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市長記者会見(2023年8月2日)

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2023年4月12日

市長記者会見(2023年8月2日)

ピックアップ動画(記者会見のポイントを紹介)

市長記者会見動画


「令和4年度決算概況及び今後の持続可能な行財政運営」について、京都市長が記者会見を実施しました。 

※発表内容は、令和5年8月2日時点の情報です。 

市長冒頭発言

(門川市長)

 本日は、「令和4年度決算概況及び今後の持続可能な行財政運営」について御説明申し上げます。 資料1ページを御覧ください。

 まずは市民の皆様に、お伝えしたいことが4点ございます。

 1点目は、令和4年度決算では、21年振りに「特別の財源対策」から脱却、77億円の黒字となり、これまで長年の課題でございました単年度の赤字を解消することができました。

 振り返りますと、市長就任当時から、リーマンショックの影響を受け、一般会計では、特別の財源対策95億円を講じても、なお過去最大の30億円の赤字、そして市バス・地下鉄を含めた全会計の連結実質赤字は300億円を超えました。極めて厳しい、危機的な財政状況からの出発でございました。

 京都市は、人口に占める大学生が1割と全国で突出して多いこと、市域の4分の3が森林であること、数多くの歴史的資源、木造家屋が多いことなど、京都ならではの魅力、強み、都市特性が、税収面では、残念ながら課題となっております。 

 加えまして、地方交付税、かつてはこうした京都の都市特性も配慮されていましたが、国の三位一体改革による制度改正により、大幅に削減され、平成15年度のピーク時から、実に47%、614億円も削減されております。全国で1番削減された率が高いと言っても過言ではありません。

 こうした中でも、福祉、子育て支援、教育、安心・安全など、国の基準や他都市を大きく上回る、全国トップレベルの京都市独自の施策・サービス水準を守り続けてまいりました。

 しかし、先ほど言いました、地方交付税の削減等により高い水準の施策を維持していくために必要な財源を確保できず、通常の歳入の範囲内で歳出を賄えない、収支不均衡の状態が、長年続いておりました。

 そこで、私は、市長就任以来、4千人を超える職員数の削減、年間人件費320億円の削減など、行財政改革を断行しつつ、福祉、子育て支援、教育、安心・安全、さらには文化を基軸とした都市経営による文化と経済の好循環など、京都の今と未来に必要な施策を全力で進めてまいりました。

 そして、市長4期目。長年の課題でありました収支均衡への道筋をつけるため、従来の延長ではない「挑戦と改革」を公約に掲げ,市民の皆様の信託を得て、ここから、改革と都市の成長に向けてギアを上げようとしていた矢先の、突然のコロナ禍でございました。リーマンショック並みの税収減、当時国においては5.4%の税収減を見込まれました。京都市はそこまではということで、4.7%の税収減を見込みました。さらには、リーマンショックの時も、生活保護等の支出増が大きく増えました。 そんな中で、これらを予想しながら、このまま何も改革をしなければ、財政が破綻しかねないという危機に直面いたしました。

 こうした中、私は、持続可能な行財政への道筋をつけるとの不退転の決意と覚悟の下、行財政の状況を市民の皆様に改めて分かりやすく、全て公表し、市会をはじめ、市民公募委員や学識経験者とフルオープンの場で徹底した議論を重ね、令和3年8月、行財政改革計画を策定いたしました。

 そして、この度、特別の財源対策からの脱却について、「10年以上」かかるとしていた目標を「2年」で達成することができました。これは、市民の皆様、多くの関係者の皆様の御理解・御協力を得ながら、国との緊密な連携、府市協調の下、行財政改革を進めると同時に、都市の成長戦略を、スピード感を持って進めてきた成果であります。改めて、市民の皆様に心から感謝申し上げます。

 2点目は、4年度決算の黒字額77億円は、過去負債の返済をはじめ、魅力あふれる京都の「今」と「未来」のために活用してまいります。具体的には、まずは、赤字補填のため、これまで取り崩してきた公債償還基金、いわゆる過去負債への返済に活用してまいります。令和2年度末に最大642億円までに到達した過去負債でありますが、この間、187億円を返済しています。現在、残る505億円を順次返済し、将来世代への負担を軽減してまいります。

 同時に、未来への投資も極めて重要であります。人口減少対策推進タスクフォースや景観政策を大切にしながら、若い方々の働く場、住宅等を創出する都市計画の見直しなど、ソフト面も含めて推進します。洛西SAIKO(さぁ、いこう)プロジェクトの取組等を加速化していくなど、若者・子育て世代の定住・移住、経済の活性化をはじめ、7つのリーディング・チャレンジを中心とする、市民の皆様の豊かさにつながる都市の成長戦略を推進してまいります。

 そして今なお、継続する物価高騰等にお困りの市民・事業者の皆様の下支えや、市民の皆様のいのちと暮らしを守るため、いつ起こるとも知れない災害時への備えなどに活用してまいります。

 資料2ページを御覧下さい。3点目は、今の京都市財政の現状認識についてでございます。市民・事業者の皆様の御努力、国との緊密な連携、府市協調の下、都市の成長戦略の推進をはじめ、担税力強化の取組効果も相まって、令和4年度の市税収入は過去最高を更新することができました。

