市長記者会見(2025年3月28日)
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2024年4月1日
「令和7年度執行体制」について、京都市長が記者会見を実施しました。
(補足)発表内容は、令和7年3月28日時点の情報です。
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記者会見動画
(発表案件)
市長
こんにちは。年度末のお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。今年度最後の会見ということになろうと思いますが、よろしくお願いいたします。
発表案件は、お手元のパワーポイントの資料「令和7年度執行体制について」でございます。
私が市長に就任して1年余り経過したところで、この2月市会において、令和7年度予算をお認めいただき、様々な議案について全て可決、同意をいただいたところであります。まず、所感を一言だけ申し上げたいと思うのですが、この1年間、29回市民対話会議というのを行わせていただきました。人事のことは後で申し上げますが、今年度、6名の方々を特別顧問というふうに任命させていただきまして、随所に外部の視点を取り入れたアドバイスをいただきながら、それを私だけではなくて市役所全体でできるだけ共有してきたつもりでございます。そして、市民対話もそうですが、考えてみたら市長のいろんな意見交換というのは全てが市民対話でありますし、その市民対話の最たるものは市民の皆さんから付託を得られた市会議員の皆さん方との議会での対応ということだと思うんですが、私としては市会の対応、これで一巡させていただいたのですが、できるだけ基本的に、もちろん各会派によって議案に対する姿勢もありますし、もっと言うと政治的なスタンスというものの違いはあるわけでありますが、できるだけ自分としては自分なりに自分の言葉で市民の代表者である市会議員の皆さんとは、仮に反対の立場をお持ちの方々でも、できるだけ率直に答弁をさせていただいたつもりでございます。そして、当然の事ながら市民対話のみならず、できるだけ自分の足でまちを歩いて、いろんな方々と率直な意見交換をするような機会をつくってきたところであります。今日、局長会議がありまして、数名の幹部の方々が退任をされるに当たって申し上げたのですが、自分自身の人生の中でも、やはり執行責任を負うということの重みということを痛感した1年であったと思っております。その中で、京都のまちの、これはいつも言っていることですが、いろんな課題、担い手不足、後継者不足、伝統の文化とか伝統工芸、伝統産業というものが後継者不足に陥っている。あるいは、いろんな公共、今日も話題になるかもしれませんが、例えば公共交通の担い手不足というようなことだけではなくて、いろんなところで公の担い手不足というのが顕著になってきているという課題はあるけれど、京都というまちの可能性というのは、私は非常に将来にわたって広く開けてるので、その課題を解決しながら将来の可能性に向けて値打ちのある投資をしていくというのが私の仕事であろうというふうに思っているところでありまして、新京都戦略は、まさにそういう思いで1,800件を超えるようなパブリックコメントをいただき、そして議員の方々も市会での議論も含めて様々な御提案、御意見もいただいたところでありまして、これをしっかり年度末に反映したものを新京都戦略として確定させ、そして当然のことながら長期ビジョン、25年見通したビジョンの議論をしているところですから、そこでの議論をさらにフィードバックをいただきながら、常にもうこれで固定であるということではなくて、令和7年度予算も生きた使い方をしなければいけないし、新京都戦略も恐らくバージョンアップをしていかなければいけないというふうに思っております。そんなところで、本日の発表案件について御説明をいたします。
まず、めくっていただきまして2ページを御覧ください。
令和7年度の執行体制の構築のポイントとして、「市民生活第一の徹底」ということの考え方の下で、「市民のいのちと暮らしを守る政策」や「攻めの都市経営」の視点、観点から、リーディングプロジェクトに掲げる取組を着実に推進するための取組ということで、3点重点項目として挙げさせていただいております。
1つ目は、「攻めの都市経営」ということでございます。2つ目は、「市民のいのちと暮らしを守り、多様な主体がつながり・支え合うまちづくりの推進」ということでありまして、3つ目が、「政策を支える戦略的な行政運営の推進」ということでございます。
3ページを御覧ください。
まず、1点目の「攻めの都市経営」でございますが、京都市の将来を見据えた戦略的なエリア開発や資産活用、都市計画道路の見直しなど都市政策・まちづくりを局横断的に推進するために全体の司令塔となる局長級の「まちづくり政策監」を設置するとともに、京都経済のさらなる成長・発展に向けてスタートアップの創出・成長促進や、地域企業の持続的な発展を担う組織を御覧のとおり再編させていただきます。また、やはり京都は大学のまちであり、また、その大学を中心に海外の人材は全体の人口減少がある中でもありますが、学生の数は減っていませんし、海外人材というのがむしろ増えているという状況でありまして、これをしっかり一部の日本の国内でも、その外国人材、海外人材とその地域の人材、あるいはまちが分離するというふうなケースが若干見られるような事例が他都市でありますが、京都の場合、それをしっかり融合して、「国際都市共創推進室」というものをつくって、それらを融合してまちの活力にしていきたいと思っております。
4ページ目、次のページを御覧ください。
「市民のいのちと暮らしを守り、多様な主体がつながり・支え合うまちづくりの推進」という意味で、複雑化・複合化した社会課題に対する重層的支援を一元的に担う部署として、「福祉のまちづくり推進室」を新たに設置するとともに、ここでケアラー支援の条例も昨年可決されたところでありますが、ケアラー支援ニーズに対応するための全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げたいと思っております。
さらに、新たに局長級・部長級の職員を京都市立病院に派遣し、市立病院のよりよい医療の安定的な提供に向けた経営基盤の強化を図らなければいけないと思います。
さらに、これは市Hub・区Hubと言っておりますけれど、区役所の支所が結節点となり、地域のつながり・むすびつきの形成を一層促進するために、区役所・支所及びその統括を行う本庁の部署というものの体制を強化したいと思っております。
なお、現在、「市民参加に関する事務」について、総合企画局で担うこととしておりますが、来年度はこれを「文化市民局」に移管し、地域振興と市民参加を一体的に担うことで、「新しい公共」の理念による市民参加型行政を一層推進していきたいと思っております。
3点目の「政策を支える戦略的な行政運営」という点では、局の建制順の変更というのを行いましたけれど、「総合企画局」を筆頭局に位置づけて、総合企画局市長公室に担当部長及び「政策企画調整第四課長」を設置するなど、しっかりと総合企画局全体の調整の体制に強化していきたいと思いますし、また同時に職員の今年度は不祥事もございました。これを撲滅して、しっかり前向きに風通しのよい職場をつくっていく。そして職員がやっぱり長年の行財政改革で、やや縮み思考が見られた、職員自身が挑戦する意欲に欠けるというふうに自己認識していたというところを重く捉えまして、「しごとの仕方改革推進室」というものをつくって、もっと職員が伸び伸びといろんな政策的な企画立案、あるいは市民との対話というものを行っていけるような体制をつくっていきたいと思っております。
5ページ以降に、ただいま申し上げた発表の詳細を記載しておりますけれど、この詳細については、また後ほど事務方から詳しく御説明をさせていただきたいと思っておりまして、私からは、その詳細の御説明は割愛させていただきたいと思います。
令和7年度は、さらに魅力と活力のある京都へ、「突き抜ける世界都市」という攻めの都市経営の部分と、居場所と出番のある社会という、言わば、それを温かく包摂性の高いまちをつくらなければいけない。一見相反するような2つの目標をしっかりと組織目標にも織り込んで、施策を推進する体制を強化していきたいと思っております。
私からは、冒頭案件は以上でございます。
質疑応答
発表案件に関する質問
改めて、組織改正が今回の改正の目玉ということについて、教えていただければと思います。
市長
まずは、新京都戦略をこれから3年間重点的に行うときに、これはもう私の人生の課題であるというのは何度も申し上げたことでありますが、組織を横断する、その壁とか垣根をできるだけ低くすることでシームレスな施策展開を行っていく、それが一つです。それが今ほど最後に申し上げた、総合企画局を筆頭局にして、順番で政策的な順序づけが行われるということではありませんが、やはり私、行政組織をずっと自分で専門にしてきた人間としては、やはり筆頭局というのは横断的な、部門横断的な総合調整を行うという機能が非常に日本の行政の場合、大事だと思っておりまして、そこをしっかり行っていきたいと思いますし、局外監として先ほど申し上げた「まちづくり政策監」として、御本人の適性からいっても、そういう部局横断で非常に積極的に民間の事業者、地域の住民などにも積極的に働きかけて物事を動かすアイデアと馬力のある人物を、そこに局外監として、これは新たな組織というよりは一つの部署兼任でありますが、そういう位置づけを付与させていただくというのも、今申し上げた組織横断で都市の活力を向上していきたいという思いであります。
