スマートフォン表示用の情報をスキップ

市長記者会見(2024年12月18日)

ページ番号335856

2025年2月10日

 「「オンラインの居場所」実証研究の実施~メタバースを活用した不登校の子どもたちへの新しい支援~」について、京都市長が記者会見を実施しました。

※発表内容は、令和6年12月18日時点の情報です。

ピックアップ動画

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

https://youtu.be/lz2W-jD2vEU外部サイトへリンクします

また、当日の配布資料はこちらをクリックしてください。

(発表案件)「オンラインの居場所」実証研究の実施~メタバースを活用した不登校の子どもたちへの新しい支援~

(松井市長)

 こんにちは。お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 今日は発表案件として、お手元に配付しておりますA4横長の「オンラインの居場所」実証研究の実施、この資料について御説明を申し上げます。

 1ページ目、1枚おめくりください。不登校の子供たちが全国的に増加しておりまして、ちょっと待ってくださいね。

 はい、不登校の子供たちが全国的に増加しておりまして、京都市でもペースは、この直近に比べて鈍化したものの増加傾向にございます。12月4日に「新京都戦略骨子」発表させていただきましたが、その中でも、「未来を担う子ども・若者を共にはぐくむまち」を実現する施策の1つとして、不登校等支援が必要な児童生徒への取組の充実を取り上げさせていただいております。

 この間、京都市の教育委員会、学校の現場の先生方大変御努力いただいて、政令都市トップの学力水準を達成してきているということは、私は大きな成果だと思いますが、同時にやはり現状の中で、少なからずの児童生徒が不登校という状態になっているということは、私自身も深刻に受け止め、そして教育委員会の皆さんにも、それを何とかできないかということで、この秋から、このオンラインの事業について試行的に実施してきているところであります。

 もちろん、このオンラインの事業だけではなくて、京都市では学びの多様化学校、教育相談の中核施設であるこどもパトナの設置など、取組を進めてまいりました。それに加えて、今申し上げましたように、この10月から、メタバース支援というものも活用したオンラインの居場所を、ふれあいの杜に通級してる子供たちへの協力をいただいて試行実施してきたということでございます。

 2ページ目、すみません。本事業の特徴について御説明申し上げます。

 1点目は、子供たちの参加意欲をかき立てる学習テーマということでございます。継続して参加していただけるように、教科横断的な、子供たちにとって、関心、興味の高いテーマから、簡単な実験とか工作というものも取り入れて、達成感を実感できるような、そんな教育内容をテーマとして取り上げてございます。

 2点目は、オンライン環境ならではのコミュニケーションの広がりでありまして、これは不登校の生徒さん、児童生徒さん対面の会話が苦手という方が多くございます。例えばチャットで文字を打つということについては抵抗感がないという方もいらっしゃいますし、それから自宅で顔を出さずに匿名で参加できるということで、その学習への参加のハードルを下げていけるという、そういうコミュニケーションを広げる、オンラインならではのメリットがあると思います。このまず試行実施では、この下に書かせていただいてるように、理科教育、防災教育、プログラミング教育ということを、月次でテーマに取り上げさせていただいて実施しておりまして、この1月からの実証研究では、伝統文化、消費者教育、外国語教育というものをテーマにする予定でございます。

 次のページお願いします。これが具体的な画面のイメージです。オンラインの。メタバース空間に設けた仮想教室に子供たちが集って、事業者、教室の先生ですね、の授業や、発問、問いかけに対して子供たちがチャット機能も使って交流をすると、画面上部のこの左側で顔出しておられるのが先生で、カメラオフで参加をしているのが生徒たちであります。「科学技術と聞いて思い浮かぶことは何だろうか?」ということがテーマで、例えば「コンピューター」とか、「スマホ」とか、「宇宙」とか、「電子レンジ」とか、いろんな自分の答えをチャットの中で発表していくということでございます。事業運営は、この京都を中心に学習塾を展開されて豊富な教育コンテンツとノウハウをお持ちの株式会社成基さんに委託しております。

 4ページ目をお願いします。この試行実施10月から行ってきたところの今日までのアンケートの結果ですが、子供たちからは、そこに書いてあるように、「人が目の前にいないので緊張せずに参加できた」とか、「いろんな人の意見を知ることができた」「楽しかった」「まあまあ楽しかった」という声があって、9割が楽しかったという回答であります。保護者からも「久しぶりに同年代の子供たちと話した」とか、「なかなか嬉しそうに話してくれている」ということとか、「良い変化があった」というアンケート結果が6割を超える結果をいただいております。

 次のページお願いします。このねらい、「オンラインの居場所」というプログラムのねらいでありますが、参加しやすい、オンラインの優位性というのを生かして子供たちの支援の入り口とするというのがねらいでありまして、10月からの試行実施では、メタバース上で京都市青少年科学センターの展示につながる理科教育に関する授業を行って、実際に京都市青少年科学センターに校外学習するという仕掛けで、オンラインから、オンラインの居場所、それぞれの御自宅から実体験につなぐという取組を行いました。科学センター学習ではオンライン学習の参加者、これ、最後まで残って今まで継続的に参加している人たちが20名あまりなんですが、そのうち半分近くの10名が科学センターの学習に参加してくれまして、それなりの手応えを感じているところであります。さらに、京都市のメタバース空間である京都館PLUS Xに仮想科学センターを構築し、事後に子供たちが学習の振り返りを行って、興味関心を持ったテーマについて学びを深めました。

 次のページお願いいたします。この実証研究参加者を、年明けの実証研究参加者をこの後募集したいと思います。令和7年1月から3月の毎週水曜日、全10回で実施をいたします。対象要件、あるいは定員等は、こちらに記載のとおりであります。約300名程度にお声がけして、約40名弱ぐらいの人が登録していただいて、親御さんが登録されて、なかなか最初から参加できないという方も数名いらっしゃいました。それから、最初何回かだけ参加して、その後参加が芳しくないという方も何名かいらっしゃいましたが、半分以上の児童生徒さんが、この試行実験、この10、11、12の今日に至るまでは継続してくれています。

 今回は、これまでの我々自身がきちんと対面で不登校の生徒さんにアクセスしている。その母集団にお声がけをしてきましたけれど、今度は新たに一般のどなたでも、これに実証研究、1月からの実証研究には御参加いただけるように、間口を広げさせていただきますので、ぜひ、この実証研究、1月から3月は実証研究、そして、その結果も踏まえて、来年度、令和7年度、それをさらに、その実証研究の結果も受けて予算に反映し、そして本プログラムへとつなげていきたいと思っておりまして、そういう意味では参加に当たってはアンケートへの御協力をお願いしたいと思っております。なお、お申込みを希望される場合には、在籍されてる学校にも御相談いただくことになると思います。

 不登校の背景というのは、いじめとかいうふうに言われることがありますが、実際、不登校に対応している専門家の声を聞きますと多種多様でありまして、できる限り我々はこういう最新の技術、民間の潮流というものも連携をして、そのうえで一人一人の御事情に応じたきめ細かな支援を、今後も充実させていきたいと思います。

 私からの冒頭の本日の皆さんへの発表案件は以上でございます。

質疑応答

発表案件に関する質問

記者

 1点お伺いしたいのですが、今説明もしてくださっていた10月の先行実施の結果として、一部子どもたちの声も紹介いただいてますけれども、もう少し何かデータですとか具体的なエピソード等で、子どもたちに変化が見られたりとか、例えば何か挑戦をしてみたことなんかが地域で出てきたということであれば、ぜひお聞かせいただきたいのですがいかがでしょうか。

市長

 まず、では数字のほうを。もしあれでしたら後は教育委員会に再度細かいことは聞いていただければいいと思いますが、10月当初の利用登録者、先ほど申し上げましたように親御さんが登録されているケースも多いと思うのですが、それは(開講当初)39名で、そのうち、ちょっと残念ながら参加がなかった、恐らく親御さんは登録されたけど御本人が参加に至らなかったという方が5名いらっしゃいます。したがってその残りですけれど、34名のうち12月まで継続しておられる方々が26名、1回から4回までの、その最初の一月の参加があったという方が8名という状況で、我々から見たら、なかなかそれなりに続いているかなと。それから先ほどのアンケートの中で、御本人も9割の方が楽しかったとおっしゃっているし、保護者の方も手応えを感じていただいた方が6割ということで、それなりの効果があったと思います。

