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市長記者会見(2023年4月12日)

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2023年4月12日

市長定例記者会見(2023年4月12日)

『若者・子育て世帯の「京都に住むっ!」を「ヒタすら、ヒタむき」に応援しますっ!』について、京都市長が記者会見を実施しました。 

※発表内容は、令和5年4月12日時点の情報です。 

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市長冒頭発言

(門川市長)

 『若者・子育て世帯の「京都に住むっ!」を「ヒタすら、ヒタむき」に応援しますっ!』、ということで、政策をまとめました。京都市では、昨年12月に発表した「京都市の人口動態について」において、若い世代、特に結婚・子育て期や就職期の転出が浮き彫りになっております。

 これを市内で受け止めるとともに、若い世代に選ばれる都市に向け、居住環境や働く場の創出、住宅の流通促進、企業立地の推進、学生等の市内企業への就職促進、あるいは教育・子育て環境の更なる充実など、都市の成長戦略に繋がる施策を、総力を挙げ、今、一気呵成に推進しております。

 とりわけ住宅政策については、若者・子育て世帯の最大関心事項の一つであります。特に重点的に取り組む必要がございます。

 そこで、本日、全国初となる画期的な取組としまして、市営住宅の空き住戸を「若者・子育て世帯向け住宅」に活用するなど、主に住宅政策にスポットを当て、若者・子育て世帯が京都に住むことをヒタすら、ヒタむきに応援するメニューを取りまとめたので、御説明申し上げます。

 2ページ目でございます。メニューは、大きく、

・ 市営住宅の活用をはじめ、お手頃、オシャレにリノベーションした既存住宅の供給促進

・ さらに都市計画と連動した、ピッカピカの新築住宅の誘導

・ そして、これらを応援する、市役所の組織

についてであります。順に御説明申し上げますが、これらの施策を一気呵成に実施し、若者・子育て世帯をしっかりと文字通り、ヒタすら、ヒタむきに応援してまいります。

 3ページ目でございます。市営住宅の空き住戸を「若者・子育て向け住宅」に活用!まずは、全国初の取組でございます、市営住宅の空き住戸の活用についてです。

 4ページ目、事業のポイントでございます。市営住宅の若者・子育て向け住宅への活用は、2つの仕組みを活用して実施するものであります。

 ひとつは、民間事業者とタッグを組み、若者・子育て向けのリノベ賃貸として供給します。これは、市営住宅を不動産事業者等の民間事業者に貸し付け、民間事業者が独自のノウハウやアイデア、そして、事業者負担でリノベーションしていただき、若者・子育て世帯向けに貸し出す事業であります。

 もう一つは、京都市住宅供給公社と連携し、公社の賃貸住宅として供給していきます。これは、公社住宅と合築されている市営住宅を、公社賃貸住宅として、若者・子育て世帯向けに貸し出すものでございます。

 いずれの住宅も、若者・子育て世帯が広く入居できるよう、所得制限は設けません。

 そして、賃料の水準も、お手頃感のある、相場より安い賃料で貸していただきます。

 これまで、京都市においては、(市営住宅を)グループホームや子ども食堂など福祉的利用を行ってまいりました。他都市においても、市営住宅の空き住戸は同様に活用されています。

 公営住宅の枠を超え、所得制限等を設けない本市の手法は、全国でも類を見ないものであり、国が進める次元の異なる子育て支援にも連動し、若者・子育て世帯への支援に大きな一歩を踏み出す、全国を先導する取組と考えております。

 さて、どんなエリアで、どこの団地があるのかということでございます。活用する市営住宅は、住宅セーフティネットとしての役割に支障を来さない範囲で、鉄道駅やスーパーが近いなど、利便性のよい地域の市営住宅や、自然豊かで、抜群の教育環境が整う洛西・向島ニュータウンの市営住宅も活用いたします。

 例えば、民間事業者と連携する住宅は、鉄道駅に近い南烏丸市営住宅や西京極市営住宅、生活に便利な山科市営住宅、小・中一貫校の開校など教育環境が整い、子育て環境がとても魅力的な洛西・向島ニュータウンの市営住宅を予定しております。

