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京都市市民参加推進フォーラム第18回会議 摘録

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2022年6月28日

京都市市民参加推進フォーラム第18回会議 摘録

京都市市民参加推進フォーラム第18回会議 摘録

 

日時:平成19年7月20日(金曜)午後7時~午後8時45分

場所:京都市景観・まちづくりセンター ワークショップルーム

出席者:京都市市民参加推進フォーラム委員10名

(伊谷委員,大島委員,川名委員,林委員,米丸委員は欠席)

傍聴者:0名

会議次第

1 開会

2 座長あいさつ

3 議題

(1)平成19年度市民参加推進フォーラムの取組について(案)

(2)「市民参加啓発冊子(仮称)」について

5  報告 

6 閉会

 

[配布資料]太字のものは、下のPDFファイルでご覧になれます。 
資料1:配席図
資料2:市民参加推進フォーラム委員名簿

資料3:平成19年度市民参加推進フォーラムの取組について(案)

資料4:「市民参加啓発冊子(仮称)」の骨子及びスケジュール
資料5:地域活動等に関するアンケート調査について
資料6:市民公募委員交流会の実施結果について

参考 みやこ協働通信第8号   
 

会議摘録

1 開会

2 座長あいさつ

<宗田座長>

今日は珍しく傍聴者もいないので寂しい感じがするが,これは単に雨が降っているせいなのか,それとももっと重大な問題があるのか,じっくりと考えたいと思う。本日の議題は「市民参加啓発冊子(仮称)」の検討状況についての報告ということで,部会を開催してたびたび委員の皆さんにお集まりいただき検討を重ね,主に地域での活動に関する実態調査を行うことについて,これまで議論をしてきた。後で乾部会長の方から詳しい報告があると思うが,当初想定していた状況とは違った展開を見せているようなので,本日はもう一度,このテーマで議論できる貴重な機会になると思うし,本日はこのテーマを中心に進めていきたいと思う。

 

3 議題

(1)平成19年度市民参加推進フォーラムの取組について(案)

<宗田座長>

まず,平成19年度の市民参加推進フォーラムの取組について審議する。事務局から説明をお願いする。

[説明要旨]

資料3「平成19年度市民参加推進フォーラムの取組について(案)」に基づき,事務局から説明を行った。

[意見交換]

<宗田座長>

 本日は本年度最初のフォーラムなので,事務局から本年度の予定を示してもらった。御意見,御質問をお伺いしたいと思う。

「市民参加啓発冊子(仮称)の作成・発行」は,本日の議題であり,「審議会等運営ガイドライン(仮称)の作成」については,本日初めて皆さんにお諮りするものだが,これまでからテーマとしてきた案件であり,円卓会議や市民公募委員交流会などにおいても,様々な要望をお聞きしてきたので,それを運営マニュアルとしてまとめて,京都市で設置されている多くの審議会において活用してもらおうという取組だ。何か御意見はあるか。

 

<安本委員>

私にとって自主勉強会は本当に役に立ったと思っている。勉強会がなければフォーラムの会議には出席できなかったのでないかと感じるくらいで,本当に良い取組だと思っているし,これからも続けて欲しいと思う。

 

<宗田座長>

ぜひ続けていきたいと思う。安本委員にも積極的に参加してもらいたい。私もなかなか忙しくて出席できないこともあるが,皆さんにもぜひ御参加いただきたい。

それではこの議題はひとまずこれくらいにして,必要があれば議事を戻すこととしたい。今年度のフォーラムの取組としては,お示しした方向で進めていくということで御了承いただきたい。もし御意見があれば後でもお伺いする。

続いて,「市民参加啓発冊子(仮称)」について審議する。冊子については,昨年度御承認いただいたとおり,部会を設置してこれまで議論を重ねてきたので,部会長の乾副座長から検討状況などについて説明していただく。

  

