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松井市長 就任記者会見(2024年2月26日)

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2023年4月12日

記者会見の様子

市民の皆さまのお声に耳を傾け、真正面から市政に取り組んでいく。その決意を語りました。

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

https://youtu.be/sbsHA1ydXUg外部サイトへリンクします

所信表明

(松井新市長)

 お忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日、市役所に初登庁し、「市民の皆様の負託に応えるべく、一人一人の声に耳を傾ける。そして、これまでの経験を生かし、真正面から市政に取り組んでいく」という主旨の決意をいたしまして、改めてその意向を皆さまの前で表明いたします。

 先般の選挙戦は、非常に厳しいものでした。選挙戦、あるいはそれに先立つ政治活動をしている中、市内各所を回らせていただいて、市民の皆様、有権者の皆様の率直な想いを拝聴いたしました。京都の素晴らしさは、私自身の東京時代、特に直近10年間、大学の教員時代にも痛感しておりましたが、帰ってきて京都の素晴らしさを実感するとともに、京都あるいは京都のみならず、日本が抱える色々な構造的な問題の厳しさというものも、肌で感じました。

 人口の1割を大学生が占めるというのは、日本の大都市では類を見ない、京都ならではの魅力ですが、同時に、それは財政面を含めた構造的な課題でもあります。そして私が何より痛感しておりますのは、学生の皆さんが卒業後には京都を離れてしまう、その率の高さ。高い率で、比率がじわじわと上がっている。すなわち、京都を選択しない若者が増えているということです。若者・子育て世代の皆さんが、他の都市に住まいを求め、人口が流出しているという課題です。また、人口144万人の京都のまちに、年間5,000万人もの観光客の方々がお越しになっています。それは、コロナ禍の辛酸を思い起こす時に、大変ありがたいことではあります。たくさんの観光客の方々が、京都の魅力に引き寄せられて訪れていただく、それは大変ありがたいことであると同時に、市民の生活とさらに両立を図ることが深刻な課題となっています。世界の宝とも言うべき京都の伝統産業、例えば西陣織、京友禅、京焼・清水焼など唯一無二の伝統産業が、後継者不足に直面しています。能登半島地震でも顕在化していることですが、公共人材の不足、高齢化が進む中で地域コミュニティの維持が難しくなっており、それは京都も例外ではありません。私は、京都の魅力・文化力は、いわゆる歴史的な文化遺産あるいは芸術文化の奥深さもありますが、同時に京都の偉大なる文化の資産は町衆の厚みだと思っています。私自身、大学教員として「新しい公共」と学生諸君に伝えてきた一つのモデルは、京都の町衆が公を担ってきたことにありますが、実際に選挙戦やその前の政治活動を通じて、その町衆にやや高齢化の波が押し寄せて、疲弊感も地域によっては見られるというところでした。その点をなんとか打開しなければなりません。今申し上げたのは、財政構造の問題も含めて、京都のまちは魅力に溢れているけれども、同時に非常に大きな課題にも直面していることでもあります。

 それを打ち破って、若い人に選ばれて、そして先人たちが築き上げてきた京都を次の世代に繋いでいきたい。京都で学んだ方が京都で働ける場所を作っていきたい。そして、それは単に企業誘致ということだけではなく、国際的な人材誘致、あるいは京都で学んだ方々がスタートアップを京都で行う。あるいは大企業の数は、東京や大阪に比べたら、京都のまちの規模から言っても、どうしても少ないのは当然だと思いますが、もっと中小企業のそれぞれの若い人材が、自らの事業をクリエイトしていく、そのための支援、スタートアップ支援、中小企業への支援、あるいは伝統産業と次世代の産業を組み合わせることなどを進めることにより、文化首都を支える、文化首都の名に恥じない強い経済を作っていかなければなりませんし、府市協調の更なる発展、国とも連携しながら、観光と市民生活の両立の課題に取り組んでいかなくてはなりません。

 そして、メリハリのある都市計画など、攻めの都市経営を展開しなければいけないし、未来を担う子どもたちを育てやすい、子育てのしやすいまちづくりを進めていかなければなりません。都市計画という意味では、京都は古いまちでありまして、歴史や色々な伝統がある反面、開発が遅れてきた、あるいはもっと可能性のある地域が、比較的京都市内中心部にも残存しています。それは、ある種社会問題の課題としても受け止めなくてはいけないけれども、同時にフロンティアだと思っています。そういう意味で、積極的なまちづくりを、住民の方と対話して進めなければいけないと思います。

 そしてこの間、やはり市民の間に根強くあるのは「京都のまちの財政は本当に大丈夫なのか」という問いかけに、選挙戦を通じて度々接してきました。やはりこれは明確なビジョンを打ち立てて、財政の安定化を図っていかなければならないと思っています。その時に考えなければならないのは、公の人材をどう劣化させないか。要するに、公を担っている人材をとにかくカット、削減すればいいという考え方ではなく、もちろん無駄は削減しなくてはなりませんが、同時にもっと工夫しながら京都のまちならではの行財政改革、行財政改革という名前ではひょっとしたら狭すぎるかもしれません。いつも選挙戦でも申し上げてきたことですが、明治2年、学制発布が明治5年ですから、その3年前に、京都では番組小学校、上京と下京で64校の番組小学校を作ってきた伝統があります。要するに、京都市立何とか小学校、私の母校は日彰小学校ですが、これは下京第四番組小学校ですね。学制が発布される前に地域の人たちが学校を作ってきた、公教育の礎を作ってきた、これが京都の誇るべき伝統でございます。それこそが私が唱えてきた「新しい公共」の考え方でありまして、地域や世代の分断ではなく、異なる世代が交じり合い、住民どうしが支え合う。全ての人に居場所と出番があり、誰一人取り残さない社会を作っていく。市民の皆様の意欲、熱意をもって市政に意見、提言を行える仕組みを通じ、市民本位の京都市政を体現してまいりたいと思っています。

