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門川市長臨時記者会見(2021年7月28日)

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2023年4月12日

市長臨時記者会見(2021年7月28日)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた「京都市版IHEAT(アイヒート)」による保健所業務応援チームの結成について

『新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた「京都市版IHEAT(アイヒート)」による保健所業務応援チームの結成』について,京都市長が記者会見を実施しました。

 ※発表内容は,令和3年7月28日時点の情報です。

会見要旨(摘録)

【司会】
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた「京都市版IHEAT(アイヒート)」による保健所業務応援チームの結成について,記者会見を始めさせていただきます。
 内容の発表に先立ちまして,臨席者を御紹介させていただきます。まず,IHEATのリーダー,京都看護大学大学院学長の豊田 久美子(とよだ くみこ)様でございます。続きましてサブリーダー,京都大学 大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 教授 任 和子(にん かずこ)様でございます。また,京都橘大学 看護学部看護学科 講師 黒瀧 安紀子(くろたき あきこ)様。そして,京都先端科学大学 健康医療学部看護学科 准教授 河田 志帆(かわた しほ)様。佛教大学 保健医療技術学部看護学科 教授 浜崎 優子(はまさき ゆうこ)様。京都府立医科大学 医学部看護学科助教 村上 佳栄子(むらかみ かえこ)様に御臨席いただいております。それでは,内容について市長から説明させていただきます。

 

【門川市長】

<P1>
 本市の新型コロナウイルス感染症の1例目の発生から約1年6箇月がたちます。日々,新型コロナウイルス感染症対策の最前線で奮闘いただいている医療従事者の皆様をはじめ,厳しい社会経済状況の中,徹底した感染拡大防止に取り組んでいただいている市民・事業者の皆様に,改めて敬意を表し,感謝申し上げます。現在,本市では,市民・事業者の皆様と一緒になって,夏のリバウンド防止徹底期間として,感染防止対策の基本の再徹底をお願いするとともに,ワクチン接種事業を懸命に進めているところです。一方で,7月下旬に入り,新規感染者数が下げ止まりの状況から増加傾向に転じ,感染状況は「第5波」に突入したとみられ,新たな感染の急拡大が懸念されているところです。本日は,今後の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた「京都市版IHEAT(アイヒート)応援体制による応援チームの結成」について,御報告いたします。

<P2>
 IHEAT(アイヒート)とは, 新型コロナウイルス感染症の感染拡大とともに,保健所に大きな業務負荷が発生することが課題となり,更なる保健所体制の体制整備が求められていることから,厚生労働省が創設した,都道府県単位で潜在保健師等を登録する人材バンクの仕組みのことです。関係学会・団体等を通じて募集・登録された外部の専門職であり,保健所等で積極的疫学調査を中心とした業務を支援するもので,感染拡大時において,これらの方々の名簿をもとに,各都道府県が外部専門職を有効に活用することを目的としています。この仕組みをもとに,京都市独自の応援チームである「京都市版IHEAT」を結成しました。本市の応援チーム登録者で,国のIHEAT未登録の方は,そちらの登録を行ったうえで,応援に従事いただくことになります。

<P3>
 今回の応援チームの結成の経過について御説明いたします。本市では,今までに,保健師の増員をはじめ保健所の体制を拡充し,徹底した積極的疫学調査を行ってまいりました。昨年当初23名の保健師体制から,現在135名体制に充実してきております。そして,本市独自のPCR検査基準を昨年5月から実施しております。それによって濃厚接触者をはじめ,感染の可能性を広く捉えてPCR検査を実施するなど,市民,医療従事者の皆様と危機感を共有し,感染防止に取り組んでまいりました。とりわけ京都府や医師会等とも連携してまいりました。そして,保健所で行う積極的疫学調査は,行動履歴や感染経路を特定し,クラスターの検出や,次のクラスターの起点となる濃厚接触者を特定し,さらなる感染連鎖を抑え込むことを目的としています。
保健所では,引き続き積極的疫学調査や健康観察等をはじめとした患者や接触者に対する感染拡大防止に係る助言,指導など,感染拡大防止対策を徹底してまいります。感染拡大時には,多くの人員と時間を要する状況がございます。 
このような状況を踏まえ,この度,新たに「大学のまち」である京都市の利点を生かし,市内の看護系大学の教職員などの専門職の皆様等のお力をいただきながら,京都市版IHEAT(アイヒート)と呼べる強力なメンバーに集まっていただきました。

