市長記者会見(2025年1月6日)
ページ番号336304
2025年1月17日
「2人目以降の保育料無償化の開始へ」及び「宝が池アーバンスポーツパークのオープン」について、京都市長が記者会見を実施しました。
※発表内容は、令和7年1月6日時点の情報です。
ピックアップ動画
京乃つかさが記者会見のポイントを解説します。
記者会見動画
(発表案件1)2人目以降の保育料無償化の開始へ
(松井市長)
皆さん、明けましておめでとうございます。旧年中、大変お世話になりました。お休みは取れましたか。新年早々、これは京都市の慣行らしいので、仕事始めの日から記者会見で、それがいいのかどうか、また、後で意見聞かせてください。本年もよろしくお願いいたします。
早いもので1月6日ということで、新年早々と言うには、ゆったりとした暦になりましたけれど、京都に関する限りは比較的穏やかな気候、一部、青森など降雪に見舞われている地域もあって、お見舞いを申し上げたいのですが、穏やかな気候で、穏やかなお正月、私も朝から、昨日もありましたけれど、新年会、年始賀詞交換会など出席させていただいておりますが、振り返りますと、昨年は元日に能登半島地震が発生しまして、そして、1月当日から、1日当日から京都市役所は動いて、そして、1,700名を超える京都市の職員が能登半島に伺い、今も4名の職員が被災地に寄り添って支援をさせていただいております。こういうお休みの時期も含めて、市民の生活、命に関しては、正月休みってありませんので、市役所でも多くの職員が年末年始、休みを押して出勤してくれたというのは、ありがたいことだと思っております。
本日は、皆さんにお知らせしていますように、2人目以降の保育料の無償化についての発表をさせていただきたいわけでありますが、それに先だって、昨年を振り返りますと、私も市政に携わる1年目ということもあって、門川前市長が骨格を編成されて、ある程度下地をつくられた予算を、自分が2月の25日に就任してから、第一次編成、第二次編成、あるいは、補正予算というふうに少しずつ肉づけをしてきたわけでありますが、中でも能登半島地震の防災・減災、それを踏まえた防災・減災対策、あるいは、若者の世代の定住を推進する京都安心すまい応援金、あるいは、観光集中の問題に関して言うと、観光特急バスを運行させるというようなことを、初年度として一定程度実現してきたつもりであります。そして、さらに秋からは京都の長期ビジョン、あるいは、私の任期中に行います新京都戦略の骨子を議論して、そして、令和7年度予算編成に取りかかってきたわけでありますが、その中で、今日、皆さんにお示しさせていただきたいのは、これまでの取組のさらに延長線で、来年度、令和7年度予算、これについて、私が当初から編成に責任を持つ予算であることもありまして、これは1つの目玉として、今日、御説明させていただく2人目以降の保育料の無償化というものをしっかりと実現していきたいということを、昨年、来年度予算編成を議論する侃々諤々の議論をする中で、これは、やはり優先度が高いというふうに判断して、そのことを年明け早々、発表させていただく次第でございます。
昨年2月の市長選挙後間もなく1年になりますけれど、私は2人目以降の保育料の無償化など、更なる軽減策を検討するというのを、私の市長公約のトップに掲げてまいりました。市長に当選させていただいた後、その直後の3月市会では、これは忘れもしませんが、自由民主党の森田守市会議員から保育料の第2子以降無償化に関する御質問をいただきました。私は極めて重要な施策であり、財源確保等の検討を進め、早急に市民の皆様に実施時期を示すと答弁させていただきました。これは、私は選挙中の最大の争点と掲げておりましたのは、やはり京都の人口流出問題。子育て世代が、あるいは、その前に大学を卒業した世代が、残念ながら京都から流出してしまっているという、この問題をどう捉えるかというのが、京都のまちの今後の課題として最重点の問題であるということを訴えてきたものでありますが、まさに、この子育て世代にとっての経済的な負担に対して、どう行政が応えていくかということが、待ったなしの課題であるというふうに判断したからであります。当然のことながら、皆さんも御承知のように、私も市会でも説明してきましたが、第2子以降、無償化というのは重要な施策でありますが、多額の財源を要する、恒久的な財源を要するものであって、実施に当たっては、慎重な判断が求められてきました。この間、昨年、市長就任以来、私も市民対話も繰り返してまいりましたし、市役所内部でも政策ミーティングを繰り返し、特に夏場以降は、政策ミーティングの回を重ねながら、この京都市政の総点検を行ってきて、それを秋、この記者会見で皆さんに報告をさせていただいたところでありますが、様々な熟慮を重ねる中で、歳入の見通し、他の歳出、重要歳出事項を含めて判断をした上で、熟慮の結果、この度、令和7年4月、この4月から保育料の第2子以降無償化の実施を決断させていただいたところであります。もちろん、これは来月に開会が予定されている市会に、その経費を計上した予算案を提案させていただいて、市会の議員方に御議論をいただくというのが大前提でございます。
私の公約には、第2子以降、保育料の無償化以外にも、子育て教育環境の充実として、例えば子ども医療費助成制度の充実、あるいは、小・中学校給食の無償化に向けた総合的な検討、これは大前提として国に対する要望をしっかりするということでありましたが、そういった子育て世帯の経済的負担軽減策を掲げているところであります。そうした中で、私としては、やはり子どもを産み育てたい、2人目の子どもが欲しいけれど、経済的な負担が心配で、それがかなわないといった新しい命を、これから育もうとされる若い方々の切迫した状況をいかに改善するか、そのことこそが、若者・子育て世代に選ばれるまちを目指す上で、優先度がより高いというふうに判断をしまして、第2子以降、保育料の無償化のための予算案を、2月市会に提案するというふうに決断させていただいたものでございます。
現在、先ほど申し上げたように新京都戦略骨子をパブリックコメントに付しております。その中でも子育てに関するリーディングプロジェクトを掲げたところでありまして、私自身の気持ちの中では、本日、発表する第2子以降の保育料の無償化というのが、そのリーディングプロジェクトの中での1つの目玉になるものだと考えております。保育料の第2子以降無償化については、公約の冒頭に掲げた項目であり、多くの市民や関係者の皆さん、あるいは、市会の議論を通じて、市会の各会派からも実施に向けた期待のお声をいただいております。そして、そのことを踏まえまして、早期に実施時期を示すべく、この新京都戦略のパブリックコメント中ではありますが、本日、発表させていただきました。今後、2月市会で、しっかりと御議論いただく、その前提の下で、今日は、この後、実施内容について御説明させていただきます。