 本日、市会に提案した令和6年度予算は、私の市政運営の出発点となる予算です。本来、公約で、市民の皆様にお約束した施策を盛り込み、予算を提案すべきところですが、市長就任から間もない状況です。しかし、市政の停滞は許されない。そのような状況で提案させていただきました。今回の予算は、当初予算の「第一次編成」と位置付け、義務的な事業や継続事業に要する経費を計上するとともに、公約で掲げた施策のうち、年度当初から実行すべき施策を、新規・充実予算として計上し、市会に提案しました。

 能登半島地震で被災地に派遣した大勢の職員からの報告を受け、市民の皆様のいのちとくらしを守るために必要な、建物の耐震化促進、密集市街地対策、消防・防災、避難所環境、共助による防災等を強化する予算でございます。さらに、インバウンドの本格的な回復により、一部観光地や市バス車内の混雑、マナー問題等の課題を踏まえ、例えば、混雑緩和に向けた市バスの増車、市民利用と観光利用の棲み分けに向けた観光特急バスの新設、JR京都駅の新たな駅舎、そして自由通路の整備、観光マナー啓発など、混雑対策や受入環境整備等を強化した予算を編成しました。

 私が、公約で市民の皆様にお示しした施策は、具体的な実施方法や時期を検討のうえ、順次、この後も予算化していきます。直ちに具体的な検討に入り、来年度中に着手すべき施策は早期に「第二次編成」として、追加予算を5月市会に提案したいと思っております。

 私にとっては大好きな、世界で一番好きな京都のまちです。この京都のまちをしっかりと次の世代に繋いでいくのが私の役割だと思います。私としては、色んな課題に直面しています。その課題1つ1つは、重いものもたくさんありますが、その重い課題にも逃げずに、しっかり真摯に取り組んでいきたい。同時に、重さばかりを強調するのではなく、京都というまちが持っている大きな潜在力を市民の皆様にどう実感していただき、市民の皆様がこのまちを、改めて大好きなまち、そしてこのまちの将来にもっとワクワクする、「京都のまちは面白い」と思ってもらえるような実感、それは常に希望がある面と同時に課題があります。その課題を解決するためにも、京都というまちが面白い、素敵なまちだと思ってもらえるまちづくりに取り組んでいきたいと思います。私が掲げた公約の中には、京都市単独では、あるいは地方自治の限界の中では実現できないものもあります。私は、それはそれとして、実現可能性がそう簡単でなくても、京都ならではの政策発信は、政治と経済の首都・東京に対して発信していきたいと思います。小さくまとまるのではなく、大きく夢のある発想で、こういうことができたら日本はもっと良くなるのではないか、京都はもっと良くなるのではないかという発想で東京にはぶつかっていきたいし、世界の方々に「京都はやっぱり面白いことを考えているな」と注目してもらい、京都により多くの人が訪ねていただき、より多くの人に定住していただきたい、そういうまちを作っていきたいと思います。そのまちづくりにあたっては、先ほど初登庁の時、そしてその後市役所の幹部の方々に申し上げましたが、風通しの良い京都市役所を作っていきたい。風通しが良いというのは、市役所の幹部だけでなく、若い方々や中堅の方々にもどんどん意見を市長に言ってもらえる、あるいは市長だけが聞く耳を持つのではなく、市長と同じような感覚を持って、多くの幹部職員も、若手や中堅の方々の意見を聞いてほしいし、それを自由闊達に流通させてほしい。もっと言うと、若手や中堅の職員の先には市民がいなければいけない。現地現場主義はすごく大事だと思いますが、供給側の現地現場主義ではなく、市民サイドの、実際に生活している方々の現場の意見にしっかりと耳を傾けて行きたいと思っています。

 これからも、メディアの皆様におかれましても、是非御指導いただきたいと思います。私からは以上です。

質疑応答

記者

 改めて、今、御就任されての率直なお気持ちをお聞かせいただけますか。

市長

 当選後、ずっと言っていることですが、その責任の重さは非常に重く痛感しています。ただあまり重くなり過ぎても、市長自身が明るく前向きに物事を見ていかなければいけないので、できるだけその責任の重さと、それから、市民の皆さん方に京都の将来のまちづくりに夢を持ってもらうか、それをどう訴えかけていくのがいいのか。これはまさに公約でお示ししたように、市政全体を私の目で点検するとともに、早めに京都のまちづくり、京都というまちはどういうまちで、世界の中、日本の中で生きていくのかということを、市民の皆さんに共感していただけるような形で示していきたいなと、そのことを含めて責任を感じております。

