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門川市長記者懇談会(2018年5月9日)

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2023年4月12日

市長記者懇談会(2018年5月9日)

 

(京都大学立て看板の撤去について)

記者

 京都大学の立て看板の撤去について,市長はどのようにお考えでしょうか。

市長

  京都の景観を守り続けていくことは,戦後の最大の課題の1つで,市民ぐるみで議論がされ,また,議会でも議論いただき,11年前に6つの景観条例を全会一致で制定いただきました。その1つが,屋外広告物に関する条例で,条例施行当時は適合している屋外広告物は3割(4万5,6千)でした。

  しかし,屋上の看板をすべて撤去し,チカチカと光る看板,派手な看板などを市民・事業者の御理解を得て,撤去是正等を進めていただき,条例適応率は96%を超えました。この間,3万120の建物から不適合の広告物を撤去していただきました。費用負担もあるが,条例で決まったことを実行していこうという京都市民又は事業者の皆さんの行動に感謝する次第です。このことが,京都の都市格の向上に大きくつながってきたと思います。

  その中で,京都大学に対しても条例の主旨を御理解いただき,協力を要請してきました。条例の趣旨を踏まえ,誠実に対応していただいていることに敬意を表したいです。京大の立て看板も文化であるという学生やOBのお気持ちをすべて否定するものではありません。撤去していただいた3万120の屋外広告物の中には,歴史的なものもあり,店の顔だという主張もありました。それらも条例の主旨に則って是正いただいたところです。大学が,学内でも議論されて,学内で看板の設置場所を設置するなどのしっかりとした対応をしていただいていることに対して敬意を表すとともに,引き続き見守っていきたいです。

  もう1つは,景観の問題と同時に,この数年看板が落下するなどの危険な問題が全国的に起こっています。突風が吹いた時に,市民の皆さんに御迷惑をお掛けしないようにしなければなりません。なお,京都市の景観政策については,全国的に高く評価していただいています。

 

 

 記者

  そもそも商業目的の店舗看板と,そうではないものを同様に取り扱ってよいのですか。また,京都は「大学のまち」というブランド・魅力もあると思いますが,そうした面との兼ね合いについてどのようにお考えですか。

 市長 

  看板は,商業目的のものだけではありません。政治家の事務所の看板,文化団体の看板,そうしたものもたくさんあります。文化的な主張,政治的な主張をするものを特別に扱うという条例ではありません。景観という視点で取り組んでいこうという条例です。そういう意味において,大学だから例外規定にはなりません。大学であれば景観条例に基づかなくてもよいということでもありません。このことを踏まえていただいた京都大学の取組だと思います。

 

 

 記者 

  京都大学の敷地の大きさを考えると,条例で規定する看板の大きさが,非常に小さすぎると思います。他の店舗と同じ基準が大学に当てはまってよいものでしょうか。そもそも大学などを対象とした条例ではなかったのではないかという意見もありますが。

 市長

  条例に掲げられたとおり,大学を例外にしている条例ではありません。

 

 

 記者

  表現の自由を侵すのではないかという指摘もありますが。

 市長

  表現の自由は大事にしていかなければなりません。同時に,市民の共有財産として育てていく景観を大事にしていかなければならない。この景観条例制定までに,パブリックコメント等を経て,市会でも十分な議論を重ねてきていただいています。そうして全会一致で決まっているものです。なお,大学当局も様々な議論をされて方針を出されていることにも敬意を表したいです。そうした議論も踏まえたうえで取り組んでいただいているものだと思います。

  そこに住む人,そこで育つ人々,そこを訪ねる人々に景観がどういう影響を与えるか。かつて,日本人は外を大事にしてきました。この20年ほど中はきれいにするけれど,外はあまりきれいにしないという文化が醸成されてきました。もう一度みんなで共有財産として景観を考えていこう。文化としての景観,一人一人の感性を磨く景観を作っていこう。こういう議論が深められてできた条例であり,京都市の景観政策であると思います。しっかりと実行していくことが我々の仕事だと考えています。

 

 

 記者

  立て看板自体が景観・文化に馴染んだものだという意見もありますが。

 市長

  いろんなご意見があってもよいと思います。あるお店で大きな鬼の面が屋上にかかっていました。これは文化だという主張もありました。しかし,撤去していただきました。あるいは,ラーメン屋さんが「なぜ赤い看板がダメなのか」という議論もありましたが,赤色を抑えた看板に全て変えていただきました。そのあたりを御理解いただきたい。

 

 記者 

  手続の進め方として,学校側の説明が不十分という意見もありますが。

 市長

  学内のことに関しては,我々は関わるところではありません。京都大学において,誠実に丁寧にやっていただいているものと思っています。

 

 

 記者

  京都の景観を汚していると思われますか?