それでは、資料を御覧ください。まずは、2ページ、背景についてでございます。御存じのとおり令和5年の2023年の京都市の合計特殊出生率は1.08でありまして、これは前年比0.07ポイント低下、これは7年連続低下、出生数は680人減、8年連続減少であります。全国、京都府も同様の傾向でありますが、非常に私としては危機感を感じる数字になってございます。
3ページ目を御覧ください。その一方で、令和5年度に実施した市内在住の18歳から49歳までの方を対象にした意識調査、こちらは独身、既婚を問わず、結婚、出産に関する御意見を聞かせていただいたものですが、約7割の方が、子どもの数は2人以上が理想と回答をしておられます。また、同じ調査の中で、約8割が保育料など子育てにかかる費用の負担軽減に効果があるというふうに回答をいただいております。
4ページを御覧ください。こうした背景を踏まえ、現在パブリックコメントを実施している新京都戦略骨子のリーディングプロジェクトの1つに、本日発表の2人目以降の保育料無償化を含む地域の「絆」で支え合う子育て応援プロジェクトを掲げたところでございます。
5ページを御覧ください。京都市では、これまでの間、待機児童ゼロ継続を初め、手厚い保育士配置や処遇の改善、乳幼児親子の相談交流のための拠点の設置など、子育て環境の充実に取り組んでまいりました。2月の市長選後にも産後ケア事業の対象拡充や、京都安心すまい応援金の創設などに取り組んできたところであり、今回の2人目以降の保育料無償化の開始により、京都がもっと子育てがしやすくなるまちになるというふうに確信いたしております。
6ページを御覧ください。今回の無償化の狙いでございますが、第一には、2人以上の子ども、お子さんがいらっしゃる御家庭、さらには2人目の出産を検討されている御家庭の経済的な負担の軽減を図ることであります。あくまでも1つのモデルケースではありますが、例えば一般的な年収の御家庭で、お二人のお子様が保育園に通っておられる場合、毎月の保育料は隣接する自治体に比べて毎月2、3万円、年間で約2、30万円安くなる見込みであり、子育てにかかる経済的負担は大きく軽減されることになります。さらに住宅取得への支援や、現在、府市協調で検討させていただいております子ども医療費助成の更なる充実、遊び場の充実など、他の事業との相乗効果で、何とかこの少子化に歯止めをかけたい。そして、若者、子育て世代から選ばれるまち、京都を目指していきたいと考えております。
7ページを御覧ください。今回の無償化のポイントでありますが、令和7年4月、この4月から世帯内2人目以降が対象であります。そして、同時入所要件なしであります。それから、所得制限もなしでございます。
8ページを御覧ください。無償化の対象者は、保育園や認定こども園、小規模保育事業所などの認可保育施設を利用している世帯内2人目以降のお子様といたします。
9ページ、負担額ですが、令和5年度の児童数を基に試算をいたしましたところで、本市負担額は約13.5億円、新たに無償化の対象となる児童数は、5,500人となっております。
10ページを御覧ください。現行制度と無償化開始後による保育料の軽減状況の比較をまとめさせていただきました。これまでから毎年約15億円もの独自財源を投入し、国基準保育料から大きく負担の軽減を図ってきた京都市でありますが、今回の取組により、その取組が、さらに充実したものになります。若者子育て世代から、もっと京都に住みたい。そして、京都で子育てしたい、そういうふうに思っていただいて、多くの方々から選ばれるまち、京都をつくっていきたいと考えております。
本件については、私からは以上ですが、よろしければ、もう一件の報告、発表案件を御説明させていただいた後で、質疑をお受けさせていただきたいと思います。(発表案件2)宝が池アーバンスポーツパークのオープン
(松井市長)
2つ目は、宝が池アーバンスポーツパークのオープンについてでございます。これも令和7年4月に宝が池新時代の幕開けと、こう書かせていただいておりますが、これは令和4年度に市民の方から頂いた貴重な御寄付を活用させていただいて、宝が池球技場と下鳥羽公園球技場の改修と併せて整備を行うものであります。この特にパリオリンピック、パラリンピックを通じて、アーバンスポーツへの国民の関心、人気が非常に高まっている中、本施設の完成は、多くの皆様が心待ちにされていることと、私は思っております。
1ページ目、本日お伝えしたいことは、3点ございます。
1つ目は、京都ならではの特徴を持った施設の魅力ということでございます。
2つ目は、一般利用を今年の4月20日、日曜日からスタートしたいということでございます。
3つ目は、その前日、4月19日土曜日にオープニングイベントを開催し、プロ・トップアスリートの圧巻のパフォーマンスを見ていただきたいと思っていることでございます。
次のページをお願いいたします。宝が池公園運動施設は、緑豊かな景観の中で、五山の送り火の1つ「妙」の字をすぐ北側に臨むすばらしい立地でありまして、初級者から上級者まで幅広く楽しんでいただけるようなメインとミニの2か所のパークを整備し、アーバンスポーツ人気の高い子どもや若者が利用しやすい施設を予定しています。もちろん子どもさんだけではなくて、幅広い世代に御利用いただくわけでありますが、京都ならではの空間・施設で、様々なアーバンスポーツを楽しんでいただき、ルール・マナーを守って、安全には留意いただきながら、アーバンスポーツ文化の発信拠点となるような施設を目指していきたいと思っております。
3ページ目、お願いします。メインパークはスケートボードを中心としたパークで、設計は京都市スケートボード協会に監修いただき、京都ゆかりのプロスケーター森中一誠さんにデザインアドバイスをいただきました。
4ページ目、お願いします。鴨川や太鼓橋をイメージしたバンクやセクションを配置するなど、京都ならではの斬新なデザインとなっているほか、全国的にも数少ない大型のハーフパイプ型のバーチカルを備えた本格的なパークになっております。
次のページお願いします。ミニパークのほうは、3x3バスケとスケートボードの初心者エリアを中心に、インラインスケート、ダブルダッチなど様々な集客イベントでも多目的に利用いただける施設とさせていただいております。現在の工事状況でありますが、両施設とも3月末に完成予定で、それに向けて整備を鋭意進めております。
6ページ目、お願いします。一般利用は本年4月20日、日曜日からを予定しております。料金の詳細は今後お知らせしますが、中学生以下は無料とするほか、高校・大学生区分も設定し、子ども若者が利用しやすい施設とします。各種教室も開催し、アーバンスポーツの普及を図ってまいりたいと考えています。
7ページをお願いします。また、一般利用の前日、4月19日にオープニングイベントを開催させていただきます。プロ・トップアスリートの方を交え、様々なアーバンスポーツを多くの方々に体験し、楽しんでいただけるようなイベントを予定しております。
