市長記者会見(2026年2月4日)
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2026年2月12日
新京都戦略の改定及び令和8年度当初予算(案)について~すべての人に「居場所」と「出番」がある「突き抜ける世界都市」の実現に向けて京都の未来を切り拓く予算~ について京都市長が記者会見を実施しました。
(補足)発表内容は、令和8年2月4日時点の情報です
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下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))
発表案件
市長
国政選挙真っただ中でお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
それでは、新京都戦略の改定及び令和8年度当初予算について、私のほうから発表させていただきます。
お手元のこちらの資料に即して御説明いたします。ちょっと昨年度も非常に長くなりましたので、できるだけ簡潔にするようにはしたいと思います。早口になるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
最初、この資料の3ページを御覧ください。今日、2月4日ということで、ちょうど2年前が市長選挙の投開票だったわけでありますが、私も市長在任で間もなく2年になります。折り返し点、任期4年のほぼ折り返し点を迎えつつあるというところでございまして。昨年12月に、私自身も積極的に審議会等に参加させていただいて1年以上議論をいたしました京都基本構想というのを京都市会で全会一致でお認めいただいたわけでありますが、この京都基本構想、京都の背骨となるようなまちの在り方をお示しした基本構想をベースに、昨年の3月に策定した新京都戦略も当然のことながら改定し、そして、令和8年度、令和9年度の予算でそれを具体的にしていかなければならないということでございまして。本日は、その第一歩として、新京都戦略の改定案を取りまとめましたので、それを報告させていただきます。
4ページでございますが、昨年3月にこれまでの行財政改革計画を前倒しで改定し、私自身のこの4年のアクションプランとなる新京都戦略を策定し、取組を進めてきたところでございます。今回の戦略策定に当たっては、「市民生活第一の徹底」を基本姿勢に、構想で示した「京都の本質的な価値・魅力を未来に継承し、さらに高める」という視点を重視し、計画期間の先も見据え政策を磨き上げているところでございます。それによって、京都に住み、学び、働く価値、値打ちというものをさらに向上させ、都市の活力を市民生活の豊かさにつなげていきたいと考えております。
資料5ページを御覧ください。改定では4つのポイント、昨年策定した新京都戦略に加えてこの4つのポイントを強化させていただいております。それぞれ次のスライドから紹介させていただきます。
1つ目、「夢中」がつなぐ学び合いのコミュニティ、京都学藝衆構想でございます。これ、京都基本構想の中で提起させていただいた構想でございますが、京都基本構想が示す3つのまち柄を未来に受け継ぐ象徴的な取組として分野横断的に展開をしていきます。幅広い世代の方々が京都の多彩な価値・魅力に触れ、ともに学び交流する、夢中になれる学び合いの機会を創出し、京都の価値・魅力の次世代への継承、新たな魅力発信、コミュニティの活性化につなげていきたいというものでございます。具体的な取組は後ほど、令和8年度の予算の中で御紹介させていただきます。
資料7ページですが、2つ目のポイントは、京都の本源的な課題への対応でございます。京都の先人たちが育み、そして紡いできたほんまもんの京都、そのほんまもんの京都の魅力が失われる危機すら感じられる状況だと私は常々思っております。いわゆる京都の本源的な課題に対し、早期かつ中期的に対応するために、新たに「地域の魅力向上」と「交通ネットワーク形成」の2つのリーディング・プロジェクトを追加したいと思っております。
また、京町家を保全・継承するための仕組みの強化や、京都ファンへの調査による観光施策の磨き上げといった京都の本質的な価値を高める研究や施策を盛り込み、できることから早期に着手していきたいと思っております。
資料8ページ目、お願いいたします。3つ目のポイントは、幅広い市民との協働でございまして、当然我々は、京都市民の皆さん、京都に住民票がある京都市民の皆さんを一番大切にしなければいけないんですが、京都の場合は、京都のまちに様々な関わり合いを持つ人たち、あるいは京都ファンの方々、その方々を広い意味での市民と捉えて、ゆるやかなつながりを紡ぎ、京都の価値や魅力の継承・発展、課題解決に協働して取り組むという取組姿勢が大切だと考えております。
4つ目がしごとの仕方改革のさらなる推進でありまして、記載してあります4つの視点が下の括弧にございますけれど、この4つの視点、特に職員が持つ経験や知見、特技を、担当以外の分野でも生かす仕組み。私はここでは主務、副務というふうに位置づけてますが、職員自身が一定の専門性を得た、あるいは自分の生きがいとして持ってるそれを、広い意味での京都市政、京都のまちの魅力の発現に至るものであれば、それをしっかり主たる、今の現時点での部署で全力を尽くすのは当然でありますが、それ以外の他の部署に関しても、場合によっては助っ人になるような形で支援できると。これは市役所全体の総合力を高め、また、職員一人一人のライフワーク、あるいはやりがいというものを高めるような、そういう新しい働き方改革に挑戦していきたいと思っております。
資料9ページを御覧ください。この戦略に追加・充実した主な取組を御説明していきたいと思います。
1つ目は、ゆるやかなつながりにより「居場所」と「出番」をつくっていきたいということで、例えば加齢性難聴者への支援といった、高齢者の方々がどうしてもちょっと耳の聞こえが悪くなると社会参加がおっくうになると。そういうものに対するしっかりサポートをしていく在り方。あるいは、世代を超えて人と人とが交流する銭湯。京都は大都市には珍しくこの銭湯が残っているまちでありまして、ある種のコミュニティ、ゆるやかなコミュニティの起点となるような場所、これをしっかり次世代に継承していきたいと考えております。
静謐な生活環境や地域コミュニティという意味においては、先般、記者会見で御説明させていただきました民泊への厳格な対処、国と連携した抜本的な民泊規制の見直し強化、これに取り組んでいきたい。
そして、文化や文化遺産を守り活かすという意味においても、これも新たな財源もこの3月から得られることですから、それをしっかり、今まで必ずしも文化財に対する支援が十分でなかった部分について、もう少ししっかり取組できないかなということも重点の一つであります。
資料10ページを御覧ください。国内外から突き抜けた人材が集い、交ざり合いを促進していくためのアスタリスク・イン・レジデンスの充実。あるいは、この間、私ずっと申し上げていることなんですが、せっかく市営住宅というストックがあります。様々老朽化している部分もありますが、これをしっかり活用していくことによって、市外の方々が京都で学んだり、あるいは研究したりする、その拠点としてのレジデンス環境を整備していけないか。
それから、京都ファン、将来の京都を支える担い手になっていただくための京都のほんまもんを追究する観光施策の磨き上げ。修学旅行生というのは、非常に京都ファンの入口になっているわけでありますが、修学旅行生がほんまもんに触れ学びを深めるような旅を提供できないかということでございます。
そして、各地域のポテンシャルを生かし、特色あるまちづくりにつながるような取組、ここに書かせていただいたような、京都は多彩な地域がありますから、それぞれの地域ごと、これから都市マス改定に向けての議論もありますので、しっかり進めていきたいと考えております。
資料11ページ。しごとの仕方改革。今ほど申し上げましたが、職員が垣根を越えて個々の強みを発揮するための成長支援。庁内の他の分野にも積極的に個人個人が持っている関心、経験、知見、特技を活かすような仕組み、そして、組織風土。グローバル人材の確保・育成も大事でありますし、外郭団体、ややもすれば行財政改革の中でモチベーションが落ちていた部分があったかもしれません。しかし、この外郭団体というのは非常に専門性のある組織でありますし、市役所本体だけではなくてその外側にある政策連携グループとしっかり連携して、パートナーとして市役所全体の総合力を高めていきたいと思っておりますし、柔軟な働き方、対面コミュニケーションの促進に向けたデジタル環境整備にもしっかりと力を入れていきたいと思っております。
次のページ、お願いいたします。この改定案、明日からパブリックコメントを行います。そして、3月8日までがパブリックコメントの期間でございますので、ぜひ市民の皆さん方から積極的な御意見をお待ちいたしております。そして、その後、パブリックコメントでの御意見や、当然2月市会における議論を踏まえまして、3月末には新京都戦略改定版を策定させていただきたいと思っております。
次に、令和8年度当初予算案につきまして御説明申し上げます。資料16ページをお願いいたします。予算編成の考え方であります。令和8年度予算は、京都基本構想の目指す姿の実現に向けて改定する新京都戦略の政策を、スピード感を持って進めていく観点から大切な予算でございます。私としても、冒頭に申し上げましたような任期4年の折り返し点に立ちまして、しっかりとこの改定した新京都戦略に基づいて、スピード感を持って施策を実現していきたいと思っております。世界中から住みたい、働きたい、そして活躍したい、住み続けたいと思われるまちを目指して、それを未来に継承していくためにあらゆる挑戦が必要でありまして、京都の未来を切り拓く予算として位置づけさせていただいております。ここに書かせていただいているように、私のキャッチフレーズである「全ての人に居場所と出番のある突き抜ける世界都市」その実現に向けて未来を切り拓く予算というふうに位置づけさせていただいておりまして、その基本は市民生活第一の徹底であります。これなくしては、全ての施策はやや空論になってしまいます。市民生活あっての政策でありますので、それを基本姿勢としたうえで、強化した点はここに書かせていただいた3点、京都学藝衆構想の推進、暮らしやすいまち、魅力・活力あるまちの創出に向けた課題解決の推進、そして本質的な価値・魅力の継承・発展につながる観光の推進ということで、その3点につきまして御説明します。