 具体的な手応えということの事例で申し上げますと、6年生の男子の児童が、もともとこの方は、これは基本的に年内の事業は、このふれあいの杜という、我々の不登校の児童生徒さんに対するプログラム、対面のプログラムに入っている方々を対象にしたものなのですが、このお子さんは、なかなかふれあいの杜で、昨年度も申請されたけども思うように手続が進まなくて、ふれあいの杜自体の支援に繋げられてないような状況があったお子様なんだけれど、その方がこのオンライン授業の理科の教育に参加されて、いろいろこういうオンラインでの授業に参加された結果、御自身が科学センターの学習にリアルで伺いたいというようなお話があって、これまで、そのふれあいの杜で対応していた先生方から見ても、その変化が対面ではなかなか困難だったのが、このオンラインで非常に興味を持たれて、自らその科学センターの学習に参加したいということでリアルの科学センター学習に参加されたというのはちょっと驚きで、やっぱりこういうオンラインというツールを使ってアプローチすることによって、単にオンラインで学習が続いているだけじゃなくて、対面学習、そこに現地に行ってみるということに繋がったという手応えを感じておりまして、やはりそういうケースがあるんじゃないかというのが専門家の評価でございました。なので、これが理科教育でそれが何らかのこのお子さんの心に刺さったと。それはじゃあ歴史だったらどうなのか、あるいはプログラミングだったらどうなのか。いろんなテーマをこのオンラインということの比較的ハードルが低いというところでいろんなテーマを提示して、必ずしも皆勤ということでなくても、この分野について関心があって、その分野だったらちょっと対面のほかのお子さんたちと一緒の学習現場にも行ってみようということが、そういう動きが出たならば非常にありがたいと思っておりまして、これは我々は、やはり基本は、例えばふれあいの杜に対面で来てもらう。その後はやっぱり学校に何らかの形で、普通の教室に入れなくとも学校の中の施設に来ていただいて、そして登校に困難を期すような生徒さんたちが学校に復帰していったと。順を追って、その人の状況に応じてきめ細かな対応をしていきたいと思うので、明らかにそういう形で効果があるというものが数字的にも、あるいは今おっしゃったエピソード的にもあるものですから、これをさらに1月から3月の実証実験で細かく分析して、本実施につなげていきたいと私は考えています。 

記者

 今回のこのメタバースを活用して、不登校の子どもを支援するという取組。自治体として、このメタバース空間を不登校支援のために用意するというのは珍しいのでしょうか。

市長

 どうなのでしょうか。教育委員会の方から後で。割と先行的な取組と聞いていますが、じゃあ他の自治体が全くなかったのかどうか。恐らく事例として京都が初めてということではないんじゃないかとは思いますが、まだ先行的なのかもしれません。あるいは、それぞれが例えば、私なんかが関心持ってますのは、さいたま市なんかは不登校率も低いですけれども、もちろん不登校の比率は上がっていますけれど、直営でやっておられるというようなものがあって、我々としてはこういう専門の、こういうそもそも不登校の生徒さんに対する取組をやっておられる成基さんというところのノウハウを活用してというのは比較的珍しいかもしれません。幾つかの自治体は、恐らくこのオンライン活用というのはやっておられる自治体があったとは思っております。教育委員会においては、そういう事例も研究した上で、やはり京都ならではというのは、やはり先ほど申し上げたように、京都はやっぱり学校現場にできるだけ戻していく、この子たちを戻していく。例えば民間に委託をして不登校対策で、そういう民間の方々が全部やってくださいといって、そこに対する経済的支援を行うという流儀もあると思います。ただ我々としてはやはり、基本はできるだけ公教育に繋いでいきたい。その繋ぎ方というのは段階があります。ふれあいの杜というところでしっかり来ていただくというやり方もあれば、それぞれの学校に何らかの形で、普通クラスに戻らなくても学校の中の特別な教室に戻っていただく。それをその子の環境に応じて、あるいはその子の学習環境に応じて、公教育の中でそれを受け止めたいというのが恐らく京都の特徴ではないかと私は思います。

記者

 先ほど市長おっしゃられたように、不登校になる原因というのは本当に多種多様だと思うんですけれども、いじめの他に学習面のつまずきとか人間関係のトラブルとかがあると思うんですが、このオンラインでの取組というのは、どういう子どもたちにアプローチし得る効果が見えるような取組になってくるイメージでしょうか。

市長

 ですから、それは一概に、こういう子どもたち向けということは言いにくいんではないかと思います。非常に学習態度も真面目で勤勉で成績もよかった子が、何らかの理由で何らかの挫折感で例えば急に学校に登校する意欲が失せてしまうという事例もありますし、先ほど申し上げたように、いじめとか人間関係とか家庭環境とかいろんなことが複合的に絡まっているというふうに聞いておりますので、この子たち向けのプログラムということではなくて、いろんな子たちが、やはりちょっと学校に通えないという状況になった時に、そのふれあいの杜の、例えば対面でもなかなかしんどいという時に、いかにその子たちへの一つのパスを、道筋をつなげていくか。それをずっと継続的に僕はこういうのに参加してくださったらすごいありがたいと思うし、その39名中26名の方々が月をまたいで3か月間継続して参加していただいているのはありがたいと思いますが、継続参加が必須というよりは、このテーマだったらちょっと話をしてみようかということで、それが自分の関心というものを刺激して、じゃあそれをきっかけに部分的にじゃあ、他の方々と一緒の学びというものに戻っていこうというような道筋がいろんな方々のその事情に応じて、その道筋を開けられれば意味があるんではないかなと思っています。

記者

 不登校児の問題がコロナ明けからすごく顕著に出てきて、実際に人数もすごい勢いで増えていると思うんですけども、キャパの面で言うと、例えばその対面であったり、ふれあいの杜というのがあったりとかすると思うんですけども、そういった今後も増加していくというふうに見られる中で、京都市としては今後拡充するとかそういったお考えは。

市長

 何を拡充ですか。

記者

 そういったキャパを拡充していくような考えとか。このオンラインも含めて、今後の展開を教えてください。

市長

 それはまさにどれぐらい、例えばこのオンライン学習でいうと、今は40名の枠で、最終的に12月まで残っておられるのは26名の方が継続参加されてますけれど、したがって40より、まだ枠があるわけでして、その空いた枠を使いながら、基本40名というところで実証的なこの学習も続けていきたいと思いますけれど、これはでも例えば40名を超えたらもうそこで打切りということは考えてなくて、このオンラインの性格もありまして、多少その上限が増えても、先生方が管理できない、例えばチャットなんかを読み切れないとかいう数になってしまったら、これはよくありませんから自ずと限界はあると思いますが、若干弾力的にやろうと思っております。それを踏まえて、それがどれぐらい我々に対して問合せがあるのかというようなことも踏まえて、それから1~3月の実際のその引き続きの実証の学習の結果の検証も含めて、これは7年度にじゃあどれぐらいのキャパシティーでどれぐらいの枠でこのオンライン学習を行うのか。あるいは、そのことによって例えば掘り起こされるふれあいの杜の事業について、もう少しニーズがあるんではないかというようなこともあるかもしれませんし、全体としてこの不登校の児童生徒の方々の学びの意欲をどうやったら喚起できるか。もちろん我々は不登校の児童生徒の数が増えてるというのは、もちろんそういう社会的な問題がそこに横たわっているということの、それからそれがやや深刻化しているということも趨勢としてあると思いますが、同時にやはり、こういう制度が出来上がったんだということで、今まではその水面下に隠れていたものが現れてきた。あるいは、今までも不登校的な状況であったものがしっかり学校にも御相談いただいたというような面もあって、今後やっぱり、私は行政ニーズとしての不登校対策、公教育ニーズとしての不登校対策というのは基本的にもう少し広がっていくんではないか。これはあんまり不登校の数が増えてほしいという意味ではなくて、潜在的なものまで含めて、そこはしっかりカバーできてなかったところがあるんじゃないかと思うので、実証のこの結果をしっかり踏まえつつ、そのおっしゃるキャパシティーについても適切にそのニーズがあるのであれば、それは拡充していかなければ。学力に優れた児童生徒を育てるというのは、これも非常に大事なことですが、やはり誰も取り残さない教育ということも大切なものですから、我々としては今後もこの不登校への対応という分野の行政ニーズというのはまだまだあるんではないかと、対応を強化していかなければいけないのではないかと考えています。

