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市長記者会見(2023年7月27日)

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2023年4月12日

市長定例記者会見(2023年7月27日)

ピックアップ動画(記者会見のポイントを紹介)

市長記者会見動画


「洛西“SAIKO(さぁ、いこう)”プロジェクト~みんなで進める!実行策中間とりまとめ~」について、京都市長が記者会見を実施しました。 

※発表内容は、令和5年7月27日時点の情報です。 

市長冒頭発言

(門川市長)

 洛西“SAIKO(さぁ、いこう)”プロジェクト中間とりまとめでございます。洛西地域のさらなる活性化に向けて、全庁で総力を挙げ、一気呵成に進めております。4月に「洛西“SAIKO(さぁ、いこう)”プロジェクト」推進本部を立ち上げ、徹底した議論を重ねてきました。

 本日は、職住近接のための都市計画の見直しや働く場の創出、子育て世帯向け住宅の供給、芸術大学跡地の活用、交通利便の向上、公園の利活用など、最高の洛西地域を目指して、できることからどんどんと、かつあらゆる壁を大胆に、丁寧に突破して、実施していきます。「みんなで進める!実行策」の中間とりまとめでございます。

「みんなで進める!実行策」のポイントは、大きく4点でございます。

「もっと便利に!もっと魅力的に!」

「新たな住民や機能を呼び込む!」

「すぐにできることを一気呵成に! あらゆる壁を突破して大胆に!」

「みんなで進める! 」 

地域の方々、民間の方々と、御一緒に進めます。

洛西地域の現況とポテンシャルについてです。

〇 良好な住宅地や子育て環境が優れております。

〇 交通利便性が飛躍的に高まっております。

〇 国内有数の学術・文化施設が立地しています。

〇 一方で、若年・子育て世代の定住促進が大きな課題でございます。 

  洛西地域の各風景は、広々とし、四季折々の自然や歴史・文化があふれる素晴らしい地域であります。街路樹と公園には約240種類、約14万本の樹木がございます。生物多様性に関して、ニュータウンでこれほど緑豊かで多様性に富んでいるところは無いと言われています。近年、秋には紅葉を見に、観光客がたくさんお越しになり、通りごとに個性のある街路樹があり、こういう魅力もございます。

 洛西地域では、これまでも、住民の皆様と共に将来像を描き、取り組んできました。洛西地域の利便性や魅力をさらに高めるため、取組を進めることが大事であります。このため、4月に本部会議を立ち上げ、検討を重ね、現時点での実行策をとりまとめました。実行策はここに記載の6つの柱で構成しております。予算や都市計画については、市会や都市計画審議会の議決が必要でありますが、丁寧に説明し、議決をいただいたうえで、速やかに実行してまいります。

 1つ目の柱は、便利で賑わいのある暮らしであります。洛西ニュータウンタウンセンターの魅力アップとして、 ラクセーヌ専門店街を全面リニューアルします。本年12月にリニューアルオープンします。また、令和6年10月には医療モールの進出を予定しております。大人も子どももワクワクするイベント等を開催し、既に行っているらくさいマルシェも含め、さらに盛り上げてまいります。

 次に、「活気ある洛西ニュータウンサブセンターに!」についてでございます。 毎日の生活を支えるサブセンターを、より活気あるものにしていきます。新林サブセンターに店舗が出店を予定しています。さらには、サブセンターのあり方について議論を開始します。彩り豊かな暮らしのための建築ルールの見直しとして、住むだけではなく、生活サービスや働く場所も充実したまちを目指します。そのために、店舗や事務所等も立地できるよう、洛西ニュータウン内の住宅エリアや学校跡地などの用途の見直しを行います。

 そして、若者を呼びこむ住まいづくりであります。市営住宅をリノベして活用していきます。京都市は空き住戸が多くございます。市営住宅は福祉の関係で、所得制限を行っていますから、なかなか住みたくても住めない状況があります。その所得制限について、国の許可をはじめて得て、全国で初めて民間事業者にお貸しして、若者・子育て世帯向けにリノベーションし、相場より安い賃料で貸し出してもらうという、新たな空き家の利活用でございます。全国的にも注目を浴びております。そして、洛西ニュータウン内の市営住宅の活用事業者がすでに決定しました。今年10月頃からスピード感を持って、入居者の募集開始してまいります。洛西ニュータウン内の住宅を住宅供給公社が買い取り、若者・子育て世帯向けに改修して、手頃な価格で販売します。8月から相談窓口を開設します。年度内に販売を開始し、まずは目標供給5戸を目指してまいります。その後、次々と拡充してまいります。また、京都府・UR都市機構と連携し、洛西地域で子育て世帯向けに住宅を供給していただく、そんな取組を進めております。UR都市機構とは、年内に連携協定を締結する予定でございます。

 既存住宅の流通をスムーズにということで、ローンなどで金融機関にしっかり評価いただけるよう、家屋のカルテを作成してまいります。今年度、洛西ニュータウンで市内初のモデル事業を開始いたします。便利で活気あるタウンセンターを目指し、マンションが建築可能となるよう、都市計画を見直します。賑わい施設を併設した分譲マンションの立地を目指します。洛西ニュータウンの低層住宅地で、若者・子育て世帯の手の届く住宅が建築できるよう、建築ルール見直し等の方策を、住民の方々と一緒に検討してまいります。今現在、地区計画で敷地を50坪以下に分割してはならないという制限を定めている地区がありますが、若い世代になると、50坪の土地はなかなか難しくなってきますので、丁寧に話し合いをして、若い世代が住みやすい住宅が立地できるようにしていくと同時に住環境を守っていきます。地域の要望を受け、市街化調整区域で、移住者の住宅の新築ができるように、令和4年3月に条例を制定しました。これまで、大原野地域で5地区を指定しています。新たな担い手をお迎えし、活性化に繋げてまいります。