17ページをお願いします。京都学藝衆構想は、幅広い世代が京都の多彩な価値・魅力に触れ、夢中になれる学び合いの機会を創出し、京都の価値・魅力の次世代への継承、あるいは新たな魅力発信、コミュニティの活性化につながるものでございます。
例えば「ひらく」という場をつくるという意味では、学校、例えば空調の話もいたしましたが、学校の場をどう使っていくのか。区役所を、区Hubというものをどう使っていくのか。あるいは、これから我々が力を入れていかなければいけない公園、図書館、場合によっては神社とか仏閣の御協力を得ながらその場をつくり、そして、「きわめる」というところで言うと、具体的に京都には匠のような人材がたくさんいらっしゃいます。そういう人々の職人芸、あるいは文化の力、学術の力、様々な力。特に私が強調したいのは、匠の技、職人芸というようなものが京都には山ほどいろんな分野があります。それをしっかり京都の若い世代の人たちに伝えていきたい。そして、若い世代だけじゃなくて、そういう匠の技をしっかり老若男女問わず学び合い、教え合いをしていきたい。そのことが横のつながり、すなわちコミュニティ。昨今、希薄化が指摘されるコミュニティの言わば結節点になるような学びの場をつくりたい。そして、同時に、先ほど申し上げた匠の技の持ち主というのは、得てしてすばらしい技術があるにもかかわらず後継者がいないということで、伝統産業の将来の後継者不足、担い手不足という問題の解消にもつなげていきたい。
すなわち、つなぐというのは横のつながり、地域のコミュニティのつながりでもあると同時に、縦のつながり、過去の我々の伝統技術というようなものを次の未来につないでいく。そういう意味でも、この学藝衆構想は象徴的な意味合いを持っているのではないかと思います。
18ページ、お願いいたします。令和8年度は、子どもたちが職人の技に触れる機会の充実などによる人と人とのつながり、あるいは、学校や銭湯など身近な地域での学び合いの場の創出、そして、各区役所、支所の地域コミュニティHubによる伴走支援などのコーディネート機能に関する予算を充実させていただいておりまして、こうしたここで得た知見や課題を踏まえて、令和9年度以降、この事業を加速化していきたいと考えております。あとは、ちょっとここを見ておいていただければありがたいです。
じゃあ、次は20ページを御覧ください。強化ポイントの2点目は、暮らしやすいまち。魅力と活力あるまちの創出に向けた課題解決ということでありまして、その中でも、まずは居場所と出番のある京都ということを私が常々申し上げている点でも、大切なのは包摂性が高く誰もが生き生きと活躍できる環境づくりということでありまして、すべてのケアラー及びその家族の悩みに寄り添う総合相談窓口の設置や、普及啓発の促進というのが一つの大きな柱でございます。
また、加齢性難聴の方々への補聴器の購入支援を通じて、介護予防、あるいはゆるやかなコミュニティに、やっぱりちょっとおっくうになってしまうところに対してコミュニティに入っていってくださいというようなことでのコミュニティ参加支援など、社会的孤立、孤独や生きづらさを抱える人の支援ニーズに対して、コミュニティを軸に高齢の方から子どもたちまで地域ぐるみで支える仕組みづくりをつくっていきたい。居場所づくり、そして出番づくりを創出していきたい。
銭湯の支援。お子さんたちの銭湯入浴料を無料化する府市協調の事業でありますが、これもまさにコミュニティというものの形成。世代を超えたコミュニティの形成に資するものであります。
2つ目のこの丸のところですが、若者・子育て世代の定住・移住促進ということで、最近また人口動態についての数字が出されましたけれど、やはり、しっかりとこの幼稚園の第2子以降の保育料の無償化。これは、昨年取り組みました保育園の無償化に引き続き、これを幼稚園にも拡大していく。あるいは、小学校給食費の無償化というのが国の施策としても実現しましたが、それに京都ならではのものを追加していきたい。
そして、安心すまい応援金の期間延長及び支援メニューを更に充実するなど、子育て世代の負担を軽減していく。同時に、就労・奨学金返済一体型支援事業、これは府の事業でありますが、それを府市協調で実施し、市内事業者の負担を更に軽減し市内企業への就職促進を充実させるなど、若者・子育て世代に選ばれるまちを目指していきたいと思います。
21ページ、お願いします。強化ポイントの3点目は、本質的な価値・魅力の継承・発展につながる観光の推進であります。単に観光地、非常に有名な観光地だけを巡っていただくような観光、狭い意味での観光だけじゃなくて、歴史や景観に加えて、職人の技法やまちの方々が受け継いできた京都の本質的な価値・魅力を未来へ継承・発展していく。広い意味での観光の推進でございます。今年3月、来月からの宿泊税の税率の見直しを機に取組を強化していきたいと思いますし、京都ファンの入口とも言える修学旅行生、これは18歳人口がこれから減少していく、18歳のみならず15歳人口が減少していく中で、またいろんな地域が修学旅行の誘致を一生懸命取り組んでおられる中で、京都としても修学旅行生の誘致強化、あるいは京町家の保全・継承に向けて、改修や維持管理等の経済的負担に対する支援の大幅な強化など、京都ファンや関係団体との連携による京都の魅力の維持・継承につながるものでございます。
加えて、地域、暮らしと両立・調和した観光ということで、そこに書かせていただいているように、祇園であるとか伏見稲荷大社の啓発員の増員。あるいは、全国初の市バス等の市民優先価格の令和9年度の導入に向けて、市民周知やシステム改修などの取組を加速していきたいと思います。
さらに、民泊の監視体制、規制強化に関して言うと、令和8年度中の条例改正を目指して、国との調整や審議会の立ち上げを実施するなど、観光課題対策に着実に取り組むとともに、市民と観光の共存というものに、その機運を醸成していきたいと思います。
資料の22から24ページは、参考として本質的な価値・魅力につながる観光施策の方向性についての資料、あるいは宿泊税の活用状況についての資料を添付させていただいております。
資料の26ページ、当初予算の主な内容であります。全体の予算規模は、一般会計で1兆80億円、全会計で1兆9,715億円と、共に過去最大になっております。
27ページをお願いします。一般会計の歳入予算について、市税収入は個人市民税や固定資産税など、引き続き堅調で、過去最高を更新する見込みでございます。歳出予算については、社会福祉関連経費が引き続き増加しております。投資的経費も子育て環境充実、市民の生活基盤・安心安全対策を中心に、施設の老朽化対策の予算を増額させていただいております。
見ていただければ分かりますように、歳入も増えていますが、社会福祉関連経費、あるいは人件費を含めて言うと、実はそれほど余裕がある予算編成ではなかったわけであります。また御質問があれば、後ほど御説明したいと思います。
28ページをお願いします。収支均衡予算を継続させていただいております。過去負債の返済は、計画どおり10億円を計上しておりまして、今後の令和8年度の補正予算を合わせて、年35億円を目安に着実に返済をしていきたいと思います。令和8年度予算計上時点で、過去負債の残高は390億円まで縮小しております。
資料30ページをお願いいたします。新京都戦略に掲げる6つの柱に基づいて主要施策を説明いたします。
まず初めに、新たな価値・魅力を創造し続けるまちに157億円を計上させていただいておりまして、まず文化・文化財について、京都の文化の魅力を最大限に活かし、次代の担い手、支え手に継承していくため、子どもたちが文化や伝統に触れる体験を充実させていきたいと思っておりまして、多彩な人々との交ざり合いを促進するため、アスタリスク・イン・レジデンスにおいてクリエイティブ人材の受入体制を強化したい。文化財については、維持活用に向けて適切な修理サイクルの構築を検討していくとともに、新たに国指定文化財の修理への補助を実施するほか、滅失のおそれがある古文書類の維持継承に向けた機運醸成等を推進していきたいと考えております。
31ページ、ちょっと駆け足になって申し訳ありませんが、観光について申し上げます。未来の京都ファンにとなる修学旅行生に対して、二条城等の市有施設への無料招待券の配布や文化体験を充実するなど誘致を強化するとともに、京都の強みを活かしたMICE誘致の更なる強化や、宿泊施設による地場産品の活用を支援するなど、京都のほんまもんの魅力を活かした観光を推進してまいります。
京町家に関しましては、改修や維持管理等の経済的負担に対する支援を大幅に強化していきたいと思っておりまして、更に民泊の監視体制、規制強化をはじめ、一部観光地の混雑や交通混雑など観光課題対策に着実に取り組むとともに、市民と観光の共存、調和に向けた機運を醸成してまいりたいと考えております。
32ページ、お願いします。柱の2つ目、包摂性が高く、誰もが生き生きと活躍できるまちに373億円を計上しております。まず地域コミュニティ、福祉に関して言いますと、京都学藝衆構想を核に、様々な場を活用して誰もが気軽に集い、つながることができるよう、各区役所・支所の地域コミュニティHubを中心に、大学や企業等が地域活動に参加する機会を広げていくなど、ゆるやかでひらかれたつながりを創出してまいります。
また、まち全体の未来を想像し、これからの京都に必要な図書館の在り方を示すグランドデザインを策定いたします。さらに府市協調で、先ほど申し上げましたが銭湯の子ども入浴料の無料化を通じて、人と人との交流の場としての銭湯を活性化し、高齢者の方の社会参加や、孤立・孤独の防止や介護予防につなげていきたいと思います。福祉を支える支援体制の構築に向けては、すべてのケアラー及びその家族の悩みに寄り添う支援体制の構築や、社会参加の促進に向けた補聴器購入の助成など、コミュニティを軸に福祉を地域で支える仕組みづくりを強化していきたいと思います。
33ページをお願いします。健康増進であります。市民の健康づくりに向けて、働き世代を中心にがん検診の受診機会の強化や生活習慣病予防のキャンペーンを実施していきたいと思います。経営状況が非常に厳しい京都市立病院については、京都・乙訓医療圏における役割をしっかりと明確にしたうえで、関係機関とも連携し持続可能な運営体制を構築してまいりたいと考えています。
34ページ。国際化の推進であります。国際化は、京都の今後において非常に大事なポイントだと思っております。国際都市京都の更なる推進に向けて、大学や文化など京都の強みを活かし、クリエイティブ人材の受入環境の整備、グローバルに活躍できる企業・人材の育成。そして、多文化共生社会における相互理解、相互尊重の取組を加速化させていきたいと思います。令和8年度は、クリエイティブ人材等の専門人材の受入れに関する調査を実施しつつ、アスタリスク・イン・レジデンスにおいてクリエイティブ人材の受入体制を強化していきたいと思いますし、また学校の外国語指導助手に京都に愛着を持つ海外人材を積極的に採用して英語教育の質を向上させるほか、インターナショナルスクールの開設の支援を強化していきたいと思います。さらに、外国籍市民の方々に地域コミュニティに溶け込んでいただくために、京都での暮らしに必要な情報提供や日本人との交流機会の拡大を図っていきたいと考えております。