それから2つ目は、先ほど申し上げた「都市の活力・魅力」という意味では、スタートアップのための組織「スタートアップ・産学連携推進室」を新たに設置する。これは、京都大学をはじめとしては、本当に大学という京都の宝があるわけで、これともっともっと連携しなければいけないと思いますし、内外の特に海外のクリエイティブな人材とか企業を呼び込んでいったときに、やはり国際的な視点で、それを分離せずに海外人材と地域の人材を分離せず融合して、そしてまち全体の国際化も推進していかなければいけない。これはすばらしい企業とか人材を京都に内外から呼び込むためにも、その組織が非常に大事だと思っております。
それから3番目としては、やっぱり仕事の仕方を、これはやっぱり長年どうしても、リーダーがやっぱり28年間市役所内部の長期の政権が続いてきたということで、それぞれ優秀な市長2代、優秀な市長を私も存じ上げて個人的に存じ上げてる市長さん、すばらしいんだけれど、やっぱりもっとボトムアップで現場の職員がいろんなアイデアを出していったり、いろんな対話をして、こんなことやったらどうだろう、こういうふうに見直したらどうだろうということが出てこないと、やっぱり組織というのは一馬力では駄目で一万馬力にしなければいけない。一人一人ができることをちょっとでも工夫するという、そういう姿勢の組織をつくっていきたい。これは何年でその組織ができるか分かりませんが、着実にそういうものは組織ができていけば、一人一人のいろんな京都のまちについてのいろんな知見を高めていって、そして議論をする風土をつくっていけば、それは必ずや、私一人が何かやるよりもはるかに大きな力になると思うので、その3点目というのは、私としては、これ新京都戦略の中でも大きな紙幅、紙面を割いた分野でありますが、大事にしていきたいと思っているところです。
記者
まず、「まちづくり政策監」ですけれども、局横断的な都市施策・まちづくりの推進という、この新しい監に期待することで、今は道路環境というのはエリア開発ですとか資産活用をされているので、そこら辺を都市計画局と連携してやっていくということなのかなとちょっとお見受けしたんですけども、その辺りをお聞かせください。
市長
組織を横断で柔軟にやることイコール総合企画局とは必ずしも限らないと思うんです。私これもいつも言ってることなんですが、全部そういうものを内閣官房に置いてしまって、一時国がどういう状況にあるか、今どういう状況にあるかと、内閣官房とか内閣府に横断的な事務が全部集中してしまって、逆にそれが本当に横断的な司令塔になってないということがあって、むしろ今回の場合は、やっぱり都市計画における当該監のこれまでの実績ということをベースにしながら、でも都市計画だけではなくて建設局であるとか産観局であるとか文市であるとか、いろんな部局にその方の属人的なエネルギーとか知見とか民間とのネットワークという、民間の事業者は別にその部局で縦割りで行われているわけではないので、いろんな方々がビジネスアイデアを持ったり、まちづくりについてのアイデアを持ったり、民間の事業者とか団体の方々と柔軟に対話をして、それぞれ部局をしっかり柔らかく柔軟につないでいただける。そしていろんなビジネスアイデア、まちづくりのアイデアについても通暁しているような人材がいらっしゃるので、その方を主軸に、むしろ部局横断の「サラカン(監)」で、こういうまちづくり監というものを設置して、横断的な取組、機動的な取組、柔軟な取組というのを期待しているところであります。半ばは、人材オリエンテ等の話とも考えていただいていいかと思います。
記者
分かりました。あと、区役所の体制強化のところで、13ページのHubを増やして市や区役所に新たに係長級を増員するということですけれども、現状でも地域力推進室の方を中心に、地域にもっと力を入れる部があったりして、いろんな連携は対応はされてると思うんですけれども、ここの増員をされた意図と、同じく期待することをお聞かせください。
市長
市内中心部のラインも私はもちろん大事で、今どんどんプロジェクトを進行してますが、やはりどちらかというと周辺区において、いろんな課題もあります。それぞれごとに実は課題があるので、どういう基準でこの区を選んだのかというのは一概には説明できないです。別に周辺だから選んだというわけでもないのですが、その地域、地域で置かれた課題の重さ、あるいは今後のポテンシャル、そういうものを考えながら、ここは重点的にもうちょっと人員配置が必要ではないかなというところを、資源が無限であれば、もちろん全区にしっかり対応したいんですが、当面の課題の緊急性・複雑性・その他の事情、若干周辺部に置かれたこれからの行政課題の重さ、それぞれ洛西であるとか山科・醍醐であるとか、今まさに懸案のプロジェクトがあるというふうなことも含めて、あるいはそれぞれの地域ごとの地域の実情の重さというのがあることを踏まえて、これらの区に配置をさせていただいたわけです。
記者
まず、「まちづくり政策監」のことなんですけれども、「サラカン(監)」という言葉がまた出ましたけれども、以前市長が、この「サラカン(監)」という役職名のことについておっしゃられてたと思うので、お聞かせください。
市長
最初、確かに「サラカン(監)」というのは国の中央組織でいうと警視総監とかそういうイメージが強くて、ちょっと言葉がきついなと思いましたが、ほかの自治体も含めて、そういうものをそういう用語として使っているし、京都の場合は局外監というようなことで、むしろ部局横断でやるという意味で使っておられるとしたら、それは定着していることなので、今さらその言葉を見直すということで、また別の言葉をつくるということも逆に混乱を招くところもあります。少なくとも市庁舎の中では、ある程度定着した言葉でありますし、例えば観光政策監、今日も午前中ずっと御一緒でしたけれど、やっぱり観光関係者の方は、それをその意図するところを理解しておられるので、今私からその言葉をあえて見直すという必要はないかなと思っている次第でございます。
記者
ありがとうございます。
その部分と、ケアラー支援のことで伺いますけれども、「ケアラー支援推進プロジェクトチーム」を設置される部分、これはケアラー支援条例が出たということでございますけれども、かなり長い取組だなというところですけれども、松井市長は、このチーム対して、どのような期待をされるのかをお聞かせいただけましょうか。
市長
これはケアラーに限らないと思うんですが、非常に複合的な事情で、例えばペットの多頭飼育崩壊一つを取ってみても、じゃあそれはペットの問題だけではなくて、やっぱり背景に貧困であるとか孤独であるとかいろんな要素が、結果として多頭飼育崩壊という形に出ている。結果として、一部のケアラーの方が非常に抑圧された状況に置かれているというのは非常に複合的な要因に基づいてそういう事象が出てきている。なので私自身としては、その重層的な支援体制が大事であって、ケアラーというものの担当部局の専門の部署をつくるというよりも、むしろ重層的な体制を、そのケアラーの問題も取り組める、DVとか孤独とかいろんな問題、今この社会的な問題に総合的に取り組めるような重層的支援体制の司令塔が必要というふうに判断したところであります。なので、そこだけで全てができると思っておりませんので、むしろプロジェクトチームをつくって、各部局、総企・文市・産観・保健・福祉・子若、あるいは区役所・教育委員会、そういうところと横断的に重層的な支援体制をどうつくるかということ、行政内部の結節点だと思います。
記者
ありがとうございます。
あと、また全体的な話でございますけども、局、筆頭局が変わるということですが、その副市長の分掌が今表れないのはいいんですけれども、それぞれ副市長の御事情については何かありますか。
市長
基本的には変わりません。従来を踏襲はしております。
記者
ありがとうございます。以上です。
記者
よろしくお願いします。
組織体制もそうなんですけれども、今回人事で、若手登用ですとか、あるいはジェンダーバランスとか、その辺りの意識とかはいかがでしょうか。
市長
私まだ市役所のことをそんなに分かりませんので、できるだけ市役所の人事当局といろいろコミュニケーションを取りながらやった中では、人材は積極的に、あまり年次とかは捉われずにということは申し上げました。ただ私の感覚からいうと京都市役所は、中央省庁なんかに比べると年次という考え方があんまりないですね。中途の入職をされている方々も多いですし、そういう意味では一定程度新陳代謝も図られているというふうに認識しております。ジェンダーに関していうと、若干もうちょっと上がらないかなとは思ったんですが、これはやっぱり市会でもお話ししてるのですが、ちょっと管理職、あるいは管理職適齢期の母数自体が違いますし、それは管理職試験をなかなか女性が受けてくださらない。それは恐らく今の京都市役所の管理職に求められるいろんな仕事の性質、調整事務が非常に多いと。それと今の仕事と家庭生活の両立という意味で、なかなかちょっとそこまで踏み出せないというところが原因としてあって、ちょっとスパンを長くすると増えてますが、やっぱり直近でいうとピークのところから必ずしも増えていない。これはいろんな事情があって、女性のある程度の幹部の方々の退職者がそれなりにいらっしゃる。あるいは定年前に退職される方々がそれなりの数がいらっしゃるというふうなこともあって、なかなか増やしたいんですけれど基本はやっぱり適材適所で、その中でジェンダーバランスがより取れたほうがいいに決まってるんですが、なかなかちょっとその母数のところが頭打ち状態なもので、うまくいってない。何とか進めていきたいとは思いますが、これは今回のポイントの3つ目に掲げた、仕事の仕方をどう変えていくか。それから、いろんな家庭生活も両立して、なおかつ前向きに仕事ができるような環境をつくらないと、やっぱり女性の方々が管理職に手を挙げてくださらない、試験を受けてくださらない。この管理職を、ほんとに今のような試験を受けてもらうという体制が必要かどうかということも含めて、これは1年、2年で結果が出ないかもしれませんが、そういうことも含めて私はちょっと再検討してほしいということを言って、まだちょっとその議論の途中なので、いついつまでに再検討とは申し上げることはできないですが、全体としては趨勢としては、やっぱりジェンダーバランスはもっと改善していきたいと思いますが、その前提条件として、まず数字をとにかく合わせにいくというよりは、やっぱり基本は適材適所でいって、その中でそのジェンダーバランスの改善できるような環境面での仕事の仕方改革をしていかなければいけないと思ってます。