 そして、令和5年度予算に続きまして、令和4年度決算での特別の財源対策からの脱却、さらに市債残高の減少など、財政状況は大きく改善することができました。加えまして、安定した行財政運営を将来にわたって義務付ける条例を今年3月に制定したところでございます。今、まさに持続可能な行財政運営の確立に向けた大きな転換点を迎えており、そして、これからが極めて肝心であります。

 未だ残る過去負債505億円の返済が必要であること、高齢化等による社会福祉関連経費の増加、景気変動リスク等への懸念など、依然として油断できない状況にございます。今後も財政は厳しい見込みとなっております。そのため、以前の状態に再び戻さぬよう、財政難克服への道筋をより確かなものにしていくことが極めて重要でございます。

 そこで、4点目では、財政難克服への道筋をより確かなものにしていくため、今後の行財政運営についての方針を申し上げます。

 まず、将来世代の負担の先送りにつながる過去負債を解消すべく、高齢化がピークを迎える「令和20年度を目途」にできる限り早期に返済してまいります。

 次に、企業立地や人口減少対策など、都市の成長戦略を加速させることで、市民の皆様の暮らしの豊かさへとつなげ、足腰の強い財政基盤の更なる強化・安定を図ってまいります。

 そして、市民の皆様の御理解・御協力の下、将来世代に負担を残さないよう、改革をたゆまず実施し、魅力あふれる京都の今と未来を市民の皆様と共に切り拓いてまいります。

 資料3ページを御覧下さい。まず、4年度決算の全体像でございます。歳入総額は9,621億円、歳出総額は9,464億円です。そして、冒頭で申し上げましたとおり、収支は77億円の黒字、実質の市債残高や将来負担比率など財政健全化を示す指標は大きく改善しております。

 資料4ページを御覧下さい。次に、収支改善の主な要因についてでございます。3年度決算から4年度決算にかけて、162億円の収支改善をしております。

 資料5ページを御覧ください。歳入面の主な要因といたしまして、景気情勢など全国共通の背景に加えまして、京都市独自による取組を実施しました。新型コロナや物価高騰等による市民生活・事業者の下支え、都市の成長戦略の推進による担税力の強化、観光客の回復による宿泊税の増収、さらには市税徴収率の向上など、これらの取組効果も相まって、市税収入は、前年度比99億円の増収となっております。

 また、ふるさと納税寄付金は、京都ならではの返礼品の充実、伝統産業の振興、首都圏へのPR等を強化した結果、寄付額は、過去最高の95億円で、受入額は政令市トップ、返礼品などの費用や流出額等を除いても、なお26億円を確保しております。なお、これらのふるさと納税による資金については、みらい夢基金に多額の積立もいたしております。

 資料6ページを御覧下さい。歳出面の主な要因といたしまして、市民の皆様の命と暮らしを守るため、必要な人員体制を確保しつつ、職員数の削減や働き方改革等を徹底し、人件費を削減しております。令和3年度・4年度の2ヶ年で51億円の人件費削減効果でございます。

 また、人員減等による人件費削減とは別に、臨時的な職員の給与カット等により、災害等の緊急事態に際して、機動的に市民のいのちと暮らしを守る財源として50億円を積み立てる計画を立てましたが、計画の50億円を確保し、財政調整基金等への積立てを、完了しております。 

 さらに、民間ビル等賃料の削減など行政経営を徹底して効率化するとともに、補助金・イベント、使用料・手数料等について、総点検を実施し、社会情勢の変化等に応じた見直しを行っております。

 そして、将来にわたりサービスを続けられるよう制度を再構築、京都市の全国有数の誇るべき独自施策を、持続可能なものにして維持しております。例えば敬老乗車証については、政令指定都市で多く廃止等されていますが、これを継続していきます。さらに10月から、最大額面1万円の半額で御利用いただける敬老バス回数券を新設、あるいは民営バス敬老乗車証の適用地域の拡大を実施いたします。

 また、民間保育園等への京都市ならではの補助については、実態調査に基づき、様々な課題があり、それに基づき解決するための、見直し・改革でございます。それでも保育所等の保育士配置基準は、国基準の1.3倍で全国トップ水準です。例えば90人定員の場合、国は12人、京都市は16人の保育士を配置します。これは異次元の少子化対策で国がこれから実施されるであろう保育士の増員を大きく超えるものです。また、保育士の給与水準は全国平均から100万円を超える額を確保するとともに、補助制度におきまして、例えば障害児保育に係る保育士加配など、すでに市会における議論を踏まえた再度の見直しを行っており、今年度も京都市独自財源で国を上回る53億円確保しております。

 さらに、現在、各保育園等の令和4年度決算の状況を分析しており、各園等の実態に応じた必要な対策について、今まさに検討を進めております。

 資料7ページから8ページにつきましては、「一般会計歳入決算の概況」、及び「市税収入の内訳」を記載しております。一般財源収入は、令和3年度に次ぐ、過去2番目の規模、市税収入は過去最高となっております。

