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市長記者会見(2023年6月14日)

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2023年4月12日

市長定例記者会見(2023年6月14日)

実施日:令和5年6月14日(水曜)午後2時~

会場:京都市役所 本庁舎4階 正庁の間

※本記者会見は、市長と記者の質疑応答形式で実施されました。 

質疑応答(摘録)

 記者

 先日、地下鉄とバスの収支の状況、昨年度の速報値が発表され、乗客数、利用者数、運賃収益はほとんど変わらないということでしたが、市長の受止めをお願いします。

市長

 おかげさまで、昨年後半から街が賑わってきております。体感的には、コロナ前に戻ってきたのではないかというお声もよく聞きます。しかし、現実問題としては、直近の乗客数は、令和元年度と比べて、この4月でも市バスは-10%。ゴールデンウィーク期間中でも、地下鉄は-18%、バスが-16%、それぐらいの状況です。昨年度もまだまだ厳しい状況です。

 地下鉄については、国の画期的な支援制度もありましたので、値上げは回避するということで、より一層、経費の削減などに努力し、持続可能な運営をしていきたいと思っています。

 バスにつきましては、国の支援もいただいておりますが、非常に限定的なものであり、801台のバスで74系統、1日4,000便と全国で最も充実した市バス運営を行っております。それをコロナ以前でも4分の1の黒字路線で4分の3の赤字路線を運営しているという構造でした。それがコロナ禍で全てが赤字路線となり、昨年度は幾つか黒字路線が出てきた状況です。

 交通局において、現在明確な理念の下、なりふり構わず経費の削減等に取り組んでおります。しかし、燃料費が令和元年度から2割上がっており、バスにつきましては、半分を民間事業者に運営委託しておりますが、それについても当然のように人件費が上がっています。そうしたことも含めて、値上げは避けられないことを今までも言っていますが、可能な限り努力をしていきたいと考えております。値上げは最後の手段ということで、引き続き、国への支援の充実を求めていきます。そして、歩くまち京都、公共交通優先で、利用者を増やしていくことに取り組んでいきたいと思っています。

 もちろん、観光客が回復してきましたので、観光客と市民生活をいかに調和するか。そこで、一部の、また一時期のバスの混雑というのは解決すべき最大の課題ですので、楽洛ラインの増発、あるいは鉄道、地下鉄、バスをうまく使っていただくことに誘導していく取組も全力を挙げております。

記者

 令和6年度の国家予算要望の文面を拝見すると、市バスについて柔軟な運賃体系を求められています。観光客と京都市民で運賃に差をつけることも視野に入れているという報道がありましたが、要望の狙いを教えてください。

市長

 法律によって、お客様の属性によって運賃に差をつけることはできませんし、京都市も運賃に差をつけていくという考えは一切ございません。

 例えば、この4月からバス・地下鉄で1か月3,000円以上ICカードで使われる方について、利用額に応じて1%、2%、3%のポイントを付与しております。付与したポイントについては、ICカードにチャージしていただくことで、店舗でも買い物することができます。結果として、比較的京都市民の方の利用が多いですが、観光客の方もしばらく京都におられて、3,000円以上使われたら、ポイント還元の対象となります。市民だけ運賃を割り引くのはだめで、一定額以上の御利用者へのポイント還元なら認められるという厳格なものです。

 したがって、観光利用と日常生活を中心とした市民利用との棲み分けについて、運賃制度をはじめ各種規制をもう少し柔軟にしてもらいたいです。そして、市民の皆さんの安心安全、利便性、それから観光客の満足度、これを両立させていくのが非常に大事です。観光地はたくさんありますが、場所によって観光客がたくさん来られるところと、住宅地とで分かれているところがありますが、京都の魅力は、観光の場所と住宅地が重なっていることだと思います。私は京都の最大の魅力は、市民の皆さん、地域の皆さんの暮らしの美学、生き方の哲学、こういうようなものがホテルや神社やあらゆる文化を支えており、これが観光でも評価されるということで、重なり合っているところだと思っています。だからこそ、観光客だけ運賃を高くするというようなことは有り得ないことで、京都市として運賃に差をつける考えはございません。

 ただ、将来、ダイヤの見直し等の時に、ダイヤによっては値段の差をつけてもいいと考えております。それは市民が乗られても観光客が乗られても同じ値段ということになり、運賃に差をつけているわけではありません。

記者

 ダイヤごとというのは、路線ごとにということでしょうか。

市長

 路線や便によって値段の差をつけることはあり得るかもしれません。しかし、それらについては非常に難しい制度ですし、国とも英知を集めて、観光客と市民の皆さんとが調和していくためにどういう方法があるのか考えていきたいと思っています。

