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京都市市民参加推進フォーラム第22回会議 摘録

ページ番号50713

2022年6月28日

日時:平成20年6月18日(水曜日) 午後7時~午後9時

場所:こどもみらい館 第2研修室

出席者:京都市市民参加推進フォーラム委員14名

(吉川委員は欠席)

傍聴者:3名

会議次第

1 開 会

 

2 京都市挨拶(門川市長)

 

3 委員挨拶

 

4 座長・副座長選出

 

5 座長挨拶

 

6 議 題

(1)これまでの京都市の市民参加の取組について

(2)平成20年度市民参加推進フォーラムの取組について

   ア 審議会ガイドラインの策定及び市民参加ガイドラインの改訂

   イ 地域密着の志縁活動(市民活動),地縁活動(地域活動)についてのケーススタディ

(3)「共汗」による市政運営について

 

7 その他

 

8 閉 会

 

【配布資料】

 資料1 配席図

 資料2 市民参加推進フォーラム委員名簿

 資料3 京都市市民参加推進フォーラム設置要綱

 資料4 これまでの「市民参加推進計画」の取組状況

 資料5 これまでの市民参加推進フォーラムの取組

 資料6 平成20年度市民参加推進フォーラムの取組について(案)

 資料7 「京都市未来まちづくり100人委員会」の設置について

 資料8 市長と市民が語り合う「おむすびミーティング」及び市長と職員が本音で意見交換する「ハートミーティング」の実施について

 資料9 市民しんぶん(平成20年6月1日号)「市民しんぶんを共に作りませんか?」

 参考1 審議会等総括表

 参考2 市民参加推進に関するアンケート調査結果

 参考3 審議会等に関する実態調査

 参考4 平成19年度市民公募委員交流会で出た意見

摘録

1 開会

 

2 京都市挨拶(門川市長)

  京都市は全国に先駆けて市民参加推進条例を制定した。当フォーラムは京都市の市民参加を推進する一番大切な役割を果たしていただている。この度の委員改選にあたり,委員が固定しないよう多くの委員の方に新たにご就任いただいた。また,引き続き就任いただく委員の方もご就任ありがとうございます。

この度,京都議定書誕生の地として,環境モデル都市に立候補した。これから多くの議論をする。例えば,これだけ多くのコンビニが24時間営業する必要性や自動販売機のあり方なども議題になる。政府は,洞爺湖サミットまでにモデル都市を決定する意向を示し,現在全国89都市が名乗りを上げている。立候補した都市から5都市が選定されそうだ。二酸化炭素の排出量を数値化して減らすことも大事だが,私は環境とは哲学であり,人間の生き方であると考えている。選定委員は,理科系の学識者が多く,数値ばかり求め審査は京都の理念には合わないように感じる。しかし,京都が世界に向けて発信することは大事なので,現行制度の中で限界に挑戦したい。

先週トルコのコンヤ市で第11回世界歴史都市会議が開催され,46カ国156人の市長や代表者などが集まった。この会議は,京都市が会長都市となって歴史都市の未来や自然遺産の保全を考えている。私はその会議の場で,人類にとって最大の自然遺産は地球環境であることを明言した。

現在の行政の最大の課題は縦割り行政であること。そして,行政主導になってしまうことである。当フォーラムは行政を融合し,同時に市民と行政が共に汗して未来の京都のために考えて実行する大きな役割を担っていただいている。昨日の記者会見で,京都市未来まちづくり100人委員会の設立を発表した。これは,従前型の審議会と違い,市民の方々による会議としたい。全国初の試みになると思うのだが,事務局の運営は公募して,NPOや市民団体の方に委託しようと考えている。当フォーラムにも役割を果たしていただきたい。どうぞよろしくお願いしたい。

 

 

3 委員挨拶

<乾委員> 

委員として3期目になる。市民参加については,京都市が取組みはじめた当初から13年間関わってきた。現在の京都市の市民参加について正直な感想を言うと,多少形骸化の傾向があるように思う。実際に市民の参加を取り入れている審議会は,このフォーラムだけではないか。だからこそ,このフォーラムは非常に大事な役割がある。様々な自由な活動を通して,京都市の市民参加に重要な役割を果たせるよう自戒していきたいので,よろしくお願いしたい。

 

