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共同記者会見(2010年9月3日)

ページ番号88470

2011年12月13日

京都工芸繊維大学との連携協定の締結について

(市長)
 
江島義道学長をはじめ,京都工芸繊維大学の皆様には,日頃から京都市政の推進と京都市の発展に大変お世話になっております。

京都工芸繊維大学におかれましては,京都の産業の様々な資源を活用し,先端技術の開発や産学公連携など様々な取組を進めておられ,まさに,「ものづくり都市・京都」の誇り,日本の宝であります。そんな京都工芸繊維大学と京都市とは,これまでから多くの繋がりがあり,京都市の繊維技術センターや工業技術センターにおいても様々な共同の取組を進めるとともに,経済産業省や文部科学省の共同研究や技術開発などにも一緒に取り組んできました。

本日,連携協定を締結させていただくこととなり,よりエネルギッシュに技術革新,技術移転,人材育成等に取り組めることを嬉しく思います。この度の連携協定は,科学技術立国・日本を支える大きな役割を果たすものと期待しています。

(京都工芸繊維大学江島学長)
 
それでは,京都市との包括協定に際しまして,一言御挨拶させていただきます。

まずはじめに,今回の包括協定を進めるに際して,多大な御支援と御協力をいただきました門川大作京都市長様には心から御礼申し上げます。

先程市長のお話にもありましたが,京都工芸繊維大学は110年の歴史をもつ工科系の大学でございますが,開学以来,伝統文化や伝統産業との深い結びつきを背景に,ものづくりの要であります「知」と「美」と「技」を追求し,人にやさしい実学を目指す教育・研究によって,社会や産業界に貢献して参りました。

京都工芸繊維大学には,「知」と「美」と「技」を追求する3つの教育組織と,ものづくりの技術と学理を追求するための4つの教育研究センターとともに,産学官の連携を推進するための支援センターを備えております。

また京都工芸繊維大学は,地域に根ざした大学として,常に地域との連携協力を意識しながら展開してきているところでございます。

京都市との関係では,主にこれまで4つの事業を進めさせていただいております。

一つは国の官庁が行なっています公募事業を共同で推進していく事業です。これにつきましては,最近では,5つの事業を行なっています。一例として申し上げますと,文部科学省のプログラムとして昨年から3年間の計画で進めています京都の文化遺産の保存・活性化を支える人材育成プログラムがございます。このプログラムは,京都市,京都市立芸術大学,京都産業大学,京都ノートルダム女子大学,それと本学との連携事業でございます。

二つ目は研究会の協同推進でございます。「伝統産業と先端産業の融合化研究会」がありますが,これは平成20年度から進めております。

三つ目は,本学の繊維科学センターと京都市の産業技術研究所繊維技術センターとの協同事業でございます。繊維に関係する技術と学術について,情報交換と共同研究を行っております。

四つ目は,本学の教育,産学連携事業,経営に関しまして,様々な形で御協力をお願いしているところであります。細見副市長様をはじめ,様々な形で多くの方から御支援・御協力をいただいております。

このような4つの連携事業は,どちらかと言えば,従来は,点と点の関係でございましたが,今回の包括協定を契機に,「点と点の関係」から,「線と線の関係」へ,さらに,「面と面の関係」に展開し,組織的な協力関係に基づいた連携事業を力強く推進できるのではないかと期待しているところであります。

最後に,今回の包括協定の締結が,京都市が計画されている様々な事業の推進に,また京都工芸繊維大学が行っています教育研究の活性化と質の向上に,さらに地域社会の発展に貢献できることを期待しまして,包括協定に際しての私の挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございます。

(市長)
 学長からお話のあったとおり,京都工芸繊維大学と京都市は,これまでから多くの連携事業を進めてきました。そして,それらの取組が,京都の伝統産業の振興に大きな役割を果たしてきました。

この度,京都市の工業技術センターと繊維技術センターが統合し,新たな京都市産業技術研究所が誕生します。そんな折,今回の連携協定を結ばせていただき,今後はより緊密な連携のもと取組を進めていきたいと思っています。

(京都工芸繊維大学江島学長)
 
本学にも繊維科学センターというものがございます。これは平成18年に大学の組織再編とともにつくったものでございます。

繊維科学センターの設立の背景について述べさせていただきます。平成18年4月の組織再編以前には,工芸繊維大学には工芸学部と繊維学部の2学部がありました。しかし,様々な社会状況から一つの学部に統合した方が良いとの判断があり,2つの学部を統合し,工芸科学部に組織再編する改革を行いました。その時に,繊維関係の教育研究の重要性に鑑み,高度な技術を目指すための組織として,繊維科学センターを設置しました。しかも,単に大学という組織にとどまらず,民間,あるいは官の協同事業の場となることを目指しておりました。

今回の包括協定で自治体の官との連携ができるようになり,さらに,民間との連携を進めやすい環境が整ったと認識しております。

平成18年以来の夢の実現へ一歩前進する運びとなったと感慨無量でございます。大変喜ばしいことと思っています。

(市長)
 
また,京都工芸繊維大学には,細見副市長が大学の経営協議会の学外委員として就任させていただいています。

(京都工芸繊維大学江島学長)
 