35ページをお願いします。次に、都市の活力と成長を支える産業が育つまちに1,153億円を計上させていただいております。まずは、地域企業の持続的な成長支援、下支えでありますが、地域企業の経営基盤強化、担い手の確保・定着に向けて、生産性向上による賃上げや販路拡大に対する支援を強化してまいります。また、京都府の就労・奨学金返済一体型支援事業を府市協調で実施して、市内事業者の負担を更に軽減するなど、学生等の市内定着を促進してまいります。
資料の36ページをお願いします。スタートアップの創出、成長、企業誘致の促進についてであります。京都の経済の力強い成長に向けては、京都のポテンシャルを最大限活かしたスタートアップの創出と成長支援、国内外の企業立地の促進が重要でありまして、スタートアップ支援についてはこれまでの取組に加えて、特に新たな海外展開を視野に入れていきたいと思っております。そうしたスタートアップへの支援を強化していきたいと思いますし、企業立地の促進については、支援メニューの充実や海外企業の誘致に力を入れていきたいと思います。
37ページをお願いします。次に、「未来を担う子ども・若者を社会全体で共にはぐくむまち」、これに571億円を計上いたしております。子育て環境の充実については、安心すまい応援金。非常に好評でありますが、これについて充実して継続していくということや、私立幼稚園の第2子以降の2歳児保育料無償化など、子育て負担を軽減していきます。さらに、保育園等も1歳児に対する保育士配置の充実や、こども誰でも通園制度の利用時間の拡充など、保育の質を向上していきたいと思いますし、山科駅前に東部地域初となる大型の子どもの屋内遊び場の整備を推進するなど、子育て環境の更なる充実に取り組んでまいります。
38ページお願いします。教育環境の向上についてでございます。京都ならではの教育環境の向上に向けて、令和8年度の小学校給食無償化の実施。加えて、学校給食未来プロジェクトを始動し、京都ならではの献立の提供と給食の魅力発信を強化していきたいと思います。また、京都市立高校の一層の魅力の向上に向けて、探究学習やSTEAM(スチーム)教育の充実、デジタル、理数系、あるいはグローバルに活躍できる人材育成を強化していきたいと考えております。
また、支援を要する子ども・若者、あるいはその家族への寄り添いというのも非常に重要であると思いまして、不登校の子どもたちのための校内サポートルームの充実、医療的ケア児に対しては、支援を行うコーディネーターを充実するなど支援体制を強化してまいります。
39ページをお願いします。「自然環境と調和する持続可能なまち」に168億円を計上いたしております。自然環境について言うと、脱炭素、資源循環、生物多様性の一体的な推進。これは、環境のまち京都の三位一体の取組と言ってもいいと思いますが、その一体的な推進に向けまして、住宅向け太陽光発電の支援額の拡充や、再エネの地産地消の仕組みの構築に向けた調査等を推進してまいります、小売店におけるプラスチック製容器包装の発生抑制のモデル事業の創出や、天然記念物である深泥池生物群集の魅力発信等を強化してまいりたいと考えています。
40ページをお願いいたします。持続可能な公共交通でありますが、市内で様々な交通課題が顕在化している中で、自動運転の技術進化など、市民の利便性の向上や地域の活性化につながる新しい可能性が広がっていると思っております。今後、京都の交通の在り方について、経済界等とも連携しながら様々な手法を検討するとともに、公営交通として政令市初の自動運転バス、あるいは京北地域でのデマンド交通の導入に向けた実証運行を実施してまいりたいと考えています。
41ページ、お願いいたします。安心安全で災害に強いレジリエントなまちに426億円を計上いたしております。災害に強いまちづくりを推進していくために、「まちの匠・ぷらす」を令和8年度まで延長するとともに、密集市街地における感震ブレーカーの設置支援を充実させていきたいと思います。また、密集市街地対策やインフラ等の耐震化・老朽化対策等を着実に推進してまいります。
42ページ、お願いいたします。避難生活環境、地域防災力を向上していくために、地域と連携して避難所運営マニュアルを改定するとともに、災害用備蓄物資等を拡充してまいりたいと思っております。また、迅速かつ的確に対応できる消防救急体制の確保ということで、令和7年度に引き続きまして、救急隊を更に充実、左京に救急隊を1隊増隊したいと思いますし、さらに府市協調で消防ヘリコプターの2機同時運航に必要となる体制を構築いたします。
43ページ。しごとの仕方改革の更なる推進でありますが、職員力・組織力の向上に向けて、組織の垣根を越え、職員が強みを最大限発揮できる環境整備を更に推進したい。そして、スマート区役所の推進や生成AIの活用など、市民の利便性を向上させるとともに、市職員の業務効率化につながるデジタル環境整備を更に推進していきたいと思います。
44ページから49ページにかけては、例えば府市協調事業をリストアップさせていただいております。さらに、昨年に引き続き、ゼロ予算の取組も紹介をさせていただいております。
47から49ページは、項目別の予算額を記載させていただいております。
資料51ページ、補正予算でございますが、国や京都府の経済対策と歩調を合わせて今後のインフレ局面に適応していくための物価高対策や、防災・減災等の安心安全対策を推進します。また、市立病院の厳しい経営状況を踏まえ、令和7年度の資金繰りを支援する予算などを計上しております。
補正予算の規模は、全会計で391億円、うち一般会計は266億円となっております。
資料51ページをお願いします。計上事業については記載のとおりでございまして、物価高対策につきましては、地域企業等が行う賃上げ等の生産性向上への取組支援、あるいは福祉施設等への運営支援などを実施しております。また、12月補正で計上した「市民生活応援デジタル地域ポイント」を市民の皆様にしっかりと活用いただくための商店街等と連携した取組を進めさせていただきます。
令和8年度の当初予算案及び令和7年度2月補正予算案の説明は、以上でございます。
すみません、駆け足になってしまいましたが、今後、改定する新京都戦略と共に、市会にて御意見をいただくことになります。京都基本構想の目指すまちの姿の実現に向けた予算というふうに位置づけております。すべての人に「居場所」と、そして大切なことは「出番」をできるだけ多くの方が何らかの形で出番を持っていただく。そして、なおかつ突き抜ける世界都市、日本国内外からすばらしいクリエイティブな人材。すばらしい職人芸を引き継ごうというような人々であっても、すばらしい人材を集めて、そして栄える。そして、何よりもそうしたパワーで市民生活を第一とするという、これを基本にして引き続き市政運営に邁進していきたいと存じます。
皆様におかれましても、御理解、御助力を心からお願いするものでございます。
私からの発表案件、ちょっと早口になりましたが以上でございます。
質疑応答
発表案件に関する質問
記者
賃上げなどの社会情勢の変化を踏まえた上で、宿泊税の引き上げなどをされて、きちんと予算編成がなされたとのことでした。過去最大規模で、今までやりたいと思っていたことがおそらく実現できたのではないかと思うのですが、達成度や満足度をお聞かせください。
市長
はい。そうですね。正直に申し上げまして、やはり物価高があって当然経済全体がインフレになっている中で税収も増大しておりますが、例えば社会保障費が非常に大きくなっていること、当然人件費も上がっていることを考えていくと、義務的経費の伸びが非常に大きくてですね、正直申し上げますと、すごく自由度が高まった予算かというとそうでもなくて、引き続き我々は緊張感を持って財政運営に当たらないと、ちょっとした社会福祉、社会保障予算が上振れしてしまったりしますと、なかなか収支均衡予算というのも自動的に楽々達成できるわけではないので、そういう意味では私自身から言うと、任期面での折り返し地点に入らせていただきまして、ある程度自分が思っていること、あるいは市長選挙の公約で掲げたことについての目処が立ってきた、あるいはそれの着手というのが視野に入ってきた。例えば市民優先価格なんかもそうですが、相当前進してきました。宿泊税という財源、これも市長選挙の公約で掲げて、その財源を用いて市民生活と観光をいかに両立させるか。これは私にとっての、あるいは観光都市としての京都の大きな課題ですが、そこについての政策の方向性は、予算事業だけでなく、例えば民泊について、ある程度規制を強化していかないと、市民にとって非常に大切である京都の魅力の一つである市民生活、あるいは京都の文化や町並みを守るということも京都の魅力の一つですから、そういったことへのとっかかりは得られたということではあると思います。ただ、それからどのような形で、その町並みが保全できるのか、本当に市民生活と観光の共存でどのような規制ができるのか、あるいは市外のお客様にこの京都市のまちづくりにどのように貢献していただいて、市外のお客様にとっても市民にとっても納得のいく京都市政をつくっていくという意味では、まだここからの事業を具体化し、どう進めていけるかが鍵であるので、私自身としては、ある程度自分自身が京都に望むうえでの課題感についてのメニューは一通りつくらせていただいたけれど、そこからの実施はむしろこれからという気持ちがあります。そういう意味では、新京都戦略も令和9年度まで、すなわち私の市長任期の中でどういう戦略を持っていくかということで新京都戦略をつくったんですが、この新京都戦略の改定案を見ていただければ分かりますように、そこはあと2年間でできることばかりではなくて、むしろその後の取り組みも含めて考えていかなければいけないということも掲げさせていただいておりまして、そういう意味では一定の進捗感は持っていますが、それを更に前に進めていきたいというのが自分自身の思いで、まだまだ安堵できる状況ではないと考えております。
記者
今、触れていただいたその収支均衡予算というところに関連してなんですが、過去負債の積み戻しについて、議会でも色々意見があったかと思いますが、今年も計画通りの年35億円の積み戻しということなんですが、その積み戻しを増やすという選択肢もあったのかなと思うんですが、取られなかった理由を聞かせいただけますか?