 次に、交通のバージョンアップであります。さらに便利にバス交通をバージョンアップします。ということで、鉄道駅へのアクセス向上など、バスネットワークをより便利に再編します。4つのバス事業者、京阪京都交通、ヤサカバス、阪急バス、市バスで協議を重ねており、早期に方針を取りまとめます。あわせて、洛西バスターミナルのバス待ち環境を向上させます。また、10月から民営バス敬老乗車証を洛西全域で利用できるよう、画期的な改革を実施いたします。次に、バス交通の利用促進PRやキャンペーンを実施していきます。リーフレット、お得な乗車券、便利なバスの使い方など、洛西地域の公共交通を広くPRします。洛西地域では、4つのバス事業者が500回を超えるバスを走らせています。事業者間の連携を強化することで利便性が大きく向上します。また、モビリティマネジメントとして、既に福西学区では、住民主体で取り組んでいただいていますが、さらに支援して、他の地区への取組の拡大を目指します。

 そして、公園・公有地の魅力アップでございます。緑豊かで非常にたくさんの公園がございます。子供に人気の公園遊具をどんどん充実し、さらにトイレも親子で使いやすいよう綺麗にリニューアルします。地域の子育て世帯の方から、「遊具は新しくなったけど、トイレももっと綺麗にしてほしい」という声をいただきました。実行してまいります。また、街路樹は、先ほど言いました約240種類、約14万本の樹木の魅力をどんどんアップするため、剪定等に力を入れていきたいと考えております。地域と一緒に考え、公園の新しい使い方にチャレンジします。小畑川中央公園でキッチンカーの出店が始まるなど、既に出来ることは実施しておりますが、桂坂公園も含め継続し、さらには、地域が望まれる公園の使い方を、地域と一緒に大胆に検討し、実行してまいります。Park-PFIなど新たな手法を洛西でも検討したいと考えております。

 次に、京都市立芸術大学跡地の活用でございます。10月に崇仁地域に全面的に移転します。その跡地は約7万㎡という広大な敷地でございます。しかも、学校創設の時にはなかったですが、現在は京都縦貫道、京都第二外環状道路沓掛インターから非常に近いという抜群の立地でございます。洛西地域・西京区・京都全体の活性化のため、新たな人を呼び込み、また賑わいの創出、雇用の創出の視点で、跡地活用策を募集いたします。9月から公募を開始し、幅広い提案を募集してまいりたいと思っています。そして選定にあたりましては、市民公募委員を選び、応募していただき、丁寧に進めてまいります。

 その他検討中の事項として、小中一貫校ができます。市内で初めて、市内産木材を全面的に使った、木造の温かみのある素晴らしい小中一貫校になります。 そして、竹の里小学校等の跡地ができます。これらの活用につきまして、十分に検討していきたい。働く場の創出などの地域の要望もあります。また、中山石見線の整備についても、今後実施に向けた検討を促進してまいります。

 そして、「学び」と「しごと」が広がるまちであります。 「学びと交流のシンボル」となる、小中一貫教育校「洛西陵明小中学校」が、令和7年4月にいよいよ開校いたします。市内産木材を採用した、すばらしい校舎で、教育の中身も非常に高まっています。地域主体の協議会によって、様々な機運を高める取組をしていただいております。しっかりと郷土愛を育んでいこうとなっております。

 次に、洛西地域の資源を生かした特別な学びの提供でございます。阪急電鉄が、『洛西高架下大学~洛西生き物ラボ』を開催していただいております。 また、国際日本文化研究センターと連携した取組も検討中であります。輝かしい実績を誇る京都大学の桂キャンパスも、更なる機能充実を目指しておられます。桂イノベーションパークも、スタートアップの拠点として注目を浴びております。多様な働き方のニーズに応えられるよう、洛西地域の活性化を通じた働く場の充実について、調査・検討を進めます。洛西地域の学術的・創造的なブランド力を一層高めていく。桂イノベーションパーク、京都大学と共に、大学発スタートアップ等の創出・成長支援を充実させてまいります。

 結びに、協働と魅力発信であります。プロジェクトのサポーターの拡大として、地域発の様々な動きとも連動しながら、「洛西“SAIKO”サポーター」を募集・拡大してまいります。関係者に当たり始めていますが、既に100人の企業や個人が賛同してきていただいております。どんどん拡大してまいります。洛西地域の魅力・情報の発信として、地域の方々と一緒に、洛西地域の魅力等を、発信していきます。民間の住宅情報誌・ウェブサイト、あるいは鉄道事業者とのコラボ等、あらゆるツールで発信してまいります。

 そして、今後の進め方でございます。みんなで一緒に実行していきます!多くの取組が、行政だけでなく、地域住民や事業者の皆様と一緒に取り組む必要があります。みんなで力を合わせ、取り組んでまいります。 動きを止めずにどんどん進めます!さらに議論を重ね、11月には実行策の最終版を発表します。それに先立って、出来ることは大胆に進めてまいります。どうぞご期待いただきたいと思います。

 さぁ、行こう!洛西のミライへ!よろしくお願いします。

 


質疑応答(摘録)