記者

 義務教育は小・中ということだと思うんですけども、そういったところで、こういった学校に行ける人と学校に行けない人で差が出てしまうという点で、京都市は先進的にやっていますが、自治体間格差であったりとかということが出てきてしまってる現状もあるのかなと思うんですが、これは国に対して、もっと一元的に支援をしてほしいとかいった京都市として何か要望があれば、お考えをお聞かせください。

市長

 これは私がいつも言ってることですが、その教育・子育てというようなものは、我々もできるだけ、どういう家庭にそのお子さんが生まれられたかということにかかわらず支援をしていくべきものだと、できるだけそうあるべきだと思っておりますし、それは当然のことながら地域の財政力格差とか、あるいはそれぞれの地域における様々な社会経済的な環境の中で、その対応に格差があるというのは特に義務教育期において、そういう格差があることは望ましくないと思いますので、これは我々も折に触れて文部科学省などに対して、しっかり我々の取組、それから我々がこの実証研究でどのような課題を発見したのか。あるいは、どのようなその課題解決の道筋を発見したのかということは、できるだけ共有していきたいと思っています。そして、国家的な要望の中にも、それを織り込んでいきたいと思います。

記者

 このオンラインの居場所の件でお伺いしたいんですけれども、まず6ページの対象要件について、参加されるに当たって2点、子どもさんないし親御さんがこの取組を知るということと、その子どもさんが所属している学校側の理解2点、結構必要になってくるのかなと思うんですけれども、それぞれどのようにアプローチする見通しでしょうか。

市長

 これは当然のことながら、こうやって広くオンラインも含めて、あるいは当然この今日の会見の結果、例えばXで京都市情報館でも発信するとか、いろんな形でその当事者である児童生徒の方々も、実際今学校にアプローチできていない方が多いものですから、そういう方々の目にも触れるようにしていきたいと思いますし、その意味でも皆さん方の御協力をぜひお願いしたいと思います。

 と同時に、やはり保護者さんを通じて学校現場、我々としてはやっぱり公教育の現場にどう繋いで、公教育自身の変質も含めて対応しなければいけないと思いますので、その教育委員会を通じて、全ての公立校にしっかりと我々の取組を周知徹底して、そして特に課題のありそうな児童生徒に、あるいはその保護者にしっかりこのことを先生方から伝えていただかなければいけないと思います。決して不登校を進めているわけではないんですが、ぎりぎりしんどい状況の中で、不登校まで至らなくても非常に欠席がちであるとか、あるいはいろんな病の中で出席日数というものの対象から除外されてるけど、実際問題は学校に出てない日数が多いというような児童生徒もいらっしゃると思うんです。そういう方々に対して、このオンラインの居場所の事業もそうですし、こういう窓も京都の学校は開いているんだということを認識していただくというのは、学校現場から保護者、あるいは学校現場における本人、そしてそこの不登校に至ってしまって、そこのコミュニケーションが非常に取りづらくなっている御本人それぞれにしっかりアプローチしていかなければいけないと思っています。

記者

 5ページ目の試行実験参加者の声の方からお伺いしたいんですけれども、89%ほとんどの方が楽しかったとお答えになっている一方で、ごく少数ながら11%楽しめなかった子どもたちもいらっしゃるのかなと思うんですけれども、もし具体的なその理由があれば、その理由と、そこから試行実験、次の実施される実証実験から本試行に向けて、今のところ感じられている課題感みたいなものがもしあればお聞かせください。

市長

 これは私が申し上げるより、後でぜひ個別の部署に問い合わせしていただいたほうが正確だと思うんですが、私が同じ問題意識で確認しましたのは、例えばさっきの画面でチャットってありますよね。あのチャットでいろんな人がどんどん書き込んでいくことに対して、やっぱりチャットで書いたものは表に出るわけですよね。そのことについて、そのチャットの画面が出ていろんな人が書き込んでいく中で、自分も書かなきゃという、それがまたプレッシャーになってしまうというような児童生徒さんもいらっしゃったと。だから例えばそういう人に対しては、もうチャットの画面自体を見えなくして、御自身のペースで思ったようにプレッシャーを感じずに書き込めるような取組が必要な場面もあると。例えばそういうような形で、オンラインの画面ですから、比較的我々から言うと自分の顔も出ないけれど、人によってはこのチャット画面自体がプレッシャーになるようなこともあるというようなケースもあって、いろんな理由があると思います。やってみて、それが本当にその実験のようなものが本当にどこまで現実感が、我々としてはいろいろ現実感があるように取組を進めてますが、それはどこまでリアリティがあったのかとか、いろんな評価があると思いますが、詳しくは現場に聞いていただいたほうが、より適切だと思います。

記者

 このオンラインの取組に参加しますと出席扱いになるのでしょうか。どのような扱いになるのか教えてください。

市長

 すごくそれ大事なポイントで、結論から言うと、それは学校側の判断で出席扱いにもし得る。ただこれは文部科学省の通知がありまして、その通知は、学校外の施設において相談指導を受け、社会的な自立に向け懸命の努力を続けている者もおり、このような児童生徒の努力を学校として評価し、支援するための出席扱い制度ということになっているそうでありまして、具体的にその校長先生が、その具体的な要綱で定める場合において、当該児童生徒の社会的自立や学校復帰に資する目的に照らし、有効かつ適切であると判断できるときは指導要録上の出席扱いにすることができると。したがって、ここは我々にとって大切なことだと思っているのは、民間のフリースクールに委ねるということではなくて、学校側と教育委員会がしっかり連携して、保護者の同意の下で、例えば今回でいえば株式会社成基さんから、しっかり例えば在籍校に出席レポート、こういうふうに出席されてましたよということをレポートを送っていただいて、これは保護者の同意が必要ですよ。その上で校長先生が今申し上げた要綱で定める場合において、これは当該児童生徒の社会的自立・学校復帰に資する目的に照らして有効かつ適切な出席なんだというふうに判断できる場合は指導要録上の出席扱いにすることができるということですので、ここでも学校とのパイプをつなげていく。民間の事業者のノウハウは活用するけど、そこのどんな出席状況だったのか、どんな対応をしているのかということを学校現場につなぐことによって、そして学校が、この今の状況でいうと、これはしっかり復帰に向けて努力をしてるんだというふうに認められる場合は出席扱いとするという道は開いてございます。それが我々の京都方式のいいところだと思います。ちゃんと学校現場に繋ぐというのをふれあいの杜事業を通じて繋いでいるし、これからは学校現場と、この委託を受託された事業者との間も、ちゃんとパイプを通すと。それから委託事業者においても、そういうパイプをしっかり通してくださいと。その努力をしっかりして学校現場に判断材料を、これは保護者の御了解を得た上で判断材料を与えてくださいというようなことをお願いしようと思っております。

一般質問

記者

 先日の市会で小中学校の給食の無償化を求める決議が全会一致で可決されています。決議では、市独自の財源での実施も含めての検討を求めていることと思うんですけれども、まず市長の受け止めと今後の対応について、御予定あればお聞かせいただけますでしょうか。