 したがって、観光客に限って高くするという考えはありませんし、我が国の制度はそういうことが認められないものになっています。

記者

 今月下旬に関西電力の株主総会がありますが、市長は株主として総会には出席される御予定ですか。

市長

 東日本大震災後、原子力発電に依存しない電力供給体制の構築等に関する国への要請について市会で議決されましたが、再生可能エネルギーを飛躍的に増やして、原発に依存しないエネルギー体制の確立というのが、市会も含めた京都市の大きな方針です。そのことも含めて、これまで可能な限り株主総会に行っています。今回、日程の都合もありまして、今、調整中です。

株式提案をすることは既に発表もし、提案もしております。

記者

 では、出席するかどうかも含めて調整中ということですね。

市長

 そうですね。

記者

 新電力の顧客情報不正閲覧や営業地域に関するカルテルなど、関西電力の昨今の企業の不祥事について、株主として、関西電力の企業体質をどのようにお考えですか。

市長

 エネルギーは、市民生活やあらゆる産業、経済、さらには危機管理にとって極めて重要な産業であり、その根底に市民、国民の皆さんとの信頼関係、そして開かれた会社経営が求められるのは、コンプライアンスを含め、当然のことだと思います。

 今、御指摘のように、毎年のように様々な問題が起こっておりますので、そうしたことが起こらない会社の経営の在り方というのも従前から提案もしてきていますが、改めて提案していきます。

記者

 企業誘致について、先週(6月6日)、京都サウスベクトル(京都駅南オフィスラボ誘導プロジェクト)について東京で市長自ら関東圏の企業に説明されたということですが、その感触について教えてください。

市長

 金融機関、さらに大手の不動産、デベロッパーなどの方々に、当初の予定超えまして100名近くお越しいただきまして、非常に熱を感じました。申し訳ないことですが、立っておられる方もおられたということです。

 京都市の企業立地の魅力、それから新たな方針、熱意について早稲田大学ビジネススクールの入山教授、それからボストンコンサルティングの内田共同代表、私で対談しました。私はできるだけ聞くほうに回ったのですが、非常に分かりやすく説明していただき、会場が非常に熱くなっていたという感じでした。これからが大事ですが、京都市の体制も強化しましたので、丁寧に働きかけていきたいと思っています。

 どんどんと視察にもお越しいただいているようですので、期待できると感じております。

記者

 京都市内には、京セラや、ローム、島津製作所といった先端技術を持った企業がたくさん集積しています。企業誘致と一口で言っても色々な企業が来る可能性がありますが、京都市のこれからを作る上でどんなまちづくりをしていきたいか教えてください。

市長

 京都の文化も経済も、多様性、重層性というのが最大の特徴で、また強みであります。したがって、このコロナ禍においても税収が伸びております。

京都は観光都市だと思われる方がおられますが、「京都は観光を大事にしてきたまちですが、決して観光都市ではありません」と、このような説明から私は入ります。京都の最大の特徴は、精神文化とものづくりだと私は思います。

 同時に、おもてなしの文化、様々なまちの特色がありますから、これということに限らないほうがいいのではないかと思います。現に、国にスタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市の指定をいただきました。既に、2020年8月からの2年間で、京都では79の様々なスタートアップが立ち上がっております。福祉系のスタートアップもあれば、先端産業、先端科学もあります。多様性が京都の最大の特徴だと、このように思っています。

記者

 マイナンバーカードを巡って、公金受取口座で本人以外の口座が登録された問題、コンビニでの証明書発行の誤り、マイナ保険証の紐づけミス、マイナポイントの誤付与といった事例が次々と明らかになっています。昨日もマイナ保険証について新たに誤登録が60件見つかったと公表されましたが、一連のトラブルに対する政府の対応について、市長の受止めをお聞かせください。

市長

 京都市においては、公金受取口座の誤登録、あるいはマイナンバーの誤付与は起こっておりません。ログアウトを徹底していることの結果だと思いますが、ログアウトの徹底を再度周知しております。

 さらに、コンビニでの問題ですが、京都市が委託しているのはNECで、そのようなことが起こらない仕組みになっております。

 ただ、1件、違う人の写真でカードを交付した事例がございました。どのような経緯でそうなったのか分からない部分もありますが、再度徹底して、複数の人間が本人の写真を確認いたします。本人からの申出で、自分の写真でないことが、手続き後に判明したものでした。委託事業者の仕事ですが、改めて、そのことについても現場で誤りがないように、複数で確認していくことを徹底しております。