  <乾副座長>

 「市民参加啓発冊子(仮称)」を発行することについては昨年度決定していることだが,取り分け,市民活動を考えるうえで一番大きなウエイトを占めている地域活動と市民との関係にスポットを当てながら議論を進めてきた。まずは住民組織や地域組織に対して,フォーラムがどのように考え,どのように頑張ってもらいたいかというメッセージが必要であろうということになった。それからもう一方として,地域組織と個人との関係,これは個人に対するメッセージでもあるのだが,個人が地域組織をどう理解し,どのように関わっていってもらえばよいのか,どのように活用したらいいのか,という視点も必要だろうということになった。また,「地域組織と個人」という関係で考えた場合には,地域組織がどのように個人を巻き込み,逆に個人が地域組織をどのように見ているか,その辺りへのメッセージも非常に重要になってくるであろうという議論が至った。当然,個人が市民活動に直接関わるというもう一つのファクターもあるのだが,基本的には「組織に対するメッセージ・処方箋」,そして「個人に対するメッセージ・処方箋」という形で冊子を作成していくことになるだろうと考えている。

また,その冊子においては,「こうなったらいいんじゃないですか」というフォーラムからのアドバイスを含めると同時に,具体的なまちづくり活動事例を通じてメッセージを発していくということが今の段階で確認されており,その中でも取り分け今回進めていきたいと考えているのが,地域組織に対するアンケートだ。 

第2期フォーラムでは「こんなんえーやん宣言!」を作成し,そこでは,西嶋委員の本能まちづくり委員会での活動を始めとする,ある意味において京都の中でも先端を走っている活動や,長谷川委員の大文字保存会のような,地域活動とNPOが合体している新しいタイプの活動などを参考にしながら,「かくありたい」という形で論述している訳だが,現実問題として一番欠けている視点は,京都市の地域組織や地域活動を全体としてみた場合に,現状としてどのような状況にあるのか,どれくらいのポテンシャルを持っているのか,具体的にどういうことに取り組み,どういうことに悩み,住民と組織がどのような関係にあるのか,といったところ検証することであって,その現状を掴んだうえで,それに対応しうるメッセージやヒント集などを出す時期にきているのではないだろうかと考えている。そういう意味でも,啓発冊子を作るうえでは,地域活動をきっちりとフォローアップし,いわば問診票のように,基礎体力はどの程度あるのか,その体力を持った地域がどんな運動をしているのか,それがどのような状況になっているのか,それに伴う悩みなどを確認しておきたいという結論に至ったところだ。

部会においては,冊子のイメージを共有しながら,アンケートの中身や進め方,調査対象などについても議論を進め,その議論を踏まえて本日の議題である資料5のアンケート(案)を作成するに至った。この案については,これまでの議論を踏まえて事務局から説明してもらいたい。

 

<事務局>

 前回の部会以降に,庁内会議である「まちづくり推進課長会」などを通じて,庁内の意見を聞いてきた。アンケートの趣旨目的については,資料5に記載しているとおりだ。

 なお,調査対象についてだが,前回までの部会では「地域の安心安全ネットワーク形成事業」を実施している自治連合会長であれば,市として事業を行ううえでの情報を把握しているため,その72学区を対象として実施することを前提に御説明してきたが,庁内会議であるまちづくり推進課長会においてアンケートの趣旨を説明し,協力を要請したところ,安心安全ネットの枠に限らずできる限り広い範囲で協力を得られた学区に対して調査を行ってはどうかとの意見も出されたため,現在はその方向で調整を進めているところだ。なお,自治連合会の有無については学区によって異なっており,学区によっては自治連合会がないところもある。しかし自治連合会ではなくとも,学区には同じような連合組織がある場合もあるので,その点は各区役所とも相談のうえ,状況に応じて調査票をアレンジして実施していきたいと考えている。この点が前回の部会からの大きな変更点だ。