<大木委員>

 平成17年から委員として参加している。京都のことを一から勉強させていただいてきた。フォーラムで様々なことをディスカッションしたことで,状況がすごく変わった。まわりの状況が変わったのか,自分自身が変わったのかわからない。京都には多くの人が市政等に積極的に参加する意識があり,そのネットワークがさらに拡がっていくことで京都の町が一層活性化する方向性を持っていると感じている。このフォーラムを大事にして,今後も勉強していきたい。

 

<大島委員>

 乾委員と同じく委員として3期目となる。本業は,建築士・技術士として都市計画まちづくりのプランニングをメインにしている。スーク創生事務所代表の肩書き以外に「楽洛まちぶら会」という都心部のまちづくりのプランニングをメインとした事務局を運営している。また,他にもすまいまちづくりに関する研究会の事務局,伝統産業の京都ものづくり系の事務局,京都政策提言系の事務局をしていることから,まちづくり参加系の事務局の体質が身に沁みついている。このフォーラムでも単に意見を言うのではなく,フォーラムが新しいムーブメントを作っていけるような手伝いをできたらと思っているので,よろしくお願いしたい。

 

<大西委員>

 年齢は一番上だが,この度,フォーラム一年生にしていただいた。私は,梅津自治連合会の会長に就任して今年で24年目となった。期間が長いから良いわけではなく,及第点をもらえず,落第してきたのだと考えている。市民活動は難しいと考えている。市内の町内会長は,毎年人が替わる。何十年やっても全員と顔を会わせることは非常に難しい。だからこそ,みんなが一緒にできる自治会活動をしたい。いままで行政任せだった人が自分で考え,自分の地域のことは,自ら行動する自治会を作っていきたい。今後,皆さんと一緒に勉強したいので,よろしくお願いしたい。

 

<河嶋委員>

 せっかく京都に住んでいるので,市民参加を推進するこのフォーラムに参加したいと思い応募した。公募の文章は広辞苑等を確認して,推敲を繰り返した。そのおかげか,なんとか委嘱してもらえたのではないかと思っている。これから色々と勉強したいので,よろしくお願いしたい。

 

<小林委員>

 新委員であるが,実は第1期で市民公募委員だった。任期終了後もOBとして,電子会議室の進行役を務めさせていただくなど,色々な形で参加してきた。私が所属するアートテックまちなみ協議会は,祇園南側の無電柱化や堀川の水辺に川を流す事業のサポートをさせていただいている。私も公募委員だった頃は,今の市民公募委員の方と同じで,京都のためになにかしたいと思って,このフォーラムに参加した。いまも市民参加というのがよくわかっていないところはあるが,先程門川市長が共汗と言われていたように,行政と市民が手と手を取り合わないといけない。京都のために微力ながら手伝わせていただきたいと思う。

 

<鈴木委員>

 大木委員と同じく平成17年から委員を務めさせていただいている。京都在住13年目となった。以前は,日本に住む外国人労働者の定住化を支援する団体にいた。いまは,ダイバーシティ研究所の研究主幹をしている。簡単にいうと民間非営利のシンクタンクのようなものである。大木委員からも時代が変わってきたのではないかとの話があった。市民と行政のパートナーシップという1対1ではなく,いまは市民,行政,企業,学校,大学といった多対多で取組まないと地域が成り立たないと考え,いくつか協働の関係の仕組みづくりの手伝いをしている。乾委員からは,参加の形が変わってきているのではないかとの意見があったが,私も同じ考えを持っており,情報を公開することで多種多様な人が手を携えられると思う。一つの企業だけがCO2の削減に取組んでも,その地域では他にもCO2を排出しているところがある。参加の形が時代に応じて変化している現状を踏まえ,新しいことができればいいと思っている。

 

<土山委員>

 新委員ではあるが,実は1期にも委員をしていた。平成13年に龍谷大学に着任して京都市民になり,平成14年からフォーラム委員として京都の「き」の字も知らない中で発言していた。フォーラムが,なにをするのかということは当時も多少のぶれがあった。様々なことをやってきたが,手探りの状態であった。その分,市民参加とは何かということをみんなでたくさんしゃべった。参画や協働は,仲良ければいいわけではなく,適切な緊張感が必要である。例えば,行政と市民にもあるべき緊張感があるというようなことをいっぱい議論したことが印象に残っている。そのあとの様々な議論の経過を一緒に勉強しながら,改めて議論することを楽しみにしている。

 

