市長記者会見(2025年1月14日)
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2025年2月5日
「宿泊税の見直し(案)」及び「地下鉄烏丸線可動式ホーム柵の全駅設置及び四条駅の阪急連絡通路へのエレベーター新設」について、京都市長が記者会見を実施しました。
※発表内容は、令和7年1月14日時点の情報です。
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(発表案件1)宿泊税の見直し(案)
(松井市長)
お集まりいただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、最初に発表案件の1を御説明させていただきます。
宿泊税の見直しについてでございます。これ私の市長選挙における公約の1つでもございました。争点でもありました宿泊税の引上げでございます。
まずは、今回の基本的な考え方について御説明いたします。
すみません。お手元の資料に基づいて、いつものように御説明させていただきます。
もともと本市の宿泊税は、国際文化観光都市としての魅力の向上、観光の振興ということで活用させていただいております。平成30年に導入しまして、京都の、私に言わせればまち柄を後世につなぐ貴重な独自財源として、観光振興、そして、文化・景観など京都固有の魅力を向上させて、市民と観光客双方の満足度を高める取組に活用させていただきました。令和5年度でございますが、その棒グラフで見ていただきますと、52億円の税収ということで、最近では観光特急バスなどにも活用させていただいてますし、この先斗町の無電柱化の絵がございますが、こうした京都の景観、歴史的な町並みをいかに保全するか、あるいは、改善していくかということにも活用させていただいております。
3ページを御覧ください。一方で、昨今、観光客の皆さんが一部のエリアに集中したり、コロナが明けて、観光需要が回復して、観光課題が再燃いたしております。そして、観光の効果が必ずしも市民に十分に認識されていないという課題がございます。そうした中で、多様で奥深い魅力を生かした観光の推進に加えて、市民生活と観光の調和・両立を図るために、観光課題対策の強化はもちろんのこと、観光が市民生活の豊かさにつながっているということを実感していただく、市民の方々に、観光が我々の生活とかけ離れたものではなくて、市民生活の豊かさにつながっているという実感を持っていただくことが極めて大事だと思っております。
そういう意味で、そうした施策を裏打ちするような費用を、その一部を市民だけでなくて、観光客の方々にも御負担いただく。そのために宿泊税の引上げを実施いたします。その新たな財源も使わせていただいて、ここに書かせていただいているように、市民、観光客、そして関連の事業者の方々の三者の満足度が高くて、新たな魅力や価値の創造につながる持続的な観光の実現を目指していきたいと思います。
4ページお願いします。宿泊税を活用して実施する事業の取組の全体像を大きな2つの方針を掲げておりまして、方針1は多様で奥深い魅力を生かした観光の推進、そして方針の2は市民生活と観光の調和・両立の更なる推進でございまして、その1つ目は3つございまして、観光を通じた京都の魅力の継承・発展。そして2つ目は文化の力を生かした価値創造、そして3つ目は品格ある景観の創造ということでございます。
そして、2つ目の方針の市民生活と観光の両立・調和の更なる推進の中には、ここに書かせていただいたような観光課題の対策の徹底、着実な実施、そして、観光に対する市民理解の促進ということを具体的に掲げております。
5ページ目お願いいたします。具体的な施策について御説明いたします。1つ目は観光を通じた京都の魅力の継承・発展ということで、今申し上げた三者です。その三者が、観光というのは光を観ると書くわけでありますが、その「光」というのは、結局、まさに文化であり、京都ならではの風情であり、いろんな観光、観光というのは、いろんな諸観光だと思っております。そういう意味では、この観光振興を通じて京都の奥深い魅力の継承、発展、創造につなげるとともに、効果的な情報発信を通じてリピーター化や長期滞在化につなげていきたい。宿泊観光の推進や京都の強みを生かしたMICEの誘致の強化などにも取り組んでいきたいと考えております。ここに書かせていただいたとおりであります。
そして6ページお願いいたします。6ページ目は文化の力を生かした価値創造ということで、品格ある景観の創造ということで、文化の力を生かした価値創造としては、ここに書かせていただいてるように、暮らしに息づく文化を維持・継承する。そして活力あふれるまちづくりの源泉とするということで、取組としては音楽の都としての魅力向上、これはコンサートホールの大規模改修も契機にした北山エリアを文化・交流拠点化していく。これは京都府のお力も、将来的には、中長期的にはお借りしなければいけないと思っております。
それから、文化遺産の保存と活用の好循環という意味では、なかなか京都は文化都市といいながら、文化財修理について十全なる取組が行われてるとは、今までは言いがたいと思います。それについて少しでも好循環を創出できればと思っております。
施策の3つ目の、この下の方の品格ある景観創造という意味では、やはり京都の大きな魅力というのは歴史的、伝統的な町並み景観や、あるいは、自然景観、三山、あるいは、鴨川や桂川、その自然景観の保全継承でありまして、主な取組として書かせていただいたのは、この京町家の保全・継承に向けた規制や支援など、より実効の高い施策を構築していきたいと考えております。
次のページお願いいたします。市民生活の観光、調和・両立の更なる推進の施策の4番目としましては、観光課題対策の着実な実施でございます。いろいろこの間、私も市長就任以来、市民の方々からいろんな声をいただいてきました。やはり公共交通の混雑、渋滞、そしてマナー、違法民泊の観光課題、これは最近、特に増えているというよりは、全体としてボリュームが増えている中でのそういう問題もあるということだと思います。こういうことについて、しっかり公共交通の混雑等の観光課題の対策を着実に実施しなければいけない。そして、市民の皆さんがやっぱり観光客を、たくさんの観光客をお迎えできてよかったと思えるような、その好循環をつくっていかなければいけないということで、観光地の混雑緩和、あるいは、分散化です。これ府市協調でもいろんな取組をさせていただいてますが、周辺都市、あるいは、場合によってはさらに広域な、広域の自治体と連携した観光施策の推進、周遊などの形で集中、観光の集中緩和をしていきたい。
それから公共交通というのは、これは非常に主軸であることは間違いない話でありまして、結節点である京都駅の混雑緩和、これはもうJRさんも含めて、様々な関係の事業者の方々にもお力をいただいておりますが、それをさらにどう進めるか。それから、市バス・地下鉄のキャッシュレス化の更なる推進などが、ここに当たります。
3番目は、これは私の市長公約の目玉の1つでもありました。市バス等の市民優先価格への挑戦、あるいは、ごみ対策、この年末年始も一部のエリアでちょっとごみが散乱してる。これはすぐいろんな事業、関連の商店街や、あるいは、私どもの環境部局が連携して頑張って対応してるんですが、やはり一部そういうものが見られました。さらに地域、そして事業者、行政が連携したごみ対策の推進を、新しい京都モデルと言えるようなものをつくっていかなければいけないと思っております。
次のページお願いいたします。この施策の5番目ということでは、その市民・観光客、双方にとって利便性、あるいは、安心安全につながる都市基盤整備も進めていかなければいけないと思っております。災害、昨晩も、また、大きな地震が日向灘で発生して臨時情報、さらにはそれに基づいてどんな対応が必要になるか。まさに注視されているところでありますが、やはり京都のまちは観光客が、常に一定程度の観光客の、これは少なくない比率の1割ぐらいは、観光客の方々が常に滞在している人口規模として、そういうまちでありますので、その市民・観光客、双方にとって生活、あるいは、安心安全というものをどう守っていくかということが問われていると思います。
その意味では、ここに書かせていただいた、その利便の向上、今ほど申し上げたような市バス・地下鉄の利便性の向上、あるいは、京都駅の改善、機能強化、社会インフラの機能強化です。あるいは、安全安心と一番下の項目に書かせていただきました。帰宅困難者というものが、非常に大量に出てくる可能性がありまして、そういったものをどう対応するか、あるいは、市民も観光客もそれぞれ使われるようなインフラの強化というものをどう使って、どう強化していくかということも重要な課題だと思います。
9ページ目でございます。ただいま申し上げた施策を推進していく上で、観光客の方にも御負担をお願いしたい財政需要の規模は、約130億円程度と見積もっております。先ほど、都市基盤の話をしましたが、特にそこで皆さん、いろいろ御関心あろうと思いますが、お願いしたいのは、応益負担の観点から、都市基盤整備の事業について、それを全部この宿泊税でということではなくて、観光客の皆さんも一定程度京都のまちは、人口規模としてその1割ぐらいは、観光客の方々がずっと滞在されていて、その方々の安全安心も守っていく、その受益に負担、応じた割合部分について宿泊税を活用させていただきたいということでございます。この需要額を宿泊税で確保し、それぞれの負担能力に応じて、できるだけ公平に負担いただくということで、税額の見直し案を、検討した結果が次のページでございます。