 住宅供給公社と連携する公社賃貸住宅は、二条駅から徒歩3分に位置する二条市営住宅で実施いたします。

 戸数、またスケジュールでございます。活用する戸数については、初年度である令和5年度は70戸程度を予定し、以降も矢継ぎ早に拡充してまいります。当面は数百戸規模までの拡充を考えております。

 そして、入居や申込みがいつできるかについては、民間と連携する住宅でございますので、公社賃貸住宅も含めまして、まず第一弾として、引っ越しシーズンである夏から秋頃に提供いたします。

 第二弾は、民間と連携する住宅を、新年度に向けた時期に入居できるタイミングで提供してまいります。

 そして、この取組を、広く知ってもらい、親しんでもらえるように「愛称」も決めたいと考えています。今後、若者・子育て世帯や民間事業者の御意見を聴きながら、賃貸住宅として供給開始されるまでには、愛称を決定していきたいと考えております。

 イメージを持っていただきやすいよう、例としてイメージ図を用意しました。

 今回の取組は、民間事業者が、アイデアやノウハウを活用して、部屋をリノベーションするものであります。事業者の皆さまは、そのニーズをつかみ、より魅力的な住宅にしていただけると思っております。

 なお、リノベや賃貸を手掛けてもらう事業者の公募は、5月のゴールデンウイーク明けに考えております。民間事業者のアイデアなどが最大限活かせるよう、公募条件の詳細を検討しているところであります。いかに、

 ・発信力を生かし、若者・子育て世帯の入居に繋げるか

 ・魅力的なリノベーションをしていただけるか

 など、民間ならではのノウハウやアイデアを活かした提案を期待しております。

 次に、8ページでございます。「路地奥の住宅」を活用、ということで、「路地奥で子育て」は、魅力がいっぱいです。ここからは、既存住宅の有効活用により、若者・子育て世帯などへの住宅供給を増やすための新たな取組について説明申し上げます。

 まず、路地ぐらし、路地住まいを推進する取組であります。

 路地奥の住宅の活用。京都には、魅力的な路地が多くございます。京都ならではの風情という評価もいただいています。そこには、培われてきた町衆の知恵や文化が色濃く息づいています。

 そこで、路地奥ぐらしのメリットですが、あまり知られていないかもしれませんが、写真のとおり、路地は、京都らしいコミュニティの中で、安心して子育てができる空間として評価されています。

 特に、安心して子どもが遊べる、前を車が通らない、広い道路に面する住宅に比べて静かである。さらに、お手頃な価格で手に入れられることもできる、これが大きなメリットでございます。

 「路地奥の住宅」を活用して、路地再生とコラボしていく。路地奥ぐらしの、ハードルとソリューションでございます。路地奥の建物に関しては、活用するにあたって、色々なハードルが存在します。

 建築基準法の接道の基準を満たさないため、許認可手続きが煩雑であったり、それに伴い、住宅ローンが組みにくいという課題がございます。組めても、手続きに時間がかかるなどの課題がありました。

 また、狭い通路で建て替える場合に、工事費が高くつく等、経済的負担の課題もあります。

 さらに、そもそも「路地」で住むというイメージを持っておられない方も多く、住まいを探す際の選択肢にならないという課題がございます。

 京都市では、これらの課題を解決するために、「路地カルテ」など様々な施策にチャレンジいたします。

 まずは、新たな取組として、「路地カルテ」の作成、発行であります。

 これまで、路地奥の物件は、建替えが難しいと考えられていたことから、不動産価値がないとみなされ、住宅ローンが組めないことが多くありましたが、建築基準法の許認可を受けることにより、建替えなどが可能になる敷地につきましては、「路地カルテ」を試行的に発行します。

 そして、路地や敷地の状況を詳しく示すとともに、許可手続きに必要な図面や資料等がセットになったものを示して、これによって、実際に許可を受けなくても事前に許可が可能な路地であることが確認できます。

 また、路地カルテの効果として、これまでなかなか流通してこなかった路地物件の中で、建替えできるものが分かりやすくなるため、これらの流通を促進したり、早い段階から住宅ローンの審査に応じてもらえることに繋がります。

