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門川市長記者会見(2013年10 月30 日)

ページ番号158380

2013年12月5日

「市民のくらしを守る~河川浸水対策緊急事業~」の実施

 まず,市民のくらしを守る,命を守る,河川浸水対策緊急事業の実施について,御報告いたします。
 近年,頻発しております局地的な集中豪雨,いわゆるゲリラ豪雨や昨年8月に宇治市等で大規模な浸水被害が発生したことを受け,「市民のくらしを守る~河川浸水対策緊急事業~」として,平成24年11月市会において補正予算を編成し,浸水を未然に防ぐための緊急対策を実施するとともに,この度,治水安全度向上のため対策が必要な普通河川の整備プログラムを策定しましたので,御報告させていただきます。
 京都市では,先月の台風18号により,河川が溢れるなどして,約1,400件の住宅に浸水被害がございました。被害を受けられた方に,改めて,お見舞い申し上げますとともに,京都市としても総力を挙げて,平穏な生活に戻っていただけるように,そして,さらに安心安全なまちづくりに全力を投球してまいりたいと思っております。
 さて,市内には380の河川がございます。そのうち340の河川を京都市が管理しております。国が直接管理している河川は桂川,淀川等,5つの河川がございます。特に桂川については,今回の浸水被害を受け,直ちに洪水等の防災対策などを実施するよう国に強く緊急要望しています。また,嵐山地域につきましては,安全性の確保と景観を守っていくことも大事であり,それらを両立した取組を早期に実施していくよう,国に求めるとともに,京都市としても地域の皆様と努力してまいりたいと思います。
 府が管理している河川につきましては,浸水被害の現況を調査し,被害を最小限にする対策を早期に実施していただくよう,お願いしております。 
 今回,府の管理する9つの河川で被害がございました。特に大きな被害があった鴨川の下鳥羽地域につきましては,緊急に対策を講じるよう申し出を行っております。さらに,地下鉄御陵駅が浸水した大きな要因が,府の管理する安祥寺川です。府と市の河川担当部局で,被害状況の共有をし,今後の対策について,京阪電鉄も含めまして検討を行っているところです。緊急対策等はすでに実施しております。
 京都市におきましては,これまでから,河川改修と下水の雨水幹線整備を2本柱とする浸水対策を強力に進めてまいりました。この20年間で河川改修については約770億円,下水の雨水幹線整備については約1,300億円,合わせまして約2,070億円の巨額の経費をかけて取り組んでまいりました。現在も西羽束師川河川改修事業,あるいは塩小路幹線の整備に取り組んでおります。
 その結果,床上,床下浸水の被害を,10年間の単位でみますと,平成12年から21年の10年間は年間平均45戸となっております。その前の10年間は283戸,さらに昭和50年頃,具体的には昭和45年から54年の年間平均は943戸であります。したがって,10年前と比べて6分の1,昭和45年から54年と比べ20分の1に大幅に減少しています。ちなみに昭和47年は7千戸超,昭和55年には約3500戸で浸水被害が発生しています。
 ところが,この3年間では,平成22年が189戸,23年度が24戸,24年度に321戸,今年は1400戸となっており,近年の局地的な豪雨あるいは,台風に対するより一層の対策が重要であると認識しております。
 昨年8月に宇治市等で局地的豪雨が発生したことを契機に,京都市が管理する340河川のうち,過去30年間に少しでも浸水被害があった河川,さらに川底が周囲の土地よりも高い位置にある,いわゆる天井川,あるいは土砂の堆積により流下能力が低下していると思われる河川など,合計73河川について,土木事務所や河川整備課の土木技術職職員を総動員しまして,集中的に緊急総点検及び応急措置を行いました。
 その緊急総点検を踏まえまして,昨年11月に,先ほど申し上げました補正予算を組み,一つは「浸水予防緊急対策」,もう一つは「普通河川整備プログラム」の策定に取り組んでまいりました。
 浸水予防緊急対策につきましては,39の河川で実施いたしました。堆積物を取り除く浚渫(しゅんせつ),あるいは傷んだ護岸の補修等につきましては,39の河川ですべて完了いたしました。
 39の河川では,きちっとした堤防を作る。あるいは,堆積していた土砂をしっかり撤去して,ゆっくりと流下させる。このような対策をとりました。おかげさまで,今年8月5日のゲリラ豪雨,そして今回の台風18号では,この対策した箇所につきましては,被害がございませんでした。やはり,やるべき時にしっかりとした対応をしておかなければならない,と考えております。
 次に,2つ目の対策として,「普通河川整備プログラム」の策定であります。浸水対策には,時間のかかるものがございます。それについて,しっかりしたプログラムを作ろうということで,取り組んできました。
 治水対策に重要な役割を持つ河川改修は,多額の費用と時間を要します。また,用地買収や,近隣住民のコンセンサスなど,様々な問題があります。とりわけ上流の改修の影響で下流域が氾濫することがあってはならないため,河川改修は原則,下流域からやっていくことになります。しかし,下流域の改修を待っていると,上流の改修までに時間を要しますので,バランスよくやっていかなければなりません。
 このような背景を踏まえ,もう一度過去30年間に浸水被害が発生した河川で,まだ抜本対策に着手できていない8つの河川を対象に,降雨に対する河川の安全度の度合いを調べる,より専門的な治水安全度調査を行い,河川ごとの特性を踏まえた整備方針を定めました。
 この調査結果によって確認した,「治水安全度達成率」に加えまして,「沿川の浸水履歴」,「浸水被害が発生した時の影響」,「事業効果が現れるまでの期間」。この4つの項目から整備優先度を判定し,3つのグループに分類しまして,来年度から事業着手します。
 すべての項目において整備優先度が高い「グループA」に分類される2つの河川については,着実に河川改修を進め,平成33年度までに改修工事を完了させます。総事業費は,約20億円を見込んでおります。
 また,事業効果が現れるには時間を要しますが,整備を推進する必要がある「グループB」の3つの河川については,例えば住宅が近接しているため,河川の拡幅は事実上できないことから,河川改修だけでなく,雨水を一時的に溜める貯留施設を作る,あるいはバイパス水路の設置等を組み合わせるなど,手法を含めて検討を行います。用地取得など様々な課題がありますが,早期に着手し,平成35年度までに完了させます。まだ工法等が決まっておりませんが,総事業費は数十億円を見込んでいます。
 さらに,治水安全度達成率が高く,また,局所的な対策で安全性がより向上する「グループC」の3つの河川については,来年度中に対策を完了します。
 引き続き,調査,点検を行いまして,日常の河川の維持,さらに課題を早期に見つけ,この度の台風18号の教訓を生かして,ハード面,ソフト面,両面において,災害を未然に防ぐ取組を進めてまいります。