 資料9ページを御覧下さい。歳出状況と主な成果についてでございます。「くらしに安心、まちに活力、みらいに責任」に重点を置きつつ、国・府との緊密な連携の下、子育て支援、福祉、教育の充実、防災・減災、京都ならではの景観政策、文化を基軸としたまちづくりなど、京都の「今」と「未来」に必要な施策を強力に推進してまいりました。

 市民生活の豊かさ、都市格の向上等につながる様々な成果について、資料11ページにかけて御紹介しております。先日発表された、文科省の児童生徒の学力についても、3年続けて、京都市立小学校の学力が、政令指定都市トップになっています。中学校も非常に高い水準であります。京都は私学発祥の地ですが、私学に就学される方が小学校で1割、中学校で2割です。その私学に行かれた方を除いた市立小中学校の子どもの学力ですので、全国実質トップを、子ども達の努力、保護者や教職員、地域の協力のもとに出来ています。また、中学校3年での独自の30人学級等、今日までの施策の成果だと考えております。引き続き、市民の皆様の命と暮らしを守るためにしっかりと取り組んでいき、そして京都の魅力を更に高めて、未来につないでまいります。

 資料12ページを御覧下さい。持続可能な行財政の確立に向けてでございます。冒頭にも申し上げましたとおり、持続可能な行財政の確立に向けて大きな転換点を迎えた今、財政難克服への道筋をより明確にしていくため、行財政改革計画の「中期の財政収支試算」をより実態に近いものへ更新するとともに、過去負債505億円について、高齢化がピークを迎えるまでの令和20年度を目途にできる限り早期に返済してまいります。

 資料13ページから14ページにかけて、中期の財政収支試算を時点更新したものを掲載しております。ただし、国における「こども未来戦略方針」に基づく施策など、これらはどういう動向になっていくのか、国に対して、地方に負担をかけないようにと言っていますが、そうした動向も、今後の財政に与える影響は大きいと思います。今後の景気動向等による税収見込みなど、現時点では具体的に反映できていない部分もたくさんございます。これらをできる限り反映させて、令和8年度以降の見込みを含めた中期の財政収支試算を、令和6年度予算時に改めて公表してまいります。

 資料の15ページを御覧下さい。最後に、公営企業の決算について御説明申し上げます。まず、市バス・地下鉄事業です。令和4年度決算ではお客様数がコロナ前までには戻り切らず、市バス・地下鉄両事業とも、経常損益はともに3年連続となる赤字を計上しております。しかし、お客様数は令和2年度を底に年々回復傾向にあり、直近では明るい兆しも見えてきております。

 地下鉄は、計画から2年前倒しで経営健全化団体から脱却できる水準に回復し、また、国への強力な要望活動により実現した国の財政支援措置の効果がとりわけ大きく、運賃改定7%を想定しておりましたが、これを回避することができました。

 市バスは、燃料費や運行やバス整備等に係る委託料高騰の影響など、大変厳しい状況にあり、運賃改定を見込まざるを得ない状況であり、引き続きお客様の動向等を見定めつつ、あらゆる経営改善を実施してまいります。

 資料16ページを御覧ください。上下水道事業についてでございます。

 物価高騰等の影響により、支出が増加する中、業務執行体制を見直しまして、職員数の削減など、あらゆる努力により、黒字を確保しました。節水型社会の定着により減少が続く使用水量は、新型コロナの影響もあり、料金・使用料収入は減収が継続しておりますが、効率的な事業運営に努めるとともに、長期的な視点に立ち、老朽化した配水管の更新、新山科浄水場導水トンネルの築造や、さまざまな積極的な取組を展開しております。また雨水幹線の整備、「雨に強いまちづくり」を積極的に展開し、5年に1度の大雨による整備率が他都市平均62%に対し、京都市は91%と全国トップ水準となっております。引き続き着実に整備を進めてまいります。

 最後に、市債の残高でございます。資料3ページないし資料編7ページに記載していますが、国が返済に責任をもつ、臨時財政対策債(臨財債)を除く、一般会計の市債残高は8,252億円で、対前年比168億円減、平成20年度、私の市長就任当時ですが、ピーク時から1,580億円、16%の削減でございます。なお、臨財債を含めましても、この2年間は削減されております。全会計では、前年度比より281億円減、平成14年度のピーク時から5,129億円、24%の削減でございます。

 説明は以上でございます。

質疑応答(摘録)

発表案件「令和4年度決算概況及び今後の持続可能な行財政運営」について

記者

今回の決算の意義について、改めて、これまで積み重ねてこられたところがどのように結実してこの決算になったのか、受止めをお願いします。

 

市長

 今回の赤字を解消できた決算は、市民の皆さんの御理解、御協力の下に、行財政改革の推進、そして、皆さんと御一緒に都市の成長戦略を進めてきた成果であり、改めて市民の皆さんに感謝申し上げます。

 この度の決算で赤字は解消できましたが、これからが肝心だと思います。今が持続可能な行財政の確立に向けた大きな転換点であると思います。以前の状態に再び戻さない。財政難克服への道筋をより確かなものにしていくことが極めて重要な時期であります。こういう改革が改善していく時がある意味で一番大事な時だと肝に銘じております。