 また,調査方法については,主として選択式を採ることとし,各区・支所の協力を得て代表者にアンケート用紙を郵送か手渡しで配付し,回答は郵送でフォーラム事務局(プロジェクト推進室)へ直接返送してもらうことを基本として考えている。

 調査項目については,現在,7区分,合計36問を設定しているが,これについては調査票をもとに具体的に説明させてもらう。

 

※以降,資料5「地域活動等に関するアンケート調査項目について(案)」に基づき,アンケートの調査項目の詳細について説明を行った。

 

 なお,「自治連合会会長の基本情報」の部分については,部会でお示しした案から変更して,アンケートの最後に移動させている。理由としては,庁内で会長の属性を聞く部分については慎重に精査するべきだとの意見もあり,特に年齢については,高齢者の会長の場合,「年齢が高ければ悪いのか」といった反発を持つ方もいるのではないかということだった。また,他の項目とクロス集計を行って,「会長の年齢の高い学区は活動が活性化していない」といった結論に結びついてしまうのではないかといった,懸念の声もある。もしそのような反発があると,日常的な各地域での窓口を受け持っているまちづくり推進課がそれに対処することになる。職業の有無や労働時間についても,「会長に就任した以上はその役割を果たすために優先して地域活動に時間を割くのが当たり前だ」と考えている会長にとっては意味がない設問であり,暇な人物が会長をしていると捉えるのはおかしいとか,退職年齢を超えたような年齢の会長に対して職業の有無を聞くのは失礼である,といった意見も出されたため,アンケートの最後の箇所に移動させた。前回の案ではアンケートの冒頭にこれらの項目を持ってきていたので,アンケートが答えにくい項目から始まるような形になっていた。よって,一番最後に移動させ,「差し支えなければ教えてください」といった表現も加えている。

 また,全体を通して言えることだが,項目数が大変多いという指摘もあり,回答者の負担を考えると,内容を精査して減らせる項目は減らして欲しいといった意見も出ている。本日はその点も踏まえて御検討いただきたい。

 

<宗田座長>

 乾副座長と事務局から「市民参加啓発冊子(仮称)」の検討状況について御報告いただいたが,何か御意見や御質問はあるか。

 なお,最後に御説明したアンケートについては部会で議論をしてきたが,そろそろ内容を固める時期に来ているので,本日のフォーラムで皆さんの御意見を伺ったうえで,部会に一任するという形でまとめたいと考えている。

 

<安本委員>

 小さなことなのだが,「最後に,あなた自身についてお聞きします」のQ5に,「ご自身が就任されているもの全てに○を付けてください」とあるが,これは今年の兼職状況だけを聞くのか。過去に就任したことがあるものには○,今年兼任しているものには◎といった形で,一度に二つの内容を聞くような組立てでもいいのではないかと思った。この項目は過去の役職も含めて聞くのかどうかがわかりくにかった。

 

<宗田座長>

 その点は部会において丁寧に検討していただきたい。部会長と部会員の方はこの御意見を覚えておいて欲しい。直すこととしよう。他に御意見はないか。

 

<長谷川委員>

 とにかく調査は進めてもらわなければならないが,京都には市政協力委員制度があり,そちらに対しても説明しておく必要があると思う。というのは,自治会には各行政区を代表する連合会長がいて,京都市にもトップが何人かいる。その辺を調整しておかなければ,アンケートが変な捉えられ方をされる。フォーラムは市民参加という視点からアンケート調査を行うのだが,あまり変に突っ込んだ質問をすると,「何か文句でもあるのか」「何をする気なのか」と言われる状況に陥ることがある。地域ではそのようなこともあるので,このアンケートが誤解されて変に解釈されないよう十分に配慮していかなければならないと思う。こちらは純粋に調査を行うのだが,調査を受ける地域組織は歴史が古く,それを何十年とやっている方もいっぱいいるので,その辺をうまく掴んでいかなければならない。

 

<事務局>

 今回は自治連合会の会長を対象としてアンケートを考えている。

 