市長

 市会で、今御指摘あった、決議があったことは、これは重く受け止めなければなりません。私も市長選挙の公約で給食の無償化、これは私自身も、なかなか自治体財政でそれは独自でできるかどうかというのは非常に厳しいと思いましたので、裸で給食無償化とは言ってませんが、給食の無償化に言及したことは事実でありますから何らかの道筋をつけたいという思いはあります。他方で、これは今の法律で、皆さんそのことを忘れておられる方が多いわけですが、学校給食法において、給食献立に使用する食材費は保護者負担とするということが決められているんですね。ですから、その前提の中で既に京都市はやってます。一部例えば食材費の高騰分、物価高騰に伴う分を公費で負担してるとか、あるいは経済的に厳しい就学援助世帯については給食費を全額公費負担にするとか、その法律の例外的なことをやっていますけれど、このやっぱり国の法律でそういう制度とするということを決めてるという状況の中で、それは逆に言うと、国は一つのその制度運営の責任を追ってるわけでありますし、先ほども別の記者さんの質問の中でありましたけど、やはりそういうことについて、本来は自治体の財政状況に応じて、それができたりできなかったりというのがあまりに過ぎるというのは私はそのナショナルミニマムというのをどう考えるかということにおいて問題があると思っています。なのですが、しかしお子さんにとっては国と自治体が今申し上げたようなことを言っていても、個々のお子さんとか御家族にとっては、それは行政内部の話でしょうということになって、私としてはできる限り、それは給食については全員制給食を行うことが、私自身が育った時分の身の上を考えても、やっぱりみんなで同じものを食べる。その御家庭によっていろんなお弁当があったほうがいいんじゃないか。それは自己責任でやったほうがいいんじゃないかという保守的な考え方も僕は一定理解しますけど、でもできるだけ皆さんが同じものを同じ釜の飯を食べるという話がありますけれど、同じものを食べる、その全員給食が望ましいし、そしてそれができるだけ経済的な負担なく学校現場の教育活動の一環で行われてるわけですから、経済的な負担ができるだけ薄く行えたほうが望ましいと思っています。ただ、これもう御承知のように、これを小中学校全部でやると年間46億円という経費がかかるわけで、ちょっと今の京都の財政から見ると、私も一次編成、二次編成、今年度編成を行いましたし、今も7年度編成の議論が始まっていますけれど、この46億円を捻出するというのはなかなか至難の業で、というのは、子育て関係でもいろんな今後の子育て環境を良くしていくために、いろんな政策メニューがある中で、これを私自身が今いろいろ考えて、まだ考えあぐねていますが、その中でこれを先行的に行うというのは、ちょっとなかなか直ちにはしんどい。しかし、中長期的にというか少なくとも私が市長任期を見据えて決議をいただいたわけでしょうから、その中で今後の課題として、これは重く真摯に受け止めなければいけないと考えています。

記者

 北陸新幹線に関してお伺いします。一部の報道でも、仏教会からの懸念を示すような声が上がっているというものがございます。市長もこれまで様々な懸念は示されていますけれども、なかなかやっぱり仏教という、ある意味精神的な部分からの懸念というのは、今後仮にその市長が今示されてるような、その4つの懸念を解消するようなデータなり詳細な調査結果なりが出てきても、必ずしも解決なり懸念が払拭されるようなことに繋がらないこともあるのではないかなと思うんですけれども、その辺り、どのようなお考えがあるかお聞かせいただけますでしょうか。

市長

 仏教会の申入書というのは報道では承知していますけれど、私自身その内容を承知していないので、まだ現時点でそれについて確定的なコメントを申し上げるのは控えたほうがいいと思っております。現時点で京都府にどういう申入れをされるかということも私は承知してませんし、京都市については何も伺っておりません。その上で申し上げれば、我々も酒造組合、これは私が直接申入れを受けました。それから京都市会議員団からも、これは市会での質問のフォローアップということで、市会で既に提起された問題ですが、これは私も常々申し上げている4つの懸念についての申入れをいただいております。先日の与党PTでのヒアリングの席で、私は4つの懸念をこの場でも申し上げた同じことを申し上げましたが、知事の中では、ちょっと私は知事にその真意を確認してませんが、知事の御説明の中に歴史的建造物についての言及がありました。これがその歴史的建造物の例えば振動とかそういうものについての悪影響のことをおっしゃっているのか、あるいは、今山崎さんおっしゃったような歴史的建造物の奥が宗教的な寺院であったり神社であったりするわけですから、そういうものへの若干精神的な価値ということをおっしゃったのか、これは私は存じ上げませんが、例えばその京都の歴史資産というものに対する影響というのは、私はその知事のお話を伺って、確かにその歴史資産への影響というのをどう捉えるかというのもいろいろ含意があるなというふうに思った次第であります。そういう意味では、そのことも含めて、私はまだ何も伺っておりませんから、どういう理由でどういう御意見をおっしゃるのかということは聞いてみなければ分かりませんが、ひょっとしたら私がこれまで御説明した4つの懸念以外の事項で、私にとっても気づきがある話があるのかもしれません。それはただ、あくまでもいろんなお話が、より詳細な御説明があった段階で私が考えなければいけないと思います。

 それから加えて、今日例えば、あれは報道でありましたが、財政についても、これは財政は私があまり余計な心配をするなという声もあるんです。京都府がしっかり頑張ってるからという声もありますが、財政についても国交大臣が地元負担の見直しを否定されるような発言をされるということもありました。これは財政についてあんまり市長が心配すらしなくてもいいよ、大丈夫だと太鼓判を押してくださる方もいらっしゃるんですが、こういうことを国交大臣が、これも事実関係、報道ですから事実関係、私が国交大臣の記者会見録とか見てるわけじゃありませんから、ですが、そういうことも含めて、私が基本は、4つの懸念を申し上げたとおりでありますが、4つの懸念以外にも、ひょっとしたら、こういう懸念があるんだよということが、今、市民の中からいろんな声も来ておりますから、しっかり市民の声に耳を澄ませて、私としては国や機構、あるいは与党に対しても慎重の上でも、慎重な御検討いただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。

記者

 先ほどの給食費の無償化の関連なんですけれども、先ほど市長から重く受け止めなければいけないとありました。決議案の中でも道筋をつけることと言及されていて、市長としては、この道筋をつけるというのはどう御認識されてますでしょうか。

市長

 重く受け止めるというのは、やはり全会一致の市会の決議というのは、やはり、これを二元代表制の一翼を担う我々としては、そのもう一翼を担っていただいている市会議員団が全会一致でそうおっしゃったというのは、これは真摯に、私がいかに、それについて実務的な困難を抱えていたとしても、それはある種市民の総意に基づくものでありますから、しっかり受け止めなければいけないということであります。

 それから、じゃあ、道筋どうやってつけられるのかというのは、これは正直言ってこれから考えなければいけない、さらに真剣に考えなければいけないという点でありますが、私としてはやはり、自分ができることは国家予算要望の中で先ほど申し上げたように、しっかりとこういう問題について財政力の格差、格差というよりは、その町々が置かれた財政状況、その時々の財政状況によって、こういうものがある種、今、例えばそれができたとしても、それが継続、持続するという制度にしなければ意味がないわけですから、そういう意味では国家的な配慮をぜひしていただきたいということを、私自身ももう少しまめに国家予算要望、その他の場でしっかり国に対して伝えていきたいというのが一つ。もう一つはこれからの京都の財政というものを、いかにもう少し強靱なものにしながら、財源を生み出す努力もしながら、いかに子供たちが健全に京都のまちで学べる環境をつくっていくか、そういう意味で、何らかの形で、先ほど申し上げましたように、これをフルに実施するということになると46億円なかなかはまりません。その財政の状況、収支のバランスの中で財政が決まりますから、どうやって我々財政基盤を強化するか。それから、今後の財政需要というのを、さらに、秋に市政の点検の結果を明らかにしましたが、新京都戦略をこれから具体化するに当たって、何を見直し、何に財源を捻出するかという、あらゆる努力をして、その中でどういう優先度をつけるか、特に子育てしやすいまち、子育て環境日本一という、西脇知事と連携したキャッチフレーズもある中で、子育てをどうやってしやすいまちをつくっていくか、人口流出に歯止めをかけるのか。その面での施策メニューをどう充実させていくか、その総合的な施策メニューの充実の中で、この案件もどう捉えていくのかということを考えなければいけない。ただ、私は給食だけが、給食の無償化だけが施策メニューとして突出したものというよりは、私の中で言うともう少し切迫したものがあるような思いは持っておりますけど、ただ、大切な御提案でありますから、しっかりそれについても総合的に判断していきたいと思います。