発表案件『洛西“SAIKO(さぁ、いこう)”プロジェクト~みんなで進める!実行策中間とりまとめ~』について

記者

 どうして今、このプロジェクトが必要なのでしょうか。ニュータウンに象徴されるように、全体としてはある程度成熟したまちを活性化する取組ですが、将来のまちの姿、目指すまちの姿はどういうものを描いておられるのか、狙いと併せて教えていただけますか。


市長

 私もたびたび洛西は訪ねますし、2週間前に、課題をもう一度再確認し、住みたい、住み続けたい、働きたい、あらゆる課題解決について、もう一度じっくりと見てこようということで行ってきました。魅力あふれるまちであります。同時に課題もありますが、訪問時に様々な人とお会いでき、期待の高まりを改めて実感しました。

 まず一つは、ポテンシャルです。まち開きして40年以上が経ったわけですが、その後、阪急洛西口駅、JR桂川駅ができました。第二外環が通って沓掛インターチェンジ、京都大学桂キャンパス、桂イノベーションパークもできましたが、40年を超えたまちづくりとそれらがあまり連携できていなかったという課題があります。このポテンシャルを徹底して生かします。そして、住んでよし、学んでよし、子育てしてよし、そしてプラスして働いてよしのまちづくりを進めていきます。洛西ニュータウンは、約半世紀前に、当時の住宅政策、都市政策として、ベッドタウンとして作られました。従って、働く場所、商業施設も基本は作らないという方針でした。それらを丁寧に、かつ大胆に変えて、働く場、にぎわい施設、商業施設を作っていこう、あるいは商業施設の中にマンションも必要なら作っていく。そのために、都市計画の見直し、大胆な規制緩和もしていこうということが大きく1点です。劇的に変わると思っております。

 もう一つは、今はまだ30年、40年前に入居してこられた方々が元気に頑張っていただいています。そうした方々の力を生かしながら、そこに若い人をどんどんと呼び込む、そういうことも非常に期待されていることを改めて実感いたしました。地域力をしっかりと生かしながら、若者を呼び込む、あるいは、にぎわい施設を導入していく、一気呵成に進めていきたいと思います。交通の利便性も良くなり、にぎわい、働く場もあり、若い人が好まれる住居もどんどんと供給できるまちづくりを進めてまいりたいと思っております。

 なお、洛西地域は公園が多くあります。私も行きましたら、昼間でしたが、赤ちゃん1人おんぶして、もう1人の手を引いているという方に3組会いました。非常にまちの公園を楽しみ、文化を楽しんでおられ、そういうことを見ても、洛西地域の可能性は非常に高いなと思っております。

 まちづくりですので、あらゆる政策を総動員して、かつ色々な規制等の壁を大胆に、丁寧に打ち破って進めてまいりたいと思っています。

 

記者

 まちづくりなので、多様な主体が登場されて一緒に協力していくので、どこまでと(時期を)区切るのは難しいと思いますが、いつまでにまちづくりを仕上げ、形にしていくかというスケジュール感、計画は今の時点でお持ちでしょうか。

 

市長

 このプロジェクトはビジョンや計画ではなく、極めて具体的な実行案であります。従って、例えば、交通の利便性の向上として、阪急洛西口駅とJR桂川駅からタウンセンターへの最短経路のバスを運行することなどは、交通事業者4者の合意形成を早期にしまして、一刻も早くやっていきます。

その次に、例えば定期券を共有し、運賃制度をシームレス化することも、少し時間が掛かりますが、できるだけ早くやっていきます。通勤・通学の人がどのバスでも乗れるというようなことを、少し時間は掛かりますが、できるだけ早くやっていきます。こういうことを順次、全て計画が整ってからやっていくことではなく、できることを大胆に早くやっていきます。従って、完成年度は何年ですということではなく、どんどんと進化させながらやっていきたいと考えております。


記者

 今のお話を聞くと、早急に取り組まないといけないのは、特に交通の足の確保という気がしますが、課題を踏まえて、他にどの辺りを重点的にまずは仕上げていこうとに思っていらっしゃるのか教えてください。

 

市長

 交通が1つ大きなテーマです。

 もう一つは、公園の利活用、公園の遊具を充実させていきます。さらに、トイレを改修していきます。緑をもう一度、再整備します。そして、民間の力を生かして、そこに憩いの場を作っていくなどスピード感を持って検討していきます。

 もう一つは市営住宅。これをどんどんと若者、子育て世代の住居に変えていきます。全国初の取組ですが、一刻も早く取り組みますし、UR等とも喫緊に連携協定を結びながらやっていくということで、新たに建てるのではなく、今あるものを生かします。さらに、都市計画の見直しにより、分譲マンションが建設できるように、スピード感を持って規制の緩和をしていきたいと考えております。


記者

 バス交通のバージョンアップについて、具体的には洛西地域で運行する交通事業者の4社局とはどのような協議を進めていき、路線変更などに着手していきたいというお考えでしょうか。

 

市長

 その点につきましては、11月に具体策を発表できるよう協議を進めてまいります。京都市自身の取組というよりは、交通事業者の4社局との合意形成が大事になってきます。またバージョンアップも段階的となっていきます。

 現在、洛西地域でバスを運行する交通事業者は4社局で、路線バスの運行本数は非常に多い。ただ、駅から住宅地を回ってタウンセンターに行く、タウンセンターから住宅地を回って駅に行く路線が中心となっている。これを最短ルートにする。そして、運賃制度のシームレス化を図っていく。そうすれば、今のバス事業者の4社局の運行本数をうまく生かし、利便性の向上が図れる。これを合意形成して、スピード感を持ってやっていく。その点については11月に御説明申し上げます。