 そして、いまだ残る505億円の過去負債の解消もあります。さらに景気変動リスク、あるいは高齢化によりまして、社会福祉関係経費は確実に増加していきます。今後も不透明な社会情勢を踏まえると、依然、油断できない。このことを肝に銘じて、引き続き、市民の皆さんの御理解の下に、行財政改革と都市の成長戦略に邁進してまいりたいと考えております。

 

記者

 市バス・地下鉄については、利用者数が落ち込んでいたものの、それが大分回復してきたということですが、市バス・地下鉄の今回の決算についてどのように受止めていらっしゃいますか。

 

市長 

 令和3年度に市民の代表、専門家からなる審議会を開きました。最もどん底の時でありました。(市バス・地下鉄は)あらゆる市民の方々の足、都市経営の基盤でございます。この地下鉄、市バス、持続可能なものにしなければならないということで、侃々諤々議論の上に、交通局、京都市としてできることは全て実行していく。同時に、市民の皆さんの協力の下、増客等についても連携して取り組んでいく。そんな取組を、理念を明確にしながら、なりふり構わない経営改善を進めてまいりました。

 一方で、コロナ以前には戻っていませんが、お客様数が大きく増加しています。(資料に)令和5年度の4、5、6月のお客様数も書かせていただいていますけれども、かなり改善してきております。

 しかし、これからがどうなるかというのは、まだ不透明な部分がたくさんございます。(お客様数がコロナ禍前の水準に)戻り切るという人もおられますし、働き方改革、オンラインなどで(元の水準には)戻らないんじゃないかという御意見もございます。

 さらに、地下鉄は国への異次元の要望活動をし、特別な京都市の地下鉄に限ったと言ってもいい支援策が実現しましたので、7%を想定した運賃の値上げは回避でき、さらなる経営改善と増客に努めることで見通しが立ちつつあると思いますが、バスは燃料費の高騰、担い手の確保、担い手の人件費の高騰の(課題があります。)最大時は、半分のバスは民間に委託し、民間と直営が切磋琢磨することで、全国でも画期的な経営改善を市バスは独自にやってきましたが、これから非常に難しいところであります。

 コロナ以前、非常に順調でありましたけれども、801台のバスが市全体をカバーし、市内バス交通の85%を担う、全国一の市バス網でございます。その内4分の1が黒字で、4分の3の赤字系統を維持している状況です。

 この10年間、全国で路線バスは縮小されているのに、京都市は拡充してまいりました。これは観光で非常に順調であったことの成果を市全体に(還元する)ということで取り組んでまいりました。これが今後どうなっていくのか、非常に厳しいものがあります。

 市バスは、これからのバスの乗客の動向等もしっかりと見極め、さらにあらゆる経営努力をしてまいりますが、一定の時期に料金改定は見込まざるを得ません。(路線を)縮小したら(料金改定は回避)できるかもしれませんが、やはり京都市全体のバス網をしっかりと維持するということは、私は大きな理念だと思っております。専門家等も市民もそのように望んでおられます。

 従って、引き続き経営改革を進めつつ、さらに必要な時期に必要な運賃改定も、市民の皆さんの足を守るために必要だと考えております。その時期等につきましては、お客様数が戻るのか、また、物価高騰がどうなっていくのかということも推移を見ながら検討していきたいと考えております。

 

記者

今回、市民にお願いした負担が財政上に与える効果としてどれぐらいの規模のものがあるのか、資料の中にはっきり数字としては書かれていないです。敬老乗車証の制度の見直しや補助金の見直しなどが歳出の削減に与えた効果についてはっきり明示することが必要だと思いますが、今後も市民負担をお願いし続けることになることについて、どのように説明し、理解を得ていこうとお考えでしょうか。

 

市長

 改めまして、単年度赤字が解消をできて、これからが大事であります。財政難克服への道筋をより確かなものにしていく、そのためには引き続き市民の皆さんに感謝すると同時に、御理解、御協力が必要でございます。そして、財政難がこれからもまだ厳しいわけですが、改革をどうするんだという御指摘もあろうかと思います。

(行財政改革に基づく改革を)元に戻せば、財政も元に戻ってしまうわけです。一つ一つ公開の場で丁寧に議論をし、改革案をまとめました。それに基づき考えていかなければならないと思います。大きく3点あると思います。

 1点目は集中改革期間に一時的に止めていたもの。例えば道路、鴨川東岸線、あるいは景観のための電線電柱の地中化などです。これらにつきましては、集中改革期間が終われば再開します。ただし、時点修正、優先度、より効果的、効率的に、さらに、国の補助金の獲得等、丁寧に議論し、検証し、より効果的、効率的なものにして再開してまいりたい。

 2点目は、京都市独自の国を上回る、他都市を上回る施策。これらにつきましては、その理念を大切にしながら、時代の変遷、ニーズ、効果等をしっかりと議論して見直しました。さらに、使用料、手数料等につきましても、一定の理念を明確にして、二条城の入場料等々改定させていただきました。これは財政が改善したから元に戻すという性格のものではございません。しっかりとその理念に基づき進めていくものです。一つ一つの事業について、例えば敬老乗車証は、もともとこういうような理念の下に見直しを常にしていくということを御説明申し上げました。