記者

 来年度の当初予算というところで、今回は市政を停滞させないというところの第一次編成というお話がありました。市長の突き抜ける「世界都市京都」をつくるという文言もありますが、どんな思いでその編成に携わられたのでしょうか。

市長

時間的にそんな時間があったわけでもないし、私自身も大学の残りの仕事も片付けなければいけないから、市役所の皆さんとコンタクトできたのは限りがあったと思います。従って、その第一次編成、いわゆるところの骨格部分の義務的な部分はある程度の継続性も必要ですし、そこは尊重しながら。ただ、私として特に留意したのは、やはり1月1日に能登半島の地震があったということもあって、防災・減災のための予算というのはしっかり確保していただきたい。ここだけはお願いをしたところです。

 その他のところは、言ってみれば、ある程度芽出しをね。それはそうです。私、2月4日に当選して、今、2月26日に予算書をつくって議案発送しなければいけないわけですから、隅々まで私の意向が行き届いた予算になっているかと言われれば、それはこれからの部分は多々あります。従って先ほど申し上げたように、第二次編成において肉付けをしていきたいという気持ちもありますし、もっと本格的に言えば、この1年間というのは、まず自分の目で、そしていろんな形で市民と対話させていただきながら、この京都市政全体をもう1回レビューし直すというのが、この1年だと位置づけています。

 ですから、そういう意味では、一次編成、二次編成を問わず、若干の松井カラーは出ていますけれども、そこをさらに出していくというのは、市民対話、あるいは大きなビジョンの編成に取りかかった上で、本格的にはそこに向けてどういうふうにこの京都というまちの魅力を市民の皆さんと共感し、共感していただくか。そして、同じく大事なことは、京都の課題というものを市民の皆さんにどう共感していただくか。その上で、その課題解決の方法を皆さん方に問いかけていくというのは、恐らく次年度以降がより本格的なスタートになろうと思います。

記者

 先ほど京都のまちをしっかりつないでいくのが私の役割という話がありましたけれども、市民の方々に向けてこれからの意気込み、メッセージをお願いします。

市長

 市民の方々には、これから何らかの形で、まずは私自身の目で京都市の市政全般を見直していくということが必要ですし、当然もう早々に市会がありますから、二元代表制ですから、市民代表としての市会の皆さん方、先生方の意見もしっかり耳を傾けて議論すべきは議論をし、その上で、市民の皆さんに希望と、それから課題解決について、できるだけ早く共感していただくような、その絵姿を共有するべく努力していきたいので、これから是非よろしくお願いしたいというのが私の率直な思いです。

記者

 先ほど冒頭のお話の中で、京都ならでは行財政改革を進めるというお話がありました。具体的にどういう内容の見直しを進めていくのかということと、そのスケジューリングも含めて教えていただけますか。

市長

 行財政改革というプランがありました。令和3年に作った。あれをいずれ早期に見直していかなければいけないのですが、それに先立って、まずは自分の目でいろんな方々の意見を聴きながら、まずはやはり市役所のスタッフの意見、率直な意見を、これは幹部層もそうですし、若い方々も含めて現場の意見を聴いて、自分の目で、まず今の京都市政の課題をレビューしなければいけないと。

 その上で、やはり京都ならではのというのは、私は自分自身が大学の教員時代に公共人材確保法を作るべきだというような提案を国政に向けてしたことがあって、そういう意味では、公共人材をしっかり支えていかなければ、あるいはそれを確保していかなければ、いろんな公共政策の担い手が今、ちょっと危機的な状況にあるので、そこは、私はしっかりと処遇するべき点は処遇していきたい。ですから、まずかつての私の民主党の国会議員時代の経験で言うと、事業仕分けみたいな、ああいうやり方で、まず削減ありきみたいなことでやるわけではない。

他方で、今、公共人材と言いましたけれども、公共人材というのは、イコール公務員ではないと思っています。京都ならではというのは、まさにコミュニティ・スクール、学校運営協議会による公教育の充実というのは、私は桝本市政、門川市政の大きな成果の1つだと思います。あそこを支えている強みは何かというと、もちろん教職員の方々が非常に頑張っておられるという面はありますが、同時に教職員だけではなくて、地域の方々が学校を舞台にしながら、子育てをどう支援するかという意味で、地域の方々が汗をかき、そしてその学校を母体とした、公教育の舞台というものを支えてこられた強みがあると思います。

 そういう意味では、京都ならではというのは私の新しい公共(の理念)そのものなのですが、狭い意味での公務員だけではない方々が公共をどう支えていくか、そこの自発的な枠組みをどれだけ作れるか、それをまずは学校運営協議会のあり方やコミュニティ・スクールのあり方も含めて、あの地域のコミュニティのあり方をどう強化していくことができるかを考えていかなければいけないと思います。

 選挙中考えた、実感したのは、しかし今、申し上げた学校運営協議会やコミュニティ・スクールがいろんな京都の広い地域の中で全てポジティブに受けられているところばかりではない。なかなかそうは言っても大変だよというお声もいくつかいただいたので、その辺りも含めて、私自身の中のモデル修正もしなければいけないこともあるかもしれません。その時に大事な課題は、若い人材が京都で大いに稼いでいただきたいのですが、若い人材が稼ぐと同時に、京都のいろんな社会的な努めにどうコミットしていただけるか。それを促していくことは、京都だけではなくて日本中いろんなところで、高齢化に伴っていろんな地域が疲弊している、その解決の1つのモデルとなるような京都のまちづくりというものをどう進めていくかということと密接不可分だと思っています。