見直し案でございます。課税対象のある宿泊客の多くはこれまでの大体2倍、それぞれのレンジにおいて若干の幅が当然ありますけれど、御負担いただくという案になっておりまして、新たに2つの、ここ見ていただいたら分かりますように、現行に比べて、新たな2つの枠といいましょうか。ゾーンを新設させていただいております。6,000円未満というゾーンと10万円以上という区分でありまして、この6,000円未満の低額、低い額の部分について言うと、ここの部分の、従来で言うと200円区分というのは、据置きになっている部分と増額になっている部分がありまして、そういう意味では、一定の低額の利用者の場合はむしろ負担軽減という御意見、御要望もいただいておりました。審議会でも御議論いただきました上で、この200円区分のところも含めて見直しするということの趣旨は踏まえつつ、しかし、低額の、例えば、バックパック背負って、ドミトリーのようなところで御宿泊されてる方々には、できるだけ負担を増やさないという形で、最低額のゾーンを2つに分けさせていただいたというのが1つの特徴だと思います。
それからもう一つは、いわゆるラグジュアリーホテル、これは京都に、この平成30年にこの制度を導入してからも随分増えたと思うんです。1泊の宿泊額が、それこそ100万円というお部屋も出てきているという、それは一部の例外かもしれませんが、この10万円以上の宿泊というのは、非常に多くなっておりまして、そういういわゆるラグジュアリーホテルなどに宿泊される方は、その負担能力に応じた御負担をいただくために、最高税額を1万円とさせていただきました。これによって想定の税収額は約126億円を見込んでおります。
次のページ、11ページお願いいたします。今後のスケジュールでございますが、改正条例案をこの2月の市会に提案させていただく予定で、今、準備を進めさせていただいております。可決された場合は、総務大臣協議を実施しまして、その同意が得られた場合は、当然のことながらこういう新しい制度になって区分も複数増やします。京都市及び宿泊事業者の皆さんのシステム改修を始めた準備とか、周知期間も必要でございますので、令和8年3月1日以降の宿泊について適用させていただきたいということで、準備を進めていきたいと思っております。
なお、これは市会でも答弁申し上げました。全体としては、この議論は市会で、この宿泊税の議論は、昨年の市会でも自由民主党から御質問いただいておりますし、春の市長総括でも自由民主党の議員さんからも、この御議論いただいた部分があったかと思いますが、修学旅行生の課税免除というのは確保していきたいと思います。税額以外の制度については、この税の枠組み含めて現行制度を維持したいと思っております。宿泊税のキャッシュレス支払への対応であるとか、税額引上げに伴う事業者の皆さんの対応、システム改修やパンフレット作成、その他を支援するために、特別徴収事務補助金の補助率を3%、そして当面、特にシステム改修等が必要になりますので、当面5年間は、それに0.5%上乗せしていきたいと思っております。
また、あわせて補助金の交付上限額、これ幾つものホテルをチェーンとして持っておられるような事業者がいらっしゃいます。それが従来であれば、現行200万円というのが1事業者当たりだったんですが、そのホテルがあればあるだけ手数、手間はかかりますので、その補助金の交付上限額は撤廃させていただきたいと思っております。
以上、御説明申し上げましたが、宿泊客の皆様方をはじめ、関係者の皆様には、さらなる御負担をお願いすることになりますけれど、宿泊税収を活用して、京都のまちの持続可能な観光とまちづくり、京都のまちの持続可能性を高めていきたいと思いますし、その魅力を向上させていくことは、市民の皆様、そして観光客の皆様にも裨益するものだと、私は考えておりまして、皆様方の御理解と御協力を賜りたいと、この場を借りましてお願い申し上げます。よろしく御理解いただきたいと思います。以上が発表案件1でございます。
(発表案件2)地下鉄烏丸線可動式ホーム柵の全駅設置及び四条駅の阪急連絡通路へのエレベーター新設
(松井市長)
続きまして、発表案件の2について御説明をした上で、あわせて御質問を賜りたいと思います。
発表案件の2は、地下鉄烏丸線の可動式ホーム柵の全駅設置及び四条駅、ちょうど阪急と地下鉄の間の連絡通路へのエレベーターの新設について御説明させていただきたいと思います。
まずは、地下鉄の安全対策についての、烏丸線全駅への可動式ホーム柵の設置についてでございます。ホームの安全対策に最も有効なホーム柵については、全駅の設置計画を、これはコロナ禍で延期しておりましたが、先般の、昨年の代表質問において、これは自民党から御提案いただき、私からも交通局に可動式ホーム柵の全駅設置について早期の実現に向け検討するよう指示しておりました。このたび、具体案をお伝えできる段階になりましたので発表させていただきます。
昨年の秋の市会の代表質問で御質問いただきましたが、その前に、すみません。私、さっき市長総括の話をしましたのは、こちらの話です。市長総括、春の市長総括でも、やはり市民の、あるいは、地下鉄利用者の安全対策というのは、これは何を置いても急ぐべきではないかという御議論を市会でも頂戴してまいりました。
最初のページでございます。烏丸線の可動ホーム柵については、これまで乗降人員の多い、京都、四条、烏丸御池、そして北大路は、視覚障害者の施設があるということも含めまして、北大路、この4駅に設置してまいりました。御承知のように東西線は開業当初からホームドアを設置済みでございます。
もともとコロナ禍前は、このATO設備を整備した上で、令和10年度中に設置を完了する計画としておりましたが、これを延期しておりました。新型コロナの影響による危機的な財政状況を踏まえて延期しておりましたが、今回は安全を第一に考えて事業を再開させていただくことにいたしました。
2ページ目を御覧ください。ホーム柵の設置運営に当たりましてはATO設備、自動列車運転装置の整備と可動式ホーム柵の設置時期を合わせて、自動運転と自動開閉により運用する計画と従来はしておりましたが、今般は早期設置を目指して、既に設置済みの4駅同様、当面は手動での開閉、すなわち列車のドア及びホーム柵の開閉を手動で行うということで、全駅供用開始のスケジュールを、ATO設備の整備を前提とする計画では、令和18年度末でございましたけれど、それを令和12年度半ばを目指して、6年半の期間短縮を図ることとさせていただきました。
交通局によりますと、運行面では可動柵を運転士が手動操作することによって、1駅当たり約10秒停車時間を延ばす必要があり、国際会館から終点の竹田まで運行時間が、その10秒の積み重ねで約2分延びます。これにより車両をフル活用しているラッシュ時間帯は運行本数の確保が本来困難な状況だということではございますが、竹田駅での折り返し時間の短縮、あるいは、相互直通列車を含めたダイヤ全体の調整を行うことで、全体では運行本数を維持できるめどがついたので、今回この計画に着手することとさせていただきます。
設置のスケジュールでございますが、すみません。3ページ目、令和7年度から8年度にかけて設計を行いまして、令和9年度から可動式ホーム柵の製作及び設置を進め、10年度から順次供用を開始して、12年度半ば、上半期で全駅で供用開始ということを目標にさせていただいております。
4ページ、概算事業費でございますが、45億円を見込んでございます。
以上が烏丸線の可動式ホーム柵の全駅設置の御説明ですが、引き続きまして、四条駅の阪急と地下鉄の連絡通路部分についてのエレベーター設置について御説明いたします。
これ長年の懸案で、一部報道でも取り上げて、最近取り上げていただいたところでありますが、四条駅は言うまでもなく京都市内の中心部で、1日当たり約10万人のお客様が御利用される京都市営地下鉄の主要駅で、阪急京都線との乗り継ぎで多くのお客様が御利用いただいております。
皆さん、京都の方は御存じのとおり四条駅と烏丸駅を、阪急烏丸駅を結ぶ連絡通路は約2メートルの高低差がありますが、物理的な制約があり、これまでエレベーターやスロープが設置できない。この絵を見ていただければ分かるんですが、なかなかその設置が困難でありました。そして車椅子やベビーカーを御利用のお客様など、これまでは押しボタンを押していただいて、駅係員が操作するという形で、階段昇降機を御利用いただく、あるいは、迂回していただくという形で御不便をかけておりました。長年の懸案でございましたが、今回、特にエレベーターメーカーとずっと協議を重ねておりまして、従来ではこのスペース、この高さの範囲で言うと、ちょっとエレベーターの設置がどうしても困難ということを、エレベーターメーカーさんも非常に創意工夫を重ねていただいて、何とかこの場所、このスペースで、エレベーター設置が可能になるようなめどがついたというのが、今回の状況です。
すみません。6ページが、これまでの迂回ルートと従来の構造です。結構急なスペースで場所的にも、幅という意味においても、あと上の高さの部分です。ここが意外とネックで、その高さがはりとの関係でエレベーターのスペースがなかなかはまらないという困難があって、随分時間がかかっていたと伺っております。