<新妻委員>

 公募委員に応募した理由は,京都という自治体に関心があったこと,青少年の市民参加にいくつか参加していたことで,このフォーラムに興味があったので応募した。いまは,青少年の京都市の外郭団体のユースサービス協会の事業にボランティアとして参加している。見識も市民参加の経験も少ないと思うが,勉強しながら積極的に発言し,市民公募委員としての責任を果したいと思う。

 

<西野委員>

 NPO法人音の風の代表として,音楽福祉活動を高齢者施設,障害者施設に訪問して,利用者の皆さんとともに音楽を楽しむ活動を月50件,120名の会員とともに進めている。

私は7~8年前に市民活動というものが全くわからない中で飛び込んだ。まだまだなにもわからないなかで模索しながら会の運営をすすめている。会も過渡期で多くの課題を抱えながら利用者の楽しんでいる姿を見ることで,非常にやりがいを持ってメンバーと取組めている。フォーラムに初めて参加するが,私自身がまだまだ学びたいことがあり,みなさんの意見を聞き,どのような発言ができるか不安だが,よろしくお願いしたい。

 

<野村委員>

 京都青年会議所は人づくり・町づくりという2つの大きなテーマを持って,活動をしている団体であり,代々フォーラムに参加している。前任者から教えてもらいながら,フォーラムで学ばせていただきたい。そして,市民の方に京都のまちに住んで良かったといわれる京都市になるよう微力ながら発言をしていきたいと思うので,よろしくお願いしたい。

 

<松山委員>

 公募委員に応募した理由は,京都に生まれ京都に育ち,残りの人生を微力ながらも大好きな京都の力になりたいこと,また自分のスキルアップのためである。どうぞよろしくお願いしたい。

 

<安本委員>

 法律を専門としている。法律家といえば,一般的には堅いイメージを持たれると思うが,それは仕方がないと思う。行政活動に参加して,意見に従って運営することも大事だが,行政は声の大きさで行政施策をするのではなく,必要に応じて必要なところに対応しなければいけない。また,参加を推進するのと同時に声をあげていない人にも門戸を開くために意見を求める制度をどのように構築するのか考える必要がある。堅い話になってしまうが,私らしくこのような立場から遠慮なく発言し,また,色んなところから意見をもらい,私自身も勉強したいと思う。

 

4 座長・副座長選出

<事務局>

それでは,市民参加推進フォーラム設置要綱第4条の要綱に基づき,座長の選出をお願いする。同条2項では,座長の選出は委員の互選によることとしているため,委員からご発案いただければと思うがどうか。

 

<大島委員>

 乾委員は,前の副座長であり,このフォーラムについて詳しいため,座長に推薦したい。

 

<事務局>

 大島委員から乾委員を座長に推薦する声があったがどうか。異議ないようなので,乾委員に座長をお願いします。続いて,副座長の選出に移りたい。要綱第4条第2項により,副座長は座長の指名によるものとしているので,乾座長から指名をお願いします。

 

<乾座長> 

副座長には,これまでの経験やOBからの信頼もある土山委員にお願いしようと思う。

 

<事務局>

 では,土山委員に副座長をお願いします。議題に入る前に乾座長から一言挨拶をお願いします。

 

5 座長挨拶

<乾座長>

 ご指名をいただき,これから2年間座長を務めさせていただく。至らない点もあると思うが,よろしくお願いしたい。ただ,幸いなことに市民参加の推進は,私一人でするのではなく,皆さんと一緒にする話であるということと熟達者の土山委員も隣に控えていただいているので,非常に心強く感じている。

就任にあたり,思うところを自由に語らせていただきたい。委員や先生という言い方でなく,みな「さん」付けで呼びたいと思う。大木さんがおっしゃったように,ここ10年から15年くらいで市民の動きが随分活発になってきた。市民レベルでも活動レベルでも色々変わってきている。長く京都市で仕事をしてきたが,市の動きも随分変った。しかし,市の内部もだいぶ理解者が増えてきたと思うが,巨大組織なので,一朝一夕に変わらない。また,市民も一枚岩ではないので,色んな人がいる。まだどちらも発展途上である。そういう状況の中で,「市民参加」「パートナーシップ」「市民参加推進条例」をキーワードにしてその風土を拡げていくことは大事である。