記者

 現行計画が令和3年度に財政破綻しかねないという状況でつくられた計画で、今のところ財政、収入においてはかなり伸びていると思いますが、例えば今まで見直してきた敬老乗車証などの市民サービスに関して、また元に戻すお考えはありませんか。

市長

 単純に元に戻す気持ちはありません。やはり京都の財政構造というのはそんな容易なものではないので、いろんな方々が苦渋の中で制度改革を行ってこられて、そのことについては、市民、あるいは会派の一部において根強い批判があることも理解しておりますが、それを単純に時計の針を戻すというような形では問題解決しないと思います。同時に、やはり今回も計画を見直さなければいけないけれども、もう(計画の)前提条件が変わってきているので、(第一次編成予算では、)一部計画でキャップをはめていることについて、今、優先事項が高いと思われるようなものは、それを一部外させていただいています。

 ただ、できるだけ早くに行財政改革計画そのものも見直して、新しい計画を作り直さなければいけないと思っています。ただ、その時に、狭い意味での行財政改革計画だけでいいのか。今、私が申し上げたような意味で。それはひょっとしたら、もう少し連動してまちのあり方自体の行財政という言葉の定義をちょっと広げて、見直しをしなければいけないのかなという気もしております。

 ただ、いずれにも、その辺りも含めてこれから職員の皆さんと、今日が初登庁ですので、しっかり意見交換していきたいと思います。

記者

 宿泊税の見直しを公約に掲げておられたと思いますが、この辺りのスケジュールを教えていただけますか。

市長

 これもまさに今の話と同じように議論をしていかなければいけないと思います。方針としては、私、公約に掲げて、私自身で言うと、自分のゆかりのある業界の負担もあることで、随分、率直ないろんな方々の不安もいただきました。それでもそれは曲げずに率直に伝えてきたので、方針自体は、私はその方向で行きたいと思います。

 ただ、具体的にどのレンジにどのような課金をしていくのかということについて言うと、ちょうど制度が導入されて今、見直しの時期ですので、これまで宿泊税の制度がどういうふうに運用されてきたかということも含めて1回見直した上で、では、どの程度のレンジのところにどのような課金をしていくのがいいのか。それから、その使途についてどういうものを使途としているか、そのことがやはり一般的な納税者であり、あるいはその納税仲介をしておられる方々、観光産業を中心にいらっしゃいます。その方々の御理解もいただかなければいけないので、そこを含めて議論をしていきたいと思いますが、できるだけ早期に、と言ってもこれは半年や1年でどうこうできる話ではないと思います。いろんなプロセス、市会との関係もありますから。そういう意味では、ある程度時間はかかると思いますが、ずっと待っているのではなく、検討を開始したいと思います。

記者

 門川前市長が財政難ということで自らの市長給与を3割カットされていましたが、松井市長はこれから報酬についてはどう考えていますか。

市長

 私は公共人材確保法を提案した人間なので、これも本当は見直さなければいけないと思います。ただ、私自身が今、その行財政のあり方を含めて、市政のあり方をチェックしていくと言っている人間が、自分についてチェックをする前に見直すというのは時期尚早だと思います。従って、当面、少なくともこの1年間につきましては、私としては今の門川市長の削減幅を私も踏襲していきたいと思っています。

 ただし、これは様々、制度的なことは議論してもらわなければいけないですが、副市長以下の報酬のカットとはできるだけ切り離したいと思います。こういうことを続けていくと、正直に言いまして、公共人材で京都市の幹部職として担っていく若い方々も含めて、これだけ働いてこうなのかということになってしまうと。しかもずっとデフレ経済が続いてきた中で、私自身もその責任の一端を担うわけですが。行財政改革イコールカットということではなくて、カットすべきところはカットするし、自分のことについて言うとこれはしょうがないです。まず、自分がレビューするまでは、その現状を続けるのが筋だと思いますが、他の職員については私とは一線を画して白地で検討したいと思います。

記者

 5月市会で第二次編成ということで追加予算提案されると思いますが、早急に点検するものとして、行財政改革以外に何かありますか。

市長

 5月市会に提案するものと今の行財政改革が必ずしもリンクするわけではないと思いますが、5月市会では、今回の一次編成で必ずしも盛り込めなかった、もう少しかつての表現で言うと肉付け的なところで、財源的な規模はそんなに大きくないと思いますが、私なりの突き抜ける「世界都市京都」というものを作っていく上で、やはり特に海外人材も含めて優れた人材をどう京都に吸引していくのかとか、あるいは若者人口流出をどう歯止めをかけていくのか、その辺りについてもう少し工夫をしながら芽出しをできないかなと思っています。

 同時に、文化首都と言っているわけですから、京都の文化力を高めていく、そのために必要な予算というのは必ずしも、むしろ肉付け、第二次編成で、これも芽出しになるかもしれませんが、しっかり考えていきたいと思います。