記者

 今回、都市計画も変更されるということですが、このタイミングでの変更に至った経緯についてお聞かせください。

 

市長

 都市計画の変更について、全市的にもこの間、京都に住みたいという若い人がたくさんおられ、また、京都に研究開発拠点を作りたいという方が国内外にたくさんおられる一方で、規制が厳し過ぎて作れないなどの課題がありましたので、全市的に都市計画の見直しをこの4月に行いました。

 さらにもう一歩踏み込んで、洛西ニュータウンの持っている課題に焦点を当てて、若い人が住みやすい、購入しやすい住宅の供給を加速させていこう、あるいは、にぎわい施設が少ない、そのにぎわい施設を大胆に造っていけるようにしようとしているところです。

 例えば、サブセンターは商業施設の規制がきつく、あくまでもベッドタウンであり、住む、寝るところというのが半世紀前のまちづくりでした。それを近隣商業地域に変更すれば、非常に可能性が高まっていく、こういうことも含めて、地域の住民の御要望も踏まえまして、一気に見直してまいりたいと思います。

 以上から、洛西ニュータウンのあらゆる魅力、ポテンシャル、これらと課題とを総合的に議論しまして、やれることは全て実行していこうということになりました。

洛西は、非常に計画的に作られたニュータウンであります。先ほど申しましたように、道路から、公園、住宅、さらに、その後、国際日本文化研究センターができ、京都大学桂キャンパスができた。さらに隣接したところに桂坂というすばらしい住宅地があり、大原野というすばらしい自然がございます。大枝というところもございます。

 今回の計画の今までとの違いというのは、洛西ニュータウンにプラスして、大枝、大原野、さらに桂坂、洛西全てを包括して、それぞれの都市、地域の魅力を重ね合わせながら取り組んでいこうという計画でございますので、最高の住宅地になり、子育てのまちになり、学術研究、スタートアップのまちになる、このように考えております。

 

記者

 地区計画の変更も検討されるということですが、この狙いと、具体的にいつぐらいまでに見直しを実施するのか目標についてお聞かせください。

 

市長

 地区計画は京都市が見直すというより、地域住民が課題意識を共有して見直していただくというものですので、京都市として先に何年にやりますと言うことは住民に対して御無礼になると思います。ただ、スピード感を持って取り組みたい。現時点では洛西の空き家率は全国と比べても、京都市内と比べても非常に低い。そういう地域ですけれども、敷地面積50坪を分割してはならないなどの規制があり、なかなか建て替えが進まないという課題意識が地域の方々の中で湧いてきています。

ここは京都市が何年までにこうしますということを言うべきことではないと思います。みんなでつくる洛西“SAIKO”プランですので御理解いただきたいと思います。

 

記者

 洛西地域に絞っていろいろなプロジェクトを進めていますが、市内を見ますと、こうした大規模なニュータウンは伏見区やほかの地域にもあると思います。こういった地域に関しては、今後、どういった形で活性化を図り、あるいは都市計画の見直しなど、何か検討されていることがあれば教えてください。

 

市長

 まず、一歩先に洛西地域で取り組みます。次に、醍醐地域、あるいは向島地域。もちろん、この間、様々な取組を進めており、市営住宅の空き家募集では応募が多い傾向にあります。これも今までいろんな取組をしてきた結果でもあります。しかし、おっしゃるとおり、まち開きして間もなく半世紀経つということで、より一層、取組を進め、洛西でやったことで、できることは他の団地でも、また必ずしも団地とは限りませんが、他の地域でも行ってまいりたいと考えております。

 例えば山科で、山科“SAIKO”プロジェクトをやろうというのは、山科の住民の方々から言ってきてほしい。そしたら、洛西でできたことを山科でどこまでできるのかということになります。

 あるいは、京都市域あらゆるところで地域の課題をみんなで共有して、そして将来ビジョンを明確にしながら、まずできることからやっていこうと、こういうことにつながると思います。

 私、教育委員会で長く仕事していましたが、全ての学校を一気に良くするのが一番です。でも、そう簡単にいかないという時に、先頭を走る学校を作り、先頭を走る学校を見ながら次々とやっていこうということで、市立高校が劇的に変わってきました。

 洛西では非常に機運が高まってきています。洛西でスピード感を持って課題解決に全力を挙げて、それをじっくり見てほしいです。そうすると、醍醐も向島も変わっていく。

 平成31年4月、向島に秀蓮小中学校が開校しました。それを洛西の人が見に行かれて、自分たちも愛着のある小中学校を統合しようという決断をされました。向島が先に走って小中学校を統合し、その跡地に医療機関を誘致して、あと半分は分譲住宅を作ろうという計画が今、進み出しています。向島というところはほとんどが公営住宅でしたが、学校が良くなったから若い世代がそこに住みたいということで、分譲住宅を作ろうということになりました。向島の先行事例が、洛西に影響を与えている一例ですが、あらゆるところでやっていきたいと思っています。

 

記者

 洛西ニュータウン内の住宅を住宅供給公社が買い取って販売することについて、民業圧迫になる可能性はないか、お考えをお聞かせください。

 

市長

 我々は民間の住宅事業者や宅建業者等と深い信頼関係の基に、この間、様々な取組を進めてまいりました。信頼関係を揺るがすことにならないと確信して実施いたします。

 

記者

 バス路線の再編について、民営バスでも敬老乗車証が今年の10月から洛西地域の全域で利用可能になりましたが、もう一つの長年の課題である市バスの均一区間の拡大についても検討課題に入っているのでしょうか。

 

市長

 少し検討に時間が掛かると思いますが、検討課題ではあります。

 