 3点目は、補助金、イベント、これらにつきましても、全て一つ一つ総点検をし、見直しをさせていただきました。これも財政がよくなったから戻すというものではないと思います。

 それぞれの事業の目的や本質に迫った改革を今、それぞれの主催者や地域が実行していただいています。その中で、より民間資金を獲得したい。その方法について相談とか、あるいは広報が一番大事だと考えています。いろいろな御相談もございますので、そうした面での支援は、さらに強化してまいりたいと考えております。

 そして、その次であります。様々な社会課題が顕在化し加速化もしております。その一つが人口減少、異次元の少子化対策が必要です。あるいは地域の絆、あるいは地域に根差したデジタル化、あるいは環境問題、CO2ゼロへ向けての市民ぐるみ、地域ぐるみの取組など、様々な課題が出てきております。

 それらに対して、京都ならではの市民力、地域力を生かした新たな取組をどうしていくのか、これらについてはしっかりと検証してまいります。新たな財源をどのように有効に生かしていくのか、これは前のものを元に戻すという視点ではなく、新たな課題に共々に未来のために挑戦していきましょうということだと思います。しっかりと進めてまいります。

 

記者

 77億円の単年度黒字について、財政状況を見ると、まだ油断はできないということでした。タイミングや、何がどうなれば財政が健全化したと言えるのでしょうか。

 

市長

 令和5年度予算編成で、22年ぶりに予算段階で赤字予算を組まないということが達成でき、一歩前進という発表をさせていただきましたが、これからもなお厳しいですと(お伝えしました)。

 今回、前年度決算で77億円という黒字が確保できました。これは大きな前進であることは事実であります。

 しかし、この間、過去負債を187億円減少させたとはいえ505億円あります。これをできるだけ早く、少なくとも令和20年度までに返済していくということが大きな使命だと思っております。

 さらに今、大きく社会が動こうとしています。少子化対策、人口減少対策、新たなニーズが深まり、拡大している時に、それらに対する必要な財源を確保しなければ、未来の京都の成長戦略もできないということであります。

 従って、財政難克服というのはそう簡単なことではないと思いますが、私は少なくとも、過去負債の解消、安定した税収の確保、都市の成長戦略の見通しがしっかりと立っていくことが財政難克服への確かな道筋にとって(大事であると考えています)。完成形はないと思います。今、大きな転換点だと言えますが、転換点から安定期に早期に入っていくことが大事だと思います。

 そういう意味では、99億円の税収増というのは、財政が厳しい時に決して縮み思考になってはならない。やはり計画に基づいて必要な施策はしっかりと取り組みます。そして、京都の都市格が大きく向上してきた成果でもあると思いますので、何よりも大事なのは、未来に向けて、京都の魅力を最大限生かした成長戦略を市民、事業者の皆様とともにより力を入れていくことだと思います。

 

記者

 過去負債の解消は令和20年度を目途ということですが、自治体財政は黒字を出せばいいというものではなく、当然市民サービスとのバランスも大事だと思います。

 仮にこのコロナとか新たな社会情勢の変化があって非常に財政が厳しいことになった場合、この20年度という目標を繰り延べする可能性はあるのでしょうか。

 

市長

 私は繰り延べしてはならないと思います。そのことも含めて、引き続き、気を引き締めて行財政改革、それと同時に、都市の成長戦略(を進めていかなければならない)。ありがたいことに、この間、東京で企業誘致セミナー、あるいは様々な市民ぐるみの取組をしまして、京都に対する関心の高まりを実感しております。

 従いまして、令和20年度までの過去負債の返済は、大きなハードルではないと考えますが、何が起こるかは分かりません。それだけ優先したらいいのかというものでもありません。その時の命を守る取組というのも大事であります。

 従って、今日時点で行財政改革計画の時点更新はしましたが、もう少し時間が必要だと思います。

 

記者

 市債の発行残高を、2002年度から2022年度までの20年間で、24%全会計で減らしたことは素晴らしい取組だと思います。

 一方で、国債はずっと増え続けて今でも1,000兆円超えており、国がどうして国債を減らすことができないのか、京都市のような取組をすることがどうして国ができないのか、あるいは国はどうすればいいのか、市長の御見解を教えてください。

 

市長

 地方自治体は国の認可なく市債を発行できません。国は国債も発行されますが、日銀を持っておられるわけですから、景気対策をどうしていくかというのは、政府、財務省と日銀等を含めた政策論なので、地方自治体と国レベルの政策とを同一化してはならないと思っております。

 もっと言いますと、国は、コロナ禍で3年間、リーマンショック並みの歳入減、歳出増になりませんでした。これは例えば生活保護、リーマンショック等の時に、大幅に全国でも、京都も伸びました。これを元に戻すのに7年、8年かかりました。今回(コロナ禍)は、生活保護は増えませんでした。これは国の財政出動と、それをきめ細かく、京都市の保健福祉局、子ども若者はぐくみ局、社会福祉協議会等で(取り組んだ結果)。一旦生活保護を受けると、なかなかそこから脱却できません。

