スマートフォン表示用の情報をスキップ

市長記者会見(2025年9月12日)

ページ番号345804

2025年10月2日

「「京都マラソン2026」プラチナパートナー(冠協賛)の決定」、「令和7年度9月補正予算案」について、京都市長が記者会見を実施しました。

(補足)発表内容は、令和7年9月12日時点の情報です。

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

(「京都マラソン2026」プラチナパートナー(冠協賛)の決定について)https://youtu.be/b050xbINzJo外部サイトへリンクします

(令和7年度9月補正予算案)https://youtu.be/LRBT4nEJUAY外部サイトへリンクします

また、当日の配布資料はこちらをクリックしてください。

(発表案件1)「京都マラソン2026」プラチナパートナー(冠協賛)の決定について

松井市長

 はい、おはようございます。よろしくお願いします。最初は発表案件の1つ目、京都マラソン2026についてでございます。来年2月開催の京都マラソン2026協賛企業の最上位に位置づけるプラチナパートナーが決定したことについて、発表させていただきます。

 まず最初、プラチナパートナー、冠協賛についてということでございます。来年2月の開催で京都マラソン15回目になります。プラチナパートナーというのは、いわゆる冠協賛、大会名称に企業名等を冠することができるトップパートナーのことであります。現在、大型市民マラソン、これは東京マラソンなども含めまして全国で40を超える大会がありますけれど、この度の冠協賛は国内の大型市民マラソンの中では、初めての試みであります。

 次のページ。この度、地元京都はもちろん日本、世界中のエンターテイメントを牽引してこられた任天堂株式会社様のお力添えを賜る運びになりました。この場を借りまして改めて感謝を申し上げたいと思っております。

 次のページお願いいたします。任天堂様をもう改めて私が御紹介するまでもないと思うんですが、1889年に創業で、1983年ファミリーコンピュータを発売して以来現在ではNintendoSwitchを代表とするゲーム専用機のハードウェア・ソフトウェアを開発・製造・販売されているということで、これまでに8億6,000万台以上のハードウェアと59億本以上のソフトウェアを世界に送り出しておられる。もはや固有名詞ではなくて、一般名詞としても世界中で名前が届いてる京都本拠の会社でございます。

 次のページお願いします。そういう意味では、もう私がいちいち申し上げるまでもないと思いますが、代表的なゲームシリーズはスーパーマリオブラザーズ、ドンキーコング、どうぶつの森などを多くのゲームを送り出しておられるほか、映画、あるいはテーマパークを通じて人々を笑顔にするための体験を世界中に提供しておられる会社でありまして、加えて、地域社会への貢献活動にもこれまでも取り組んでこられて、地元京都への御貢献という意味でも京都が世界に誇る、そして地域として誇りをいただいている会社でございます。

 次のページでございますが、冠協賛の企画についてお知らせいたします。一つは、大会名であります。現在京都マラソン2026という表記をしている大会名について、今後、任天堂様と協議の上、具体的な冠表記を決定し、様々な方法媒体あるいは大会当日も各種機材に掲載し活用させていただきます。二つ目はアスリートビブス、いわゆるゼッケンでありますね。この上段にNintendo社名ロゴを掲載するほか、背面ビブスも復活させ、これも任天堂様にデザインさせていただく予定になっております。

 次のページお願いします。大会でありますが、概要として、2026の大会は2月15日日曜日に開催することになります。書いてありますように、今このような形になっております。ランナー募集というのは9月22日までまだ時間がありますので、今たくさんのエントリーを既にいただいておりますが、さらに奮ってエントリーをいただければありがたいと思っております。現時点で京都マラソンについてお知らせできることは以上のとおりでございます。

 昨今の物価高、人件費の高騰を受けまして、京都マラソンでも運営費が非常に増加をしております。収支は厳しさを増しておりまして、皆さん御承知のように令和7年度当初予算案では、6年ぶりに一般財源を投入することについて市会でも御承認いただいているところでありますが、京都市としてはですね、公費の投入を前提にせず、精一杯努力を重ねていくと、その方針で取り組んでまいりましたし、市会でもその面、私から答弁させていただいているところであります。この京都マラソン、京都の冬の風物詩になってるわけでありますが、これまでからも、市民はもちろん毎年多くの企業・団体の皆さんの力添えを賜ってまいりました。まさに京都のまちの財産と言っても過言ではない京都マラソンを、これからもしっかりと実施していかなければいけませんし、新京都戦略でも掲げておりますように日本国内はもとより世界中から多彩な多様な人々が集い、つながり、混じり合うことがその具体的な今後の京都マラソンを支え、そして京都のまち自体を発展させる大きな礎になると思っておりまして、この一大イベント京都マラソンというものはしっかりと発展継続させていただかなければいけない。そのためにも大きな追い風、御支援をいただいたということだと認識しておりまして、改めて関係各位の御尽力、そして御協力に感謝をいたします。そして、最初にもちょっとスライドで申し上げましたが、こちらの会見の内容は明日9月13日の午前0時まで機密扱いということで、何卒御協力をいただきますようによろしくお願いいたします。発表案件1については以上でございます。

(発表案件2)令和7年度9月補正予算案

松井市長

 お手元にあります、補正予算を御説明申し上げます。最初、3ページ目です。今回、9月補正の考え方について申し上げます。令和6年度の黒字決算や、国の臨時交付金を活用して、4つの柱で予算を編成しております。柱の1つ目は、急激な物価高や今後のインフレ局面に適応していくため、市民生活事業者の下支えを実施して市民の暮らしの維持向上と、地域企業の経営基盤を強化することであります。柱の2つ目は、新たな公共交通体系の構築に向けて、自動運転バスの導入に着手することであります。3つ目は、極めて厳しい経営状況にある京都市立病院の今後の在り方について、あらゆる可能性を検討するということが3つ目なんですが、4つ目の柱は将来世代に配慮した行財政運営に向けての公債償還基金の計画外の取り崩し、いわゆる過去負債を計画的に返済するということでございまして、規模については一般会計特別会計合わせて71億円。その構成はスライドに書いているところでありまして、財調基金35億円、あるいは国の補助金になど活用させていただいております。

 具体的にその柱の1つ目から御説明します。柱の1つ目は、現状認識でありますが、前提としてデフレ局面からインフレ傾向になるということは、これは企業活動の活性化という意味においてはその促進、あるいは市民所得の増。市民暮らしの向上につながるために、経済の成長にとっては重要なことではありますが、課題としては先ほど来もうお話が出てますが、物価の急激な上昇、あるいはその上昇の中で、市民生活事業者が非常に厳しい環境に置かれているという状況でありまして、市民所得は伸びておりますけれど、実質賃金はマイナス基調でありまして、日常生活に欠かせない光熱費や、食料品などの物価上昇に賃金が追いついていない。市民の皆さんの暮らしの向上を、実感できてない状況にあるということは、大きな課題であると思います。市内事業者、ここに書かせていただいたように、一部には価格転嫁や設備投資の進展も見られますけれど、やはり担い手不足、あるいは物価高に経営上の不安を感じているという声もたくさん聞かれておりまして、さらなる経営基盤の強化が求められています。

 今後の方向性でありますが、今後想定されるインフレ局面に適用できるように継続的な効果を見据えた対策を講じるということが大切であると思います。そして同時に、市民の皆さん、事業者の皆さんができる限りの恩恵を実感できるような、市民の暮らしの維持向上、地域企業の経営基盤の強化につながるような予算を計上しておりまして、次のページお願いします。この市民の暮らしの維持向上に6億円。内容的には、省エネ家電の買い替え、ここに書かせていただいたような、エアコン冷蔵庫1万3,000台分ということで、2億6,000万円を計上させていただいておりまして、御家庭の電気代の負担を軽減するためには、省エネ基準を達成しているエアコン冷蔵庫への買い替えを支援するものでありまして、これは省エネ家電の買い替えを促進することによって、中長期的に御家庭の電気代の節約に寄与するものだと考えております。

 次のページお願いします。この2つ目でありますが、学校給食の保護者負担の軽減で、これは先ほど申し上げた物価の高騰、特に食材費が高騰しておりまして、これはもう予算額が今の状況でいうと、米・牛乳価格の高騰で不足が生じます。その分についてしっかり追加支援をしていきたいということで、これによって小学校の給食では児童生徒1人について年間1万2700円の軽減となるというふうに試算しております。

 3つ目の内容としては、子どもの見守り活動を行う団体を追加支援ということで、子ども食堂あるいは子育て家庭の食品配送など、子どもの見守り活動に取り組む団体の、この団体自身も非常に厳しい状況ですし、その食材費の高騰でその中身がやっぱりちょっとずつ減ってしまっているという状況もあって、そうした取組を支援するための追加支援として、800万円を計上させていただいております。