それから、7ページが今回の工夫、これです。このはりの部分も含めて、ある老舗の日本で最初のエレベーターを京都に設置されたところのグループが、ずっと協議を重ねておりまして、そこでスロープや設置位置の工夫、その階段の幅をどうするかというときに、その階段を使う方々がどう運行、スムーズに通行できるかということで手すりをどうするかとか、いろいろきめ細かな議論を重ねまして、大規模改修を実施、この全体の構造を改修するということになるとちょっと桁の違うお金が、地下通路全体をいじってしまうというと、そういうわけにもいきませんので、桁の違うお金がかかってきますので、大規模改修を実施せずとも、このスロープとエレベーターの設置の工夫ということで、連絡通路のエレベーター設置を着手したいと考えておりまして、主なポイントは、エレベーター、ここら辺の話は私というよりは、もし必要であれば、後で専門家の御意見を聞いていただいたほうがいいんですが、エレベーターが土木構築物に干渉しない上のはりの部分とか、その床面を阪急烏丸駅よりも低くしてスロープを設置するとか、2番目のスロープがバリアフリー基準を満たす緩やかな勾配になるような、可能な限り設置位置を四条駅改札寄りにするとか、あるいは、その小型のエレベーターです。そういう工夫によって確保したスペースに収まる小型エレベーターを特注するということが必要になってきまして、それの技術的なめどがある程度ついたということで、今回の技術と工夫で設置が可能になったということでございます。
次のページお願いします。8ページを御覧ください。今後のスケジュールですが、令和8年度末の運用開始を目指します。7年度に設計を行って、速やかにエレベーターの製作、設置を行って、設置の工事完了は令和8年度末の予定でございます。概算事業費としては、設計費含めて7,300万円を見積もっております。
今後も利用者の皆さんにとって安全安心で快適な地下鉄、そしてお体に障害のある方でも、あるいは、御高齢の方、大きな荷物をお持ちの方で、今まで長年御不便をかけてきましたが、そういった方々、一般の利用者の皆さんにも御迷惑かけない形で運行を進めていきたいと思って、運用を進めていきたいと思っております。以上、2件が私からの発表の件でございます。
質疑応答
発表案件に関する質問
記者
お願いいたします。まずは、宿泊税についてですが、今回、大幅に引上げになったのかなと思うのですけど、これに対して宿泊事業者から必ずしもプラスじゃない意見も上がるのかなと思いまして、何か宿泊以外にも広く観光客から徴収できる観光税、昔は古都税とかがありましたけど、そういう宿泊税に限らず、こういう広い観光客から徴収できる観光税の導入などは御検討されているのでしょうか。
市長
率直に言って、観光事業者、特に宿泊関係事業者の方々からは、なかなか宿泊税の大幅な増額については賛成し難いという御意見も伺っております。当然、様々な宿泊客に直接的に向き合って、徴収を担当していた方々の声ですので、これは審議会においてもそういった方々の御意見もきちっとヒアリングをしていただきましたし、アンケートもとっていただいております。そういう意味で審議会の結果を受けまして、我々も御説明、対話をする中で、賛成はできないけれど、しかし、これが本当に京都のまちの将来的な持続的な発展、あるいは観光と市民生活の両立、あるいはそれぞれの好影響があるということの前提の中で、賛成はできないけれども理解するという声はいただいております。京都の都市特性に鑑みまして、なかなか宿泊以外に京都地域への出入りに着目して、それに課金するというような考え方は、それは古くはかつての古都税のような考え方があったことも理解しておりますし、諸外国で例えばまちの構造によって、例えば城塞都市のようなヨーロッパの古い町の出入りが幾つかのポイントでチェックできるようなまちであるとか、あるいはまち全てが島のような形になっているとか、そういう構造であれば、地域に入ってくるというところをつかまえて、何らかの御負担をお願いするという考え方も理論的にあることは分かるのですが、京都の場合はなかなかそういったゲートポイントみたいなものがあるわけでもありませんし、私どもとしては、今後どういうような形で観光客の皆さんにいろいろな形で御協力いただくかというのは、宿泊税以外の項目についても検討はしていかなければいけないと思いますが、現時点で宿泊税以外で外部からおいでになる方々に対する何らかの課金というのは、今現時点でアイデアがあるわけではございません。むしろ違った形で、何らかの形で御協力をいただくという部分は、これは観光マナーの問題も含めていろいろあろうかとは思っております。
記者
ありがとうございます。もう1個、宿泊税について、施策の2にあった取組方針と施策の中に、文化の力を活かした価値創造とありましたけど、その例として京都コンサートホールの改修などを挙げていましたけど、何かほかにも取組とかというのはあるのですか。
市長
はい。国際文化・観光として、私は文化と観光というのは、ある種一体的な関係にあると思います。観光が文化を磨くという要因もありますし、またやはり優れた文化を維持・発展させていくからこそ、そこの光を求めて、先ほど申し上げました、名所を見るだけではなくて、やはりより豊かな文化を堪能していただく、それは生活文化のようなものも含めて堪能していただくということが、広い意味での観光につながっていくと思っております。そういう意味では、文化の維持・継承はもとより、新たな価値を創造する取組を強化していくということは重要であって、北山のコンサートホールについても、これは単にコンサートというか、そこで行われる芸術文化活動への支援だけではなくて、より幅広く市民の皆さんに、あるいは観光客の皆さんにとって開かれたホールをつくっていくということを考えていかなければいけませんし、今申し上げましたように、伝統芸能とか音楽とかアートに、多様な文化に触れられる機会、どなたも観光客の方々も市民の皆さんも触れられるような環境をつくっていくことが大切だと思っています。当然そのことの結果として、京都が世界に誇るオーケストラである京都市交響楽団のさらなる発展や強化にもつなげていくということは当然でありますし、そのことが音楽の都、文化の都につながっていくと思っております。
もう一つ具体的な事例で言うと、やはり先ほどちょっと申し上げましたが、やはり京都は多くの文化的な資産があります。文化遺産、国宝、重文のみならず近代的な文化、あるいは町家などの本当に佇まい、そういったものの修理助成、例えば文化財の修理助成、町並みのさらなる美化、あるいは二条城というようなユニークベニュー、これはほかにもたくさんありますが、そういうものをより有効に活用したアートイベントとか、あるいはMICE事業というものを積極的に展開していくということが必要になってくると思いまして、そういった方面にも貴重な財源を活用させていただきたいと思っています。
記者
ありがとうございます。次にホームドア、ホーム柵についてですけれど、もともとはこのATO、自動列車運転装置を整備した上でホーム柵を設置するという予定だったとのことですが、今回は順番を逆にして、まずこのホーム柵を設置する、こういう順番が逆になることによる課題があったりなかったりしないのか。ある場合はどういうふうに解消したりするのかというところをお尋ねしたいです。
市長
順番が逆になることの課題はさっき申し上げたつもりだったのですけれど、要はやはりATOに比べて手動になると、開閉に若干余分な時間が必要になってきます。なので、それこそ国際会館前から竹田まで全部乗っていただくと、それなりのちょっと余分な時間はかかってしまいますが、そのことでダイヤは当然影響を受けますけれど、そんなに大きな遅延ということではない、遅延というか時間増加にはつながらない範囲で運用できるというのが、この4駅におけるホーム柵と、それからドアの手動による開閉、これも京都市交通局の職員が非常に習熟してくださいまして、そんなに大きくは影響しないということが確保できて、なおかつ先ほど申し上げたような折り返しの時間短縮などによって、運行本数も維持できるということが分かりましたので、あとは基本的に、今このホーム柵を設置することの先にATOの装置を導入する、そのときにホーム柵は完全にそれが連動するということになりますので、二重投資等のおそれは全くありませんものですから、今回、いろいろ市会でも御議論いただいたのは、やはり一定の数の転落事故が起こっています。そして5年度ですか、松ヶ崎駅では不幸な死亡事故も起こっていますので、そういうことをやはりできるだけ減らすということをまず優先すべきではないか、これは市会でも縷々御指摘をいただいたところでありますので、やはりまず安全性を優先して、本来だったらATOと同時によって、より運行に対する影響は軽減できるのですが、その部分は運転士さんとか、その駅の職員の努力によって何とか賄って、最小限の影響で、運行本数を減らさずに運行できるめどが立ったということで、この際安全を優先しようという判断に至ったものです。
記者
ありがとうございます。
記者