8ページをお願いします。メインパークでは、スケートボードフェスタとして、京都とゆかりのプロスケーターである森中プロ、河合プロ、木村プロを初めとする国内トップスケーターによる一流のパフォーマンス披露や、いち早く真新しいコートを体験いただくスケートボード教室を予定しております。
9ページ、お願いします。メインパーク出演者のプロフィールは、9ページに記載のとおりでございます。その他のプロスケーターとも、今、出演調整を行っているところでございます。
10ページ、お願いします。ミニパークでは、プロのパフォーマー・アスリートであるNEWTRAD、KYOTO BBなどに御協力いただいて、京都の各所でアーバンスポーツの魅力を発信しているイベント、KYOTO URBAN SPORTS DAYを特別に開催いただきます。3x3、ダブルダッチなど、多様なアーバンスポーツのパフォーマンス披露や体験教室を予定させていただいております。
次のページ、お願いします。ミニパーク出演予定チームのプロフィールは、ここに書かせていただいております。こちらも現在、他のアスリートとも出演調整中でございます。アーバンスポーツの普及に力を入れる民間団体・チームと連携し、一緒に盛り上げ、今後のアーバン、京都のアーバンスポーツ文化の発展の第一歩となるにふさわしいイベントとさせていただきます。
12ページ、お願いします。情報発信と今後の予定でございます。現在リニューアル中の宝が池球技場についても、来年度、再始動いたします。
といったところが発表案件の2つ目、アーバンスポーツパークについての発表でございます。
私からは、発表案件は以上でございます。
質疑応答
発表案件に関する質問
記者
まず保育料の無償化についてなんですが、これ多子世帯にとっては非常に期待が大きい施策だと思いますが、先ほども優先度が高い、最重要、待ったなしというようなお言葉がありました。この4月から施策を実施するとされた市長の思いを、改めてお聞かせください。
市長
先ほど御説明したこと、丁寧に御説明したつもりなんで繰り返しになりますけれど、やはり市長公約のトップ項目であるということが一つですね。その中でも、やはり一番財政規模も大きいし、その負担、子育て中の世帯にとっての負担という意味でも、もちろん医療費の問題とかいろんな問題も、それなりの負担ではありますが、やはり一番今多くの御家庭が、保育所に入所させる家庭が圧倒的に多いですから、そういう意味では非常に、一番インパクトのあるものを、何とか令和7年度予算編成を進める中、これは今も編成進めておりますが、何とかめどをつけて、これを実施したいという私の思いでございます。
やはりその背景には、昨年に発表された、先ほど申し上げました出生率の数字、この状況の中で、やはりどの時点から始めるかという、いろんな呻吟もなかったわけではないんですが、やはりもうここは、できるだけ早く始めたほうがいいのではないかと、機を逃さずに始めたいということです。その背景には、市民の声、あるいは市民の代表者である市会議員の方々との市会でのやり取りもあったことも事実ですが、やはり数字のインパクトは私にとっても、ここはやはりギアを入れなければいけないというふうに思った次第です。
記者
これはすぐに効果が出るものなのかとか、どれぐらいのスケール、スパンで効果が出るというようなことをお考えでしょうか。
市長
そうですね。実際はこういう制度が導入されるということも踏まえて、今後の家族計画を立てられる御家庭もあると思いますので、一定程度効果が現れてほしいと思っていますが、他方で、そんな簡単に、それぞれの仕事の関係もあるでしょうし、御家族の問題ですから、そんなにすぐに1年で結果が出るかどうか分かりませんが、少なくとも着手する時点としては、早いほうがいいんではないかなというふうに考えました。
記者
もう一点、アーバンスポーツなんですが、今回宝が池にスケートボードと3x3バスケということで、中身にダブルダッチなんかも出てきていましたが、今後さらに宝が池ですとか、他の場所に、アーバンスポーツいろいろありますが、他の施設ができる可能性ですとか、宝が池で観客席を増設したりと、拡充していくような可能性はありますでしょうか。
市長
アーバンスポーツは、これオリンピック種目も毎回こう見直していかれるように、時々刻々まさにアーバンな、現代的な都会的なスポーツなんで、いろんなものがあると思います。物によっては、今回は一つのランドマークを創設するということもありましたが、物によっては、今お話があったダブルダッチなんかは、必ずしもそういう専用の場所が必要というわけではなくて、むしろ一定の広さのスペースが必要だというものもあると思いますので、今回の一つの施設として、北部でこの宝が池の運動公園、南部ではスケートボードという意味では、火打形公園があると。ちょっと施設、大分古くはなってきておりますが、補修しながら、いろんな方々に御苦労をかけながら使っていただいていますが、そういうものを拠点として整備をするというもの以外にも、例えば横大路とか、小畑川中央公園とか、そういうところのスペースを活用して、アーバンスポーツを振興するという意味では、取り組んでいきたいと思いますし、今ちょっと観客席の話もありましたが、取りあえず常設の観客席というものは作っておりません。というのは、そのスペースの中で、一定程度の観客の方々が大会をやるということになれば、見られるような座席配置は可能だというふうに聞いておりますので。
ただ今後の状況を見ながら、やっぱりアーバンスポーツの振興という意味で、他の施設も含めて、利用環境を整えていく。あるいは今後のいろんなアーバンスポーツの、時代に応じた、いろんな方々がどの程度のアーバンスポーツ、どのような種類のアーバンスポーツを楽しまれるということもしっかり拝見しながら、まずは一歩、いただいた御篤志を活用して、宝が池に一つの大きな拠点をつくり、将来的には、京都はアーバンスポーツはなかなかいいよね、というふうに言われるようなまちづくりを進めてはいきたいと思っております。
いずれにしても利用者のニーズの把握というのは大切ですし、まずはこの4月にオープンして、しっかりと利用者の声にも耳を傾けていきたいと思います。
記者
保育料の財源のお話について、お伺いします。13.5億ということですけれども、新京都戦略では、今後の財政について、人件費とか公共施設も、削減というよりも維持されていくというようなお考えや、子育て以外も、恐らく投資については、縮み志向にならずというような方針だったと思うんですけれども、その中で、多額の財源を毎年保育料ではかかってくるわけですけれども、これ恒久的にできると、こうどういう判断材料をもって、今回打ち出されたのかを教えてください。
市長
