市長記者会見(2025年8月6日)
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2025年8月18日
「*** in Residence Kyoto ~京都の若者と世界の多彩な才能が交流する仕組みづくり~」について、京都市長が記者会見を実施しました。
(補足)発表内容は、令和7年8月6日時点の情報です。
記者会見動画
(発表案件)*** in Residence Kyoto~京都の若者と世界の多彩な才能が交流する仕組みづくり~
松井市長
はい、お暑うございます。今日は発表案件としては、今、お話がありましたように、アスタリスク・イン・レジデンス、今、予算の項目の中でも計上しておりますので、皆さん御承知の名前だとは思いますが、一般の方にはアスタリスクと言っても何だという反応もあるかもしれませんので、そこも含めて御説明をさせていただきたいと思います。お手元のパワーポイントに沿ってお話しさせていただきます。
新京都戦略で、多彩なクリエイティブ人材を京都に呼び込んで、居住や一定期間滞在できる環境をつくって、大事なことは地域との交流、そして、その作品の制作発表できる機会の創出ということを、新京都戦略でも取り上げております。これ6年度、昨年度からモデル事業として取り組んでおりまして、今日は、その令和7年度の取組、そして8年度以降、これは具体的にこれからいろんな予算編成に取り組んでいかなければいけないので、その中で検討していくんですが、そこについての、私の個人的な思いも含めてお話しさせていただきたいと思います。
では、この資料の目次でございます。6年度の取組、7年度の取組、今後目指す姿についてお話ししたいと思います。3ページをお願いします。
本事業の一番モデルとなったアーティスト・イン・レジデンス、京都市ではエアーと言ってるようですがアーティスト・イン・レジデンスです。国際的にも定着した政策だと思います。国内外からアーティストを一定期間招聘して滞在中の活動を支援するということで、ここに書いてあるような歴史的な、先日、私、フィレンツェに参りましたが、そのフィレンツェでも、このアーティスト・イン・レジデンス、昔の監獄を使ったアーティスト・イン・レジデンスを視察させていただきましたが、まさに、このイタリアに、このフランス、イタリアといったところに起源を持つ政策というふうに言われておりまして、アーティスト、特にこれからの新進アーティストにとってキャリアアップになる取組であると同時に、そのアーティストが地域の方々と交流し、まちの活力にもつながるということで京都では比較的歴史が古くて、これは国際的にも注目されている動きですが、2000年、25年前には京都芸術センター、昔の明倫小学校です。開館当初からの事業となっておりまして、京都芸術センターは、これまで36か国、延べ116人を受け入れていまして、国際的にも評価が高いものです。
そして注目に値するのは、フランスとドイツが、それぞれ御承知のように、フランスはヴィラ九条山、ドイツがゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川というものを開設しておりまして、私も市長就任後、昨年度、割と早い時期に、それぞれお訪ねしておりますし、ヴィラ九条山は中でのイベントのときに、中のアーティストの個室、それはアトリエプラスレジデンスも拝見させていただいて、なるほどと思わせていただいたところでありまして、いろんなアーティスト・イン・レジデンスは民間でも取組があります。
国内の事例という意味では、これは私の友人が関わっている、あるいは、もともと交友のある市長さんも関わっておられた、あるいは、その際は前兵庫県知事も非常に積極的であった。城崎のアーティスト・イン・レジデンスとか、あるいは神山のプロジェクトも有名でありますが、我々は、それに劣らぬ歴史を持っていると自負しております。
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5ページです。これまで取り組んできたアーティスト・イン・レジデンスというのは、アーティストが対象でした。今回、耳慣れないアスタリスク・イン・レジデンスという言葉を使わせていただいているのは、そのアーティストだけではない、様々なクリエイティブ人材に、京都に来ていただきたいという思いであります。
すなわち、次の6ページ、このアスタリスクというのは何だ。サムシング・イン・レジデンス、それをアスタリスク・イン・レジデンスと言っておりますが、幅広いクリエイターをある一定期間、1か月から3か月ぐらい、ここに書いてあるように、例えばアート分野に限定せず建築とか、文学、工芸、料理、京料理もありますし、あるいはアントレプレナーなどのビジネス領域も含めて、これをどんどん招き入れていきたい。御承知のように私の市長選挙における公約、キャッチフレーズは、突き抜ける世界都市でありますが、その突き抜ける人材を各分野で、突き抜ける人材を海外から招いていきたい、あとで話をしますが、それは正直言うと今は海外に目を向いてますが、国内であったとしてもそういう人材というのに、京都に入っていただきたいという人材は、私は将来的にはあり得ると考えております。
ここに書いてありますように、遊休施設の活用を促すということも、私はこれからの可能性だと思いますし、何よりも大切なことは、これずっと申し上げてる、京都はぬか床でなければいけないので、突き抜ける人材が突き抜けていただく、それがばらばらということではなくて、それが地域にちゃんと還元されるというか、地域と交流する、人々と交流していただくということによって、その必ずや京都のまちの活力にもなるし、京都の中のその突き抜けた人材と京都の人々、あるいは若い人たちが交流することによって、必ず、その創造性も京都の創造性を刺激し、活性化させるものだと私は考えています。
10ページお願いします。
この令和6年度ですが、レジデンスの受入れの実績をたくさん有する、これは京都市の基本構想、今、パブリックコメントに付しておりますが、そこでも委員を務めていただくと同時に、未来共創チームという京都市の基本構想をつくるときには、若手チームもつくっていただいた。その若手チームの議論と、本会議、本審議会の結節点の役割を果たしていただいた方でもありますが、杉田真理子さんを中心にチームを令和6年度構築し、取り組みました。4組のモデル事業を実施して、台湾、エジプト、インド、フランスから都市計画家、あるいは起業家など多彩な方々を受け入れさせていただいたところです。詳しくは見ていただければと思います。
11ページ、昨年度やってみて、レジデンスに自分たちが受け入れてその居住、あるいは創作のスペースを提供しようという、そういうレジデンスに関心のある方々が多数いらっしゃること、それからどのようなクリエイターと、しかし、その実際マッチングして受け入れるかということの、そのコーディネートが極めて大事だというのが、この6年度やってみたときの一つの大きな教訓でありまして、13ページお願いします。
今年度については、ポイントとして3つ、3つ充実ポイントがありまして、1つは「ニュイ・ブランシュ KYOTO」、まさに、その先ほどフランスのヴィラ九条山の話をしましたけれど、そのフランスとしっかり連携して、せっかく長い歴史を持って、京都で自国の利益、狭い利益だけかどうか分かりません。だけど自国の文化政策の一環として、京都にフランスの様々なアーティストを滞在させるということが、フランスの文化の高揚につながるということで、そういう事業なさっているわけですが、そのフランス関係としっかり連携して、「ニュイ・ブランシュ KYOTO in Residence」ということで、この連携をしっかり進めていくことが一つの柱。もう一つはクリエイターの受入れをサポートする、この先のコーディネート機能というのが非常に大事であって、それをサポートする専門家相談会、例えばうちの家を使ってもいいよ。例えば古い町屋を使っていいよ、場合によってはお寺を使っていい、神社を使ってもいいよという方々いらっしゃっても、例えばそれを法律的にどうなのかとか、何か問題があったときにどういうふうに相談できるのか、そこがやっぱり不安があるという話もありますので、そういう個別の弁護士さんなんかも入っていただいて、あるいは、いろんなそういう不動産の受入れ事例をたくさん持っておられるような不動産会社の方々のお知恵、知見もいただいて相談会をして、遊休施設の活用とか、レジデンスの立ち上げの疑問とか、不安に対してしっかりお応えしていく、それが裾野を拡大することになるかなと思っています。
それから3つ目は、多様なクリエイティブ人材を呼び込むモデル事業をどう実施するかということで、今年度は、前年度、6年度は市内4か所でしたが、6か所に実施場所を拡大して、先ほども申し上げましたがアート、アーティストに限らずファッションとか、エンジニアまで含めて幅広い分野のクリエイティブ人材をお迎えしたいし、それをちゃんとコーディネートする方々、ユースコーディネーターという、そのコーディネートをすることによって、自分自身も啓発を受けるような若い方々を選定して、そのクリエイターの方々の実際の受入れ、そしてレジデントの方々の受入れをサポートしていきたいと考えています。
14ページお願いします。
具体的な7年度の取組ですが、ここの6か所、北区、上京区、左京区、中京区、下京区、洛西ということで、我々公園の「Park-UP事業」もやってますが、その船岡山公園のこのスタジオ、それから西陣織の元の工場、工場をどう活用するか。くろ谷金戒光明寺さんを利用する。それからこのひのでやエコライフ研究所さんというところをお借りする。下京区、つくねとminchさん、洛西、大原野ギャラリーさん、そういったところ、それぞれ個性があるところに対して、具体的ないろんな分野の方々をマッチングしながら、アーティスト・イン・レジデンスを進めていこうと考えております。
次、お願いします。