 なお、国に対しましては、マイナンバーカード、誰1人取り残さない、人にやさしいデジタル化社会、これがいかに大事であるかということは、もう説明の必要はないと思います。コロナ禍で、日本のデジタル化が、本当に発展途上国よりも遅れているということです。

 河野大臣にこの間、色々な要望もさせていただきました。大臣が外務大臣の時には、諸外国から教えを求める話があったようです。ところが、マイナンバー担当、デジタル化担当大臣になると、発展途上国の方から「応援しますよ」という温かい言葉をいただいていますと、大臣はおっしゃっていました。そういう状況であります。

 デジタル化社会によって本当に一人一人に寄り添ったサービスができていく、そして担い手不足の時代に非常に効果的、効率的であります。しかし、このマイナンバーカードの登録において、市民、国民の皆さんの不信につながることがあってはならないので、信頼性の確保についてより徹底していただきたいと、仕組みも含めて要望しました。我々としても、より一層、第一線の現場でそうしたことがないように、再度徹底していきたいと思っています。

記者

 6月13日、岸田首相が異次元の少子化対策について会見を開きました。児童手当の大幅な拡充や出産費用の保険適用など様々な対策がありましたが、首相の発表について受止めをお聞かせください。

市長

 ようやく大きく踏み出していただける取組が始まるなと。ぜひとも可能な限りスピード感を持って実行していただきたい。

記者

 保育士の配置基準や保育士そのものの処遇改善など、まだまだ課題はあると思います。市長自らはどのようなことが課題だと思われ、今後、どのように国に要望されていくかお聞かせください。

市長

 まずは保育所の保育士の配置基準です。

 京都市は独自に国の基準の1.3倍と、今回の子ども未来戦略方針より多い配置基準にしております。例えば90人定員の保育所の場合、国の基準で12人のところ、京都市は16人配置されます。

 国には70年間変わっていない、極めて遅れていたこの部分を早く確実に、そしてより現場の実態に合った改善をしてほしいと思います。

 そして、保育士の処遇もそうです。これからの担い手確保が大事です。京都市でも民間保育所の保育士の処遇はいろいろ改革しました。年収で全国の平均よりも100万円を超えて高くなるようにしています。それでも担い手が大変だと言われている時代なので、抜本的な処遇の改善も含めて、引き続き要望していきたいと思っています。

記者

 府が先日、ふるさと納税に参入し、市町村に収入の一部を配分するという発表がありました。京都市においてメリット、デメリットはあるかと思いますが、まずは市長の受止めをお願いします。

市長

 京都府において、京都市域の返礼は対象としないということを明確にされております。

記者

 京都市としては、府の取組に参加する形になるのでしょうか。

市長

 基本的には京都市内のことについては分けるということを知事は明確にされております。

記者

 例えば今、京都市さんで出されているふるさと納税の返礼品以外で、府と一緒にやっていくということはあり得るのでしょうか。

市長

 これからどのような商品ができてくるかではありますが、返礼品は基本的には棲み分けすることになると思います。

記者

 LGBT理解増進法案が、6月13日に衆議院で可決されたということで、法案成立の公算が大きいです。京都市としても様々な取組を行っていると思いますが、市としての受止めは。

市長

 これから参議院で議論されますので、まだ法案という段階だと思っています。京都市では人権文化推進計画に基づき、早くから性的少数者に対する理解の促進、またLGBTQの方々が生きづらさを感じられない、生きづらいと思われる部分をいかに生きやすい京都にしていくかということで取り組んでまいりました。そして、そうした取組の積み重ねの上に、令和2年9月、パートナーシップ制度というのを京都市で導入しまして、2年9か月経ちましたが、130組の方がパートナーシップ宣言をされております。全国で10番目の数です。

 そして、その後、同じ趣旨の制度をつくられた亀岡と長岡京、それから福知山と4都市で連携して、引っ越しされた時でも改めて宣言しなくてもいいような制度も作っております。

 そして、この6月はプライド月間です。毎年、市役所前から河原町、そして梅小路までパレードしていますが、年々盛んになってきています。京都市としても、まず市の職員が理解しようという職員向けの啓発資料等を作り、その次に企業向けをつくりました。今、様々な場面で性的少数者に対する理解の促進と、生きづらさをいかに排除していくかということで取り組んでおります。去年から大丸にも啓発事業やシンポジウムをやっていただき、啓発の取組をしていただいております。地道な積上げというのが大事であると思います。