ありがとうございます。細見副市長様には,経営協議会委員として御指導いただいております。

先程市長室で市長ともお話させていただいたのですが,本学は60年前に新制大学になりました。当時は,国の方針としては,各都道府県に1つの国立大学を設置することになっていたそうであります。そこで,前身校は,京都大学に統合されるか,その他の選択肢を選ぶかの決断を迫られました。様々な将来構想の中で,喧々諤々の議論を経て,「独自の地域立脚の大学として展開したい」という,当時としては実現の困難な意思決定をされたそうであります。その後,紆余曲折がありましたが,当初の目的が叶い,京都工芸繊維大学が設立されたのであります。以来,京都大学とは違った立ち位置で大学を展開しているということでございます。繰り返しで恐縮ですが,京都工芸繊維大学は,地域に根ざした大学であります。そこに本学の存在理由があると考えているところであります。

(市長)
 
大学名や学部名に「繊維」が付く大学は他にもあるのでしょうか。

(京都工芸繊維大学江島学長)
 
学部としては信州大学にあるのみです。繊維というのは高校生の目線には,あまり良い印象を与えないようです。あまりにも身近すぎて。しかし,大学院生の目線になりますと違った印象を与えます。例えば,航空機のボディはまさしく繊維であり,先端材料としての印象を与えます。大学院以上の高いレベルでは,これが理解でき,繊維は魅力ある教育研究の対象なのです。

私自身はこの分野に非常に大きな夢を持っております。今回の包括協定を契機として,面と面との関係で連携を強め,夢の実現に向け,積極的に展開してまいりたいと考えています。

質疑応答(要旨)

(協定締結を機に取組む事業について)

記者 協定の締結をなぜこの時期にしたのか。今回の協定締結を機に新しく始める事業はあるか。

市長 学長からもありましたように,これまでは「点」としての連携事業を行ってきました。そんな中,科学技術,人材育成,産学公連携の今後の重要性を考えた時に,両者の関係を「点」から「面」に発展させ,我が国の発展のための人材育成に京都が役割を果たしていきたいというのが今回の連携協定の重要な要素であります。

また,新たな産業技術研究所をこの秋京都リサーチパーク内に立ち上げます。その新たな研究所と京都工芸繊維大学との連携をこれまで以上に深め,一体となった運営をしていきたいと考えています。具体的には,産業技術研究所の職員が講師として大学の授業に参加する,あるいは大学の研究の一部を産業技術研究所で行う,そうした取組を深めていければと思います。

学長 一つ追加させていただきますと,これまで点と点でいろんな形の協力させていただきましたが,それがだんだんレベルアップしまして,やっと面と面の協力が可能になる環境が整ったということも理由の一つです。

市長 国などの競争的資金や民間の資金なども,これから体制を整えて積極的な受け皿となりたいと考えています。

学長 今の国の財政状況を考えますと,知恵を出して,何とか新しい産業を創出しないといけないと思います。これまでのようにのんびりとはやってはゆけない。あらゆる手立てを尽くして知恵を結集しなければならない。大学は,様々な形で他の組織と連携協力しながら知恵を結集し,新産業を創出しなければこの難局を乗り切れない。そのような思いが日増しに強くなっております。

(協定の締結期間について)

記者 協定の期間は何年か。

学長 基本的には1年単位で更新することになります。どちらかが,「やめますわ」と言わない限り継続させていただくことになります。ただ一方で,1年単位で更新の機会がございますので,その機会を逆に積極的に利用して,1年間で何をやったかを反省する機会にもしたいと思います。期限はございませんが,逆にいったら1年で切れるかもしれない。そういう緊張感をもって進めてまいりたいと考えております。

市長 一つの事業で3年の期限というものもありますが,連携協定全体としては,毎年一つ一つ点検しながら前進していきます。

また,京都市には,洛陽工業高校や伏見工業高校といった理系の高校があり,それらとの協力・連携も図っていきたいと思います。

京都市・京都工芸繊維大学共同記者会見資料(平成22年9月3日)

京都市と京都工芸繊維大学との連携協定の締結について

1 協定の趣旨

 京都市では,伝統から先端産業に至るまで,多彩な産業が息づく都市特性を活かし,京都経済の活力ある成長に向け,新産業の創出や産業基盤の強化に取り組んでいます。

 京都工芸繊維大学は,伝統文化や伝統産業との深い結びつきを背景に,広く産業界や社会に貢献を続け,平成21年4月には,大学の産学官連携事業のワンストップ窓口となる「創造連携センター」を設立するなど,大学の研究成果を社会に還元し,地域の発展に貢献することを目指しています。

 京都市と京都工芸繊維大学は,これまでも文部科学省・経済産業省が選定する「グローバル産学官連携拠点」について,他の大学・機関とともに行った共同提案が採択されるなど,連携して地域競争力を強化するとともに,京都産業の持続的な発展に取り組んできました。

 今回,京都市と京都工芸繊維大学はこれまでの連携を更に深め,地域の活性化及び産業の振興に寄与することを目的として,連携協定を締結いたします。

2 協定の内容

京都市と京都工芸繊維大学は,相互に連携・協力を深め,緊密な連携を築くことにより,次に掲げる事項について連携・協力していきます。

 (1) 地域における産業の振興に関すること

 (2) 地域資源を活用した新事業・新産業の創出に関すること

 (3) 人材の育成及び交流に関すること

 (4) 地域における産学公の連携に関すること

【問い合わせ先】

京都市       産業観光局産業振興室     075-222-3324

京都工芸繊維大学  研究協力課                   075-724-7034

 

 

 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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