照願いたい。ここでは団体自治,住民自治についての説明があった。
 それらの話を踏まえて,おおきな2つのポイントがあるとおっしゃられている。
 1点目は,大きな権力を集めて行政が市民の幸福を保証すること。2点目は,市民が汗をかかなくなり,幸福を感じられなくなり,精神的にも不安定になっていること。これらについて,市民の生活社会のあり方,仕組みについて話を頂いた。
 世界の潮流として,イギリスのサッチャー政権からブレア政権までを紹介していただいた。市民がまちのことに関わっていく仕掛けと,国がどう市民を支援するか。「コンパクト」という言葉が出てくるが,これは約束をきちんと結んでいこうというものである。市民活動の財政基盤をどう支援していくかを検討することが重要なのではないかというお話を頂いた。
 3ページにあるように,協働カテゴリーのパターンを紹介して頂いた。
 1つ目は,セクターによるカテゴリーとして,持続可能な社会の形成のため,主体間連携やセクター内連携
 4ページには,2者間,多者間,ネットワーク型という連携の形を説明いただいた。2者間の代表的事例として,消防団と消防の関係がある。多者間連携は,様々な人が関わる連携の形である。そして,ネットワーク型として,富野教授が逗子市長だった頃に取り組まれた配食サービスの事例が紹介された。
 3番目は制度化によるカテゴリーである。実際にするには多くの仕掛けが必要である。対等に取り組もうとすることは非常に重要である。対等にするための力関係やそれぞれの問題点をどう見ていくかを記載している。特に印象的なところとして「PDCA」サイクルの中にどのように協働が関わるのか,というお話があった。
 最後に,協働の仕組みと,仕組みづくりと展開。実際,パートナーシップやっていく際,ちゃんと対等になるためには,どういうことが必要かという話を頂いて,参加者同士で意見交換をした。
参加や協働の国語的な意味だけではない,その言葉の持つ可能性等や,どういうことをしなければならないかの方向性について,皆様から様々な質問をいただいた。
参加した委員から意見をいただきたいと思う。

<松本委員>
 人と人はつながりがないと生きていけない。市民と手をつないで取り組むこと,仕掛け作りが必要であることが分かった。やはりそれには意識を持って制度化することが必要だということを学んだ。

<森本委員>
 先生の話はすごく分かりやすかった。特にパートナーシップについては,「すごく簡単にできそうなのにできない。それが今の時代なんですよ」という話を聞いて,「ああ,そうなんだ」と思った。

<谷口副座長>
 連携の形態の話が分かりやすかった。大きく分けると,2者間と多者間という形態があり,このフォーラムで考えてきたのは,どちらかというと2者間だった。そして2者の片方がいつも行政であるという印象がある。これからはもしかしたら,ネットワーク型の主体に行政が入っていないかもしれないということも含めて,市民の皆さんと,どうしたらよりよい社会が創っていけるかを考えていくことが大事だと思う。多様な主体で作っていることが見えてくると,一方的に要望して終わりとか,要望来るから塞いでおくとか,そんなことではない次のステップにいけるのではないかという印象を持ち,とても良い勉強をさせて頂いた。是非皆さんもユーストリームで動画を見て頂きたい。

<小林委員>
 「協力・連携」というと,ざっくりしすぎて分かりにくかったが,先生は具体的にこういう連携があるとか,世界の動きはこうなっているとかを例示して頂いたので,分かりやすかった。

<事務局>
 大学の先生の講義は,久々に聴いたが,世界の情勢まで含め,理論だけではなく実践と結びついており,大変すっきりした気持ちで帰った記憶がある。
 協力・連携の在り方というのは,来年度から京都市にNPO法人の認定・認証事務が移管され,NPOとの付き合い方を考え,前進していかねばならない課題である。これまで少し離れた存在だったものを,行政として施策として進めていく。そういう面ではもう一度,改めて,協力連携協働,言葉の奥にある意味を再度認識する必要があるかなと思っている。

<事務局>
 イギリスの市民参加政策に非常に感銘を受けて自身でも勉強したことを,久しぶりに聞かせていただき,様々な記憶が甦ってきた。行政が市民と向き合うときに,行政はサービスマンではない。行政はあくまで権力を持っているのだから,権力があるからこそしっかり市民の話を聞いて,どうしていくかを政策にしていかねばならない。「権力があるから自分達でやったらいい」のではない,ということが印象に残っている。
 我々行政マンとしては身の引き締まる思いがした。そういったことを考えながら仕事をやっていかなければならないと自覚をした。

