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門川市長記者会見(2010年8月9日)

ページ番号86797

2011年12月13日

京都市動物園の新たな園内サービスの運用開始について

ようこそ,京都市動物園に御越しいただきました。この動物園は,日本で2番目に古い,伝統を誇る動物園であります。そして,京都大学などと連携して,様々な研究をしております。チンパンジーのタカシは,タッチパネルで「1」から「9」までを順番に押すことができるようになりました。京都大学の准教授の田中先生に,毎日,勉強を教えに来ていただいております。家庭教師付きのチンパンジーは,世界でもここだけではないかなと思います。

さて,年間78万人の方々が御来園いただく京都市動物園,より楽しんで見学していただけるよう,さらなる「動物園ファン」を開拓するために,携帯端末を使った見学プログラムをはじめ,全国に先駆けた新しいサービスを明日から開始いたしますので,お知らせいたします。

今回開始いたしますサービスは,昨年11月に策定いたしました「京都市動物園構想」のコンセプトのひとつであります「楽しく学べる動物園」の取組の一環であり,ICT(アイ・シー・ティー),いわゆる情報通信技術を活用いたしまして,現在進めておりますハード面,施設整備と合わせまして,ソフト面でも充実を図り,動物園の魅力を大いに高め,また発信していきたいと思っております。

 サービスの開始に当たり必要なインフラ整備などは,全額,国の交付金によって賄いました。具体的には,総務省の「ユビキタスタウン構想推進事業」に,京都市の動物園がいち早く応募し,その計画が優れているということで,国のICT利活用推進交付金事業として認証されまして,約7500万円の交付金を受けることができました。それを存分に活用させていただきました。

具体的なサービスは全部で4つございます。

 1つ目は,携帯端末「iPhone(アイフォーン)」を利用した園内ナビゲーションシステム「野生への窓」の運用開始でございます。これは,楽しみながら動物の知識を深めていただけるもので,具体的には,来園者がお持ちの「iPhone」に,お薦め見学ルートを配信し,GPSを使って来園者を誘導する「園内ナビ」や,「蹄のある動物」や「食べ方・歯の違い」などテーマ別の動物情報を配信し,表示された動物を巡っていくことで,画面上にスタンプを集める「スタンプラリー」ができます。さらに,「動物園クイズ」などのコンテンツを用意いたしまして,これらのゲームに挑戦していただき,ゲームをクリアしますとパソコン用のオリジナル壁紙をプレゼントする特典もございます。
 「iPhone」は大学生や社会人の比較的若者層に人気の携帯端末であり,このような,これまでどちらかと言うと動物園に来園されることが少ない方々が,これをきっかけに動物園に来ていただき,また,お子様連れやご家族だけでなく,幅広い層の方々に,動物園の魅力を感じて欲しい,さらには,いのちの大切さ,生物多様性の重要性,これらについて再認識していただければ,ありがたいと思っております。
 また,カメラ機能付き携帯電話をお持ちの方は,獣舎の前に貼ってあります,QRコードを読み取っていただくと,動物の写真や詳しい特徴などを調べることができます。
 なお,全国の動物園で「iPhone」等を活用した園内サービスを提供するのは京都市動物園が初めてでございます。

 2つ目は,ネットワークを通じて,電子看板に情報を配信する「動物園サイネージ」の設置でございます。
 52型のハイビジョンパネルを地下鉄京都駅構内に設置し,動物園のライブ映像やイベント案内,臨時開園のお知らせなど,最新の動物園の情報をお知らせしていきます。
 例えば,この夏の出産ラッシュで生まれたばかりのアムールトラやシマウマの赤ちゃんの映像などを瞬時に配信していきたいと思っています。地下鉄の利用客や観光客など,多くの方に知っていただくこと,目に触れていただくことで,「動物園へ行こう!」,そういう動機付けにもなるかと思います。
 さらに,動物園は地下鉄「蹴上」駅から歩いて約5分,日本でも,最も近くて便利な動物園でございます。ぜひとも地下鉄に乗って,動物園に来園していただき,動物に親しんでいただいて,いのちの尊さを感じていただきたい。地下鉄の経営健全化と増収増客にもつながる,一石二鳥を狙って,こうした取組みを進めていきたいと思っております。