それで、先ほど申し上げましたように7年度の取組として、今、申し上げたような6か所なんですが、大切なポイントは海外のクリエイターと京都の若者、あるいは地域にお住まいの方々との交流でありまして、はっきり言って租界みたいなものをつくるつもりは全くないんです。これはそんなに大勢の方を1か所に受け入れるという話じゃないから、そんなふうにはなりようがないんですが、やっぱり仮に、例えば、将来アーティスト・イン・レジデンスの拠点をつくるにしても、そこがやっぱり地域と交ざるということが極めて大事で、それが一つの命だと私は思っておりまして、その交流の、そのコーディネートをやってくれるような、ユースコーディネーター、市内在住、在学の大学生を対象に公募して6名、随分多くの応募がありました。これは海外クリエイターのサポートはそうですが、交流を生み出すための企画運営というのもやっていただく。それを若い人に担っていただくということを考えてます。それが2つ目の柱です。
3つ目は、そのミートアップです。レジデンスオーナーとか、こういう事業に関わってみたいという方々との交流会をつくっていって、新規オーナー候補の発掘、あるいはネットワークを構築するということで、この松栄堂さんの会場をお借りして、8月下旬にこういうミートアップというのもやっていきたいと考えております。
次、お願いいたします。
それから、オープンデーというのを考えてみまして、さっき申し上げた、ニュイ・ブランシュの初日、9月27日に、これだけ手を挙げていただいてます。市内のレジデンス関連施設23か所と連携してオープンデーを開催したいと思います。もちろん見て分かるように、例えば20番に本屋さんがありますが、本屋さんがレジデンスになるわけではないです。ここは高島屋の中にある本屋さんですから。ただ、そういう場を使っていろんなこういうアーティスト・イン・レジデンス、アスタリスク・イン・レジデンスというものはどういうものであるのかということを多くの方に知っていただく。それは実際のレジデンスの受入れの機関も入ってますし、今、申し上げたような自分たちが、そこがアーティストイン、アスタリスク・イン・レジデンスになるわけではないけれど、このプロジェクトについて非常に興味を持っていただいた方々が、様々な形でそれに関わっていただくということで、実を言うとこれ以外も含めて、まだ、これは本日時点、これ実際は8月1日時点の資料でありますが、23か所ありますが、もっと多くの方々が、こういうふうに関わっていきたい、何らかの形でこの事業について関心があるという方がいらっしゃったら、いや、うちは場合によってはまた受け入れてみたいよというところがあれば、こういう形で、その9月27日にどこまで同時並行で実施できるか分かりませんが、これは追加がありえると、今の段階で手を挙げていただいている方々ということであります。
次のページお願いします。
目指す姿でありますが、私としては「突き抜ける世界都市京都」をつくる上での一つの目玉事業、予算の金額的にはそんな大きな事業でありませんし、率直に言って、今は篤志者の寄付を使って、この2か年の令和6年度、7年度の2か年のモデル事業を実施している、あるいはしてきたところでありますが、これは将来的にさらに、これを加速して令和8年度以降の「突き抜ける世界都市京都」をつくる、そしてそれをしっかりぬか床のように交ぜていくという意味ではシンボリックでありまして、もう少し京都市自身がさらに踏み込んだ施策を展開できないかという意味では、私の重点施策の一つになるので、今日は御紹介させていただいているところであります。
海外からのクリエイターが京都の若者、あるいは京都のクリエイター、あるいは伝統的な職人と言われると、何か私はクリエイターじゃないよと思ってる方々含めて、意外と伝統的な職人のような方々と、こういうクリエイターがコラボすることによって新しい価値、あるいは伝統に光をもう一度当てるということの可能性があると思っています。
そういう意味では、この交流し創造的な滞在をしっかりつくっていく、そのことでお互いの、それぞれ伝統的な職人さんも含めて、そのクリエイティビティを向上させて、京都というまちが成長し続けるような、そのきっかけになる施策にしなければいけないと思っております。
京都基本構想については、また日を改めてどっかで皆様方に、もちろん議会にも御説明する機会があろうと思いますが、京都基本構想の中で、実は京都学藝衆という言葉を使っておりまして、私の発言などをフォローしていただいてる方には、そういう話を私が自分のSNSで言ってたなということも思い起こしていただける方もいらっしゃると思うんですが、今、クリエイター、あるいはアスタリスクということにいろんな名前を出しました。でも、例えばそれは造園家、庭をつくる人であるかもしれないし、哲学者であるかもしれないし、京都でばりばり作品をつくってもらう作家、それはもう文学の作家もあれば、いろんな造形作品の作家もあれば、いわゆるアーティストという方もいらっしゃると思うんですが、現代の名工、あるいは京都のほんまもんを支え続けてきた町衆のような方々って山ほどいらっしゃるわけでありまして、そういう京都学藝衆と私は定義していますが、そういう方々をちゃんと掘り起こす。あるいはその方々の、さらに交流で新しい価値発信をしていただく、そういう方々をどう分厚い、この京都の学藝衆を今維持して、ひょっとしたら高齢ですばらしいものをつくりながら、でも、後継者がいないという、そういう方々もいらっしゃるんです。
例えば、西陣にいらっしゃるものすごくすばらしい作品を、海外でも評価されている作品をつくり続けているけど、後継者いるんですかって聞いたら、いやいや、私には後継者はいません。私が束ねてるのは、それぞれの分野の職人で、これはなかなか伝えられませんという方もいらっしゃって、私としてはそういう方の、例えば海外のクリエイターだけではなくて、そういう本物の技術を持った人々が次の世代、それが国内の若者であったとしても、海外のクリエイターであったとしても、そういう方々と結びつかせて、京都の中の古き良き伝統が、このまま耐えてしまうということを、一つでも、そういう遺漏を防ぎたい、そして一つでも多く、それが新しい時代の中で生き延びていただきたい。そのことを促す政策にしていきたいと思っておりまして、それから先ほど篤志者の寄付ということを言いましたけども、これは京都市自身がしっかりと市民の税金である市の支出というものを、これからも何でもかんでもやるというわけではありませんが、我々も自分たちの主体的な役割を、令和8年度以降はさらに高めていかなければいけないと思っておりますし、先ほど一部のアスタリスク・イン・レジデンスの場所を提供していただくというところで、お寺というのが出てきまして、くろ谷さんができましたけれど、例えば大学というものも、もっとこれから考えていけないか。神社、仏閣というところをもっと幅広く考えていけないか、様々な主体が、自分が提供するということもあるでしょうし、それから京都市が単に予算をつけるというだけじゃなくて、私が常々申し上げているのは、例えば市営住宅ってあります。これは今、若い大学生も入っていただいて、市営住宅の自身の変質、変質というか、セーフティーネットとしての、機能としての市営住宅というのは、これからも必要だと思いますが、それに加えて、もう少しこういうアスタリスク・イン・レジデンスの場所として、文化交流をしていただくような、あるいは国際交流をしていただけるような市営住宅の活用の仕方、これは市営住宅に限りません。
例えば、古い京都の今空いている施設、例えば元の小学校みたいなものをどう使っていくのか。これはその小学校だけに限りません。京都の貴重な市民の皆さんの財産をしっかり、次の時代につないでいくための、この人材の交流、あるいは新たな人材の発掘、あるいは伝統的な職人芸をいかに残して、次の時代につないでいくか、そこを積極的に活用していくということも含めて、私としては、令和7年度、今年度の重要政策であり、令和8年度に向けて突き抜ける世界都市、なおかつ居場所と出番がある。ちゃんと京都の職人さんたちに、まだまだあんた引退するには早いよと、若い人たちにあなた方の腕前を見せてくれということを、そういう機会を提供することまで含めて、私はこれを軸にして、一つの政策の軸にして展開していきたいということで、今日は冒頭ちょっと時間が長引きましたが、御説明の機会とさせていただきました。
ありがとうございました。
質疑応答
発表案件に関する質問
記者
これまでもアーティスト・イン・レジデンス取組は市内でもあったということでしたが、なぜ、今、そのアスタリスク・イン・レジデンスという形でアート分野に限定しない枠組みのものを進めていくのか、先ほども少し京都学藝衆のお話ありましたが、改めてアート分野に限定しない枠組みをつくる目的を教えてください。
市長
これは私がもともと「突き抜ける世界都市京都」と言った時点で、京都はよく文化芸術のまちと言われますが、その文化技術を非常に狭い範囲の、アーティストの活動といっても実は幅広いんですけども、それに限定するんじゃなくて、例えば、そうですね。芸術と芸術作品といいますが、実際伝統工芸品、私の友人、昔からのクラスメイトにも工芸品を作ってる。でも、彼は、今の役所で言うと経済産業省の所管の伝統産品を作っている。でも、文化庁が主催の作家、これ区別が本当にあるのか、要るのかという話も、僕はずっと言われ続けてきて、それってあんまり区別ないんじゃないかと、いわゆるアーティストだけじゃなくて、工芸作家の中にすばらしい作品を作る。
私がさっき言及した西陣織の方もそうですが、私は作品を作るために商品を売ってるんですという方がいらっしゃるんです。商品は頑張って販売して自分たちが人々を雇用して、そして生業としてやるもの、だけど、それの本当の心髄は、自分がこれ売れるか、売れんか分からんけど、納得いくものを作りたいというものを作っている。ここの区別ってないと思うんです。なのでアーティストという言葉だと、どうしても範囲が狭くなってしまっていて、そのアートを生業にしているという、その創作活動を生業にしてる。でも、実際は職人のような方々、あるいはアーティストという言葉ではないけど、思想家であるとか、さっき申し上げた造園、京都で造園をしてますって、その人でなければつくれないお庭とかあるんです。でも、この人たちは自分のことをアーティスト、いや、自分はアーティストじゃありませんよという人たくさんいらっしゃるんです。