記者

 洛西地域への地下鉄の延伸の問題については、洛西地域に今後住みたいと希望されている方にどのように説明されるのでしょうか。

 

市長

 既に説明は尽くしております。

 地下鉄が計画された半世紀前、阪急洛西口駅やJR桂川駅はありませんでした。現在はこれらの駅から洛西ニュータウンに約10分で行けるということで、いかにうまくバスと鉄道が連結されれば便利であるかということを実感しておられる声もたくさん聞いております。過去のことばかりでではなく、未来志向でやっていこうというのが多くの方々の機運であろうと考えております。

 

記者

洛西“SAIKO”プロジェクトについて、今のタイミングで機運が高まってきたというのは、10年経ってまちが成熟してきて、地元の側からも声が上がってきて、ある程度、共にパートナーとしてやっていけるというような手応えを感じたからという、理解と位置づけでよろしいでしょうか。

 

市長

 おっしゃるとおりです。洛西ニュータウン、タウンセンター、それからサブセンターも含めて、これらを生き生きと維持していく。そのためには、従前から住んでいる人だけでなく、若い人にも住んでもらわなければ、この商店街も維持できないなということで、(プロジェクトの)機運が非常に高まっているということであります。

 若い世代も住んでいただいて、子どもの声が聞こえる。このようなまちにしていくためには都市計画を大胆に見直してほしいという機運が高まってきています。

 その一弾として、学校が統合されて新たな学校作りが始まっています。

 (このプロジェクトは)住民主体に丁寧にやっており、行政主導で一気呵成にということではないため、時間がかかっていますが、必ず効果が出てくる、人口を維持し、かつ、魅力あふれるその地域文化を、子育て文化も含めて継承していくということになると確信しております。

 

記者

 どうやって外から人を呼び込むかというよりも、やはり地域の人にどうやって愛着を持って住んでもらうかということについて、京都にもともとある、いわゆるシビックプライドみたいなものをどのように高めていくかという部分については、何かお考えがありますか。

 

市長

 私は、シビックプライドというのは随分高まっていると思っています。

例えば、景観政策の実施により、派手であったり大きすぎる看板がなくなった時、京都市でお金は一切使っていません。みんなでいいまちを作っていこうという市民力の賜物だと思います。

しかし、そのような京都のまちの魅力を再認識していただいていると同時に、それが当たり前だと私自身を含め思っているところがあります。世界の京都、そのことの価値を再認識して、文化庁が京都に来て生活文化を大事にしようという流れになってきています。この生活文化というのは本当に京都の強みであり、この価値をみんなで大事にしながら、それを子どもの学び、育ちにも生かしていこうとしています。

 昨年から、中学校で全ての子どもが生け花を学ぶことになりました。小学校で全ての子どもが茶道、茶の湯を楽しんでいる。中学校で生け花を学んだ中学生が家に持って帰って、家族の前でそれをもう一度、生け直しをするということができるようになってきました。学校で習い、家族で生け花を生けるということをできるのが京都なんですね。この価値をみんなで再認識しませんかと。

京都に伝わるそういう文化は相手を尊び、自然を大切にし、そして共に喜びに満ちた生活していこうと、このようなことをあらゆる場面で楽しめるのが、普通に楽しめるのが京都のまちだと思います。

 

記者

 今日、副市長はじめ皆さん洛西“SAIKO”プロジェクトのTシャツ着ておられますが、おそらく市職員だけではなくて地域住民の方たちも巻き込んで進めていかれるのだと思います。

Tシャツに関して、地域住民の方に配布するなど、何か動きはあるのでしょうか。

 

市長

 京都市役所の職員が一番心がけなくてはならないのは、京都の最高の魅力は地域力であり、また民間の力であり、学生さんの力であり、大学の力であると。これを引き出し、参画していただける、そんな機運を醸成していくことです。

 市役所の職員も熱くなって一緒にやっていくには、民間の人よりももっと熱くなるということが大事だと思いますし、(Tシャツは)有料ですけれども、どんどんと販売してみんなで着ていきたいと思っています。

 

都市計画局 竹内局長

 Tシャツも絶賛販売していますし、他にもいろいろなグッズもそろえて、ステッカーもつくっています。洛西地域の皆さんで盛り上げるべく、我々も少し遊び心も持ちながら進めていきたいと思っています。

 

記者

 販売はもうされているのですか。

 

都市計画局 竹内局長

 一般の皆さんへの販売は、この後検討します。

 

 

一般質問

記者

 今年の祇園祭は4年ぶりに元の姿に戻ったということで、すごく賑わっていましたが、どのように振り返られているのか御感想をお聞かせください。

 

市長

1154年前、日本中で自然災害が続発し、富士山も噴火し、阿蘇山も噴火し、そして東日本大震災とほぼ同じ地域で同規模の地震と津波で1,000人の方々が亡くなった、その10日後に始められたとされるのが祇園祭です。当時都市では疫病が大変は流行っており、その時に66基の矛を立てられたと伝えられています。その66という数字は、その当時の日本の国の数であります。祇園祭は平安京の平穏のみを祈った祭りではなく、日本中の平穏を祈った祭りだと言えるのです。こういうことをみんなで共有、理解していきたいと思っています。