<P4>
 この応援チームでは,保健所における「積極的疫学調査」や,やむを得ず自宅療養をされる方の「健康観察」の業務にも御協力いただきます。

<P5>
 応援期間は,8月以降の感染拡大時期としております。概ね感染者が1週間に300人を超えた時期を想定しています。現在の感染状況から8月に入りまして,早速の御活躍をお願いしたいと思っています。応援チームの参加者は,市内看護系大学の先生方や大学院で保健師・看護師の免許資格のある方などです。
保健所において,1日当たり5人程度,交替で活躍していただく予定です。

<P6>
 応援チームは大学によって,チームで応援いただく大学と,個人登録により応援いただく大学があります。チームで応援いただく大学は,京都看護大学,京都大学,京都橘大学,京都中央看護保健大学校です。また,個人登録により応援いただく大学は,京都府立医科大学,京都光華女子大学,佛教大学,京都先端科学大学,京都大学です。
現時点で総勢65名に御協力いただけると聞いております。多くの大学,皆様に御参画いただき,大変感謝しております。現行の保健所体制に加えて,応援チームの御協力をいただき,積極的疫学調査のスピードアップを図り,感染連鎖を断ち切り,感染拡大を抑え込んでまいります。
 本日は,応援チームを代表して,リーダーの京都看護大学 豊田学長,サブリーダーの京都大学大学院 任教授をはじめ,京都橘大学 黒瀧先生,京都先端科学大学 河田先生,佛教大学 浜崎先生,府立医科大学 村上先生にお忙しいなか御臨席賜っています。本当にありがとうございます。力を合わせて,京都市における感染症対策を最大に応援していこうと,本当に心強い限りであります。市民の皆様の命を守るためには,爆発的な感染拡大は絶対に防がなければなりません。今後も,市民の皆様の命,健康,暮らしを徹底して守るため,応援チームの皆様と連携しながら,速やかに積極的疫学調査を行い,クラスター等の集団感染の封じ込めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。

 

【司会】
 続きまして,IHEATリーダーの豊田学長様,それからサブリーダーの任教授に一言ずつお言葉を頂ければと存じます 。

 

【豊田学長】
 この度,京都市看護系大学教員で構成いたします,IHEATのリーダーを務めます,京都看護大学学長の豊田です。どうぞよろしくお願いします。私どもは日頃,京都市内の大学において,看護師・保健師・助産師等の看護教育に勤しんでおります。しかしながら,今般,新型コロナウイルスの感染者増加傾向がみられることから,私ども職域は異なりますが,看護専門職の一員として,本務に支障のきたさない範囲で,私ども手を携えて,ワン・チームとして微力ながら積極的疫学調査と,今後の感染拡大を少しでも抑えることができるように力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

【任教授】
 京都大学の任でございます。豊田学長をリーダーとして,このチームが動いていくわけですが,サブリーダーを務めます京都大学大学院医学研究科の任でございます。このような応援業務を通じまして,京都市における感染症対策に貢献させていただく機会を得ましたことを,京都市内の看護系大学に勤務する看護専門職として大変光栄に存じます。市民の皆様のいつものような生活が1日でも早く戻り,また維持されることを目指しまして,尽力してまいりたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。以上です。

 

質疑応答(摘録)