しかし,今の京都市で正面きって市民参加を掲げているのは,この委員会だけである。私達の役割は,市民と同じ目線で勉強して見えてきた話を市民だけでなく,行政にも働きかけることだ。フォーラムには権限はないが,その分自由な委員会であるから,色んなことに取り組んできた。権限がないことをプラスとして捉えたいと思う。フォーラムとはなにかというと他の委員に聞いても「わからない」という返事が返ってくる。「わからない」会という特性のある審議会ということからスタートする。各委員が必要としていることを互いに出し合いながら進んでいく。事務局も支えてくれるので,自由さを武器にして2年間をやれればいいと思う。

運営方法について,4点提案する。1点目は,4年間委員をしている人もいれば,はじめての人もいるので,同じスタートラインに立ち平場で議論することを大事にする。お互いが勉強して,情報交換するなかで,言いたいこと言うこと。4年間委員をしているから偉そうにできるわけではない。2点目は,歴代の委員,特に歴代座長が頑張って作ってこられた積極的に取り組む雰囲気を大事にする。運営するなかで,自由でなくなったら指摘してほしい。3点目は,働き,働きかける委員会であること。京都市の財政が厳しいこともあり,委員会の予算は限られており,会議は年に3回から4回しか開催できない。しかし,それではなにもできない。委員になったら無料でも主体的に使われるということを合言葉にしてもらえたらと思う。4点目は,拡がりを持たせようと考えている。3つの拡がりの方法を考えている。1つ目は,フォーラムの魅力的な特徴は,フォーラムに関わった人が,委員を終了した後もOB・OGとして関わっていく。2つ目は,傍聴席に多くの人に来ていただき,傍聴席があふれるような状況を夢見ている。3つ目は,働きかける委員会であること。私達自身が色んなチャンネルを持っているので,外に向かって働きかけている。あるいは,色んな場を設けて,情報を収集して参加の場を作っていくことで拡がりを持たせたい。

以上の4点をフォーラム運営として掲げたいと思っている。

 

<事務局> 

ありがとうございました。

野中委員が到着されたので,挨拶をお願いしたい。

 

<野中委員>

 遅れて申し訳なかった。いま座長の挨拶の中に拡がりを持たせ,OB・OGも含めて傍聴席の思いも汲み取り,働き働きかける委員会とするという話があった。私は,体育振興会の委員をしており,京都市の体育指導委員やPTAの本部役員など務めてきた。私自身思い返すとそれなりにやってきたという思いはある。事前にもらった資料の各地域リーダーさんにインタビューした内容を読み,自分自身も活動をする中で自治会長さん達が言う内容についてピンと来る部分はあると思っている。京都市が一生懸命していることが市民の隅々まで行き渡れば,いいと思っており,そのつなぎの役割をしたい。スピーカー役ができればいいと思っている。最後に色んな人と勉強できる場をいただけたことに感謝している。

 

6 議題

<乾座長>

 これまでの京都市の市民参加の取組とこれまでのフォーラムの動きを重ね合わせながら説明をいただき,情報を得たうえで,今年度の取組み内容について,事務局から提案をいただきたいと考えている。

 

<事務局>

 資料4「これまでの「市民参加推進計画」の取組状況」,資料5「これまでの市民参加推進フォーラムの取組」,資料6「平成20年度市民参加推進フォーラムの取組について(案)」の説明を行う。

 

<乾座長>

 今年度のフォーラムの役割を資料6で確認すると課題が多いと思った。1番目の課題の市民参加ガイドラインは,前年度からの継続課題であり,是非今年はこれに取組みたい。これまで市職員に必要なことを指摘してきたが,状況に応じて見直す必要があるので,市職員と対話をしながら進めていきたい。ガイドライン作成のプロセスに,どれだけ市職員に考えてもらえかを考えたい。

2番目の課題の審議会のあり方は,継続課題である。市民公募委員がどのようなものであるかという疑問に応えるのが難しく,問題が生じている。これまで市民公募委員が活躍するための手法はどうすればいいか議論してきた。公募委員の方に集まってもらい議論もしてきた。それらを踏まえて一つのガイドラインを作成しようと考えている。これも重要な課題である。