 従って、きめ細かい住宅提供、あるいは小口の融資などが極めて丁寧に行われました。また、中小企業の支援策も財政出動によって丁寧に行われました。国全体の税収も増えているし、京都市の税収も増えています。仮にこれを、国債発行を増やさないということで引き締めたら、リーマンショックどころではない、専門家が国は5.4%税収が減ると、京都市も4.7%税収が減ると想定されていました。これが回避できて逆に税収が増えたというのが、この間の国の財政政策の成果でもあり、国民生活、中小企業、これが守られたということだと思います。

 それと、国としっかりと連携してきました。例えば、国の中小企業に対するいろいろな支援です。ゼロゼロ融資など、全国の自治体と、金融機関が生かしてきましたが、京都の地元の金融機関3行が(京都府内企業がメインバンクとして認識している金融機関の)ベスト10のうちの3行共入っています。だから、京都の中小企業が守られました。徹底して信用保証協会、京都市、京都府、商工会議所が連携して、金融機関と下支えをしたことの成果でもありますので、私はこの間の国の財政というのは、コロナ禍乗り越える大きな効果を上げられたものだと思っております。

 なお、地方自治体である京都市は、銀行を持っておりませんので、(市債は)将来負担になりますので、着実に減らしていく必要があります。国と同じように京都市もどんどん借金を増やしていると思っておられる方が多いのですが、着実に減らしています。必要な投資に徹底的に限定してやっていきます。


記者

 市バスの運賃改定について2点ほどお伺いします。まず市長自身は運賃改定のタイミングについては、改めてどういった時に改定すべきだとお考えでしょうか。

 

市長

 市バスの乗客数について、今年度5月、6月でコロナ禍前と比較すると約8%減になっている。しかし、今後どこまで戻るのかというのがよく分からないことがあります。

 祇園祭の人出は、前の時は、去年よりもちょっと増えましたが、後祭の時は減っている。なぜか分かりません。乗客数の推移はそういうようなこともあります。さらには2024年問題でバス事業者(の担い手不足)はどこも深刻であります。トラック等にバスの運転手が転職してしまうんじゃないか。京都市はこの間、比較的運転手の確保ができていたところですが、運転手確保が非常に厳しくなってきております。

 さらに、燃料費が2割上がっております。こうしたことが今後どうなるのかということも含めて、持続可能なものにしていかなければならない。そのためには、やはり市民の皆さんに一定の御負担もお願いしなければならない。きめ細かい点検が必要ですので、今しばらく時間をいただきたいと考えております。

 

記者

 関連して、(運賃改定の)上げ幅についてはどの程度をお考えでしょうか。

 

市長

 これも全く分かりません。できるだけ上げ幅を小さくします。そのために、経営の効率化をしていかなければならない。

 しかし、経営を効率化して不便になる人が増えてはならない。先ほど申しましたけれども、令和元年度の乗客数でも収支はぎりぎりでした。あれだけインバウンドのお客様がいっぱいの時に、ぎりぎりでした。あらゆる努力をして、運賃改定することなく今に至っています。

 今、インバウンドが増加してきたと言いましても、まだ中国から団体客が来られていない。また、燃料費がどうなるかというのは、ウクライナ情勢等も含めて誰も読めない。こんなことも含めて、今何%値上げしますというような具体的なことを言える状況ではないです。

 もちろん、あらゆる努力をして、可能な限り値上げ幅、改定幅は小さく、そして時期も先延ばしできるほうがいいわけですが、これらは不確定要素があまりにも大きいので、ここで一般論として言えるものではないと思います。引き続き、明確な理念に基づき、なりふり構わない経営改善に取り組んでまいります。

 

記者

 交通局がまとめた市バス・地下鉄事業経営ビジョンでは、市バスに関しては8%程度の改定幅ということを見込んでいましたが、この8%については維持するお考えですか。

 

市長

 そういうことも状況の変化を見る中で、一度答申が出たものを頑なに守るということは考えていません。

 従って、改定時期も改定幅もこれからの推移を見ながら、そしてさらなる経営効率化、そして何よりも市民の皆さんに公共交通優先、マイカーからバスで通勤していただく、通学していただく、そんな啓発も含めて取り組んでまいりたいと思っています。御理解をよろしくお願いします。

  

記者

 行財政改革計画で10年以上かかるはずだったものが2年で達成できたのは門川市長の鮮やかな手腕だと思いますが、一方で地方交付税を国から想定以上に獲得できたとか、あるいは市税が予想以上にアップしたとか、そういうのは市長から見て幸運が重なって達成したという認識なのか。一方で歳出カットとか人件費の削減とかもされていますし、苦労した中で達成したということなのか、どういう認識でいらっしゃいますでしょうか。

 

市長

 去年7月に(地方)財政専門の総務省から坂越副市長に来てもらい、3人の副市長、局長、オール全庁体制で侃々諤々議論しながら取り組んできました。今年度の予算編成の時に、財政が大きく改善した時に、坂越副市長がおっしゃった言葉が印象的なんです。「どれも偶然ではない。今日までの市民の皆さん、事業者の皆さんとともに進めてきた行財政改革、さらに厳しい時にも取り組んできた成長戦略、さらに国への制度改革も含めた要望、これが今効果を上げてきている」とおっしゃったけれども、全くそのとおりだなと思います。