それは、例えば京都のまちが欲しているのは、世界に先駆けるようなビジネスを展開するという人がいますよね。私、この週末に有名なリージョナルフィッシュという会社を訪ねてましたけど、これやっぱり京大発ベンチャーで、もう世界のひょっとしたらバイオの最先端を行くアントレプレナーでもあります。しっかり農林水産省とあれしながら、本当に遺伝子に何らかのアクションを加えるという意味では、そういうことについてのエシックスというものを考えながら、じゃあ、どういうふうに豊かな日本特有の水産物をつくっていくのかということを考えている人がいるわけで、その人は相当、大分成功してJ-Startupにも前に認定されている人ですが、そういう卵のような人材というのは、実は京都にもいるし、海外にもたくさんいて、それが京都でクリエイティブな活動をしていきたいという人たちがたくさんいるので、私はだからあえてアーティストという言葉を外して、アスタリスクということでもっと幅を広げていきたい、それは京都の創造ある価値活動、京都の価値の創造性をさらに刺激するということに、有効な方々がたくさんいる。だけど大事なのは、そのすごい突き抜けた人たちだけを育てるということに税金を投入するということではなくて、その方々が地域にいい影響を及ぼすような、その交流というのが大切であって、このアスタリスク・イン・レジデンスは突き抜けた才能を伸ばすと同時に、それが地域とつながっていく、そして京都ならではの、伝統と革新というものの京都というものを、私は、また、別の場で話をしますが危機感も持っていまして、そこの私の危機感を解消していく一つのきっかけとなる人材を各地に埋め込んで、そこでいろんな創発を起こしていきたい。なので将来は、この今の弱みは点なんです。今、申し上げたように、お寺であるとか、昔の何とかの工場であるとか点なんです。その点を線につなぎ面にしていくというためには、弱いのはやっぱり芸術センター、京都芸術センターすばらしい活動をして国際的にも評価されていますが、あそこレジデンスがないんですよ。頑張ってそのレジデンス部分は紹介して、京都のいろんなアパート、マンションに住んでもらう、町屋に住んでもらうような斡旋はしています。そしてその滞在費の一部はもちろん補助していますが、やっぱりフィレンツェに見ていって、やっぱりすばらしい施設があって、その奥にレジデンスがあってみんなそこに住んでいて、その人たち同士がある意味では寝食をともにして暮らせる。それがまた地域の人たちと交流するという、面の広がりがまだまだ弱いんです。その面の広がりをどう京都全体で広めていくか。そのために私は大事なのは、このアスタリスク・イン・レジデンスだし、そこをもっと京都の人たちの、京都にたくさんいるクリエイティブな人たち、それは職人さんたちも含めて、それを京都で掘り起こしていく、これが私が考えてる京都学藝衆なので、私自身がこれから提案しようとしている京都学藝衆というものと、このアスタリスク・イン・レジデンスは密接不可分なんです。というところが、いわゆる従来のアーティスト・イン・レジデンスとの違いであります。
記者
この先、そのプロジェクトを加速させていくと思うんですが、それに当たって海外のクリエイティブ人材であるとか、また、受入れ主体となる施設のオーナーを掘り起こすために、それぞれに対してどのようなアプローチを行っていくのでしょうか。
市長
はい、ですから、まさに今回この5年度、失礼、6年度、7年度等に行っているのは、そのレジデンスオーナーの裾野をどう拡大していくかということのパイロットプロジェクトであります。ここで、ですからさっきも20何か所で、オープンデーをやるというのも、そういうことを京都市が促してやってるんだということをより多くの京都市民であるとか、京都でこういう活動について関心がある方々に知ってもらって、じゃあ、こういうものがあるんだったら我々どんなことができるんだろうか。いや、それやったらこんなことに活用してもらえるんだったら、この町屋いろんな固定資産税も大変やし、もう売ってしまおうかなと思ったんだけど、こういう活用の仕方があるんやったら、この町屋を残して何とかそういう場に使ってもらえへんかという方々を、どうやって京都中から探し出してくるか、それがとても大切だと思います。いただいた大変ありがたい寄付金は令和6年度、7年度で尽きます。なので、そこから先、これがプロジェクトとして実装する。あるいは違う形で京都市がさっき申し上げたような、例えば京都市の市営団地を活用してそういうものをつくる。それも一案です。まだ決まってるわけでありません。あるいは、いや、こんなんがあるんだったら自分たちはこういう活動するからといって、また、ひょっとしたら違う方が、そのことに役立ててくださいという方々がいらっしゃるかもしれないけど、ただ、私が考えなきゃいかんと思っていることは、そうやって毎年、毎年、どなたか篤志者の寄付を当てにして、この事業を行うというよりは、これはちゃんと堂々と京都市自身が多少の財政負担をしてでも行っていく価値のある事業だと思いますし、京都市の持ってる貴重な資産を、このことに充てていくということについて、私はこれから議会の方々にも、あるいは市民の方々にも、そのことが京都の価値ではないかということは訴えていって、例えば、京都市の保有財産をこういうことに充てていく、あるいは京都市として大切な財政資金をこういうことの支援に対して当てていくということについて、これは令和8年度以降考えていって、もしそれが可能だったら、このパイロットプロジェクト以上のことができる。例えば、複数のアーティストが同じような空間、同じような隣接空間で創作活動をして、それぞれが交流して、もうちょっと幅広い地域での交流が、機会が提供できるということも、我々がもう一歩前に進めばできると思うので、それの言わばパイロット事業として、皆様方にも認識していただきたいというのが、今日の趣旨です。
一般質問
記者
令和6年度の決算が間もなく発表になると思いますが、見込みと市長の受け止めをお聞かせください。
市長
報道発表は8月8日ということで、信頼ベースで申し上げさせていただきます。なので、あんまり具体的な数字というよりは、まあまあいいのかな、数字を言っても。過去最高の市税収入というものを記録させていただきました。これを積極的に活用して、今、申し上げた「突き抜ける世界都市京都」というものを、実現のための基盤づくりに今まさに充てさせていただいているところでありますし、これから新京都戦略の中では、財政運営目標というものも記載させていただいているところでありまして、その財政運営の目標を着実に実行し、持続可能な行財政運営に向けて、さらに前進させていかなければいけない、そのための貴重な税収をいただいたと認識しております。
具体的な数字は今、申し上げたように、8月8日に発表させていただきますが、6年度決算としては58億円の黒字ということでありまして、これは令和4年度から3年連続で、特別の財源対策を講じることのない黒字ということになりますし、この58億円の黒字を財源にして、過去負債の返済についても計画どおり35億円、10億円プラス25億円ということで35億円を返済させていただきたいと思います。
中身は、決算の中身は、また、詳しく御説明すること、機会があると思いますので、一々私はここで言いませんけれど、歳入歳出も令和5年度を上回る規模になったということ、それから今申し上げたように市税収入が過去最高を更新した。ふるさと納税も過去最高を更新した。市債残高は4年連続減少になったということで、それをしっかり使いながら「京都安心すまい応援金」、あるいは、「こどもまんなか公園魅力アッププロジェクト」、さらには、僕が市長就任後最初に申し上げた「まちの匠・ぷらす」などを実施しているところであります。
その受け止めということでありますが、財政の状況という意味では、もちろん、これは後で御質問もあるかもしれないし、事前に事務的にもいろいろやり取りの中で聞かれていると思いますが、ある程度見通しのもとに、この7年度の予算の中でそれを計上して、要するに、これはここでその黒字が出て、そこで補正ということになると、結局9月以降、年度の後半に使えるお金になってしまって、そのお金自身の執行面での制約があるもんですから、そこはある程度7年度当初に入れた上で有効にまちづくりに、先ほど申し上げたような、今、令和7年度に実施している事業に充てさせていただいてるところでありまして、そういう状況の中での黒字の58億円というのは、若干、前年度の黒字よりは減っていますけれども、じゃあ、全体としてどうかと言われれば、じゃあ、前年度に比べて財政が悪くなっているということでは必ずしもない、だけど全体から言うと、私の感覚から言えば、ようやくほかの政令市並みの財政水準に追いつきつつあるというぐらいのことで、この財政黒字をもって我々安心できるかというと、まだまだ脆弱な担税構造しか京都は持ち得ていないので、いろんなその財政支出をするに当たって、もう少し担税力を増やす必要がある。