<西田部会長>
 当部会については,議論の整理をしたうえでいろいろ報告等共有させていただきながら,お互い話した事の理解を深めていきたい。
 今後の進め方としては,行政だけではない多様な主体がまちの問題を考えていくことが,ある程度の計画に落としていく流れになっていくと思う。必要である事を共有していきつつ,進めていきたいと考えるのが一つ。もうひとつはNPO法人に関する認証や認定の事務,非営利組織をどう,参加や協働というかたちに落としていく事が必要なのかを考えていかねばならないと思っている。
 それと,そのためのまずやらねばならないと思っているのは,現在の京都市の参加の取組が,どのような役割を果たしてきて,どのような効果がうまれてきたのか。また,実施中ででてきた課題を,来月の振り返りの際に,部会としても今後の方向性とこれまでの取組のところで,いいところはいい,そうでなくて今後と照らしたときにどうかというところを,どのような形があるかということを,全2回の振り返りや学びの中から可能性を見出していきたい。実際の市民参加の計画と照らし合わせながら模索し進めていければと思っている。
 進め方や議題の提案にも,意見を頂きたい。

<松本委員>
 話を戻すようで申し訳ないが,行政の権力について。税金を払うのは市民の権力だと思う。ガイドラインを含め市民の利益になるかどうかも踏まえて,平等に良い汗をかいていこうというのが,一つの方向であるように私は考えます。

<土山座長>
 行政はサービスマンではない。皆さん真剣にそう思っているけれども,実はとても大きな権力を持っているのだから,その行使をどのように制御するのかということが,一つの市民参加の動きである。たくさん出てきましたが,他の方からは感想等ありませんか。

<岡野委員>
 先ほどから議論を聞いていて,非常に分かりにくく,難しいと思った。今の話を聞いて一つ感じたのは,市民参加や協働とは明確な目的や一つの大きな目標があって初めてできることだと思った。発想の広がりにおいても,一人では分からないことも,多くの方の意見から新たな発想が生まれてくる。もし,協働というところで「筋が違う」となれば,民間企業に研修に行くなど,議論の中から様々な方法も生まれてくると思うので,大切なことであると感じた。

<芝原委員>
 ワークショップの話も含めて感じているのが,京都市職員の仕事の一部で市民参加を捉えるのではなく,「市民と一緒に取り組む」という働き方の発想が必要だと感じた。同時に,市民側も,意識を向上させることが必要だと思う。この両者の動き方を基礎としたうえで,一緒に取り組むのが市民参加,協働・連携なのではないか。それぞれの人達がどう動いていくのかまで発想していかないといけない。ファシリテーションスキルだけ身につけた市民参加では違うのではないかと思う。

<土山座長>
 これまでの議論を整理すると,そもそもの目標や目的が大切である。自分が考えていることが,他の人と一緒なのか分からないことがあると思う。もちろん単純な一つの解答はないと思うが,そもそもの目的は何なのか,どうやったら実現が可能か,その中での職員の働き方や市民のありようについてどのような関係性を目指していくものなのかを,私達の中で基盤を固めて,議論しながら目的を共有していきたい。
 正解がないのだから,市政やまちの課題について考える機会を継続的に積み重ねていく必要性がある。議論する中で,目的自体が変わっていくことだってあり得ると思う。まさに,「協力・連携の在り方検討部会」の目標はそこにあると思う。
 先ほどの100人委員会の事例も参加の意義等を検証するのに参考になると思う。フォーラムでは,100人委員会とダイレクトには関わってこなかったが,市民参加の在り方を考えるうえですごく重要な取り組みだと思う。そのあたりのことを共有したり,NPOの認定・認証がどのように京都の市民活動に効果があるべきなのかということを議論したり,地域や市民のあり方を考えていくことを糧にして,本質的な部分を共有していくことが必要だと思う。

<西田部会長>
 難しく考えるより,一緒に共有しながら,本質的なところをどう見ていくのか。駄目なことを直すより,良いところを作っていくことが大事である。ここに参加されている方と,そうでない市民の方との温度差を,どのように近づけていけるのかの具体策は,すぐにはできないと思う。そのためには,何をどのように努力すべきなのかを議論できればと思う。

<谷口副座長>
 働き方や生き方を考えるうえで,100人委員会の事例はいいと思う。様々な人が関わっている。働き方や生き方を考えながら,京都で考えて実践された委員会だと思う。京都の実践を現場に近付いて分かること,学べることが,多くあると思うが,小林委員はどう思うか。