記者

 国の話での流れで言えば、石破首相が先般、無償化の課題を今年中に整理しますとおっしゃられてます。この国の動きを市としてどうお考えか。

市長

 我々がどれだけの影響力があるかは分かりません。一つのまちですから、しかし、自分としてはここしばらく、やはりこの子育て関係というのはできるだけ財政力の格差によらないものをつくっていただく時に、この石破内閣において、どこまでそれをメニュー化していただけるのか、その道筋を国においてつけられるのか、そこをもうしばらくは私たちも努力した上で、市の財政力の範囲で、どこまでそれを横出しで支えていくのか、上乗せをしていくのか、いろんな自治体が、その国の動きを待たずに動いているところもありますが、ちょっとそこまでのなかなか財政の余力もないもんですから、同時並行で検討を進めていきたいと思います。

記者

 先ほど真摯に受け止める。総意に基づくものだとおっしゃられていました。例えば検討会を設けたりであったりとか、市の内部として新たに何かこう動き出すみたいなことというのは何かあるのか。

市長

 そういう具体的な、私あんまり具体的には、そういう枠組みを先につくるというの、そんなに好きではないので、まずは、その国の動きを見据えながら、我々がまさに今、予算編成というのは、これは市会でいろいろ議論、条例案の議論もありましたが、これは基本的に我々が責任を負うべきものです。二元代表制においても、市が責任を負うべきものでありますから、その市が予算編成プロセスに今入ろうとしてるわけですから、そこで議論をするのが正道であると思います。それ以外の何か検討会をつくるというのは、その正道で議論ができない時に、そういう迂回した措置をつくるということは政治的にままあることでありますが、まず、王道として予算編成権が市にあって、その予算編成プロセスを市役所の職務も含めて、しっかりと今、議論を重ねていただいてるわけですから、そことしっかり対話をしながら自分の中で悩むのが先決だと思います。

記者

 先日、市長などの特別職の報酬について見直しを議論する審議会が行われて、減額を答申されるという方向が決まったかと思うんですけれども、それについての市長の受け止めと、市長は現在30%報酬をカットされていると思うんですけれども、それについて続けるのか、現時点でのお考えを伺えますでしょうか。

市長

 私もその審議会、これは私出てないんです。というのは、自分は当事者になるものについて、あれこれ出ていろいろ言うと、逆にそれは雑音になりますので出てませんし、御指摘のような、どうもそういうことになりそうだという、今までの審議の過程は事務方から伺っておりますが、より突っ込んだ考え方について詳細に、まだお話を、直接御説明を受けてるわけでもありませんし、また正式な答申をいただいているわけでもありませんから、現時点で私が結論めいたことを申し上げるのは控えたほうがいいと思っておりますが。

 ただ、一般論で申し上げれば、これまで、この23年ぶりに審議会が開催された。私はこういうものが、これ他のものもそうだと思うんです。いろんなものについてどういう、例えば我々が行政財産の使用についてどんな対価を頂くかとか、あるいはどんな手数料を頂くかとか、そういうこともそうだと思うんですが、やはりずっとそれをフリーズしてる。議論を行っていないというのはあまり良いことではない。なので、私も最初に申し上げたのは、今の京都の財政状況に鑑みて、まだ、門川前市長が自ら判断をされた3割カット、非常に財政の緊急事態であると、緊急事態という言い方は違うのかな、財政的に非常に困難な状態であるということを、その状況に応じて、自ら3割カットということを決められた。私は見直すまでは、やっぱりその前提をまず踏襲した上で見直す。ただ、それをずっと何割カットというのを自主返納みたいな形でやると、特に私のような、私のようなというか、この京都市長であれ、知事であれ、他の区議長さんであれ、選挙に通じてその民意を得るような職種の人間が、あんまり自主返納の何割カットということを、選挙前に申し上げて選挙戦を戦うというのは、私は本来の公務の在り方として、あるいはそれにいろんなものがリンクしてるわけです。その特別職とは言っても、他の特別職で、実質的には職業公務員の最高位である副市長の給与とか、あるいは、それに応じていろんな一般職の職員の給与も、事実上リンクする部分があるわけですから、その部分についてあまり、その選挙を前に何割カットしますということを、選挙で1つの施策として、それを訴えて争点にするというのが良いのかどうか、私はちょっとかねがね、そこについては懸念を持っておりましたので、なので当面は、私はこの財政の状況をまず自分が、自分の目で見直すまでは、その門川市長の判断を踏襲しますと、他方で、それについては、第三者が適切な水準というものはどうあるべきかということをしっかり議論をしていただく。私は、今回引下げの結論が出たというのは、私自身もこれは、もともとの給与自体は、どちらかというと引下げていただいたほうがいいんじゃないか、ここ数年の流れでいうと全体報酬引き上げ、公務員の一般、一般職の公務員の給与水準が引き上げですけれど、やはりこの全体から言うと、ほかの政令市の並びから見ても、京都市の市長の給与はどうかなと私は思っていましたので、そういう意味ではその第三者としての、この有識者の方々がこういう議論を出されたということは、これは重く、答申をいただいた上で重く受け止めるべきではないかと思っています。

 その上で、実際どうするかというのは答申で、実際答申をいただいて、さらに可能な限り私どもとしてどういう思いでこういう答申を策定されたのかということもお伺いした上で、判断するのが適切だと思いますが、自主返納ルールという、ルールじゃなくて、自主返納をその都度、その都度、決めていくというのは、ちょっとこれは、私はどうかなと思ってるんで、やはりこういう形で、何らかの形で第三者の方々が、今の京都の状況も踏まえて判断していただいたものについて、基本はそれを重く受け止めるのが私の、その答申をお願いした。諮問した人間から言うと、それがあるべき本来の筋道であると思っております。

記者

 そうすると30%のカットというのは、継続するかどうかというのはまだ未定なんだけれども、あんまり望ましいものではないと思ってらっしゃるのか。

市長

 具体的に3割とか、あるいは具体的な水準について、今、この場で私が言及するのは控えておきたいと思います。他方で、私が公務労働というものについて、私が従来申し上げてきたのは、それが正当にしっかり市民の中で共感を持って受け止めていただきたいし、そのための冷静な議論をしていただきたいという思いで、議論を、審議をお願いしたんで、その審議についてはしっかり、まず、答申のときにしっかりその趣旨も伺って、これこそ重く受け止めなければいけないと思っています。

記者 

 京都商工会議所の人事についてです。新しく堀場製作所の会長の堀場氏が、京都商工会議所の会頭になるということが決まりました。市長の目から見て、堀場さんはどういう方であるとか、どういう側面をお持ちであるとか、あるいはどういう分野に長けている方であるとか、そういった人物としての評価をお聞かせください。

市長

 まず、その堀場さんの評価の前に、今現時点でも会頭をお務めの塚本会頭、大変いろんな意味で公私共々お世話になった方でありまして、今、リハビリ中と伺っておりますが、早期に健康回復されて、何らかの形で、商工会議所自体の会頭自体はバトンタッチされると聞いておりますが、京都の経済界をリードしていただいた塚本現会頭の御回復と、そして今後の御活躍を、職場に復帰していただいて、引き続き指導的なお立場でお力をいただきたいことを願っておきたいと思います。