 何より市民、事業者の皆さんの御理解と御協力。行財政改革に御理解いただいたことと、もう一つは成長戦略です。

 かつて財政が厳しいからその歳入の範囲で予算を組めという主張もありました。厳しい時にそれをしてしまっていたら、こういう結果になっていない。やはり景観政策や文化政策、様々な取組を厳しい財政の中でも進めてきた。それがコロナ禍を超えて、今、効果を上げています。

 例えば、納税義務者数は、この10年で見ましたら、団塊の世代の方が定年を迎えておられるのに、6%増えている。コロナ禍で厳しかった時はありますが、ここに来て効果を上げてきているということもあります。 

 市民の皆さんの御理解、御支援と、そして成長戦略、それらも踏まえた結果であると思います。

同時に歳出削減。これは市職員についてこの計画を前倒しで、人員削減等を進めてきた結果です。今、非常に仕事が増えている時ですが、働き方改革を徹底し時間外勤務も縮減しています。

 さらに、戦後、この半世紀間、抜本的な制度改革を本質に迫ってほとんど検討してきていなかったというのは私自身の反省でもあります。リーマンショックの時に、あれだけ財政が厳しかったのですが、福祉や教育、子育て支援は維持するということを宣言して、進めてまいりました。時点、時点でやはり見直すべきは見直すべきであったと思います。

 現在のサービス水準を将来世代への負担によって維持しているということは、早期に解消しなければならない、これが今回の行財政改革の根本であります。

 そうしたことに御理解いただいて御協力賜った。トータルとしてどれ一つ不十分だったらここまでできていないと思います。

 同時に、繰り返しになりますが、これからが大事であります。元に戻してはならないということ。しっかりと理念に基づいて進めた改革を継続していく。何よりも成長戦略が大事であります。

 

記者

 今回、市税収が過去最高ということで個人市民税も増加していますが、その一因として、観光業をはじめコロナ禍から復活した方々の収入が増えているというのがあるかと思います。そうした方々からすると、収入は上がった一方で税金は取られる、さらに市民サービスも低下している状況です。この状況において、市の政策はやむを得ないのか、どのように捉えておられますか。

 

市長

市営駐車場について、駐車料金を値上げしました。二条城も入城料金を値上げしました。これは、各施設に係る運営コストを使用料で賄いましょう、例えば美術館等だったら2分の1を、体育館等だったら4分の1をという、こういった理念に基づいて皆様に理解を求めました。

これを市民サービスの低下と言うのでしょうか。値上げをすれば、いつまでも体育館が良い状態で使えます。今さえ良ければ良いのが市民サービスではないと思います。

 例えば、敬老乗車証についてです。50年前、市電が全国的に赤字であった中、市電を何とか維持するために、敬老という視点で当時の男性の平均年齢70歳以上に無料パスを渡し、一般会計から市電にお金を出した。これが始まりというように伝わっております。

 当初、(敬老乗車証に係る費用は)3億円でした。これが50数億円になってきた。これをこのままにしていくのが、市民サービスの維持なのでしょうか。多くの人が1ヶ月250円で乗り放題である一方で、中学生、高校生の通学定期の費用は年9万円になります。この状況を見た時に、せめて9,000円は(各自で費用負担を)持ってほしいと思いますが、これを市民サービスの低下と言うのでしょうか。9,000円負担していただいたら、敬老乗車証制度を維持できます。他都市ではもう廃止しているところもありますが、みんなで維持していきませんかということです。そのためにも、負担できる人は負担しましょうということです。ある日、突然廃止しますということではなく、その経営状況を全部示して負担してくださいということをサービスの低下だと私は多くの方が思っておられないと思います。負担することは負担しましょうと思っていただけるのではないでしょうか。同時に、若い人にしっかりと京都に住み続けられるようにしていただきたいと思っていただいている方が多いと思います。

 トータルで御理解いただいている方がたくさんおられて改革が進んだと、このように考えていますので、よろしくお願いします。

 

記者

 今回は歳入の増加と歳出カットによって、特別な財源対策を使わずに黒字になったということでした。これを今後続けていくために、市として国に地方交付税のことで要望されていることもおありかと思います。一方で、市民サービスのカットを今後も続けていくわけにはいかない部分もありますが、今後具体的にどのように取り組んでいかれますか。敬老乗車証(の負担金見直し)は20年、10年ぐらいの規模でやっておられると思いますので、これからもその負担については続くのではないでしょうか。

 

市長

 敬老乗車証の制度は維持していきます。一部の他都市のように、突然、「財政が厳しくなりましたから制度をやめます」ということではありません。(制度対象の)平均年齢が70歳から81歳まで伸びていますから、10年かけて(制度の対象を)75歳までにしていただけませんかというように、状況を見てやっております。その代わりに、制度として持続可能なものになります。これを、市民サービスを切り捨てていると指摘される方もおられますが、そういうものではないと思います。