<長谷川委員>

 それは各学区の自治連合会長宛てということだろう。227学区から72学区を抜粋するのか。

 

<事務局>

 もともと72学区で進めていたのだが,今回はできるだけ枠を広げて調査を行うことで調整している。

 

<長谷川委員>

 227学区をまとめる連合会があるのではないのか。

 

<事務局>

 従前から「誰に対してアンケート調査を行うのか」という議論があり,市政協力委員制度を活用して市政協力委員を対象にアンケートを実施してはどうかという意見もあったかと思うが,その点については部会の中で整理をさせていただいたと考えている。実際に自治活動や地域活動をされているのは,あくまで町内会や自治会であり,その大きなくくりとして学区自治連合会があるので,原則,学区自治連合会長にアンケート調査をお願いすることで今は考えているところだ。

 

<宗田座長>

 その辺りの経緯も含めて乾部会長と部会員の方に御説明いただこうか。

 

<乾部会長>

 今,事務局から説明のあったとおりだが,確かに以前から議論のあった市政協力委員の役割等についての議論もあるものの,やはり地域自治のひとつの単位である自治連合会がどのような状況にあるのかを調査したいと考えている。正直,京都市も自治連合会を任意団体だと認識しながら,現実には地域の窓口としているケースもある。そのような状況からも実質的なところをきっちりと確認するということで,現在は進めている。

 それから,この点に関しては部会の方も初めて聞くことだと思うが,72学区というのは,もともと地域づくり推進課が中心になって行っている「地域の安心安全ネットワーク形成事業」を実施している学区数であって,それらの学区に対してはコネクションがあるため,比較的依頼しやすいということで今回のアンケートの対象として考えてはどうかということになっていたのだが,まちづくり推進課長会で様々な意見が出され,実施するならばなるべく対象を広げてはどうかということになり,現状では72学区に限らないという考え方になってきている。

 長谷川委員の御意見は,各行政区に連合会長がいらっしゃって,そのトップとして市全体の長もいるだろうから,そこにはきっちりと話を通しておいた方がいいということだ。確かに筋を間違うと色々な問題が生じやすい。その点は地域づくり推進課も心配しているし,現場のまちづくり推進課長についても同様だ。その点については意見交換しながら,問題なく実施できる方法を協議しつつ進めようと思う。

 

<西村委員>

 アンケートの内容については理解できたのだが,前回の部会で議論になった,返信していただく方に記名してもらうかどうかという点については,どのように考えているのか。

 

<事務局>

 基本的には区役所を通じて調査票を配付するので,実質的にはどこの学区からの返答かがわかるようになると思う。

 

<乾副座長>

 調査票の記入方法等についてはもう少し議論しなければならないが,基本的には学区を特定できる形で進めていけるだろう。このアンケートは問診票のように,直接対象者に質問を投げかけているものなので,特定できないと,それと対となる客観的なデータが分析できなくなる。ある学区の話を自治連合会長に聞く一方で,京都市などが持っている客観的な現有の情報や,私たちが知っている学区の状況を照らし合わせながら分析しないと理解できない側面がある。そういう意味でも何とか特定する方向で進めようということになっている。ただし記入方法については,地域づくり推進課と協議していかなければならない。

 もう一つ大事なこととして部会でも議論され,事務局でも心を砕いていることは,分析とその結果の出し方は違うということだ。当然分析結果は,「○○学区の状況はまずいぞ」というように,名指しで課題を指摘するような返し方はできない。冊子等にするためには,もう少し一般化していくような形で考えていかなければならないし,その点は非常に大事な問題として認識している。

 また,貴重なデータをどのように扱っていくのかについては,「こういうタイプのところは,このように頑張っている」とか,「こういう頑張りに対して,こういう状況が生まれつつある」といった形で,データに基づき冊子を構成していくことになると思うのだが,まちづくり推進課から,なるべく沢山の地域を対象にしたいという意見が出たことからもわかるように,今回のデータは,これから先のまちづくりに活用してもらえるものとしていきたい。その辺の整理の仕方については,打ち合わせをしながら進めていくことになるだろう。