 実際に路地カルテの発行を希望する方を5月から募集する予定でございます。詳細は、近日中に改めて広報しますので、是非、路地物件の所有者の方は、検討していただきたいと思います。

 また、令和4年度から、建築基準法の許認可制度の柔軟な運用を行い、これまで許可等を行っていなかった狭小な幅の路地についても、防災性と居住環境を向上させることを条件に、建替えが可能となるよう取り組んでおります。そうした新しい制度も知っていただき、利用していただきたいと思っています。

 次に、これまでは、密集市街地において老朽化した木造建築物の除却を支援する「老朽木造建築物除却事業」について、現状では跡地を更地のままとすることを補助の要件としていました。そのため、除却を断念され、危険な状況のまま建物が放置されるケースが発生しております。制度の目的が十分達せられないという課題がございます。

 このため、令和5年度から、支援制度の要件を、更地に限定せず、建替えする際にも、補助金が使えるように拡充いたします。

 さらに、手頃な価格で改修した建物などをオープンハウスやバーチャルで公開することを進めてまいります。

 あわせて、路地暮らしなどの魅力発信や、路地での建替えや改修の事例を発信します。

 これらの取組により、路地奥での建物の建替えを促進し、路地奥に耐震・防火性能に優れ、比較的リーズナブルな物件が建てられる。そして、若い方がそこをお住まいにしていただき、子育てができる、そんな選択肢を拡げてまいります。

 次に、「空き家」の活用でございます。空き家を含む既存住宅は、一般的には「中古住宅」と呼ばれ、何となく「新しい方が魅力的で良い」と若者や子育て世帯から思われている傾向がございますが、敢えて選択していただく条件づくりが大事だと考えております。

 京都市内には、市場に流通しないまま、放置されている空き家が約4万5千戸あります。

 これらを、若者や子育て世代にしっかり使っていただけるように、既存住宅を丁寧に使い、持続可能なモデルとなる取組にチャレンジいたします。

 その際に鍵となるのが、空き家オーナーに積極的に有効活用を考えていただくことでございます。全国初の画期的な取組として、先般、空き家等への新税が総務大臣同意を得て導入されることが決定しました。地域の住民をはじめ、全国的にもたいへん注目を集めている制度でございます。新税の趣旨も空き家オーナーにしっかり周知して、空き家の積極的な有効活用をしていく、そのための意識を醸成していきたいと思っております。

 そして更に、昨年12月に、既存住宅の活用に実績のある不動産事業者あるいは建築事業者などを、安心すまいパートナー「安(あん)すまパートナー」として選定し、支援制度を開始しました。既存住宅の魅力的な活用事例の発信等、京都で住宅の取得を考えている方に、しっかりとアプローチを進めています。

 このように、京都市がこれまで培った民間事業者や地域の方々との信頼関係をしっかり活かし、アイデアやノウハウを活かして、例えば、築年数が古い住宅でも、斬新で魅力的なリノベーションを行ったり、統一感のある家具付き住宅として魅力を高めて売り出す等、「中古住宅」のイメージを払しょくする提案を引き出してまいります。

 また京都市の郊外エリアには、昭和40~50年代頃に大量に供給された、交通等の利便性が高く、生活の利便性の高い場所に、狭小で、今までは市場性が低いと考えられていた住宅もたくさんあります。これらの魅力を高め、京都モデルの既存住宅のブランディングを進めてまいります。

 若者・子育て世帯が、住んでみたいと思ってもらえるよう、これらの既存住宅の魅力を発信し、手頃な価格で流通させてまいります。

 また、空き家の所有者に対しては、既存住宅の利活用を働きかける、これらの事例を紹介した動画や広告等を活用して、所有者に直接、情報を届ける、プッシュ型の情報発信を行ってまいります。

 次に、「既存マンション」も、きちっと管理して安心すまいに。既存分譲マンションが今、狙い目であります。また、京都市内には、約11万戸(約2000棟)の分譲マンションが存在しています。