3番目の課題の地域密着の地縁活動と志縁活動のケーススタディについて説明する。フォーラムでは,2年前に「こんなんえーやん宣言」を市に提出した。ここにも審議委員のことを書いている。市民活動と地域活動は,対立したものとして言われるが,もっと協働すればいい暮らしを作れるのではないかということを書いている。昨年度は,「地域活動応援ガイド」を出した。これを作成したのは,地域活動にも色んな問題点があるので,新しい方法を考えるときの入口になるものを作れないか。また,受け入れ側が,考えるきっかけになるものを作れないかという視点で,地域活動に焦点を絞った。京都市民にアンケートすると,一番身近なのは地域活動であるという結果もある。地域活動が少しでも志のある人を受け入れるようになれないかという思いで作成したものである。志のある人達の活動と地域活動が重なりながら,メッセージとして発信することが,とても重要である。これは時期を見計らって市民に向かって問いかける,市民の議論の場として円卓会議や公募委員交流会を開催するという提案である。

フォーラムでは,第1期から会議以外にも自主勉強会という議論の場を設けてきた。今年度も継続するつもりでいるので,この提案を行いたい。自主勉強会に深い思いを持って運営されてきた土山さん,大島さんにバトンを渡して,一括して議論をしていきたいと考えている。

 

<土山副座長>

 自主勉強会を始めたきっかけは,このようなきちんとしたところで,話す内容も決まっている場では,議論できないだろうという思いがあった。また,自主勉強会をはじめた頃は,条例を策定する話があった。しかし,4回程度の議論で条例を作れるとしたら,それは,他の誰かが作ったもので,それをフォーラムが作ったと言われたくはないという思いから,自主勉強会を作ってゼロから話し合った。条例策定が終わったあとも実質的に委員も職員もざっくばらんに「参加」とはなにかを考える場となったように思う。そうして職員や市民も他の市民に対して思うところ,話をしていくフォーラムという場を作ることができた。まわりの人が支えてくれ,志でできた会だと思う。議題が多いので,議論の場を多く設けて,取組む議題について責任をもって検討したいと思っている。

<大島委員>

 自主勉強会の効果は,それぞれの委員のそれぞれの思いを共有できる場面になったことである。どのような背景でプロセスを経て関心をもったのか,どういうことに参加してきたのか,また参加したいのかを共有できた。1~4期とメンバーが移り変わってくる中で,人が変わる度にリセットされ,波が下がる部分を減らし,次のステップを議論しようという場になったと思う。メーリングリストができて情報の共有もできるようになったが,もっと身近な距離感で話すことは,一緒のことを考えることは,基盤を作る有効な場になったと思う。気軽に思いを発言して,あるいは発言内容から学んでいく場を継続できればいいと思う。

 

<乾座長>

 自主勉強会について議論して,最後に継続の確認をして次につなげていきたい。勉強会はテーマの議論や知りたいことを勉強する場になると思う。事務局も重要なメンバーである。京都市のことを考えるのに私達は情報を知らない。勉強会では,自分の思いや志を話していただきたい。今年度の取組み全体について,質問ややりたいことがあれば,自由に挙手のうえ討議いただければと思う。

 

<新妻委員>

 いまの「市民参加ガイドライン」の内容はとてもいい。これがあることで,市民参加に直接携わっていなかった職員もおおよそのことは理解できると思う。全部ではなくてもやり方くらいは眺められるのではないか。私は,審議会を傍聴したり,市民参加の取組みに参加しているが,これが正しく実行されていないのかなと思った。ガイドラインを改訂するのであれば,地域のワークショップなどに参加された市職員の経験が反映できたらいいと思う。また,市職員の研修内容の確認を行い,職員の意識調査もしたらいいと思う。ガイドラインを読むだけでは,職員間同士のつながりは生まれないので,そのつながりを作れたらいいと思う。

案にはないが,自分は青少年の市民参加に関心がある。大学生や高校生,あるいは大学に行かずに働いている同世代の人の地域参加が進めば,50年後,100年後にはもっと市民参加の盛んな京都になっているのではないか。余談だが,京都市の審議会「大学のまち京都推進会議」の委員が,自分は地域の人とつながりはあるけれど,友達はないのでなんとかしたいとの話があった。私はその委員と一緒にその問題について取組もうとしている。

 

<大島委員>

 2期の「もっとえーやん宣言」の際には,編集委員があり,3期「地域活動応援ガイド」は部会を設けていた。この場だけで議論するのか,別途部会も設ける予定なのか。

 

<乾座長>

 部会を設ける必要はあると思っている。ばらばらにはしたくないので,タイミングを見計らって分けたらいいと思っている。

 