 

<宗田座長>

 色々議論があったうえでのことなのだが,アンケート案の中では,自治連合会という組織について聞いている部分と,会長個人について聞いている部分がはっきり分かれている。だから個人情報保護の観点から考えると,組織に属する誰が答えても同じ答えになるような客観的な事実を書くところと,年齢や住所,名前などの個人情報を書くところがあるわけで,「○○学区」というものは個人ではないのだから,その点は学区名を記名でいただいても,取扱いさえ注意すれば個人情報保護の問題には抵触しないと思う。そういう意味でも,会長個人に帰属するような質問項目は避けた方がいいわけだ。研究上調べる必要があるのであれば踏み込む必要があるが,その代わりに情報の取扱いはかなり注意する必要があるということだ。

 

<長谷川委員>

 常に“反市政協力委員”のような形で意見を言っているのだが,別に批判ばかりしている訳ではない。活動してもらっている以上はありがたいと思っているが,町内の市政協力委員の顔はわかるが,大半のところでは「この人が自治連合会長ですよ」と言ったところで誰も知らない。自治連合会長は誰もなり手がなく,住民の多い学区は一万世帯近くあるところもある。連合会長はその地域を任されているわけだから,その人に対して「あなたは何歳なのか」「何年やっているのか」といったことを聞くと,火に油を注ぐようなことのなるだろうと思う。「それならばお前がやればいいじゃないか」と反発される。会長はある程度高齢で,致し方なしにやっている人が大半だ。それを個人的に指摘していくと逆効果になると思う。その辺りへの気配りがないと,後で行政にしっぺ返しがくるのではないかと思う。その点が気がかりだ。

 

<鈴木委員>

 既に部会の方で議論されていることかもしれないが,会長の属性を問うところに性別を聞く項目がないが,男性が多いということを明らかにするためにも聞く必要があるのではないかと思う。また,先ほどの乾副座長のお話とも関連してくるのだが,この調査を実施することで,次にどのような展開をイメージしているのかを少しお聞きしたい。私たちの任期もあと一年だ。例えばこの調査をして,こういう状況を知りたいとか,それを知ったうえでこういう事業をしていこう,といったイメージが具体的にできているのであれば,お聞きしたい。

 

<乾部会長>

 まず性別に関する設問だが,先ほどの長谷川委員の御意見ともつながってくるが,属性情報をどこまで聞くのかということについては議論をして,御意見をいただければと思う。この調査票は一般的な調査のイメージで作られていて,「答えた人はどんな人ですか」といった形式になっている。「自治連合会長を何年しているのか」いったような聞き方をすれば,長谷川委員の御指摘のような反発が生まれることになる。むしろ普通のアンケートの形式にして,「最後にお答えいただいたあなたのことについてお聞かせください」という雰囲気で作ろうという意図がある。そういう意味では性別などはごく当たり前の情報としてアンケートに盛り込んでいくというのも一つの考え方かもしれない。アンケートはそのような方向で進めようと思っているのだが,西嶋委員や長谷川委員のように地域活動に携わっている方の御意見をいただいておいて,部会で議論するという形にしたいと思う。