 ですから、持続可能な敬老乗車証の制度について、50年前に発足した時の理念も生かしながら、京都市では維持していくということです。そのために、納税者に負担していただいているわけです。そういうことを説明して、御負担いただく。これをしなければ、何もかも一度決めたことは、どれだけ平均年齢で伸びようと、高齢者の人口が増えようと、変えてはならない。それがなかったら市民サービスの削減であるということにはならないことを皆さんで議論して、議会でも御同意いただいたので、これは続けていきます。

 同時に、民間バスも乗れるようにしましょう。あるいは敬老パス、1年、9,000円乗らない人については、新たな敬老市バス乗車券制度をという新たなサービスも作り出しているわけです。[K11] 

 そして、今年、財政は収支均衡しました。引き続き、この姿勢で行けば、景気変動リスク、高齢化による福祉予算の増大など不確定要素がありますが、やはり元に戻さなければ、成長戦略による増収、担税力の強化も含めて、緊張感を持って改革と成長戦略を進めれば、過去負債も返済していける、返済していかなければならない、そんな決意の下に覚悟を決めて引き続き取り組んでまいります。

 もちろん、国に対して地方交付税の確保についても強力に要望してまいります。

 

 記者

 今年、市税収入が過去最高を達成した主な要因は、固定資産税の押し上げが最も大きな要因となっており、土地の地価上昇に伴うところが(資料中に)備考として書かれています。地価上昇することによって固定資産税が上がる一方で、若者、子育て世代の人口流出という問題も発生すると思いますが、このバランスをどう取っていくのでしょうか。

 

市長

 令和4年度の固定資産税の増収は、本来であればもっと早くに増収できるところをコロナ対策で国が抑制されました。国の抑制が解除されたため、増えているという現象であります。

 従って、一般的な地価の上昇ということではなく、コロナ対策で中小企業や市民生活に影響が出るということで、国が抑制されるのは良いことだと思いますが、地方の財源を補塡せず、そのような政策をされることは本音では困りますので、国に対して補塡を、ということを言ってきました。つまり、国の抑制が解除されて、固定資産税の増収が目立っているということであります。

 そして、京都市の固定資産税というのは、正直に言いますとそれほど高くはないです。住宅というのは、木造住宅が非常に多く、全国の20政令指定都市の中でも、半分以下の水準です。特定のところの土地が上昇していますが、今後は土地価格があまり固定資産税による税収は上昇していないところを規制緩和して、若い人が住める住宅をどんどんと作っていくことに邁進してまいりたいと思っています。

 

記者

 制度改革について、半世紀にわたり、やってこなかったことを反省しているということですが、市長、その前の歴代市長も含め、なぜ半世紀も手を付けてこられなかったと思いますか。

 

市長

 特に私が市長になってからですが、ちょうど三位一体改革が本格化していき、その下で京都の都市特性に配慮された地方交付税がどんどん減っています。もちろん、今もしていますが、これは国に対して要望していくべきであります。

 そして、これは反省点ですが、何としても、敬老乗車証を同じ形で維持していきたいという思いがございました。

 しかし、それでは駄目であるということを、ありがたいことに議会、多くの市民の方も含めて議論に参画いただき、御意見をいただきました。50年定着した制度を変えるというのは、なかなか難しいことですが、このような大きな制度改革への機運というのが盛り上がってきたおかげであると思っています。

 改めて、私もこれは反省ですけれども、20の政令指定都市でどんどんと(敬老乗車証を廃止)しているところがあること自体、あまり知りませんでした。そういったことも含めて、あらゆる政策をその制度の発足時から時代の変遷、財政効果、利便性など含めて総点検ができていなかったということは、反省とともに今回改革できたことは市民の皆さんに感謝申し上げたいと思っています。


記者

行財政改革計画の計画期間は2025年までですが、今後見直していくというお考えはあるのでしょうか。それとも現在の計画を当面は実行していくという方向性なのでしょうか。

 

市長

 行財政改革計画に基づき、全ての政策を理念に基づいて一つ一つ持続可能なものにしていくという視点からの見直しは、財政が良くなったから戻すと、全てが戻ってしまいますので、そういう性格のものではないと考えております。理念に基づいて改革したものは、その理念がより活きるように、しっかりと継続させてもらいます。

 同時に過去負債は、この人口減少社会等を含めた時、令和20年度までの早い時期に返し切らなければならないという使命感を持っております。

 今年、収支均衡となり、これからもなお、ブレずに行財政改革を徹底していくと同時に、成長戦略を推進していき、より一層の効率的な運営をしていきます。そうしたことで負債を返済していけますし、返済していかなければならないと考えております。

 次に、行財政改革計画について、集中改革期間の3年間と令和7年までの5年間の長いものがございますが、まずは現時点で中期の収支試算の時点更正を行いました。

 しかし、今後は国の政策も大きく転換していきます。また、景気変動、物価高など、様々な要素がございます。

 従って、現時点での時点更正は行いましたが、令和6年度の予算編成をした段階で、中期の見通しも含めて、計画を立てていくようにしていきたいと考えております。

記者会見動画(全編)

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

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会見資料

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