<大島委員>

 新妻委員の提案も面白い。部会でやるのは難しいかもしれないが,勉強会でリーダーシップをとってもらい,まわりが支えていくことも面白いと思う。

 

<乾委員>

 賛成である。やりたいことは抑えない代わりに言い出した人はやることもテーマにしたらいいと思う。青少年の問題も必要で,ガイドラインにも大きくつながるので,平行して一緒に勉強会をしていければいいと思う。

 

<小林委員>

 私は,10年程前にグランドビジョンという基本構想等審議会の市民委員をしていた。市民参加によるまちづくりと打ち出しているわりにはまだその波は小さく,この審議会も注目されていないと感じる。議題に電子会議室の廃止も含めた検討をすると書いてあるが,市民にもっと啓蒙が必要だと思う。また,市民ももっと勉強すれば,もっと権限を与えてもらえるのではないかと思うので,市民参加の啓蒙をしていっていただきたいと個人的に思う。

 

<乾座長>

 京都市は色んなことをしているわりに宣伝が下手だと思う。うまく宣伝して,そこに市民が参加していくということが大事ではないか。

 

<西野委員>

 「市民参加ガイドライン」の改訂,「審議会等運営ガイドライン(仮称)」の策定は,市役所の内部向けのことで,緊急性が高いのだろうと思うが,これが議案として出てきた背景と主眼がどこにあるのか教えていただきたい。

 

<乾座長>

 制限をつけているわけではなく,議論や提言をしてもらいたいと思っている。

「市民参加ガイドライン」の改訂は以前から議論をしてきた。市民公募委員も勉強しなくてはいけないし,その機会を設けることも必要がある。これはしなければいけない。

「審議会等運営ガイドライン(仮称)」の策定は市役所職員に向けたものとは思っていない。個人的な意見だが,地域も市民も変わってきて色んなネットワークができつつある。そのなかで,一番変わっていないのは,市役所だと思う。アメリカの市民参加の教科書には,市民参加のやり方とこれまでの行政のやり方は両立しないと書かれていたが,いまなんとか両立している。ガイドラインがあるのに徹底されていないのは,基本的な骨組みが変わっていないからではないか。市民力が向上していかないとパートナーシップや市民自治にはたどりつけない。しかし,市全体が大きな目標をもって動きはじめないと,人が変わりながら整合性をもって動けない。京都市が市民参加に向かうための重要な要件は,受け手の市民が京都市とパートナーシップを組むように構想することが必要である。それが,去年地域に向けての調査がその第1歩だとすれば,市民参加の6割ないし7割問題は市政や職員の問題と仕組みの動かし方などにあると思う。市民と一緒に考える大事な時期にきているではないかと思う。新妻委員から発言があったように,文言を作るのではなく,市職員がどう考えているのかを市民に伝え,逆に市民が考えていることを市職員に伝えるチャンネルになるのではないかと思っている。内向きの話ではなく,市民向けの話だと思っている。

 

<野中委員>

 市職員はガイドラインをきちんと読んで理解すると思う。市民が参加しないのが一番大きな問題ではないか。市民参加という言葉をどれだけの市民が知っているのだろう。私自身も知らなかった。ここにいる人は意識の高い方々が集まっていると思う。意識の低い方々の目線でどうすべきかを考えなくてはいけない。直接関係するかわからないが,投票率は市民の関心度合いを如実に表していると思う。市政に関心がある人は投票率程度なのに投票しない人が果たして市民参加するだろうか。市民の意識を向上するために,入ってくる仕組みを作り,人を募る仕組みを作る必要があるのではないかと思う。

 

<小林委員>

 私も行政のことは無関心な人間だった。商売を考えたときに自分のことだけでなく,京都市のことも考えないといけないと思う。興味がない理由は,言っても仕方がないと思うところが伝わってきたのだと思う。この場で言ったことがどこかで伝わるということがないといけない。声を聴くだけでもいいので,なんらかの仕組みができればいいと思う。

 

<大西委員>

 川作りの関係でワークショップをしているが,呼びかけても参加しないということが問題である。特定の人は参加してくれるが,かなり広範囲に声をかけても,ほとんど参加してもらえない。共通の問題があれば参加してくれると思うのだが,来てもらえないのは上滑りしているのではないかと思う。自分が発言し,相手に共感してもらおうと思えば,地域で活動してもらえると思う。市民はかなり遅れており,もっと進んでいかないといけないと思う。特に若い人は関心が他にあって,参加する人が少なく,地域のことを真剣に考える人はいない。どこから手をつけはじめるべきかというと,若くて子どもがいる人は子どもを主体とした集まりを持つとか地域の安心安全に取り組むことが考えられる。このようにお互いに考え方を共有できる集まりを持つ必要がある。私達が,引き出すようなことができていない。誰かやってくれるだろうと思ってしまう。選挙の投票受付の手伝いをしていると,いつも同じ顔しか見ていない。私達の課題だと思っている。