 もう一つの御質問は非常に重要で,「このアンケートをいったいどうするのか」ということだが,まず冊子にしてメッセージを盛り込んで返していき,自治連合会長が悩んでいるようなことなどについても,なるべく答えていこうというのが,フォーラムとしての第一義的な回答だと思っている。その域を越えてフォーラムが地域に出向いて何かをするといったことは,おそらく無理だと思っている。そんな力量もないし,フォーラム自体の位置づけが変われば別だが,今のところはそのような状況にはなっていない。ただ,少し踏み越えて市民参加というものを考えるならば,地域組織が市民参加の窓口として考えられているなかで,地域組織自身も劇的に変わりつつあるとこともあるものの,その一方で変わっていないところもある。そのように考えたときに,まずは我々市民や行政が地域組織に期待し,連携を図っていくに当たって,現状はどうなのかをまずは知りたいのが正直なところだ。アンケートの次に何ができるのかというところまでは十分に考えられていないが,基本的な動機は地域組織の力量や現状をきっちり調べたいからだ。それは私もフォーラム委員に就任してからの2年半の間,ずっと思っていたことだし,フォーラムでも何度も語られてきたことだ。それを今年やろうということだ。アンケートでは工夫をしながら聞くことになるが,まずは現状を知っておこうということだ。そのうえで,答えを返していけるものには冊子で返していく。それ以上の話として,地域づくり推進課やまちづくり推進課,そしてプロジェクト推進室など,市民と直接向かい合いながら日々の仕事を行っている行政側にアンケートの結果を返していくという進め方も考えなければならない。

 

<宗田座長>

 鈴木委員の御質問は,資料4にも出てくる議論なのだが,なぜ市民参加啓発冊子において地域活動を取り上げるのかという点については,地域活動が市民参加や市民活動のスタート地点ではないかと考えているからだ。それはあくまで仮説で,地域活動以外にもスタート地点はあると思うが,これまでの京都市のアンケートなどでは,地域活動と言われる町内会やPTA活動に携わっている市民が多いという結果が出ている。しかし,意見の分かれるところではあるが,それらの地域活動は老朽化してきていると言われている。これからも引き続き,自助や共助の取組や地域のつながりが必要であって,そのためには地域力を再生していかなければならないのだが,今は「それを検討する必要があるのではないか」という段階だ。本当に古いのか,問題があるのか,といったことを含めて,本当に地域組織がこれからもスタート地点足りうるかということを確認しようということだ。言い過ぎだとは思うが,仮に地域組織の力が弱く,新しい住民を受け入れられない状況であるといった極端な結果に見えてくるのであれば,何か別の市民参加の方法を考えなければならない。そのようなことまでも含めつつ,現状では地域活動がスタート地点だという仮説に立って検証し,そこから市民参加の促進を図るというのがアンケートや冊子の趣旨だ。この件については,委員の皆さんが地域活動をどのように評価されているのかということも含めて御意見を伺い,冊子づくりにつなげていきたいと思う。

 

<西嶋委員>

 事務局の説明によると,調査対象が72学区以上になる可能性があるといのことだったが,普段から協力体制ができている学区からは,今回のアンケートについても相当濃い内容の答えが返ってくるはずだが,もしアンケートに回答しないという学区があれば,それ自体が問題だと思う。そこが一番重要だ。行政からこのような調査があった際には,責務として回答するのが当たり前だと私なら思う。それをはっきりさせるためにも,一方通行の郵送でも構わないから,できる限り対象は広げて欲しい。手渡しできるところは各行政区にお願いできれば非常にありがたいが,それ以外のところでも,学区の長が特定できるところだけでもいいから郵送できれば,もっと良い分析ができるのではないかと思う。

 

<宗田座長>

 それではその点について事務局に伺うこととしたい。アンケートの実施について,かなり前向きな意見をまとめてくれたので,その経緯についても説明していただきたい。

 

<事務局>

 今回のアンケートを実施するに当たっては,各区役所のまちづくり推進課の協力なしにはできないであろうということで,何回か趣旨も含めてまちづくり推進課長会などで説明をしてきた。まちづくり推進課長からは様々な意見が出されたが,最終的には,せっかくアンケートを行うのであればなるべく広い範囲を対象にしてはどうかという意見になった。先ほど西嶋委員がおっしゃられたように,協力を拒否されたところまではお願いできないが,アンケートの趣旨を理解していただいたところについては,手渡しや郵送で実施できるのではないかということになり,もともと72学区を基本として検討していたところ,そのように議論が展開してきた。まだ最終決定ではないが,そのような方向性で考えていってはどうかという雰囲気になってきている。