 次の8ページを御覧ください。先ほど申し上げましたような市民の生活の支援もありますけれど、地域企業の経営基盤の強化も大切でありまして、6億円を計上させていただきまして、中小事業者の省エネリノベーションに2億3,000万円、中小企業や医療法人、社会福祉法人学校法人など、中小事業者の方々に対して空調設備、照明機器などの省エネ設備の導入を支援することで、光熱費の負担軽減を図るということでございます。当然リノベーションということでもあります。

 それから、銭湯であります。銭湯の利用料金というのは、自らの経営判断で公定価格ですので、価格転嫁ができません。そんな状況の中で当然これ大変なエネルギーを使うものでありまして、物価高の影響によって今経営環境が厳しい状況にあります。高効率なボイラーの改修更新経費の支援を充実するということで、これまでに比べて相当思い切ったものを今回、上限額を大幅に上乗せしまして、補助率も4分の3ということでしっかりとした支援をしていっていただきたい、存続に努めていきたい。と言いますのは、もちろんこの物価高対策ということもありますが、私は、銭湯は地域コミュニティの結節点としての役割を今後ますます担っていただかなければいけないと思っておりまして、経営環境が厳しい中でも銭湯が経営改善に向けて高効率なボイラーなど浴場設備を改修更新していただくことについて、何らかの後押しができないかと考えての判断でございます。

 そして、次のページをお願いします。(6)は、デジタル化推進プロジェクトでありまして、これは地域企業の皆さんにとっては非常に喜んでいただいているものであります。ただ、やはりどんどんデジタル技術というのも進展しておりまして、この生産性高めていくためのデジタル化に取り組む、市内中小企業等に対して、IT専門家派遣による伴走支援、導入経費の支援を実施するということで、デジタル導入枠、展開枠それぞれ補助率若干違いますけれど、そして上限額も違いますけど、計200件を確保していきたいということでございます。

 10ページお願いします。これは既に予算化していますが、非常に事業者の皆様からニーズが豊富で、まだまだ足りなかったというものについて商店街のエネルギー環境の整備の支援、アーケード改良等などの省エネ化。非常に好評なもの、あるいは農林業の経営改善や供給力強化に資する設備の導入についても同じでございまして、申請数が非常に高まっておりますので、これはもちろん高温化とかいろんな形の中で経営安定、さらに必要だということがありまして、これも追加支援を計上させていただきます。

 次、2つ目の柱でございますが、新たな交通体系の整備ということで、全国的にいろんなところで非常事態宣言もさせていただいてますが、バスの運転手さんの担い手不足、あるいは都市部での混雑、郊外での利用者の減少など、市営交通も経営改善は進んではいますが、根本的にはもっと例えば観光特急バスももっと走らせたい平日も走らせたいけど、そもそもバスの運転手さんがいらっしゃらないみたいな課題がありまして、今後都市交通の未来について検討していくことが必要。そして自動運転技術は、まさに、日進月歩で進化しておりまして、従来はなかなかそれは難しいんじゃないかと思ってたことが着実にいろんな街でも取組が進んでおります。そんな状況の中で、市民の利用者の皆さんの利便向上、あるいは地域の活性化、交通課題の解決というのは、例えば将来的にそのことによってより事故を減少させていくという可能性もありますし、もちろん今の担い手不足の中で路線をどうやって維持するかというような課題解決につながるような新しい可能性の広がりを積極的に取り組んでいかなければいけないと思いまして、大きな可能性を持つ自動運転バスの実装化に着手するという判断をいたしました。

 次のページお願いします。具体的には、市営交通としての政令市初の自動運転バスの導入に向けた実証実験に4,700万円を計上させていただいておりまして、これは特に自動運転バスということで市交通局等との連携の下で実証実験を行っていくということで、本年度としては実証実験の実施に係る調査をまずやる。課題把握やルート・車両選定の調査を行う。そして、調査結果を踏まえて自動運転バスの運行実証実験、レベル2から入らざるを得ないわけでありまして、あるいはその市民の試乗体験というようなことも含めて、本年度に何とかやってしまいたい。そして、当然のことながら次年度予算についてはこれから検討を進めなければいけませんが、私としては令和8年度以降にレベル4の実証実験を行って、技術のさらなる進展、国の法整備を注意しつつ、これは国交省などもいろんな要望もあって訪問する中で国交省の幹部などとも、意見交換しながらここをどんどんダイナミックに動いてますよという話もいただきながら、私たちはちょっと目標高いかもしれませんが、令和10年度にレベル4の実装化を目標として、自動運転バスの導入に向けた実証実験に着手するというふうに判断をさせていただきました。レベル2とか4はそこに注記させていただいているのを御覧ください。

 次の大きな柱でありますが、京都市立病院の今後の在り方の検討、そして資金繰り支援であります。自動運転の実験という前向きな話もありますが、非常に我々としては深刻な課題も抱えております。具体的に言いますと、現状認識がここに書かさせていただいたとおりでありますが、全国的に病院の入院日数というのは、短縮傾向であります。延べ患者数も減少傾向であります。民間病院の方々からも、例えば私病協の皆さんからも何度も私も要望を受けてますが、民間の病院も非常に厳しい。多くの病院が赤字状況にありますが、全国的に公立病院も非常に厳しい状況であります。病床稼働率は71%と伸び悩んでおります。いろんな努力を6年度から昨年も非常に決算で赤字が出てますので、私としては、しっかり市役所としてもそれを当然のことながら市役所を本体としても寄り添っていかなければいけないし、いろんな改革努力を直接的に厳しいことも言わせていただいております。そして、実は一定の経営改善の努力をしてもらえることも事実であります。収入増があった、あるいは減というのもあったということもありますが、一定の努力がされてますが、それを上回るようなやはり経営環境の悪化というのがこれは京都市立病院に限らずある状況の中で、このような赤字決算になってしまっておりまして、特にそのフローだけではなくて、7年度に債務超過に転落する見通しであって、運転資金も枯渇するし、資金繰りが極めて厳しい状況でありまして、赤囲みにさせていただいておりますが、やはり危機的な経営状況であるというふうに言わざるを得ません。そして持続可能な運営というのがこのままでは困難な状況で、じゃあこのままの状況で足らざるところを市が補填するということで、この状況がさらに私は改善する、努力はしていかなければいけませんが、今の状況で言うとさらに赤字幅が拡大していく見通しではないかと思っております。そういう意味では方向性としては、設置者として、責任というものをしっかり受け止めながら例えば感染症医療とか地域医療の確保など、私は政策医療として守らなければいけない機能は堅持しなければいけないけれど、市立病院としての事業規模の適正化、あるいは他の医療機関、京都にはいろんな高度な医療機関も存在しますので、そういう機関との連携含めてあらゆる可能性を視野に入れて検討していく必要があると思います。したがいまして、今回は資金繰り支援をさせていただきます。20億円させていただきますが、これは財政的に言うと資金繰りのつなぎでありまして、そのつないでいる範囲内で、この7年度中、この補正の期間中に京都市立病院の在り方の方向性案をもう考えていかざるを得ない。年度内にその方向性を得なければいけないと思っております。そして当然その後、医療施設審議会における議論も必要でありまして、関係機関と調整する必要がありますが、単に資金繰りを支援するということではなくて、年度内に方向性を議論してもらう。もうこれは後ろを切ってそこで全部が解決するわけじゃないですが、少なくとも方向性についてしっかりと、我々自身巻き込んで、設置者ですから設置者としての責任を含めて判断していかざるをえないと思います。

 次のページをお願いします。ということで、資金繰り支援が20億円。これは、貸付金元利収入、詳しくは財政の方に聞いていただけますが、これ年度内で収まるという前提での支出であります。だけど、そうなるかどうか分かりません。ただ、この年度内でまず資金繰りをつないで、その上で年度内で大きな方向性については何とか我々が関係者間で合意を見たいという思いでこの短期貸付を行うということでありますし、その方向性を検討するためには、ここに書かせていただいたように、外部の専門的知見を取り入れながら、内部だけでは駄目です、外部の専門家に思い切った御意見を聞きながら、地域の医療ニーズや周辺の医療機関の状況、連携関係含めて市立病院の経営分析、今後の在り方について検討を行う。年度末に方向性を出すまでの間の臨時的な資金繰り、支援としての短期貸付を行うということでございまして、これは我々自身も覚悟を決めて議論しなければいけないと思ってます。