記者

 市バスの運賃値上げについて、改めて市長の考えをお願いします。

市長

 これもなかなか難しい話で、私は公約で値上げは回避と言っていました。それは回避したいと思います。結論から言うと。他方で、市バス、地下鉄に関して言うと、コロナ禍で非常に利用客数が減って財政的な困難に直面した、そこの部分はある程度回復したと思いますが、やはり利用者が完全にまだ戻り切っていない。それから、人件費や燃料費、これがやはり高騰している。人件費というのは運転手さんだけではなくて、整備とか安全面の確保にあたっては、運転手さんもちろんそうですが、そういう整備費なども全部上がっているわけですね。従って、例えば民間の民営鉄道であるとか民営バスの方々も、実はそこをどう吸収できるのか、しきれないのか、価格転嫁せざるを得ないのかというふうに苦労しておられるわけです。ですから、私は財政、国の財政的な協力というか、その措置を引き出して、今回の市バス、地下鉄の値上げについては回避、何としてもしたいと思っております。

 同時に中長期的に見た時に、ずっとデフレ経済の中で維持されてきたものがそのままでいいのか。要するに、市バス、地下鉄の特にバスの路線で言うと、どうしても公共交通として維持するためには、やはり単一路線で見ると赤が出るところがあるわけです。それを黒字でどうカバーするかというのは公共交通の宿命なわけです。それを維持していくために、ぎりぎり経営努力はするけれども、同時にやはり運転手さんや整備についてお金をこれ以上削れない、デフレ経済の前提のようなことは続かないということについては、いずれはしっかりとそれは市民の方々に説明していかざるを得ない時期は来るのではないか。

 ただ、当面は、今、インフレ経済に対して、なかなか国民のお財布の実感が湧かないというのが現状ですから、できるだけ、国民健康保険負担なんかもそうですが、いずれこれは高齢化の中で理解を得なければいけないけれども、まだマクロ経済と個人の家計がうまくリンクできていない、まだそのギャップが大きいこの時点では、できるだけ負担増というのは回避したいというのが、少なくとも来年度予算編成についての考え方です。

記者

 当面回避というのはこの1年ぐらいという目安でしょうか。

市長

 いや、少なくとも今回は回避したいということです。その後については、もう少し具体的な実態を市役所の職員、あるいはそれぞれの管理者の方々からもお話を聴きながら考えていきたいと思います。

記者

 昨日(2月25日)から市長に就任されましたが、昨日、どのような公務をされたのか教えていただけますか。

市長

 昨日は和食の祭典に出席させていただきました。政務はございましたけれども、純粋たる公務は彬子女王殿下がお見えになられた京都市が共催の事業に、岡崎公園であるとか、みやこめっせのほうで出席させていただいたのが純然たる公務だと思います。

 少し市役所でも仕事をしておりました。それは初登庁前なので、職員の皆さんにもあまり知らせずに仕事をしていました。

記者

 市政について御自身の目で見直しを図っていくということでしたが、民間や学識者を幹部職員に登用するなど、見直しにあたって市外部の意見を取り入れるという点についてはどうお考えですか。

市長

 市役所外の意見は大いに取り入れたいと思います。具体的に登用というところは、まず登用ありきで、これも私のかつての民主党政権時代に、私がそういうことを多発したわけではないですが、いきなり政治任用で何か発令するとかそういうことよりは、むしろ意見を聴くという意味において、私がこの人の意見を聴くべきだと思う人はもう何人もリストアップしてあります。その方々の意見は聴きたいと思いますし、場合によっては、そういう方々の中から反復継続して様々な意見を私としてはお聴きしたいという方も出てくるかもしれませんが、今、個別名でどなたかをどういうポジションに任用するということは、まだ考えてはおりません。

 ただ、何人かの私自身が有識者だと思う、それは京都市民の方もいらっしゃれば、京都市民でない方、でも京都にある程度の時間滞在されている方、あるいは全く京都市民でもないし、東京在住という方、あるいは別の地方在住の方もいらっしゃいますけれども、そういう方々の意見は私として聴きたいし、私はできたらそういう方々の意見を私1人が聴くのではなくて、その市役所の有志、これはもう幹部もそうですけれども、幹部以外の若い人たちにも一緒に聴いてほしいと。皆さん、仕事で忙しいですから、市長の時間に合わせてというわけにいかないかもしれませんが、それは工夫をしながら、そういう方々の意見を聴きながら、実際、市民でこの京都のまちで生活をしておられるという方の意見も大事ですし、ちょっと京都のまちから離れた立場で見ておられる方の意見も含めて、意見は聴取していきたいと思います。

記者

 選挙期間中に、近隣自治体とも連携していきたいとお話しされていて、大京都圏の整備の促進という話もあったかと思いますが、その辺りは今後どう進めていきたいと考えていらっしゃいますか。

市長

 近隣自治体というのは、やはりどうしても切磋琢磨せざるを得ない。特に隣り合っていますから。住民によっては本当にもう通りの向こう側は別のまちと、そんな住民の方もいらっしゃるわけで、切磋琢磨は必要だと思います。