 しかし,このアンケートをどのような趣旨目的で実施するのか,アンケートに答えることによってどのような対応してもらえるのか,その点については十分に事前説明をしなければ,なかなか協力してもらえないと思う。この点については,プロジェクト推進室や地域づくり推進課において説明していくのと同時に,やはり区役所からも説明をしてもらう必要があるので,それについての協力を含めて,各区に依頼しているところだ。

 

<宗田座長>

 もう少し丁寧にこれまでの経緯なども説明しなければならないと思うが,自治連合会長などの学区の代表の方からアンケートを取るというだけで,この数箇月,行ったり来たりの議論があった。その一点からもわかるように,市と地域とのつながりは非常に微妙だということがわかってきたわけだ。それが良いとか悪いとかの議論ではなく,それが実態だということだ。そのために,アンケートを調整する部署の方には様々な御苦労があるわけで,当然,アンケートに御協力いただく自治連合会長にも御苦労があるわけだ。

先ほど西嶋委員がおっしゃったように,当初の72学区だけでは活動が活発な地域のデータしか取れない。問題なのは残りの学区がどのような状況になっているかということで,それが今回ようやくわかるかもしれないということだ。学区によっては,そもそも自治連合会が存在しないところもあるかもしれない。それを調べられるところまできたのだ。

  

<西嶋委員>

 アンケートの中身についてだが,例えばQ6の「連合会長の選任方法を教えてください」とQ7の「連合会会長を選任されるときに,参加される役員全てに○を付けてください」という設問は連動していると思うのだが,「役員の中で互選」という選択肢は,「役員」というものが学区によって全て違うので,答えにくい設問だと感じる。例えばQ6で「総会での選挙」と答えた場合,Q7は総会ならば町内会長を含め,全ての役員が参加されるだろうから,全ての役職に○を付けることになるのだろうが,「役員の中で互選」を選んだ場合は,年功序列で決めているところもあるかもしれないので,そのような場合には役職に○を付けにくいのではないかと思う。

  

<長谷川委員>

 私の知っている地域の自治連合会は,自治会の会長が集まって学区の連合会長を選ぶ。それとは別に,各種団体は各種団体の長の中から各種団体連合会長を選んでいるわけで,自治連合会長はその会の一員という体制を取っているところが大半だ。私も色々な地域に入って話をするときに,「私はいいが,誰々にも話をしておいて欲しい」といったことをよく聞く。だから学区の総まとめをしている長を掴みにいかなければならない。そしてその人物に声を掛けて各種団体の長に集まってもらい,そこで話をしなければならないというのが今の学区の組織の仕組みだ。

  

<西嶋委員>

 長谷川委員がおっしゃられたような体制で成り立っている組織もあれば,私の学区のように,町内会長のなかで6名,各種団体の中から7名の役員を選び,その13名の役員が互選で会長を選ぶところもある。

  

<長谷川委員>

 だから,このアンケートでいうところの「自治連合会長」というものに対する感覚が個々人によって違っているのだ。自治連合会長ではなくても,「ここの学区の長は私だ」と思っている人もいる。自治連合会長に声を掛けに行ったとしても,各種団体から選らばれた役員に話をすると「私は知らないことだ」と言われることもある。私たちが教育委員会の取組を地域で実施してもらう際にも,地域にはアンケート調査の項目に挙がっている各種団体以外にも多くの団体が地域にはあるので,矢継ぎ早に話を進めていかないと,その地域の役員全体に話が浸透していかない。例えばポスターを貼ってもらうにしても,自治連合会長に頼んだら全部の町内で貼ってもらえると思ったら大間違いだ。「話を通しているのは連合会で,私たちの町内は知ったことではない」と言って協力してもらえない。だから今回のアンケートについても,あまり結果を期待せずに,一度やってみて,回答が返ってくるかどうかをしっかり検証してみるという考え方で実施すればいいと思う。私の感覚では回答は返ってこなくて当たり前だと思っている。だがそんなことを言っていても始まらないので,やってみればいいと思う。そして答えてもらえない地域はどうなっているのかと,その会長はその地域の住民にプラスになるような活動ができているのかと言っていくくらいの気迫で進めなければ,いつまで経ってもうまくいかないと思う。