おっしゃるように、いろんな行政需要というのがある中で、特にやはり社会保障関係というのは、私どもではなかなか読めないところもあるんですね。なので、最後まで私もこの7年度に盛り込むべきかどうかというのは、自分自身もどうすべきかな、というふうに判断、熟慮を重ねましたし、これは市役所の職員の皆さんとの判断、いろいろ議論をする中で、しかし、やはりこの少子化の急速な進行の中で、やはりこれは将来的には国が、私いつも言っていることなんですが、子育てに関して、自治体の財政力とかによって、その施策メニューが左右されるというのは、あまり望ましいことではないので、将来的には私は、国において、ある程度一定的なユニバーサルな措置がなされるということが望ましいわけで、それは措置がなされれば、それはもちろん負担が軽減されるということもあり得るというふうには考えてるんで、そのことに向けても努力をしつつ、やはりここで、この少子化の流れの中で、やはり一つの施策的なメッセージを出して、京都は子育てを重視してるんだということを、市民の皆さん、あるいは潜在的な市民の皆さんには、これはしっかりメッセージとして届けたいという思いが勝ったということが、現実ですね。
記者
どちらかというと緻密に分析されたというよりは、もう取りあえず思いとしてやりたいっていうところが大きかったんですか。
市長
いやいや、財政は、財政当局はそんな甘くなくて、いろんな財政需要というのがどんなにあるかというのは、いろんなものを分析しています。ですからその中で、私として一定程度、この13.5億円ぐらいは、やっぱり恒常的にやるからにはですね、これは例えば国がやってくれなければ維持できないなんてものを一旦作って、撤回するなんてできませんから、やるからにはやり遂げるという、独自財源でやり遂げるという思いを持っておりますので、その程度の隙間は、とにかく作る努力をしなければいけない。それは、簡単なことではないけれども、その努力をしなければいけない。
そのためには、当然のことながら財政上もめり張りを利かせて、効率化しなければいけないとか、あるいはこういう事業は京都にとって本当に必要かどうかというのを精査しなければいけない。他の事業との比較衡量も必要でありますが、ここはやり遂げなければいけないと思った、優先事項だということですね。
記者
もう一点なんですけれども、今回第2子以降という発表という中で恐縮ですけれども、トレンドとしては、もう東京とかは第1子からの無償化にも踏み出されたりとかされている中で、市長としての、改めてこの保育料軽減のスタンスといいますか、今回にとどまらず、さらにまた努力されていくのかとか、その辺りを教えていただけますか。
市長
それはまさに今の御質問と裏腹の話で、やれればそれにこしたことはないけれど、今の京都の財政状況で、第1子からというのはなかなかしんどいです。そこまでは。
ただ、やっぱり先ほどの調査にもあったように、やっぱり2人目は理想の人数として、2人目は欲しい。1人目はできても、なかなか2人目は欲しいけどできないっていう、そこで財政が、あるいは行政が背中を押すということの意味合いが、やはり第2子というところは大きいんではないかと判断しました。
ただ、ますますと言ってはよくないんですが、もちろん子育てに関して、国が全体としてバックアップするということは、非常に大事なことだと思いますので、それに向けては、さらに国に対する働きかけを進めてまいりますが、今の財政状況の中で、私が責任を持って、私の市長任期の中で、第1子まで、その部分まで含めて、財源を用意できるかというと、なかなかそこまではいかないし、また政策的な意味でも、どこまでを限界に、この京都のような財政力が必ずしも豊かでない団体が、どこまで何に背中を押すかということで言うと、やはり2人目というところが、先ほどの調査から見ても、意味があるんではないかなと、政策判断として意味があるんではないかなと思いました。
記者
府市協調で行われるということですけれども、京都府のほうと、京都市のほうでは、負担割合としてはどのような仕組みになってますでしょうか。
市長
これについては、京都市でございます。
記者
これ、本市負担額と書いてある部分は、これは市のみで。
市長
はい。
記者
府のほうで何か、2分の1持つとか、そういうことじゃなくてですね。
市長
ないです。
記者
これあと、当初予算案に盛り込まれるということでよろしいでしょうか。
市長
はい。盛り込んで、2月市会に提案したいと思っています。
記者
アーバンスポーツパークのほうなんですけれど、市としてそのメリット的なものを教えていただき、メリット、デメリット的なものを教えていただいても。
市長
やはりスポーツ振興というのは、これはそれこそ競技をされる方から見ても、見る方々から見ても、それから支えることにおいても、スポーツというのは非常に市全体としては、そのまちのエネルギー・活力につながりますから、私はこれは非常に大切なことだと思います。
その中で、大きなスタジアムであるとか、あるいはアリーナであるとか、京都を本拠にするようなものが、残念ながら京都を本拠として、プロスポーツを獲得できてないですけれども、その中で、やはり我々ができることの中で、何が意味があるか。
もちろんサッカーにしても、バスケットボールにしても、近隣の自治体と連携して、京都市民にとってスポーツを楽しめる、そういう土壌をつくっていくことはすごく意味がありますので、私は決して、サッカーのスタジアムが亀岡にできた。あるいは、向日市にバスケットボールのアリーナができるということについて、必ずしもネガティブに捉えてませんが、ただその中で、京都市としても何らかの形でスポーツ振興を進めていきたい。
これは当然のことながら、西京極のこと(総合運動公園)も含めて、我々としては大きな課題だと思っている中で、幸いにもこういう個人として、御篤志をいただいた方の、その御寄付によって、日本の中でも有数のこういうアーバンスポーツパークができるというようなめどが立ったということで、これはぜひとも実現したいというふうに思った次第です。
それ以外にも、もちろん京都のスポーツ振興は、しっかりと支えていかなければいけない点は、意識を含めて、たくさん持っておりますが。
記者
同じようにアーバンスポーツに絡めてなんですけど、向日市にもアリーナ整備に向けて、アーバンスポーツの施設の検討を進められたりとか、あと府の南部でも一定あったりとかします。改めてですけど、このパークの他との違いであったりとか、市長としてお考えの強みであったりとか、あとプラス、このパークが先ほど若い人たちに使われてほしいという願いがあったと思うので、若い人たちにとってどういうふうに思われるパークでありたいのかであったりとか、どういうふうに使ってもらいたいのかみたいなことについて、改めて伺えればと。
市長
私も宝が池だけでいいとは思ってないんです、前提として。ただ、今向日市の話がありましたから、申し上げれば、やっぱり京都のある程度北のほうの拠点、市内から、北部の拠点でありまして、いろんなスポーツ施設の分布上も、やはりここは重点を置きたいと思ったエリアであるということは、事実としてございます。