<小林委員>
 100人委員会には,本当に多様な人がいて,多様な意見を持つ人がいるが,それは世の中自体がそうだと思う。自分達が,正しいか正しくないかをどのように決めていくのか,自分達の意見を言い合う場をつくっていくことが,この難しい時代を進めていくうえで,時間は掛かるが必要なことだと感じた。


(3)市民公募委員サロンの開催
<土山座長>
 次の議題に移る。
 市民公募委員サロンの検討について,事務局から御説明いただいたいと思う。

<事務局>
 資料7に「第1回市民公募サロン」の結果をまとめている。今回は,それぞれの事務局を担当している職員にも参加を呼び掛けたが,開催日が定時退庁日に当たっていたこともあり,出席者はいなかった。市民公募委員の参加者は22名。11審議会の方々に来て頂いた。
募集方法は,公募委員サロンに登録して頂いている方にメールや郵送で案内すると同時に,それぞれの審議会の所管課から案内を送付した。
 当日は,冒頭に永橋部会長から手引書の作成についての議論を御紹介いただいた。その後,グループワークを行った。グループワークは,成果を目的としたものではなく,皆が思っていることをワールドカフェで自由に語り合った。そして,最後に,どのような話があったかということを紹介して皆で共有した。
 今回は,気楽に「サロン」に参加してもらえるよう,参加者に若干の実費負担をして頂いて「いなり寿司」を食べて頂いた。ワールドカフェの中で議論された内容は,これまでから語られていた課題がたくさん出ていた。「専門用語が難しい」,「なかなか議論になっていないのではないか」と御指摘される声もあった。しかし,実際には審議会に参加して様々な方と接する中で,行政職員からも学ぶ事は多くあるというポジティブな意見もたくさん出ていた。また,サロン自体についても,「公募委員同士でざっくばらんに話ができてよかった」,「それぞれの他の審議会の中でどんな課題があるのかということも分かって,非常に勉強になった」という意見を頂いた。これからも市民公募委員の皆さんが,それぞれの思いを実現できるよう引き続きサポートしていきたい。
 今年度はもう1回開催したいと考えている。本日は進行方法や内容について皆さんにアイデアを頂きたい。

<土山座長>
 市民公募委員の方々がいきいきと市政に参加できるよう,横のつながりを持って頂こうという趣旨で始まったものである。第1回に参加した森本委員は何か意見はあるか。

<森本委員>
 第1回の公募委員サロンに参加して,意見交換する中で,私は市民公募委員として,少し甘えていたように感じた。参加された方々がすごくしっかり活動されているのが分かって,私ももう少し頑張らないといけないと思った。
 あと,議論する時間が短かったので,もう少し時間があれば良かったと思う。

<土山座長>
 ありがとうございます。コーディネートをした小林委員から意見はあるか。

<小林委員>
 今回は,「サロン」という雰囲気をすごく意識して,「いなり寿司」を食べさせて頂いた。「会議」という雰囲気ではなく,「井戸端」のような雰囲気の場を作ることで,参加者の素直な意見が引き出せると思うので,次回も食べ物は出して欲しい。また,森本委員がおっしゃったように,開催時間が2時間では少し短く感じたので,もう少し時間を長めにとって頂きたいと思う。

<松本委員>
 とても和やかな雰囲気で,市民公募委員の交流ができたことは良かった。
 意見交換する中で,審議会の会議の開催回数が非常に少ないところが多いと感じた。それに比べると,フォーラムは非常に活発で,言いたいことをはっきり言えると思う。市民公募委員サロンは,目的がしっかりできているところと,できていないところがはっきりと見えたのでいいと思う。

<土山座長>
 議論の論点として2点あった。
 まず,食べるということ。今回は伏見の「いなり寿司」を1つの話題にして,京都の中で市民が関わって作っている美味しいものを共有すること。様々な思いや工夫が入っていることを共有し,それを媒体として,まちのことを考えていくという仕掛けにしたのは,とても良かった。
 もう1点は,時間をどう確保するか。特にフリートークの部分や名刺交換の時間をもう少し割いても良かったと思う。これまで,フォーラムの成果物や大きなテーマで議論して頂いたので,もう少しテーマを軽くして,フリーで話せる時間や名刺交換の時間をもっと長くしたいと思うが,いかがか。