今回の宿泊税に関してですけども、金額が全体的に上がるということに対して、我々も取材をする中で、宿泊事業者さんで一定の理解は示しつつも、金額が上がることでやはりトータルで見て、観光客の方の足が遠のいてしまうんじゃないかと、観光客が減少してしまうんじゃないか、金額が上がることでと、そういう懸念があるということですけど、その辺、市長の中での戦略というか、金額が上がることでもその辺が上がる下がるという見通しみたいなところを教えていただけないでしょうか。
市長
もちろん宿泊税が上がるから、よりたくさんの方が来てくださるという効果は普通考えられないので、それは需要と供給からいえば、コストが上がれば、それはどっちかというと減要因に働くのは当然のことだと思います。ただ、私どももいろいろな専門家の分析も伺いましたが、率直に申し上げれば、今の観光集中による課題、あるいは京都のまちをさらにどう磨き上げるかということに、まだまだ正直に言って京都市としては、特にここ数年の財政的な困難の中に、そこに対する投資が、あるいはいろいろな必要な事業が十分に行われていなかった、その部分をしっかり一層京都というまちの観光地としても、あるいは非常に文化都市としての価値を増進するということは、中長期的に宿泊税で若干それは集客にマイナスがあったとしても、そのことの方が私は京都が中長期的に発展する余地があるんじゃないか、その可能性を追求できるのではないかと考えて、市長公約にも掲げましたし、この間も市役所のスタッフや、あるいは当然審議会での御議論、あるいは有識者のヒアリングを含めて、やはり短期的な宿泊税の増による若干のマイナス部分は勘案したとしても、中長期的に京都というまちがより文化度を高めていく、魅力を高めていくということの方が中長期的な観光地としての魅力の増進にはつながるのではないかという判断に至ったものです。
記者
ありがとうございます。あと2点だけ、お願いいたします。同じく事業者に取材をすると、引上げ、そもそもの宿泊税の必要性を含めて、やはり窓口で徴収するのは我々なので、こういう増額とかに対してしっかりと理解を市民の方、観光客の方に理解を、仕組みの周知徹底をしてほしいと、そのあたりでそういう声もあるのですけども、やはり窓口で徴収されるそういう声に対して、どのようにこれからここの場もそうでしょうけども、どのように周知徹底されていきますか。
市長
それはもっともっと周知が必要だと思いますし、何のために宿泊税を引き上げさせていただくかというと、今申し上げた京都の魅力をさらに高めていくための事業に使うということですが、同時に、市民の皆さんの一部の中にやはり観光と、あるいは特にインバウンドの方々がおいでになるということと、自分たちの市民生活というのがちょっと切り離された感じがあって、特に欧米の観光地で起こっているような、市民が観光客の皆さんに対してちょっとデモが起こるとか、プラカードを掲げるような方々が起こるとか、そういうことに私は発展させたくないのですね。ですから京都というまちの美しさ、そして文化的な価値を磨くということ以外にも例えば、市民の皆さんにとってこの部分が、観光客の方々も市民の皆さんもちろんこのまちで生活して納税をされて、いろいろな形でこのまちにもちろん貢献しておられるわけですね。でも観光客の方はぱっと通り過ぎて、ぱっと見て、中には自分の母国で全部決済をしてということで、このまちに対してどんな貢献をしていただいているのかという、ちょっとそういう一部不信感の芽がある、それをできるだけ私としては解消して、観光客の方々が来られるおかげで例えば京都のまちのこういう部分がよくなっている、観光客も市民も同様に被災する可能性がある、例えば防災上も、あるいは災害対策上のリスクに対して、観光客の方々も一定の負担をいただいているということを市民が理解していただくということは、観光客の安全を守るということもありますが、市民にとって観光というものをどう受け止めるかということについて、少しでも意識をしていただく、その値打ち、価値というものは、私は分かりやすく言えば観光の配当というようなことも含めて、市民の皆さんが理解をしていただいて、観光客を受け入れることが実は市民生活にとっても豊かになっていくという面で効果があるんだということを実感していただく、そのために今御質問をいただいたことがまさに本質であって、こういう例えば宿泊税の一部を使ってこの事業が行われているということをしっかりと市民の皆さんに情報を共有して、そしてそのことについて共感をいただくということも大変重要なことだと思っております。
記者
ありがとうございます。最後の質問になるのですけども、今のお話とかぶるかもしれませんが、今回130億円の財政需要があって、今回これによっておよそ126億円が増えると、この増額した税収について、今おっしゃったように市民がより納得というか実感できるような、具体的な今考えているような使い道、今おっしゃったように市民優先価格というようなお話もありましたが、その辺も踏まえて、増えることによって、今後実際に使おうと思っている、考えていることについて具体的に例を教えていただければと思います。
市長
今おっしゃったように市民優先価格、これは本当にバス事業って大変なのですよ。運転士さんもいない、運転士さんの処遇も、今タクシーなんかに比べて明らかに低いのですね。なので結局運転士さんが途中で辞めていかれるというのは、残念ながらやはりタクシー業界に流れてしまう。それはそうですよ、例えば年末年始というのもシフトの中で働かなければいけないし、早朝とか深夜勤務も含めてローテーションが回ってくるわけで、そういう意味では例えば、市バスの値段というのをどこまで、我々が今全力で市バスの均一料金というのを維持するということで努力していますが、例えばそのコスト上昇要因がたくさんあるわけですね。でもその中で、観光客の方がたくさん来られて、一部の路線はもう本当に乗れないとか、あるいは乗っても本当に荷物とか、人ごみの中でぎゅうぎゅうで全く座れないとか、いろいろな市民の皆さんから苦情も来ているわけですね。それについて、これだけの観光客の方々も、市民の皆さんは基本的に市民税を払うとか、いろいろな形で貢献していただいているわけで、観光客の皆さんもこういうふうに若干付加的に料金を頂いて、そして市民の皆様には、気持ちでもいいから、私の気持ちとしては下げたい、あるいは本来だったら引き上げなければいけないものを、それを据え置くとか、いろいろな形で例えば市民優先価格で、やはり実感として市民について何らかの恩恵が受けられるということを示していきたい、あるいは観光客もいるまちの中で例えば、避難所の環境をどう整備するかというようなことについて支援ができないか、あるいは言い始めたら先ほど申し上げたいろいろな事例につながるのですが、ちょっと従来では必ずしも賄えていなかったような、例えば町並みを美しくするということは、京都らしい、例えば従来でもこの先斗町を歩かれて、普段毎日歩いておられる方は気づかれないでしょうけど、恐らく30年前の先斗町と比べていろいろな広告物も減って、これは規制の問題ですけども、無電柱化されて通りやすくなった。やはり安全な美しいまちができたなというような部分に対してこの税収を充てていく、そのことについて市民の皆さんにもいろいろな場を使って、こういう美しい町並み、あるいは京都の文化、あるいは京都の安全というものが、観光客の方々の宿泊されている方々の御負担も一部活用させていただいてできているということをしっかり説明していかなければならない、あらゆる機会を通じて説明していくことが必要だと思います。
記者
ありがとうございます。市民優先価格は、ではこれと同じタイミングで始めたいとか、そういう思いがあるのですか。
市長
いやいや、私の思惑としては、この宿泊税も先ほど申し上げたような日程感でございます。市民優先価格も、まだ制度的に全部クリアされているわけではありませんが、制度的にはある程度、いろいろと霞が関も含めての御理解とかアドバイスをいただいている中で、ただこれも実際に実装していくということになると、例えば民間バス事業者の方々にそれを同調していただくということが本当に可能なのかとか、あるいは市民識別というものをどういうふうに、例えばマイナンバーカードとひもづけして、先ほど決済という問題を中で説明しましたが、どういう決済方式で市民と非市民を識別してお支払いいただいて、それがスムーズに乗降いただいてバスの運行の、それこそダイヤとかに大きな影響を及ぼさないか、そういうこともありますので、私の思いとしては、市長公約をつくったときの思いとしては、こういう財源も活用しながら制度的な運用の確保が同じタイミングであればベストだけれど、普通に考えれば、なかなかちょっとそこまでこのタイミングにマッチできるかどうかは、ちょっと今この場で私は確約できませんけど、気持ちとしてはそれにそんなに遅れない形で何とか実現の見通しがつけば、私としては非常に自分の中で考えた公約の整合性という意味では望ましいかと思っていますが、そう簡単なことではありません。
記者
御説明ありがとうございました。観光課題が、コロナが明けて非常に喫緊の課題ということで、様々な対策をこれまでしてこられたと思うのですけども、宿泊税の去年の使い道の割合ですとか、今回の方針を拝見しますと、むしろ観光客を増やす施策にちょっと優先的と言いますか、割合としてちょっと大きいかなと感じる部分もあるのですけども。
市長
これが観光客を増やすですか。
記者