記者
分かりました。
最後にもう1点だけ、やっぱり聞いていく中でですけれども、市長は、よく公共人材の重要性と仰っているかと思います。ただ京都市役所の若手含めて、なかなか退職者も多いのかなと思うんですけれども、やはりなかなか民間のように本当に若くして例えば管理職に登用とか、なかなかちょっと市役所では、まだ難しいところもあるのかなと思ったり、例えば待遇の面でも、やはり人事委員会勧告とか、そういう縛りという、いろいろ制約もあると思うんですけれど、市長が理想とするというか、実際にやられていたり、そういう体制というか、どういうような人事とかそういうのを思い描いてらっしゃるんでしょうか。
市長
処遇について、これは私どもだけで勝手に決められるというよりは、やっぱり人事委員会の勧告、国全体からいうと人事院の勧告とも整合性を持ったものにしていくというのは、公共人材のある種の宿命だと思うんです。私の尊敬する官界の先輩で、もう民間で自分でいろんな事業をやられて長い人がおっしゃるんですが、金もうけより人もうけだぞというふうに仰っていて、でも私が思うのは、お金はやっぱりある程度は必要ですよ。生活して子育てして、それはチャップリンの映画じゃないけれど、ささやかなお金は必要だと思うので、そこは私は軽視できないと思います。報酬というもので報われるということは必要だと思いますが、それよりも、この市役所の職員で京都のまちのために仕事はできるというのは、いろんな人と知り合って、まちづくりの喜びとかいろんな人々と交流する喜びみたいなもの、やりがいというものを、本来自分が22歳で公務員に奉職したときは、その給与の面でいうと、ほかの競合する民間企業の就職でいうと、それははるかにその当時でも倍以上の給料だったですよ。でも、これはやりがいあるし、自分はそれに人生かけるに足りると思ったから公務員を選んだので、多くの京都市役所を志す人たちは、やっぱり何らかの公務に対する意識というのがあると思うんです。ただ、それは入ってみて、やっぱりいろんな内部での調整事務とか困難ないろんな交渉事務とか、そういうものでやっぱりどうしてもちょっと最初の頃の志とちょっと違うのかなという思いを持って辞められる方もいるし、経済社会全体が流動化していて、どの組織でも、これ民間企業でも非常に若年退職者の数は増えていて、言ってみれば雇用マーケティングは流動化しているというふうにも取ることはできるわけですが、やっぱり公務員に関していうと、そのやりがいとか自分の仕事の、それこそウェルビーイングですよね。自分も幸福感を感じ、人の役に立ってるとか、このまちのために役に立ってるという当たり前の感覚が当たり前に持てるような環境をどうつくっていくか。そういう部分の、しんどい仕事って、どこの仕事でもあると思うんです。楽しい仕事ばっかりじゃないですよね。だけど楽しい仕事ばかりじゃないけど、しんどい仕事があっても、この部分で喜んでもらえるから、この部分で人々と話をして、新しいアイデアがあって、こうやったらよりよい地域ができるんじゃないかという、その気づきの部分、そこのウエートをどう増やしていくか。できたら、そのウエートを人の役に立ってるんだという実感できるウエートをその職場職場でちょっとずつ増やしていく。あるいは職場を超えて京都市に奉仕をしたんだからこんな勉強ができた、こんな京都の歴史が学べた、そういう機会をできるだけ増やしていくことしかできないけれど、私たちにできることは、京都市だけ給料上げることはなかなかできないです。それでも例えば交通局なんかは、やっぱり担い手確保するために給料あるいは処遇をよくするという、これはもう僕はどんどん、むしろ人事委員会勧告を待たずに考えてくれと言ってますし、ひょっとしたら京都市全体もそういうことも考えなければいけないかもしれないけれど、私から言えば、金もうけより人もうけの、人と人と接して、まちづくりの喜びみたいなものを感じる要素をどれだけ職員の中で確保できるような体制をつくれるかが、これは私の責任だと思います。
記者
昇任とか若手登用とかはどうでしょう。
市長
確かに私も人生のある時期までは、もっと抜てき人事をと、公務員制度改革をするときにも、もっと抜てき人事をとか、例えば政治任用職というのをもっと増やせというふうなことを言った時期もあったんです。確かにそういうものもあってもいいと思いますが、だけど全体にものすごい抜てきで、例えば20代で局長をつくるとか、30代前半で局長をつくるというのは日本社会で、特に公共公務に当たって、あんまりラディカルなことは日本の社会には合わないのではないかとは思います。ただその中でも、もう少し例えば局長さんとか室長さん、部長さんの年代というのは幅があってもいいし、それからこれは人事担当の方に検討をお願いしているところですが、例えば社会人採用のときに、スタートラインは、もう一番最初のところから社会人として採用するだけではなくて、ある役職付で社会人としての貴重な経験をしてこられた知見の持った人を役職で採用するというのをもう少し、係長からもいいですし課長でもいいので、ただ京都市役所で課長は結構上のほうですけれど、そういう部分を増やしてほしいという話を、そういうことができないかということをお願いしているわけですが、私もまだ1年やそこらですから、もうちょっとこれは、この令和7年度にどういうふうな役職付の経験者採用というのができるか。例えばじゃあ、どんな人が要るんですかという話ですよね。具体的に言うと。抽象的にそういうもの制度をつくるというよりは、こんな人を採って、こんな人だったらできるんじゃないか。でも国家公務員でもそういうことをやってきてるんですね。私の非常に信頼する、今某県の副知事をやっている女性官僚なんかは、もともと新聞記者さんだった。そして出版社に勤めていた。旦那さんがその同じクラブにいたということで東京に出てこられて、それで中途採用の1期生で中に入ってきて、もうやっぱりずっと、でもそれでも京都市役所よりはあれだったかな。係長ぐらいで採用されてたかな。それがどんどんどんどん仕事ができることになって、今やもうむしろ、その役所の出世頭ぐらいまで行ってこられた。例えばこういう経験値を積んでいくということも組織の変革には必要なので、いきなり私が政治的にこの人を部長で採用してくださいというよりは、むしろ組織の自立性という、さっきから言っていることともつながるんですが、組織の風土を変えていかなければいけないので、私はそれに対して一石を投ずることはできるけど、みんなで考えてもらって、こんな人、こんな人だったらもう一回、例えば京都市を一回辞めた人。経験値がある人だけれど、辞め得とかいう議論もあるけど、でも中央省庁で今どんどん起こってることですが、辞めて民間で知見を持ってきて、京都市役所のルールとか仕事の仕方も分かっているような人をもう一回役職で戻してくるとか、いろんなやり方をまずやってみて、人物本位でやってみるということが私は必要だと思います。
一般質問
北陸新幹線の延伸についてなんですけれども、3月25日の説明会で上がったことなんですけれども、その点で4つの懸念点というのは、どの程度解消されたのかというところを教えていただければと思います。
市長
私は市会があった日でありまして説明には出てないんですが、出席した職員からも直接話を聞きました。もちろん一部新しい情報が提供されているという面はあると思いますが、率直に言えば4つの懸念が解消されたとは全く思っていません。これはもう国や機構のほうもお認めになられているわけですが、さらなる継続した説明が必要だというふうに、これで終わりではないんだと。当たり前ですよね。終わりどころじゃなくて、4つの懸念で言及されてない懸念もありますよね。それはそうですよ。当該部局の人たちに言及する職務責任がない問題があります。財政の話なんて言えませんよね。国土交通省といったって、結局鉄道局だけで言える話ではないですよね。だからそういう根源的な問題が深く横たわっているので、これは継続的に、ずっと申し上げてるように、市民の体感を得なければいけないと思っておりまして、粘り強く我々はさらなる情報を求めたいと思っております。