で、京都は、当然のことながら大学生が多い。京都の今後のまちづくりを考えていく上でも、若い学生さんの年代の人たちが、人口の1割いるっていうこと、この京都のまちの活力にどうつなげていくかという意味で、アーバンスポーツというのは、非常に大きなポテンシャルがあると判断をさせていただきました。
すなわちそれは、いろんな世代の方々がこれから楽しまれるポテンシャルがあると思うんですが、やっぱり特に若い世代の方々が、これはオリンピックの影響もあるんでしょうが、非常に親しみを持っておられて、その従来の、多分、私も大学の教員10年していて思うのは、非常にこう、しのぎを削るというような競技にばかり話が向いてないのが、ちょっと最近の若者の特徴としてあると思うんですね。
で、そのアーバンスポーツの特徴として、もちろん競技性はあるんですが、相手に打ち勝つというよりは、お互いに楽しむ。そしてたたえ合うという、そのスポーツの性質が、特に最近の若い方々がスポーツになじんでいただくのには、すごくヒットするんではないかなというふうに思ったことは事実です。
ただ、その若い方々が入口になって、ファミリー層であるとか、あるいはシニアの人たちが、もう一回手軽なスポーツとして、もちろん競技性が高いですから、レベルが高い人たちは高いけれど、もっと入口の世界でアーバンスポーツを楽しんでいただけるという余地もあるので、そういう意味でもこの2つのパークをつくって、より専門性、競技性が高いようなものに耐え得るようなものと、もうちょっと入り口に入れるもの、これは若い方も含めて、入門編の部分もあれば、競技性の高い部分もあるし、あるいはシニアの人たちも含めて、一緒に家族で楽しんでいただける、まさにその「子育てしやすいまち・京都」というもののコンセプトに合うんではないかなというふうに、判断した次第です。
記者
子育て、保育料の話に戻って恐縮なんですけれども、一点教えてください。松井市長は、子育てとか教育の分野においては、都市間競争みたいなことには与しないというお考えでいらっしゃることは承知しておるんですけれども、第2子以降完全に無料にするというのは、なかなか府内とか、全国どこでもやっている施策ではないので、かなりインパクトがあろうかと思うんですけれども、先ほど早く、急いでやりたいと思われたっていうところには、少し先行して打ち出したいという思いもおありだったんでしょうか。
市長
ありがとうございます。そういう思いが、ゼロかと言われると、ゼロではないかもしれませんけど。ただあんまり、何かこれやったら先行性が高いとか、それはやや後発性、後発組であるとかいうことで決めたというよりは、実際何が一番効果があるかなというインパクトですね。それと、やはり子ども医療費の点は、これはもう府市協調でずっとやってきてることでもありますし、京都府としてしっかり手順を踏んで、検討会も開いていただいていて、ちょっとこれは少し年度的には先になるのかな。7年度ということには必ずしも、今現時点ではまだ見通せてない点で、やはりこの切迫した少子化の中で、何かインパクトのあるものをやるとすれば、これは単費だけどこちらかなというふうに思っています。
もちろん府市協調で、子育て環境日本一を目指すという西脇知事の考え方と私は全く一致してますので、この子育て環境をよくしていくという意味では、これは単費でやろうが、あるいはいろんな形で協調で、二人三脚でやろうが、我々として、ひとつはしっかりして、子育て環境をよりよくしていくということにおいては変わりはありませんけれど、今申し上げたようなことです。
記者
保育料の無償化の関係で伺いたいんですけれど、府とも協議を、財源については重ねていたという報道もありまして、その辺りについて実際に重ねていたのか、府からはどういう回答があったのかというのを伺いたいんですけれども。
市長
京都府、西脇知事とは、もちろん事務レベルでもいろんな話をしてると思いますし、その事務レベルの詳細まで私は承知しませんけれど、西脇知事としては、いかに京都が子育てしやすい、子どもを産みたい、育てたいと思えるまちにするか。どういう施策メニューが、何が一番効果があるか。
それから、府は当然のことながら、府の府域の中にあるいろんな市町とも、施策的な調整も必要ですから、いろんな制約がある中で、何を一緒にやれるのか。何は、場合によっては私どもが先行するのかというようなことについては、一般的にはいろいろ話をしています。
ただ、本件について、どこまでどんな話をやり取りしていたかということは、これは私は公開すべき文面は全て公開しようと思いますが、そこを逐一どの施策についてどこまで、どの段階でどういうふうに話をしていたかというのは、これは2人の間のことなんで、つまびらかにはいたしませんけれども、様々な施策メニューについて、どのようなものを京都府と京都市が同じタイミングでできるのか。それともちょっとこれは京都市が先行したほうがいいのかなというのは、いろんなやり取りの中で、私が最終的に判断させていただいたものです。
記者
第2子の保育料無償化について、今後府のほうに、さらに府域全体に広げてもらうような取組を、京都市さんからアプローチされるっていう、そういう可能性はありますか。
市長
それは、府というよりは、できるだけ先ほど最初の御質問に申し上げたように、できるだけ財政力格差によって、子育ての環境が整ったり整わなかったりということがないほうが望ましいので、そういう意味ではまずは国に対して、いろんな子育てに関する、ある程度社会が責任を持つようなものをどうつくっていくのか、国レベルで考えてほしいということをまず申し上げ、そして、より広域的にはもちろん府ということもあるでしょう。ですから、それは政策メニューによっては、そうやって府に、あるいは府と連携して、子どもの医療費なんかは、府が連携して、累次にわたって拡充してきたものですから、そこは私どもとして引き続き負担というものもあるでしょうし、それは、これは国とかこれは府ということではなくて、国にも府にも、できるだけ自治体の財政力によらずに、子育て環境がよりよくなるような制度を求めていく。
当然府も国には求められるし、府は府の中で、できるだけそれがあまねく、府下のどの市町であっても、よい環境が整えられるようにということで、いろいろ御苦労されながら、支援をしていただいているものだと判断しております。
記者
就任から1年もたたずに、こういう形で、今回保育料無償化について打ち出されましたけれど、補正予算案とかで、なかなか盛り込めなかったっていう、そういう面もあるとは思うんですけれど、先ほどからいろいろな難しさについて語ってくださってますけれど、改めてその財源の問題とか、なかなか補正予算案とかには盛り込めなかった理由とか、どういうふうに分析されているかについて、教えていただきたいなと思います。
市長