観光客を増やすといいますか、観光客が見る景観の保全ですとか、観光産業の発展といいますか、そういうところに優先的に使われているように見えるかなという見方もあるかなということも思ったのですけども、まず最優先の課題として、どういったことをお考えになっているのかなというのをお伺いしてもよろしいでしょうか。
市長
今先ほどの御質問と逆の受け止めだと思うのですね。今の御説明は、むしろ例えば観光事業者の方にいろいろと御意見を聞かれたということかもしれませんが、各事業者の目から見たら、これはやはり狭い意味での観光に使ってほしいという御要望は当然、観光事業者の方々にはあろうと思います。私自身の思いからいうと、狭義の観光の発展のためにも持続性という意味では、狭義の観光だけじゃなくて広くこのまちの価値の創造であるとか、あるいは市民の生活に、一見観光とは関係ない生活をしておられるという自覚をお持ちの市民の方々にやはり納得をしていただく、観光客を受け入れているということが、実は京都のまちの価値の創造にとっては意味があるということで、私はどちらかということではなくて、両方にとって意味のあるものにしなければ、徴収の御負担をいただいている方々にも説明はつかないし、また、私が目指しているところはやはり市民の皆さんに、観光文化都市として京都が成り立っている、そのことの恩恵というものも何らかの形で可視化して体感していただくということが非常に大きな目的としてあるものですから、その両方を実現していかなければいけないと考えています。
記者
どちらかが一丁目一番地というわけじゃなくて、やはりどちらが優先というわけではないということですか。
市長
はい。どちらかというよりは、私はやはり京都市というまちの文化的価値を上げる、それは文化というのは狭い芸術文化ということだけではなくて、京都市民の生活の質を上げていく、例えば文化的な価値を上げていく、あるいは市民の安全・安心、例えば先ほどの市バスの優先価格という、優先価格といってもできることは恐らく僅かなことかもしれませんが、少しでも気持ちの上で、市民の皆さんの日々の生活にとって、この観光客の皆さんを受け入れて、そしてその方々が御負担いただいていることによって、市民生活の安全・安心、そしてふだんの利便というものに多少でも貢献したいという気持ちは相当程度あります。
記者
すみません、立て続けに恐れ入りますが、観光客を受け入れることが住民の皆さんにとって豊かになっているということを実感いただくということを考えたときに、今御説明もあったと思うのですけども、具体的な取組として考えていることですとか、あとどんなことがどういう説明といいますか、どういうことが必要だとお考えでしょうか。
市長
取組は先ほどずっと説明して、今先ほどのスライドで言ったところの4ページ目から5ページ、6ページ、7ページ、8ページと縷々御説明したそれぞれの面で、例えば公園というようなものの1つを取ってみても、どうそれをよりよくしていくかというのは都市基盤みたいなものも含めてのお話です。そして、やはり狭義で言うと、先ほどからずっと申し上げているような、特に公共交通の混雑の緩和、あるいはそこのサービスの充実にどう貴重な財源を有効に活用していくかということは当然あろうと思います。御承知、釈迦に説法ですが、公共交通というのは基本的に独立採算制でやっておりまして、独立採算以外の政策的な支援を市がどんどんつぎ込んでいくということはできないわけですが、例えばさっき市民優先価格というものを実現しようとしたら、当然観光客と市民の利用者の比率というのは、京都市の中央部を中心に走っている京都市バスと、ほかの周辺部にある民間のバスというのは比率が違うわけですね。ですから仮に観光客の値段を幾らに、一定の高い金額にして、市民を優先価格、それに比べれば安い価格に設定するということになって、それを他の事業者が追随されるということになると、民間事業者にとってはその観光客の収益に、あるいは非市民の外部から来られる方の収益によって、市民を安い値段で据え置くというモデルは同じようには実現できないんです。それで行くと収支として赤が出ちゃうのですね。あるいは新しいリーダーを呼び込むというようなこと、例えば料金徴収をするシステムを導入する、あるいは毎年毎年そのソフトを運営していかなければいけない、そのコストというのはどうなるかというようなことについて考えていくと、それは独立採算の中ではできないのです。そういったものを可能にするために例えば、この宿泊税を活用して、そのシステム導入の補助をする。それは市営交通も含めて独立採算制度を維持しているけれど、政策的にそういうものを実現するというところに使わせていただく、そのときにただ民間の事業者の方々も、それにできるだけ追随していただきたいのですが、そのためには京都市営交通以上の費用がかかってしまうかもしれないときに、どういうふうにしてそれを支援するのかというようなこともあるでしょう。予算に関わることですので、あまり具体的にここで私が御説明してしまうのは、やや先行に過ぎるかもしれませんけれど、そういったものに具体的にこの宿泊税を活用して、より市民の皆さんが観光客の皆さんの御協力も得ながら、より円滑に地域の足というものを確保できるような体制を整えられるかというのは、いわゆる文化的な芸術的な町並みを維持するとか、これは恐らく観光客にとっても美しい町並みを維持してほしい、でも実は市民にとっても、それは価値があることだと思いますが、それよりもよりダイレクトに普段の日常生活に寄与するという意味では、分かりやすい事例ではないかなと思っています。もちろん今申し上げたことは、これは市民優先価格もまだ制度設計の途中ですし、民間事業者の方々とオフィシャルに協議しているものではありませんけれど、例えばそういう市民優先価格1つをつくることによっても制度的な理解とか、あるいは他の公共交通を支えておられる民間の方々の理解を進めなければ制度が運営できませんので、そのためのいろいろなシステム整備であるとか、ハードウェアの整備であるとか、あるいは運行体系の比率の違いをどう穴埋めするかというようなことも含めて、この市民優先価格というものを実現するためには、この宿泊税に基づく財源措置というものは、私の頭の中では一体不可分なものとしてあるということでございます。
記者
宿泊税について何点かお伺いします。この最高額の1万円という課税額は、国内はもちろん、世界的に見てもかなり高いほうの部類になってくるかと思います。この課税額の設定を例えば8,000円とか9,000円ではなく、なぜ1万円としたのかについてお伺いしたいと思います。応分の負担を求めるというのは先ほどおっしゃったと思うのですけども、恐らく世界に向けて、この観光客に一定の負担をしていただくという象徴としての意味があるのかなと推察するのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
市長
もちろん全体の税額、なぜって別に1万円を象徴として1万円というものがありきということではないのですね。もちろんある程度、今回でいうと6,000円未満の200円というところを据え置くか、そこの根っこまで含めて上げるか上げないかという論点が1つ重要な論点であったのと同様に、上の方の上限をどうするか、本来であれば恐らくどなたかから御質問があるかもしれないと思っていましたが、この後御質問あるつもりの社もおありだったかもしれませんが、本来だったら、例えば50万円と100万円で1万円というのは比率的には安いかもしれませんよね。ただ、そういう意味では例えば定率制をどうして導入しなかったのかとか、あるいは部分的定率制みたいなことを、これは頭の体操でいろいろと我々も考える中で、部分的定率制というのはあり得るのではないかというような気もしました。定率制の方が負担の割合という意味では公平かもしれない。他方でしかし、先ほどからずっとお話をしていた、御質問もいただいているように、実際に徴収を担当されるのは宿泊事業者であって、宿泊事業者の方々からいえば必ずしもこういうことを皆さんが求めておられるわけではない中で、どういう形であれば例えば、宿泊事業者のプライスセッティングというのが現実には1泊2食というようなセッティングも非常に多いわけで、そのときにパーセンテージということになってくると、どの部分が宿泊で、どの部分が飲食なのかという切り分けもしなければいけなくて、多くの旅館でそういう設定になっていません。ホテルでも一部そうかもしれませんが、そういう状況の中でやはり宿泊事業者の方々の徴収の簡便性というものを考えなければいけない。そして、あまりこの区分をたくさんやればやるほど複雑になっていく中で、どこまでの区分の数の増加で収めていくのか、あるいはそのときの区切りをどこにしていて、ボリュームゾーンに境目があると、シーズンによって宿泊税の税額が変わってくるという部分が非常に出てきますので、ボリュームゾーンにあまり境目を置きたくないとかという状況の中で、いろいろなことを考えながらこの区分というのを決めさせていただいた。当然のことながらそこで想定される、これは本当に現実にそうなるかどうか分かりませんが、一定の金額でいうと従来の直近の観光客の方々の宿泊金額というのは幾らぐらいであるのかというようなことも含めて、そういうことを総合的に判断させていただく中で、この区分と、定率制ではなくて定額、定額のその区分を5分類にするということを決めさせていただいた。