 そして、この法律ができましたら国が次の方針を示されるということですので、国の方針も踏まえまして新たな進化をしていきたいと考えております。

記者

 LGBTの当事者から今回の法案について偏見の現れだとして反発する声もあがっていますが、そのことについてはどうお考えか。

市長

 色々なお考えの方がおられると思います。私どもは当事者に寄り添いながら、市民の皆さんの啓発も進め、しっかりとした取組を引き続き頑張っていきたいと思っています。

記者

 法案の成立後、市で行っている様々な取組でどんな影響があるのでしょうか。予想される変更点はありますか。

市長

 法律の条文よりも、法案成立後の国の実施方針、これが大きいと思いますので、それを待ちたいと思っております。

記者

 先ほど市バスの運賃に関して、観光客に限って高くする考えはないとおっしゃっていましたが、一方、国への要望書の中で、観光客と、市民利用のすみ分けについて、運賃制度をはじめ各種規制を柔軟に運用できるような制度構築に向け検討を行っていただきたいという内容があったと思うが、具体的にどういったことを検討されていますか。

市長

 例えば、この4月から始めたポイント制度ですが、市民のみの運賃の割引はできません。1か月3,000円以上使う人へのポイント還元であれば問題ないですが、市民のみの割引はいけないと、こういう硬い制度なのです。このポイント制度は観光客であっても市民であってもサービス内容は同じです。

 こういう考え方の下に、例えば特定の路線のサービスを良くして値段を上げた場合、観光客であろうと市民であろうと同じ運賃となります。したがって、観光客だけを高く取るということは法律制度からもできないし、我々もすべきではないと思っています。

 ただ、一部混雑する路線があるところをどのようにしていくのか。観光客が多い路線について何か知恵がないのか。しかし、混雑する路線とそうでない路線を分けると、かえってコストが掛かることもあります。なかなか難しい問題だと思いますので、今、国とお互いに知恵を出し合いましょうという段階です。

記者

 昨年の春のダイヤ改正で市バスのいわゆる観光系統の100号とか101号が今、運休となっていますが、今後、この急行系統を再開する予定はありますか。

市長

 この3月にダイヤ等についての検討委員会の答申をいただいています。ウィズコロナ・ポストコロナも意識した答申をいただいておりますので、来年の春の改定に向けて、今、検討を進めている段階でございます。

記者

 現時点では、観光系統を復活する予定はないということですね。

市長

 混雑しているところは、楽洛ラインや臨時バスで対応しているところであります。例えば、この前の連休中には、混雑状況をライブカメラで見える化したり、臨時バスを増発したりするなどの対応をしています。

記者

 奈良県知事がリニア中央新幹線の新駅に関する一部事業の予算執行の停止を指示したというニュースがありましたが、京都市としてはリニア中央新幹線に関しては今現在も誘致していく方針なのでしょうか。

市長

 これはオール京都で取り組んでいることですので、京都市だけの取組ではありません。リニアの誘致というのは掲げておりますが、現実は非常に厳しい状況ということも、みんなで共通理解しているところだと思います。

記者

 現実は厳しいというのは、具体的にどういった状況が厳しいとお考えですか。

市長

 誘致当初においては京都駅ということを言っていたわけです。京都の特徴というのは、新幹線の時も新京都駅でなかった。神戸も大阪も新神戸、新大阪。しかし、京都は京都駅に入ってきます。これがいかに大きかったかということが言われています。

 したがって、京都駅ということを申していましたが、現実的に、地下構造的なことやその後の研究も含めて困難です。そうすると、南部の方でどうかということですが、それについてもなかなか難しいのではないかと思います。南部の方が中心に考えるので私がここでどうこう言いたくないのですが、南部に駅ができたとしても、全部名古屋で乗り換えて京都に来られるのではないか、基幹駅にならないだろうと、いうこともあります。

 オール京都で新しい国土軸を作るのに京都を外すということはどうなのだろうか。文化庁が京都に来ましたが、千年を超えて京都は国土軸にありました。これが日本の文化も含めて非常に大きな意味がありました。これは有識者会議(6月15日の「京都の高速鉄道検討員会」)での議論です。

 したがって、新たな国土軸を作る時に、京都を外すことについて、京都の未来のためではなく日本の未来のためにいかがかという課題の提起です。

記者

 オール京都で取り組んでいらっしゃる協議会(京都府中央リニアエクスプレス推進協議会)に京都市としては15万円の当初予算を上げていますが、今後この予算について見直される予定はありますか。

市長

 (国土軸という)理念も含めた話ですので、15万円の支出がどうだという議論は今、行っておりません。


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