自然災害と疫病から人々の暮らしを守り、平穏な世の中を作っていこうという祭りが千年を超えて続いています。これが、新型コロナのために涙をのんで本来の姿で開催ができませんでした。その苦渋の選択の中で、今年、全てにおいて本来の姿でできたということで、祭りの関係者も、そして市民の皆さんも、そして京都を愛していただいている方々も非常に喜んでいただいたお祭りになったと思っています。改めて、この祭りは、人々の幸せと平和を祈る、そして行動する祭りであるということを確認しながら、世界で今起こっている分断や環境破壊など様々な社会課題の解決も含めて祭りの意義というのをしっかりと踏まえて、取り組んでいきたいというのがみんなの共通の意識ではないかと思っています。

 もう1点、後祭の山鉾巡行が復活して10年を迎えます。山鉾連合会が創立100年であります。歴史と伝統のある祭りですが、様々な事情で、一旦途絶えたものが復活してきて、これで幕末の姿がほぼ全て復活したとされます。そして、後祭の山鉾巡行の復活によって、祇園祭の本来の意味というのをみんなが再認識していただけたのではないかと思います。神輿あっての祇園祭ということを常々言われていますが、山鉾巡行の後に神輿渡御というのが祭りの本来の姿があるという意味では、この7月31日まで、神輿洗いも、さらには様々な行事が続きますので、今年の祭りは終わったということを私はまだ言ったらいけないと思っています。

 うれしいことに今年、文化庁の都倉長官に、17日の山鉾巡行の先頭を歩いていただきました。そして、後祭の宵山にお越しいただきました。祭りの期間の長さ、奥深さ、文化財の偉大さ、また有形・無形文化財を含めて、日本中に多くの祭りが続いているけれども、これほどの祭りだということで感銘を受けていただいたと思っております。この祭りをこれからも大事にしていきたいなと思っております。

 

記者

今後文化庁と連携をしていく中で、京都市職員の働き方や観点について、こう変えていきたいというふうに思われていること、もしくは刺激を受けて変わっていかなければいけないと考えておられることはありますか。

 

市長

 4年前の祇園祭創始1150年の時、大学の学生や大学関係者、SDGsの取組をされている方々が、SDGsと祇園祭というテーマの下に記念プロジェクトに取り組まれました。先ほど申しました66の矛を立てた1154年前、アメリカ大陸は発見されていませんので、当時の京都の人にとっては66というのは日本中というより世界中という意味だったと言ってもいいのではないかと思います。世界中の自然災害や疫病が収まることを願って行動した祭りであったわけです。これは誰1人取り残さない。環境と、そして経済とを一致させていこうという理念に一致しているのではないかと、こういう考えで展覧会等を実施されました。

 東日本大震災の時に、様々なことで福島や仙台に行かせていただきました。そういうふうに全国、世界と、観光でという意味よりも、祭りの本来の意味としてつながっているということ、さらには貞観震災、そこから10日後に始まった祭りであると伝わっていること、これらを含めて、全国、世界と、今、世界中で自然災害、分断、戦争が起こっている時に、人々の平安と世界の平和を祈り行動する祭りなんだということを再認識していきたいと思っています。

 もう1点は、ちょうどその時に府市一体となって設置した生物多様性センターのシンポジウムもありましたが、例えば厄除け粽で使われるチマキザサが京都市内で取れなくなってきている。また葵祭で使われるフタバアオイが京都市内で十分に調達できない。大晦日のおけら参りで使われるおけらが京都市内で調達できない。生物多様性の問題をしっかりと真正面から取り組まなければ、あらゆる伝統行事もできないんだということをみんなで再認識する機会でもあると思います。

 そういう意味では、祭りの意味は、みんながお酒飲んで、大いにおいしいものを食べて、歌ってということではないと。悲しみ、厳しい現実の中から、それを乗り越えていい世の中を作っていこうという願い、鎮魂、こういう中から始まっているということを再認識しながら、あらゆる社会課題を解決していくための取組の一つに生かしていきたいと思っています。文化庁の文化で日本中を元気にするという願いとも、しっかりと連携していきたいと思っています。

 

記者

 昨日の総務省の人口動態調査の発表で、京都市の日本人減少数が3年連続トップということでしたが、受け止めをお願いします。

 

市長

 人口減少の厳しさを再認識すると同時に、今進めている取組につきまして、さらに深め、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思っています。今日、発表させていただいた洛西”SAIKO”プロジェクトもその取組の1つだと思います。

 私は京都市の人口減少について、大きく2点要因があると考えております。

 1点目は、結婚・子育て期に、比較的手に入りやすい住居を求めて市の周辺都市に転出されることが非常に多くなっております。これは京都市の都市の魅力が高まり、土地の値段が上がり過ぎているため、比較的安く住居提供されるところに転出されていることが要因であると考えております。

 2点目として、京都は大学のまち、学生さんのまちであり、大学生の人口が15万人を超えました。10年余り前までは、13万人台でした。18歳人口が減る中、大学政策等、様々な取組を行い、大学生が増えていることはありがたいことですが、就職期に東京等の首都圏や大阪に転出されます。この2点が京都市の人口減少の要因であると考えております。

 今後の取組について端的に言うと、若い人が住みやすく、求めやすい住居を京都市内に創出していくと同時に、働く場についても都市計画の見直しを行い、産業用地、オフィス、生産拠点を作っていくことを、スピード感を持って取り組んでいきたいと考えております。

 一方で、外国人住民が7,700人と日本で2番目に増えております。コロナ禍により、留学生が大幅に減少したのが戻ってきているため、増えております。また、フランスの総領事がおっしゃっていましたが、西日本でフランス人が一番たくさん住む都市が京都になってきており、10年前から考えると倍ほどの数になっているようです。