市長
はい。私は当然、過去負債というものは早期に積み戻していく、やはり不適切な取り崩しをしてしまったわけですから、それはそうだと思いますが、ただ、今申し上げましたように、これからの魅力ある京都をつくっていく、色々な諸課題に対応するのに、やはり一定の政策的な経費が必要であることも事実でありまして、それをバランスを取りながら、私はいつも「京都のまちが過少投資だ」と言ってきたのは、別に公共事業としてもっと市だけが支出を増やせということではなくて、京都のまち自体が色々な対応をしていかなければいけない。例えば新しい交通システムをどうつくるかということだって投資が必要なわけですね。これは場合によっては民間も包めた投資が必要になってくる。あるいは市民生活と観光の両立といった時に、やはり色々な事業、例えば市民優先価格一つを導入するに当たっても、やはり一定の投資が必要になってきますし、その他色々な、例えば「居場所と出番のある社会」をつくると言ったって、結局、京都の老朽化した図書館をどうしていくのか、あるいは学校の体育館のような場がこれから学びの場に様々になるわけですが、そういうものについても投資が必要になってくる。そういうことを考えていくと、やはり、今必要なことは、過去負債は着実に返していかなければ、積み戻していかなければいけないけれど、魅力がある、活力がある京都に向けて、しっかりと投資を促すような政策をしていかなければいけない。そこについては、しっかり重点的な政策を年度当初から計上していかなければいけないと思っておりまして、最初から例えば35億円返済してしまえば、積み戻ししておけばいいじゃないかというご議論もあるんですが、我々としては、むしろそれは最初からではなくて、決算の途中のところで、ということで、ちゃんと使えるものはしっかり使って、過去の黒字分も含めて使って、そして、しっかりと年度当初から事業を積極的に推進していくと、こういうサイクルで、10億円、25億円というような形で返していく。あるいは、過去の決算黒字についても、しっかりと今申し上げたような形で、年度当初からしっかり事業の実施についてつなげられるようなサイクルをつくっていきたいというのが、従来申し上げている考え方ではあります。
記者
よろしくお願いします。今の質問に関連するかなと思うんですが、今回その収支均衡予算でありながら余裕はなかったというお話があったかと思います。市長として現在の京都市の財政状況についてどう見てらっしゃるのかということをお尋ねしたいです。財政危機に瀕していた再建期の頃の状況がまだ遠くない中で、今どういう状況にあるのかというご認識を教えてください。
市長
はい。財政状況は引き続き私はギリギリの状況だと思っております。私が就任当初に申し上げましたように、経済全体がデフレ経済ではなく、むしろインフレに応じて、家計も大変な状況になっている中で、国全体としてその家計支援をどうしていくかということが課題になっておりまして、京都市政においてもそういった面は当然国と連動して色々な対策を打っているわけであり、それから京都というまちが、今後持続的に発展していくために、しっかり手を入れていかなければいけない点がやはり多々あると思うのです。その典型的に言うと、一つは観光と市民生活の両立、この根源的な問題にちゃんと手を打っていかなければいけない。それから、本日も報道に出ておりましたが、やはり京都の人口減少、人口流出のような問題にしっかり手を打つためにも、やはり子育て世帯がしっかり京都に定着していただく、あるいは大学のまちである京都の魅力というのは、まだ現時点では保持されているところではありますが、大学を卒業して京都で仕事をしていただくという方の割合も少しでも高めていきたい。そのためには、やはり企業立地も必要ですし、スタートアップ支援も必要ですし、あるいは子育てをするための環境整備を更に進めていく、住宅面での支援も必要でしょう。そういう意味では、財政は引き続き厳しいけれど、その縮み思考で、厳しいから歳出カット、歳出カットということではなくて、むしろ財政が厳しいからこそ、将来的に京都のまちの発展基盤をつくっていくという考え方のもとで、戦略的な投資をしなければいけないというのが一番のポイントであります。記者さんからのご質問と同じ趣旨でありまして、その戦略的な投資をするためにも、いきなり全ての財源、多少なりとも余裕があった分を返済前倒しに充てるというよりは、今、将来に向けてしっかり種を蒔いて、将来の京都の基盤につながるようなことに今手をつけないと、攻めの都市経営にならない。守り守りだと、じり貧になってしまって、結局京都からいつまで経っても人口が減少していって、あるいはせっかく京都ファンだった人たちが京都離れになってしまって、京都の中長期的な発展にならない。だからこそ私は、官民ともに、市役所もその一端を担っていきたいと思いますし、過少投資と言われるものではなく、戦略的な投資、あるいは、ある意味は攻めの都市経営というものに舵を切っていきたいというのが、この2年間の私の思いでございましたし、今後も思いは変わりません。
記者
市民優先価格については、相当前進したというお話がありました。導入すれば全国初というところで、実現に向けて大きな一歩を踏み出したということになるかと思うのですが、これによって目指すまちの姿を改めて教えていただけないでしょうか。
市長
はい。市民優先価格は当然まず我々がやろうとしているのは市バスですね。これは、皆様ご想像はされているかもしれませんけれど、まだ料金改定のプロセスに入っていませんので、詳しくはお話しできませんが、できるだけ早く令和9年度導入するために、早く骨格であるその具体的な価格を皆様にお示しすれば分かっていただけると思いますが、やはり相当程度の幅ができます、市民と非市民の間で。それは、非市民の方々に、やはり京都のまちづくりにしっかり貢献していただくんだと、バスに乗る度に貢献していただくんだと、それに答えるような我々はまちづくりをしていかなければなりませんし、市民の皆様にとっては、それぐらい市外の人に負担をしていただきながら、公共交通に、あるいは京都のまちづくりに京都市役所は舵を切ろうと、新しいまちづくりに舵を切ろうとしているんだなということをご理解いただけるような仕組みを導入するというのが一つの大きな目標であります。そして、宿泊税もまさにそうであり、10万円のルームチャージに1万円の負担という金額が、昨年の今頃は一人歩きし、誤解もありましたが、やはりそれだけの負担をしていただくということが、この京都のまちの将来のまちづくりにこれだけ関わっているんだということを認識していただくことが非常に大切でありますから、市民優先価格に関しては、ある種その市民識別という仕組みを通じて、それはおそらく交通系ICカードにマイナンバーカードを紐付けすることになると思いますし、マイナンバーカードをお持ちでない方の場合は、少し手間はかかるかもしれませんが、しっかり対応するようにしたいと思いますが、その仕組み、市民と非市民で料金に価格差がつけられるんだという仕組みが導入されるということを、これが他の民間の一般の事業者の方々も使用可能になるということですね。これは非常に仕組みとしては面白い。面白いというか、デュアルプライシングと言われるような複数価格が設定できる。あるいは他の一般の民間の方々でも、一般の料金をこれくらいにしておいて、市民には優先して市民の方々には還元しますよというような、そういう料金設定が可能になるということですので、これからのやはり観光文化都市としての京都として、色々な値付けというものをどう考えていくかということについて、これは幅広く我々が素材は提供するだけで、一般の方々がそれをどう活用されるかは皆様のお気持ち次第だと思いますが、一つの大きな社会実験にもなり得るし、観光都市としての京都の、色々な料金を設定するときに活用可能なインフラストラクチャーを提供することになるのではないかとは思っております。
記者
宿泊税のことが出ましたので、改めて宿泊税のことを伺いたいんですけれども、宿泊税の場合は目的税となっておりまして、観光に資する取組のために使うというのが大前提でございます。本日の発表の中でも、宿泊税についても、財源としてどのようなものに使うかというのをご紹介いただきましたけれど、文化財だとか、必ずしも観光という風に一致しないような、パッと、思いつかないようなものとかも色々挙げられていらっしゃいましたけれど、改めてこの宿泊税というものをどういう風に捉えてらっしゃって、どんな用途に使うとお考えなのか伺えますでしょうか。
市長
はい。お手元の配布資料スライドの中にもあったと思いますが、これはもう我々の従来の宿泊税の充当の考え方の中でも取り上げられていた、スライドに画面出せますかね。これですね。従来からこの考え方は、それぞれ、もちろん金額的に、過去の6年度、7年度まで含めて書いてありますが、この内容というのは、それぞれ宿泊税が充当される比率とかは違ってきますけれど、従来からこういう考え方で、いわゆる観光だけでなく、観光と文化は裏表で、観光の皆様のために京都を訪ねてもらうには、価値のある文化の力を強めていかなければいけない。あるいは品格ある景観創造、あるいは、都市基盤整備という意味で言うと、観光客の方々も含めて京都のインフラは使われるわけでありまして、一定のものについてはその観光客、何でも宿泊税を充てるものではなく、(5)なんかは一定程度、その観光客の利用比率に応じて使わせていただくというようなものでありますが、私の考え方として言うと、この(5)の都市基盤整備というところは、この増税分のところ、今回の宿泊税の見直しに伴う増収分はゼロにしておりまして、むしろやはり観光課題であるとか、京都の魅力につながるようなもの、町並み含めて、そういったものに重点を置いて、この宿泊税の見直しの財源は有効に活用させていただきたいと考えております。今、記者さんおっしゃった考え方、元々従来から我々としては、狭い意味での観光だけでなく、観光につながるようなものとして利用させていただいているという考え方でございますし、見直した時には、むしろ(5)というよりは、(1)から(4)についてそれぞれ重点的に使わせていただきたいと考えております。