一般国道162号 栗尾バイパス 新設トンネルの開通

 栗尾バイパスのトンネルは,京北地域の皆様はもとより,京都市民の,さらには美山から敦賀に至るまで,多くの方々の長年の悲願でございましたが,いよいよ12月21日に開通することになりました。

 一般国道162号,別名「周山街道」は,京都市民にも親しまれていますが,国道9号から紅葉の名所高雄,歴史と伝統に輝く北山杉磨丸太の里 京北,茅葺きの里 美山町など,風光明媚な地域を通り福井県敦賀市までつながる重要な幹線道路であります。古くから,若狭湾の海の恵みを都に運んできた鯖街道の一つとして,歴史を刻んでまいりました。京の都を支えてきた街道であります。この街道筋には鉄道がないため,この街道が唯一の生活の基盤,安心安全を支えるライフラインとなっています。しかし,標高が421mある栗尾峠区間は,道路の勾配が非常にきつい,さらに急なカーブが非常に多い,冬季には路面の凍結・積雪等で事故が発生する,交通の難所となっておりました。
 京都市では,京北町と京都市の合併を契機に,この問題に真正面から取り組むことになりました。栗尾バイパス事業を「京都市・京北町合併建設計画」の最重要事業に位置付け,さらに国の合併特例事業に位置付けていただき,それを活用して,平成19年度に着工いたしました。
 来年3月の完成予定でございましたが,京北地域の皆さんから,12月末から1月,2月にバイパスが開通することは1年分の値打ちがあり,積雪,凍結を考えると,なんとしても12月に開通してほしいという強い要望が寄せられました。様々な工法を駆使し,建設局の技術者があらゆる努力をしまして,公共工事が予定より早く完成するというのはあまり例がない訳ですが,3箇月前倒しで,12月21日に開通することになりました。京北の皆さんにも大変喜んでいただいております。さらに美山から敦賀に至るまで,沿線の方々の喜びもひとしおであります。特にこの地域は,古い地層ではありますが,非常に脆弱な地層のため,トンネルを掘っていくうちに,崩落が起きる,あるいは突発的な湧き水が起きるなど,度々工事が中断し,進ちょくが危ぶまれましたが,建設局や工事関係者の努力によって苦難を乗り越えて開通に漕ぎ着けました。今回のトンネルの開通によりまして,冬場の凍結による事故や大雪による通行止めがなくなり,非常にアクセスが改善されます。なお,新設トンネルの名称につきましては,「京北トンネル」に決定いたしました。地元京北地域では,このトンネルへの期待から,昨年12月に全戸を対象としたアンケートを実施されまして,それを基に京北トンネルという名称を推薦いただきました。末永く人々に愛され,親しみやい名称であると私も思い決定しました。京北トンネルは延長が2,313mと本市が管理するトンネルでは最長となります。非常時に強制的な排気を行えるジェットファンや消火栓を設置し,さらに危険を呼び掛けるラジオ放送が可能となります。来年の春からは,トンネル内で携帯電話が使えるようになり,万一の事故のときにも通信が遮断されることのない万全の体制をとってまいります。トンネルから湧き出る地下水を防火用水として利用するとともに,その水を使いまして小水力発電を行い,トンネル内の誘導灯の電源として活用します。これは京都市のトンネルでは初めての取組となります。学校等を対象とした学習の場としても活用し,「環境モデル都市・京都」のモデルとしてまいりたいと思います。京北トンネルが開通いたしますと栗尾峠を通る現在の道路は,必要性がなくなります。しかし,栗尾峠からの眺望を惜しむ声がたくさん寄せられております。標高421m,非常に景色が良うございます。したがいまして,この北側の区域につきましては,安全上の対策と不法投棄対策の観点から,自転車・歩行者専用の道路として,京都市の管理の下に活用してまいりたいと考えています。整備計画は別途考えてまいります。