加えて申し上げるならば、やっぱり何で質疑を取って、これ表に出てないのと聞いたわけです。そしたら、いやいやその自治体の求めによって、これは自治体との質疑応答は非公開にしましたという御返事だったようです。ほかの自治体について私どもがどうこう言える立場ではありませんが、我々は一度も質疑応答をクローズドでやってくれなんてことは申しておりません。例えばそういうこと1つを取ってみても、本当に市民の体感的納得を得られるんだろうか。いろんな新しい情報がありましたけど、例えばトンネルの深さの言及があったとしても、その実際のホームの土留めはどこまでのところまで深く行ってるのか。情報提供がありません。あるいは、もうちょっと申し上げれば、そうですね、幾つかありますけれど、例えば京都市街地でのトンネル施工の事例ということで、例えば道路関係の事業についてのトンネルの事例が提示されているとか、あるいは国定公園におけるトンネルの施工の事例で、国定公園に指定される前のトンネルの事例を国定公園の事例というふうに仰ったりとか、いろんな国とか機構、私は国、国土交通省の職員の方々も機構の職員の方々もそれぞれ職務に応じて誠実に仕事をされていると思います。思いますが、いろんな、ひょっとしたら圧力もあったかもしれないけれど、ちょっと我々から見たら、あれ、地元の自治体の心をつかもうとしてるのかな、それとも心を離そうとしてるのかな。やや、私からいうとどうかなというような事例を、それは違うでしょうと。国道の、要するに例えば堀川通のそのトンネルの長さとか深さと、あなた方はそれを求めてるよねということで、そういうことで資料提示されたりすると、これは地元の自治体のみならず、そういう事業を長年の懸案で渋滞解消のために仰っている仰ってような方々から見ても、その事例を引き合いに出して仰るんですかということになってくると、ちょっと理解促進という方向に行くのか、それともどうなのかなと。そういうことは市民の体感につながると私は思いますよ。なので全然私は、それはそれで一つのお考えでしょう。そういうことをコメントされた方もいらっしゃいますけれど、やっぱり誠意を持って対応していただきたいし、その市民の体感的納得を得るということであれば、市民の皆さんが、じゃあ例えばこれまで地下鉄、あるいは民間鉄道を地下で通すときに、いろんなことがあった。それがどんなことがあったか。それが例えば我々の資料において、どの資料においてこういう記述があった。そこのところをちょっとそれぞれの組織において、うまく説明のために使っておられるという感じがして、私はちょっとこの説明だけだと、正直言って自分の中にある、あんまり感情論で議論すべきだと思いませんよ。非常に科学的な知見で議論をすべきだと思うんですが、これは京都市とか京都府の納得を得ようとして仰っているのか。あるいはどちらかというと論破をしようとしておられるのか。ちょっとそこがよく分からないところがあって、さらに丁寧に我々としても国土交通省さんとか機構のお立場もできるだけ理解したいと思うし、国家的事業の必要性というのは私は理解しているつもりなので。ただ、地域がずっと具体的に4つに懸念と挙げてるものについて、本当に分かりやすく、どなたにも説得力を持って、あるいは科学的知見でいろいろ仰って仰っている方々、あるいはその歴史的な自然環境であるとか、あるいは歴史的なその建造物、寺社仏閣、そういうものへの影響とかいうことを丁寧に御説明していただくような、そういう資料作りに心がけていただくと我々も冷静な議論ができるんではないかなと思います。小っちゃなことかもしれませんけど、この私が抱いた感覚というのは、私が聞いてみた感覚でいうと、結構いろんな事業に携わってる人間からいうと、ああ、こういう資料の作り方をされるんだなというふうに、ちょっとそこは今後よりよい方向で議論をしていただいたら、我々としてもより冷静に客観的な事実関係、あるいは科学的知見に基づいて議論ができる余地が生まれ得るかなと思います。ただ、今申し上げたのは、ポジティブに4つの懸念の解消に向けて前に進んでいるという意味で申し上げたわけではなくて、私の申し上げたいことは4つの懸念は解消されていない。そして、それに対する誠意ある姿勢がどこまで示されているかというと、これからかなという気がします。
記者
今日、堀川通バイパスのことを仰った。多分資料にも、これまでトンネル工事が想定されるプロジェクトのところに、国に要望されていますということを仰って仰ってたと思います。つまり国側としては、地下水での懸念と言いながらも、こうした要望してるんじゃないかというところで、先ほど市長が仰った論破に行ってるんじゃないかというところを。
市長
そうですね。あなた方自身が要望してるものは、あなた方の懸念を払うものを要望してるんではないかと。だからそれは恐らく私の理解ではですよ。こんなの例えばトンネルの深さとか、まだ詳細は全然決まってないんですよ。ただ、その距離であるとか、どれだけのトンネルを掘るのかとか深さであるとか、私の常識で言うと、それは全然レベルの違うものではないかなと思いますし、ほかの同じ国土交通省といっても、ほかの所管の事業について、こういう言い方をして、これを要求しておきながらこれを懸念というのは何なんだと。例えば道路局から見たら、当然それはどの程度の深さのものを、トンネルをどの程度の距離を掘るかということによって、どれぐらいの環境負荷があるかと。当然それは事業を行う上で、それは大切なポイントだと仰るのに、その事業を要求してるから、あなた方はそれをこんな懸念を言う資格はあるのかというふうな捉え方をされかねない。そういうふうに仰って仰ってるわけじゃないと思いますよ。事実関係を記載されてるだけだと思いますけれど、そういうふうになってくると、前向きに議論しようという人たちも、そういう言い方をされるんですねということになるし、恐らく国土交通省の中でも違う事業の方々は、それはちょっと一緒にしてほしくないというふうに仰るんではないでしょうかね。
記者
先ほど申し上げたみたいな財政の話であったりとか、あとはシールド工法に関して、全く前にもらった資料と新しく更新されていなかったりとか、まだまだ新しい情報が出ていないことになってます。市長としては、早いとこ情報が欲しいという感じなのか、情報の出し方みたいな感じはどういうふうに思われましたか。
市長
何度も聞かれている質問なんですが、私は早く情報、説明会を早くオープンにやってくださいという立場ではないです。なぜならば、この事業は京都市としてですよ。国家的な事業として国会議員の方々が推進されるのはよく理解をしますが、京都市として、私は何度も言いますが、狭いまちの狭い視点かもしれないけれど、京都市として、これ早く通してください。このルートで早く通してくださいって全く申し上げたことないんです。なので、早くオープンにしてくださいというよりは、もしやられるというおつもりであれば、それはしっかり市民の体感的納得を得られないと前に進まないですよということですから、別にそこの市民の体感的納得を得られなくてもいいということであれば、別にゆっくりやっていただいたらいいと思います。ゆっくり議論していただいたほうが、私は慎重に議論すべきだと。少なくともこの小さなまちの責任者としては慎重な議論が必要だと何度も言っていて、早い議論が、迅速な決断が必要だと私の視点では申し上げてないんです。ですから、ちゃんと納得ができるまで時間かけて、もしそれは資料について、市民の体感的納得を得られるような資料がないんであれば、それはしっかりそれを詰めて説明していただく、時間をかけていただくのも一つの考え方ではないでしょうか。ただ、国家的な見地から、もっと早くとか、あるいは北陸の方々がもっと早い解決策が必要じゃないかと仰れば、それは北陸の視点としては、あるいは北陸と関西をつなぐ、より広域的な視点としては国家的なものだけではなくて、北陸・近畿という、このルートをつなぐという視点からいったら、それはもっと早い解決策を求めるという立場の方々がいらっしゃることも分かります。それは北陸の知事さんなんかがそういう御意見を仰ってる仰ってことも理解します。ただ、狭いまちの、京都市として4つの懸念に悩んでいる首長としては、それは私自身が早くやってくださいと言うつもりはないです。
記者
新幹線の話からちょっと離れるんですけれども、先ほども市長がお話しされたことと恐らく重複するんであろうと思うんですが、国家公務員の給与のことなんですけれども、人事院の人事行政諮問会議が、優秀な人材を確保するために民間企業に見劣りしない給与水準が必要だということを最終提言としてまとめられました。そうすると国家公務員の給料が、地方公務員も恐らく影響してくると思われるんですけれども、日頃から市長は、民間企業と見劣りしないように、見劣りしないほうがいいんじゃないかというようなことを仰られていたというふうに思います。このようなその人事院のほうについては、どのように考えますでしょうか。
市長
真っ当な動きだと思います。難しいですよね。国民の納税者の立場から言うと、公務員の給与水準とか報酬の水準が、どこと比較するレベルのものを保障するのが適切であるかということは、納税者は割と厳しく見られていると思います。ですから、町工場で働いている人たちの給料ってこれぐらいなときに、この給料は本当に大丈夫なのかと。我々は自戒的にそういう議論も含めて議論をすべきだと思いますが、一方で私が大学の教員として10年仕事をした経験で言うと、やっぱり今の大学のこの10年間の卒業生は、どういう給与水準で、どんな働き方ができるんだ。その中で、例えば民間企業でも実は社会の役に立つ仕事というのはどんどん増えてきていて、私はむしろそれが望むべき方向だとずっと言ってきた人間として言うと、給与水準がこれだけ違っていて、民間でも社会に役立つ仕事をいろいろできる中でいうと、何で先生が言うように公務員が低いんだと言われると言葉に詰まるわけです。すなわちそれは、志望する人たちが、どんなほかに選択肢がある中で公務というものを選んでいただけるか。例えば市バスの運転手さん、民間のバス会社、タクシー会社でこんな働き口がある、こんな給料がある中で、なぜそれは市バスの運転手さんとして交通局に奉職していただけるかということを考えたときに、その競合する選択肢の中で、やっぱりある程度、高い水準とは言いませんが、あまりにも低過ぎない水準であって、あとはだからむしろ社会の役に立つ喜びというものを、どう我々が説明するかということなんですが、ちょっとそのレベル差が広がっている。だから結局、東大法科なんていうのは、本来公務員養成のためにつくった学科において、ものすごい公務員離れが進んでいて、公務員試験を受験した人たちも、むしろほかの外資系、あるいはコンサルなんかの就職のレバレッジとして、公務員試験を受かってるということを活用して自分を売り込むための受験者が増えていて、その結果として、ますます公務員試験で、本来だったら受かるような人たちが受かれないという、僕はそういうのをずっと10年間見てきたので、やっぱり公務労働というのは、ある程度の水準のものは確保して、低くてもいいですけど、やっぱり今のちょっと格差というのは広がり過ぎてるんじゃないかと。そういう意味では、人事院がそういう見解を持たれて、もうちょっと、要するに比較するときの、私確か昨年人事委員会の委員長ほか委員の方々が来られたときに、こんなことを皆さんに言うのもおかしいけれどといって自分はつぶやきますと言って独り言を言ったんですけど、要するに、どこと比較して適正な給料だというふうに判断するかという比較対象をもうちょっと若い人たちが就職の選択肢として、競合している企業のことも視野に入れたもの、もうちょっとそこに焦点を当てたものにしていただいたほうが、より公共人材、豊かな公共人材を採用する上では追い風になるんではないかなと思います。