記者
細かい個別な話になってしまうんですが、府市協調予算の部分の、銭湯の支援の部分なんですが、2月の予算で、市長はこれまでも銭湯の支援というものをやっていらっしゃってますけれど、なぜこの府市協調の中で銭湯というものが実現することになったのかということと、銭湯がコミュニティの維持発展にもつながる、子どもを通じて、親子なども参加するということで、非常に面白い説明だなと思ったんですけれど、その点について詳しく伺えますでしょうか。
市長
はい。銭湯はですね、補正でボイラーの改修の支援もつけさせていただいていて、私自身は、京都にずっと住んでおられる方々は「銭湯が減ってしまって寂しいな」とかいう思いがおありな方多いんですけど、実を言うとそれでもですね、大都市においてこれだけ銭湯があるまちというのは、特に首都圏なんかと比べますと、すごく貴重なんです。だからこれまで減ってきたというのは非常にもったいないことしたと思いますが、私はもうここで、もうそろそろ廃業というのを打ち止めにしたいという強い気持ちを持っています。なぜなら、やはりこれは失ってしまうと、なかなか新しい銭湯はできにくいです。正直言ってそんなに儲かる商売でもないし、仕事もきついですし、だから担っていただいている方には私はものすごい感謝を持っていますし、この銭湯というものが持つ値打ちというのは、誰よりもとは言わないけれど、それなりに自分自身も身に染みて感じているつもりであります。ということで、今年度今まさに、その補正のボイラー修繕予算もつけましたが、今スタンプラリーをやっていて、今日から立春の新しいスタンプになるこの変わり目なんですが、二十四節気のスタンプラリー、それから78湯の湯巡りというのも、そのダブルキャンペーンをやってるんですが、そういう話を府知事にしたら、府知事は、おそらく京都のまち中出身の方であって、下京区も非常に銭湯が多いまちであるということへの非常に馴染みを持っていただいていることと、やはりこの「子育て環境日本一」という意味で、銭湯を絆に、こうやって子どもたちを親御さんが一緒に銭湯に連れていくというのは、すごく良い文化だなという風に思っていただいたんじゃないかと思います。焚き火ミーティングを市役所前広場でやった時に、ちょうど銭湯のキャンペーン、そのスタンプラリーをやる初期だったと思うんで、近くの銭湯を一緒に覗かせていただいて、知事が「いいな」と、やっぱり寒い時期の銭湯もいいし、こうやってお子さんたちがご家族で、親子連れで来られるというのはすごい魅力だなという風におっしゃっていただいた記憶があるところであります。おそらく「子育て環境日本一」を目指すまちであるということとか、京都のまちの特性を熟知していただいている府知事が、そこも含めて、府市協調でこれをやろうという風に思っていただいたのは、そのあたりの背景もあったんじゃないかなと思います。もちろん、この銭湯というのはそもそも、同業組合は府の所管であり、この公定料金550円というのは府が見直すわけでありまして、当然、京都府として銭湯の組合に対して所管もされていますし、府のスタッフの方々含めて思い入れがあったことも当然であります。
記者
宿泊税の話にちょっと戻るんですけれども、先ほど市民優先価格のご説明の中で、宿泊税に関しても触れていただいて、その1万円という、それだけの負担をしていただくことによって、これだけ京都が変わっているんだと認識してもらうことが大切だというお話がありましたが、今回、増税分を使って色々な事業をされるということをお話いただいて、どこにその「変わっているんだ」というのを実感できるようなものがあるのか、そのあたりを教えていただけますでしょうか?
市長
はい。具体的に言うと、どこにというか、先ほど申し上げたような幅広い分野に活用させていただきますので、やはり観光課題の具体的な解決、その混雑の解消に向けてどんなことをしていくのか、あるいは京都らしい、例えば町並み整備。これ、町並みのことですから、一朝一夕に町並みがガラッと変わるということはないわけですが、やはりこの宿泊税の財源をもとに、こういう観光課題の解決につながっている、あるいは町並みがこういうふうに保全につながっていく。あるいは、例えば、路面なんかで無電柱化の取組とかね、そういうようなものは、やはり非常に色々なニーズがあるわけです。このまちも、ここの通りも非常に美しいまちとして観光客の方々にも楽しんでいただきたいものですし、文化財なんかも、従来だったら、なかなか京都は重要文化財の修繕もできてないし、京都市指定の文化財についての修理サイクルもしっかり確立していない、なかなか支援ができていない。そういったものを一つ一つ拾っていく。これから時間かけてでもそこに対して支援をしていくということが必要かなと思っております。どういう風に、ご質問の趣旨は、もう少し具体的にここを聞きたいというのがありますか。
記者
町並みとか、その保全につながっていくというところを、その高い、人によっては高いと感じられるような値段を払って、その貢献しているんだという気持ちを得るうえで、今回の予算で提示していただいた中で、どこからそういう風に貢献しているんだというのを得ることができるのかというのを、負担されている方々から見て、お伺いできますでしょうか。
市長
私自身、いただいている立場から言うと謙虚でなければいけないとは思っていますが、例えば、非常に高額の宿泊施設もたくさんできてきています。その中で一番最大のパーセンテージで、10万円のルームチャージに対して1万円のご負担をいただく。これがすごく、例えば色々な京都に来られるお客様、あるいは「ここから宿泊税を引き上げます」と、昨年色々な報道があって、一部その1万円の部分だけ切り取られた報道もありましたが、しかし話をしていく中で、その比率がものすごく高くて「なんでそんな京都でそんな高いお金払わなければいけないんだ」というお声はあんまりいただかないんです。当然、一番ベースになるベーシックな所は宿泊税を引き上げておりません。若者たちが泊まるようなゲストハウスのような所であるとか、あるいはビジネスホテルでも、例えば京都市内中心部においても、そこの宿泊料金のレンジで言うと、宿泊税負担は変わらないような形であり、そういった意味では、これに対してものすごく不当な負担を強いられているという意識はあまりないのではないかなと、今日時点で私が感じているのはですね。実際これが施行されてみて、どのような反応があるかというのは、私も注視していかなければいけないと思っています。その中で、具体的にこの宿泊税が「こういう形で使われていますよ」というような形を、しっかり負担者の方々にも広報し、そして同時に、市民の皆様にも「この宿泊税、この観光客の方々に対してね」ということを説明していかなければいけない。やはり市民の皆様の中には、先ほど申し上げた民泊とちょっと相通じるんですが、「観光客がたくさん来られて京都が騒がしくなった」とか「静かな京都を取り戻してほしい」という声があるんですよね。そういう市民の皆様に対して、「こういう宿泊税の負担、あるいは市民優先価格によるちょっと協力的な負担によって、こういうことができるようになりましたよ」ということをしっかり説明していくような形を取っていかなければいけない。それは小さなことかもしれませんが、例えばこの前申し上げた、市バスの、前乗り後降りのバス停を整備するのに伴うようなお金が20億円もかかると想定されている。これに宿泊税をどれだけ投入するかというのは、これからの議論なわけですが、例えばこういうことを一つ一つの事業を基にしても、「宿泊税があったからこそ、これができているんですよ」というようなこと、あるいは「宿泊税の財源があるからこそ、これだけのものができているんだよ」と。あるいは「市民優先価格によってこれだけのものが具体的に実現している」というような形で、これは今日時点ではまだ言えないのは申し訳ないですが、それを具体的に積み上げて説明していくということが、この市の事業にとっては大切なことです。かなり「ディープポケット」という言葉があるんです。要するに、負担する懐からたくさん取ればいいという、そういう考え方で我々は宿泊税の負担を求めているわけではない。「取れるところから取ってしまえ」ということではなくて、むしろ市外の人たちも京都の魅力を保持する、先ほど申し上げた文化財なんかを、なかなか保持できない。今まで国宝とか重要文化財を修理するところについても、もちろん国はある程度手当てはしていますが、それ以上に、個々のお寺さんとかが、具体的にその例えば拝観料をしっかり積み立てて、そういうものに手当てをしておられるという、そういう状況の中で保持されていたけれど、本来であれば文化財について言うともう少し京都市がしっかりとした支援もする。全部はできないんですけれど、そういうことをちゃんと一つ一つ積み重ねていくことによって、この文化観光都市京都が、将来的に、持続的な発展、あるいは我々が受け継いできた資産というものを将来にわたって継承できる。それに貢献していただくという意識で、色々な市外の方々にも何らかの形で財源を担っていただく。その説明をしていくことが大事だと思います。