私はこの種の制度的なもので、やはりお子さんに対してどういう支援をするのかというのは、あまり補正で取り組むべきものではないと思います。基本的には、当初編成で行う、何か緊急・臨時のものというものは補正で取り組むというものであって。なので、こういうものはやはり財政、厳しい財政状況の中で、私、公約でも掲げましたように、最初の半年間で、自分の目で市政の総点検するという状況の中で、先ほど本当に自信があるんですか、という質問に対して、胸を張って、いや、太鼓判を押せればそれにこしたことはないんですが、そこまでの自信があるとは言えないにせよ、ある程度一定の京都市の市政点検をする中で、13.5億って、非常に私の中で言うと大きい金額ですけれど、それは大きい金額であっても、今の少子化の現状、京都市の現状から言うと、ここでやはり政策的な一つの柱を立てるべきだというふうに判断した。それは当然補正とかでできる話ではなくて、当初予算でなくてはできなかったと思います。
特に私の場合は、最初の半年間で市政点検をしてから、それから次の年の予算編成、あるいはその予算編成に先立つ新京都戦略というようなものを議論する中で、やはり重点事項として定めて、その中で13.5億を捻出する。簡単に言うと13.5億というのは、ちょっとそういう短期、臨時的なもので捻出できるような金額では、私の中ではなかったということです。
したがって、当初予算を待つ必要があったということであります。
記者
保育料についてですが、今の京都市の現状についてちょっとお伺いしたいんですけれども、先ほど発言にもありましたが、子育てを重視していると。市は、京都市は子育てを重視しているというメッセージを、潜在的な京都市民を含めて、発信していきたいというふうに述べておられましたけれども、背景にはやっぱり今の京都市というのが、子育て少ししづらいまちであったりとか、あるいは他の自治体に比べると、少しコストが高かったりとか、そういったような受け止めでいらっしゃるということでよろしいですか。
市長
私はまずは、本来は、子育ての質が高いまちを目指すべきだというふうに思ってきております。それは、一定程度教育、例えば学力の評価などにおいて、この30年間の改革が実を結んでいる部分はあると思います。
で、さらにそれをよくすることができないかということで、新京都戦略の中にも、例えば学芸あふれるまちをつくっていくとか、いろんな項目を入れています。それは単に子育てって、小学校とか、あるいは保育園・幼稚園ということだけではなくて、より京都で人間を育てる、京都で暮らすということによって、より高い教養が得られて、高い学芸が得られて、あるいは本当に社会としての成員として、すばらしい人間が育っていくんだというまちをつくっていくということが、これは第一にあることは、もう言うまでもないことです。
言うまでもないことでありますが、やはり、京都の正直弱点、いろんな方々に、市民の皆さんとの市民対話の中で、何が弱点だと思いますかと聞かれたときに、やっぱりちょっと住宅の値段が上がっている。これをどうしていくか。あるいは、やはりそれとも関連しますが、子育て、他の市町、これは、私は何度も言うように、あんまり住民獲得競争みたいなことで、奪い合いみたいなことはしたくないんですが、ただ、他のまちに比べて、ちょっと子育てに係る費用が高いんではないかということを、その住宅価格も含めて、御指摘をいろいろ受けてくる中で、また出生率が下がるというショックがあって、ここはやはり質的なものを高めていって、京都で子育てすることの値打ちを高めるということと同時に、やはり経済的な負担について、あれだけ切迫した声が、実情調査で出ているわけですから、それに対して何らかの、自分たちの財政の中で捻出できる限りのことで、捻出できることは努力すべきではないかという判断で、今回第2子以降の保育料の無償化というふうに踏み切った次第です。
記者
アーバンスポーツのほうなんですけども、こちらは、メジャースポーツみたいなものでいうと、サッカーとか野球とかいろいろあると思うんですけれども、関西の他の自治体に比べると、京都ではあまり根づいてないように私は受け止めているんですけれども、今回そのアーバンスポーツに目をつけたっていうところで言うと、これは、他の自治体とは違った京都ならではの特色として、アーバンパークというものを押し出していくということになるというふうな理解でよろしいでしょうか。
市長
あえて申し上げれば、やっぱり文化のまち京都にふさわしいスポーツ競技の1つではないかなというふうに思ったということです。
あと、当然我々が投下できる財政的な、これは御寄付によるものですが、財政的な規模とか、あるいは他のメジャースポーツにおいて、若干本拠地が近隣ではありますが、京都市外に移ってる状況の中で、何か京都の中で京都らしいスポーツとして、しかも競技性も高くて、オリンピック種目になっているというものがここにあって、今、あまり盛んでないとおっしゃいましたけど、私の認識で言うと、京都には結構トップアスリートもいらっしゃいますし、それから私自身が、この例えばダブルダッチなんかに出会ったのは、まだ市長になる前に、これはどちらかというとカルチャープレナーのお一人として、指導者の方とお目にかかって、これはいかに京都のまちにふさわしいかというような話を、順々とお話を伺って、その頃から私はこのアーバンスポーツというのは、京都のまちとしては面白い視点があると。
要は、文化のまち京都、それから学生のまち京都、そして先ほどの繰り返しですけど、学生の最近の嗜好に合った、非常にこう徹底的に相手と競い合って、最後までしのぎを削るというよりは、お互いフェアプレーで、違う多様性でアピールするという、そういう思考に非常にマッチした新しいスポーツなので、京都としてここを、言葉悪いけど攻めるというのは、非常に面白いんではないかなと思ったというのは事実です。
記者
保育料の無償化の関係でお伺いします。年13.5億かかるということで、この効果をどう検証するかが、後々に不可欠になってくると思います。他都市を取材している中で聞いたのが、指標の1つの例として聞いたのは、保育園の入園者数が挙げられると思います。ただ、入園者数は宅地開発ですとか、保護者の働き方などによって変動するので、なかなか指標としては使いにくいという声も聞きました。
今後、この導入後に、この効果の検証の方法については、どのようにお考えでしょうか。
市長
これは率直に言って、この問題だけじゃないんですけど、私は、いろんな今後の成果指標の取り方・測り方というのを、全体的に考え直したほうがいいんじゃないかなと思うんです。
例えば、市内総生産なんていうのは、従来でいうと結構取ってるわけですが、ものすごく出てくる指標として遅いですよね。ですから、どういう形で、これが効果があったのか、あるいはそのことが、実際子どもを産もう、あるいは育てようということに、御家族のそういう判断を後押ししたのか、その後それがどう評価されているのか。貴重な血税ですから、血税をつぎ込むということなんで、何でもじゃあ無料化、財源があれば無料化すればいいのかということではなくて、どの分野に、どの部分には効くのか、効かないのか、どういう心理的効果を及ぼしているのか、これはもう成果指標のつくり方も含めて、これは新京都戦略全体について、私は言えることだと思ってるんですが、しっかり成果指標の在り方を考えていかなければいけないと思ってます。