南側区域については,一部車両の通行の必要がございますので,一般道として京都市が管理していきたいと思っています。12月21日の土曜日に,京北第一小学校の体育館で開通式典を行うとともに,終了後出席者によってトンネルの通り初めを行います。また,この式典に併せまして,京北トンネルの開通を待ち望んでおられた京北地域の方々が一丸となられまして,開通を祝う様々なイベントを企画していただいております。京都の食文化と京北の新鮮な野菜,鹿や猪を使ったグルメフェアを開催します。この頃には,和食が世界遺産になっているだろうということで,京都の料理組合の園部会長らに呼び掛けていただきまして,京都の老舗の5つの錚々たるお店に京北へ行っていただきます。さらに,京北の12店の飲食関係者にもグルメフェアに取り組んでいただきます。この京北トンネル開通を契機に,京北が自然を大切にしながら,またあらゆる林業,農業,観光等を含めまして発展していくように,我々も地域と一緒に努力してまいりたいと思っています。

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

(河川浸水対策緊急事業について)

記者
 これまでの河川浸水対策では,優先度を決めて整備していなかったのか。
市長
 例えば,西羽束師川などは,国と連携しながら取組を着実に進めてきました。10年に1度の洪水に耐えられる河川改修などに着実に取り組んできましたが,去年の宇治川の氾濫を契機に総点検を行いました。総点検の視点は2つであります。1つは,30年以内に1度でも溢れた河川,もう1つは構造的に危険な河川に着目し,整備計画をもう1度作り直しました。そして緊急対応を要する39河川はただちに実行しました。8つの河川は工法等の色々な課題があるので,それは優先順位を決めたプログラムを作ることになりました。

記者
 京都府とはどのように連携していくのか。
市長
 例えば国の桂川,大下津では堤防を引く工事が進んでいます。しかし,それ以後の計画ができていませんので,早くしてほしいと要望しています。できていないので,京都市が河川改修した川を埋め戻しているところもあります。京都市が河川改修してきた西羽束師川支川を,淀川,桂川の川底が下がってないから90cm埋め戻しているというわけです。河川の改修というのは,下流からやっていかないといけません。国や京都府が計画を立て,それに連携して京都市がやるというわけです。

(一般国道162号栗尾バイパス 新設トンネルの開通について)

記者
 京北地域の人口は,合併後,6,070人から5,000人台になっている。人口だけを見ると京都市の施策が効果を上げていないようだが,トンネル開通を機に京北地域の振興にどう取り組んでいくのか。
市長
 過疎地域の人口減少は全国的な課題でありまして,そう簡単なものではありません。まちなかだと非常に通勤しやすいので,若い人を中心にまちなかに出て来られるという傾向が,大都市周辺の過疎地域の現実であります。また,京北地域は,林業,農業が厳しい状況です。例えば,秋の松茸は,以前は数億の出荷量がありましたが,現在はほぼ全滅しております。また,北山丸太等も非常に厳しい状況でございます。そうした課題がある京北地域でございますが,例えば,この間,間伐材を利用したペレット工場や,木質レンガを作る工場もでき出しました。さらに,農業の六次産業化の取組も始まり,新規就農者も増えてきています。また,道の駅の売上は合併後3倍になりました。中心部からどんどんと京北の道の駅に行かれ,京ラフランとか,子宝いも,京唐菜など,京都大学と京都市が一緒に作った新しい京野菜も生産されています。さらに,京北の方々がまちおこしのための様々な取組をしておられます。こうしたプラス面を活かすとともに,しっかりと支援していきたいと思っています。