 3つ目は,現在の動物園のホームページに,新しく「サイバー京都市動物園」を開設いたします。
 これは,立体映像で実際に園内を廻ることができる,いわゆるバーチャル体験ができるもので,画面上にある様々な獣舎の前に行くと,動画を見たり,「アジアゾウ」や「ワオキツネザル」など,普段はなかなか聞くことのできない動物の鳴き声を聞くことができます。本物の動物に会いたくなるような工夫を凝らしております。

 4つ目ですが,動物園のホームページの多言語対応と,携帯電話からの閲覧可能な「京都市動物園携帯サイト」の開設であります。
 この外国語版ホームページは,開園日などの基本的な情報だけでなく,幅広い情報を,英語,中国語,ハングルに対応させて発信してまいりたいと思っています。全国の動物園にはない,国際観光都市・京都ならではの充実したサービスを提供してまいります。
 今回,夏休みに合わせまして,サービスを運用し,来園者,利用者の方々から御意見を頂き,それらをもとにいたしまして,秋の行楽シーズンに向けまして,順次,ネットワークシステムの改善やコンテンツの充実を図っていきたいと思っています。

 現在動物園は,動物園を愛する多くの皆様のアイデアがつまった「京都市動物園構想」のもとに,大規模なリニューアルを図っています。昨年構想をまとめ,7ヵ年を掛けて,約30億円の経費を投入して,より市民の皆様に,また国内外の方々に愛される動物園に充実させていきたいと思っております。こうした取組もその大きな力になると思っています。

私からは以上でございます。

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

(園内ナビゲーションシステムについて)

記者 「iPhone」20台を無料で貸し出すということだが,例えば,1家族だと1台になるのか。

市長 基本的にはお持ちの電話を使っていただきたいです。当面は,このシステムを構築した会社からバージョンアップのためのモニター用として20台お借りします。それ以後については,利用の状況などもみながら,貸出制度を検討していきたいと思っています。その場合に若干の利用料をいただくことになるかと思います。

記者 海外から来られた方の「iPhone」も利用できるのか。

市長 できます。

記者 動物園に来たからには,本物を見た方がいいのではという気もするが,ナビゲーションシステムは,あくまで補助ツールということか。

市長 そうです。動物園に限らず,博物館,美術館等に行った時にいろんな情報端末によって鑑賞をより深めていただくことができます。あくまでも「ほんまもん」を見る。しかし,いつも泣き声は聞けない。あるいは,来た時間によって食事をしている様子は見られない。こういったことがあります。それらを端末によって体験していただく。そして,それらを見て「もう一度動物園に来よう。」という気持ちになっていただきたい。

また,いわゆる情報発信をすることによって,「ほんまもの」を見なくて良いようになるのではという意見もあります。しかし,いろんな方がおっしゃいますが,良い情報を発信すれば,より深く「ほんまもの」を見たくなる,本質にせまりたくなる,私はその方が大事なのではないかと思います。

(ナビゲーションシステムについて)

記者 技術的に将来「iPhone」だけではなく,他の携帯端末でも出来るようになることがベストだと思うが,そのあたりの検討はどうか。

市長 何故「iPhone」かということですが,その他の機種あるいはゲーム機等の検討も行いました。結果として,現時点においては,「iPhone」が最も対応しやすいということで決定しました。しかしながら,日進月歩の技術革新でございます。したがって,是非とも他の機種も技術力を向上していただき,本市のシステムに対応出来るようなご提案をいただきたいと思っています。コストを負担してでもやりましょうという機種があれば大歓迎です。また,コストが掛からずに,他の機種も対応出来るということになれば,市としても考えていきたいと思っています。

(入園者の増客の目標について)