おっしゃったように、何らかの形でフォローアップして、やりました、施策メニュー加えました、どうだっていうことだけではなくて、それが実際どういうふうに、例えば御夫婦の出産の判断に影響を及ぼしたのか。その後も、例えば京都で住もうという判断に影響を及ぼしたのか。あるいはそれが京都の豊かな暮らしにつながっているのかということを、評価していかなければいけないと思います。
これから、しっかり考えていきたいと思います。
記者
関連して、この施策の狙いの一つが少子化に歯止めをかけるということだと思うんですが、短期・中期的には今後子どもがたくさん生まれるという局面に移るっていうのは、なかなか考えにくいことであります。
で、この施策、一度始めたら、なかなかやめられないという側面があると思うんですけれども、そう考えると、市長のこの任期を超えたところで、後々の市政運営にも影響してくるだけの施策、財源としてのインパクトのある施策になると思うんですが、そういった意味で逡巡された部分もあるのかなと推測したんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
市長
それは正直言って、公約に掲げる段階で逡巡してますよね。本当にそれが、どこまで財源的になせるのか。だから、例えば給食費に関して言うと、これよりもさらに何倍かかかる、金額もですし、今は学校給食法によって、それは基本的に利用者から食材費をいただくということになってるというものですから。
ですから、やっぱりそれぞれの子育て関連の支援策によっても、やはり将来どこまでのことをそれで縛ることなのかということを考えて公約に書かなければ、私は無責任だと思っていました。ただ、その中で、第2子保育料の無償化は、私の公約の中で裸で書いてるんです。なので、もちろんそれは京都府と連携してとか、国と連携してやれるにこしたことはないんですが、ただ、給食なんかは、むしろ国に訴えるということを前面に出しながら、最終的にそれが実現できればいいねということを言っていたんですが、そことは違う出し方を私の場合は、市民の判断に委ねる公約として掲げているからには、これは私の中ではやり切らなければいけないものだという意識はありました。
一般質問
記者
別件で、和装関係についてお伺いしたいんですけども、ちょっと聞くと本日、市長和装で勤務されるのは就任後初めて。
市長
いや、執務室で着てることはありますよ。執務っていうか、行事があって。ただ、長時間和服で、朝から夕方までというのは初めてかな。長時間って1日の大半を、という。行事とかは和装で出てることは、何度かありましたが。皆さんにアピールが足りなかった。認識されていなかった。
記者
1年の最初の、市政記者クラブの会見ということで、2025年、年頭に当たっての抱負をぜひお聞かせください。
市長
抱負、あんまり抱負って用意してないんですけど。そうですね。やっぱり、最近あまりフルスペックって言ってないんですけど、自分が編成当初から責任を持つ予算、要するに、間もなく就任後1年が経つわけで、いつまでも青葉マークという言い訳は通用しないわけでありまして、そういう意味で、本当の意味で、新京都戦略にも書かせていただいた私の、それこそ市長公約である、「突き抜ける世界都市京都」というものを実現する、しかもそれを単にとんがって、自分さえよければいい、突き抜ける世界都市ではなくて、社会的な包摂ということを意識しながら、新しい公共という観点で、京都というまちが、本当に世界で唯一無二の京都の魅力というのを磨き上げていく、その初年度になろうと思います。
なので、新京都戦略もそうですし、ここでやや思い切った、京都の財政から見れば、結構思い切った第2子無償化というものを、年頭の会見で御説明させていただくような形で、京都がやはり新たなまちの可能性を拓いていく。
新京都戦略では、「ひらく」あるいは「きわめる」そして「つなぐ」というキーワードを3つ、漢字をそれぞれ2つずつ充てて、京都のまちづくりの骨格の概念として、皆さんにお示しして、今、パブリックコメントをいただいてるところでありますが、やはり京都の将来を切り拓く、そういう年にしていきたいと思います。ですから、開拓の「拓」ですね。拓く年にしていきたいと思っております。
記者
2点目なんですが、いよいよ大阪・関西万博が近づいてまいりましたが、この万博の京都への影響ですね。よい面と、もし危惧される点がありましたら、どのような点なのか、教えてください。
市長
危惧される点というよりは、私は、よい点がたくさんあると思います。それは何かというと、世界中の人が、それはどれだけの人数になるのか分かりませんが、少なくとも万博会場を訪れて、大阪・関西万博ですから、その前後に京都にお立ち寄りいただく。京都のすばらしさ、美しさというものを、世界中の方々がさらに知っていただく、一つの大きな機会になりますし、それから逆に言うと、我々京都にいる人間から言うと、京都が持っていたすばらしい宝のような資産、それは単に文化財ということだけではなくて、まちのカルチャーであったり、生活文化であったり、あるいは京都にある企業であったり、そういう京都のすばらしさを世界にアピールして、それに磨きをかけていく一つの大きなきっかけになると思うんです。
ですから、私がずっと言ってるのは、万博会場だけの万博ではなくて、ぜひ京都においでください。京都のまちに、できたら少し長く滞在していただきたい。そして、有名な観光地に行っていただくのはもちろん結構なんですが、それ以外の京都の人々の暮らし、あるいは京都の人々のなりわい、あるいは、京都の人々の持っている産業・文化、これを世界の目で見ていただきたいし、京都の人は、それを世界の目を意識して、さらに磨く一つのメモリアル・イヤーにしていきたいという意味では、メリットしか思いつきません。
あえて、何らかの課題ということを言うならば、それはやはりオーバーツーリズムだと思います。
今でも、非常に春秋のハイシーズンのときには、観光地中心に大変混雑で、市民の皆さんにも御迷惑をかけている面があります。これが万博で、さらに多くのお客様が来られてしまうと、1か所に集中してしまうと、観光集中による1つの問題点が、さらにクローズアップされる可能性があるので、これはできるだけ、それこそ府市協調、あるいは国とも連携して、周遊観光であるとか、観光客の方々に文化の違いをしっかり認識していただくことであるとか、あるいはごみの問題をどうするかというようなことを含めて、あるいは、公共交通の在り方、これなかなかしんどいところは正直言ってあります。観光特急バスも比較的堅調に、特に秋になってから数は増えていますが、肝心の車両台数とか運転士さんの数が確保できません。欠員が相変わらず生じている状況です。