他方、同時に私自身がこの間、いろんな意味で複雑な思いを持っているのは、例えば、子育てをどうするかと言った時に、一つ間違うと住民の取り合いになってしまいます。日本の国に生まれ育つ、特に日本人、外国人の方を排除するわけではないですが、それについて私自身の信念としては、教育や子育ての環境は、そのまちの財政力とか、まちの政策によらないで、どこに生まれようと均等な機会を提供されるべきだと思っています。従って、教育や子育て面での無償化に代表されるような行政サービスというのは、できるだけ、自治体の財政規模で人を取り合うというよりは、国全体が均衡ある発展を目指してほしいというのが私自身の第一の思いです。

 しかし、切磋琢磨は必要ですし、西脇知事とも話をしていることですが、できるだけ子育て環境日本一ということを目指そうと。ただ、それはうちのまちだけがよければいい、うちのまちに人口を呼び込みたいということで、お互い何か言葉悪いけれども近隣窮乏化みたいなことに結果としてなるような政策競争ではなくて、より広域で、できれば日本全体で子育て環境をどうよくしていくかということを国にも働きかけていきたいと思います。

 そうは言いながらも、もちろん京都市として、やはり魅力ある子育て環境を作っていくというのは私の大きな目標なので、それは自分たちの財政の枠内で創意工夫はしていきたいと思いますが、では、とても財政力豊かな地域と同じように、全てそれをマッチングしていけるかというと、なかなかそこまでの財政規模はない。本当はそうしていきたいですが。そのためには、まずはやはり経済の基盤を大きくして、担税力を高めていくということが、いろんな意味でまちの自立性を高めていくためにも、あるいは子育てや福祉というものをより充実したものにするためにも、そこがなければ、今も副市長をはじめとして財政面ではすごくいろんな知恵を巡らせていただきながら、苦労しながらここまで来ていますが、やはりどうしてもその事業所数とか担税力においてレベルが違うまちが横にあったりすると、そこは歯を食いしばってできるだけ頑張っていきたいと思います。また、より広い視野で国にも要望していきたいと思います。

記者

 先ほど行財政改革の中で、(行財政改革計画の)前提条件が変わっているとおっしゃって、キャップを外して予算編成したとおっしゃいましたが、どういう条件が変わったと考えられて変えられたのか教えていただけますか。

市長

 基本的に令和3年のことですから、(計画策定当時は)デフレ経済で税収が全然見積もりが違いますよね。ですから、そこの部分が違って、そこは随分余裕が出てきている中で、その前提でキャップをどこまでかけ続けるのか。全部野放図にしてしまっていいとは思いませんが、ある程度それを硬直的に見てしまうと、私が今回提案しているような、防災・減災対策はできませんし、やはりそれは部分的に導入する、あるいはこれまでの借金の積戻し、取崩しの積戻し(「過去負債」の返済)も、本来だったら35億円、計画的に積戻しを当初からしていきたいですが、これは何とか決算できちんと数字を合わせて計画的返済にしていきたい、当面のこの予算においては、やはり重点的な施策に振り向けていきたい。それがないと、本当に全くメリハリが私の目から見るとつきません。やはり収支構造は全然違いますので。

 それから、前提として、デフレ経済からインフレ経済になっていますから、そこの面は、先ほど申し上げたように、家計の負担という意味では、ある程度、インフレ経済になったからといって全部値上げできるわけではない。しかし、現実に費用がかかるものを、もうこれまで以上、キャップの範囲内でということになってしまうと、予算としては回らないという判断をしたということです。

記者

 新しい公共について、地域の方、あと公共人材にどのように公共性のある取組を担っていただくかというお話もありました。別の文脈ですが選挙期間中に(松井市長が)痩せ我慢ということをおっしゃっていましたが、地域の方にはちょっと違う文脈で取られていまして、大変なのに痩せ我慢して担わないといけないのではないかというような話を取材に行くとおっしゃる方もいらっしゃいました。地方自治体、京都市がどのようなスタンスで新しい公共というものを育んでいこうというふうにお考えなのか、改めてお聞かせください。

市長

 新しい公共とか民が担う公共というと、ひとつは、全て民営化路線で、公営の事業を民営化するのだという誤解が伝統的にあります。民営化は、私は否定しません。民間の知恵とか経営効率によってサービスも良くなるし、圧倒的に経済効率も良いという部分があったと思います。誰も今、日本国有鉄道に戻せということをおっしゃる方々はいらっしゃいませんよね。しかし、では、民営化したら全て良くなるかと言えば、例えば国鉄の中で言えば、JR北海道はどうなのか、JR四国はどうなのか、民営化、分割民営化したら課題が解決するかというと、そうではないということも歴史が示していると思います。例えば、郵便事業なんかもそうです。昔のままで良かったのかと言われればそうではないかもしれないですが、3事業を分けて、いわゆる民営化をして、例えば郵便事業が良くなったのか、簡易保険はあのような問題が起こったというのはそのことと関係があるのかないのか。人様のことをどうこう言う話ではありませんが、普通に考えたら民営化イコール課題解決の万能薬ではない。

