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共同記者会見(2010年10月14日)

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2011年12月13日

繊維技術センター跡地を活用した同志社大学キャンパス整備に関する京都市長と同志社大学学長の共同記者会見について

(市長)
 
京都市は様々な誇るべき特性を持つ都市です。
 その一つが「大学のまち,学生のまち」でございます。このすばらしい特性をもっともっと大切にしていきたい,大切にしなければならない,このように日々感じております。

その「大学のまち,学生のまち」としての京都の発展に大きく貢献し,輝かしい歴史を誇っておられます同志社大学に京都市の土地をお譲りすることにいたしました。

昭和60年代には,京都市内に大学が拡張できる大きな土地がなかったことや,当時の工場等制限法により市内での1500㎡を超える大学の校舎の新設が規制されていたことなどから,京都市内から大学の流出が続きました。

同志社大学についても,京田辺にキャンパスを求められ,学生の一部を移されました。

京都市としては,このことに大変な危機感を持ち,工場等制限法の廃止を国に要請すると同時に,市としてできる限り大学の教育環境の整備を支援することとして,現在まで積極的に取り組んで参りました。

そうしたなか,同志社大学では八田学長の下で今出川キャンパスの再整備と,文系学部の今出川キャンパスへの移転,更に世界で活躍する人材を育成する新学部の設置等により,新たに8,000人もの学生が今出川キャンパスで学ぶこととなる構想をまとめられました。その構想の一部として,元繊維技術センター跡地を譲り受け,新キャンパスを整備したいとの打診を受けたものであります。

つきましては,昨年9月,京都市会の本会議等において,繊維技術センターの跡地を同志社大学にお譲りすることが,同志社大学はもとより,京都のまちの発展にとって,京都市民にとって,すばらしいことであることをご説明し,土地をお譲りする方針について発表してまいりました。

この度,繊維技術センターが工業技術センターとともに,組織的,立地的統合をしましたことから,土地をお譲りできる状況となりましたので,同志社大学と土地売買契約を締結させていただきました。

同志社大学では,他の大学に先駆け,課題解決型学習,いわゆるPBLを導入され,学生が教授と共に地域に入り,地域を題材にして学習するとともに,地域の活力,活性化にもつなげていく取組も積極的に展開されています。

こうした取組にあわせて,同志社大学に新しい学部ができ,更に多くの学生さんに来ていただくことは,京都市にとって大きな前進であると言えますし,京都市民の皆様にも喜んでいただけるものと確信しております。

(八田同志社大学学長)

まず最初にこの度,繊維技術センター跡地の譲渡を決断いただいたことに対しまして,京都市並びに京都市民の皆様方に同志社大学を代表しまして厚く御礼を申し上げます。

同志社大学では,譲渡いただいた土地を烏丸キャンパスと命名をさせていただきました。

この烏丸キャンパスと,本年9月に岩倉へ移転いたしました同志社中学校の跡地に,新たに校舎を建設いたしまして,2013年4月には文系学部,神,文,社会,法,経済,商,政策の7学部が全て今出川において,1年生から4年生まで,教育,研究を一貫して行う体制を実現させて参ります。

既に昨年より神学部と社会学部の1,2年生,約1,000名が今出川に帰ってきており,2013年4月には残る文,法,経済,商学部の学生が帰って参りまして,合計すると約8,000人の学生が京田辺から今出川に帰って参ります。

同志社女子大学でも同様に約1,500名の学生が京田辺から帰ってきておりますので,今後,烏丸今出川の周辺には,学生がかなり増えることとなります。

京都市では大変景観を大切にされています。ですから新たな校舎につきましても,周辺の都市景観,風土にふさわしい美観を乱さないよう建物を設計しております。特に烏丸キャンパスの新校舎につきましては,現存する繊維技術センターと同じ高さの建物とし,また既存の桜を残すなど,地域の景観には特に配慮させていただくとともに,中庭としてサンクンガーデンの設置を予定しており,上京区をはじめとする周辺住民の皆様にも御利用いただけるキャンパスとして参りたいと考えております。

この烏丸キャンパスは,現存の大学院研究科のうち,総合政策科学研究科,グローバル・スタディーズ研究科,それから2011年度に開設いたします英語のみで学士学位が取れる国際教育インスティテュート,更に2013年4月に開設を予定している国際的な地域理解能力を持つ人物の育成を目指す新しい学部の拠点とし,同志社大学の国際主義を象徴するキャンパスとして,積極的に教育研究活動を展開し,大学のまち京都を象徴するような建物,あるいはキャンパスにして行きたいと考えております。