 このように、京都というのは早くから国際都市であり、留学生、あるいは留学生だけではなく、今ではオンライン等で仕事ができますので、東京に仕事がありながら京都に住んでおられるフランス人がいらっしゃるというようなこともあると思います。

 さらにもう1点ですが、今、京都市周辺の例えば、宇治市、大津市、長岡京市で大規模なマンションができています。仕事は京都市内であり、京都市内に住みたいけれど、比較的安く住居提供されるところに転出されるということがあると考えられます。

 昼夜間人口比率は政令市中4位であり、昼間人口が京都は非常に多いです。人口減少というのは都市の活力や都市の魅力が落ちていくため起きるというのが世界では一般的ですが、京都は都市の魅力が高まり、昼間人口は非常に多いです。

 つまり、京都都市圏としては非常に活性化している、ということをどう見るかです。京都市内に住みたいという方にきちっとした住宅を提供することが大事であります。京都都市圏としての「京都」という考え方もあると思いますので、都市間共創として一緒にみんなで発展していきましょうという視点が大事だと考えており、共に取り組んでいきたいと思っております。

 

記者

 京都市では、人口減少の厳しさを再認識して、都市計画の見直しや規制緩和を実施しておられます。中でも都市計画の見直し等を1年ほどで大胆に実施されていますが、今後、その成果が出る見込み、見通しというのは、どれぐらいの時期にどういった成果が出てくると思われますか。

 

市長

 改めて御説明しますが、私が市長就任する時、その直前に景観政策の6つの条例を議会で全会一致で可決いただきました。私は、これらが京都の宝だと思っています。

 例えば、皇居に行きますと、ビルだらけで、ビルの谷間に皇居が見えます。このようなことを京都では絶対しないために、6つの条例を作りました。条例について、例えば、屋外広告物も含めて10センチ高いから撤去してほしいとの依頼に対し、厳し過ぎるという意見がありました。しかし、最初に撤去の対象となった方に聞かれて「必ず全部実行します」と回答したとおり、99%を超えて実行していただきました。その成果もあり、京都のまちは劇的に美しくなりました。

 このような景観政策は見直さなければならないものもありますが、やはり10年はしっかりと落ち着いてやっていくべきだということで、10年間強化してやってきました。

 例えば、御所の隣の梨木神社にマンションが建つということは誰も想定しておらず、景観を一番重視しているという政党からは、地域住民が反対しているということで反対意見もありました。

眺望景観の規制を御所の中だけだったのを、御所は参道と言いませんが参道も含めて、新たな規制を行い、景観を大事にしてきました。

 従って、1年で都市計画を見直しているということではないということです。10年経った時に景観政策の成果と課題の検証、そして景観と活力ある京都を両立させていくために、2つの審議会で議論していただき、答申、そしてパブリックコメントをいただき、そして新たな都市計画マスタープランを作り、そのプランに基づき、都市計画の見直しを実施しました。

 正直に言いまして、これらの取組に15年かかりました。1年でやっているわけではないです。景観政策というのは本当に重要であるため、そういうことを十分御理解いただき、これからも大事にしていきたいと考えております。

 そして、景観政策の成果と課題を見つめて、新たな景観を大事にしながら活力あるまちを作っていくという段階に来ており、それを見直しているというのが今であります。1年でやったものではありませんので、御理解いただきたいと思います。

 そして、この都市計画の見直しの例えば本日発表した洛西“SAIKO”プロジェクトについて、来年にはこれだけ人口が増えます、と言えるものではありません。明確な理念と実行の下に、時間はかかりますが、確実にこれは効果を上げてくると考えております。

 

記者

 人口が戻ってきたり、他の世代の人口が増加したりという効果をいつまでに見込みたいという目標はお持ちですか。

 

市長

 若い人が住める住宅等は確実に増やしていきます。しかし、人口が何人に増えますということは、この段階で言えるものではありません。いかに人口減少に歯止めをかけていくかということが重要です。

 もう少し具体的に言うためには、過去を知ってもらわないといけません。平成22年度に第2期京都市基本計画を作成した時、令和2年には人口140万人になるという推定がされていました。それは平成22年の段階では、転出人口のほうが多かったからです。それが平成24年、25年頃には、都市の魅力が高まり、転入人口が増えてきました。自然減はありますが、令和2年まで、ほぼ横ばいで、146万~147万人を維持していました。

 直近の京都市の急激な人口減少の要因は、コロナ禍によって一時的に留学生等が減少したことに加え、全国の状況と同じように、今、自然減少が厳しいということです。

 しかし、今年は、外国人住民が7,700人と全国2番目に増えています。従って、この5年、10年、20年のプランで人口を何人にしますということを、今、日本中の人口、さらに出生率のことも含めて、その数字を出すという段階ではありません。

 行政が人口を何万人にしますと宣言し、それに基づいて、市民の方は行動してください、ということではないと思います。人口減少に歯止めをかけていくために、若い人が住んでいただける住居、働く場を創出していくことをひたすら実行していくことが大事だと考えております。

 

記者

 人口動態調査に関連して、今回特徴的だったのは社会減が非常に多かった点です。これは日本人住民に限った統計ですが、社会減(の数)が全国1位、市区町村で最も悪い結果となりました。この社会減について、どういった受止め・分析をされてますでしょうか。

 

市長

 今回の調査について、全国の分析はまだできていません。しかし、人口については、「北海道全体は厳しいが、札幌だけが増えている。東北全体は厳しい、しかし仙台だけが増えている、九州全体は厳しい、しかし福岡だけが増えている、北九州ですら減っている」、このように一般的に言われています。