記者 現在行っている整備事業により,動物園の入園者を現在の年間78万人からどこまで引き上げることを目標にしているのか。

市長 一昨年の入園者は71万人でした。昨年は,約1割増加して78万人になりました。今年は,6月,7月が雨と暑さの影響により少し減少しましたが,人気は高まってきています。何万人という目標数字は設定していませんが,より多くの方々に来ていただきたいと思います。

<その他質疑>

(京都水族館建設による動物園への影響について)

記者 京都水族館の建設により動物園の入園者が減少してしまう可能性が考えられるが,それについてのご所見は。また,京都水族館との連携についてお聞きしたい。

市長 京都水族館建設については,競合するという意見と相乗効果があるという意見がありますが,様子見でいるのではなく,積極的に相乗効果を高めていきたいと思います。かつて,京都市動物園の中には水族館がありました。私が子どもの頃は,アザラシなども沢山飼育し,泳いだり餌を食べたりする姿に夢中になっていたことを思い出します。双方が機能を上手く分割し,相乗効果を発揮していくことが重要です。京都は大学のまち,学問のまちであり,環境のまちでもあります。相乗効果を発揮するためには,そうした学識経験者の御意見も十分に反映し,整備を進めていく必要があります。種の保存や生物多様性についても貢献する動物園,水族館を目指し,オリックス不動産にも現在要請しているところです。

(丸井の出店について)

記者 四条河原町阪急の後継として丸井が出店することについての期待や要望は。

市長 四条河原町は京都を代表する商業エリアであり,そこで永年に亘り,賑わいをもたらしていた阪急の撤退は非常に残念でしたが,後継には優れた商業施設が展開されると確信していました。良かったと思います。

(ホテルフジタの跡地活用について)

記者 ホテルフジタ京都の跡地活用について,何か希望をお持ちか。

市長 数年前,藤田観光は,経営再建のために,国際ホテルとホテルフジタを一旦売却されました。
 国際ホテルについては,やはり京都は大事であるということで,再び買い戻され,今後,相当の経費を掛けてバージョンアップされます。これは,京都観光にとってもプラスになるものであり,大いに期待しています。50年前に建設されたホテルですが,立地も良く,更に良いホテルにしていただければと思います。
 ホテルフジタにつきましては,土地・建物を借りて,運営を継続しておられましたが,この度営業を終了されることになりました。京都市としては,所有者に対して,その跡地については,京都観光の振興のために活用していただくよう要請したいと検討しています。

(市と契約関係にある理事長からの寄付について)

記者 市長の選挙母体である政治団体が,市と契約関係にある施設の理事長から寄付を受け取ったとの報道があった。今,政治とカネの問題が様々言われている。市長の所見と,今回のことに関して対応,調査を指示したのか。

市長 政治とカネについては,私は倫理的にきちっと厳正にやってきました。今までもそうでありますし,これからもそうした姿勢で臨んでまいります。先だって一部の新聞に報道されたことは,私を支援していただいた政治団体のことでありますが,私はその政治団体の運営に直接あるいは間接に関わっておりません。
 従いまして,当該政治団体が,きちっとした対応をしていただいているものと確信しております。

記者 特に団体に対して指導,お願い,あるいは寄付を返還するなど,市長からのアクションをお考えか。

市長 私の方からそうした考えはございません。当事者能力を十分お持ちの政治団体ですので,これまでからきちっとした対応をしておられると思います。

(子どもへの虐待について)

記者 先日,大阪で幼い子どもが母親に部屋に閉じ込められ亡くなられる痛ましい事件があった。大阪市では,緊急時に消防局の救助隊が安否確認する,児童福祉司を24時間常設するとしている。京都市では新しい対応を検討しているか。

市長 先だって平松市長と話をしましたが,京都市の取り組んでいるシステム,これを是非とも参考にしたいとおっしゃっておられました。京都市では,既に徹底した体制と機敏に行動できるシステムを作っております。これらをきちっと運用していくことが一番大事だと思います。新たな取組より,今ある体制の中で,一人一人の関わっている人間が,全力で対応していくことが一番大事だと思います。

(100歳以上の高齢者の安否確認について)