記者
先ほども出た北陸新幹線の説明会の関係、ちょっとお伺いしたいんですけれども、あの説明会の後、国のほうは御説明のスタートラインに立ったというような話があったんですけれども、先ほど市長の所感を聞いていると、本当にスタートラインに立てたのかなと。むしろ信頼関係というか、ちょっとこれ不信感を抱かれているんじゃないかなというふうにも聞こえたんですけれども、その辺りはどうお考えでしょうか。むしろ関係悪化してしまったんじゃないでしょうか。
市長
すいません。ちょっと個人の所感が前に出過ぎたかもしれません。京都市役所全体として、そんなに不信感を持っているわけではないですよ。私がちょっと個人的な感情を言ってしまったかもしれません。私はでも冷静に議論したいと思っています。スタートラインに立てたか立ててないかということで、スタートラインに立ってないというのは言い過ぎだと思います。説明会を開催してくださった。その間こういう説明会を開催するべきだといって、国に対して促していただいた政治家の方々も多数いらっしゃいます。そういう意味では、こういうものを開催されたということは一つの成果だとは思います。ただ、じゃあこれで私自身が京都市民に対して4つの懸念を払拭する、そのための大きな前進があったかというと大きな前進はなかったと私は思っています。市役所の事務方は、もうちょっと前向きに評価してるかもしれません。新しい情報が出てきたところもあるからね。だけどやっぱりもうちょっと開かれた形で質疑応答などは、僕は、私が逆の立場だったらそれはしっかり、どんな懸念にどういうふうに対応してるのかということを仰ったほうはいいんじゃないでしょうか。いずれだってそこに市民も巻き込んでということの必要性についてはQ&Aで機構も仰って仰っているわけでしょう。市民に説明するんだったらやっぱり、今の状況ではここまでしか説明できないけどということをちゃんと市民に、その質疑応答の中身も明らかにされたほうがいいように思いますよね。だけどじゃあ、本当にこれがスタートラインかどうかといったときに、4つの懸念について答えてない。今御質問の中にもありましたが、答えてない項目がある中で、なかなか4つの懸念の払拭に前進したと言えないですよね。むしろ何となくこういう議論をされるんだったら、ちょっと感情的にもどうかなというところでは、私から言うと、ちょっとそこは。ああ、こういう議論をなさるんだなという意味で、正直言って、むしろ今後改善していただきたいなと思う点が複数あることも含めて、これからじゃないですか。だからこれから、私どもから言うと、ちゃんと時間かけて我々を説得してくださいよと。国家的な意義は分かるんだけど、だけど説得される材料において、私の中で大きな前進があったといえば全くそうではないし、ああ、これは時間かかるだろうなと思いました。率直に言って。
記者
あの説明会、また開くにせよですね、国や機構に求めていきたいことといいますか、今回の説明会を聞いて改めてこういったことを姿勢といいますか、どういった姿勢が大事だというふうにお考えでしょうか。その辺り、お願いします。
市長
やっぱり、あんまり断定的に物事をお互いに言わずに、ちゃんとお互いの根拠というものをしっかり聞き合った上で、その懸念が払拭できるのかできないのかということについて、ある程度明らかにしていくというのは私の責任でもあると思います。なので、市民に開くということも必要でしょうし、例えば科学的知見で、これは大丈夫だとか、過去こんなことはあったとかなかったとか、ここ以外ではなかったとか、実際いろんな情報が出てきてるわけじゃないですか。過去の事例を我々が聞いてみたら、いろんな事例ができる。あれは例えば渋滞解消とかいうと、ルートはこういうルートだと言うけれど、この春秋の交通渋滞の状況というのをやっぱりどこまで皆さん見て仰って仰ってるのかなということを含めて言うと、いや、こういうふうに変えると考えてますということを説明されたということは、私はそれはそれでだとしますけれど、しかし現実の京都の交通状況を見たときに、それがどういうことを意味するのかということについて、なかなか資料を出されて体感的に、工事に伴う長期にわたる交通渋滞がどこのエリアでどういう影響があるかということについて、なかなか体感的な納得を得られない。ただ、これは私が申し上げてるのは、さっきから申し上げてるのは、我々を説得してくださいと言ってるわけじゃないんですよ。我々が納得するにふさわしい材料を粘り強く出されないと納得できないですよということを申し上げてるので、説得されるために努力を求めてるというふうに捉えたら勘違いなので。私どもは今、簡単に納得できる状況じゃないですよと。それは納得するのは市民ですから。市民が納得するための情報をしっかり詰めて、だからいろんなその科学的知見について、地盤について言うと非常に深い地盤のことですから分かりません、正直言って。尾池先生が仰って仰ってることと、この機構が仰って仰っていることはどうなのかと分からないけれど、だとしたら、その科学者同士でしっかりと議論できるような情報を出していただいて議論していただいたらいいんじゃないでしょうかと。徹底的に。京都大学の総長まで務められた方が、あそこまで警鐘を鳴らされてるわけですから、それは正直言って私にはそこまでの知見はないし、正直言うと、恐らく京都市役所にも土木の専門家とかいたとしても、あそこまで深い地盤とかの地震に対する影響とかいうようなことというのは、ちょっとこれはそこまでの知見、京都市役所内部には必ずしもありませんから、そうすると専門家同士でしっかり議論してもらわなければいけない。それをしっかり尽くすという姿勢を、これからさらに出していただかないとなかなか前には進まないんじゃないでしょうかね。
記者
説明会の話になるんですけど、今回、府内の全部の自治体に向けてということだったんですけど、やっぱり京都市と南丹市と久御山町は、課題も違うということで出てきたんですけど、今後あるとして、もう少しエリアを絞って京都市に向けた説明会みたいなものをしてほしいというお気持ちがあったりとかいうことはあるでしょうか。
市長
さっきからずっと同じこと言ってるんですが、私は説明会をして、早く市民を説得してほしいと言ってないんですよ。現に懸念があるんだから、その懸念の払拭なしには事業は進まないですよということを言っているので、京都市だけに対して、こういう姿勢を示してくれれば私は説得するというようなことを言ってるわけじゃないんですよね。現に私から言うと結構高いハードルがある。そのハードルは、いかに低いかということを説得していただかないと前には進まないですよということを申し上げてるんです。国家的な意義は認めてます。だけど私は狭い人間なので、小さい人間なので、小さい人間だけど市民の代表なので、そこは説得していただかないと前には進まない。もし前に進める効果的な迅速性を求めるならば、そこの工夫は必要だと思いますが、私から言うと、そこをもっと京都市民向けにこういうことをやってくださいというよりは、ちゃんと材料を整えてやっていかないと、何回か、じゃあ10回やりましたから納得できるという話じゃないんですよね。恐らく10回やって、本当にその京都という自治体の財政負担について説明できますか。それは誰ができますか。総理大臣が説明したらできますかということですよ。少なくとも今まで国交省は、地方負担のルールについて見直す考え方を持っていないという状況の中で、この第二国土軸という国家的な事業だけど、京都市民から見たら、それに対して本当に我々は貴重な投資、10億円という事業を恒常的に出すのがいかに大変か。年間450億円という市債のアッパーリミットを守らないと我々は財政破綻のリスクがあるという状況の中でいろんなことをやらなければいけない。私はずっと言っているように、京都市は過少投資だと思って、投資が必要なものは、例えば西京極競技場にしたって、あるいはコンサートホールにしたって、いろんなものがありますよ。下水道事業だってありますよ。交通局だって結局、観光特急バスを走らせるったって、運転手さんがいない、車庫もない、そんな状況で過少投資でやるときに、いろんな事業をこれからやらなければいけないときに、この事業にこんな、例えば従来の地方負担の常識で言うと、これぐらいの市債を発行しないと事業はできないという想定はつくわけですよ。数字は言いませんけど。それを私はそれを選択できるかといったら、なかなかしんどいということで、この懸念を言ってるわけですよね。事業としての重要性は分かるけど、その折り合いをどうやってつけるのかということについて、しっかり考えていただくことが国家的事業を前に進める早道じゃないでしょうかね。それ以上、我々はルートについて、一切このルートがいいとか、このルートが悪いとか、悪いとか今の示されたものについての懸念は言うけど、このルートだったらいいとか、あのルートだったらいいということは言いませんけれど、もし国家的事業ということで仰るならば、そういうことも含めて、それは急ぐ人たちが知恵を出していただきたい。私のような狭く小さい視点で物事を見てる人間は、その市民の納得感を得られなければ前になかなか進めないですよということを繰り返して申し上げるだけです。
記者