 兵庫県の前知事は、「東京一極集中と言われているが、関西を見たら大阪一極集中だ」ということをたびたびおっしゃっていましたが、私は、京阪神は大阪一極集中になっていないからこそ、京都市は人口145万から147万を維持してきていると思います。

 ただ、住まいは京都で、大阪の職場に通っているという方が結構いらっしゃったのが、大阪の都心にタワーマンションなどができるにつれ、「職住近接」という新しい状況になっていると思います。

 従って、一番大事なのは、都市の活力、魅力、そして、そこに住みたい人が住め、子育てできることだと思います。

 もう1つは、京都には働く場が相対的に多いので昼間人口が多く、さらに大学生も増えているという状況です。従って、総合的に考えなければなりません。

 今回の調査は住民票を置いている人を対象にしていますが、一般的に、市外出身の大学生は、住民票を京都市に置かない傾向があると思います。従って、今回は一つの調査結果としてしっかりと受け止めて危機感を持つ一方で、必要以上に市民の皆さんの不安をあおり、京都の都市としての魅力が衰退しているかのような印象を与えるのではなく、京都の魅力をいかに生かしていくかが大切だと思います。

 そのためには、基本的には出生率を上げていくことが重要です。しかし、子どもを産むのは個人の希望に基づくものですので、異次元の子育て支援を行っていくことが大事だと思います。

 また、京都の場合は、若い人が住みやすい、求めやすい住居を提供すること、15万人いる大学生が就職できる新しい産業拠点を作っていくこと、これらが明確になっていますので周知をしていきたいと思っています。

 そして、最近の新しい傾向として、若い方々が社会課題解決のために自らスタートアップを興していく動きがあります。このような移住・定住促進の新しい動きというのは、非常にありがたいことだと思います。一方で、京都で事業をやられる方が、住居も京都に構えることも大切であると思っています。

 

記者

 住居の提供と産業拠点を整備するということで、ハード面を整えるのは行政としてできますが、実際にマンションを建てる、企業を持ってくるというのは民間事業者頼みという部分があります。

そのような中で、ソフト面の対策として、子育て支援や定住促進の流れを考え、住宅価格を安くするといった、補助や税務控除などの対策についてお考えを教えてください。

 

市長

 私は、子育てなどに関するイメージも含め、実際の京都の子育て環境について知っていただきたいと考えています。

 京都への移転に伴い来られた文化庁職員で子どものおられる方が、保育環境も小中学校の教育環境もすばらしいということを実感されている方がおられると聞きます。

京都市は私学教育発祥の地で、小学生の約1割が私学に通っていますが、小学生の学力は20の政令指定都市で連続して一番であります。

 中学生についても、公立学校において、学校運営協議会等、地域の方々が学校運営にしっかり参画されている。そして、教師もPTAも頑張っていただき、何よりも子どもが共に頑張り学力がついているというのは誇るべきことだと思っています。こういったことを知っていただくことが非常に大切です。

 子ども医療費等についても、9月診療分から、3歳から小学生までの通院自己負担額の上限を1か月200円に引き下げます。これは画期的なことで、政令指定都市トップレベルであります。こういったことを、皆さまにしっかりと知っていただくことが大切であると思います。

 丁寧に説明していきたいと思っています。

 

記者

全国的にマイナンバーカードのトラブルが相次いでいますが、政府が決めた総点検について、京都市では今どのような対応状況でしょうか。

 

市長

総務省、厚生労働省、文部科学省、こども家庭庁等から様々な調査が来ておりますので、確実にしっかりとお答えしております。マイナンバーとの紐づけの部分で、どういう課題があるのか、その可能性に関する調査ですので、しっかり答えてまいりたいと思っています。

 コンビニ交付で誤りがあったかについては、京都市で使用しているシステムはNECですので、そのような誤りは一切起こっておりません。

 また、マイナポイントの誤付与につきましても、ログアウトを徹底しておりますので、1件も問題は起こっておりません。国民健康保険証との連携も問題は起こっておりませんので、比較的スムーズに進んでいると思っております。

 国レベルの対応については、しっかりと国と連携して、市民の皆さんが御不安をいだかないよう、最大限の努力をしてまいります。

 

記者

来年の市長選について、出馬の可能性やお考えになっていることを教えてください。

 

市長

 4期目の公約を全力挙げて実行していくということで、とりわけ任期のうちの3年間がコロナ禍ということでしたので、真正面に命と健康を守るために取り組んできました。

 従って、現在は公約を実行することに全力投球しておりますので、それ以外のことについて考える余裕がありません。

 

記者

 出馬するのかどうか、全く考えていないのか迷っているのかどちらでしょうか。

 

市長

 今は公約の実現に没頭していますので、そのようなことは考えておりません。

 

記者

 新型コロナワクチンコールセンターの過大請求の件について、現時点で被害届を出したり刑事告訴をしたりするなど、検討されていますでしょうか。

 

市長

 許されない過大請求であるということで、毅然とした態度で業者に対応いたしております。直ちに最も厳しい1年間の入札参加停止措置を行いました。

 警察としっかり連携をしながら、不正は許さないという毅然とした態度で臨んでまいりたいと考えております。

 

記者

 現時点で被害届は出されているのですか。

 

市長

 具体的な内容については、警察からも慎重に発言してほしいとお聞きしていますので控えます。過大請求は、許されないことだと思っております。警察としっかり連携しまして、市民の皆さんの信頼をきちっと確保できるように、万全の体制で取り組んでまいりたいと思っています。

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

https://www.youtube.com/watch?v=6H_GFP5S12s外部サイトへリンクします

会見資料

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