記者
事業の中で修学旅行生の誘致というお話がありましたけれども、一般的に見れば、修学旅行といえば京都、あるいは奈良だという考え方を持たれている方、以前は多いと思うんですけれども、こういう状況の中で積極的に誘致していくというところなので、市としての修学旅行生に対する認識を改めて伺えればと思います。
市長
はい。皆様当然ここにいらっしゃる方は全員ご存知だと思いますが、もちろん宿泊税は教育旅行は対象外であります。やはり15歳人口、18歳人口というのがこれからますます減っていく中で、京都ファンの入口が私は修学旅行だと思っています。修学旅行で来て京都の魅力に触れて、京都の大学に進学したいと思われたり、京都に就職したいと思われる方であったり、あるいは進学、就職までは行かなくても、やはり京都にまた来たいな。多感な時期に京都の魅力に触れていただくということはすごく大事であって、それは、全体として少子化の中で修学旅行人口自体が減っている中で、中にはやはり海外に行かれる、あるいは他のまちで色々な体験型の研修事業に振り向けていこうという方々の比率が少しずつ増えてきていて、やはり京都の修学旅行の将来について、これはもう観光の業界の方々ともずっと話をしていることですが、やはり先行きも楽観できない。やはり京都ファンの入り口をしっかり確保していきたいというのが最大の意識であります。これはある程度先が見えているんです。他の季節的な、例えば今中国の方々が渡航自粛の呼びかけがあって団体客が減っていると、これはどうなるかよく分からないですよね。でも修学旅行の場合は、確実にその事業の性格からいって2年後ぐらいのことも決まっているんです。そういう意味では、他のまちは、「修学旅といえば京都、奈良」とおっしゃいましたが、いえいえ、むしろ時間的な余裕を持って「うちのまちに来てくださったらこんな社会的経験ができます。こんな過去の戦争の遺産を見てもらえます」と積極的に誘致されている状況の中で、我々は京都の価値を将来にわたって継承していくためには、そこをやはりある意味では競争して、京都のまちに来ていただく。観光地だけ巡るということだと、ちょっと時間的に、従来よりは混雑しているスポットを見るということだと時間は読めないかもしれませんが、例えばこんな体験型、先ほどから申し上げているように「職人のまち、京都」ですから、その職人の体験ができる、あるいは大学と連携する、あるいは「京都はものづくりのまち」でもあって企業と連携する。そういう意味では、社会的な学びというものの幅を広げていって、従来の狭い意味での観光都市としての京都への修学旅行ということだけではない、京都の奥行きの広さというものを味わっていただく。そしてそのことは、実は観光客の将来の京都ファンである修学旅行生の誘致だけでなく、修学旅行生の方々に対する体験のプログラムをつくるということが、先ほど申し上げた「京都学藝衆」という意味で、例えば京都の中学生とか高校生にとっても体験の場になるような場もつくり得るし、場合によっては海外から京都に留学で来ている方々に対して、京都の「そんな職人の魅力があるのか」「そんな庭づくりの魅力があるのか」「そんな和食づくりの魅力があるのか」といったことを体験していただくことによって、京都の価値の再発見とか継承につながるようなプログラムを開発していくことができたら、単に狭い意味での観光ということだけではなくて、京都のまち自体の将来の発展、継続的な発展性につながっていくような事業、そういったものを開発していきたいと考えています。
記者
まず宿泊税についてです。先ほどもう少し中国人観光客の団体旅行減っているというお話もありましたが、この影響は宿泊税にはどれくらい出ると考えられているのか、それを踏まえての予算になっているのかというところを教えてください。
市長
はい。正直それは読み切れていません。昨年の秋は比較的中国人の観光客の方々は少ない、一年を通じて言うと、他の観光客の方が多い割には中国人の観光客はそれほど秋は多い状況ではないので、影響はある程度限定されたものだったとは思います。それでも12月なんかは、宿泊者数で言うと相当程度の減少にはなっています。まだ1月とか、一番本番はこの今月2月だと思いますが、これがどのような影響が続くのかということは、我々注視していかなければいけないとは思っております。ただ、全体として言えば、どこかの国だけに頼ることなく、様々な地域の、世界中の地域の方々から、あるいは日本中の京都ファンのコアなファンの方々から、繰り返し訪れていただきたい。そういうまちでありたいとは思っておりますので、それを非常に大きな打撃とだけ捉えるのではなく、しっかり影響を注視しながら、落ち着いた、息の長い観光対策を続けていかなければいけないとは思っています。実際のこの中国からの旅行客が、どれくらいこの減少が続くのかということについては、今の時点でこの宿泊税の収入であるとかには、あくまでもこれは一つの目安としての収入の積み上げであり、それを実際の宿泊税収入を見ながら、執行していかなければいけないので、そこには入っておりません。しかし、しっかり先ほど申し上げたような宿泊税の趣旨が、皆様方に負担していただく皆様方にとっても、あるいは仲介していただく皆様方にとっても、そして何より市民の皆様にとって、こういうご負担をいただいているということが、こういうまちづくりにつながっていくんだ、ということを説明していかなければいけない。それは物によっては、単年度で出てくるものではなくて、例えばやはり一つの大きな要素としては、かつてのコロナのようなことが起こった時に、ものすごく観光業界はもう死活問題に関わるような状況だったわけです。そういった災害時とか、大きな流行性疾患があって、宿泊あるいは旅行を自粛するということがあった時に、我々がどういう風にそれを耐え抜いて、回復していくのかというようなことも含めて、宿泊税というのは活用させていただきたいと思っているんですが、そうしたことも含めて、宿泊税の使途がどのように市民生活に役立っていくのか、京都のまちの魅力の保持に役立っていくのかということを説明していかなければいけないとは思っております。 例えば文化財の修理もそうですね。京都市の指定の文化財の修理サイクル自体ができていないんです。だからそれは、どれぐらいの文化財についてどれぐらいのサイクルで修理をしていくのかということをしっかり、まず調査をして、宿泊税の財源の一定の割合を使わせていただいて、その文化財の修理に充てていくという発想も必要ですし、今申し上げたような、何かあった時の災害とか、大規模な流行性疾患のようなものが起こった時の対応というものは、これはある種のそういう時のための積立金のようなものも必要でしょうし、そういったものも含めて、ちゃんと市民には「こういう用途に、こういう具体的な事業に宿泊税が使わせていただいております」ということを申し上げる必要があると思っています。
記者
市民優先価格について、先ほどのお話で、市民と市民以外で相当程度の幅ができるというような話があったと思いますが、市民は安くなるとは現時点では言えないんですか。
市長
はい。現時点ではまだ。ただ、私この会見で何回か言っていると思いますが、公共交通、特にバスは、人件費も上がっています、燃料費も上がっています。色々な車両の整備にかかる費用もみんな上がっています。ですから、基本的に公共交通というのは、皆様ご承知のように全部値上げ、値上げの基調の中で、私はこの機会に料金改定をするということだと思っています。その料金改定の中で、できることなら市民優先価格という言葉をずっと使い続けていますので、その料金改定する中で、ある程度それは。我々は色々な大企業に対して、中小企業なんかを含めても「価格転嫁をしてください」と言っているわけですね。要するに、それだけコストが上がった分は転嫁をしないとおかしい。どこかが負担するというのは本当はおかしいので、本当はそういうことも考えながら、新たな料金改定の中で主軸となる料金を決めた上で、そこからある程度でも市民の方々は割引したい。そして、市としてある程度市外の方々がそれを負担するような仕組みを構築したいと考えております。その実際の仕上がりの市民優先料金という水準が、例えば均一区間において今230円なのを、それが下げられるかどうかというのは、まだ今ここで申し上げる時期ではありませんが、それをできるだけ早急に、年度内にできることの中で、年度内ぐらいには、それをしっかりとお示ししたいなと。その後の制度設計をしたりするうえでも、ある程度その目処を年度内ぐらいにつけたいなとは思っております。
記者
市民優先価格は、これまで導入までに色々な課題があると認識しております。その中でも、道路運送法上の課題があったかなと思うんですが、市民と市民以外で差をつけるということが不当な差別に当たるかどうかというところも議論があったと思いますが、今回、関連予算が盛り込まれたということで、このあたりは、国と協議を進める中で目処が立ったということでよろしいのでしょうか。
市長
はい。ある程度こういう形で、令和8年度に予算計上するということも含めて、国とはご相談をしております。ただ、今おっしゃった点について、最終的にこれが国として了解というところまで来ているわけではないので、それも含めて、この令和8年度予算を2月議会で審議し、3月にはそれを採決していただく、その前提で、国と協議も大詰めに差し掛かっているという状況と認識していただければありがたいと思います。