すいません。重ねて北陸新幹線の説明会なんですけれども、今まで市長は、科学的知見な基づく丁寧な、かつ体感的に納得できる説明を求めてこられました。今回、私も説明会を拝聴して、その丁寧な説明ということをちょっと履き違えてるというか。例えば地下水の話だと、地下水への影響と地下水利用への影響というのをちょっと区別してお話になったりして、ちょっと混乱させるというか言いくるめられるような感じがあって、その丁寧な説明を求めるのでは駄目なんだなと思ったんですけれども、これから機構や国交省には、どういう説明をしてほしいとお考えなのか。もう一度お願いします。
市長
もう同じことですよ。私は国交省さんに誠意がないなんて思っていない。いろんな事情があって、ああいう資料で説明されたし、いろんな事情があって実際の質疑は公開は非公開にされたんだと思いますが、ひょっとしたら我々以外の自治体が非公開を求められたかもしれない。それは我々存じ上げないので。回数を重ねて何回やって誠意を尽くしましたということが私は丁寧なことではないと思うんです。やっぱり市民が体感的に、過去この京都という水の都です。地下の水の都ですよ。琵琶湖がかつてどこにあったかとか、そういう議論は私は詳しいことは分からないけど、この豊かな水によって生かされている京都というまちで、過去にもっと浅いところで事業を行って、それが結構市民生活とか小さな生業のような御商売にものすごく大きな影響があって、現に補償もしているというものが、さらに深いレベルで、もっと広域において長いトンネル工事が予定されている。このことが4つ申し上げた、もう繰り返しませんけど4つの私から見たら、それぞれが重大な懸念を私は抱いている。その状況に対して払拭できるような丁寧な説明というのは、納得感のある説明を求めたいわけで、それは手順論とか、私は若干すいません、感情論を含めて言っちゃったかもしれませんけど、どういうふうに丁寧であるとか、いんぎん無礼であるということで丁寧というふうに思わないんですよ。ちょっとそういうことを求めたように捉えたとしたら、それは私のちょっと説明不足でありますが、やっぱり市民が納得して、これは大切な事業で、ここまで言わはるなら大丈夫やろうということを説得力を持って、体感的な説得力を持って仰って仰っていただかないと、この古いまちで、水、水盆に傷つける可能性がある。それに莫大な事業、長期の事業、工事が必要となるということについて、市民の体感的理解はなかなか得られないんじゃないかなということを理解した上で、誠意ある情報提供、説得力のある論拠というものをどう示してくださるか。逆の立場だったらしんどいと思いますよ。ですから担当しておられる方々には誠に申し訳ないこと、小さなまちの首長がわがまま言ってるというふうに国家的には思っておられるでしょう、きっと。それは誠に申し訳ないけれど、私の立場はそういう立場なんですということを申し上げるしかないですね。
記者
私からも北陸新幹線のことを聞かせていただきたいんですけれども、先ほどのちょっと御発言の趣旨の確認をさせていただきたいんですが、堀川通バイパスの件なんですが、それは北陸新幹線とは違うんだよということが念頭にある御発言かなと思うんですが、この意味するところは、堀川通バイパス、北陸新幹線は深さだったり、あるいは事業の規模だったり、どの辺を想定して仰ってるのかなと。それとも、かなり内容というよりも、その堀川通バイパスという、この市が推進しようとしている事業を例示として挙げたこと自体に対する不快感なんでしょうか。
市長
不快感というか、不快感と申し上げましたかね。私、不快感という言葉使いましたかね。使ったかな?要はこれ30ページですね、彼らの説明資料の中で。京都の地下水の水量と水質への影響、京都市街地でのトンネル施工事例、施工事例というふうに挙げながら、これからどんな深さになるかも分からない。事業として採択されることが決まってもいない。確かに要望してます。この渋滞解消ということで。だけど、その渋滞解消のための事業を要望してるということをもって、京都市街地でのトンネル施工事例という言い方をして、国に要望されてトンネル工事が想定されているプロジェクトも国に要望されてる。その口でこんな懸念が言えるのかとは書いてない。私にはそう読めてしまう。どの口で言ってるんだというふうに読めてしまう。ここのこういう書き方をして、事例と言いながら、そこの渋滞解消で私は地域の経済社会活動、あるいは防災面での課題、渋滞解消という意味で事業を要望していることは事実ですけど、それを施工事例として、こういう要望をしてるあなたが言うんですねというような言い方をされるとですね、これは同じ国土交通省で、その渋滞解消とか防災面での道路整備ということを一生懸命我々と一緒に知恵を絞っていただいている方々に対しても、ちょっとこの言い方は、ここでこの資料の置き方というのは、ちょっとどうなのかなという気はしますね。不快感なんていうことは言いましたっけね。言ってないと思いますよ。思ってるのかな、僕は。
記者
建設発生土の受入れ地に関しては、何か説明会では話があったんですけども、新しい情報はなくて、自治体と協議中ということで目途は示されませんでした。4つの懸念の中に、受入れ地の確保ということは言われている中で、私もかなり受入れ地の現状を調べますと、かなり厳しいのかなというような印象を持っています。ちょっと2点お伺いしたいんですけど、実際に協議中の中に京都市が入っているのかということと、この確保の目途が立っていないという現状について、受け止めをお願いします。
市長
ほかの自治体のことは知りませんが、京都市が具体的にその処分地の協議を今してるという認識は全くありません。私が行政の隅々まで把握しているわけではないかもしれないので、どなたかがそういうことを尋ねられてる人が担当課でいるのかいないのかは知りませんが、少なくとも私は全く知りませんし、私がそういうことを協議を求められても、そんな協議をする段階ではないでしょうと。少なくとも私が認識する限りにおいては、京都市において、そんな処分土を受け入れるような土地があるというふうに私は現時点で全く認識してません。はい。それを求めて、我々が求めて、先ほどからずっと言っていることですが、我々求めて、我々も地元として汗かかなきゃいかん。処分地、具体的なその地権者に対して説得しなければいけないという立場であれば協議に応ずる意味はありますけど、そういうスタンスでは今ないので、私どもとしては、そんな協議をしているという認識は全くありません。
記者
続けてですね、文化的な視点でずっと、これは歴史的な建造物との位置関係に関しては、北陸新幹線のルートは、そういったものを回避した線形となっているということで、または三次元水循環解析に基づく地下水への影響においても、利用への影響は確認されていないということがあったんですが、京都市さんは、4つの懸念には挙げていませんが、先日の説明を聞かれて、改めていかがでしょうか。
市長
どこか絵でポイントがありましたね。こういう文化財とか。
記者
資料50ページです。
市長
これ、それだけが文化的資源なんですかね。京都って、あらゆるところに文化的資源、少なくとも市街地についてはあって、いろんな事業をやるときに、我々はすごくそこは気を遣いながら丁寧にやってるんですよね。これは、むしろ問題提起された西脇知事のほうに御発言を求められたほうがいいと思いますけど、私はここを、この赤いポイントを僕から見たら塗っているように思いますけれど、そして赤いポイントとポイントの間に、恐らく多くの文化財があると思うんですけれど、これで文化資源に対する配慮がなされてるというのは、ちょっと京都府知事にその見解を求められたらいかがでしょう。私があまり察してもいけないんですけど、京都府知事と毎日お話をしておりますが、文字どおり、ほぼ毎日お話をしておりますが、別にこの件のお話をしているわけじゃないですよ。そういうことを仰って仰ってるという認識はないですよね。はい。
記者
先ほどの説明ですけど、住民向けの説明会に関して、国側は検討するという表現にとどまりました。この点についてはいかがでしょうか。
市長
国がその実際丁寧でプロセスを前進されるとしたら、それは必要条件です。ただ、私どもがそれを、さっきから何遍も言ってるように、早くやってくださいと申し上げているわけではないので。なので国が前進を求められるならば、それはもう必要条件だと思います。
記者
すいません。先ほどの新幹線と違う話なんですけれども、国民健康保険料に関しまして、京都府でも初めて統一に向けた試算を行いました。1月の市長会で説明があったということですけれども、2036年度に統一した場合の保険料と、統一しなかった場合を比較すると、京都市では約500円引き上げるということになるんですけど、その点について何か御意見はございますか。
市長