同志社大学は,今グローバル30という国際化拠点推進事業にも選ばれておりますけれども,そうした大学としての実績ある取組を基礎として,学部の移転が完了した後には,学部教育を同一校地で一貫できる効果を最大限に発揮するために,教養教育やゼミナールを中心とした少人数による専門教育を充実させて,学生と教員のface to faceの教育を展開して参ります。

これからも一国の良心というべき人物を育成し,京都市とタッグを組んで学生のまちあるいは大学のまちを推進して行きたい,そのように考えております。

本当に市民の皆様方のご理解と今後とも変わらぬご支援をお願いいたしまして,私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。 

(市長)

かつての学生さんの活気で賑わっていた今出川界隈,それがまた再現されることをうれしく思っております。どうぞよろしくお願いします。

質疑応答(要旨)

(京田辺キャンパスの今後について)

記者 京田辺キャンパスの今後の利用について聞きたい。

同志社大学 現在のところ京田辺に残る学部は理工学部,生命医科学部,スポーツ健康科学部,心理学部,文化情報学部,そして来年の春にできるグローバル・コミュニケーション学部です。

今後,京田辺キャンパスは先端技術,身体・生命,健康,情報,文理融合といったキーワードで表されるような教育研究拠点を目指し,理系あるいは文理融合型に比較的近いような学部の教育研究を積極的に展開して行きたい,今出川キャンパスは教養,国際主義がメインテーマとなるような教育研究拠点にしたいと考えています。

   京田辺キャンパスにはまだまだ,スペースがあり,新たな建物の建築も可能な状況ですので,今申し上げたような,縦割り型というか2拠点に分かれたような形になりますが,それぞれのキャンパスに特色を持たせて,同志社大学の21世紀の発展を目指して行きたいと考えています。

(烏丸新棟の完成時期について)

記者 烏丸新棟の工事はいつから始まり,いつ完成の予定か。

同志社大学 土地の譲渡を受け,これから解体,発掘調査に取り掛かります。

 工事の着工は,来年7月頃の予定で,建物の完成が2012年10月の予定です。

 なお,中学校の跡地であります今出川キャンパスに関しましては,既に発掘調査を進めております。工事の着工は来年の2月頃を目途としており,建物の完成は烏丸新棟とほぼ同時期を予定しております。

(土地譲渡に関する市会の議決について)

記者 土地を譲渡するにあたり市会の議決や承認が必要ではないのか。

市長 譲渡契約の締結に関しましては,土地の広さにより,市会での議決を要するものでないと定められておりますことから,議案とはしておりませんが,先程申し上げましたとおり,この件に付きましては,事前に市会にご説明させていただいております。

(土地の譲渡価格について)

記者 土地の譲渡価格はどのようにして算出しているのか。

市長 専門家等の意見を聴き,まず更地価格を算出しました。

 建設工事に一日も早く着工したいとの同志社大学の要望で,建物を撤去せずに譲渡することとしましたので,その更地価格から建物の解体・撤去費用を差し引いた金額が最終的な譲渡価格となっています。

(山ノ内浄水場跡地について)

記者 今回,繊維技術センター跡地はこのような形になったが,山ノ内浄水場跡地についての方針は変わらないのか

市長 繊維技術センター跡地は同志社大学の近接地であり,中学校跡地も含めた今出川キャンパスの再整備計画を考慮し,随意契約で売却しました。

 山ノ内浄水場跡地は京都全体の発展のために重要な土地ですので,第三者機関を設け,市民の皆様の意見もお聞きして譲渡に向けた取組を進めて行くこととしました。

 大学を中心とした施設を誘致すべきとの第三者機関からの取りまとめがされましたので,それについて現在,パブリックコメントを実施しております。
 今後,第三者機関からの答申を踏まえて,具体的な手法を検討して参りたいと考えています。

記者会見資料(平成22年10月14日)

元京都市繊維技術センターの概要

 1 経 過
○大正5年に京都市染織試験場として現地に開設
○繊維産業の振興を技術面から支援するための公設試験研究所
○平成22年10月1日,リサーチパークへ移転し,工業技術センターと
立地統合
2 所在地
京都市上京区烏丸通上立売上る相国寺門前町647番地の20
3 施設概要
(1)土 地
面積 7,758.74㎡
(2)建 物
延床面積 6,825.85㎡
主な施設
・本 館(鉄筋コンクリート造地下1階 地上3階)
2,154.34㎡
・研究棟(鉄筋コンクリート造4階建) 4,567.26㎡
その他施設 104.25㎡
4 売買契約
(1)物 件
上記の土地及び建物(現状有姿のまま)
(2)契約日
平成22年10月4日
(3)売買金額
22億7,883万円

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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