記者 100歳以上のお年寄りが行方不明になっていることについて,京都市としてはどのように対応しているのか。

市長 京都市では,毎年9月1日に新たに100歳を迎えられる方の人数等を発表しているが,昨年は新たに319人の方が100歳を迎えられた。また100歳以上の方は,814人おられます。新たに100歳になられる方については,市長私自身か区長等がそれぞれお尋ねしてお祝いを申し上げ,記念品をお渡ししており,きちっとした把握ができています。そして100歳を超えられている方,これは国の要請もあり,新たに各区役所の福祉部が確認をさせていただいております。同時に京都市には,一人暮らしのお年寄りが前回の国勢調査で6万人おられました。そこで,民生委員にプラスしまして老人福祉員を,この度100人増やして,お年寄りの福祉の充実を図っています。さらにそうした公の制度だけではなく,お年寄りの見守り隊を作ろうと昨年度から始めました。すでに1000人の方が研修を受けて,見守り隊の認証を受け,お取り組みいただいています。それを今年は新たに4000人の方に研修を受けていただき,認証していきたいと思っています。このように,公の機能としてお年寄りをきちっとケアしていくことと同時に,地域社会でお年寄りを常日頃から見守っていただくことの両方でやっていきたいと思っています。より充実させていきたいと思っています。

記者会見資料(平成22年8月9日)

情報通信システムを活用した京都市動物園の新たな園内サービスの運用開始について~全国初「iPhone」を使った園内のナビゲーションシステムを始めます~           文化市民局動物園 電話771-0210

京都市では,昨年11月に策定した共汗でつくる新「京都市動物園構想」に基づき,京都市動物園の全面リニューアルを進めています。この度,園内に無線ネットワークを構築し,ICT (情報通信技術)を活用した新しい4つのサービスを全国に先駆けて,8月10日から下記のとおり開始しますので,お知らせします。

施設整備とともにソフト面での機能を充実させることで,動物園構想のコンセプトの一つである「楽しく学べる動物園」を目指します。

なお,本事業は,総務省の地域ICT利活用推進交付金事業(ユビキタスタウン構想推進事業)として,全額,国からの交付金(約7,500万円)により実施しました。

動物園のホームページはこちら

                                 記

1 「iPhone」やカメラ機能付き携帯電話を利用した「野生への窓」

(1)「iPhone」を使って,園内のおすすめ見学ルートの紹介を行う「園内ナビ」をはじめ,「スタンプラリー」や「動物クイズ」等のコンテンツを利用できます。詳しい飼育動物の解説などを通して,いのちの大切さや環境保全の重要性を学ぶことができます。夏休み期間中,「iPhone」20台を無料で貸し出し,お試しいただけます。

(2)カメラ機能付き携帯電話を使って,獣舎の前に掲示しているQRコードから動物の画像や情報が確認できます。

※使用に当たっては,パケット通信料がかかります

2 地下鉄京都駅構内に設置「動物園サイネージ」

地下鉄京都駅コンコースに大型の「ハイビジョンサイネージ(電子看板)」を設置し,地下鉄の利用者や観光客等を対象に動物園のライブ映像や動物の動画,イベント案内等,最新の動物園の魅力情報を発信し,集客の向上を目指すとともに,地下鉄の利用促進も図ります。

3 動物園ホームページに新たに開設「サイバー京都市動物園」

立体映像で実際に園内を廻ることができる「サイバー京都市動物園」をホームページ上に新たに開設します。画面上で,動物の動画を見たり,「アジアゾウ」や「ワオキツネザル」など,普段なかなか聞くことのできない動物の鳴き声を聞くことができ,動物園をバーチャルに体験していただけます。


4 動物園ホームページの多言語化(「英語版」「中国語版」「ハングル版」)と携帯版ホームページの開設「京都市動物園携帯サイト」

開園日や入園料といった基本情報だけでなく幅広い情報を,「英語」「中国語」「ハングル」に対応させ,全国の動物園にない,国際観光都市・京都ならではの充実した多言語サービスを提供します。

また,携帯電話向けのホームページ「京都市動物園携帯サイト」を新たに開設します。

 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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