御質問のポイントは、それをなぜ8,000円あるいは9,000円でなく1万円にしたかというと、これもトータルのバランスとしか言いようがなくて、やはりトータルで言うと若干やはり累進性、より低額の宿泊施設にお泊まりになる方の負担はそんなに増やさずに、もちろんレンジの中でその下限と上限の中で比率は変わってきますけど、これはしょうがないですね、定額制を採る限りそういうことになってくるわけですが、その中でいうと、どこまでがぎりぎり負担感の中で納得していただけるのかというヒアリングの結果と、それと同時にあるのは、やはり税収の見積りの中で一定の例えば低額の宿泊の中でお泊まりいただく方には、その増収がないわけですね、当然のことながら。その一定の税収を確保して、京都のまちを磨くための宿泊税ですから、その中で一定の税額を確保してボリュームゾーンでどれぐらいの比率にしてという中で、一定の金額以上でどこまでの負担感をお願いできるかという中でいうと、やはり10万円以上区分で1万円というところが利用者の方々からいっても、金額としても分かりやすいし、想定される税額の全体のバランスからいっても、その程度の税額にしたほうが分かりやすいのではないか、あるいは全体の税収の確保の視点で適切なのではないかという総合判断なので、なぜ8,000円ではなくて9,000円ではなくて1万円なのかといったときには、その判断の中で8,000円、9,000円、1万円だけを決めるというのではなくて、全体の区分を何分類にして、全体の負担の割合をどの程度にするのか、それを総合的に、事業者の方々は賛成ではないかもしれませんが、それでも事業者の方々や、あるいは観光に詳しい方々の御意見を聞きながら、10万円以上1万円というその区分と、税率というか、税額を決めさせていただいたということです。ちょっと長くなって申し訳なかったです。
記者
ありがとうございます。関連してですけども、この5区分に細分化されたのは、垂直的な公平を重視されたことだと思うのですが、一方で高い宿泊施設に泊まる人ほど財政需要、いわゆる観光客が訪れることによって発生するこの財政需要を生み出しているわけではないと思うのですね。現行制度でもそうですが、高い宿泊施設に泊まる人に、より多くの負担を求めるということの根拠をお伺いします。
市長
それは応能をという意味で、やはりそれだけの資産的な余裕があって、負担能力のある方々からできるだけ御負担をいただくということです。そういう意味では、垂直的な公平性を確保しつつ、やはりそれだけ応能的な部分を入れさせていただいて、余裕のある方にぜひ御協力いただきたいという思いであります。
市長
使途について、使い道についてもお伺いしたいのですけれども、先ほども申し上げたとおり、宿泊税というのは入洛客の増加に伴って増大する財政需要を賄う手法として導入された経緯があると思います。今回示されたとおり、このインフラの整備とかこの使途、この市民生活の向上に広げていくと、負担者と受益者を一致させるという税の原則から外れていくおそれもあると思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうかというのが1点と、あと普通税化、これは目的じゃなくて普通税化についても答申で少し触れていたのですが、そのあたりは検討しなかったのでしょうか。
市長
普通税のところは私は市長選挙の公約、あるいは公約に基づいたいろいろな討論会などでも、普通税にするというのはやはりちょっと、それは今おっしゃったような視点も含めて、それはやはりやり過ぎではないかなというふうに思います。他方で、やはり京都というまちの特性ですね。住民に比べてこれだけの観光客の方々が来られている中で、その観光集中に伴ういろいろな課題がある中で、観光に訪れて、その切り口としては、今のあれとしては宿泊という切り口を伴っているので、冒頭にあったような宿泊以外の観光の方々も京都のまちに負担を及ぼしているんじゃないかと言われれば、それはそうですが、ただやはりそういう方々も含めて、観光の方々をこれだけ迎え入れてる都市ならではの都市の課題というものを、これだけのものを経験しているのは、やはり京都は世界の中でもトップランク、トップというのは何が上か下かという意味ではなくて、その課題に直面している深刻さ、あるいは切実さが世界の中でも上位にあるような切実なまちだと思います。そういう意味では、これまでの課税の国際的な横並びからいうと、また新しい例をつくったかもしれないけれど、世界的な潮流である観光課題に対して、把握できる観光客の皆さんが中心になるかもしれないけれども、我々としては、これから宿泊、あるいは滞在型の観光を推進する立場からも、滞在していた限りにおいては、そのまちのインフラを使っていただく、それはごみの処理とかということまで含めてまちのインフラを使っていただくわけですが、その方々にしっかり応分の負担をしていただいた上で、しっかり宿泊していただく、あるいは滞在していただくようなまちのモデルを考えていきたいということであります。
記者
最後に、可動式ホーム柵で、残る11の未設置駅の設置する順番というのは決まっているのでしょうか。
市長
これは決めておりません。やはりある程度、北大路の例外的な措置は先ほど冒頭の説明で申し上げたところでありますが、基本的には乗降客、利用者の数に応じて安全性を確保するという意味では、そこにより危険度がありますので、そこを勘案して決めていきたいと思いますが、これは具体的にこれから予算の審議もありますので、その中で具体化させていきたいと思っております。
記者
引き続き、もう少し宿泊税を教えてください。現行の3区分ですと、5万円以上の区分だと、税収規模としては大体5%ぐらいの範囲だというふうに聞いておるのですけれども、新しく5区分になった場合の税収の規模、パーセンテージというのを。
市長
そうですね、すみません、私もブリーフィングでその話は聞いていたと思いますが、あまりちょっとうろ覚えな数字を言うのもあれなので、細かな数字については後でブリーフィングで聞いていただいたほうが正確だと思います。すみません。
記者
すみません、市民として、門川さんのときから高級なホテル、高価格帯のホテルをずっと誘致されてきて、すごくホテルが増えて、10万円以上するような部屋が、最高区分として出てきて1万円を取るというのは結構な衝撃ですけれども、対象となる人をどれぐらい見込んでいるのかというのをちょっと知りたいです。
市長
ただ従来だったら、5万円とか10万円というのは本当に僅かのパーセンテージだったと思いますが、恐らく今はもうちょっとそれに比べれば比率は上がってきていると思います、従来に比べれば。それは恐らく平成30年の頃に1部屋100万円なんていうものは、恐らく京都にまだなかったのではないでしょうかね。今そういうものが複数、私が知る限りでもある、それはシーズンによっても違うし、いわゆるホテル、旅館というのは定価というのがあるのかないのかよく分からない状況ですが、どのシーズンのどういう金額によってということは違うかもしれませんが、なので本当にマージナルな部分かどうかと言われれば、10万円以上というのはマージナルとは言えないものにはなっているとは思いますね。ですからそういう趨勢の違い、それからさっきの御質問にもよりますけれど、例えば二条城をより市として投資をして、より多くの皆さんに楽しんでいただくというときに、では御負担というのが高ければ、本当にそれは忌避されるのか、それともある一定の層であれば、それは少なくともそういう方々にももちろん説明していかなければいけない、こういうことに皆さん方の、特に応能的にその余力がある方々に対しては、こういうことでの御貢献をお願いしたいと思って我々はそういう価格帯、税額帯を設置しているんだということをしっかり理解していただいて、そのまちに対して、ある種の貢献としてお支払いいただくというものが今回の宿泊税で、それを我々としては税の公平性という意味においては、ぎりぎりの線で、ちょっとこれから総務省とは、議会でしっかりと市会で御議論いただいた上で総務省にきちんと協議しなければいけませんが、それの許容されるぎりぎりのところを我々としては、その制度的にも理解をされて、国際的にも理解していただいて、高額のお部屋にお泊まりになる方々に対しても、これは皆様方のある種の貢献としてぜひ御協力、これぐらいのお部屋にお泊まりになる方には御協力いただきたいということであるという趣旨ということを説明しなければいけないと思います。ちなみにヨーロッパなんかでも、この星の数によって金額で大きく差をつける。さっきの御質問の答えにもなるのですけど、ヨーロッパでも星の数によって負担金額を変えるというところはあるわけであって、それは一定の率という考え方もあるけれど一定の金額で、ヨーロッパの場合はパリとかローマとかフィレンツェの場合は、大体ホテルの星の数ですね。それで、これも何ユーロという基準が決まっているというふうに伺っておりまして、その考え方はあり得るのではないかなと思っています。
記者
すみません、京都市としてすごく宿泊とか観光の高付加価値化とか、高級路線みたいなのをずっと追求してこられた結果としての宿泊税の値上げということなのかなと思っているのです。
市長