 

<野中委員>

 意識の高い人はフォーラムなどの場に参加して勉強しているが,参加する気持ちのない人は人任せになっている状況はある。ただみんな関心のあることは,一生懸命やる。

これまで考えていることを根底から覆すようなことを考えてもいいのかと思う。放置自転車対策として,自転車を停めていい場所には鍵付きの駐輪場を作って,京都市民なら誰でも利用できる自転車としたらいいと思う。

マンション住民や大学生は地域に全く理解がなく,地域の厄介者と捉える人がいることは残念である。地域で職業をもっている人を対象に体育振興会委員をしていると公言するひともいるが,大学生を誘うことで,地域の人が楽しいことをやっているなということで理解してもらえるのではないかと思う。私の出身の高知県には青年団というのがあって,私も20歳くらいになれば自然と青年団の活動をするものだと思っていた。田舎出身の人は,そのようなものに携わっていた人もいたのではないか。しかし,京都の自治会の人には必要されていないと思っているのかもしれない。このように見方から変える必要もあるのではないかと思う。

 私は,高知県民で議論好きで,ぶぶ漬けを食べていかへんかと言われたら,平気で上がり込むようなところはあるが,そうやって飛び込んできた。石を投げて波紋が広がればいいと思っている。

 

<安本委員>

 議論を聴きながら,この場がなにをするべきところで,自分の役割のイメージが徐々にできてきた。「市民参加ガイドライン」の改訂,「審議会等運営ガイドライン(仮称)」の策定,地域密着の志縁活動と地縁活動のケーススタディの3つを中心にするということがわかった。やり方としては,市民参加円卓会議及び市民公募委員交流会の開催,(5)を利用してということだと思った。多くの議論が地域密着の志縁活動と地縁活動のケーススタディに関わる課題だったと思ったが,地域密着の志縁活動と地縁活動のケーススタディに書いていることがわからない。志縁活動という言葉のように特定のサークル内だけで通じるような言葉は限界があるのではないか。それはさておき,志縁活動と地域活動が対立せずに協働を模索できるのではないかと思う。そういうところでの地域の応援ガイドの取組をすればいいのではないかということがわかりかけたように思うが,補足いただけないか。

 

<乾座長>

 志縁活動・地域活動という言葉は,最近はだいぶ使われてようになっている。

志縁活動と地域活動は最近その境界線が不鮮明になっている。例えば,志を持って動く「まちづくり委員会」のような動きもでてきている。志縁活動といいながら,実は地縁組織をベースとして既存の地域活動と別にネットワークを組んでいるところもある。志でつながれることと,地域のやむにやまれない関係の中でつながる活動でとらえるための用語である。志縁活動と地域活動を対立的に考えずにどう融合させていくかを考えなければいけない。このような議論をこれまでずっとしてきた。議論のなかで,みんなの関心もそこにあることがわかった。「市民参加ガイドライン」の改訂にこだわる理由は,どのようにサポートするのか大きな政策的なところからどのように仕組みを構築っていくのか。種は増えているので,どうつなぐのかという議論が「市民参加ガイドライン」の改訂となると思う。地域密着の志縁活動と地縁活動のケーススタディと「市民参加ガイドライン」の改訂はつなげられないかと考えている。これから先を考えないといけない課題と思っている。

 

<松山委員>

 私は市民委員とはどのようなものか興味があって応募した。えらい先生ばかりの中では,意見を言いにくいので,自主勉強会をどんどんやってほしい。今年から地域の社会福祉協議会の役員になった。会では血圧測定やお弁当だして楽しんでもらう活動をしている。社会福祉協議会の運営にも役に立てられるようなこともあればいいと思っている。勉強会とは具体的にはどんなことをするのか。

 

<西野委員>

 地域の中で対立が起きているという話があった。あまり身近に感じられないのだが,どういった対立が起きているのか。

 