 次のページ、お願いします。柱の四つ目であります。過去負債の返済でありまして、これはもう御承知のように、昨年も同じような説明をさせていただきましたが、やはり、将来世代に配慮した行財政運営を推進するということで過去負債は計画どおりに着実に返済していかなければならないと思っておりまして、年35億円を目安、この括弧内に新京都戦略でも書かせていただいてますが、年35億円を目安として高齢化がピークを迎えるまでの令和20年度を目途に、できる限り早期に過去負債を返済するということについて着実に補正予算で予算計上をさせていただいたということでございまして、補正予算後には過去負債の残高は400億円までようやく縮減できるということになるわけでございます。お願いします。

 その他の計上事業として、やはり市職員が、これは私もずっと言ってることでありますが、市民ともっともっと対話をしてほしいし、もっとボトムアップで現場のいろんな課題を認識した上でよりよい政策立案を推進していただきたい。そのために、市民サービスをより向上させるためにどんな政策をつくるかということにより多くの注力するために、例えばNotebookLMと書いてありますが、生成AIサービスを、市長部局の全職員を対象に導入するということで、職場の環境をさらに向上して、できるだけここで、この生成AI活用してできたものを、現場の政策課題に向き合ってもらいたいしボトムアップでの政策議論に振り当てていただきたい。そのためのツールとして生成AIを、それで合理化、あるいは簡略化あるいはそれでいろんな知識の集約という意味において、より効率的な政策立案のベースをつくっていくというところに投資をすることが必要だということで4,600万円計上させていただいてます。

 それから、なかなか文化遺産の脱炭素化の取組、これ予算額が不足しておりまして、逆に言うとそれだけのニーズもあるということで、脱炭素先行地域の創出ということで5,000万円。自治体行政システムの標準化これはやっぱり今SEさんが不足している中で、やれるときにどんどんやれるものを、現行システムのデータ抽出分析等をやらなければいけないということで、そのために、これは国庫補助金も活用させていただいて、自治体情報システムの標準化に関する準備を進めていきたい。

 そして国の制度改正に合わせて水道管路耐震化経費の一部を一般会計から水道事業に出資する。金額として10億800万円ということで、これは全額水道出資債でございますが、計上させていただくところであります。

 はい、ということで、発表については私のほうからの発表は以上でございます。御清聴ありがとうございました。

質疑応答

発表案件に関する質問

記者

 ありがとうございます。京都マラソンについて、任天堂さんにプラチナパートナーが決まったということですが、仰ったとおり、非常に日本の著名な企業で、かつ京都を拠点とする企業でということですが、プラチナパートナーに決まったことで大会の盛り上がりや、あるいは集客への影響ということの受け止めについて、改めて教えてください。

松井市長

 はい。これはやはり、本当に内外に幅広いファンをお持ちの任天堂様がこういう形で御支援をいただいたことで、まだ締切まで時間がありますので、さらに今も多くのエントリーをいただいておりますが、たくさんの方々にエントリーをいただいて、そして本番来年2月15日には多くの方々が都大路を走っていただいて、盛り上げていただければありがたいなと。非常にありがたく、また今後の集客、集客といいましょうか、エントリー、あるいはそれを応援するという方々も含めて、たくさんの方々、京都を訪れて、この京都の冬の一大スポーツイベントを楽しんでいただけたらありがたいと思っております。

記者

 今度のその協賛については京都市側から任天堂さんに打診したものなのか、それとも任天堂さんから来たものなのかを教えていただけますしょうか。

松井市長

 もちろん我々としては幅広く、これは特に公費を久しぶりに予算計上させていただいておりますんで、ただ、市会からも公費だけに頼ることなく、しっかり京都マラソンとしての重要性を確保するように言われておりましたし、我々自身もいろんな方々にさらなる御協賛をいいただけないかというふうにお願いをしている一環ではありますが、大変任天堂様がそういう個別に具体的にどちらがどうということではなくて、非常に温かいお申出をいただいたということに感謝しております。どちらかということは、今私が申し上げるべきではなくて、我々も努力をしておりましたし、そんな中で任天堂様が非常にこれだけ多くの協力をいただくという御判断をいただいたということだと思います。

記者

 分かりました。2点目なんですけれども、それ一般財源の投入の方針については今回の特別協賛がついたから一般財源、公費投入の額を下げるとか、何かそういった影響ありますでしょうか。

松井市長

 やっぱり大切なことは先ほど申し上げましたように京都の冬の本当に風物詩とも言えるような国際的なスポーツ大会であります。これを継続的に実施していくために、こういう御協賛、これ任天堂様の今回の御協賛を大変大きな、我々としてはありがたい御協賛でありますが、それも含めてたくさんの方々、協賛していただいてるので、それをいかに継続的に活用していけるかということを考えていきたいと思っております。したがって、今回の御協賛をもって、直ちにその公費投入を、その分例えば、減らせるということではなくて、貴重な協賛をいただいたんで、それが将来にわたって有効に活用できるように、総合的な収支の見通しを考え、見据えながら判断していきたいと思います。

記者

 最後、もう一つなんですけれども、市民マラソンの全国的な動きとしましては、各地、大変担い手、ボランティアスタッフが集まりにくかったりだとか、もちろん資金面も大変だということで、ほかの自治体の市民マラソンとかは来年度で中止しますということが明らかになった場所もあります。全国的な市民マラソンの存続が危ぶまれる中、京都は今回の協賛を得たりとか、まだ規模が大きい大会としてなっていますけれども、どんな課題がありそうかというところいかがでしょうか。

松井市長

 大変多くの方々から親しまれ愛されている。それはランナーだけじゃなくて、それを応援してくださるボランティアの方々やサポーターの方々、沿道で応援してくださる方々を含めて、大変多くの方に応援していただいてまして、私も今年初めて、前回スターターをして、そしてゴールラインで皆さんランナーの方々をお迎えして、こんなに愛されてるんだと。沿道も含めてですね。それを痛感しました。おっしゃるように、なかなか経費が上がっていまして、我々も参加に当たっての費用が、お支払いいただく金額が上がってるっていうのはなかなかつらいことであります。今おっしゃったような状況が全国的に生まれているということの中で、しかしこれだけ愛されてるものを何とか続けていきたい。ちょっと下世話な話ですけど経済効果もあります。私は、経済効果はこのスポーツイベントの一部だとは思いますが、そんな中で何とか続けていきたいという思いも含めて、市会でもいろんな御議論をいただきましたが、公費を予算計上させていただきましたが、そのことを含めて、我々自身も一歩を踏み出す用意を示す。同時に、じゃあ公金に依存して続けるというよりは、できるだけ幅広い協賛をいただきながら、それを続けていきたいと思っておりましたので、全国的な潮流もありますけど、やはり健康長寿のまちをつくるという意味では非常に意義のある事業だと思いますし、その健康長寿だけではなくて、それを機会に多くの方々が冬の京都を訪ねていただいて、そして京都の都大路というものについてしっかりと、一部の観光地だけではなくて、巡回するという意味でも非常に意義あるイベントだと思いますので、若干全国的には市民マラソンについてやや経費面などで困難もありますが、それを何とか乗り越えていきたいと思います。その上では、本当に今回の御協賛はありがたいと思ってます。

記者

 2点ほどありまして、京都マラソンを巡っては、ランナーさんの募集期間を一度延長されたという経緯があるかと思うんですけれども、それはこの任天堂さんのプラチナパートナーというものの決定を待ってのことなのでしょうか。

 松井市長

 いえ、そういうことではありません。できるだけ大会運営のぎりぎりまで、今別の方から御質問ありましたように、なかなか市民マラソン全体が厳しい状況もあるので、いろんな御予定もあって、あまり早い締切というのだと、まだ予定がつかないという方もいらっしゃいますので、そういうこともあってぎりぎりどこまで延ばせるかということの中で、今回は締切を少し延ばさせていただいたということで、そのタイミングでこういういいお話もいただいたのはまさに巡り合わせというか、大変ありがたいことだと思っております。

 ただ、これ結構ぎりぎりまで延ばしたもんですから、来年以降これエントリー期間をどうするのかっていうのは、今回延ばしてみて、それが続けられるかどうかはしっかり考えなければいけないとは思いますが。

記者

 あと1点なんですけれども、任天堂さんといえば数々のゲームだったりとか人気のキャラクターとか数々生み出されているとは思うんですけれども、今年スーパーマリオのキャラクターのマリオがちょうど生誕40周年っていうタイミングにも当たるかと思います。そういったところのコラボレーションみたいなのを考えてらっしゃったりとかはするんでしょうか。