 今回、お勧めしたいのは、「管理が良好な既存の分譲マンション」であります。

 現在、建築資材の高騰など、新築分譲マンションの高価格化が進行しております。既存マンションは、新築に比べ、比較的手に届きやすい価格帯で販売されています。

 今は、既存マンションは、将来にわたり住むための資産としては不安に思っておられる方も多いですが、管理の良好なマンションは、計画的な大規模改修が行われ、長く住む家として、安心して選んでいただける住宅として、絶対におススメです。

 また、既存マンションは、便利な場所にたくさん存在し、リノベーションによって、新築と同様に快適で自分好みのすまいとして生まれ変わることもできます。 

 このように、管理が良好なマンションを増やすことが、子育て世代の住宅供給に繋がると考えています。

 そこで、安心して住み続けられる、良好な管理状態のマンションを行政が認定する「管理計画認定制度」を昨年度スタートさせました。

 これまでに2件のマンションが既に認定を受けられております。現在、少なくとも十数件のマンションの認定申請に向けて準備していただいています。

 今回、本制度の活用を促進するため、国において、管理計画認定マンション等で長寿命化に資する大規模改修工事を行ったマンションの固定資産税を、1年間減額する特例措置が創設されました。

 本市においても、この特例措置を活用したうえ、独自に充実させる条例改正の提案を予定しております。管理が良好なマンションを後押ししてまいります。

 また、認定制度の更なる普及を図るとともに、認定申請に向け、管理組合への支援も行ってまいります。これらを通じ、管理が良好なマンションを増やし、見える化してまいります。

 次に、魅力的なすまい・まちづくり、居住空間を創出する都市計画の見直しでございます。都市計画の見直しについては「京都の未来を支える若い世代をひきつける居住環境の創出」を目指し、地価が比較的落ち着いており、都心からアクセス性が高い主要な駅近傍のエリアを選定しております。 

 まず、「東部方面の外環状線沿道」においては、若い世代をひきつける新たな魅力を創出・発信するにぎわいと潤いあふれる、地域のコミュニティや文化の創造拠点となることを目指してまいります。

 具体的には、多様な都市機能の集積や若年・子育て世帯のニーズに合った居住環境を創出するため、低層階のにぎわい用途への利用、また沿道での歩道と一体となった空地等の整備等を要件に、容積率を700%、高さ規制を、景観審査をクリアしたら無制限に見直します。

 次に、「市街地西部の工業地域」においては、未来を支える若い世代の市内居住のニーズを受け止め、ものづくりと調和しながら環境負荷にも配慮したサスティナブルなまちを目指してまいります。

 具体的には、工場の操業環境の保全・向上はもとより、ものづくりと調和し、生活利便が整った居住環境の創出を図るため、容積率を400%に、また、防音性能など一定の要件を満たしたマンション等については、高さ規制を31mに見直します。

 そして、都市計画提案制度の拡充でございます。都市計画を見直したエリアのみならず、市内全域で地域の魅力や活力を生み出していくため、地区計画制度と都市計画提案制度の良いところを組み合わせた仕組みを検討しています。

 これまで新景観政策以降に高さを緩和した事例は、地区計画で5件にとどまっています。また、円滑かつスピーディーに地区計画の実現が可能な都市計画提案制度についても、規模要件が0.5ヘクタール以上となっており、これまでの活用事例は1件にとどまっています。

 このため、地域住民等がこの地区計画制度をより活用しやすくするため、地区計画を提案する場合の規模要件を、法定の0.5ヘクタール以上から0.1ヘクタール以上に拡充する条例を制定すべく、検討しております。

 規模要件拡充の対象区域は立地適正化計画に基づく「都市機能誘導区域」や「居住誘導区域」などを想定しており、市内の様々なエリアにおける地域住民の方々等の主体的なまちづくりの取組を促し、良質な住宅の確保はもとより、若者・子育て世帯が「京都で住みたい、学びたい、働きたい、子育てしたい」とより一層思える魅力的な空間の創出に向けて地区計画制度が積極的に活用されることを期待しております。