<谷口副座長>
 第1回は参加できなかったが,今日の議論を聞いていて,「サロン」なので,楽しく語らいができる場となれば良いと思った。参加したくなる雰囲気にもっとしてきたいなと思いう。不安や悩みを抱えておられる方が,サロンに来られて,「話を聞いてみよう」とか「自分が感じていることを誰かに聞いてもらおう」というように思える取組になったらいいと思う。
 対象者を審議会の市民公募委員に初めてなられる方としたり,悩みを持っている方が来やすい取り組みをはじめたりすると面白いと思う。

<土山座長>
 対象者をもう少し明確にすることはいいと思う。高い意欲を持って審議会に参加したが,最初の審議会の雰囲気によっては落胆することはあり得る。発言内容が的外れに思えるかもしれないが,実はそうじゃないとか。お互いの経験の中でモチベーションが高まり,自由に話をでき,交流できるようなしつらえを検討したい。

(4)市民公募委員の改選
<土山座長>
 最後に,市民公募委員の改選について事務局から説明をお願いする。

<事務局>
 資料は用意していないが,フォーラムの市民公募委員の方4名が3月末で任期満了となる。
 これまでの事務の流れでは,2月に募集を行い,3月に委員を選定し,4月から新しい市民公募委員の方に参加して頂くというスケジュールであった。これまでフォーラムにおいて,市民公募委員4名を同時に改選するのは,継続性の点からいかがなものかという議論があった。これを踏まえて,2名の方に再任をお願いして,新たに2名を公募することで,2名ずつ交代するようにしてはどうかと考えているがいかがでしょうか。

<土山座長>
 再任の任期は1年でよいか。

<事務局>
 ご指摘のとおり,再任して頂く2名の方の任期は1年である。

<土山座長>
 これまでのフォーラムでの議論を踏まえた事務局からの提案であるが,小林委員はどう思うか。

<小林委員>
 引き継いでいくことが重要だと思うので,いい提案だと思う。

<永橋部会長>
 市民公募委員の方で任期満了となる方がいるのは残念である。

<土山座長>
 市民参加推進フォーラムは,任期が終了しても関わり続けることができる。本日も傍聴でOBの委員にお越しいただいている。
 新しい方に関わっていただくとともに,従来から参加している方にも参加してもらうことで,関わる人を増やしていけると思う。
 どなたに再任をお願いするかは現時点では白紙の段階であり,ここで議論することは考えていない。本日この場で確認しておくことは,4名のうち2名については1年に限り再任して頂いて,後の2名については新しい市民公募委員の方に就任して頂くということである。それでよいか。

(一同賛成)

<事務局>
 ただいまのものは,それぞれの委員の御意向もあると思うので,また事務局で判断して御報告させて頂く。


4 その他
<事務局>
 資料8を御覧ください。これは,新たに審議会を設置する際に,市民参加の視点をどの程度取り入れているかをチェックするため,審議会の所管課に提出していただいているものである。
 今回は,新たに4つの審議会が設置された。審議会の名称は,「京都市地域コミュニティ活性化推進審議会」,「“京都を彩る建物や庭園”審査会」,「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」,「京都市上下水道料金制度審議委員会」である。
 女性委員の登用率については,1審議会において35%を下回っている。「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」である。当該分野における有識者に女性が少なく,確保できなかったようである。
 市民公募委員の導入状況については,2審議会において委員を公募していない。1つ目は「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」である。理由として,迅速かつ専門的な検討を進めるため,有識者や関係団体で委員を構成している。2つ目は,「上下水道料金制度審議委員会」である。委員を公募してはいないが,別途市民を募集している「上下水モニター」の方に委員に就任して頂いている。「上下水モニター」とは,上下水道事業について,普段からモニタリングする市民の方を募集して就任してもらう事業である。
 審議の公開について,非公開としているのは「“京都を彩る建物や庭園”審査会」である。当審査会は,非常に個人のプライバシーや法人等の事業活動に関する情報を扱うため,非公開としている。

<谷口副座長>
 「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」が市民委員を公募しない理由が理解できない。もう少し丁寧な説明を頂きたいと思う。

<土山座長>
 私も同様の感想である。「京都会館」は本当に市民に開かれていると言えるのかと感じた。
 フォーラムでの意見は影響力のあるものではないが,審議会の事務局にはフォーラムからの意見を伝えていきたいと思う。