ただ単に、私は企業誘致は非常に大事なことだと思いますが、でも、京都という町の、町柄から言えば単に企業を何でもいいから誘致するということよりは、やっぱり京都らしい企業誘致をして、担税力を強化するとともに、やっぱり京都で行われる活動というのは、創造性豊かだなというものに力点を置いて企業誘致もしていかなければいけないし、さらに言えば、財政の将来を言えば、今、黒字で市税収入は最高レベルと言ったって、支出もどんどん増えているわけです。人件費も上昇しています。それは今のいろんな建設プロジェクトがなかなか前に進まない背景には人件費の上昇と、それから人手が、担い手不足、それがあってまた人件費が上昇していく、資材価格も上がっています。物価高騰で、今年度も、じゃあ、もっとたくさんのお金を過去負債の縮小に充てるべきではないかと、充てたいところだけれど、現実には物価高騰も非常に市民の生活を圧迫しているわけで、そこに対する対策も、これからの国の政策動向とタイアップしながら進めていかなきゃいかんというときに、やっぱり今、財政だけを、重点を置いてさらに過去負債の解消ということにもう一歩進むというよりは、日々の市民の生活とか、京都の経済というものをきっちり守っていくために、ある程度お金は使えるように、この黒字というのは残していかなければいけないんじゃないかという思いを、この決算に関しては持っております。
記者
北陸新幹線について、与党整備委員会委員長の西田昌司さんが、ルート再検証という考えを示されました。このことについて市長としての受け止めをお聞かせください。
市長
はい、市長としての公式の会見なので、私の政治活動についてあんまり踏み込んで言うべきではないのかもしれませんが、西田昌司議員は京都の、今の与党、野党というのは簡単に使うべきではないのかもしれませんが、少なくとも選挙前、与党議員として京都の国家予算、政策要望に御相談に乗っていただいたり、御支援をいただいている議員であり、私としては参議院議員選挙で政治的には西田昌司候補の応援もさせていただきました。
そのプロセスで私がずっと申し上げてきたことは、私が西田昌司先生と100%、過去の私の政治キャリアを含めて、100%政策が一致しているわけではない。今の政策についても、立場の違いというものがあって、個人的にどこまで合う合わないということではなくて、立場の違いというものがあって個別の政策、例えば、おっしゃった北陸新幹線の延伸について言うと、西田先生が自民党議員としてずっと関わってこられた方針と、私が今、京都市の代表、行政の代表として申し上げていることは、局面、局面によってはベクトルが違うことがあるかもしれない。だけれど、そこをしっかり違いを乗り越えて、政治を前に進めていただける方だということで、私は、西田候補の応援をさせていただきました。西田候補がどういうふうに選挙戦の途中で御発言をされたか。例えば、出陣式で何をおっしゃったのか、あるいは演説会、個人演説会でメディアの方々も入っておられるところで何をおっしゃったのか。地元の新聞社に投開票日当日にどのような広告を西田先生のお名前で出されたかということは、皆さん御承知のとおりでありまして、加えて、今、与野党の構造がどうなるか分からない。要するに衆参ともに従来の与党が過半数を持っていないという状況の中で、これから重要政策がどのような枠組みで、中央で決定されるのか分からない状況の中で、西田先生は、そのことを非常に、その選挙戦における、例えば、私も同じ場で、個人演説会で私もいて西田先生がいらっしゃって、私も、今申し上げたようなことも申し上げ、西田先生もそれに対して、私に対してある種のメッセージを公衆の面前で投げかけられた。そのことも踏まえられて、私は、西田先生がある種与野党の関係も変わっているし、従来の姿勢、個人としてやって来られたこと、従来の与党PTの立場というものも含めて、もう少し柔軟に見直す必要があるとおっしゃったんだと、私は理解しておりまして、そのこと自体は、私は今回の参議院選挙における西田先生とのやり取りを踏まえれば、私は十分理解するし、生意気な言い方でありますが、ある種評価をさせていただいている。ものであります。
今後どうなるかは与野党で、従来の与野党の枠組みも含めて重要政策を協議されるときに、それがどのような場で、どのような方々が参画されて、いつ頃どういう形で議論されるのかも含めてまだ分かりませんので、私としては当面それを注視していきたい。私自身の北陸新幹線の延伸を、京都市を通り、京都市内に駅を作る構想に対する受け止めは、従来申し上げたとおり、京都市民としては、国家的には様々な議論があるでしょう。ルートについても、ただ、それを私が言い出してもキリがないですし、それを各自治体が言い出すと、本来的な国家的事業の意思形成の在り方として、私はそれを、それぞれの自治体が自分の具体的なものについて自分のポジション言うのはいいけれど、国策としてルートを議論されているときに、私がどこのルートがいいとか、悪いというのは控えますが、私としては、もしそれが京都を通る、京都市を通るものであり、京都市に駅が設置されるものであれば、それについて今までの京都市民が持っている様々な懸念、課題について、それを明らかにしていくことが、京都市の行政の代表者としての私の職責であろうと考えております。国策としての北陸新幹線の延伸の重要性は、私は十分理解しているつもりであります。
記者
今、質問に対しての市長のお答えが、ちょっと私は分からない部分があったのでもう一回伺うんですけども、西田昌司議員が再検証をやるという方針を示されたことについては、どのようにお考えか。
市長
それは西田先生の政治姿勢として、私は少なくとも参議院議員選挙中同じ場にもおりましたし、その言動を拝見していて、その言動をしっかり守られて、御自身の有権者に対する説明、発言というものをしっかり誠実に、従来の姿勢を少し柔軟化されたんだと認識しています。
記者
柔軟化されたことについては、どういう評価か。
市長
それは政治的に有権者に対する発言に対して誠意ある態度だと思います。柔軟化されたこと自体はね。これからそれをどうされるのかというのは、もちろんそもそも西田先生が推進主体ではないわけです。推進主体というのはやっぱり与野党が協議をして、国政が大枠を決めた中で、国あるいは機構が具体的にどのように議論をこれから進め、そして関連自治体、地域住民も含めてどのように、それは対話していきながら具体的に事業を前に進めていかれるのは、最終的には国、あるいは機構だと思います。
ただ、そのキーパーソンとして西田先生が参議院選挙中にいろいろ発言され、そして当選され、それについて当初、投開票日の当日は決定済みのことであるという御発言もありまして、私もどうなのかなと一瞬ちょっと心配しましたけれど、その後いろんな方々と意見交換をされたんだと思います。私のところにも御挨拶にわざわざおいでくださいまして、私も新幹線の話、長くはしゃべっていませんが、選挙中のお話も含めて、私はこう理解してますよということを申し上げました。
それを受けられたかどうか分かりませんが、選挙中の御自身の言論ということを踏まえられて、そして選挙結果を踏まえられて、再検証するべきだという方向性を示されたというのは、私は政治的に西田先生が妥当な判断をされていると思います。
記者
参院選の結果が出て初めての記者会見になりますので、衆参ともに少なくなっているという状態についても受け止めと、それと今回、参政党の躍進ということがかなり話題になったということについての受け止め、また、石破首相について、今後そのどんなふうになるのかというのが、いろんな報道も相まったわけですけれども、そうした経緯についてどのように御覧になっているかというのを伺えますでしょうか。
市長
国政は、かつて国政に身を置いて野党という立場、与党という立場、両方経験した人間でありますので、国民の審判というのは厳粛なものだなと思います。そして、その審判をどう受け止めるかということも、また今、当選された。今回の参議院で当選された方々、あるいは従来議席を持っておられた参議院議員の方々、あるいは衆議院の昨年審判を受けられた方々も含めて、この民意というものをどう受け止められるのか、非常に与野党ともに難しい、容易ならざる状況にあるんじゃないでしょうか。この審判をどう受け止めるのか。
私のかつての経験で言うと、野党に身を置いていて、衆議院選挙で大勝して私は、当時は参議院議員として、むしろ側面支援、あるいは、その選挙をどういう体制をつくるかということに執心しておりましたけれど、その民意というのを一つ間違うと、これは私自身の経験ですよ。私自身の経験で間違ってしまうと、また、進路を誤るということも、自分たちは総体として、政権交代をして、その政権交代後の政権運営において、この民意というのは、こういうものだと思ったけれども、それは政権としてやっぱり必ずしも正しくない民意の解釈というのがあったと思います。例えば、官僚というものをどう捉えるかということについて、民意がこうだ、みんな思ったけれど、しかし、実際それは民意だったのかというと、もっと政治家が責任ある判断をしろということが民意であって、官僚をたたけという民意ではなかった。だけど、多くの人が政治指導イコール、官僚よりも政治が優位に立って判断することだ。官僚の役割をむしろ減じて政治の役割を表に出る。それが民意だと間違ってしまったというのが、私の2009年から2010年ぐらいにかけての自分自身の、民意の重さ、そして、その意図をどうくみ取ったかということについて、正直言って、いろいろ当時の政権として誤りもあったと思うわけです。
だから、この民意というのをどう受け止めるか、民意はしかし、実はどの勢力にも過半数を与えてないわけです。だから、このどの勢力にも過半数を与えられてない民意というものをどう見て、与野党が、しかし、だからといって無政府状態というものを民意は求めているわけではない中で、与野党がどのような協議の枠組みをつくるか。難しいと思いますけど、それを私が一つ言えるとしたら、与野党で本当に民意をちゃんと受け止めて謙虚な政権運営を行っていただきたいと思うだけであります。その謙虚さが何かというのは、今、申し上げたのは自分の政治家としての過去の経験に立っての発言であって、1人の自治体の首長としては、それはどのような形で政策形成が行われるのかを注視していくという、そのことだけに尽きますが、政治家として申し上げればそこをぜひ、民意というものをしっかり受け止めて、それぞれがお互い難しい判断があると思います。それぞれが多数取れないところで、お互いにどうやって譲り合いながら、相手の意見を聞きながら政策協議に向かう、向き合うのか、そこをぜひ与野党、それぞれが責任ある御判断をいただいて、例えば、実際の立場から言うと、いろんなその政策制度が地方行政にも大きな影響を与えます。