 その中で、民営化以外のものとして、もっと地域の人たちのということなのですが、今おっしゃったように、地域の方々も高齢化しています。選挙中、小金塚という地域に行ってボランティアバスの運行について現場を見せていただいて、ボランティアバス、地域の方々が自発的に運行されてと言いながら、その実態は本当にしんどい。これ、どうしたらいいのだと。京阪バスもなかなか収支に合わない。では、京都市営バスがそこをカバーできるのか。できない。難しいです。いろんな新しい経営手法も出てきていますから、そういうものを取り入れて解決できるのか。割と平たんなところの広い地域の中山間地域だったら、MaaSみたいなものを活用して、課題解決できるところもあると思いますが、やはりそういう自分の中の抽象的な知識というのは、なかなかその地域の構造などを見た時に、道も狭いし、あのようなワゴンタクシーのようなものを運転するしかない。その状況で回すと言われてもしんどいです。だから、やはりそう簡単ではない。

 だけど、簡単ではないけれども、私がいつも言っているのは、地域の方々が公共的な課題に、自分自身もその解決に向けて、自分を受益者と同時に、そういう公共サービスを提供する側に一部でも担っていただくことによって意識が変わるという現場を私はたくさん見てきているので、それをどのように、どういう方々に参加を促していくのか。端的に言えば、高齢化の波の中でそこはすごく疲弊して、市民しんぶんが典型的な例ですけれども、体もしんどくなってきているのに、これ以上、我々は何を働けと言うのか、という声があるのも選挙中も含めて聞きました。従って、夢のような話で、京都モデルが万能薬のように機能するとは思いません。でも、若い人たちにどう参入していただくのか、その方々にとってそれは彼ら彼女らの生きがいの中にどういうふうに組み込まれていくのか、そういう一つ一つのいろんな成功モデルも分析しながら、しっかりと地に足の着いた新しい公共、あるいは居場所と出番のある京都をどう構築するかが私にとっての最大の課題でもあるし、私の教え子たちはそれを見ていると思います。これからのチャレンジです。

記者

 最後に一つだけ。先ほど外部からの人材の登用というお話もありました。1か月するともう4月の新年度人事の時期です。副市長など幹部の人事について今考えておられることはありますか。

市長

 まだ白紙です。私の名の下に今日、議案発送しなければいけなかったので、部分的に予算編成などについて必要最低限の意見交換はさせていただいていますが、そんなに人事評価ができるほどの意見交換をさせていただいているわけではないので。

 ただ、申し上げましたように、過去の私の政治経験から言っても、あまり前のめりになって、とにかく新しさを求めるというような発想、あるいは行政イコール無駄だという発想で切るという発想に立たない。まずは、しっかりと現場の話を聴き、その上で、しっかり慎重にその人事にしても行政の見直しについてもちゃんと謙虚に耳を傾けて、しっかり判断をしていくという意味において、まだ白紙です。

記者

 これまでの京都市長は、二代続けて着物を着ていると思いますが、松井市長は着物を着られるという御予定はありますか。

市長

 着物が似合う素敵な市長になりたいです。ただ、私はそんな着物を持っていないし、着物を着る機会が早々にあったらどうしようかとはらはらしている状況であります。写真撮影なんかも貸衣装でまだしのいでいたりする状況なので、これから着物もそろえていかなければいけないし、とてもではないですが、前任者のように日常的に着物を着こなそうと思っても着こなせないので、これから私の課題と捉えてください。

 ただ、一つ言えることは、夏はひょっとしたら違うかもしれませんけれども、日常は普通にこういうスーツとかで過ごそうと思っています。ただ、やはり京都の市長として着なければいけない、あるいは着るべきシーンというのはあると思いますので、そういう時に向けて、ちゃんと準備をします。

記者

 選挙戦中、北陸新幹線の小浜・京都ルートについて態度を明確にされていらっしゃいませんでしたが、関西として早期着工が急がれる中、市長になった今、現在推進していくおつもりなのか、どうお考えでしょうか。

市長

 態度は、私ははっきりしていたつもりです。国土軸としての重要性は認識しています。関西経済圏全体としてもその必要性というのはあると思います。ただ、京都市長は、京都市民に対して財政面の負担であるとか、あるいは環境、特に水源面での負担というのを説明する責任があります。どういうルートでどういう工法を取った時に、どれぐらいの環境負荷、財政負担がかかるのか、特に環境負荷という意味においては、単に例えばトンネルを掘削して、その土壌をどこに処分するかということだけではなく、京都というのは地下に非常に貴重な水源のあるまちですから、その水源に対する影響などということは、私は謙虚に捉えなければいけないと思っています。それは単なる経済的な財政負担だけではなくて、そのことがこの都の成り立ち、この都を成り立たしめてきた、その大きな地理的、環境的要因について、もしかしたら阻害するかもしれないという可能性については、もっと謙虚であるべきだと思っています。

 従って、それも工法とかルートによることだと思います。そこが、私から見たらまだ決まったものが提案されているわけでは必ずしもないと思っています。今、その状況の中で、私として、この北陸新幹線の延伸について賛成もできないし、では、絶対反対と言うことまでも言えない。それは今後いろんなルート、工法のメリットデメリット、それは地域を預かる行政の長としての判断もあるし、当然交通事業者の判断もあるでしょう。それをしっかりお話を伺った上で決めざるを得ないという意味では、結論は慎重に検討ということで、読売テレビさんから見たら曖昧かもしれませんが、私の中では割と確固たる気持ちを持っております。