<傍聴者>
 女性委員の登用率が未達成であるが,公募すれば達成できたのではないかと思う。

<土山座長>
 市民委員の導入の可能性や女性委員の登用について,課題があることを確認しておきたい。

<傍聴者>
 昨日の京都新聞に載っていたのだが,京都会館を建てるために市民の税金が使われたことが書かれていた。そういう意味では,一部の有識者だけではなく,多様な市民の目線が必要なのではないかと思う。

<土山座長>
 公共施設が使いやすく,開かれた,愛されるものになることに何が必要なのかを考えると,この審議会は残念だという共通の認識がある。
 「上下水道料金制度審議委員会」は,市民の目線をとりあえずは配慮しているが,少し残念に思う。
 最後に傍聴の方から意見をいただいているのですがいかがか。

<傍聴者>
 市民公募委員の改選はいいことだと思う。これを他の委員会にも広げていって頂きたい。フォーラムから波及できる手法を考えていただきたい。

<土山座長>
 市民参加推進サロン等で展開してきた実験的な取組を共有していくということを私達も大事にしていきたい。

<傍聴者>
 第4期のフォーラムの市民公募委員として活動していたが,そのときに一緒に市民公募委員をしていた人達とは今も仲良くさせてもらっている。よく分からない状態から2年間手探りで気付きながら学びながら成長したことは,仲間意識が生まれて良かったと思う。
 市民公募委員の2名毎改選というのはとてもいいと思うが,任期の2年が経ったら関わりが終わるのではなく,引き続きなんらかの形で関わって頂くといいと思う。本日の議題となった「市民参加推進の手引き」の話は,1期や2期の市民公募委員の方の話を聞いてみたいと思った。フォーラムには,自主勉強会を開催して話をする機会もあるのでいいと思う。
 市民公募委員サロンについて,事務局の職員にも参加を呼び掛けたが参加者がなかったということだった。今回は,時間帯曜日等の都合が一番大きいと思うが,参加してもらえる時間帯なら参加してもらえるのかどうかが気になった。また,事務局の職員が市民公募委員の集まる場に来て話しやすいのかどうか難しいと思う。それでもいいから聞いてみたいという方であれば大歓迎だと思うが,無理に来て頂くとお互い気まずくなるので,せっかくのサロンがもったいないと思う。来てもらえなかった事務局には市民公募委員サロンの結果を伝えると,事務局の運営もしやすくなると思う。
 「市民参加推進の手引き」について,これまでフォーラムでも市民参加の手法に関する冊子を作ってきたと思うが,既に市民参加の作業になっているということをたまに耳にする。マニュアルではなく,「こういうことを考えることが大事なんだよね」と思ってもらえるものとすることが大事だと思う。考えてもらう,伝わるものになったらいいと思う。
 最後に,「京都会館」の再整備については,一つ前の「京都会館再整備検討委員会」に市民公募委員も入れて検討されてきた。整備計画については,パブリック・コメントもされていた。どのような建物にするかの計画が策定されたうえで,建築的な視点から価値を継承できるように考えることを目的とする審議会なので,委員構成を専門家だけにするのも仕方がないと思う。また,女性の割合が少ないのは,委員が建築関係の団体の代表の方や,そういった関係団体の方々で構成されているからである。建築家の団体には男性が多く,代表が男性ばかりなので,選択の余地がないので仕方がないと思う。

<土山座長>
 審議会の事情はよく分かった。それならもっと丁寧に情報シートに事情を記載して欲しいと思う。審議会の市民参加を進めるに当たって,市民公募委員の選任や女性委員登用率に気を付けることを審議会の事務局には意識してもらうことが重要だと思う。
 市民公募委員サロンや様々に御示唆頂いたところについては,まさにそのとおりでだと思うので,今後の運営にいかしていきたいと思う。

<傍聴者>
 市民参加というのは何か決められたことをするのではなく,自分の住んでいる地域をよくしていこうということだと思う。市民の定義は幅広くて,業者等も市民であると喚起してほしいと思う。

<土山座長>
 市民とは誰かという大事な御意見だった。ありがたく思う。

5 閉会
<松本委員>
 図書館でフォーラムの傍聴者募集のチラシを見つけた。多くの傍聴者の方に来ていただき本当にありがたい。頑張って作っていかねばならないという力が沸いてきた。

<土山座長>
 本日ここまでにしたいと思う。ありがとうございました。

<事務局>
 本日は長時間に渡り,熱心な御議論ありがたく思う。
 これをもって第34回会議を終了したい。どうもありがとうございました。

資料

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