記者
京都学藝衆構想の取組についてお聞きしたいんですけれども、庁内の事業として挙げられて、趣旨も分かるんですが、行政の制度や予算に落とし込むという意味で考えると、今回の予算の規模感からすると少し見えないところがあるような気がするんですけれども、実際、市長からすると、この予算規模の反映といったところと、内容も、既存事業と見えなくもないんですが、そのあたりの強調したい点として、どのような点があるのかを改めて教えてもらえますでしょうか。
市長
はい。そもそも、これは箱モノをつくるという事業ではないので、「これが京都学藝衆構想です」という予算として、新規のものが一つの塊があるわけではないんです。もう一つあるのは、やはり令和8年度は、私から言えば、これを試行的に動かし始めるという考え方なので、どちらかというと、間口を広げて、色々な、おっしゃったような既存のものも含めて、最初に「京都学藝衆構想」という構想を申し上げた時に、色々な、例えば「ようこそアーティスト」のような事業があるとか、色々並んでいるようなものとか、各区役所で「こんな区民の間での交流事業でこんなものがあります」というような話は最初から受け取ってはいるんです。ただ、それをもっと組織化してやれないかという時に、まず走り出すべきではないかという風に考えたのが、リストアップされているような事業の集積であります。そういう意味では、各部局が持っている従来の根っこにあるものを、もう一度「京都学藝衆構想」というスクリーニングで見てみたらどうかと。その中で、やはり場をつくってみる。あるいは人、どういう人たちがそれを教える人として、あるいは学びを教える場をつくる人、あるいはコーディネーター。そういった人たち、場、コーディネーション、それから人、実際の職人芸であると。それをしっかり動かしながら構築していく。それが必要かなと思って事業として始めた。要するに、ずっと考えて「はい、これが京都学藝衆構想です」というよりは、今あるもので、その発想において、非常に親近感が強い、親和性の強いものをとりあえず具体化して始めて、じゃあそれを継続する中で、継続していくために何が必要なのか、あるいはそれを横展開していくために何が必要なのか、それを走り出すというのがこの令和8年度だと思います。その中で具体的に私、色々な組合、例えば身近なところで言うと、造園業の組合の方々に話をしながら、「京都の庭作りというものについて、どんなプログラム、そんなの子どもたちにどんなものを教えていただけますか?」と。「あ、それ面白いですね。過去にこんなことをやったことがあるんです」というようなことの中で、「でも過去のその単発の事業をもうちょっと継続的にやって、色々な京都の高校生なんかにも幅広いプログラムを提供して、そこに社会人も入るようなものにしていくには、どういう場でどんなものを、連続講座としていったらいいですか」ということを議論する。あるいは日本料理家、和食の京都、すごい素晴らしい料理屋さんの組合があるわけですが、そこは、もちろん大学生とか、あるいは子どもたち向けの京料理、日本料理アカデミーというのもやっておられるわけですね。でもやはり高校生にそれをやる場はなかったんですよ。そうしたら「どんな形でじゃあ京料理、日本料理アカデミーの協力得て、具体的にどんなプログラムつくっていったらできますか?協力してもらえますか?」と。「いや、協力はします」と。「じゃあ具体的にそれをつくっていきましょう」と言って。単発ではあるかもしれない、単発ではあるかもしれないけど、それを組織化する。あるいはそれは、例えば高校生向けにあるとしたら、どんなやり方で、単に職人さんに「喋ってください」と言われてもできないかもしれないけれど、ある場で、どんな機材があって、どんな人たちを集めて、何人ぐらいのプログラムができますか、ということを、それぞれの主なプログラムごとに、私が何十、百とかいうレベルでそういうものが色々な連続講座のようなものをつくっていきたいと思っているんですが、それを今ある根っこの部分をどう使いながら、そこから教訓を得ながら横展開をしていくのか、あるいはそれを更に、例えば全世代型にどう対応していくのか、あるいは海外から一緒になって受け入れていきたいというものとどうコラボしていくのか。そういうことを考えていくと、割と壮大な市民講座というものをつくっていく事業になっていくと私は思っています。私の趣味でもあるんですが、それを大きな箱モノをつくって、大きな「なんとか京都学藝ホール」のようなものをつくってやるのではなくて、場は色々な所、それこそ区役所の会議室を使っていただいてもいいし、図書館を使っていただいてもいいし、寺社の境内を使っていただいてもいいし、学校を使っていただいてもいいし。その場をつくり、今事業の根っことしてあるもの、シーズと種となるようなものをどう膨らませていくか。膨らませていく中で、じゃあコーディネーターはどんな人をこれから専属で雇っていった方がいいのか。いや、それは専属じゃなくて、むしろこういう人をパートタイムで手伝ってもらった方がいいのか。あるいはその組合のような所、それは組合の中で色々な事業をやられるものはあるわけですよ。例えば西陣織工業組合というのがあります。会館もあって、組合として色々な伝統産業の継承のプログラムはないわけじゃないけれど、じゃあこういう学藝衆構想の中でやった時に、他の組合の方々がこんなことをやっておられる中で、もう一度工業組合としてはこんな形のプログラムをつくることができるんじゃないか。全て実は根っことなるものは、それは京都市役所、長い歴史もありますから、皆様優秀な人がいますから、何もないわけじゃないんです。あるものをさらにそれを横展開したり、深掘りをしていったり、要するにお茶の教室も、お花の教室も、京都の小学校、中学校であるわけですよね。だけど、じゃあそれが本当に継続して反復して、より幅広い方々がもっと気楽にお茶を学べる場、茶道、華道を学べる場、生け花を学べる場、生け花とか茶道、華道は比較的私は普及していると思いますけれど、それ以外の局面で、それ以外の色々な匠の技で、そういったものがないところもあれば、あっても非常に部分的、各学校によってもそういう授業やっていますというのはあるんですが、じゃあ幅広く能とか狂言に子どもたちが接して、これに関心持った子が学び続けられるような場があるかというと、必ずしも組織立っていない。それを組織化していきたいというのが私の思いであり、そういう意味では「今あるものを事業として出してください」と言ったんです。むしろ出してもらった中で、それを更に、もう一歩二歩ステップアップするために何が必要かということが、次の令和9年度以降の展開につながってくるものだと思っているので、むしろそれは大歓迎ということで、既存事業をむしろ使いながら、これを進化させていきたいと思ってます。
記者
人口減少のことも少しお聞きしたいんですけども、もちろん少子化対策とされていて、社会増減という話も対策あると思うんですけども、しかしながら、日本全国を見た時に、縮むのが前提の中で、そのまちづくりの方向性として、人口減少を踏まえたまちづくりの再構築といったことをお考えではないんでしょうか。
市長
はい。2つありましてね。1つは、今般発表されたものの中で、京都市の人口の流出が流入を上回っています。これは私は放置していいとは思っていないんです。放置していいとは思っていないし、現実に、流出幅は、今最新の数字は去年に比べてだいぶ減りました。ここしばらくで言うと、少なくとも私が市長になってからは、流出幅は減っています。これはできたら、流出幅は減らしていきたい。これは国内の人口流出の問題です。今、海外から留学生の方々も堅調に入ってきていただいているので、社会増減で言うと社会増には京都はなっています。そういう意味では、海外の方々をどう受け入れるかというのは、一つ間違うと、他のまちでもありますが、海外の方ばかり増えて、国内の方々の人口が減っていくと、それはそれで問題がありますから、ただ京都というまちは、やはり大学のまちでもありますし、留学生については、やはり歓迎していきたい。そういうクリエイティブな人材でもあり、それから京都の将来にもつながることだと思います。だから人口の流出というのは、できるだけ少なくしていきたいとは思っています。ただ、おっしゃるように、自然増ってなかなかないわけですよね。特に京都のような、割と若い人たちが多いまちで言うと、合計特殊出生率というのはどうしても低くなりがちであり、あるいは国内の人口増減も含めて言うと、流出を全く止められるかというと、そういうわけでもない。その時にできるだけの努力はします。それは先ほど申し上げたような、例えば企業誘致をするというのもその一つですし、子育て世代に対して、もっと魅力あるまちづくりをしていくのも一つであります。と同時に、これは学藝衆構想ともつながるんですが、私は京都の人口がトータルとして今143万ですが、これが多少減るというようなこと、それはあまり減らしたくはないけれど、減るという状況にある中で、仮に減ったとしても、京都のまちの魅力を損なわない、京都に対する愛着人口というようなものを、よく「関係人口」と言われますが、私の場合は、むしろ「関係人口」という概念は大切な概念だと思いますが、「京都を愛する愛着人口」というものを増やしていきたい。だからこそ、先ほどからずっと申し上げているような、京都にたくさんある専門的な職人芸、あるいは文化とか芸術とか学術の力のようなものは、しっかり保持していく努力をしなければいけない。それがしっかり、やはり京都に行って、京都で学ぼうとか、京都で修行しようとか、京都でできることだから部分的にであってもいいから仕事をしたいとかいう気持ち、京都愛というようなものが残っている限りにおいては、京都は滅びない。逆に言うと、人口が、仮にこれが首都圏のまちなんかが人口が増えているまちがありますよね。別にそのことを私貶すわけじゃなくて、人口増に対して一生懸命都市経営として努力されているのはリスペクトしますが、だけど人口が増えていれば京都の魅力が高まるのかというとそうではない。私は人口の増減に関係なく、京都の愛着人口のようなものをいかにこれからキープし、増やしていくか。そのことが大切だと思います。ですから観光でも、本当の京都ファンにとって、今の京都がひょっとしたら課題があって、ちょっと京都離れが起こっているとしたら、そっちの方がより深刻な問題なので、そこはちゃんとリサーチをしたいし、京都に息づいている職人芸というようなものをちゃんと保持していくことが、将来の京都の愛着人口を保持し、むしろ増やしていく。そのことは京都にとって極めて大切なことだと思って、この学藝衆構想のようなものを庁内的にも提案し、そして色々な形でそれを「じゃあ既存の事業でこういうものを市長が言っているようなもの、こういうものがあります」と。「あ、それいいじゃないですか」と。「じゃあそれを更に継続して深掘りしていきましょうよ」というような形で、今リストアップさせていただいている、そういう理解です。
