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共同記者会見(2019年3月18日)

ページ番号249555

2019年3月29日

京都市レジリエンス戦略の発表について~しなやかに強く,持続可能な魅力あふれる京都のために~

 京都市では,自然災害や人口減少をはじめとする様々な危機に対し,しなやかに対応し,将来にわたって人々がいきいきと暮らせる,魅力と活気に満ちた都市(=レジリエント・シティ)の実現に向けた取組を進めています。

 この度,今後の取組指針となる,「京都市レジリエンス戦略(以下,「戦略」という。)」を策定したので,発表します。

 

記者会見概要

1 京都市レジリエンス戦略の発表

(1)日時

 平成31年3月18日(月曜日)午前9時45分~午前10時30分

(2)場所

 京都市役所消防庁舎 7階 作戦室

(3)出席者

 門川 大作 京都市長

 ローレン・ソーキン ロックフェラー財団「100のレジリエント・シティ (100RC)」アジア太平洋事務所 代表

 藤田 裕之 レジリエント・シティ京都市統括監(CRO)

 寺田 一博 京都市会議長

 湯浅 光彦 京都市会副議長  

 ソーラブ・ガイダニ 100RCアジア太平洋事務所 京都市担当ディレクター

(4)式次第

 ・ CROによる戦略の概要の説明

 ・  市長挨拶

 ・  市会議長挨拶

 ・  100RCローレン・ソーキン氏挨拶

 ・  記念撮影

 ・  質疑応答

 

京都市長挨拶

 本日は,シンガポールから,100RCのローレン・ソーキン氏,ソーラブ・ガイダニ氏にお越しいただきました。心から歓迎申し上げるとともに,3年間の支援に感謝申し上げます。

また,寺田議長及び湯浅副議長にも感謝申し上げます。この間,市会でも深い議論をしていただき,本日,御一緒に戦略を発表できることを非常に嬉しく思います。

本市が「100のレジリエント・シティ」プロジェクトに参加する世界の100都市に選定され,3年の月日が経過しました。100RCの御支援をいただきながら,藤田CROの先導の下,市民ぐるみで議論を深め,また,市会でも議論を深めていただき,本日戦略の発表を迎えることができました。

この間,自然災害が多発しました。また,SDGsという概念が国連で発表され,世界で実行していこうという気運が高まった時期でもありました。更には,文化庁が機能を強化して,京都へ全面的に移転してくる,そんな時期とも重なりました。

また,あらゆる政策を融合して取り組んでまいりました。課題意識と危機感を共有しながら,京都創生総合戦略とも一体となって取り組んでまいりました。そうした取組が,この間の様々な危機を乗り越えることができ,市民力も高めることができたと感じています。

京都は平安建都以来,幾度となく大きな自然災害や疫病,戦乱などを経験してきました。また,明治初期には,都の地位を事実上失い,人口が激減するなど都市存亡の危機に見舞われました。しかし先人たちは,その度に危機を乗り越えました。そして近年,様々な災害や社会的課題に対して,真正面から取組を進めてきた歴史でもあります。そこに,京都の歴史に息づく「レジリエンス」を見ることができ,京都の持つ「地域力」「市民力」を見ることができます。

昨年は多くの自然災害に見舞われましたが,本市では尊い人命を守り抜くことができました。さらに,民間の報道機関による調査において,815の自治体の中で,「SDGs」の先進度で全国1位と評価されました。様々な取組がこうした結果にもつながりました。

しかし,これからが大切です。自然災害,地球温暖化,少子高齢化,人口減少など,様々な危機が,京都だけでなく全国で直面しています。そうした時にこそ,全国や世界と手を結び,持続可能なまちづくりを進めていかなければなりません。

本日策定した「京都市レジリエンス戦略」は,そのための羅針盤となります。この戦略に基づき,京都に暮らし,集い,学び,活動される皆様お一人お一人が「自分ごと」「みんなごと」と取り組んでいただき,それぞれの生活文化や地域の絆の中に,「レジリエンス」や「SDGs」の理念が浸透し,実行していただくことが大切であります。

平成の次の時代が始まる年である本年を,本市にとっての「レジリエンス元年」とし,取組を進めていきたいと考えています。そして,100RCとも連携し,市民ぐるみで取組を進めてまいります。

 

質疑応答

記者

  今まで取り組んできたことに,「レジリエンス」という視点を入れることで何が変わるのでしょうか?京都市の独自性も含めてお伺いさせてください。

 