まず第一に、あまり私どもも試算についての詳細な条件を示されているわけではないので、ここについて、あまり確たることは現時点では申し上げないほうが私としては誠意ある対応だと思っているというのをまず申し上げた上で言うならば、我々は府下で統一してもらって、京都市の保険料を下げたいから言ってるわけじゃないんですよ。むしろそれは、やはり公平な負担ということで、京都府が大きな国民健康保険の受皿になっておられるわけです。それが京都府レベルでやっているのがいいのかどうかという議論はまたあると思います。それから、いろんな健康保険の制度横断的な対応ということももっと求めていかなければいけないですが、少なくともやはり、より負担の公平性を実現するためには府内でそれは統一していただくのが筋ではないか。それは国が言ってることとも整合性があると思っているんです。それが最終的な目標点じゃないですよ。最終的にはもっと健康保険全体の在り方を議論してもらったほうがいいと思いますから、その中で申し上げて、なかなか大変だと思います。正直言うと。この数字について詳細なコメントは避けますけれど、大変なのは大変だし、そのことで京都市の負担がものすごく劇的に下がるということもなかなか考えにくい。その状況の中で国民健康保険というのが、ある種の各種健康保険事業の中でいうと、一番セーフティーネット的な役割を担っているという状況の中で、我々もなかなかしんどいけれども、それはやっぱり保険のその特殊性をよく理解しながら、できるだけ保険料で賄う。その中で我々は公費を1円も入れないなんてことをずっと言ってないと。京都市としても一般財源の負担はある程度はするけれど、今の状況で負担をし続けて国民保険料を据え置いた状況でいうと、あまりにも一般財源の投入が増え過ぎて、もう京都市全体の財政としても、この事業としての持続性もないということなので、私どもは保険料水準は段階的に引上げしていく。そしてその中で、できるだけ我々も一般財源で持続的に可能な範囲でサポートはしていきたいと言っていて、なおかつそれを議論するときには京都市だけで、あるいは各市町村だけで議論するんでなくて、それをより大きな京都府全域で事業はカバーされているわけですから、そこの中で、できるだけ公平な負担の在り方ということを考えてほしいということを申し上げてるんです。だからこの数字があるからといって、はい、分かりましたということにはなりませんし、逆に言うと、そんな簡単に我々の保険料水準は下がらないということも認識しています。これからのことを考えたときに、恐らくある程度のレベルに上がっていくのは事実でしょう。ただ、それに向けて、できるだけ関係の市町村、特に町や村というところと、京都府は大変お辛い立場だし、あまり調整の余地が少ないという話は非公式には、知事としてはそういう思いなんだろうということは拝察はしていますけれど、難しいけれども、そこはそこに向けて、できるだけ各市町村と対話を続けていただきたいとしか私は申し上げられないし、これを各市町村ごとに、この事業をそれぞれの一般会計をどこまで負担して、保険料でどこまで御負担いただくのかという議論を個別にやっていると、やっぱり府内で近隣に住む中での公平感という意味では、ちょっと納得は得られない状況が続くので、しかもそれがひょっとしたら格差が激しくなる可能性もあるので、何とかそれを是正に向けて少しずつでも、しかし一応目標年次というのは国が示してるわけですから、そこに向かって京都府には汗をかいていただきたいとしか申しようがないですね。
記者
先ほどの説明会について、開催前に市民グループが抗議して、市民向けの説明会が最初じゃないかということを言いながら、傍聴しようにも傍聴できずに、先ほど仰った質疑応答も聞けない状態になっていると。こういう市民に対する向き合い方について、国・機構の姿勢について、どう御覧になっているでしょうか。
市長
せっかく京都までおいでいただいたのに同じ答えで申し訳ないです。申し訳ないですが同じ答えです。それは我々から言うと、もし国・機構が4つの懸念を解消して前に進めたいと思われるならば、今仰ったような姿勢を示されることは必要条件だと思います。ただ、私はそれを早く前に進めてほしいと思っていないので、私が言ってることは懸念を解消してくださいと。そうでない限り、我々はなかなか受けられませんということを申し上げているので、そういう意味では市民グループの皆さんに申し上げることはさほど何もなくて、我々は懸念の解消が大事で、その懸念の体感的解消のためには市民の皆さんの納得が必要で、もしそういうことを求められるならば、恐らく仰って仰っているようなことも必要でしょう。ただ、それを早くしてくださいと私が言う立場ではないということであります。
記者
あと説明会の資料を見ると、地下水の影響がシールド工法なら大丈夫だとか、交通渋滞もこういう対策をすれば大丈夫だとか、残土についてもこういう計画だという楽観的な説明主張を並べて、いわゆる俗な言葉でいう御用学者を集めて、都合のいい建設推進に都合がいい説明を羅列したような内容になっていると思うんですが、先ほど仰った別の視点の京都を守るという立場の専門家を入れて議論をするような場が今後設けられないと、とても懸念が払拭したということには至らないという、こういう理解でよろしいでしょうか。
市長
科学的知見というのは一つではないと思うんです。それから、一般の私も含めた庶民は、その科学者ではありませんから、その科学者の方々が論理的な議論をされて、そして、なるほど、この先生方これだけ議論したんならそうかもしれないということを納得するということが必要であって、やっぱり地下のことは過去にも、こういう工法で大丈夫だと言っても、やっぱり補償が出てきている歴史的な事実もあるわけです。今でもこういう工法をやってきて大丈夫だと思ってたところが思わぬ、例えば全く話は違いますよ。でも地下における下水道管についてのこんな問題が出てきたり、やっぱり地下のことはなかなか難しいなというのが一般の庶民の気持ちじゃないでしょうか。そして、ましてや京都の場合は、その水によって、これはいろんな食であるとか日々人々の生業、銭湯を含めた生業であるとか、あるいはこれは工業についても水を一つの原点にしたような工業というのは発達してきたわけであって、水に関して、やはりいろんな不安があるということについていうと、これはもし事業を前に進めたいと思われるなら、その体感的納得、それはいろんな議論があるでしょう。それを断定的に、あんまり言うと、あんまり断定する人に対して、最近人々は、そんな何で断定できるんだという思いが高まってることも事実ではないかなと思います。そういう意味では謙虚な議論をお互いにしなければいけない。だから私も不快感なんてことは言ってないつもりですし、そういう何か傲慢な意見は言うべきではないです。たかが小さなまちの首長の一人にすぎないわけで、傲慢に地域エゴと捉えるような言い方は私はされたくないんだけど、この歴史のあるまちの市民に、現にいろんな懸念があることは事実なので、私たちも誠意を持って接したいけれども、それ先方さんにおかれても、できたら敬意を持って接していただいたらいい。それは私だけではなくて、京都市民に対して敬意を持って接していただくと、私としてはありがたいと思います。
記者
そういう説明会が、今後そういう別の立場の視点の国交省寄りじゃない、国交省に都合がいい説明をする人以外の違う立場の専門家も呼んで議論をするべきだということでよろしいでしょうか。そういう場が設定されない場合は、いろいろと市のほうでそういう専門家を呼んで、こういうやり方もあるんじゃないかということをぶつける可能性はありじゃないかと思うんですが、そういうお考えはないでしょうか。
市長
私が事業を加速したいなら、そういうことをするでしょうね。加速化して、違う方々も含めて早く納得させようという試みをするでしょう。だけれど私は何度も言いますけど、国家的な事業の必要性は分かるけど、京都市の小さな狭い視点からいうと、その事業を加速化したいと思ってないんです、私自身は。私が別の立場、慶応大学の教授を今していれば、あるいは今どこの党か分からないけど参議院議員をしていたら別のことを言うかもしれません。それは何としてもこの事業を、もしそこに問題があるんなら、早く通さないと国家的な危機にあるよというなら、それは早く進むような在り方、それは私はそれ以上言いません。それ以上言いませんけど、その別の選択肢も考えるかもしれない。ただ、私は小さなまちの、現に市民に根強くある、その懸念について、あるいは行政運営をする立場で、どういう事業にこれから投資をしていくべきかということについて、残念ながら非常に豊かな自治体ではない、財政的に。社会的・文化的には豊かな自治体だと思いますよ。だけど財政的には決して豊かではないという自治体から見たときに、何でも事業が行えるわけではないので、仮に仰るような懸念について払拭されたとしても、財政の投資の判断として、私を例えば説得していただかないと。あるいは市役所の中で非常にいろんな投資をしなければいけないけど、その取捨選択せざるを得ない立場に追い込まれてる私を説得するぐらいのこれは財政負担、B/Cという言葉がいいのかどうか分かりません。それは京都というまちにとって、これは貴重な投資なんだと。これだけの負担なんだから我慢してやってくれというふうに思わせるような説得力ある材料がないと、なかなか今私は過少投資だと思ってる京都市の財政の中で、これについて従来の相場感、地方負担、誘致している事業、実際としての負担を同じような相場感で求められても、私は首をなかなか縦に振りにくい環境にあります。何遍も言いますけど国家的な重要性は分かっています。ここから何十年の間に大きな地震が起こる可能性あったときにどうするんだという、そこの一部の国会議員の先生方などが気にしておられることも分かるし、何遍も言いますけど、北陸と関西をどうつなぐかという、より広域的な視点から見たときの重要性を論じておられる方々の意見もよく分かるけど、私がやらなければいけないことは、京都市民の体感的納得を得ることだと思っています。何遍も同じことで、せっかく時間とお金をかけて京都まで来ていただいたのに申し訳ないです。
記者
いえいえ、B/Cの話が出たので、一昨日、吉村知事の会見で、この問題を聞いたんですけど、いまだに国交省はB/Cについての説明がないと。普通に考えれば小浜ルートの建設費がかなり増加してるわけですから、費用帯効果が1の可能性が極めて高いと。そこそこスタートラインに立つ資格のない、説明を聞くに値しない計画を無理やり押しつけてきているようにも見えるんですが、そもそもそのB/Cの説明が1以上になるという説明が先ではないかというお考えはお持ちではないでしょうか。
市長
難しいところですよね。この事業が通ったときに、私は懸念というのは主としてコストのことを言っているんです。ですから私が誘致しているなら、このベネフットをしっかり計算して、ベネフィットとコストを比較してB/Cの議論で、やはりこれは投資価値があるとかいうことを言うんでしょうけれど、私はすいません。何度も言いますけど、狭くて小さな人間なので、この事業の京都にとってのベネフィットというのがいまだにあんまり分かってないから誘致してないんです。なのでB/Cの議論をする資格はない人間なんです。だからベネフィットは恐らく国家的なベネフィットなんです。だから私は国家的なベネフィットは国家的にしっかり計算してもらったらいいんじゃないかと。そして国家的にコストを計算してもらったらいいんじゃないか。京都にとってのベネフィットも、恐らくゼロだとは思いませんよ。ゼロだとは思わないけど、私の目の前に立ちはだかるのはCなんです。