例えば、暫定税率、ガソリンの暫定税率の廃止というのは地方財政にも影響あります。そういうものについて、じゃあ、どうしていくのか。それを例えば、廃止するなら廃止するで、じゃあ、その分の財源の地方全体に対する影響をどう捉えるのかということについては、また、それぞれが地方行財政をどう考えるかということで議論していただきたい。例えば、そういうことを一点取っても、できるだけ健全な与野党関係の協議の枠組みができることを期待しております。それが1点目。
参政党は、私も細かくは見ていませんが、私なりに選挙運動を見ている中で、新しい選挙運動の形をつくられたと思います。そこは非常に注目に値する、値するって失礼ですね。注目しています。その選挙手法として、草の根の選挙手法が取られたように思います。というのが選挙手法についての感想。それから日本人ファーストですか。これは京都にどれぐらい今、勤労者としての外国の方々、外国籍の方々がいらっしゃるのか、留学生とか、京都は研究者とか、留学生の方々が多いですので、ちょっと特徴的な構造だと思うので、一般化できないと思いますけれど、しかし、やっぱり多くのその勤労者、居住者とは違う、一時的に滞在する観光客の受入れをしている我々から見て、ここ、このメッセージについてあんまり軽く極端な議論だとは言わないほうがいいと思っています。要するに日本人ファーストという議論について、例えば、我々も観光客の方々がたくさん京都の町を楽しんでいただいてます。我々は、それを大切にしたいし、京都の基本的な考え方、長年の考え方として、京都はしっかりと観光客を含めて、大学の町でもありますから、海外の人材との友和、協力、あるいは他の文化に対する相互尊敬というものをつくっていかなければいけない。それが京都の町の基本的な力だと思っていますが、同時に、やはりちょっとこのコロナ禍明けて、たくさんのインバウンドの方々が来られている中で京都の観光構造も変わっている。その中で、ちょっとその市民生活から見て、観光客の受入れが非常に集中していたり、あるいは文化的な背景が違っていることで、混乱が見られるという部分があります。そこをやっぱり我々はしっかり考えなければいけないと思っています。
今、国政において、例えば、ビザの、あれは何ビザと言うんでしたっけ、あの受入れの金額です。投資金額についての、これを今まで500万円だとしたら、特別在留、経営管理ビザですね。経営管理ビザが500万円投資すれば、経営管理ビザが与えられるということについて、本当にそれでいいのかという議論が国政でようやく始まりました。これは私は従来から思っていました。1人の自治体の責任者として、それぐらいの金額で、その金額というのは日本人にとっての500万円よりもはるかに、何て言うんですか。ハードルとして低いような国がたくさんあるわけです。それで経営管理ビザが今与えられるということで、本当にいいのかどうかという議論、これを国政的に、今までちゃんと与野党含めて議論をしておられたのか、それは、我々としては、まだ京都という町はそれほど多くの方々が、外国人労働者としてたくさんの方々が働いておられるわけではないけれど、やっぱりさっき申し上げた観光客、あるいは研究者、留学生、そういった方々がたくさんいらっしゃる中で、いかに、その日本の、京都の人々の生活をしっかり守っていくのか、そしてお互いに、相互に敬意を持った異文化共生というものをつくり上げていくかという意味においては重要な視点だと思うんです。これは恐らく自民党でも、私は自民党の議員の方々とお話をする中でも、それはやっぱり重要で、若干そこら辺の議論が今まで手薄だったんではないかとおっしゃってる方々が多いので、やはり参政党が提起された問題点を、ほかの政党も含めてどう受け止めるのか、その主張が一方的にいいか、悪いかという単純な議論ではなくて、その視点というのは京都の町、これだけたくさんの方々が、やっぱり多くの、私の例えば東京とか、京都以外の町の人々から見たら、京都駅下り立った瞬間にこれだけ外国人の方々が多い、いろんな観光地に行く、あるいは繁華街に行く、いろんな場面を見るという中で、それが京都の市民生活、あるいは例えば商店街のありようを全く変えてしまっている商店街もあるわけです。それは外国人の方々が来られるということだけで変わってるわけではないです。ひょっとしたら地価がだんだん上がっていって、固定資産税の負担が高まっていく、あるいは、それに伴う相続税の負担が大きい。そんな中で自分たちの店をどう維持できるのか、できないのか、あるいは売却せざるを得ないのか、いろんな要因が背後にあるんですけれど、そういうことの中で町が、今、ちょっと併用のさなかにある中で、我々が自分たちの町の文化をどう維持するのか、それは外国の方々を排除する何てことは全く考えていません。むしろ京都は異文化を受け入れなければいけない、だけど、異文化を受け入れるときに京都ならではの、やっぱりもう少し工夫をこれからして行かなければいけない。私が思う工夫の一つはさっき申し上げた、アスタリスク・イン・レジデンス、その優れた才能をちゃんと受け入れて、それが京都の人々と、日本の人々とちゃんと交わっていただく、相互尊敬を持つということだと思います。
それが今、相互尊敬が持てる状況ばかりとは限らないということについて、私は警鐘を鳴らされたのは参政党の今回の躍進ではないかと思いますし、それは参政党のみならず国民民主党とか、いろんな方々がそういう議論を提起されていると、だから、それをしっかり受け止めて、いろんな立場の方々、保守の方々、リベラルの方々含めてしっかり受け止めていって、私は健全な異文化の交流というものを、京都では展開したいというのが私の思いであります。
記者
石破首相についてですけれども、自民党の中ではいろいろ石破首相が御説明されることについて疑問を持たれてる方もいらっしゃったりするのを聞いております。その3連敗ですね、参院選でも負けたという評価だとすると、それを自治体の長としてどのように捉えられているかということを伺えればと思います。
市長
これはさすがに私が、その自民党内での選挙総括、あるいは政権としての、その総括について言うのは、さすがに僭越が過ぎると思いますね。難しい判断に置かれていると思います。普通に言えば政治的に言うと、これだけ大きな選挙が立て続けあって、いわゆる世間で言うところの敗北を来されたわけですから、それは多くの方が思われるような感想を持つ、他方で、その次の枠組みというのが見えない。どこも大きな数字を独自では持ててない状況の中で、私、過去に自分自身の官僚としての経験で言うと、やっぱり93年の夏の宮澤さんの選挙のときに、比較第一党自民党で、その直後にいろんな方々が動かれて「8党立ての馬車」と言われるような細川連立内閣が発足した。そのときは、少なくともその宮澤さんの去就ということではなくて、次の枠組みをどうつくるかということでいろんな方々が、要するに政策協議というものをされて、それがどれだけプラクティカルな政策協定として実を結んだかどうかは別ですが、次の枠組みをどうつくるかという議論の中で枠組みをつくって、その枠組みが、しかし1年もたたずに崩壊して羽田政権ができて、そしてまた村山内閣、自社さ連立内閣ができたという、あの1年間、ほぼ約1年間、93年から94年の夏にかけての動きを、僕は一部官邸で見ていたので、これは無責任に言えないんです。要するに、宮澤さんの判断が是とするならば、石破さんの判断というのは、当然あってしかるべき、だけど、その後、結構混乱の時期がありました。
細川連立内閣、羽田連立内閣、羽田連立内閣は2か月で終わってるんですよ。そして自社さ村山連立内閣、それが戦後50年談話、私も官邸にいましたから多少なりとも原案の、原案の原案ぐらい書きましたけど、あの議論もちょうど30年前に官邸で経験した人間から言うと、石破総理は今、苦衷しておられるんではないかと思いますね。なので、あんまり評論家的には言いたくない、その後、宮澤さんの少数与党になって退陣されてからの1年余りの混乱をどう見るか。あの時期の評価をどうするかということが頭によぎるもんですから、簡単には言えないなと、政治家個人としても簡単には言えないなと思います。
記者
参院選の選挙公報が多数配られなかった問題についてお伺いします。先日の市議会委員会でも由々しき事態だと非常に厳しい指摘がありましたが、まず、市長の受け止めと、現在検証チームで不配が発生した原因を検証されている途中ですが、現時点でどういったところの要因が大きかったのかというところを聞かせてください。
市長
選挙に関して、当然のことながら選挙管理委員会が中立公正の立場で実施しているものであります。私はここではできるだけ行政の長としての発言をしていますが、それでも先ほど来の質問に答えているように、やっぱり私の発言は政治性を帯びます。したがって本来であれば、その選挙実施に関して、私が今の状況の中であんまり踏み込んだことは言うべきでないのかもしれません。ないのかもしれませんが、それを前提に申し上げれば、まず第一に結果として、今回の非常に重要な国政選挙において、その選挙公報という、有権者がまさに候補者の政権を知って、適切な判断をするための重要材料について、多数の配付漏れがあったということは、これは行政の一員として率直におわびを申し上げるしかないと思います。誠に申し訳なかったと思っております。