 その上で堀場会頭代行は、昨日も経済4団体の意見交換をさせていただきましたが、もう大ベテランで京都の経済界における重鎮であるというのは、既に、この会頭職をお引受けになる前から、重要な職にあられて、非常に革新と伝統というものを両方兼ね備えた方だと思います。

 私事に至りますが、そのお父様の創業者である堀場雅夫さんに後援会長もしていただいた人間で、やはり堀場雅夫さんが創業されたときのスピリッツ、それはやっぱり受け継いでおられるな、この本当にいい、京都人としてのいい京都人、付和雷同型ではなく独自の価値観があり、それをグローバルな視点で堀場製作所、お父様が創業されたものを飛躍的に業容拡大されていて、非常に鍵となる技術を幾つもつくられて、ヨーロッパ含めて全世界に展開されているという、経営者としての伝統の上に立った確信というものを持っておられるし、それから、この前も京都の現場の教員の皆さんを表彰する会合で審査委員長も、その制度が創設されて23年間務めていただいていて、この前も本当に教員、現場の教員たちを元気づける御挨拶、講評と、それから最後まで締めの御挨拶までいただいて、非常に心のこもった、現場の頑張ってる人たちの努力に対する、それに報いるという気持ちを持っておられる。非常にフェアで国際性があって、先鋭的なんだけど温かみのあるすばらしい人物であって、私は京都は経済界の代表としてすばらしい人物をいただけたということで心から歓迎しますし、それから京都の長期ビジョンも御無理を申し上げて、私、じきじきにお願いして、堀場次期会頭に委員になっていただいてるんです。

 そういう意味では、短期的な個別の施策分野についても、非常に堀場さんに思い入れがある個別施策もあるんですが、それもさることながら長期の、京都のまちはこういうまちであるべきだ。こういう人をもっと称えるべきだ、こういう人に対してもっと温かい手を差し伸べるべきだ。そのいろんな面で、それこそ私が申し上げてる「突き抜ける世界都市」としての、突き抜ける部分、ここをもっと後押しして突き抜けさせる。それから「居場所」と「出番」というところについて言うと、ここはもうちょっと温かい手を差し伸べないといかん。その両面において、この施策は堀場さんならこういうふうに仰るな。この施策は堀場さんがこう仰るのは、確かに納得できるなというのが、僕の中で頭に幾つもの施策があるような人なんで、総論においても各論においても、そして経済界の心棒という意味においても、あらゆる面で京都はすばらしい指導者を得たと思います。

 塚本会頭の本当に御尽力に感謝するとともに、その堀場新会頭ともしっかりと連携して、京都市政を前に進めていきたいと思います。

記者

 2月に就任されて、この1年振り返ってどうだったかって教えていただいてもよろしいですか。それと印象に残ってる事業や施策があれば、併せて教えてください。

市長

 そうですね。この1年まだ終わってないのでね。まだ、幾つも年内に大事な予算編成のミーティングもしなきゃいかんし、まだ1年の締めくくりを言う段階ではないですが、あれですね。ちょっと忙しいですね。

 やっぱり首長というのは大変だなと思います。門川さん46年やらはったな、立派なもんやなと思います。感服します。これを16年間、私よりももっといろんなところに顔出してやらはったというのは、なかなかまだ職員とのコミュニケーションもできるだけダイレクトに自分の言葉、伝言ではなくて自分の言葉で、できるだけ多くの職員の皆さんと、特に施策について、いろんな現場で企画をしたり、あるいは調整をしたり、汗をかいておられる方々とまだまだ話ができてないんで、とにかく、忙しくてじっくり考える時間がなかなか取れない状況の中で、ワンサイクルまだ終わってませんから何とも言えないですが、慌ただしい、慌ただしいけれど、でも、やっぱり基礎自治体の長という責任、しんどさと、それから、喜びみたいなものも一部、その上と何かと聞かれたらあれだけど、それは非常に責任が重いということと、それは喜びというものが、恐らく裏表なんだと思いますが、それを痛感した1年だったと思います。逆に直接行政なのでいろいろしんどい判断も多いですけれど、やりがいのある1年で、そのスタートを約10か月弱過ごさせていただいたということだと思います。

 何かこの1つの事業がというものはない。何か具体的に挙げるといかんですけれど、やっぱり子育て世代の住まいを応援するという、応援金をつくらせていただいたというのは、自分の中では、子育てについて何かを、もちろん、私は給食費無償化もすごく大事だと思います。さっき給食費無償化の話が出ましたが、やっぱりそれを無償でしっかり行政として、公共財として提供するというのもすごく大事なことだと思いますが、同時に、何かある価値を、だから、例えば給食についても私が大切にしたいのは、どんな給食を作るんだということについて、もっと現場が工夫を重ねていただくような給食を作ってほしいんです。それが何方式であっても、そういう意味では、住まいの応援金について言うと、これはやっぱり既存物件、京都らしい既存の住宅というものに手を入れて、そして、それを使う、何でも新築で新しいもの、古いものを潰して新しいものつくり変えるということじゃなくて、手を入れて使う価値という。昔は鷲田清一先生が始末する心ということを京都の6つの得意技の1つとして、1999年のビジョンをつくるときの基礎の中でおっしゃってますけど、そういう京都らしい、その従来のストックに手を入れて、それを使い回す。そういう価値に対して2年間の時限であっても、それについて京都の財政の中で言うと、結構思い切ったものをやったという意味においては、これは私がというよりは、職員の皆さんがそういう、私も自分が共感するような価値について、吸い取っていただいて、吸い上げていただいて政策に体化していただいた。

 幸いにして、今、それはひょっとしたら補正が必要になるぐらい、今、順調に申込みをいただいているというのは、その政策のアイデアとか、コンセプトもさることながら、そういうことが市民の間でその価値について、これ良いじゃないかというふうに、比較的子育て世代の人たちがそれを評価してくださるような政策の芽が出たというのは、この1年の中で、何か1つ挙げるとしたら、それは私にとっては意味があったなと、しかもそれは私のアイデアでこれをやれと言ったんじゃなくて、私がこういう価値を大切にしたいということについて、若い方々も含めて、こういうのどうでしょうかというものが俎上に上がってきて、じゃあ、どういう条件でやるのかということでいろいろ議論はしましたけど、そういう政策形成のプロセスも含めて、私にとっては印象深いものだと思います。

記者

 今おっしゃった基礎自治体の長のしんどさと喜びがあったことについて、喜びの方ってどのようなことか。

市長

 まだまだね。そんな、例えば今の応援金使ってこんな住宅に住みましたところ、僕も1件も見てないし、形になってるものとしてはまだまだこれからですけど、でも、今までこの京都の中京で育った人間だけど、うちはその保存会とかに入ってる町内ではなかったから、それは自分たちが、同級生でお稚児さんがいたりとか、お囃子で菊水鉾の上に乗ってる人が、同級生の友達がいたりというのはあったけれど、でも、お祭りとか参加して、これは祇園祭に限らないですけど、やっぱり人々が、そのお祭りに参加して、そのお祭りの期間を通じて繋がって、そしてまちの将来のことを、そんな高尚な議論ということではなくて、本当にこのまちをどうしていくのかということを話し合われてるという姿を見て、やっぱりこれは、この伝統が京都を支えてるんだろうなという、そういう人たちが、私が大好きな喫茶店であれ、バーであれ、いろんなギャラリーであれ、そういうまちの個人事業みたいなものを、そういうものを支えてるというのは、きっとそのまちの人たちの生活感の中で、このまちが好きだとか、このまちのお祭りが好きだとか、何かそういう肌感覚みたいなものを基礎自治体として、いろんなことを、文句言われることも多いけれど、文句言われながらも、その彼らの日々の息づいた表情を見るという経験は、私にとっては、参議院のときはこんなふうには思わなかったね。それは僕自身が年取って、墓場に近づいたからそう思うのかもしれませんけど、参議院議員時代に自分も1票の、票の重みで当選させていただいてるときには実感できてなかったけど、市長になっていろんな人々と接することによって、この人たちの人の輪というか、人の繋がりが京都のまちの、いわゆるその文化財だけじゃなくて、日常の人々のなりわいみたいなものを支えるというのは、この団結かな。この繋がり感が支えてるんだろうなと、それを次の世代の人たちも、お祭りなんかというと若い人たちがどんどん入ってきてくれているので、それとそのお祭りに対する参加意識みたいなものを、このまちの中の、この行政とか、いろんな政策、子育て、福祉、場合によってはいろんなスタートアップ支援とか、そういうものに至るまでどういうふうに、このお祭りに対する参加意識みたいなものを、まち全体の参加意識についてどう繋げていくか。