 また、既存の制度もリニューアルいたします。総合設計制度は、敷地内に一般の方が利用できる公開空地を設けることにより、容積率の割増しが受けられる制度でございます。

容積率の割増しを大きくしようとすると、公開空地の面積を大きくするために、おのずと建物が高くなります。

 ただ、平成19年の新景観政策で、高さ規制を超えることができる制度から、総合設計制度を除外しました。したがって、それ以降は、容積率の割増しを求める総合設計制度は2件にとどまっています。

 今回、公開空地の面積だけではなく、建物の性能や公開空地の質も容積率の割増し基準に追加し、新景観政策の骨格はしっかりと堅持しつつ、制度活用に必要な公開空地は確保していただく必要はありますが、容積率の割増し幅が大きくなり、高さ規制の範囲内で、建物のボリュームを大きくすることができます。

 例えば、若者・子育て世帯向けマンションの場合では、建築物全体の高機能化として、脱炭素建築物とする計画などにより、容積率を割増しする。

 あるいは、子育て支援施設の併設。例えば、保育所や集会場などの地域に必要な施設を敷地内に確保する。あるいは、テレワークスペースの確保などによる職住共存のライフスタイルの実現を、しっかりと地域の方々が議論していただき、そして、容積率を割増しする。住んでよし、子育てしてよし、働いてよし、学んでよし、そんな条件ができる取組を進めてまいります。

 この見直しにより、先ほどの地区計画の提案制度と合わせ、子育て世帯住宅の供給促進や、オフィススペースの供給拡大が期待され、人口減少対策に大きく寄与するものと考えています。

 先ほど、マンションの高さを31mまで建築可能とした「市街地西部の工業地域」、西京極や西院等で、是非とも活用していただきたいと思います。

 次に、人口減少対策に係るポストの新設であります。今回は、居住環境に係る施策を取り上げて説明させていただきました。若い世代に選ばれる千年都市の実現に向けては、働く場の創出、子育て環境の向上等、様々な取組を総力を挙げて推進していく必要がございます。

 そこで、都市計画の見直しと連動した若い世代の移住・定住と働く場の創出につながる企業立地の促進や子育て支援などを総合的に推進していくため、新たなポストを設置いたしました。

 まず、若い世代に向けた移住・定住の促進などを全庁的に推進していくため、庁内の人口減少対策の司令塔として、総合企画局に「人口戦略担当」を新たに設置しました。

 また、都市計画の見直しを契機とした住む場所・働く場所の創出に係る令和5年度の新たな組織体制として、都市計画局まち再生・創造推進室に「都市の未来創造担当」を設置いたしました。都市計画の見直しにより引き出されるポテンシャルを事業者に最大限活用してもらうために、情報発信や事業構想段階からの相談・企画調整を行い、地域ごとの特性を踏まえた都市機能の集積・充実や魅力ある居住空間の創出に繋げる取組を統括していきます。

 更に働く場の創出に関しては、産業観光局企業誘致推進室に、東京事務所に常駐する「首都圏企業誘致推進担当」を設置しました。引き続き市内企業の事業拡大を図っていくと同時に、首都圏等に所在する企業に対する訪問・営業活動を実施し、ビジネス拠点としての京都の魅力発信や市外企業の誘致を推進してまいります。

 さらに、急激な人口減少や少子高齢化が進んでいる洛西地域については、空き家などの課題がある一方で、緑豊かで自然環境が非常に優れております。また阪急線、JR線に近接し、また新しい駅も出来ております。そうしたまちのポテンシャルを生かし切れていない現状があります。特に洛西ニュータウンの再生は一刻の猶予も許されない喫緊の課題であると認識しております。

 そこで、坂越副市長を本部長とする「持続可能な洛西地域のまちづくり推進本部」を新たに設置し、庁内一丸となって若者・子育て世帯の呼び込み、生活利便性の確保、公共交通の利便性向上、さらにはまちの将来像を見据えた都市計画の見直しなど、洛西ニュータウンをはじめ、洛西地域全体の活性化に向けてスピード感をもって必要な取組を進めてまいります。

 若者・子育て世帯の移住・定住促進のため、あらゆる施策を総動員し、全庁挙げて一気呵成に取組を進めてまいります。よろしくお願いします。

質疑応答(摘録)