その上で、これは本来だったら選挙管理委員会が、しっかり委員会としての立場で総括していただかなければならないんですが、広い意味でのやはり公報、これは本来は国政選挙の公報を、我々はその京都市選挙管理委員会として、その一翼を担っているわけでありますが、しかし、最終的にその公報をどう届けるかということが、実際に委ねられている中で、今回のようなポスティングという手段を選び、選挙管理委員会の事務でありますが、それについて一定の事業者の選定が行われ、そして、それを選挙管理委員会として事務を統括しておられた中で、このような重大な配布漏れ、そして現在はまさに調査検証チーム、これは誠に申し訳ないけれど、選挙管理委員会だけで済む問題ではないという私の判断で、これは市役所としての調査検証チームを立ち上げて、今まさに調査中であります。その結果を見届けなければいけないことではありますが、しかし中間段階において、やはり、いろんなヒアリングをする中で、委託事業者から看過できない虚偽の報告があった。このこと私は極めて重大なことだと受け止めています。これは今後の京都市政の展開にも大きな影響を及ぼす重大な話なので、徹底した調査が必要ですし、そして、やはり明らかに、これは私は現時点では、我々は契約を結んでいるわけでありますが、その契約の債務の粗雑履行としか言えない。これに対してしっかり究明して、今、市政協力員の方々などにも協力をお願いして、しっかりアンケートも取る中で、一定の期間内に、一定の結論を得て、これは市民の方々にも納得いただいて、今後、同じような事態を二度と生ぜしめないためにどのような対応を取るのかということも含めて、私どもの方としてしっかりこれは議会にも報告しなければいけない話だと思いますし、市民に説明しなければいけないと思っております。事態は、重大な事態だと思っています。
記者
この件が分かってから対応もさることながら、選挙期間中、投開票日2日前までにとなっているので、18日と19日の時点で、既にもう来ていないという声が、弊社もそうですし、選管には恐らく多数寄せられたと思います。
この間の議会運営委員会でも選管は委託業者の不手際、もちろん、それもあったと思うんですが、選管としての管理責任、チェックというのも不十分だった部分大きいんじゃないかなと思うんですが、その市選管の責任についてはいかがでしょうか。
市長
はい、今、おっしゃった点は、これは今まさに調査検証チームが調査中ですから、その結果を受けながら、その選挙管理委員会事務局がどのような管理、監督責任を果たしていたのかということも含めて、しっかりとその責任を議論する必要があると考えています。それ以上は、今まさに調査中ですから、現時点では控えたいと思います。
記者
検証チームの結果がまとめる時期の目途はありますでしょうか。
市長
これは行政としてどこまで、どういう形でやるのがいいのかという議論もあるんです。過去に調べてみると神戸においても類似の問題があった。例えば、監査事務局に監査をお願いするべきなのかもしれません。そこも含めて、取りあえずやれることをいろんな記録が滅失しないうちに、場合によっては、それは隠蔽されてしまう可能性もあるんで、できるだけ早く、できるだけそのいろんなものの記憶が明らかなうちに、あるいは焼却処分とかされてしまう。もうされてしまってるものもあるのかもしれませんが、そうならないうちにできるだけ我々としてやれる調査、分析をやっていった上で、それをどういう形でしっかり責任を追及、追求というか監査をし、そして再発防止をするのかというやり方も含めて慎重に議論しなければいけないけれども、取りあえずやれる調査をできるだけやってくださいというお願いをしています。
記者
検証項目の中に、この委託業者を選んだプロポーザルの選定過程というのが入ってるのですがというふうに事務的に聞いても、あんまりはっきりした回答が返ってこなくて、ビードリームさんは、いろんな市役所関連のイベントとかも取得されていた中で、ある種の甘えみたいな関係性もあったんじゃないかなと推察はされるんですが、一般的にプロポーザルは非公開で、情報公開請求しても黒塗りで出てくることになるので、その選定プロセスというのが不透明になってしまうのが多いんですけれども、そのあたりを検証チームで検証していくお考えはありますでしょうか。
市長
はい、どういう経緯で、この事業者が選定されたのか。あるいは、その事業者がどれぐらい、どういうふうに誠実に事業を行っておられたのか、それは恐らく、多くの場合はこれだけの、要するに届出が済まないと候補者の情報が得られないという短期決戦の状況の中で、いろんな条件もあったんだと思います。実際の配付に当たって、そういうことも冷静に、しかし厳格に調査をしなければいけないので、それぞれの今おっしゃった点も含めて調査をしっかりしていかなければいけないと思っています。
記者
オーバーツーリズムの対策について宿泊税とか、市民優先価格を、一種観光客を抑制するような施策か観光モラルの発信みたいな施策、どっちのほうが重きを置いて進めていかれるのか。
市長
すみません。申し訳ないですけど、今のはやや誘導色のある質問で、例えば、宿泊税、市民優先価格は観光客抑制するためのものではないんです。むしろ大切なことは観光客にこの町について、あるいは市民生活について、実際観光客がこれぐらいの数来ると、来ていただいてるということは、やっぱり市民生活の一部は圧迫してるんです。そのことについてしっかり御負担をいただいて、市民生活と観光の両立に貢献していただく、それは貢献と見るのか、御負担と見るのか、見方は右から見るか、左から見るかによって違うかもしれないけど、そういう施策であることは事実です。
それは、私どもとして観光客を排除するとか、抑制するということを目標にしているというよりは、たくさんの方々が来られても市民生活が両立するような、あるいは、それぞれがお互いによい関係を持ち寄るような関係をいかに構築するかということを念頭に置いてつくった政策制度であります。記者さんがおっしゃるように、野放図に観光客がどんどん来てください、それがどんどん来てくださって、市民生活が混乱したり、一部混乱したり圧迫を受けるということは排除したいとは思ってます。だけど、それは抑制するということが政策目的にあるわけではないです。
それから、観光モラル、これはちょっと言い方も含めて、もうちょっと観光客の方々も自分たちの問題なんだと、自分たちが大好きな京都をどう守るかということを、もうちょっと観光客の目線も含めてモラルというところ、こうすべきというと、そういうこと言われると反発する人もいるし、読んでもらえない方もいるので、だからもっと大好きな京都をどうリスペクトしながら、どこの町でもそうだと思います。僕が例えばフィレンツェに行っても、ローマに行っても、パリに行っても、それはすばらしい文化のある町として、その町に敬意を持って、その町で観光したい、そういうふうに思ってもらえるような関係をどうつくっていくかというときに、従来の京都観光モラルというつくり方、その命名もよかったのかどうかということは、私は考えなければいけないと思います。いずれにしても大事なことは観光客の方々と、京都市民がちゃんと相互リスペクトをできるような関係をつくる。それが今ものによってそういう関係になってなくて、私がなじみなっているような、私が大好きな店は、残念ながら観光客の方々が大勢で来られたら、ここの常連さん大事にできないから、私どもメンバーズオンリーとおっしゃるという方が、お店が結構多いです。そういうふうに思っておられるお店も結構多いです。そういうふうに思っておられる町もあります。それがどんどん広がっていくと、何か町の中で観光客を受け入れても、地元ローカルの人たちは行かないという町がどんどん増えていくというのは、私はあんまり京都にとっていいことじゃないと思うんです。それが両立して観光客の方々、それはでも観光客の方々だけの責任かというと、事業者の方々がやっぱり観光客の、ある種の購買活動を促すような御商売をされているということもある。でも、その方々は日々の生活がかかってそうされてるんです。だから、簡単に誰がいいとか、悪いとか言えないけれど、お互いこの町がどういう町であるべきかということを考えながら、観光客を受け入れる。観光客向けの御商売をしていただく、あるいは観光客の方々も、例えばごみの問題、大分改善してきましたけれど、もうちょっと認識していただく、そういうことをお互いがお互いの立場を考えながらしっかり前向きに考えないと、京都という町がどっかで、昔の京都を取り戻せなくなってしまうという、そのポイントがちょっとずつ迫ってきているという危機感を私は持っています。
これは京都市だけでできることでもない、京都府だけでできることもでもない、例えば、京都の経済界、商店街の方々、あるいは地元の地域住民の方々にも入っていただいて、広い意味での、オール京都でいろんな主体が入って考えていかなければできない。だから、もはや観光協会だけの問題じゃないと思いますね。はい、そんなふうに思っています。
記者
もう一点なんですけど、市民優先価格の何でしょう進捗状況というのは、どのような感じですか。
市長
国土交通省、あるいはデジタル庁との関係では順調に前に進んでいます。あとは、そうなってくると、そういうものを導入したときに、これは難しいのはプライシングです。どのような市民、非市民の値段の差をつけるのか、当然デュアルプライシングですから値段に差をつけます。その設定の絶対的な水準をどの程度にするのか。
それは、例えば民間事業者の方々に、京都市バスが走ってるところというのは民間バスも走っているところが多いわけです。その方々にも受け入れていただかないと、我々だけが違う値段設定にしてしまうと、我々が例えば優先価格になってしまうと、そっちの民間バスのお客さんは全部こっちで取ってしまうということにもなりかねないから、これは国土交通省の通達の精神も尊重しながら、民間の方々にも受け入れていただくとしたら、そのデュアルプライシングの絶対的な水準、あるいは相対的な格差というものが受入れ可能な条件って何なのか、それから、もちろんのことながらそれを識別するシステムはどういうことなのか、あるいは市民、非市民というふうに2段階で分けるだけでいいのか。近隣の町から京都に通勤しておられる方々、だけど定期は我々適用除外にしようと思ってますが、定期が交通費で出ないような通勤の携帯の方々、あるいは定期的に病院に通っておられる方々、そういった方々はほぼ京都市民と近い、それはお隣の町から病院に、例えば、週に1回通っておられる方々を、じゃあ、非市民ということでインバウンドのお客様と同じように扱っていいのか、いろんな課題があるんです。なので、制度的には合意を得られる方向に近づいている。その状況の中でどういう具体的な運用に当たっての様々な、実務的な課題を一つ一つクリアしていかないといけないので、それが同時並行で行われている状況だと御理解いただければいいんじゃないかと思います。