記者
 市長にお伺いします。このタイミングで「京都版IHEAT」を結成された目的,狙いを改めてお聞かせください。

市長
 変異株の影響により,これまで以上に感染の波が大きくなる可能性がある。そして,第5波に備えなければならない。さらには,感染力の強さから迅速な調査が必要である。こうした状況から,看護系大学と相談させていただき,準備を進めてまいりました。すでに,第5波に突入しているのではないかという時期に支援いただけることをありがたく思っています。しっかりと連携して,感染爆発を防いでいく。市民の皆様の命と健康を守るために全力を投球してまいりたいと思います。

記者
 次に,リーダーを務められる豊田学長にお伺いします。今回,4つの大学がチームとして,5つの大学の職員が個人として参加されることになりました。京都市は,昨年度,感染拡大によって極めて業務が繁忙となる時期がありました。チームとして現状,どのような役割を担っていかれるか。また,チームのメンバーに期待されることをお聞かせください。

豊田学長(リーダー)
 先ほど市長からお話がありましたように,支援体制については,感染者が1週間に300名以上の場合ですと平日夜間及び休日(9:00~22:00)の派遣,400人以上になりますと平日及び休日の日中から派遣(9:00~22:00)となります。内容については,積極的疫学調査を主に実施し,そこに自宅療養者への健康観察等も加わってきます。感染者の濃厚接触者にどなたがおられるか,どのような行動をされていたか,そして,濃厚接触者を特定し,できるだけ感染源を抑えていく。クラスターにさせない。感染者の抑制に向けて,電話にて調査を行います。
 京都市内外で,看護系大学として,ともに看護教育をしているわけですが,日頃顔を合わせることはそう多くはありません。今回を機会にチーム一丸となって市民の皆様の健康,そして,看護職者の役割を今一度確認しながら,皆が一つになって,感染を抑制していく。健康を守っていく。そういったことを通じて,私どもそれぞれの大学で教育に還元できれば,そんな風に学んでいければと考えております。

記者
 サブリーダーを務められる任教授にお伺いします。大学の日々の研究活動や学生指導で御多忙の中かと思いますが,今回,大学としてチームに参画される理由や想いなどお聞かせください。

任教授(サブリーダー)
 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大下において,私たち看護専門職能が生かされるということについて,一人一人の教員等にとって,大変光栄で,使命感のあることだと思っています。現時点でも,各個人の自立した専門職としての判断として,個人的活動は実施されているところでございます。しかしながら,この度,チームとしての活動が増えることによって,より効果的・効率的に支援ができると考えています。
また,感染拡大の状況を踏まえ,このような活動が不可欠であると認識しており,そこで,大学の対応として,チームに参画することを決めたということです。
 保健所での業務では,感染の抑制が,極めて重要であります。それが,次に医療が必要な現場への影響や負担が小さくなると思っています。医療機能が維持されることが,極めて重要であると,私たち看護専門職は考えておりますし,それが維持されれば,必要な医療が必要なときに,遅れることなく医療を提供できます。これが遅延することのないように,その予防を行う。また,遅延が起こったとしても一日も早く回復する。そうすれば,多くの方の命が守られ,生活が維持され,それぞれの暮らしを守ることができると考えております。
当然,日々の通常業務等もありますの,チームで関わりながら貢献する今回の取組ですが,任意での参加でございますので,各人の事情(生活上の事情,仕事量の事情 等)もございますので,お互い調整しながら,各自の判断により参画する,このように実施するものでございます。

 

記者
 市長にお尋ねします。保健所の業務多忙が昨年度から非常に課題となっており,一部で過労死ラインを超える方もおられました。京都市版のIHEATというのは,そうした保健所業務の負担軽減といった目的もあるのでしょうか。

市長
 はい。国のIHEATの制度自体も,保健所に掛かっている大変な負荷を少しでも軽減しようということで,取り組まれたものです。京都市の保健所で頑張っていただいている保健師・看護師等の多くが,京都の看護系大学で養成された方です。京都市版IHEATでは,いわばその養成元にチームを組んで応援していただくものとなっており,したがって,保健所機能の更なる強化に繋がると考えております。力強いものを感じています。必要な体制は,京都市として整えておりますが,変異株・デルタ株等で非常に感染のスピードが速くなっている状況を踏まえ,より迅速な積極的疫学調査を徹底していくなど,力になっていただけると考えております。