松井市長

 少なくとも我々はそのような話は一切いたしておりません。地域企業として応援したいというお申し出があったので、それをありがたく、今申し上げたような京都マラソンの経費の高騰などの中で、公費は計上したけど、できるだけやっぱり民間の協賛をいただきたいということで、これは担当部局のみならず、幅広い京都市役所の人間に何とか皆さんのそれぞれの、例えばお付き合いの中で協賛いただけないかということを一生懸命民間企業団体にも御協力をお願いしようという流れの中で、やはり任天堂さんが非常にこうやって思い切って手を挙げていただいたということでありまして、個別具体的な今おっしゃったような話とは関係ありません。

記者

 あともう1点だけ聞かせてください。来年2月の大会の名前に、冠的に任天堂など名前を冠することを考えていらっしゃると思うんですけれども、こういった協賛なりプラチナパートナーという枠組みは、今年、2026に限ったものなのか、またその次の大会以降期待できるものなのか、今のところはどうな感じなんでしょうか。

松井市長

 それは現時点では私どもとしては何とも申し上げられない。いろんな形で、任天堂様に限らず、様々な企業団体からの御協賛は今後も得ていきたいと思いますし、いろんな期待はありますけれど、それ以上のことが合意されてるわけではございません。

記者

 よろしくお願いします。今しがたの質問の確認なんですが、今回限りの協賛ということなんでしょうか。

松井市長

 いや、具体的に今回協賛いただくということは合意し、決まったことでありますが、今後のことは何も決まってません。

記者

 契約書を永続的にということか。

松井市長

 いえいえ、そんな、だから決まってません。

記者

 協賛金額っていうのを聞いてもいいでしょうか。

松井市長

 これは今までからほかのいろんなグレードのパートナー、そして御協賛いただいてますが、それについても個別企業の協賛金額は一切明らかにしておりませんので、これは今回に限ったことではなくて、控えさせていただきたいと思います。そのような条件になっておりますので。

記者

 すみません、もう一回重ねてなんですが、任天堂様が冠につかれるっていうことであれば、ファンの方は何か例えば沿道でキャラクターが応援してくれるとか、みやこめっせで何かこうイベントとか、何かそういうのを企画されるかなと思うんですが、そういうことは今のところないのでしょうか。

松井市長

 現時点では決まっていません。何も。

記者

 よろしくお願いします。任天堂さんのキャラクター、海外でも愛されていると思うんですけれども、今回のプラチナパートナーの決定が海外ランナーの呼び込みにもつながるとお考えでしょうか。

松井市長

 はい。もちろん、これはもう世界的な京都が誇る企業でありブランドでいらっしゃいますから、海外の方にも遡及すると期待しておりますし、国内でもこれがエントリーの増加につながっていただきたいと思っております。

記者

 ビブスのところに企業名が入るということなんですけど、現時点でオムロンさんが入ってると思うんですが。

松井市長

 具体的なデザインとかはこれからですので、先ほど申し上げた、正面のほうの上に入るということ以外は決まってません。

記者

 最後に改めてなんですが、先ほどから任天堂さんへの感謝の言葉を繰り返し述べておられるんですが、非常にこの市税投入、6年振りに行わなければならない、一部では存続についての議論も聞かれましたけれども、この今回の決定が京都マラソンにとってどのような影響を与えるか、任天堂様がどのような存在と言えるかっていうのをお聞きしてもいいでしょうか。

松井市長

 はい。これはやっぱり私自身の心の気持ちの中で、今回2026の開催に当たって、存続について何らかの検討したわけではなくて、当然これはこれだけ京都の中で市民に愛され、外来の方々にも愛されている一大スポーツイベントですので、これは大切だと思っておりましたが、先ほどの質問にもありましたけど、やはり経費などがどんどんかさんでいる中で、どこまで、例えばエントリーに当たっての御料金を頂くかというようなことも含めて、なかなか今の経済社会情勢が厳しい中で、その面でどういうふうに幅広い御支援を、公金としての予算計上はしましたが、得ていくかというのは本当に大切なポイントだと思っていたので、その中で私も自分自身も含めて、何でもこれから企業回りでもしなければいけないと思っている中で、関係部局の皆さんもいろいろ御尽力をして、そうやってパートナー企業の掘り起こし、新たな新規発掘、御協力をいただくということについて大きな成果を得たということは、大変ありがたいことだと思っていますし、ただそれは従来から長く支えていただいている企業や、団体の方々に対する感謝も含めてのことでありますのでこれからもその幅広い方々に支援していただけるような、本当の意味での市民マラソンの継続発展に努めていきたいと思います。

 その中で、京都市も皆さんの厚意だけではなくて、しっかり補助金を予算化するということの決意も示すということで、司会の皆様方にも御議論いただいた上で、その予算が御承認いただいたんで、そのことも含めて今回どのような事業になるのか、人件費等、経費さらに上がってますから、今回この任天堂さんの御協賛をどう追い風にして、多くの方々に楽しんでいただいて、なおかつ財政的にも継続性のあるものに発展させていくのかが、大きな課題です。

記者

 さっきの確認で、マリオとか任天堂のキャラクター、例えばビブスのデザインとか広報媒体等に活用されたりとかそういう可能性っていうのはあるんでしょうか。

松井市長

 現時点では、先ほど説明させていただいたもの以上は何も決まっておりません。

記者

 市長からも、先方から地域企業として応援したいというふうなお話があったということで、趣旨としては、やはり地域貢献というような形でお申出があったという理解で良いでしょうか。

松井市長

 全くそのとおりで、地域企業。我々は、地域企業は規模の大小にかかわらず、京都に本拠を置いていただいたり、ゆかりがある企業として京都のことを愛していただいて、ゆかりを持ってる企業を地域企業と呼んでますが、任天堂はもちろん大企業でありますが、地域企業としてこの京都マラソンに貢献したいというお申出をいただいたことをありがたく、我々としてはお受けしたということでございます。

記者

 京都市さんと任天堂さんで、これまで表立ったというんでしょうかなんて言うんでしょうかね、コラボといいますか、御一緒に何か事業をやるっていうのは、非常に珍しい事例なのかなと思うんですけれども。今回のマラソンを契機に、今後関係を深められたりとかその辺りのお考えはいかがでしょうか。

松井市長

 お言葉ではありますが、今までなら、実はいろんな御協力をいただいております。例えば、我々の市有地を御購入いただいて、新たな研究開発拠点を、これはもうあと何年かしたら開設していただく。これはもう我々から言ったら、非常に大きな研究開発拠点を置いていただくっていうことも含めて、大きな協力をいただいてますし、いろんなきめ細かな御支援をいただいております。例えば、四条通の地下道にグラフィック常設展示をいただいてるとか、あるいは京都の小学校の小学生を対象に、京都モノづくりの殿堂・工房学習プログラムに御協力いただいたり、生き方探究館の中にブースを出展いただいていろんな御協力をいただいてるんで、これまでも御協力いただいてますが、今回さらに地域企業としての御貢献をいただくということで大変ありがたいことです。

記者

 ありがとうございます。

記者

 よろしくお願いいたします。2点お願いします。まず一点、病院のお話のほうです。今、市長のお話聞いててかなり強い言葉というか危機感を持たれてるような話振りだなと感じたんですが、今後の方向性を取りまとめるということですが、現時点で診療科の縮小であったりとかそういったところまで踏み込まないと、ごめんなさい、ちょっと先に京北病院のについては既に検討化も進んでいるかと思いますけども、市立病院のほうについてですけれども、かなり赤字幅が、規模が大きいところでこちらのほうがメインかと思うんですけども。今後、検討することになりますが現時点で市長として市立病院はどういった形が、将来あるべき姿か現時点の考えというか、見通しというのがあればお聞かせください。

松井市長

 はい。先ほども少し申し上げておりますけれど、市立病院がこの1年間何もやってこなかったわけではないんです。それは市立病院機構の名誉のためにも申し上げたいと思っております。いろんな病床稼働率の向上のために地域医療機関との連携強化で、いろんな開業医、かかりつけ医の先生方からの紹介患者数を増やすとか、あるいは救急車の受入れ、これももっと積極的にやってくださいというようなことで、増やす努力をしていただいてますし、自力で来院された救急患者にも適切に対応するような対応についても工夫をされていただいてます。支出削減としても、診療材料費の共同購入であったりとかメーカーとの価格交渉の強化とか材料費の削減、あるいは光熱費の経費削減など年間1.5億円の削減努力が行っていただいております。