記者
基本的には実務的な課題が解決されるように順調に進んでるという理解でいいですか。
市長
順調にというか、まだまだ課題がソリューションを得てないというか、そもそもどれぐらいの金額幅で、どんな価格設定されるかということが、最後は決まらないと、皆さん、これに乗れるかどうかということも含めて、あるいはそれで回るのか。逆に言うと、そこで回収すべきでないような費用は、恐らく予算計上していかなければいけないわけです。これは公共交通についての企業会計、会計原則、特別会計の原則に沿って、何でも一般会計で補助できるというものではありませんので、その範囲内でどんな政策的な支援をするという前提で、今申し上げたデュアルプライシングが受け入れていただけるかどうかというものの具体案をつくる。結構大詰めに近い段階なんだけど、全てのものが全部、これこの問題決まった。この問題決まりました。この問題解決したということじゃなくて、最後、ホールパッケージとして、こういう組み合わせだったらできるというものをつくっていかなければいけないので、それを一つ一つ潰しながら同時決定していくという、割と微妙な、難しいプロセスにあるということです。だけど、別にそれは物すごくハードルが高くて、目途がついてないという意味じゃなくて、いろんな問題点の、ほぼ問題点の認識は全部俎上には上がっていて、それをどういうふうに同時解決していって、いろんな関係事業者を選んで、例えば、市民識別をどういうシステムで、どんなものでやるのかということを一つを取ってみてもそうです。それがすぐにできるのか、すぐにできない場合は過渡的なものが必要なのかということも含めて、あるタイムフレームの中で、いろんな問題点をどう線表にして落とし込んでいって解決して、最終的には同時決定で議論するというプロセスが着々と、しかし、容易ならざるプロセスを今進めているという状況です。
記者
これまでも幾つか上がってきた質問の中で、それに関連するものを幾つかさせていただきたいんですけれども、まず、外国からの方に対する対応というところで、今回、参政党の京都から立候補されている候補者も4番手で落選はしていますけれども、それなりの票数を得ているというところについて、この先ほどおっしゃられていた地域の住民の方と観光客の方との相互にリスペクトしていくという状況になっていない、そういうふうに受け止められていらっしゃるのかどうか、まず、その点をお聞かせください。
市長
選挙の審判の受け止めは、私は票の多寡というのは当然あります。同時に共産党を支援される方々の民意というのもあるし、参政党を支援される方々、それぞれの候補者を支援する方々の民意があって、私は自分の政治的背景とか、自分を支持していただいたか、支持していただけなかったかということは、もちろん政治家ですからあります。ありますが、自分を、必ずしも自分に投票されなかった方、自分が応援した政治勢力と違う政治勢力の声についても、その背後に有権者の、多数の有権者がいらっしゃるものについて、やっぱりそれぞれについてちゃんと耳を澄ますのが、少なくとも地方行政の責任者というのは、そうあるべきだと私は思っています。そういう意味では、参政党を支持された方々が、何を問題意識として持っておられて指示されたかということにも耳を澄ます必要があるし、同時に共産党を支持された方々もたくさんいらっしゃるわけで、その方々の声にも耳を傾ける必要があると申し上げるのが大前提、大前提の中で、先ほどから申し上げているように、私は、その市民と外国からの観光客、それは外国だけじゃないかもしれませんね。観光客の方々、京都市外から入ってこられる観光客の方々の相互リスペクトの関係というのは、いろんなやっぱり急激にその数が増えているとか、率も徐々に高まってきているということの中で、いろんな個々に言うと、全般的にどの地域でもインバウンドの方々に対する反発が多いとは僕は思わないです。京都中いろいろ回ってる中で、いや、うちはそんな全然たくさん来られてないし、問題ないよというところもたくさんあります。他方で、やっぱり私が愛するお店でも、ちょっとその大勢の方々で入ってこられると、やっぱり我々と感覚が違って、例えば、グラス1杯のお酒で1時間半、2時間いらっしゃるということになってしまうから、ちょっと私どもはという方もいらっしゃる。でも、それは別にいろんな事情がありますね。その文化的な違いに基づくもの、ただ、それについての相互リスペクトが全ての局面で保たれているかというと、保たれてない局面があるのは事実だと思います。
だから、我々はそれをできる限り少なくして、相互リスペクトをしながら京都の町を、外来のお客様にも楽しんでいただくような町をつくっていかなければいけないときに、我々自身が狭い意味での観光事業者だけではなくて、いろんな地域の住民の方々とか、もっと幅広い経済界の方々の意見も聞きながら、今、京都の観光の構造がどうなっているのかということも、我々は冷静に見ながら、ひょっとしたら国内の長く京都のことを愛していただいてる方々が、京都から足が遠のいてないかということもしっかり考えていって、もしそれが遠のいていくとしたら、何が理由で、それが遠のいてるんですか。日本人全体の観光客数が減っていて、京都もそれと同じように減っているのか。いや、それ以外の要素があって、例えば、京都が非常に混んでるとか、あるいはインバウンドのお客様が多過ぎて、ちょっと思ってる京都と町が違ってるとか。いろんな理由で減ってるのかもしれませんよね。それをあんまり私自身の個人、できるだけいろんな人たちの意見を聞くようにしてますが、私、個人の思い込みで考えるんではなくて、ちゃんと冷静に分析して、なぜ国内観光客がちょっと今、減少傾向にあるのか。その方々が、例えばインバウンドの関係をどう、国内の京都ファンがどう捉えているのか、あるいは国内の観光事業者、あるいは経済界、あるいは国内の普通の住民の方々が、その観光客の存在をどう捉えているのかということをしっかり冷静に議論しないと、国際観光文化都市の京都としては、その魅力というのが下手すると、どっかで損なわれつつあるのかもしれないので、そこは、私はやや危機感をもって捉えていきたいと思っています。
記者
北陸新幹線の延伸計画についてですけれども、先ほど選挙結果の話の流れの中でも、超党派の枠組みも必要だという話も出ていましたが、その一つとして北陸新幹線を巡る協議についても超党派でという意見も一部自治体とか、首長、あるいは政治家から出ております。それについて市長はどのように御覧になられていますか。
市長
今回の参議院選挙が、別にシングルイシュー選挙だとは思いません。いろんな重要な政策要素がある中で、それぞれの候補者がしのぎを削られて、最終的な民意の総計で優劣がついて、当選者と落選者を分かったんだと思っています。思っていますが、やはり北陸新幹線問題も、私どもも複数のいろんな新聞、その他の報道機関の調査に目を凝らす中で、それも重要争点の一つだったと思いますし、もちろん有権者がどう、何を重視して投票されたかは、それは、私が、それを全部見通せているわけでありませんが、少なくとも当日の、これも報道関係の機関が調査されたものの中で言うと、北陸新幹線について相当程度賛否立場が分かれるというのが、そういう調査がありますね。そのことを踏まえれば、これは国政レベルで、どんな与野党協議、どこが与党になるかまだ分かってないわけですけれど、京都の視点だけで見れば、それは重要政策の一つでしょうと私は思います。ただ、それは恐らく与野党協議というのは京都のみならず、全国的なレベルで何を重要政策として与野党協議が行われるのかは、これは分かりません。全国レベルで見たら、それはローカルな問題じゃないかという議論になるのかもしれないし、京都的には少なくとも、我々が各社さんの調査で見る限り、重要政策の一つではないかなとは思いますけれども、それ以上、それを取り上げるべきかどうかという話は、国政上のしかるべき判断が行われるべき問題だと思いますので、私からコメントは避けたいと思います。
記者
最後にもう一点だけ、先日美術家の有志の方々から京都市長宛ての現行ルート等の見直し、再考を求める要望書が提出されたかと思います。その受け止めについてお願いします。
市長
いろんな方々が、いろんなお立場で、この北陸新幹線のルートについては御意見をおっしゃっています。私はできるだけそれを、私に提出されたものは目を通すようにしておりますし、一つの御意見は、一つの御意見として尊重しますし、また、別の御意見もあると思います。また、別の方々が今何らかの形で署名などを集められて面会の機会を求めておられるという話も仄聞しておりますので、そういった御意見にはできるだけ、首長というのは一つのグループの御意見だけではなくて、様々な御意見に耳を傾けて、そしてできるだけ京都市民に対して誠実な判断をするというのは責務だと思っておりますので、いろんな御意見について耳を傾けていきたいと思います。
記者
耳を傾けていく上で、どういうふうにそうした声に応えていこうと、現時点で考えられていますか。
市長
国家的な日本海国土軸をどう作っていくのか。どのような速達性のあるルートで、日本海国土軸が整備されるのか。あるいは、時間的速達性という、どういうルートを通るか、どれぐらいの時間で、北陸と京都、関西が結ばれるかという速達性だけではなくて、事業として、それがいつ頃までに完成して、ある種、国土軸としての安全性が確保されるのか。いざ南海トラフが動いたときに、別のルートを持ってくることの安全性が確保されるのかという意味では、これは国策上の話ですよ。