<乾座長>

 小さなグループが動くときに地域の活動だから動いてくれるなというところもある。西野委員が東山でやっているような地域との融合は大事。どうすれば,色んな力が有効に使えるかということがテーマだと思っていただきたい。

 

<河嶋委員>

変なことを言って,公募委員をやめるということになると困るなという思いはある。野中委員から放置自転車は市民の自転車であるという視点を持つという考えはいいと思う。視点を変えるのは公募委員のあり方として大事だと思った。

 

<大西委員>

 右京区のまちづくり円卓会議には,右京区役所総務課のメンバーも入っているが,区役所の人にも切実なことは話してほしいと思う。それを聞いて考えることもある。ここの事務局メンバーの人も議論に参加してほしいと思う。

 

<乾座長>

 勉強会はすると考えていいですね。

 ここで,事務局から報告がありますので,一旦マイクを事務局に返します。

 

<事務局>

 京都市では,新たに共汗の取組みをはじめているので,ここで説明をさせていただきたい。

 

<事務局>

 みなさんの議論をお伺いしていると共汗による市政運営というのは市民参加の一つだと思う。これより資料7~9を基に説明する。資料7の京都市みらいまちづくり100人委員会は,市民自らがテーマを設定し,市民が議論し,市民が行動実践し,それを議論に反映させる進化する委員会にしたいと思っている。それを実現するためには行政が表に立つのではなく,行政はサポート役となり,委託するNPO団体に任せていきたい。日程は,今月末から委託団体を公募し,9月下旬に100人委員会を設置したい。資料8「おむすびミーティング」は,市長自らが市民活動の場に直接飛び込んで市民から建設的な意見を聞こうとする事業である。第1回目は,都市農村の交流拠点,「里の駅大原」で開催した。そのときの様子は,ざっくばらんで熱気ある議論をしていただいた。月に1回をめどに進めていきたい。資料9「市民共汗サポーター」は,これから具体の制度設計を構築していくのだが,今日の話を聞いていると平場で議論し,自由な雰囲気の中で働き働きかけ,その取組を広げていくという話があったが,そういった方を共汗サポーターとして位置付けたいと思っている。いまは,「市民しんぶん」の市民記者が共汗サポーター第1号になっている。

 

<事務局>

 100人委員会の運営主体は,6月から募集をしている。そのなかで,多数応募があれば選定が必要となるため,選定委員会を設置予定である。市職員と市民で構成することを想定しているが,市民代表として市民参加推進フォーラム委員を経験された方のなかからお願いすることも検討している。その際は,お願いしたい。

 

<乾座長>

 京都市の新しい動きの報告でした。今日は,色んな話を出してもらうことに主題を置いたため,まとまりにくいが,市政の話市民活動の相互の活動を見極めながら今年度の活動を進めていきたい。キーワードは,「若者」とかもあった。

 勉強会をするとして,どうするか提案をいただきたい。

<土山副座長>

 今日出たような話をもう少し詰めて勉強会あるいは部会とかでテーマ毎にどういうことを深めていくかをまず平場で議論していくことが大事ではないかと思う。市と市民のそれぞれが持っている問題を抽出するような議論をする機会となればいいと思う。そのなかで,「市民参加ガイドライン」の改訂,「審議会等運営ガイドライン(仮称)」の策定とのつながりがでてくればいいと思う。いかがか。

問題ないようなので,また日程調整等させていただく。

 

7 その他

<乾座長>

 決まった場で進めていくわけではない。事務局とすり合わせながら詰めていきたい。ここで,前座長から引継いでいるいい習慣として,傍聴席にも意見を求めたい。

 

<傍聴者> 

○勉強会をオープンにしてもらえるともっと多様な意見や知恵がでてくるのではないか。

 ○作成した印刷物について時間をおいて評価してはどうか。

○印刷物にマンガを利用して,地域の主人公を題材にシリーズを作ってはどうか。

○学区間を越えた情報交換の場があればいい。

 

<乾座長>

 参考にさせていただきたい。勉強会をオープン化させていくのはいいことだと思う。

 

8 閉会

<事務局>

 門川市長の一番のキーワードを「共汗」としており,このキーワードを簡単にいえば,市民参加の一形態である。これから色々とお力添えをお願いすることもあると思うが,よろしくお願いしたい。

【終了】

お問い合わせ先

京都市 総合企画局総合政策室市民協働・公民連携担当

電話:075-222-3178

ファックス:075-212-2902

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