 ただ、今御指摘もありましたが、そういう状況であっても、全国的にも、これ実はフローで見ると全国の公立病院、同じ程度の500床規模程度の公立病院で見たときに、この赤字幅というのは大体平均的なところで、市立病院が特に、この年度だけに限って言うと、物すごくその中で悪いというわけではない、御努力もしていただいてます。他方でやっぱり今のストック含めて言うと、もうこの状況でこのままでは債務超過に陥りかねないという状況なので、今本体の御質問でありますが、事業規模あるいはどの分野に特化するかということは、やはり他に京都っていうのは非常に高度な大学病院も複数系統ありますし、民間にも優れた病院もあるもんですから、どの部分が本当に京都市民の健康を守るために、京都市が設置者となっている市立病院で、担うことが必須なのか。例えば、今最初に冒頭そこは違いますよとおっしゃった京北病院のようなところは、ここはここで、どの診療所をどうするかということも含めて様々検討していただいて、地域の方々には御負担もおかけしますけど、何とかその機能というのはなかなかこれは他の病院が機能全部肩代わりするということはできないと思います。

 本体、市立病院の本体の部分について、これもやはり我々は例えば政策医療として、感染症対策とか、やはりコロナのときの記憶も、そしてあのとき市立病院がどんな働きをしてくださったかということについての感謝も持ってますし、やはりここの部分は、京都市として設置者として残さなければいけないという部分と、いやここは他の病院としっかり連携して市民の健康面での安全安心を確保できるんではないかというところをよく見極めていかなければならないと思いますし、それ以外にも今申し上げたのは、他の医療機関との機能分化連携あるいは全体としての市立病院としての事業の規模を含めた適正化、そしてさらには効率的、効果的な運営の在り方、そういったことを含めて、外部の目を入れて、しっかりと短期的に大きな方向性ぐらいはこの年度内に見いだしたいと思っております。もちろん、具体的には他の医療機関とか、地域の関係がありますんで、年度内で全ての問題で解決策が見えるとは限りませんが、しかしやっぱりちょっと後ろを切ってやらないとこのまま私どもとして、つなぎ融資をずっと恒常的につないでつないで、あるいは市民の貴重な税金を、ずっとこの赤字の状態、今のままでいうと赤字状態が継続すると見込まれるものについて、そこはやはりどっかで時限を切って、在り方全体を見直さなければいけないという判断に至ったところであります。

記者

 ありがとうございます。もう一点、自動運転バスの件についてお聞きします。市営交通として政令市初の取組というか、チャレンジということですけれども、今後具体的なルートとか規模感とか検討を進めて実証実験をして、レベル4を目指してという形だと思うんですけども、京都市営バスが走ってる地域、様々な何て言うんですかね、都市部もあれば、あるいは山間部とかもあるかと思うんですけども、現時点ではどういったところでどういった規模感ですることが市営交通に自動運転バスを導入することの意味といいますか、意義、どういうところで活躍すればいいなというふうに思われているか現時点の市長の考えはどうでしょうか。

松井市長

 具体的にはいろいろ個人的に思わなくもないです、いろんな地域のことを頭に置いてですね。ただ現時点でどこの地域で実験を開始するのかということについては、そのことも含めてこの予算をお認めいただいたら、早急に検討し、そしてできたら年度内には、まずそのレベル2のところに着手したいということ以上には決めておりません。いろんな私の中では、いろんなエリア、もちろん市内の中心部はある意味では一番混雑してるし、それは中心部は中心部のニーズがありますし、周辺部は周辺部の、中心部とは違うバス路線をどう維持するかという課題もありますし、それぞれどこの場所でいろんな実験に着手するか。そして、いろんなところでまず実験を開始するほどの、まだ予算計上ではありませんので、まずどこで着手するかということも含めて外部の専門家、あるいはこれから市営交通なども含めて協議をするという状況なので、今の段階で具体的な地域名などは控えたいと思います。

記者

 市立病院の件について幾つかお尋ねしたいと思います。事業規模の適正化という言葉について、もう少し詳しくお聞きしたいなと思うんですけれども、これは要するにスリム化ということなのか、具体的には例えば診療科であったりとか、病床を削減する方向でこれから検討していくつもりなのかっていうことについて教えてください。

松井市長

 一般的に言えば、拡充というのは考えにくいですよね。ひょっとしたらいろんな事業規模とか、政策医療というものの中で、ひょっとしたら、ここはより強化しなければいけないというものもあるかもしれませんが、今のこの赤字の状況の中で、それを広げるというよりは、どこの部分が市立病院機構でないと担えないのか。あるいは設置者として、我々として、ここだけはやはり他との連携ではなくて、我々自身が、あるいはそれは他との連携の中で、ここの部分はやっぱり市立病院ですよねというところもあると思いますし。

 ですので、一時的に何らかの拡充、この分野の拡充というのは、ひょっとしたらより幅広い医療に関するイノベーションをどう実現するかとかいうようなことを含めていくと、それはあるかもしれませんが、今の状況の中で市立病院がその機能を担うというよりは、やはりどの分野に重点化するべきか。今のままの幅の広さ、あるいは病床数。これは全体として、京都府知事なんかと話をする中でも、京都、特に医療圏の病床をどう削減するかと。特に急性期の病床は大きな課題になっておりますから、基本はやっぱりある程度、ここは政策医療として必要な部分というものにどう重点化するかということだとは思います。

記者

 分かりました。拡充以外の、今の規模を何とか維持したまま、そのコンサルにアドバイスをもらって、いろんな無駄をなくして、今の病床数を維持するっていうことでしょうか。

松井市長

 あんまり私がここで確定的なことを申し上げるべきではありませんが、私の印象の中で言うと、今の規模を維持して経営改善できるということだと、こんな記者発表を行う必要もありませんし、それからこんな形でつなぎで資金を、これだけの規模のものを入れさせていただくというのは、そういう状況はもう過ぎていると思います。

記者

 分かりました。ありがとうございます。あと、先ほどのお話の中でもあったことではあるんですけれども、改めて市長の考える市立病院の果たす役目というか、存在意義、この部分は市立病院ですよねっていうところがあるということをおっしゃってましたけれども、具体的にはどういう役を考えておられますか。

松井市長

 まさに、それをしっかりと議論していただくというのが、今回外部の目も入れてというコンサル事業も含めて、5,000万円というものを計上しているというところなんで、あんまり私が確定的に申し上げるべきではないと思います。もちろん、例えばさっき京北病院という話が出ましたけど、ああいう山間部での病院機能というのが、なかなかこれも他病院のいろんな御協力をいただいて、医局からの医師の派遣、その他医療関係者を担っていただいてるという意味では、他の連携によって成り立ってるものでありますが、そこはなかなか京都市中心部の他の医療機関のたくさん存在するエリアと、また京北の地域は、あるいは京北を始めとした山間部は違うというふうに私自身は認識しています。

 それから、もう一つあるのは、やはり先ほど感染症対応を申し上げましたが、やはりこれは他の高度な医療機関とどう連携するかということもありますから、その分野は全て市立病院に残すということではないかもしれませんが、やはり政策医療として、我々が、どの分野を京都市が責任を持つのか。これは、関係医療機関としっかりお話をする中で、この経営改革によって市民が犠牲になってはいけないので、市民の健康はちゃんと連携して守るっていうことが大前提だと思います。

 ですから、市として責任領域はあると考えてるんです。もちろん、あらゆる可能性を含めて、これは御議論いただかなければいけないので、私が今申し上げているのは言い過ぎかもしれませんが、やっぱり市としての、設置者としての市立病院機構の存在意義というのはある。ただ、その存在意義を関係医療機関も含めて、そして地域を含めて、どう再定義していくかということだと思っております。

記者

 分かりました。ありがとうございます。もう一点だけ質問させてください。今回、コンサルタントに依頼すると思うんですけれども、そもそもコンサルに、民間に頼む理由といいますか、もちろん市でできないことを、民間でやって、うちだけではできないことがあるから頼むんだとは思うんですけれども、具体的にどういうところなんでしょうか。

松井市長

 いや、それは、そんな私は市の職員についても、私は誇りを持っております。優秀な人たちが、真面目にずっと継続的に議論していただいてると思いますが、やっぱりこの際、他の公立病院における事例とか、もう内外の事例も含めて、政策医療というのはどういう形で地域連携で他の医療機関と連携してやれるのかということも含めて、思い切って外部の目を入れて、様々な病院の再建とか、日本国内でも様々な事例がありますから、そういう事例を医療の専門性を持って見ておられる、携わっておられる方々っていうのは、私は別にどなたというわけではありませんがいらっしゃると思います。

 これは、もちろん市立病院機構や、あるいは我々の医療福祉関係の職員の意見も聞きながら、しっかりそういう外部の目でいろんな改革資料を見ながら、いろんな連携の可能性について民の知恵を持ってるっていう方がいらっしゃると私は思っておりますんで、そういう方の知恵を借りるっていうことは、今、必要だと思います。我々、内部だけで議論して、日常的に、先ほど御紹介した令和6年度から7年度にかけて市立病院機構で行っておられる様々な努力はもちろん否定できないし、それは継続してもらわなければいけないけど、ちょっとそれを超えた他の町の事例、他の病院の事例というものをしっかり収集して、それは公立病院だけではなくて民間病院でもいろんな改革事例があると思うんで、その知恵は思い切って集めていきたいと思っておりますので、どなたが一番そういう知恵をもっておられるかっていうことも、もう既に予算をお認めいただくことが前提でありますが、担当部局には、もうその情報収集してどこにも予算をお認めいただいたら、すぐ動けるように情報収集してくれというふうにはお願いしております。