記者
 学習の場としてトンネルを活用するとは,具体的にどういうことか。
市長
 このトンネルは,自転車も通れますし,遊歩道が付いています。そこで湧き水を,まずは優先的に防火水槽に溜め,それが満杯になったら,小水力発電に使って,誘導灯に活かします。こうした山の恵を活かす環境に配慮したトンネルを子どもたちの勉強にも活かしていきたいと思っています。

(河川浸水対策緊急事業について)

記者
 河川整備プログラムの8河川について,過去に浸水があったときに対策がなされなかった理由は。
市長
 本格的な対策の手法,工法について研究していたということであります。

記者
 今年の台風などでこの8河川に被害はあったのか。
市長
 大きな被害はありませんでした。もちろん泥が溜まると木が生えるので,普段からできる限りの泥を取っておく浚渫などの維持管理には万全を期しております。桂川でも真ん中に木が生えて森になっている所について,伐採を早くやってくださいと国に言っています。抜本的な改修も大事であります。しかし,国の常日頃の維持管理がこの数年あまり行われていません。京都府にもお願いしているのですが,鴨川,高野川を上っていきますと,ずいぶん土砂が溜まったり,部分的には森のようになったりしているので,こういうことがないように,常日頃の維持管理に今全力を挙げております。

<その他の質疑>

(ごみ屋敷問題について)

記者
 ごみ屋敷問題について,条例制定の必要性と意気込みは。
市長
 ごみ屋敷,空き家,細街路・密集市街地,これらの問題について,条例制定を含めて検討しています。
 京都ならではの歴史的な景観や情緒を守ること,また,安心・安全を確保し,かつ快適な住環境を作っていくことが,千年を超える歴史を持つ京都にとって,大きな課題であり,両立させる取組が必要だと思っています。
 ごみ屋敷については,「近隣の方が耐えられないほどの臭いがする。」,「雑然としていて住環境として非常に耐え難い。」,「火災等の危険がある。」といった声が,近年多く寄せられており,保健福祉局,環境政策局,区役所等で丁寧な対応をしております。
 どこまでをごみ屋敷と言っていいか分かりませんが,市内に17軒ほどはあると思っています。
 しかし,現時点では,自治体が立入検査できない,勧告ができないなど,様々な制約がございます。公道にはみ出している部分は強制撤去できますが,それ以外については,「私の財産,所有物」と主張される限り,手の打ちようがないのが現状であります。
 国においても抜本的な法律を整備していただきたいと思いますが,京都市としては,条例によって立入調査や勧告ができる制度を作っていきたいと思っています。
 また,劣悪な環境の下に住んでおられる方には,その方に寄り添い,様々な相談に応じたり,精神的なケアを行うといった取組も重要だと思います。
 近隣住民の方々と一緒に,また専門家の協力も得て,両面から丁寧に取り組み,京都がモデルとなるよう,安心・安全で快適な住環境を市民の皆様に保障できるよう全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

記者
 これまでは条例がなかったから住人のケアができなかったが,条例化によって,それができるようになるということか。
市長
 このような住民の権利,あるいは義務に関わる問題は,法令によって行政が主体的にやることも大事ですが,京都市の責任,住民の責務,近隣住民の努力義務等を,専門家や市民の声を含めて議論したうえで条例案を作り,市会で議論していただき,制定し,執行していくことが大事であると思います。

(消費税増税に伴う交通機関の運賃について)

記者
 国から交通機関の料金について,消費税増税分の転嫁の指針が示されたが,京都市の地下鉄とバスはどうするのか。
市長
 粛々と転嫁していくというのが国の方針であり,私たちも基本的な考えとしては,そうした方針で進めていきたいと考えています。
 ただ,料金制度等の関係で,きめ細かい議論が必要であり,交通局において検討しているところですので,その結果を待ちたいと思っています。

(リニア誘致のデメリットについて)