なかなか簡単にはいきませんが、しかし、少しずつでも対症療法としての観光集中の緩和、ごみ箱をどれだけ設置できるかとか、あるいは将来的にどこまでの負担で、京都市がそういう問題に対して対応できるのか。これは宿泊税の課題にもつながってくるでしょう。
この折、EXPOイヤーも一つのきっかけにしながら、どうやって多くのお客様を、京都がこう滞在していただいて、快適に市民生活と観光客を両立する。あるいは、調和ある観光と市民生活を実現していくために、どのように我々はまちづくりをするのかということを、この1年通じて、我々自身も、さらに制度的に磨きをかけていきたいと思います。
そしてその先には、恐らく宿泊税をどのように用いて、観光と市民生活を、より調和ある形で両立させていくかというようなことを考えていく1年にしなければいけないと思ってます。
記者
和装の関係でお尋ねしたいんですけれども、門川前市長が和装を着ておられた理由としては、和装振興していきたいと。その広告塔になるという狙いがあったかと思います。一方で、この間、和装業界の工賃の低さが、人材難と高齢化を招いて、その背景には需要の低迷があるということだと思います。
いろんな施策、市としても打ち出してきてると思うんですけれども、なかなか根本的な課題の部分には、なかなか踏み込めていないというのが現状だと思いますが、改めて和装振興への思いがあれば、お伺いしてもよろしいでしょうか。
市長
私も門川市長のようにはなかなかいきませんけれども、頑張って、節目、節目では和装で仕事をして、皆さん方に私がどれだけアピールになってるかどうか分かりませんけれど、和装というものを意識していただければと思っています。
それ以外にも、子どものときから和装に親しんでもらうような、七五三とか十三参りとか、あるいは和装の日というのを作って振興するとか、いろんな行事を、今日もこの記者会見も、前の前の賀詞交歓会が織商さんの新年会だったと思うんですけど、そこでもいろんなこの日にこういう和装を着て割引というのを作るから、こういうのを協力してほしいというような話もありましたから、しっかり和装業界の方々の声にも耳を傾けて、そしてまた府市協調で、というのは、京都市内で和装文化をどう高めていくかだけで、和装が振興できるわけではなくて、やっぱり産地から巻き込んだ、川上から川下までの全域を判断した、カバーした政策をどう作っていくのか。
あるいは、和装とアート、先ほどアーバンスポーツの点で申し上げましたけど、これからも担い手をどう育てていくというときに、若い方々がもっと和装とか、伝統産業に関心を持っていただくようなインターンシップをどう作っていくか。
あるいは、海外の方々が、本当に京都に来られると、東京でも海外の方多いですけど、やっぱり京都に来ると圧倒的に和装されるんですね。それだけの美しさが和装というものに備わってるということを、さらに海外にどう展開していくかということも含めて、皆さん方なかなか今の、原材料高、円安、あるいは人手不足、後継者不足、どうしてもこううつむきがちになるところを、どうやって、若い力をマッチングさせていって、あるいは海外の目とかもしっかり取り込んで、海外の人材を、例えば伝統産業の将来につないでいくとか、あるいはアートと伝統産業をどうつないでいくか。これはちょっとまだまだ工夫のしようがあるんじゃないかと思ってるんです。
そういう意味では、西脇知事と府市協調で、高校生の探求EXPOみたいなことが昨年できて、これも今年も継続したいと思ってるんですが、ああいう形で、何か伝統産業と将来につながるようなことで、府市協調できませんかね、機運醸成も含めて、できませんかね、ということは、議論はしているところであります。
何か、まだ具体的な知恵が湧いてるわけではありませんが、これからいろんな方々のお知恵を伺いながら、京都の圧倒的な、何て言うか魅力であることは事実だと思うんですね。この和装文化含めた伝統産業の文化というのは。これを次の時代にどう生かしていくかは、京都全体の課題だと思います。
記者
ちょっと冒頭にもありましたけれども、能登半島地震、1年に、能登半島地震から1年ということで、京都市の場合は、七尾市中心に人材の派遣ですとか、寄席とか、いろいろ支援されてきたと思いますけれど、やはり継続的な支援っていうのもまだまだ必要だと思うんですけれども、また何かもう1年になり、思われることを、改めてお願いします。
市長
やっぱり今行ってる支援、長期支援の4名の方々が残っていますけれど、私が秋にお邪魔したのは、その4名の方々の行政支援というのは当然必要だし、現時点でですね。それをどうするかは、ちょっと今後状況を見ながら、判断していかなければいけないと思うんですが。
同時にやっぱり心の支えみたいなことを、絆をどうつくっていくかという意味においては、やはり文化的に、能登半島と京都というのはつながってるんで、その絆というのを大切にしていきたいと思います。
ですから、市民寄席というのをやらせていただいたんですが、非常にやっぱりお互い上方文化の中で、笑いも共通なんだなと思って、その御当地の出身の上方落語のはなし家さんもいらっしゃったりする中で、そういう意味では、文化的な共通性というのを意識しながら、心の支援というのは続けていかなければいけないのかなと思っております。
記者
ちょっと柔らかい話で恐縮ですけれども、市長就任されて、初めての年末年始だったと思いますけれども、市長どのようにお過ごしになられましたか。
市長
年末年始は、少し時間も、プライベートの時間も取れましたんで、家族との時間、友人との時間も取れて、多少リフレッシュできたと思います。
と言っても、本当に市役所の職員、特に、交通であるとか、あるいは消防であるとか、水道であるとか、そういう現業の職員は、サービスに休日はありませんし、それからシステムの改修、あるいは財政で、27日まで政策ミーティングの予算のいろんなヒアリングに対応していただいて、その宿題を年末年始も含めて、休日を一部返上してやってくれた職員もいるので、全体として私は随分、家族との時間、友人との時間を持てましたので、ありがたい時間でしたけど、しっかり働いてくれた人は、その年末年始分、しっかり別のところで休みを取っていただきたいなと思っています。
そういう意味ではいろんなことに感謝する年末年始でした。
配布資料
配布資料
- PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。同ソフトがインストールされていない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Reader をダウンロード(無償)してください。
お問い合わせ先
総合企画局市長公室広報担当(TEL:075-222-3094)
子ども若者はぐくみ局幼保総合支援室(TEL:075-251-2390)
文化市民局 市民スポーツ振興室(TEL:075-222-3135)