発表案件『若者・子育て世帯の「京都に住むっ!」を「ヒタすら、ヒタむき」に応援しますっ!』について

記者

 子育て世代等の市外流出の現状に対する認識と、今回の発表内容についての意気込みをお伺いします。


市長

 この間、(本市の人口動態について)調査し、二つのことが分かっております。一つは、就職期に首都圏等に転出される方が多いことです。もう一つは、結婚や、お子様が誕生された時に、市内では住居価格が比較的高く、手に入りやすい住居を求めて、市外に転出されることです。この二つが大きなテーマであります。

 これに対し、一つは、都市計画の見直しなどにより、京都市内にオフィスや生産拠点、そうしたものを作りやすくします。せっかく京都に優れた企業があるのに、市外に生産拠点を移されるという例が後を絶ちません。景観政策を大事にしながら、働く場を作っていく。そして、大学等と連携したソフト面の取組も重要であります。京都企業の魅力や働き方改革の取組状況等を発信するWebサイト「京のまち企業訪問」も、学生さんの意見も踏まえて3月から全面改修しました。

 もう一つは住居であります。京都市内は比較的ファミリー向けの賃貸住宅が少ないですが、学生さんや単身世帯向けのワンルームマンション、賃貸住宅はたくさんあります。そして、住宅価格が高いという課題もあります。

 そこで、今できるあらゆることを一気呵成にやっていきます。その一つが、全国で初めての市営住宅の活用です。セーフティネットとしての(公営住宅の)役割はしっかりと維持します。同時に、使われてない、公営住宅として使えない、こういう住宅につきまして、民間の資金とアイデア、熱意でもって投資いただいて、若者や子育て世代が住みやすい、おしゃれなものにしていただいて、比較的安い価格で貸していただくというものです。これをスピード感を持ってやっていきます。

 同時に、空き家条例(京都市空き家等の活用、適正管理等に関する条例)も作りましたが、空き家を徹底して生かしていきます。空き家は、戸建てもありますし、マンションもあります。さらに、路地の魅力、最近、気づき出された方もおられます。路地の魅力を一番先に感じられたのは観光客の方々です。それが宿泊施設等になって様々な課題も出ました。

 路地というのは非常に静かで、安心できて、子育てにいい空間です。しかし、課題もあります。その課題をクリアする制度を総合的に作っていきたい、また、路地の魅力も発信していきたい。本日は、住居の提供、創出を重点的に発表しましたが、引き続き、働く場の創出、また、子育て環境の充実と同時に、しっかりと対象となる人に発信していく必要もあると思いますので、より強化していきます。


記者

 活用する市営住宅の賃料水準は、相場で何万円ぐらいお考えでしょうか。


市長

 民間の知恵を生かすことを考えておりますので、(行政が)決めてしまわないでおこうと思います。どのようにリノベーションするかということもあります。我々(行政)は今まで公営住宅のことしかやってきておりません。民間の知恵を生かすことによって画期的に変わってくると考えております。


記者

 市営住宅は、本来、福祉的目的というのがまず大前提にあると思います。その上で、今回、対象の住宅は利便性が高く、公募に出すと(セーフティネットが失われるという)不安な点もあると思いますが、セーフティネットを維持できる根拠をお聞かせ下さい。


市長

 京都市には、戸数としては23,000戸の市営住宅があります。そのうち、木造であるとか、老朽化してるといった理由で、住んでおられる方には動いていただくといった条件はありますが、廃止予定の市営住宅が2,800戸あります。そして、3,500戸の市営住宅が空いている状態にあります。3,500戸のうち、1,500戸は住宅セーフティネット、あるいは災害時の緊急対応等で確保したいと思っております。残り2,000戸のうち1,000戸は、築40、50年経っており、いずれ集約、建替えも含めて検討していかなければなりません。残った1,000戸、そのうちの数百戸を今回発表した活用に生かしていきます。非常に利便性の高い場所にありますが、傷みがひどく、今までの公営住宅のやり方ではなかなか生かせないところがストックとして残っております。これを国の認可も得まして、民間に貸し出して、ゴロッと変えていただく。今までの住宅を若者が好まれる、子育て世代が好まれる、ニーズに合ったものにしていく取組をしていきたいと思っています。セーフティネットの維持と両立する取組です。