記者

 分かりました。ありがとうございます。

記者

 よろしくお願いします。私も市立病院機構に関連して3点ほど聞かせてください。先ほどの説明の中でも、設置者である市の責任だというふうな言葉を強調されてたかと思います。コロナの交付金で黒字化をした時期もあったと思うんですけれども、基本的には赤字が続いていた中で、改めてこういった市からの独自の短期貸付だったりとか、在り方を見直していこうという、そういうタイミングに判断に至られたタイミングの理由を教えてください。

松井市長

 実を言うと、令和6年度からどれだけのことが、内部の工夫でできるのか。もう来年度、6年度から見たときに7年度にはいろんなことを考えなければいけないんではないかと内心思っておりました。そして6年度、いろんな御尽力を内部でしていただきました。我々も、市役所から内部に入っていただく方も、非常にベテランで知識も豊富で、経験も豊富な方入っていただいて、その方々ともしっかり日常的に、今回の決算を見てということじゃなくて、定期的に意見交換を、当然八代担当局長の部署もそうですし、副市長や私のところにも定期的な報告をいただく中で、なかなか厳しいなと。もう少し思い切って、先ほど申し上げたような、市立病院機構がカバーする診療科の範囲であるとか、病床数も少しずつ休床させていただいてるっていう継続性の中では、なかなかこれは抜本的に、特にストックの面での、この今の純資産と純損益の関係で、もうちょっと待ったなしだなと思ったのが、この7年度のこの状況で見ると、この従来の延長線ではちょっとしんどい。もちろん民間の金融機関からもいろいろな御協力をいただいていますから、民間の金融機関の御協力の中で、それを1年さらに先に延ばして、恐らくそのときはなかなか民間の金融機関も従来と同じような形でつなぎ融資をしてくださるというのは、その可能性も考えましたけど、恐らくそれは無理で、そうなってくると、ちょっとそのつなぎ融資をする上で条件が変わってくると私は思いました。その話を具体的に民間金融機関と話したわけではありませんが、そんな状況でもうさすがにこれは待ったなしで、次の段階に進まなければいけない。逆に言うと、この次の段階に行くということについて、どの時点で判断するかということをずっと担当部局と協議しながら、もうここは次の段階に行かなきゃいかんと、その意味で我々も覚悟を決めて、先ほど申し上げたような融資を行うと。行う限りには逆に言うと、要するに年度末にきれいにそれは返ってくればいいけれど、返ってこなければ来年度の予算化が必要になってきます。ですからその来年度の判断をする上で、本当に大事なことはこの今年度、残りの半年ですが、もっと言うと、今年度の残り半年の中でも、来年度予算を編成する前に、やはりある程度の見通しをつけたいと私は思っています。ですから、それは関係の医療機関ともよく相談をして、私自身も直接協議をするということも辞しませんし、ただ、私が乗り出せば解決するほど物事は簡単ではないので、まずは担当部局、副市長を含めて、私も含めて、いろいろな形で情報収集をしてどんな可能性があるかということについて、できるだけ早く見通しをつけて、そして来年度予算編成にどう取り組むかということの見通しをつけなければいけないと思っています。

記者

 運転資金がそもそも少ないというか、もうほとんどゼロに近いということで、20億円規模で職員さんの給与だったりとか、そういったところに日々の運転に充てられると思うのですけれども、こういった中で今現在かかっておられる患者さんへの影響というのはどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

松井市長

 患者さんに何の問題があるわけでもないのです。ですから、患者さんへの影響はできるだけ避けなければいけないと思います。ただ、そのことと、将来的な道筋を早くつけるということは、私はむしろ長期的には両立すると思っています。このままの状況でいうと、もうある日突然、みたいなことになってはいけないわけですよ。そうならないようにするために、今現状、患者さんとして診療を受けられている方々、入院されてる方々への影響はなくしていかなければいけないので、そのためにも今この段階で着手せざるを得ないと、この思い切った見直しに着手せざるを得ないというふうに私は判断しています。

記者

 3点目ですけれども、市立病院とは別にちょっとまた議論が進められている、京北病院のほうに関してです。京北地域の4診療所の医療的な機能の集約というものも今御議論されているタイミングかとは思うのですけれども、この赤字決算なり、短期の貸付けみたいなところを受けた京北の病院の今後への影響というのはあるのでしょうか。

市長

 先ほどから申し上げているように、私があまりこれから先に議論することを先取りするのは避けなければいけないですけど、いずれにしても京北は京北としての地域医療の現状があって、それは今までのような体制がなかなか医師の配置の面でも、あるいは市立病院機構全体の今の財務的な存続の在り方を考える上でもなかなか難しいので、それは今まさに議論をその地域の方々ともしっかり話し合いながら、そして地域医療を支える医療関係の方々ともお話をしながら見直しを進めているところですが、ただ、ここもあの地域における拠点というものを我々がなくすということが、我々としては責任ある対応だと思いません。思いませんので、何とかいろいろな新しい技術を活用することによって、遠隔医療を導入するとかということで、従来のような体制は維持できないにしても、何とかその拠点は維持したいというのは、私の強い希望であります。ただそれをどういう形で本当に実現し、市立病院機構全体として、今後の継続性を得られるのかというのは、今後のまさに全体の見直しにも関わってくる話なので、それは切り離してここだけはということではなくて、全体の中でその機能をどう維持するかということが、まさにこれからの見直しの眼目の一つだと思っております。

記者

 ありがとうございました。

記者

 自動運転バスの導入についてお伺いしたいのですけれども、今回市営交通として政令市初ということですが、政令市の中では既に民間バスでの導入事例もあるかと思うのですけれども、今回このタイミングで、かつ市営バスでの自動運転バスの導入というところは、どういう意義があるとお考えでしょうか。

松井市長

 おっしゃるように、大阪メトロは一緒に連携しながらやっておられますから、政令市の市営交通でも、では全くやっていなかったかというとそんなこともなくて、ちょっと市営交通、プロパーとしてやるということであります。その上で、やはり私もいろいろな情報収集をする中で、例えば私の市営交通についての議論の入り口は、御承知のように観光特急バスを、この観光集中をどう是正するか、そのときに本当に私も一市民として、結構京都市営バスは夜遅くまでいろいろな路線があるにもかかわらず運行してくれているし、例えば私が長く暮らした東京の都バスなんかと比べても、すごく努力をしているというのは実感するのですが、他方で、今の担い手不足の中で、そして我々は処遇も改善していかなければいけないと思っていますけれど、全体的に人口減少下でタクシーなんかの運転手さん、これは最近ちょっと大分回復してきていますけど、ただそれも含めて、やはりパイの取り合いという状況になっている中で、本当に市営交通の体系自身をどう見直していかなければいけないかということは、これだけのコンパクトなまちでありますが、それなりの市街地の広がりを持つ京都市で、いろいろな路線がそれぞれの、例えば市電由来の路線とかもありながら、結構長い路線が走っている。そしてそれが市民に愛着を持たれている、でもその部分は逆に言えば、非常にどう維持するか、限られた人員の中でどう維持するかという中で難しいなと、御承知のような観光特急バスの増便がなかなかできない、そんな状況の中で、市民優先価格を今検討している中で、そういうところから私の市営交通に対する議論の入り口があった中で、しかしやはりどう考えていっても、この担い手不足、そして一定程度の広域の市街地を持つ京都市において、例えば路線の組換え、いろいろなことも将来は考えないかんのかもしれませんが、その中でやはりこれは新しいテクノロジーというものを、そのことでさっき令和10年度にレベル4というふうに言いましたけども、もちろんそんな簡単に本当に運転手さんがいなくてバスが走れるかというと、そう簡単ではないけど、この議論をまちとして日進月歩で技術が進んでいて、いろいろな実証実験のデータもいろいろなまちが取っている中で、ここはこれ以上待てないかなと。待てないというか、そこは取り組んでいかなきゃいかんかなと、その技術に一気に大規模なまちとしては初の取組かもしれないけど、特にバス交通、公共輸送という意味で取り組まざるを得ないかなというふうに、総合的に私が判断したということです。これはだけど私だけの判断ではなくて、交通局の皆さんや、副市長や、あるいは都市計画、これは交通局だけじゃなくて、都市の公共交通をどうを維持・発展させていくか、民間事業者とも連携して、そことも話をして、ここはそろそろ取り組まなければいけない。ただ、私がずっと霞が関に何度も足を運ぶ中で、やはり国交省さんの幹部と話をする中で、国交省さんも、いや、結構自動運転は動きが速いですよと、ここは取り組んだほうがいいんじゃないかという示唆もいただきました。そういう意味で、今はもうやはり決断するべき時期、本格的なこの実証実験への着手と、それからさらに小さなまちではもうレベル4が実際に行われているわけですから、そこに一日も早く追いついて、この規模のまちだからこそ逆に早く検討しなければいけない。かといって、10年度に全て解決するというほど甘い話ではないと思います。だからそれはまさにさっき質問がありましたけど、どのようなエリアだったらどういう運行形態で、どのような車両であったら何ができるのかということについて、できるだけ早く、もう少し専門的な知見とデータをいただかないと、今後の市営交通の再編、あるいは改革にも間に合わないかなと思いました。私は皆さんも御承知のように9年度に向けて、市民優先価格であるとか、もう少し決済方法でデジタル的なものを導入していくということで、大きな改革を用意しているわけでありますが、できるだけその先に、例えば自動運転というのは単に運転だけの問題じゃないですよね。その乗客に対してどのようなガイダンスをするのか、集金をするのか、そういう実際の運行上のいろいろなアイデアも含めて、できるだけ早く実証実験で知見を得ていかなければ、これから9年度に大きな山場を迎える市営交通改革、その先をさらに考えていく上では、もうここで実証データを収集すべきタイミングだと思ったというのが、私の中でも内心の問題意識も含めての率直なところです。