それは恐らく事業としてどれぐらいの年限で関西まで通るのかということも含めて、恐らく国策上の判断がなされるだろうと、かつて国政に身を置いた人間としては思っています。ただ、それは私の仕事というよりは、私はそのルートが議論された中で京都市を通過する、あるいは京都市の中で駅が設けられるときに、私が申し上げてきている4つ、5つの懸念と課題が、それをどう解消するか、それをどういうふうに市民に説明するかということと、それから京都市としての便益です。もちろん物事は全て便益もあれば負荷、コストもあるわけでありますから、今、懸念と課題と申し上げたのは、どちらかというとコストの面でありますが、同時に京都市として、そのコストを説明するときには、じゃあ、それが来ることによってどんな便益が、ある種のリダンダンシーを持つことについての、レジリエンスが強化されるということも含めて、どのような便益があるかということをちゃんと両方判断しなければいけないんだと思っております。
記者
昨日、前原さんが日本維新の会共同代表を辞任する表明を正式にされました。就任をする際に荒波の中で奮闘されている、活躍を心から願っているとおっしゃっていて、10か月足らずですけど働き振り、特にその当初予算を賛成するということされてましたし、前原さんの働きぶりについてどう思ってらっしゃるのかなということと、あと今後何かエールなどがあればお伺いしたいです。
市長
エールという質問にややベクトルがありますけど、そのベクトルに答えるべきか難しいですね。野党として政権に向き合って、ある種政策協議をされて御自身の御主張も含めて獲得されたことについて、維新あるいは野党像として様々な評価があったことも含めて、今回の、京都におけるその勝利と、全国的に見たときの、今回の御自身が辞されるという判断に至ったものというのが、その結果、今申し上げたことをどう評価するかということを、前原さんなりに受け止められたんだと思います。
軽々にそのことについて私が評価する立場にはありませんが、長年の私と前原さんの関係で申し上げれば、最初にエールを送ったことに関して言うと、本当にお疲れさまでしたと、やっぱり国政で一つの政党を束ねて、集約をして、なおかつ、それは野党なんだけれど少数、衆議院における少数与党である石破内閣、あるいは自公政権とどう対峙するかというのは、並大抵の苦労ではなかったんではないかと思います。そういう意味では心からお疲れさまでしたと申し上げたいとは思います。
そして同時に申し上げたいのは、私の長年の関係を通じて言えば、お帰りなさいと、京都に戻ってきていただいて、そして国政上のお立場はまだまだあると思いますよ。まだまだあるし、当然、別に維新を離党されたわけでも何でもないでしょうから、それは恐らく自ら身を処するということも含めて、維新の再生ということに向けて動いておられるんだと思います。私は自分の選挙のこともあるので、複雑な心境は過去にありますけれど、しかし京都に戻って、戻っててより多くの時間を京都の問題に割けるようなお立場に戻られたことについてしっかりと、いろんな与野党の国会議員の方々いらっしゃいますが、私が申し上げているのは、もちろん私は政治家ですから、私を支持していただいている、選挙のときに応援していただいた方々の御判断というのは重みがあります。他方で、私を選挙において支持されてない方も含めて、それはある一定の民意を得ておられるわけですし、その背景には多くの有権者がいらっしゃるわけですから、そういう意味では京都の問題について多くの前原さんの支持者もいらっしゃるし、恐らく維新の支持者もいらっしゃって、今回、新実さんがトップ当選されたわけですから、しっかり京都の課題についてはいろんな御意見をいただきながら、恐らく是々非々ということになるのでありましょうけれど、我々は少しでもよい京都市政を展開していきたいと思うし、その意味で京都に広い、これはほかの自民党、公明党の政治家の方々、あるいは国政の議席を失われた政治勢力の方々も、もちろん我々としては、その背後には有権者がいらっしゃいますから、しっかりいろんな御意見を賜りながら、少しでもよい市政を展開していきたいと思っております。
記者
選挙公報のところで契約に対して粗雑履行だったとおっしゃったんですが、契約内容としては、その配布率の目標値が書かれてたわけではなくて、全世帯に1部ずつ配るということだったんですけど、その全世帯に1部配るべきものを履行できてなかったという点が、粗雑履行ということでしょうか。
市長
いや、それだけではないです。粗雑という言葉を使うなりには、自分なりに考えて使っているわけで、それは今回の聞き取り調査の中において、いろんな報告において虚偽が含まれていたと、あるいは私どもが今、債務不履行とまでは言えないから、私は粗雑履行と言ったんですが、一部債務不履行があったということだと思います。全体として債務不履行なのか、債務履行がどこまでなされていたのかというのは、これはなかなか難しい判断でありますが、もちろん多くの御家庭には配られているわけですから。ただ、その配るときの姿勢、どのような管理監督がなされていたのか、そして、その後の我々の聞き取り調査に対する虚偽の報告含めて、これは粗雑と言わざるを得ないと私は思って、そういう言葉を使いましたが、それは冗長的な言葉であります。しっかりもっと事態を究明した上で、どの程度の債務履行があり、債務不履行があったのかということを明らかにして、我々として処分が必要なのか、あるいは我々がどれだけの血税を、これに対して支払うべきかということは、きちんと市民に説明がつくようにしていかなければいけないと思っています。
記者
すごく素朴な質問なんですけれども、先ほど日本人ファーストという言葉もありましたけれども、例えば市民優先価格にしても、宿泊税にしても、また、北陸新幹線の延伸に関しても、市長というお立場である以上は、その京都市民の意見、京都市民ファーストというか、京都市ファーストというお立場でもあると思います。ただ、日本人ファーストでも排外的だと言われたりもするわけですけれども、その部分について、本当に素朴な疑問で恐縮なんですけれども、市長はどのように考えられますでしょうか。
市長
京都市長として言えば、まず、京都市民の利益を第一義に、私は全ての物事を考えるというのは当然のことだと思っています。ただ、今回の京都基本構想の議論においても、若い方々から出てきたのは、じゃあ、京都市民というのは、京都市民として住民票登録されてる方々だけが京都市民なのかと言えば、この市民優先価格の適用において、どこかで線は引くわけでありますが、しかし、例えば隣町に住んで、私の家内は京都市民ではないですよ、でも、私を支えてくれているし、京都の隣町に住んでいても、京都市にまたがっているような駅を使っているし、京都の密接な関係人口です。だから、そういう方々が山ほどいらっしゃるわけで、それは京都市民の利益を第一というのは当然でありますが、じゃあ、京都市に住民登録、住民票がある方々の利益だけ考えれば京都市民の利益なのかというと、そんな簡単なことではないと思うんです。
例えば、姉妹都市ボストンに居住しているけれど、京都のことが大好きで京都に通っていただいて、京都の美術館に御寄贈いただいた方がいらっしゃれば、私は、その人はすごい京都ファンであり、そういう人が、例えば、この日本美術を大事にしたいという声があるならば、それは耳を傾けるべき。そういうことを若い方々が京都基本構想を作るときに教えてくれたんです。
要するに、もちろん主語は、「私たち京都市民は」だし、京都市民のことを第一に考えるのは大切だけど、京都市民だけで京都市が成り立ってるわけではないんだと。多くの関係人口、あるいは京都に投資していただいている企業、それは例えば、市役所の職員だって京都市民じゃない職員がたくさんいるわけです。その人たちはやっぱり京都のために、この愛する京都のまちのために仕事がしたいと思って頑張ってくれてるわけで、その人たちの声は何でもいいのかというと、そうではない。だから、京都市民ファーストです。もちろん。だけど、そのときに狭い意味での京都市民の利益だけではなくて、広く京都というまちが栄えるために、京都というまちの文化を保持し、そしてちゃんとそれを発展させていくための政策を考えるという意味において、私は、別に京都市民ファーストだけど、京都市民だけのエゴを100%通すつもりはない。それは回りまわって京都市民に対して、京都市民の利益だけを追求していくという狭い意味での、あるいは短いスパンだけでの利益を追求することは、必ずしも京都市にとっても将来のためにならないこともある。
だから、北陸新幹線もそうです。私が見なければいけないのは、私は何度もある種皮肉を込めて申し上げたのは、私は狭い京都市の、京都市というエリアの、京都市という行政単位の狭い首長の1人ですから視野は狭いですよと言って、だけど、その狭い視野から見たらこういう課題がありますよと言ってるのは、じゃあ、その問題だけ追求すればいいかというと、そうは思ってないです。国家的な利益というのがあり、その中に京都がつながることによって、京都の利益もある。そのことと、実際我々京都市民が直面する課題、懸念、それにしっかり向き合って、最終的にはそれについての説明責任を果たすのが私の仕事であるということを申し上げているわけで。京都市民ファーストは当然であります。その上で京都市民の将来的な、中長期的な利益を考えれば、京都市民以外の日本国民の利益は何なのか。あるいは、このまちの外にいらっしゃる京都ファンにとって、こんな大切な価値を毀損してしまうような観光客の受け入れ方で、やり方でいいんですかという問題意識があれば、それに対して、それは京都市民の声もあるけど、例えば私の友人の東京の都民であったとしても、ちょっと最近の京都はね。今の京都はちょっとしばらくいいかなという人たちの声もあるわけです。何でですかと聞くといろんな答えがあるわけです。そういう答えに対して、そういう声に対して、やっぱり幾ばくかの耳を傾けていかないと、私は京都の、将来の京都市民の利益は守れないと思っているということであります。
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