記者
 今回の応援チームの派遣も重要なことですが,現状の保健所体制は,感染状況によって,正職員や派遣職員の人員を増減されています。この仕組み自体は機能しているという認識でしょうか。

市長 
 先ほど御説明しましたが,昨年当初の23名から,現時点では135名体制になっております。このIHEATの体制を整えていただき,必要時は常に5名の方がお越しいただけます。それに加えて,あと6名の増員を8月当初に行いたいと考えております。したがって,146名体制になるかと思います。

記者
 豊田リーダーにお伺いします。自宅療養者への健康観察も行われるということですが,第4波の時には,十分に聞き取りが出来なくて自宅療養中に亡くなられたケースもあり,非常に難しい業務内容と思います。応援体制という中で,責任の所在の有無などの点については不安もあるかと想像しますが,いかがでしょうか。

豊田学長(リーダー)
 おっしゃるとおりです。不安がないというのは嘘になります。全体の中で,責任者の方もおられますので,必ず御相談しながら対応していきます。また,私たちも専門職であり,日頃学生の教育もしているわけですが,今一度原点に戻って研修を受けるなどし,これまでの先行知見を十分に把握しながら,丁寧に進めてまいりたいと思います。

記者
 市長にお伺いしますが,報酬などは発生するのでしょうか。

市長
 京都市の会計年度職員の報酬の単価に合わせたものになります。決して高い金額ではありませんが,報酬の対象にはなります。

 

記者
 豊田リーダー,任サブリーダーにお伺いします。日々,専門の分野で研究等々活動されていると思いますが,IHEATに参加するにあたって,現状,どのような課題があると認識されていますか。

豊田学長(リーダー)
 新型コロナについては,急激な体調の変化が起こることもあると報道等で聞いております。そういった先行知見を十分に精査して,どういったことが予測されるのかということを念頭にいれて進めてまいります。また,これまでの進め方,流れもありますので,それに沿いながら進めてまいります。病態・症状の変化,治療等の研修動画等もありますので,それぞれが一緒に学習して臨んでまいります。

任教授(サブリーダー)
 豊田リーダーがおっしゃったとおりです。付け加えるとすれば,始めてみなければ分からないことも多々あると思います。日々の業務の改善,また,療養されている方の支援という点において,何が不足しており,何が課題なのかということも明らかになってくるかと思います。個人ではなく,看護系大学で集まって実施していきますので,各大学における情報交換や,大学のリーダー同士が集まって相談もできます。そういう形で日々改善をしていって,ベストプラクティスを作り出していきたいと思っております。この辺りは,今後の看護科学全体での研究課題でもあろうかと思っております。

 

記者
 IHEATは,元々は潜在看護士等を登録しておく制度だと思います。今回,京都市では大学教員を登録できるということですが,改めて,京都市版IHEATの強みや利点をお聞かせください。

市長
 日々,保健士,看護士などを研究しながら,養成されている大学の先生方が連携し,個人として,また,大学のチームとして,京都市の積極的疫学調査,健康観察に参画いただける。そして,その色んな知見をいかしていただける。この10年で,京都において,優れた看護系大学が大きく増えており,そうした,京都の強みを最大限にいかせることは非常にありがたいことだと思います。保健所に行くと思うのですが,専門的な知見や人間力をしっかりといかして,患者との信頼関係のもとに,行動履歴をずっと聞き取っていく,これは大変なことです。全面的な信頼を得て,行動履歴を聞き取り,濃厚接触者を特定していく。そして,感染拡大を封じ込めていく。こんな職務を担っていただきます。また,そういった保健士等を養成する大学にネットワークを組んで参画いただきます。京都ならではのチームができたと喜んでおります。しっかりと連携していきたいと思います。

 

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

https://youtu.be/QlVTB7Cgh28外部サイトへリンクします

記者会見資料

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