記者
いや、米原ルートのほうがB/Cが優れているのは、もう明らかで、その米原ルートについて先の説明会では、運行管理システムが違うと。東海道新幹線もひっ迫しているという理由を挙げてるんですが、先週も聞いた中川京大名誉教授は、両方とも課題はクリア可能だと言ってると。明らかに国交省は、都合がいい自分たちの推進の裏打ちするような主張を並べて、もっとより費用対効果が優れてて、京都にも懸念を与えるおそれがはるかに少ない米原ルートを選択しようとしないと最初から介入してると。この姿勢が一番問題じゃないかと。そこを正せば、京都市の御苦労もほとんどなくなるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
市長
この前LINEで、私がいろんなことを京都について配慮していただいていることについて馳知事にお礼を申し上げたということで、一部誤解を招いたかもしれませんが、出られてないこの会見とか、あるいは京都市会での議論の中で私がずっと同じことを言ってるんです。私のような小さな狭いまちの首長が、どのルートがいいとか悪いとか言い出したら、この国家的事業について、それは失礼だと思います。なので私は個人としていろんなことを、その大学の教員だったら言いますよ、自由ですから。だけど私の立場で、どのルートが国家的事業として適切か、あるいはどのルートだったらコストが安上がりかということについて、それを個々の首長が言い出したら国家的事業は成り立たないですよ。だからそれは私は言うのは控えているというのは、もう何十回もここの場でも説明してきていることなんです。
記者
最後、少しだけ簡単にできればと思いますけども、北陸新幹線について、説明会を実施されてからこの数日、市の担当課の方からお話を伺ってると仰って仰ってましたけれども、その懸念を払拭されてないという部分については、具体的に市民側からもそういう声が市長の耳にそういうふうに入った上での御発言なのか、市役所からの説明を受けた上でのことなのか、その辺りをちょっと確認できればと思いました。
市長
難しいですね。私は市民とは結構対話してるんです。仕事柄。この説明会の後、この説明会の資料を受けて、それについて仰ってる仰って市民の方は、この説明会は一昨日でしたっけ。一昨々日か。3日前か。そこからこの説明会の結果を聞いたという市民の声は聞いてないです。まだ。それは市役所の人はどういう議論だったということは説明を受けてます。ただ、その前後も含めて、恐らくこの説明を聞いたわけではない。新聞記事でさらっとひょっとしたら見出しは読まれたかもしれないけど、そういう市民の方々からは多くの激励はいただいております。激励というのは何かというと、市長の言う懸念は解消されてないよ。自分たちは納得でけへんから、ちゃんとその納得ができるまで、しっかりその懸念の払拭を求めるという、あなたの姿勢で頑張ったほうがいいよというのは、これは私が接しているこの3日間の中でもそういう方はいらっしゃいます。その中には結構地位のある方、地位のある方から言われたからどうこうということではないですね。結構そのある団体の非常に全国的な団体のリーダーの方からも、そのあなたが言ってる懸念というのは真っ当な懸念だから、それはしっかりちゃんとああいう姿勢を貫いてくださいということを激励をしていただいている京都に御在住ですが、全国的な文化団体のトップの方もいらっしゃいますし、そういう方は仕事上のある会合でたまたま御同席して、その方が僕の肩をたたいてくださって、この懸念解消というのは真っ当な議論だからちゃんとやってくださいというふうに仰って仰って激励しておられる方はいらっしゃいます。複数いらっしゃいます。それ以外で、一般の僕はお茶を飲んだりコーヒーを飲んだりするような方々で、ちゃんとしっかりやってくださいよというふうに仰る方はいらっしゃいます。中には、私は北陸新幹線は賛成だと仰る方もこの3日間ぐらいでお会いした方にもいらっしゃいます。だけど、あなたが言ってることは間違ってないから、それはしっかり説明せなあかんよねという方も1名いらっしゃいました。なので、私自身はこの説明会の模様とか情報がどこまで市民の体感的に市民に伝わってるかどうか分かりませんが、いろんな方々がこの議論を注視しておられるなという実感はあります。注視しておられる中で、少なくとも私に対して、あなたの懸念表明はおかしいよというふうに仰る方はほぼおられません。ほぼおられません。思い出せないです。というのが、私が市民の体感的納得が大事だと言ってるのは、自分の中の体感、市民の皆さんの激励とか、あるいは、ここ留意してくれとか、私はこの事業は国家的には賛成だけど、やっぱりこれは大事なテーマはここだよなというふうに思ってるとかいうふうな様々な御意見をこの話は驚くほど、市域の外でいうと私に対する質問の多くはオーバーツーリズムですが、京都市内でいうと一番一般の人たちが話題に出されるのは、残念ながら第二子保育料の無償化よりも、このお話のほうが多くて、ものすごく市民の関心を感じます。残念なことと言っては、もっとほんとは第二子より、子育てで頑張ってることを話題にしてほしいんですけど、この話題は私にとっては、皆さんは激励しているつもりかもしれない。私からしたら結構つらい話題なんです。やっぱり、その国家的な意義は分かるのでね。はい。
記者
最後に、市民優先価格の、今の段階での市長のお考えを伺いたいなと思っています。令和9年度中の実現を目指すとしています、均一区間の230円が今あります。今の市長の考えとしては、230円から市民の値を下げて、230円の上を市民以外にするのか、それとも230円そのものにも変更があるのか、その辺も含めて、今の市長のお考えを伺えればなと思っております。
市長
私が申し上げていることは、複数価格をつくるということで、実はそれ以上のことは1回も言ってないかと言われると、自分もいろんなところで発言しているので分からないですけど、こういう発言聞いたことがあるとかいう人いはるかもしれませんけど、少なくとも公式の場で、これを今の均一例えば230円の区間を幾ら下げるとか、下げることが前提ということは申し上げたつもりはないです。デュアルプライシング、複数価格で市民と非市民、非市民の多くは観光客という前提でありますが、複数価格をもって、非市民の方々には、この市のインフラを維持するということで少し大目の負担をしていただくということを前提にして、市民の価格というものを、その2つの複数価格で、これをできるだけ抑えたいという気持ちを持っています。それ以上のことは言ってませんし、今の現時点では申し上げる立場にはない。ただ、やっぱり市民優先価格の受け止め方としては、私はどちらかというと、もうずっと市会とかの答弁を聞いていただいている方はお分かりだというふうに。今のバス事業からいうと、例えばこの前もある私鉄が運賃を値上げされましたよね。それはいろんな人件費とか物件費とか、あるいはエネルギーの価格を考えていくと、あるいは我々が逆の立場で価格転嫁をお願いしてるんですね、大きな企業に対して。中小地域企業に対する価格転嫁をしっかり実現するようにしてくださいとお願いしている立場からいうと、この本当に市の公共交通の価格というのは、本当に今のままずっと据え置けるのか、あるいは据えることイコール100%善なのかって言い切れないところがあるということを、私は非常につらい立場だけど言い続けてる人間なんですね。そういうことまで含めて言うと、できたら優先価格だから本当は私の本音としては、多少なりとも下げたいと思うけど、本当に下げられる環境にあるのかどうかというのは、これからの制度設計と、あるいは市会でもいろいろ議論があって、どこまでの方々を非市民として本当にデュアルプライシングでいいのか。何らかの救済はないのかという議論もいろいろある中で、あるいはそれから市民と非市民の乗客の割合が民間バスなんかは違いますから、それを実際計算してみないと、どのレベルでその数字がつじつまが合うのか。つじつまが合うとか、公営企業ですから収支は何とか自分たちの独立採算でやるというのは必要なので、ある程度我々システム整備とかは宿泊税で一般財源を投入政策的経費として投入しますけど、それでもやっぱり限界がある中で、本当にどのレベルで、その2つの価格が釣り合って、どのデュアルプライシングで決着できるか。その収入が維持できるか。交通局としての今のぎりぎり黒字という体制を維持できるのか。それは政策的経費として、どこまで一般財源をつぎ込めるかということも含めて、本当に真面目な話、僕はまだここが大体の目標地点とかいうものを定められる状況になってないんです。なので、今おっしゃったのがどれだけ下げるのかとかいうようなことであれば、そもそも下げられるかどうかもまだ現時点では分からないけれど、気持ちとしては多少なりともその恩恵、配当という言葉を私が使ったことがあるので、何とかしたいけれど、その目途がまだ立ってないというのが正直なところで、制度的には何とか今国交省とお話をしながら、ある程度のところまで来ているけれど、前回のmeetusのときの記者会見のときに申し上げたのは、3つの懸念の中で、その残り2つも含めてどういう設計でやるかというほうによって、それがまだ相場感の方向性が皆さんの前ではっきり出せない。ただ目標として、9年度に実施できるようにお尻を切って頑張ろうというふうに督励してるという状況であります。
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