いやいや、それは必ずしも、特にそこの点について言うと私は門川市長の考え方とちょっとニュアンスは違うかもしれません。私は、ラグジュアリーホテルをどんどんこれからも造れというふうに思っていません。もちろん非常に富裕層の方々、ラグジュアリーな旅をしたいという方々にも訴求できるような京都の美しさをたたえなければいけない。たたえるようなまち、美しさをたたえるようなまちであってほしいと思っていますし、そのための投資をしなければいけませんけれど、京都の観光客でむしろ富裕層の方々を優先的に京都のまちが招きたいと思っているかというと、私はそういうふうには思っていません。幅広い方々に京都をお楽しみいただきたい。だから逆に、先ほど垂直的公平性という言葉を使われましたけど、むしろそれだけ富裕の方々を招きたいなら、富裕層に対してその高率の、あるいは高額の宿泊税を課さないでしょう。もし私が富裕層をターゲットにして、そこを狙うとするのだったら、むしろ合理的に言えば、富裕層の税率を低くするというのが合理的な政策であって、私はそういうことではなくて、ただ、本当に富裕層でラグジュアリーなホテルに泊まられる方は、それだけの応分の負担をしていただけるでしょうという、それだけの能力があるし、その意識に訴えていきたい。だけど全体として富裕層を誘致したいという気持ちではなくて、幅広い方々に、バックパッカーの人たちも京都に来続けてほしいと思うし、それは富裕層を誘致したいということでは必ずしもありません。企業なんかは非常に伸びていく、成長力のある企業、場合によっては富裕層をターゲットにしているような企業なんかも大歓迎です。それは働きの場所として、あるいは納税主体として、そういう企業は大歓迎、市民生活が豊かになりますから。観光客を富裕層にターゲットを絞っているというわけでは必ずしもありません。むしろ幅広い方々に来ていただきたいし、逆に言うと、富裕層の方々は、富裕層にふさわしい観光をしていただくことによって、京都全体の価値の再発見といいましょうかね、もっと美しいものをより美しくしていくという、それを愛でていただいて、それに対して投資していただくという意味では、歓迎はしておりますが、その層だけをターゲットにしているわけでは全くありません。
記者
宿泊税についてお伺いします。使途について、市バスの市民優先価格の導入、挑戦を挙げられておりますけれども、市民優先価格がどういう形になるか分からないですけれども、仮に市民が今の料金維持で、観光客は上げるみたいな方針になると、観光客にとっては、市バスに乗る料金を上げるために御自分は宿泊税をも多く払うみたいな、少し納得し難いというのでしょうかね、状況にもなる可能性もあると思いますけれど、そのあたりのお考えはいかがでしょうか。
市長
そこだけ特記すればそうかもしれませんが、ただ、実は市民についてもそうなのです。観光客の方々も我々が調査をして、500円の観光特急バスをどれぐらいの方がどういうふうに乗っておられるかを見たときに、非常に普通のICカードで乗っておられる方が多いのですね。要するに1日券、要するに観光客だから1日券を使われるだろうと、そうなってくるとサブスクですから、別に大きな影響はないのではないかと思っていたら、存外、普通の観光客用のいわゆる交通系ICカードがありますよね、何百円かの手数料で、あれで乗っておられる観光客の方がすごく多いのです。いろいろとヒアリングをしてみると、そんなのだって別に230円であろうと500円だろうと、そんな大差はないというぐらいの意識の方々も多くて、むしろそのことでちゃんと市民生活と我々のすみ分けができて、自分たちも貢献できるのであればという方々も結構多いという部分はあって、そういう実際に試行的に運用してみて、複数価格を運用してみたときの意識というのも参考に、そしていろいろな観光事業者、ホテル、旅館といったところは、やはりどうしても先ほど申し上げているように、これに賛成とは言い難いけど、理解していただけるというのは、やはりそのことが観光客を継続的に市民の理解を得て受け入れるという意味においては、観光事業者の皆さんとしても、これを率先して求めるというわけではないけれど、これは適切に運用されて、適切に観光客にそれを訴求する、ですから先ほどの御質問にあったような点は、やはり我々は留意しなければいけないですね。留意して、ちゃんと皆さん方のものがこういうふうに使われていると、そのことを理解してくださいというのをあらゆるところにちゃんと掲示をするとか、案内をするとかというようなことも含めて理解した上で、特に高額の宿泊、その方々にたくさんの負担をいただいているということについては、これはインバウンドだけではありませんので、国内で宿泊、いろいろな出張で来られているような方々もいらっしゃるわけで、そういう方々にも理解をしていただかなければいけないと留意をしなければいけないとは思っています。
記者
分かりました。最後に、関わる部分かもしれないですけれども、市民憲章にも、京都市民は旅行者を温かく迎えましょうみたいな項目がありますけれども、やはり今回の改正によって、観光客の不満がたまらないようにするには、やはりその使途、どのように使われているかというのを納得というのでしょうかね、観光客にも納得いただくような努力が必要かと思うのですけれども、そのあたりをどういう形で図っていかれるのでしょうか。
市長
これはその問題だけではなくて、例えば観光マナーをどうよくしていくかということも含めて、観光客の方々にどう訴求していくのかというのは、京都市で大きな課題だと思います。しっかり広報して、そして共感していただくことがすごく大切で、そのためにやはりこのまちがどういう構造で、どういうふうな成り立ちで例えば、市民これぐらいに対してこれぐらいの観光客が来ているというまちなんだ、例えば東山区というのは35,000人の人口しかいない、しかもその中の観光の集積地というところはその中のさらに半分、あるいはその半分以下というところに、年間それこそこれぐらいの数の観光客が来ていて、それが市民生活を圧迫する部分もあるけど、何とか我々はそれを受け入れたいという気持ちで受け入れているということを、市民と観光客双方にしっかりと訴えていかなければいけなくて、観光客への訴えというのはなかなか、この間私も10か月市長としてやっているけど難しいところで、観光集中をどう緩和するかといろいろなオピニオンリーダーみたいな方々にネット上でいろいろな呼びかけをしていただく、なかなかそれがうまく、全部届いているかというと届いていないので、その届け方の工夫もしながら、観光客の方々、あるいはそのときにインバウンドだけじゃなくて国内の観光客の方々、そして市民、市民にとってやはりややもすると、特定の国からの来訪者は要らないとかという運動がネット上で拡散していますよね。それは京都にとっては不幸なことだと思います。それは何でかというと、そういうふうに言っておられる方々はもう一定の合理性はあるのですけど、その国の方々にもっと京都の文化というのを知ってもらう努力を、その国の言ってみればネット上のリーダーのような方々からちゃんと呼びかけてもらうというようなことも含めてやらないといけないのかなと思っておりまして、その努力も含めて、これからの京都市の大きな課題だと思っております。
記者
ありがとうございました。
記者
今回の目的税という本来の在り方があると思うのですけども、使途、使い道を広げますということになりました。どこまでを観光関連の施策とするかというのは、これは本当に人によって違う考えをお持ちでしょうし、何か明示的に提示をすることも、これは非常に難しいと思います。今回の施策を見る限り、教育とか保健とか医療とか、そういったことはやはり観光客に何かメリットはないのかなというふうに私自身は考えておりますが、その一方で、道路とか防災とか、ちょっと人によっては観光関連かというふうに疑問符がつくような意見も多くあると思うのですが、どこまで使っていいのか、どこまで目的税としての宿泊税、どこまでは使っていいのか、どこまではというその線引きについてはどういうふうに、これは可変してしまうものなのですか、それともどういうふうに市で考えていくものなのでしょうか。
市長
それは先ほどもおっしゃいましたように、今ここで全部、これは使える、これは使えないというふうにここで白黒つけるというよりは、一般的に京都は人口の1割程度の方々は観光として滞在されている方々が常にいらっしゃる。特にインバウンド需要が増える中で、従来だったら春秋に集中していたけど、今は通年的にそういう方々が一定程度いらっしゃって、通年的に一定の災害が起こる可能性があるとか、通年的に例えば、一定の道路の混雑が見られるとか、いろいろな部分があるものですから、この切り分けってなかなか難しいので、ではバスだったら何でもできるのか、公共交通だったら何でもできるのかというと、必ずしもそうじゃなくて、公共交通のどの部分であれば、それは独立会計原則に対して、若干のこれは例外として認められるのかというのは、恐らく事業ごとに市会でも議論があるでしょうし、我々としては例えば、国の制度との接合性というようなことも含めて、しっかり説明をし納得をする、納得いただいていく。それは同様に市民に対しても我々は説明責任があると思います。ただ、先ほど目的税という枠を取っ払うかどうかということについて言うと、それを取っ払ってしまうと、我々はやはりちょっとさすがに説明責任が果たせないかなということで、その枠の中でどこら辺までがぎりぎりなのか、そのぎりぎりのもの、この事業については例えば、その応益原則の中で観光客の方々がこれだけいらっしゃるのだったら、これだけの部分は御負担をお願いできるのではないかというふうに、事業ごとにしっかり見ていかなければいけないと思っております。
記者