記者

 行財政改革について、改めて市民の方からも広く意見を聴いて見直していきたいというお考えを先ほど御説明されましたが、改めてこの間の門川市政による行財政改革では、公共料金の値上げという部分でかなりの部分での市民の負担というのもあったと思いますが、松井市長が考える新たな行財政改革において、新たな市民負担というのも生じる可能性というのはあるのでしょうか。

市長

 先ほど申し上げたとおりです。

記者

 それも含めて全てゼロベースで見直すということでしょうか。

市長

 いいえ。構造的に言えば、インフレ経済ですから、それから公共人材というものを確保しなければいけないので、どうしてもコストアップ要因はあるということです。ただ、そのコストアップ要因について、直ちにそれを市民負担として、行政として負担をお願いできる状況には今ないので、様々な財政面での工夫、それは場合によっては単年度で今回はしのげるかもしれないですが、では、その後、どうなるかという保証がないものも含めて、とにかく今は、負担は回避したい、これ以上の負担増は回避したいと。

 ただ、中長期的に言えば、やはりインフレ経済の中で、公共的な料金だけが全て据え置けるかというと、そうではない。それは例えば民間で公共交通を担っておられる方々も今、非常にそれで苦労しておられるところなので、そういう方々も含めて、例えば市民の足を担っているというのは市バスだけではないですよね。民間バスも含めて市民の足を担っておられるわけで、そういう方々とも、やはりお互い自分たちだけが良ければいいというわけではなくて、公共の市民の足を担っていくという意味で、市営交通もあるけれども民営の交通もあるわけで、そこともちゃんと対話をしなければいけないと思います。そういうことを市民の方々に納得いただくというプロセスも将来的には必要でしょうけれども、今は、それは御納得いただける状況ではないのではないかと。まだインフレ経済というのが市民生活の中では実感できてない。そこのギャップがある状況ではないかと。そこは市役所が歯を食いしばって、国の援助もいただきながら何とかしのいでいかなければいけないのではないか、あるいは国民健康保険などは、ある程度基金などの対応でしのいでいかなければいけないのではないかと思っています。

記者

 冒頭、メリハリの効いた都市計画の見直しを行いたいという御発言がありましたが、具体的なスケジュール感、どのぐらいのスパンで行っていかれるのでしょうか。

市長

 都市計画は、どうしても半年、1年でどうこうなるわけではないと思います。まずは、実態として民間で動いているようなプロジェクトもあるわけです。それは例えば、菊浜のプロジェクトなんかは民間の方々が主導して、新しいまちづくりをそこにつくっていこうとされている。もちろん、市役所も高瀬川周辺の環境整備とか役割を担っていますが、そういったところはもうできるだけ計画の見直し以前に、市役所がこれを動いてくれればこれができるというような話、そういうのを実際にやっておられる方々の御意見も、来月のそんな遅くない時期に伺う日程が入っておりますので、やれるところは早く見直す。

 ただ、都市計画の見直しとか景観条例の見直しをどのようにしていくのかとかいうことについては、これはどうしても時間がかかりますし、まずはやはり今、進んでいるプロジェクトの実態をどう把握していくのか。具体的に今、菊浜という話をしましたけれども、崇仁地区では京都市立芸術大学の移転によって大きくまちづくりが動いていますし、東九条のエリアもまちづくりがこれから動き出しますし、らくなん進都のほうの話もございますし、それらについて、しっかりと実態を聞きながら、現行の制度でもできるものについて言うと、積極的な誘致とか、あるいはどういう交流拠点をつくっていったらいいのかというようなことは、できるものは何年ということではなくて、すぐ動けるものと少し時間かけたまちづくりという両面があると思います。

 それはさっきのオーバーツーリズムの観光特急路線もそうです。非常に時間かかる。冒頭で申し上げた、ある種、チャレンジングな課題だけれども国全体も考えてほしいというのは、例えば市民優待価格というような制度で、これもやり方によっては法改正が必要でないようなやり方もあるのかもしれないし、だけどやはりいろんな要件があって、それはこれから国と色々な意味で協議をし、観光が集中している、観光客が集中してその市民生活と両立が非常に喫緊の課題になっているようなエリアから見たら、そういうもの(制度の導入)の道を開いていただくというのは国策にもかなうのではないかということも含めてお話をしていきたい。ただ、これは時限をなかなか切れません。そもそも現行法令とか、あるいは現行法令に基づくいろんな国の政省令やガイドラインなどをどこまで見直すのかは、これから白紙で一から議論するので、短期でできるもの、中期でできるもの、いや、これは私の4年の任期で言うと、どこまで本当にできるかどうか、問題提起に留まるかもしれない。そういうものも含めて、問題提起できなかったということを問題提起しないのではなくて、それ(問題提起それ自体)はしていくのも首長の責任だと私は思っています。

記者

 原発政策についてお聞きします。京都市は関西電力の株主でもあります。この間、前任の門川市長は株主総会において脱原発依存という提言もされてきましたが、京都市長として原発政策に対してどのような姿勢で臨んでいくお考えでしょうか。

市長

 原発政策について私自身の持論はあります。私も経済産業省というか、経済産業省の前身の通商産業省の職員でしたし、様々な考え方がありますが、京都市長としてこれをどう考えるか、関西電力の株主としてもどう考えるかは、ちょっとこれから1回白地で考えたいと思います。

初登庁の様子


下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

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