記者

 観光特急バス、市民優先価格、そうした事業も展開される中で、やはりそもそもバスの運行を続けていくためには、新しいテクノロジーの導入も必要ではないかと、そういう御判断で。

松井市長

 はい、もっと詳しく言うと例えば、観光特急バスはどの路線で走らせられますか、どの曜日に走らせられますか、もっと増やしたいという思いがあっても、なかなかそれは難しい、今の現状のボトルネックがあります。それと同様に例えば、市民優先価格をどこのレベルで、どこまでのところで民間事業者の協力も得ながら実現するかということを考えていくと、やはり京都のまちの公共交通の一つの層ではないですよね。料金体系だって均一区間もあれば、民間事業者が主体になって公共交通を担っていただく部分もあって、我々が9年度に向けてある程度やれるものは、9年度にいろいろな改革を結集したいと思っているけど、そのときに恐らく域内全域でできるわけじゃない。それをどう次の段階までつなげていくかということを考えていったときには、やはり最終的に路線をどういうふうに今後どうやったらより合理的な路線にできていくのか、そのときに民間バス事業者といろいろ検討せざるを得ない。その中で担い手不足という大きな問題がある、あるいはそれだけじゃなくて、やはり混雑、あるいはその中でどんな技術があって、どれぐらいのことが可能なのか、どのエリアだったら可能なのか、どのエリアでは可能であるかということについて市単独でできるのか、民間事業者と一緒に議論しなければいけないかということを全部同時並行で、恐らく8年度、9年度に考えなきゃいけないことと、その後に考えなければいけないことを同時並行で考えていくときに、やはりこのテクノロジーがどこまで実装化できて、いつ頃実装化できて、どういうところでは有効なのかということを判断しながら、民間事業者との連携も含めて考えなきゃいかん。やはりこれ以上遅らせると、9年度以降にどんな改革が用意できるかという意味においても、遅らせるべきではない。むしろここで一気にデータ収集に乗り出さなければいけないという、そういうのが私の心象風景であります。

記者

 ありがとうございます。

記者

 市立病院のことについて、もう一点だけ伺いますけれども、今回のお話を伺っていると、同じような病床数のほかの全国の公立病院の中でも平均ぐらいだということでございましたけれども。

松井市長

 フローはね。

記者

 分かりました。

松井市長

 ストックではなくてフロー、収支は。

記者

 そういう状況だと、京都市以外の政令市だとかも、ほかの自治体も同じように困っている状況が多いのではないかなというふうに思うのですけれども、そうすると、市単独で考えたいと、京都府とか、さらにほかの広域のレベルで、国に対してもですけれども、どういったことを求められるのか、特に国に対してはどんなふうなことを求められるかお伺いできますでしょうか。

松井市長

 ほかの地域の公立病院の在り方というのは、その地域によってそもそもの状況とか、どれぐらいの診療科を抱えておられるのかとか、京都の北部の自治体でも複数持っておられるようなところは、それはそれなりのまた別の事情があるとか、そもそも医療過疎の地域というのをどう捉えるか、いろいろあるので、私がここで中途半端にコメントすべきではないと思いますが、全国共通して言えることは、やはり診療報酬の在り方ということじゃないかと思います。高齢化している、そして医療技術がどんどん進展していて、全体的に医療の高度化の中で、そして財政的には非常に厳しい状況にある中で、今のような形でいうと、公立病院が軒並み厳しいのも事実ですが、同時に民間の私立の病院も大変厳しい状況にある中で、どこの部分を社会保障費全体の中で医療というのを、財政当局、あるいは厚生労働省さんも含めて悩んでおられることだとは思いますが、これを何とかしていかんと、正直に言って、全国的に非常に困難な地域医療の現状というのは、打開できないんじゃないでしょうかね。これは本当に私が簡単な解なんかを申し上げられる状況ではないし、私どもと同じようなことを皆が言って、それがマクロの中の社会保障費の中でどうやってそれをやりくりしながら支えられるのか、難しい問題です。難しい問題だし、ある意味では、医療制度改革全体も必要で、それは甘い薬だけではなくて、苦いことも必要なんだとは思いますが、正直に言うと、今の診療報酬の体系の中で、なかなか地域医療全体が、特に急性期を抱える地域医療というのは、本当に困難な状況であるのは切実な思いですね。でもこれはほかの首長さんや地方の公立病院を抱えている関係者の共通の思いじゃないでしょうか。

記者

 ありがとうございます。

記者

 私からも病院についてお伺いしたいのですけども、もっと地方のほうでしたら、公立病院の意義というのは非常に大きいと思うのですが、京都市内といっても非常に中心部の範囲になってくると、京大、府立医大、京都医療センターなど、専門医療を行う公立病院が非常に充実しているので、率直に供給過剰なんじゃないかというふうに思います。そういった中において、今のこの京都市内のこの医療全体の現状についてはどのように思っていらっしゃいますでしょうか。

松井市長

 京都乙訓医療圏の地域医療の需給関係は、マクロで言えばおっしゃるような状況だと思います。それは構造的な問題があったけれど、他方では、やはりコロナ禍のような状況の中で本当に切迫した市民の健康を守るという必要性において、やはり市立病院も大変大きな役割を果たしてこられたし、そのことはオール京都の中で評価もされている部分があるけれど、逆に言うと、その構造的な問題への議論というものをやはり同時並行で本当は行わなければいけなかったのではないかと僕は思っています。ただそれは、評論家的に言ってもしょうがない話で、その時々では本当にいろいろな方々が市民の健康を守るために全力を尽くしてこられたので、その中で、しかし今の状況は、やはりこのまま私は放置できない状況であって、今おっしゃったような近隣に、他の国公立の高度な医療機関があるという前提の中で、その連携協力の中でどうやって市民の健康を守っていくのか、その中で最低限、ここの部分は政策医療として市立病院が役割を果たしていかなければならないのかということを真剣にこの半年間で議論する。かといって先ほどお話が出たように、患者さんに何の問題があるわけでもない、問題があるどころか、患者さんにとっては本当に切実な日々の自分の命に関わる問題ですから、そこに不安を与えてはいけないし、医療機関の医療従事者の方々もしっかり役割を今までも果たしてこられているので、それをできるだけ円滑にどのような形の連携関係を構築して、そういうあるべき連携関係のほうに移行していくのか、少なくともその道筋を早期に見いだして、その道筋に向けて患者さんに不安を与えることなく、地域に不安を与えることなく、いかにあるべき方向性にしっかり着地をさせていくかということの議論は待ったなしだということだと思います。