 それから、観光と市民生活というのがなかなか、一つ間違うと反目になってしまうということにならないで、観光の受入れも含めて、こういうまちなんだからこういうプライドを持って、我々は観光客受入れようよというのが、いや、このうちらの地域の祭りなんだから、これを何とか維持しようというのと同じ感覚になって、市民全体が共感を広げていただくまちづくりにしたいなと思いますね。

 すみません。何かそういうことを言われても、記事にできないですよね。

記者

 よく市長がおっしゃられる、突き抜ける世界都市京都っておっしゃると思うんですけど、恐らくその全ての市民に生き生きした場所と、居場所と出番があるまちと、いつもおっしゃってると思うんですけれど、何かその突き抜けるって結構成長的な、成長するというか、何となくその居場所と突き抜けるって矛盾するような気がするが。

市長

 それは昔あるビールの宣伝でキレがあるけどコクがあると言った。これはこの2つは違うベクトルの概念です。だから、その違うベクトルの概念のものを、イメージとしては違うベクトルのものを並べてるわけであります。それは、だけど、それは私は矛盾するとは思ってなくて、突き抜けるというのは唯一、これは私の領域で、この領域でナンバー1を目指すという、僕は必ずしも、それは成長ということではなくて、例えば伝統的な織物の技術で突き抜けた人、染織の技術で突き抜けた人、宮大工さんのような、あるいは伝統的な建造物の大工さんのような分野で突き抜ける。それは決してそのマーケットは成長してないかもしれないけど、成長することだけが善ではない。だけど、この人しか出せない、この会社しか出せないという、極めた領域というのをつくっていくというのはすごく大事だと思います。そのことによって文化は維持されてきたと僕は思ってます。

 その京都の文化というのは、だからイコール成長ではないけれど、印象的には皆さんがその突き抜けるというのは、その突き抜ける価値を持った人間が生き抜けて、それが世界に展開することによって成長にも及ぶという意味では、やや成長志向かもしれないけど、同時にその突き抜けるという概念は、場合によっては奇人変人で、他の奇人変人を許さないという奇人変人ではない奇人変人をつくりましょうというのが、僕のキャッチフレーズでありまして、この分野で私は突き抜けてるからといって、別の分野で突き抜けてる人も許容しようよと、いろんな突き抜け感とか、多様性とか、個性あるよねという、それを許容して、そして、でも、やっぱり私はこの分野でも、どの分野でも突き抜けはすることはできないけれど、やっぱり安らぎを与えるということについては、自分は得意だという人も含めて、いろんな多様な人がいる中で、世界全体としては、できるだけその突き抜けた人は頑張って稼いで、そして、できる限りそのさっきのお祭りじゃないけど、いろんな分野で頑張って自分で、自分の足で立ってるけど、最後は他者というか、同じ共同体のメンバーで一緒に幸せをできるだけ、幸せな社会をつくろうというのありきたりかもしれませんけど、ほかの人が悩んでるものがあったら、自分はそれについて、自分の領域で何か一汗かかせてもらおう、一肌脱がせてもらおうという社会、この両方がないと、僕はおかしくなると思うんです。

 成長志向で、市場原理主義で強者が勝てばいい、強者が生き残ってて世界の中でマーケットを設計できればいいんだ。トリクルダウンで、そのことによって弱者は社会保障で全部面倒見ればいいという考え方は、私はあまり好きじゃないです。それぞれの分野が頑張って自立して生き残っていかなければいけないけど、その上で自分たちが、しんどい人をどう支えるかということについて、何らかの形で手を差し伸べられるような人間が、私は成熟した京都市民だと思うんで、そういう京都市民の方々を増やし、そして行政は、それでもやっぱり共助、自助、共助では手が差し伸べられないところについて、しっかり公助で手を差し伸べていくという、このやっぱり自助、共助、公助のバランスを、私はできるだけ共助というもの、あるいは補助という言い方かもしれませんが、そこの部分を熱いまちにしていきたい。なので、何でも行政が引き受けて、全部、行政で引き受けますというよりは、できる限りをお互いでやれるものはお互いにやりましょうという形を大切にはしたいとは思ってるんです。

記者

 別件で京都市京セラ美術館の運営について質問させていただきます。京都市京セラ美術館では2020年度のリニューアルオープン後、収支不足を穴埋めする公費負担、いわゆる黒字、赤字なんですけれども、これが2016年度は約4,000万円の赤字だったんですけれども、2020年度が約8億円の赤字で、それ以降は3から4億円の赤字という状況が続いています。公のミュージアムなので、全くその赤字が駄目だとは思いませんけれども、一方で、この税負担を極力減らしていくという努力も必要だと思います。この点について市長、どう考えでしょうか。

市長

 おっしゃるとおりだと思います。恐らく昔、書かれた記事があったと思いますけれど、京都市美術館リニューアルするときに体制も見直して、そこである種の委託を行って、そこの部分の費用が結構大きいんじゃないか。我々としてはできるだけ公費の部分を圧縮するような努力をすることが必要だと思いますし、やっぱり学芸部門をしっかりある程度直営比率を上げていかなければいけないと思います。

他方で、私自身の感覚は「村上隆もののけ京都」展も見に行きましたし、その時だけじゃなくて、いろいろマネジメントやってる人たちの話も聞きましたが、やはり非常にネットワークが豊富で、得意な運営能力ある人がいらっしゃって、その集団がいらっしゃって、私はそのこれまでの貢献も高く評価したいと思います。そのうえでしかし、やはり公費をどういう分野でどう投入して民間の委託を進めていくのか、ある部門はやっぱり直轄という方向に行くべきなのか。少し前に、平成27年3月ぐらいにある程度方向性が出てるものもあるんで、それを踏まえながら、やはり、できるだけ公費負担が、恒常的に公費負担が、私はこういう美術館というのは儲けるようなものでもないから、公費負担の割合を減らしていくという努力はしなければいけないし、それはある程度進捗はしてきているんではないかと思います。

 今後も、その業務の在り方、どこまで直轄でやるのか、どこまで委託で民間人材の優れたネットワークの力をお借りするのか、バランスというのをしっかり取りながら、恐らく何年か前に書かれた記事の、その懸念みたいなことも考えながら、しっかり今後の在り方を見直していきたいと思います。ただ、私はやっぱり「村上隆 もののけ京都」展が、あれだけの企画があって、集客があって、これやっぱりすごい成果も上げてるんで、その両方をちゃんとフェアに見なければいけないと思います。

 今後も、いろんな私も美術館の人たちの専門家の評価も聞いてますが、京都市京セラ美術館の評価は割と良いです。じゃあ、これから改善の余地がないかと言えば恐らくあるのかもしれませんが、常に改善をしていくということを念頭に置きながら、そして、その民間のネットワークというものは有効に活用していきたいとか、どういう分野に活用していくのか、その在り方がどうなのかというのは、常に精査していかなければいけないと思っています。

記者

 今年度に入っては非常にたくさんの方が入館されていると。そうすると素朴に疑問なのが、じゃあ、なぜ赤字なのかというところなんですけども、当然、その収入に対する、この支出との差額、差になってくるので収入が少ないのか、支出が多いのかと、どちらかになると思うんですけども、この点はいかがでしょうか。