記者

 市営住宅の空き住戸活用の関係で、入居を希望する人が多数応募された場合はどのように決められるのでしょうか。


市長

 抽選です。


記者

 抽選に当たって条件はないのでしょうか。


竹内都市計画局長

 詳細はこれから検討しますが、第1期として出す時には、時期をそろえて公募、抽選としていきたいと思います。

 制度が定着して以降は、空き家となったもの、一旦入居されて空き家になったものについては、事業者のノウハウで速やかに新しい方に入っていただくようなことを想定しております。


記者

 今回、改修は民間にしていただくということですが、本事業に関して市の支出もしくは収入はどれほど見込まれていますか。


市長

 どれぐらいのニーズがあり、改修費用がかかるのか、それから京都市が民間事業者に貸し出す価格についてはこれから相談していきます。今、使っていない住戸ですので、それを住居として提供いただく部分について民間に汗をかいていただきます。

 従って、京都市が貸し出すものではありません。民間事業者に若い方が住みやすい魅力的な住居、価格に設定していただくかがこれからの課題です。民間事業者と丁寧に相談しながら、この制度が若い世帯の方々に良かったと思っていただけることを最優先で考えていきたいと思っています。

 

記者

 地区計画の提案制度の拡充ですが、条例制定の目途はいつ頃をお考えでしょうか。


市長

 検討中です。できるだけ早く、今年度中には改めて発表したいと思っています。


記者

 自治会活動や町内会活動などの地域コミュニティ形成のために、市営住宅の空き住戸に入居してもらうことはいいことだと思いますが、従来、市営住宅に住んでいらっしゃる方々にとって、若者子育て世帯が来ることの意味について、市長はどのように考えていらっしゃいますか。


市長

 地域、自治会活動等に貢献することを条件に、大学と連携して市営住宅に学生と留学生に入っていただく取組を全国で初めて行いました。これが市営住宅に入居している高齢者が多い中で、非常にいい関係を作ったというような事例もあります。

 従って、今回発表した取組が既に入居されている方にとっても非常にいい影響があると確信しております。


記者

 市営住宅の空き住戸の活用について、民間事業者が賃貸を行うことによる収入と、リノベーションにかかる費用というのは相殺できるという理解でよいのでしょうか。


市長

 京都市にとっては事業者にいくらの金額で貸すかという関係になります。事業者は、住居の改修費を全額負担し、入居者を募集し、運営します。

 従って、京都市は一定の金額、無料で利用者に貸すのではなく、何らかの金額を設定して、民間事業者が事業として成り立つような金額を設定する。これはこれから事業者と相談していきたいと考えています。

 あまり高く設定しすぎてリノベーションにお金がかけられなくなると今回の事業は成り立ちません。京都市の資産ではあるけれども今使われてない資産を最大限有効活用し、若い方に気持ちよく住んでいただくことで、定住、移住につながることが最大の目的です。


記者

 若い方というのは具体的に何歳ぐらいのことを指すのでしょうか。


竹内都市計画局長

 詳細については今後検討しますが、実際に子どもを育てておられる方であれば、比較的広く対象に含めていきたいと思っております。


市長

 若者世帯と子育て世帯という感じです。


記者

他の自治体でも市営住宅をリノベーションして貸しているという事例はあったと思いますが、福祉政策としての市営住宅を目的外利用するということと、市営住宅を公社賃貸住宅にするということが全国初ということでしょうか。


市長

 一つは民間に貸し出して、民間が改修していただいて、そして比較的廉価で貸していただく。もう一つは、今、公社と市営住宅の合築であるものについては公社に委託しますので、ほとんどは民間でやっていただくことになります。