記者

 1点だけ確認ですけどこれも、今後の検討になってくると思うのですけども、病院の在り方のところで、民営化という選択肢は市長の頭の中にあるのでしょうか。

松井市長

 これはあまり簡単に民営化とかいう言葉は僕は使いたくないですね。やはり政策医療として市が責任を持たなければいけない分野ってあると思います。それを市立病院機構がどのような形で担っていただくのかということについて、あらゆる選択肢を考えなければいけないけれど、今おっしゃった3文字というのは、安易に使わないほうがいいと思います。やはり私は京都にとって、京都の市民にとって、京大病院とか府立医大病院とか医療センターとか、そういう国公立が設置者になるような大学病院、それにつながる病院の数々があるということが、京都の市民の健康を支えているので、そのことをしっかり考えながら、あるべき連携の在り方をあらゆる可能性を排除せずに考えていく。しかし市は、市民の健康、一定の分野について市は責任を担うべきだと思っています。

一般質問

記者

 宮内庁より天皇・皇后両陛下の10月4日から6日の京都・大阪への行幸啓について日程が、先日発表されました。両陛下が京都へ訪問されるのは令和元年以来となるということですが、7年ぶりにいらっしゃるということで、どういったお気持ちで京都市長としてお迎えしたいかということを一言いただければと思います。

松井市長

 一言で言うと大変光栄なことで、私は一京都市民として大変喜ばしいことだと思っておりますので、しっかりお迎えをさせていただきたいと思っております。令和元年のときは親謁の儀とかお茶会とかということを開いていただいて、今回はSTSフォーラムの年次総会への御臨席をいただくわけでありますが、このSTSフォーラムの重要性というようなことも含めて、これも皇太子殿下でいらっしゃった時代も含めて、陛下におかれては五度にわたり御臨席を賜っておりまして、そのたびごとに非常に深い御見識に基づくお言葉も賜ってきておりまして、今回そこにお迎えできる、あるいはそれに際して植物園であるとか、桂離宮を御訪問いただけるということは、これは府市の枠を超えて、あるいは文化庁も来ていただいている、そして迎賓館もあって、いろいろな意味で宮内庁の御縁もある、そういうまちとして陛下をお迎えできるということは、もう大変ありがたいことでありまして、そういう意味で、滞在中はSTSフォーラムにおける御臨席もさることながら、そうした京都の行幸啓全体として、陛下におかれましては、穏やかなひとときをお送りいただきたいというふうに心から念じております。

記者

 人事委員会勧告のことについて伺います。昨日、勧告が行われましたけれども、実際に実施するかどうかというのは市長が御判断されると思います。今後どのように考えていらっしゃるか、今のお考えを伺えますでしょうか。

松井市長

 しっかりと受け止めて、私はもうずっと公務労働というものの大切さということは申し上げてきたところでありまして、しっかり昨日の勧告・提言を受け止めさせていただいて、それをできるだけ尊重する方向で適正に判断していきたいと思っております。

 記者

 ありがとうございます。

 記者

 哲学の道の在り方検討委員会、前回の会合の中で、修復の保守の必要な箇所とかを昨今箇所をゾーニングするということで一致して、その方向を定めていて、近くの団体の対応もあると思うのですけども、まずそれに関しての受け止めと、あと今後どうするのかという市長の御意見を聞かせていただければ。

松井市長

 皆さん哲学の道というと、哲学の道と、その脇のある道のことについて時々混同される方がいらっしゃるので、哲学の道自体はこの細い通路であって、そこの脇の道であるということをまず申し上げたいのが一つと、それからやはり地域住民の皆さんの中でも、その当該舗装されていないエリアと、その脇道のところは舗装されている期間が長いわけで、その地域に実際そこにお住まいの方々の中でいろいろな御意見があるというふうにも承知しておりますので、そういうこともよく伺いながら、やはり地域住民の方々はしかし哲学の道の横を通るあの通り、ちょっと私は何という通りなのか通り名は分かりませんが、そこについての受け止め方、あるいは全体としてそこをどういう環境で保持すべきかということについて様々な考え方があるようですので、それをしっかりと受け止めながら地域にとって受け入れられやすい環境を整備するということに尽きるので、今それ以上御議論していただいている中で、私が踏み込んで発言するのは今日の時点では控えたいと思っております。

記者

 あと一点、検討会議、期限を切ったりであるとか、ここら辺で道路を今年度中に整備に踏み込むとか、そこら辺はお考えでしょうか。

松井市長

 私としては考えていません。ただ、もう少し実務で取材されれば、実務の御意見は分かると思いますが、私自身は今、期限を切っていつまでに結論を出すとかというようなことを言っているわけではないですが、検討会の中でどのような議論が行われるか、もう少し現場で取材いただいたほうがいいと思います。

記者

 先ほどの質問にもあった、昨日11日の京都市の人事委員会からの勧告に関してです。市長、先ほどのお答えで、基本的には勧告を尊重するというふうにおっしゃいましたけれども、これは勧告どおり引き上げるということを念頭にと考えていらっしゃるのでしょうか。

松井市長

 基本は勧告を尊重して、給与は引き上げなければいけないと思っておりますし、先ほどの補正予算の中で若干余分を取ってあるというのは、当然給与の引上げによって、人件費が増になるということにも対応しなければいけないということも想定して、一定の金額を残してあるという部分もあります。

記者

 ありがとうございます。あと一点、昨日の勧告の中で、国の見直しについても言及されていまして、給与水準の比較となるような事業者の規模は、国の見直しに準じて50人から100人以上に引き上げられた一方で、職員さんの給与にも反映されてくるような地域手当については、国から指定をされた8%ではなく、現行の10%で据え置かれるのが適当だという、そういった勧告だったと思います。準じるところもあった一方で、国の見直しに準じなかったところもあったのですけど、そのあたりの受け止めというのはいかがでしょうか。

松井市長

 まだ今ここで私がはっきり申し上げているわけでありませんが、やはり国の見直しのときに都道府県単位で考えて、例えば通勤実態とか異動実態、どのような生活圏を移動されているのかということの一定の広域自治体の範囲内で見直しをされているので、それを京都市がそのまま受け入れなければいけないかどうかということは、私はそこは慎重に考えたいと思っています。それは、人事委員会の勧告の中にも10%、8%問題については分析があった。あの分析を私はお話を伺っていて、理屈の通った分析だなというか、全体的に大変それは尊重すべき分析ばかりだと思いますが、あの分析を読んでいただければ、私はあれは腑に落ちる御意見であるなと思いました。比較対象の企業の従業員の規模の問題は、昨年取材された方はお分かりのように、私は例えば大学の教員を10年余りやっていましたから、やはり実際問題、学生さんであるとか社会人もそうですけれど、どういう企業で働きたいか、どういう官庁で働きたいかということを、実際に就職に当たって選択している方々の視点も大事であって、そのときにどことどこで迷っているのかということを考えたときに、私は今回人事院勧告において、その基準を引き上げられたというのは、非常に私の思いというふうにおいては、それは実態を見ていただいているなという認識がありました。50人から100人で、我々も一定の自分たちの持っているデータで試算してみましたが、もちろんそのことによって給与水準は上がりますが、規模が大きくなるに従って、ただ、思ったほど変わらない。現実には例えば、京都のいろいろな大学生と話をする中で、どういう企業に行こうとしているのかと、就職の選択肢の中で京都市役所がどういう存在であるかということを考えたときに、私はこれは国がどう判断するかということを基本的に尊重して、人事委員会がまたそれを勘案しながら京都市の給与処遇について議論していただいていますが、私は就職を希望する方々はもう少し大きい規模と比較されているような学生さんが多いように思いますね。ですから今後、これは国も今回大幅に倍に引き上げられまして、1,000人規模であったのかな、国の比較対象企業の従業員数は、ですけれど、たしかその規模感が倍増したと思いますけど、それでも私の感覚で言うと、私がかつて自分の教え子が国家公務員を志望したり、場合によっては横浜市役所を志望したり、お互いに悩んでいる人は今現実に私が指導した経験で言うと、国家公務員の中央省庁に行くか、横浜市役所に行くかって真剣に悩むのですよ。地方公務員というのは、そういう規模感ですよ。今そういう存在になっているんです。なのでそういう意味では、今国家公務員の比較対象規模と、地方公務員の比較規模は違いますが、京都のような政令市の場合、それをどう考えるかということは、そういうことも含めて将来的には人事委員会においても検討していただくのがいいんじゃないかなというふうには思わなくもない。そんな話はつぶやいたりはしているわけです。私があまり公式に発言するのはよくないので、つぶやいたりして、それはどっちかというと、市長というよりは過去に大学の教員として、いろいろな学生の相談に乗ってきた中で、どのあたりと迷っているのか、そのときにやはり公共人材をしっかり確保すべきだという私の個人的見解ではあります。 

配布資料

このページに対してご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

お寄せいただいたご意見は、今後のホームページ運営の参考とします。

お問い合わせ先

京都市文化市民局市民スポーツ振興室京都マラソン実行委員会(075-222-3138)
京都市行財政局財政室(075-222-3288)

フッターナビゲーション