藤田CRO

 戦略に掲げられている施策は,記者の皆様から見ると目新しさはないと思います。しかし,今までどおりではなく,少し視点を変えたり,他の施策と融合させたり,あるいは,ピンチに陥ってもチャンスに変える発想を見つけていくことができる可能性がある施策を掲げています。この戦略では,市民の皆様に,そうした視点に気付いていただくきっかけを作り,市民の皆様と一緒に大きく前進させていこうと提起しています。その中で,京都ならではの強みが,20年後,50年後も持続することができるのかを考え,失われつつあるものに今の段階から取り組んでまいります。戦略の中では6つの重点的取組分野を掲げましたが,その中で「支え合い,助け合うまち」「豊かに暮らせるまち」「快適で安心安全なまち」の3つは,まさに京都ならではの強みであり,しっかりと守っていく必要があります。その前提となる,「人が育つまち」では,人口減少や少子高齢化対策をしっかりと行い,その結果として,「環境にやさしいまち」や「災害に強いまち」にもつながります。そういった相乗効果がでてきます。これこそが京都ならではの強みであると私自身は考えており,戦略策定においてアドバイスをしてきました。

 

市長

 今,まちでは世代を越えて公園体操が行われています。それが,地域のつながりとなり,地域での子育て支援や孤立する子育て世代への支援につながります。そうした視点を踏まえて公園整備を行うことで,安心安全なまちにつながります。このように,「福祉」「子育て支援」「健康長寿」「まちづくり」等,あらゆる施策を「レジリエンス」という視点で横串を刺し,魂を入れていきます。そして,行政も縦割りにならず,市民主体のまちづくりを総合的に支援するなど,ソフトもハードも含めて取り組んでいきます。文化庁が移転してくることで,生活文化や伝統文化を見直し大切にしていくことが,脱炭素化社会などの環境問題にもつながります。こうした取組を地域に根差して,オール京都で行います。こうしたことが京都ならではの特徴であると考えています。

 

藤田CRO

 概要版6ページ下の「CROからのメッセージ」の中で,「区民運動会」と「防災訓練」について記載しています。他の大都市ではなかなか実施できないこのような地域に根差した取組が,京都ならではの特徴として挙げられます。いざという時に備えて,普段から意識してこうした取組を行っていることが,「レジリエンス」の視点の一例ではないかと考えています。

 

記者

 100RCに応募した都市は全て選ばれるということでしょうか?

 

ローレン氏

 100RCには1000以上の都市からの応募がありました。そして,我々は選定の際に,3つの点を重要視しました。1つ目は,地震や洪水,高齢化社会など,最近の「レジリエンス」の課題に対する経験です。2つ目は,リーダーシップのある都市であることです。その点で,門川市長のいる京都市を選定しました。また,100RCの取組をサポートしてくれ,未来に向けてより良いまちを作り,想定外のことが起きても対応できるように,違った方法をとれるようなリーダーシップのあるまちを選んでいます。3つ目は,国際的なプログラムを実行でき,100RCの他都市と共有でき,学ぶことができる都市であることです。実は,選定の際に,京都市は伝統的過ぎて新しいやり方には馴染まないのではないかという意見もありました。しかし,市長やCROを先頭に最高の事例を示してくれています。SDGsにも貢献されており,行政・企業・地域が一体となって取り組んでおられます。

 

記者

このタイミングにおいて,1000年後の京都を見据えて,一番大事にした点は何ですか?それを実際に落とし込む際に,一番苦労した点は何ですか?

 

藤田CRO

 京都や日本全体が今,大きな転換点にあります。そこに「レジリエンス」という概念が,都市の在り方の一つとして掲げられたことに非常に意味があると考えています。右肩上がりではない新たな価値観が求められる社会において,東京一辺倒ではなく,伝統を大事にしつつ常にイノベーションを行ってきた京都の可能性が見えてくるのではないでしょうか。そして,このタイミングで「レジリエンス戦略」を京都が発信できたことに大きな意味があると考えています。また,京都のまちは,行政主導だけでなく,町衆や地域,大学,企業が当事者意識を持っているまちです。その当事者意識を高めるためのキーワードが「レジリエンス」であると考えています。この「自分ごと」の意識が「自助・共助」を強め,いざという時にも対応できるまちであり続ける原点です。その思いを持ちつつ戦略策定に取り組んできた次第であり,市会の皆様にも御理解いただいていると考えています。引き続き,取組をしっかりと進めてまいりたいと思います。

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