 公営住宅は住宅セーフティネット、公営住宅法に基づいて建てられているものです。それを福祉目的等で目的外使用することは今まで全国でもあり、京都市もやってきました。今回はそういうことではなく、所得制限なしで子育て、若者世帯に提供するために、市営住宅を民間にお貸しして、民間の資金で改修していただき、子育て世帯が好まれる住宅にリノベーションして提供していくということです。住宅セーフティネットというのは、低所得者に生活に必要な住居を低い価格で提供することですので、決して華美な住宅ではありません。この市営住宅について所得制限をなくして、若い世帯のニーズに合わせた住宅に変えていくという取組が全国初ということです。


記者

 本事業における民間業者の選定は、以前に発表されていた「安すまパートナー(「京都市すまいの事業者選定支援制度」)」の事業者とは関係ないものでしょうか。


市長

 はい、これから公募してまいります。


記者

 民間の資金で改修してもらうということですが、改修費用に対する補助はありますか。


市長

 改修費用に対する補助はございません。これは各事業者において(回収する)家賃で賄っていただくことになります。京都市としては、民間に貸す価格は低い価格で設定し民間の資金で改修していただきます。いい仕事をしたい、と非常に志の高い民間事業者が京都にはたくさんおられます。同時に、ボランティアで実施されるわけではないので、それを何年貸すか、採算が合うかどうかということも含めて、詳細はこれから協議して決めていきたいと思っています。


記者

 民間事業者から貸し出される家賃について、付近の一般的な賃貸住宅の賃料を上回らないようにするなど、上限や規制は設けられますか。


市長

 一般的な民間の住宅よりも比較的安価な家賃設定にしてもらうことは、この事業の趣旨から明確にしております。これについては、事業者の公募にあたって、条件とさせていただくことになります。


一般質問

記者

 4月9日付けの統一地方選について伺います。京都市議選では、日本維新の会が議席を増やし、共産党が減らしました。この結果に対して市長の受け止めをお願いします。

 

市長

 投票に行かれた有権者の方々の御判断の結果だと受け止めております。地方自治体は、二元代表制の下、自治を形づくる責任を共有しています。これまでも、議会と市長、執行機関、適切な緊張関係の下に議論を深めて、そして、京都の今と未来のために市政運営を行ってきました。

 引き続き、議会との議論、連携を深め、持続可能な行財政の確立や、また、京都のあらゆるポテンシャルを生かし、市民の皆さんの豊かさにつながる成長戦略の推進など、今と未来のために全力投球していきたいと考えております。


記者

 春の観光シーズンについて、海外からの観光客の方も増え、市バス等で混雑が目立つようになってきました。市では、既に様々な対策を講じられていると思いますが、市バスの急行バスなど、時期を早めて実施される取組などはありますか。

 

市長

 この間、あらゆる取組に全力投球してまいりました。何よりも市民の皆さんの安心安全を最優先に京都観光を復活、同時に、持続可能なものにしていく。市民の皆さんの豊かさにつながる取組が大事であります。

 例えば、今年は桜の開花が少し早かったですが、土日等での地下鉄の増発、10か所のライブカメラによる混雑状況の見える化。こうした取組を行うとともに、「楽洛ライン」の運行等も行ってきました。

 3月時点でのライブカメラの再生数は、昨年より約25%増加(+約60万回)し、本市の様々な混雑対策の施策も一定の効果を上げていると考えております。引き続き、集中の回避、時間・場所・時季の分散、あるいは、観光快適度の分析やその多言語発信などに取り組んでまいりたいと考えております。


記者

 各政党では、今回の市議選を来年の市長選の前哨戦と見ていました。次の選挙への出馬の意向など、門川市長御自身のお考えはいかがでしょうか。

 

市長

 市民の皆様にお約束しました、財政の健全化については、22年ぶりに収支均衡を達成し、財政難克服への確かな道筋をつけたと考えています。議会、そして、市民や事業者の皆さんの御理解、御支援の賜物であります。

 同時に、市民の皆さんの豊かさにつながる成長戦略、あるいは、子育て支援、福祉、安心・安全、様々な課題が山積しており、一番大事な時期となっています。今、市長としての職責を全うすることに全力投球しているところですので、それ以外のことは考えていないというのが現状でございます。

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

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会見資料

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総合企画局市長公室広報担当(TEL:075-222-3094)
都市計画局住宅室(TEL:075-222-3666)

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