記者
 リニアが京都を通ることで,京都―東京間の移動時間が短くなり,日帰り客が増えて宿泊客が減る可能性があるなどのマイナスの影響について,市長はどう考えているか。
市長
 リニアの京都駅コースが,日本の未来のためにはどうしても必要だと思っています。
 日本の最大の課題は,東京一極集中を打破していくことだと思います。先進国の中で,人口や富,情報が首都圏に集中しているのは日本だけです。東京一極集中を打破するという意味で,大阪までの全線同時開業,さらに,国際化の進展を見据え,関西国際空港にもリニアをつなぐ。そして,歴史と伝統のまち,日本人の精神文化の拠点である京都をつなぐ京都駅コースが重要だと思っています。
 膨大なメリットがある一方で,日帰り客が増えるといったデメリットがあるのではないかという御指摘ですが,私たちは「世界の京都」だと思っていますので,京都に宿泊された後,東京に出張されるということを想定していきたいと思っています。
 例えば,現在,国賓の方々は,東京成田に到着後,東京に長期滞在され,最後の日に京都に1泊される。場合によっては,日帰りでお越しになる。しかし,リニアが京都を通ることになれば,京都にお越しになって,1時間で東京に行かれ,また京都に帰ってきていただくということもあり得るわけです。
 アメリカは,ワシントンもニューヨークもボストンも調和のある発展をしていますので,日本も東京の一極集中ではなく,調和のとれた発展を目指していくべきだと思います。

(市医謝礼に係る訴訟の判決について)

記者
 市医謝礼についての判決への受止めは。また,改善しなければならない事案がほかにもあるか。
市長
 今回の訴訟の最大の争点は,市医の職務とその対価性だと思います。
判決はまだ詳しく分析できていませんが,市医の職務の対価性,市医制度が果たしてきた役割,また,職務の対価として支払われている謝礼の額等については,職務の対価性があったとして評価していただいています。この点については,我々の主張が認められました。
 次に,謝礼は条例により支給されなければならないということで,市医は非常勤の市職員であると認定されましたが,我々は,専門性に基づいて民間の医師として働いていただき,その対価として報酬を払っており,非常勤の市職員として任命しているものではないと主張してきました。その点について認めていただけなかったのは非常に残念であり,判決文をしっかりと精査しまして,控訴も含めて検討していきたいと思っています。
 なお,今御指摘のような事例はほかにはございません。
 また,ワクチン等が集団接種から個別接種に変わったことに伴いまして,市医制度はその役割を果たして,昨年度末に廃止されております。

(神戸市長選挙について)

記者
 神戸市長選挙の結果を踏まえて,京都市と神戸市の今後の連携ついてはどうお考えか。
市長
 昨日,矢田市長から電話があり,これからも神戸市と京都市,しっかりと連携していこうという話をしました。良い方が市長に御就任されたと思います。さらに連携が深められるということで喜んでおります。

記者
 神戸市長選挙,川崎市長選挙において,中央官僚候補が厳しい結果となったが,中央官僚出身ではない市長として,どう感じているか。
市長
 各都市の住民の方々,有権者の御判断ですので,コメントは差し控えたいと思います。

(清水寺でのオペラ公演について)

記者
 清水寺でのオペラ公演について,“響の都”プロジェクトの第一弾としての評価は。また,今後も続けるのか。
市長
 オペラ公演が午後9時に終わり,午後10時から12時までレセプションをされていました。これが欧米では当たり前のことで,あらためて,京都にとって夜の観光が大事だと思いました。
 指揮者の吉田さんやボローニャから来られた方々と話をさせていただきましたが,清水寺のロケーションはすごいと非常に感動しておられました。
 また,1200年を超える清水寺とオペラの演出は,不思議な調和がとれていると感じました。
 今回の公演は,文化庁に非常に力を入れていただきました。イタリアと日本の交流ということもあって,3千数百万円の補助を御支援いただきました。関係者の方々も,この催しを一過性のものにしないでおこうと非常に意気込んでおられます。
 また,歌劇団の方が,京都の歴史と伝統が感じられる様々な場所で開催したいとおっしゃっています。ロームシアター京都ができた暁には,ロームシアター京都で開催するのもいいというお声も聞いております。
 京都は,歴史と伝統のある雅楽,京舞の狂言を大事にしながらも,世界の最高芸術が御覧いただけるという魅力を発信していきたいと思います。

記者会見資料

「市民のくらしを守る~河川浸水対策緊急事業~」の実施について

一般国道162号栗尾バイパス(新設トンネル)の開通について

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ファックス:075-213-0286

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