記者
改めて、過去最大規模となった今回の新年度予算への思いと、仮に今回のキーワードとか、この予算を一言で名付けるとしたら何予算というのか教えてください。
市長
はい。先ほどの質問でもお答えしていますが、過去最大規模にはなったんですが、その内容的に言えば、今世の中全体がインフレになっているということで、税収もそれに伴って伸びている。当然、地価が不動産価格が上昇していれば、固定資産税の収入は増えます。企業の経済状況が良くなっていれば、それも増えます。あるいは所得もそうですね。と同時に、歳出面でも、人件費、あるいは社会福祉関係費用が伸びているという状況の中ですので、なんとかその中で、私が戦略的にやりたいというものについて、メニューとして俎上には上げさせていただいたというような予算だと思っています。そういう意味では、あまり私はそのキャッチフレーズ的に「この予算がなんとか」という風に名付けるのは、ちょっとそうするとそこだけ切り取られちゃうんで、あまりそういう言い方はしていませんが、やはり私が「突き抜ける世界都市京都」あるいは「居場所と出番のある京都」というものをつくるうえでの、本当に正念場になる予算だと思っています。その中で今まさに学藝衆構想についても言われたことですが、やはり京都への愛着というものを高めていきたい。市民にとっても愛着のあるまち。観光客の方々が来られて「やはり京都のまち、良くなっている」ように、観光客の力も使って、京都のまちの価値、潜在的な価値、先ほどの伝統的な職人さんの技というのは、今なぜ京都学藝衆構想を、とにかくこの状況でも立ち上げようと思ったかというと、やはりあと5年、10年すると、一線を退いてしまう、場合によっては命を落とされる可能性もあるような高齢の素晴らしい職人さんたちがいる時に、こういう事業を始めて、京都の中に眠っているような価値も含めて、もう一度それを見える化して、次の世代につなげていきたいし、それを市外から来られた方、あるいは海外から来られた方にもそれを学んでいただいて、彼らの目から見たらまた違う魅力があるかもしれない。それを発見していただきたい。そういう意味では、京都に対する愛着心というものを、京都市民にももう一度その愛着心を掘り起こし、そして市外の人は「京都にこんな魅力があるのか」ということを発見していただくような、その誘因をつくっていきたいというのが「学藝衆」であり、そのための、例えば宿泊税もそうですが、やはり京都に来ていただいて、京都のまちに貢献していただいて、京都で色々な美しさ、「価値」を発見していただいて、それを磨き上げる契機にしていきたいというような思いを込めた、新京都戦略の改定案であり、それについて、いよいよ私たちは覚悟を決めて、自分の任期も半ばですし、その新京都戦略を改定し、それを令和8年度、9年度にかけて、それこそもう一度気合を入れて、施策に取り組んでいきたい、そんな思いでおります。
一般質問
記者
予算にも絡むんですけども、文化財のことを結構京都市長おっしゃいましたけれども、例えば歴史関連施設なんか見ると、歴史資料館や考古資料館などありますが、老朽化していて貸し切り状態になったりすることがあります。ですから、文化や歴史を深く理解し、それらを活かすのであれば、京都市としてハブ機能的なものを持つ必要があるのではないかと思う部分と、一方で、二条城のこともおっしゃいましたが、二条城に行っても京都の歴史のことが全く分からない状況がある中で、おっしゃったように、京都のこと、京都の歴史のことを再評価し、それを市民に伝えていくための取組として、今の施設やその取組でいいのかという問題点はないでしょうか。
市長
大いにありますね。資料館の類いはやはり老朽化しています。国が文化財の修理センターというものを置いていただくことと合わせて、京都府や京都市も、しっかりその文化財、あるいは未指定の古文書のようなもの、こういうものをちゃんと収集してリストアップもできていないわけですね。それに対して、やはりしっかりそういうもの、京都の宝でもありますし、京都の歴史のものでもありますから、そういうものを保管し、収蔵し、そして修理し、そしてそれをしっかり市民に、あるいは市民だけでなく、国民、もっと言えば世界中に、それだけ素晴らしい文化財、広い意味での文化財を、展示も含めて共有していく。そういうスペースがまだまだ足りないし、そもそも保管・収蔵する場所も一杯一杯。ここも、どこまで手を広げるのかと、特に私有のものまで含めて言うとどこまで手を広げるのかという議論はありましたが、これは私も個人的にも仲良くさせていただいていますが、磯田先生なんかとお話をしていても、あとは他の色々な専門家の意見を聞いても、一つ間違うと、古いお宅が解体されて、大邸宅が解体されるという時に、場合によってはゴミのような扱いになって貴重なものが処分されてしまうというリスクもある中で、やはり手をつけていかなければいけないと思います。これも先ほどの話と同じで、まずその収蔵する館をどうつくり替えるかという議論もあるんですが、それ以前に、例えば修理サイクル、京都市指定のものに関する修理サイクルをどうつくっていくか、あるいは未指定のものについては、どういう風にその範囲を広げて、そしてどれぐらいあるかということについて、まず調査をしようじゃないか。あるいはそういうものを残していくということについて、市民理解を得なければいけないのではないか、という議論から、今回、少し目途をつけさせていただいた次第であります。本当は、それをしっかり今申し上げられたような、それこそ国も、色々な文化財の保存修理というものについて、京都に一定の機能を持たれるわけですから、今後、文化庁や、あるいは京都府とも含めて、そうした機能をどう高めていくのか、あるいは京都市の中で、そういうものに適した場所が確保できるのかどうか。将来的に、そうしたものについて、例えば箱モノを、やはり箱モノがなければ収蔵もできないし、保管・修理もできないし、それを展示することもできないとするならば、どういう所でその機能を果たしていくのか。これはそれこそ、そういう話になってくると、先程の最大規模の収支均衡という議論をしておりますけれど、それでも今申し上げたようなものが、予算としては十分入れられていないわけですね。それを例えば宿泊税を、あるいは京都の独自財源を、どこまで使いながらそれに投資していくのかということも含めて、やはり詰める、ようやくそのとっかかりに入った。我々もある程度財源について、それなりの財源で少しその議論をし始めようというところまでは来たけれど、図書館も直さなければいけない。スポーツ施設だって、西京極など老朽化している。京都コンサートホールの大規模改修もある。様々な公共的な事業、あるいはインフラ整備の事業ももちろんあります。そんなものがある中で、どこまでのものを投資できるかというと、先ほど申し上げているような、私はまだまだ過少投資、投資していかなければいけないものは山ほどある中で、どう選別しながら、財政は決して楽になっている状況ではない中で、どう選別しながら、本当の将来の京都の魅力の一番根源になっているような、そういう文化財、歴史的資料というものを、どうこれから我々は、そこの収集、管理、共有というものに力を注いでいくか、重要な課題だと思います。
記者配布資料
記者会見資料(PDF形式, 3.54MB)
新京都戦略(改定案)(PDF形式, 3.48MB)
新京都戦略(案)政策集(PDF形式, 4.58MB)
京都学藝衆構想に関連する主な新規・充実予算(PDF形式, 1.33MB)

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お問い合わせ先
(新京都戦略の改定に関すること)
京都市総合企画局市長公室政策企画調整担当(TEL:075‐222‐3035)
京都市行財政局財政室(TEL:075‐222‐3288)
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京都市行財政局人事部人事課(TEL:075‐222‐4572)
(令和8年度当初予算案に関すること)
京都市行財政局財政室(TEL:075‐222‐3288)