市長

 そもそも美術館というものが、僕はそんな恒常的に黒字で運営できるとこはどこまであるのか一回聞いてみたいと思うんです。いろんな主要な美術館にね。高い評価を得ている美術館がどういう経営体質で運営されているのか。その意味で、ここ数年、京都市京セラ美術館も改善状況にあるとは聞いてますし、いろんな企画においてヒット企画もたくさん飛ばしているという、そういうポジティブな評価をいただいている。そうは言いながらも、やはり収支を見ると、今おっしゃったように公費投入がなければ回っていない。だから、その美術館というのはそもそもどういうもので、どういうふうに運営してる事例があるのか、その工夫を、それぞれほかのまちがどういう工夫をしているのかということも含めて、もう少しこれも私がこれから精査をしなければいけないと思ってた対象なんで、今日の御質問も契機にしっかりと現場で話を聞いて、今後の改善を考えていきたいと思います。改善というか、今後のまず評価をし、何を更に良くしていけるかということを考えていきたいと思います。

記者

 これもちょっと難しい話なんですけども、今も触れていただいたんですけれども企画や広報に関して外部委託をしていると、この委託先の人件費で1,200万円超えるような方が何人かいらっしゃると。委託先の人件費の体系に関して、京都市さんがちょっとどこまで意見を言えるのか分からないんですけれども、この委託費の在り方に関しては、先ほどと重複するかもしれないんですけども、この点に関してはいかがでしょうか。

市長

 いや、先ほどの答弁につきます。その人件費というのはどういう方がどういう仕事をされているか。どういう方が、どういうお給料を取られているのか、私はそのお一人一人の給料が1,000万円を超えているからといって、それが必ずしも高いとは思わないです。もちろん、恐らく現場で、プロパーで仕事をしておられる方々との給与の比較というのも、これは同じ職場ですから公平感ということも勘案しなければいけないんですけれど、恐らくいろんな民間美術館も含めて、いろんな美術館でどういう企画運営をされてる方がどれぐらいの報酬を取っておられるのか。そういうことまで考えていった時に、私が今おっしゃった金額が、直ちにそれはちょっと法外ですねとは思いません。その方のキャリアとか、ネットワークによっては、当然それ以上のものを取っておられるでしょうという方もたくさんいらっしゃるだろうし。だけど、その方がどれぐらいその専任的に仕事をしておられるかによっても違うでしょうし、一概に今の金額だけで、それは高いとか、低いとか言えないし、それからプロパーで一生懸命やってる人たちとのバランスというものを、プロパーの人たちがどう思っているのかということも、しっかり耳を澄ますのは首長の責任だと思います。

記者

 北陸新幹線の件なんですけれども、昨日、国交大臣が閣議後記者会見で、整備新幹線の工事費用について、全国新幹線鉄道整備法で貸付料を除いて国が、国と地方が2対1で負担するということが定められており、国交省としては現時点で見直すことは予定していないと言ったんですが、これについて受け止めをお願いします。

市長

 さっき最初の冒頭の新幹線に対する質問の中で言ったつもりですけど、財政について基礎自治体である京都市がどこまで心配すべきかというのは、そんな心配しなくてもいいという声もあるんです。現に与党の幹部はそういうことをおっしゃっているんです。また、地方負担といったときに、今申し上げたことと重なりますけど、やっぱり都道府県とその市町の負担ということが決まったルールがあると、私は考えておりません。

 なので、私自身があまり財政ということを、私が先頭に立って言うよりは、それはむしろ西脇知事のほうが国との関係において一義的な窓口になってお話をしていただくべきものだとは思っておりますが、財政のことは気にしなくて、そんなこと地元の人たちが気にしなくていいという議論であるとか、あるいは京都の場合は、既に東海道新幹線があって、基本的に新幹線であまり、今まで新幹線が通っているまちがリダンダンシーとか、国土軸ということで、新幹線を誘致したという事例もない中での、現時点での国と地方の負担割合を国交大臣はおっしゃったんだと思います。しかも、恐らく現時点では、とおっしゃってるとは思いますので、冷静に議論しなければいけないことが第1点。でも第2点は、さはさりながら、我々は少なくとも私、京都市は誘致した覚えはありません。これ門川市長がどういうふうにおっしゃったのか、ちょっと私不勉強でよく精査してませんが、京都市として、この北陸新幹線の延伸を誘致、私はしたことは一度もありません。要望して、こちらに京都接続してくださいという要望をした覚えはないので、そういう要望してない自治体についての国と地方の負担というのはどうなのか。それはむしろ要望というよりは、もちろん要望してなくても反射的利益という言葉もありますから、それが通ったら通ったで、もちろん何らかのB(便益)はあると思います。その何らかのB(便益)についてどう負担するかという議論はあるでしょうけれど、しかし、そういう従来誘致、自治体は、地元自治体は誘致して、それでしかし、国策と地元の自治体の合算としてその事業が行われるという前提条件で、その議論をされてる限りはその比率が変わらないとおっしゃったんであれば、少なくとも一部の人たちが財政負担、地方財政負担のこと気にしなくてもいい、これは国策なんだからということをおっしゃってる論とは違いますよね。そうだとしたら、それは国策はどっちなんですかと。国はその立場を変えないというときには、従来の国策としての事業ということではなくて、国と地方の利益バランスというものを考えた従来型の負担として、事業を位置づけられているとしたら、私の4つの懸念の、4番目の懸念は小さくなることはないです。そのことによって大きくなるかどうかは、今後、精査をして現時点ではとおっしゃったこととか、あるいは国策という部分の今回の、国策と地元の要望の比率が違うということをどう考えるかを含めて、ちゃんとそこの4つ目の財政的な懸念についても、ちゃんと将来の京都市民に対して私は説明する責任があるわけですから、その件についてどれぐらい地方財政、京都市の財政負担があるかということを抜きには、私としては、この懸念が払拭されたとは言えないという思いを強くしたということではないでしょうか。

 すみません。ちょっと回りくどかったかな。分かりにくかったですか。よく今の起こして精査していただければ言ってることは、意味は理解していただけると思いますが、結論から言うと、4つ目の財政懸念がこれで低まる発言ではないです。むしろ、財政の懸念はそんな市町ごときが気にする必要はないという議論に対して、いや、なかなかそうも言えないんじゃないですかということを、現職の国交大臣がオフィシャルな会見の中で、閣議後会見の中でおっしゃったということは、私は4つ目の懸念という意味は、私の中では重みはさらに増えたなと、4つ目の、4番目の懸念の重みも増えたなと思っています。

 というのが最初の質問に対して答えたときの追加、追加状況の1つです。

記者

 あと、すみません。給食費の無償化なんですけども、舞鶴市というところで給食の無償化やっておりまして、そこはふるさと納税を使って、給食の無償化というのをしてるんですけど、そういった考え方について、何か御所見がありましたら教えてください。

市長

 いや、他の都市がいろいろ知恵を絞っていろんな政策を出されていることについて、私がその十分な予備知識もなく、発言するのは控えたい、コメントするのは控えたいと思います。

 ただ、京都市のふるさと納税の総額が幾らぐらいあるのか、給食が毎年度幾らかかるかということを考えていただければ、なかなかそれは京都市において、そんな簡単なことではないということは御理解いただけると思います。

記者

 先日、市議会でのサンダーバードに関する意見書、意見書も可決されたと思うんですけれども、これの受け止めと、京都市、松井市長としても同調して、例えば国に求めていくとか、そういうお考えありますか。

市長

 国に要望ということになってしまうと、今、サンダーバードについて国に要望するとなると新幹線との関係がどうしても出てきますので、そこは我々としては今直ちには動きにくいかもしれません。ただ、すみません。大変認識不足で市会がそういう一致しているという見解であれば、それはそれでちゃんと国に、あるいはJRさんに伝わっているというのが望ましいと思います。

配布資料

このページに対してご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

お寄せいただいたご意見は、今後のホームページ運営の参考とします。

お問い合わせ先

総合企画局市長公室広報担当(TEL:075-222-3094)
教育委員会事務局指導部生徒指導課(TEL:075-213-5622)

フッターナビゲーション