 

 市長

  景観上の問題もありますが,突風などによる危険性もあると思います。安全面など考慮したうえで御判断をいただきたいです。

 

 記者

  京都大学の周辺は,規制に反発してまだまだ立て看板が立ち続けているが,市長が若者たちに向けてのメッセージはありますか。

 市長

  特にございません。

 

  記者 

  自主的に撤去してもらいたいですか。

 市長

  もちろんです。しっかりと条例の趣旨を守っていただきたいです。

 

  

(南禅寺の異臭騒ぎについて)

 記者

  南禅寺の異臭騒ぎについて,原因とされる業者の委託元としてどのようにお考えでしょうか。

 市長

  イノシシが南禅寺周辺をはじめ,平安神宮や街中まで出てきたり,福祉施設に侵入して,ケガ人が出るなどの事態が起こってきました。深刻に受け止め,全庁挙げて,安全対策をやってきました。その中で,専門事業者にネットを張らせたり,監視カメラによる観察を進めてきました。

  今回,南禅寺において大変な事態が発生し,翌日に事業者の方から,動物撃退用のスプレー噴射によるものと思われると報告がありましたので,直ちに警察に届け,警察の方で原因の分析をいただいています。警察の捜査の結果を待たなければなりませんが,時間・距離を考えると業者のスプレー噴射が要因であろうと推定されています。被害を受けられた方,南禅寺をはじめ関係者にお詫びしたい。事業者も配慮が全く足りなかったと反省しておられます。二度とこうしたことがないように,しっかりとした対応をしていきたいです。

 

 

 記者

  イノシシの被害については,抜本的な対策は難しいと思いますが,今後どうするのですか。また,補正予算は組むのですか?

 市長

  イノシシの数を半分以下にしないといけません。京都府とも協議しながら抜本的な取組が必要だが,この間,網を張ったり,監視カメラを設置したり,出動態勢あるいは猟友会のメンバーと連携を深めるなどあらゆる取組をしてきました。京都のように自然と共生しているまちは,素晴らしい自然があるという良さと同時にこうした問題が起こります。対策を強化していきたいです。また補正予算については,まだ年度当初であり,規定予算もありますので,まずは取組を強化することで対応していきたいと思います。抜本的なことについては,京都府とも相談しながら進めていかなければならないと思います。

  

 

 記者

  南禅寺の件で,まだ警察の方でも異臭騒ぎの原因を調査中ですが,5月3日の時点である程度可能性があるということで,何らかの形でお知らせする方法もあったのではないですか。利用者や観光客への周知等についてはどうでしょうか。

 市長

  やはりここは警察の判断を尊重するのが我々の取るべき道だと思います。大変お騒がせしましたが,捜査となると,警察の判断に従うということだと思います。

 

 

 

(違法民泊について)

 記者

  6月15日の民泊新法施行まであと1箇月に迫ってきましたが,京都市では,正式に届出を受理していません。現状をどのように考えているのですか。

 市長

  違法民泊を根絶する,同時に民泊を良質な宿泊施設として活かしていく。こういうことが大事だと思っています。そのための体制を4月に,  20人から41人に増員し,違法民泊の根絶と届出・相談,届出されたものに対する調査を行っています。全国で突出した対策を講じています。

  対面,電話を含めて1,337件の相談がありました。正式な受理には至っていませんが,書類の提出は5件ありました。その全てが家主居住型となっています。きちっと条例に適合しているかどうか,近隣住民の方々との話し合いが行われたか点検しながら適切であれば受理していきます。

  同時に,インターネット事業者の登録が観光庁で行われるが,違法な民泊をインターネット上に挙げている事業者の登録を受け付けないように,国に対しても強く要請しています。

 記者

  5件という数字をどう捉えていますか。

 市長

  丁寧に,しかし毅然とした対応を行っているため,件数は少ないかもしれません。しかし,我々のところに相談に来られている方は,条例の趣旨,近隣住民との関係を大事にしようとされている方が多いと思います。相談で多いのが,家主居住型の民泊。本来の民泊だろうと思います。6月15日をもって違法民泊を根絶していくのが一番大事なので,より一層取組を徹底してまいります。

 

 記者

  違法民泊を根絶していくために,新しい対策はお考えですか。

 市長

  地域一体となった安全安心の取組。住民の皆さんが地域全体のために,話し合っていく。全てを否定するということではなく,地域全体の発展のために話し合っていただいていることが大きな力になっています。

  同時に,この民泊,とりわけ違法民泊も含めて,仲介事業の発展によってもたらされた側面もあると思います。適正な手続きを踏んでいない事業者は一切登録しない。これを徹底した時に,違法民泊は営業が成り立たなくなるはずです。

  京都府警は全国で唯一違法民泊を書類送検するなど,精力的に取り組んでいただいています。我々も警察と連携して,徹底した取組を進めてまいります。

 記者

  今後何件ほど受理予定ですか。

 市長

  分かりません。

 

 

 記者

  市として,違法民泊の利用者を年間110万人程度との推計を出しているが,この実態に対して申請のあった5件は少ないのではないですか。少ないことの要因をどのようにお考えでしょうか。

 市長

  推定でものは言えません。届出に30種類ほどの書類がいります。家主不在型の場合では,800m以内に管理者を置いたり,近隣への説明,ゴミ出しの問題,ゴミ収集事業者との契約,消防法に基づくものなど,これらを証明しないといけません。事業者の方は,まずそれから一生懸命勉強していただいていることと思います。住宅宿泊事業法に基づくことなど,細かな手続についての問合せが非常に多い。経験のないことであり,推定しにくいです。

 

 

 記者

  市長としては,家主居住型が望ましいか。家主居住型と家主不在型のバランスをどのようにお考えでしょうか。

 市長

  例えば,京町家がどんどんつぶれており,そこが駐車場になったり,マンションになったりしています。家主居住型でなくても,京町家を良質なゲストハウスにされ,きちっと近隣住民との調和などがとれたら,私は良いものができると思います。

 

 

 記者

  個人的に5件は少ないと思いましたが。

 市長

  本音では少ないと思いますが,今後どうなるか分かりません。

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