ありがとうございます。
記者
では、1点だけお聞きします。先ほどの他社さんの質問への御回答でもありましたけれども、公平性の担保という意味でいうと、やはり定率制というものをどこかで入れるべきではないかなと個人的には思っております。今回の審議会の中でもそういった御意見も一部出ていたかと思いますが、今回新たな見直し案を示された直後でこういう質問をするのも何なんですが、今回の見直しが仮に施行されて、その後5年間また見直し等をされていく中で、定率制というものを入れるか、定率制も含めて検討されるというお考えはおありになるのか、お聞きできますでしょうか。
市長
あくまでこれはブレストの中で私が担当部局と話をしたのは、もし定率を入れるとしたら、恐らくシステムとかをつくるのに数年程度かかる。例えば部分的に高額のものについて言うと、さっきの10万円でも100万円でも同じ金額というのはどうなのですかみたいな議論はありますよね。恐らくまちを歩いておられる方々に聞いても、むしろ一番公平なのは定率制じゃないかとか、あるいは決済がどんどん電子決済、クレジット決済、非キャッシュ決済が増えてくる中で、その徴収の手間を考えても定率制というのは考えられないか、いろいろな議論を私も一般的にまちを歩いている中で、そういう議論を聞く中で、では部分的であっても定率制を導入するとどんなコストがかかるのか、どんな時間がかかるのかと聞いたときに、それは例えば部分的に導入すると一番難しくて、それを導入するのには本当に数年単位のソフトの制作と、恐らく巨額の開発経費がかかるというような話も伺いました。それは将来的な課題といえば課題ですけれど、他方で私が観光事業者の方々とお話を、特に宿泊関連事業者の方々とお話しする中で、これをやって何年間か、こういう5年間の特別のさっきの手数料部分の補助があるという、ではその先にまた何か行政需要が足りなくなって新たな行政需要が発生したら、逐次それを見直して、何年かごとに見直すようなことというのは、あまり私はそれは軽々に考えるべきではないと思っているのです。というのは、あまり行政側の都合でこれを年々見直すというようなことがあると、私は公務員の給与なんかは年々見直していくべきだと思いますし、一般的な公共施設の利用料なんかを長年見直さないというのは、それは私は行政の怠慢だと思いますけれど、ちょっとこれだけの負担のこの金額のものも、次の見直しを念頭に置いて例えば、今の御質問である定率制の導入も将来視野というふうに考えているかというと、私は現時点でこれだけの大幅の負担増をお願いする中で、そういうものを視野に置いているわけではありません。ただ、定率制の採用を見送ったというのは、今申し上げたような相当程度複雑なソフトウェアの開発と、相当な金額がそれに要する、そして制度の分かりやすさ、あるいは徴収面での分かりやすさという意味において、それはいろいろな大きな徴収事業者に対して負担になるということで見送った次第でありまして、検討しなかったわけではないのですが、現時点で定率制を将来採用するということを考えているわけではありません。
一般質問
記者
一般質問ですけど、そろそろ阪神淡路大震災から30年がたつということですけれども、京都市の防災対策として、特に取り組んできたことなどをお教えいただきたいです。
市長
阪神淡路大震災は私にとって、自分の人生の転換点にもなりました。当時首相官邸で勤務しておりまして、平成7年1月17日5時46分、忘れもしません。あのときの官邸での自分の経験と、それから逆に神戸市を中心として、自治体が頑張られた、さらに言うと自治体だけではなくて、警察、消防、自衛隊の方々が頑張られた、反社会的勢力と言われるような団体ですら、非常に被災地の支援に汗をかかれた。多くの若い人たちがブーツを履いて、そしてリュックを担いで、バイクで、あるいは徒歩で被災地に入られたと私の現体験であって、忘れ得ないものであります。死者6,434名、負傷者の43,792名、いまだ不明者3名という、この災害を風化させてはいけないと思っておりまして、京都市は平成9年ですか、2年後ですかね、第2次地震被害想定、それを改定して、一昨年には第4次被害想定を策定しておりますし、それから能登半島地震も踏まえて、例えば避難所の対策、水道のようなインフラが途絶するというような状況も踏まえて、我々は例えば避難物資をどう備蓄するか、あるいは避難所におけるプライバシー対策をどうするか、現時点での防災、あるいは避難対策の充実にも、この阪神淡路大震災の経験を生かしておるつもりでございます。30周年の当日には、消防局を挙げての訓練も実施する予定でございますし、あらゆる意味でこれを風化させてはならない。そのことが、その後の累々たる災害、あるいは東日本大震災のような地震、津波災害だけではなくて、気候変動に伴う大規模な風水害による被災ということも含めて、我々はこれを決して風化させてはいけないと思っておりますし、自分自身の人生でも、新しい公共ということの重要性を気づかせていただいたのは阪神淡路大震災で、それがボランティア概念ということになり、NPO支援の充実が社会的に必要とされてきたし、今の防犯・防災のまちづくりを京都の地域の人たちによって担われているという部分、全て私は根っこというか、根っこの1つは明らかに阪神淡路大震災にあるので、これをもう一回重く受け止めて対応していかなければいけないと思っています。
記者
ありがとうございます。
記者
北陸新幹線に関連しまして、自民党京都府連の西田昌司会長が、この間の市長がおっしゃっている4つの懸念のことに関連して、もう少し事実関係を確認した上で発信していかないと、自分の首を絞めることになるということをおっしゃっておりました。念頭に置いているのは堀川通のバイパス計画など、市の公共事業に関連してのことを指しておられるのですけども、受け止めがあればお願いします。
市長
西田昌司自民党府連会長とは、コメントの後も何度も、例えば新年の行事なんかでも御一緒させていただいて、御自身の御発言の意味についても、西田先生からお話を伺っております。私も自分の懸念についての思いというのは、もう日頃からお話をしておりますし、西田先生は決してその趣旨を誤解しないように、一部何か誤解したり首を絞めるということを使ってけん伝して政治的対立をあおるようなことを言っている人もいるけど、そういうことでは全くないと。ただ、土木事業にはある程度の環境負荷はつきものであるので、それをあまり非科学的、あるいは非常に神経質に議論をするだけでは、国家的課題が解決できないのではないかという趣旨だということは、丁寧に御説明をいただいております。西田先生の趣旨は分かりますし、私は今まで一度としても国家的な事業としての必要性というものについて疑義を指し挟んだことはありません。他方で、地下水の話についておっしゃっているならば、それは例えば堀川通で想定される地下の深さ、あるいはそれの距離、そういったものを相対的に勘案すれば、新幹線事業による地下水への影響とは恐らくスケールの違うものになるのではないかというふうに考えておりますし、しっかりとこれは市民に対して、財政面で西田先生は、もう全く市町が負担を気にする必要がないとおっしゃるけど、いや、世の中の流れからいうと、なかなかそうもいかないですよねという話もずっと申し上げていますし、それからそれぞれ4つですけども、重複で避けますけれど、地下水に関して言うと、やはりまちを歩いてお話をすればするほど、やはり過去のより浅い層における、例えば阪急、あるいは東西線のトンネル工事でどんな影響があったかということを口々にいろいろな方々がおっしゃる。それはもうこの市街地の中心部だけかというとそうでもない方々もおっしゃるというようなことであるとか、やはり工法、それから規模、深さ、それに応じて、今の現時点では、相当専門家の意見を聞かないと、この話はなかなか理解が得られないのではないかということは、機会を通じて私も西田先生に申し上げるし、西田先生も、そのことの懸念についてそれが不当であるとはおっしゃっていないので、いろいろ勉強して調査をして、自分たちも専門家に対して説明の責任を果たすようにと言うしというふうにおっしゃっているので、しっかりこれから4つの懸念をどう解消するのか、それが市民の納得を得るのかどうかというのは、これから私が本当に職責を果たす上でしっかりと市民の皆さんにも説明しなければいけない。その説明する材料においては、やはり堀川通の工事とはレベル感の違うものとしての説明が必要だという認識は今も変わっておりませんし、また、私も西田先生の御発言の趣旨については、丁寧に御説明いただいておりますし、そのことで年をまたいで、より具体的にしっかりとその懸念払拭に対して、関係者に専門的な知見に基づいて説明をさせるという、そういうスタンスに、私から見たら1歩、事業を急がないでしっかりと時間をかけるという判断をしていただいたことについては、一定私と西脇知事の声、あるいはそれの背景にある府民や市民の声に耳を傾けていただいたのではないかなと思っております。

配布資料
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お問い合わせ先
総合企画局市長公室広報担当(TEL:075-222-3094)
行財政局税務部税制課(TEL:075-213-5200)
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