 

<乾副座長>

 西嶋委員も長谷川委員も同じ趣旨のことをおっしゃっていて,アンケートは実施してみて,回答がないことも一つのデータだと捉えるという感覚は必要なのだと思う。

 ところで,組織体制を問う設問の作り方については色々な知恵を借りなければならないのだが,その点は部会においても技術的に一番議論になったところだ。確かに様々な組織の形態があって,それをアンケートで答えてもらうのは非常に難しい。実は部会を設置する前段で,中京区の自治連合会を調査した,景観・まちづくりセンターの田中氏の報告を聞く機会を設けたのだが,彼はヒアリングという調査方法を採用していた。組織の形態について調査をする場合には,ヒアリングを行うのがベストであることははっきりしているのだが,しかしそれは現実的に難しい。現状では可能な限りアンケートで聞いていくことになっているので,その点については部会員以外の方からも知恵を借りたいと思っている。また,この設問で一番知りたいことは,学区の中で様々な組織がまとめられているのかどうかということだ。それは実質的の意味ではなく,組織の形態としてまとめられているのかどうかということで,地域には町内会連合だけではなく,それ以外の各種団体もあるので,その関係性をうまく掴めればいいのではないかと考えている。この設問についてはこれからも工夫をしていかなければならないが,目的はそのようなことだ。

 

<宗田座長>

 アンケートの細部については部会で検討していただくが,これまでの議論を聞いていると,地域組織の深い部分に入り込んでいくようだ。このことを京都市民がどれくらい知っているのかという議論があると思う。かなり知らない人がいると思うし,私の住んでいる地域では話題に挙がっているような状況ではないので,驚きを覚える一方だ。これから順に部会員の方に御意見を伺っていくが,今までの経緯を含めて御意見をいただけないだろうか。むしろアンケートの内容以前のことについてお伺いしたい。

 

<安本委員>

 まず男女の別を問うか否かについては部会でも意見を述べた。それから今日の議論を聞いていて,そんなにアンケート調査は難しいものなのかと感じた。これまで「とにかくやってみよう」という前提で部会に参加してきた。

 その他には,資料4に示してあるスケジュールについてだが,アンケートの調査期間は一箇月間も必要なのかと思った。少し長すぎるように感じられて,長すぎるとかえって回答が出てこないように思える。一箇月間も期間があれば,私なら「いつでも書ける」と思ってしまって書かないと思う。二週間くらいでもいいのではと感じる。それと,自治連会長個人に関する調査については,実施した方がいいのかどうか,私もわからなくなってきている。

 

<宗田座長>

 上村委員はいかがか。

 

<上村委員>

 アンケート調査を行うに当たって,各区のまちづくり推進課に参加していただけることは,ありがたいことだと思っている。本日持参したリビング新聞の記事を御覧いただいてもわかるように,今市民が本当に必要としていることは,地域力が低下してきているなかで,これからどのように地域を元気にしてコミュニケーションをとっていくかということであって,私もそれをどうにかしたいと思っているから冊子作りに関わっている。冊子の狙いもそこだと思う。リビングの記事では,自治連会長が自分自身の名前を出して,「うちの町内はこういう取組をやっていて,こういう問題がある」とはっきりと発表してくれている。

 それと私がびっくりしたのは,この景観・まちづくりセンターで「まちづくりに関心のある人はまず相談してみませんか」ということで,「まちづくり大学」という講座を開講していることだ。私はまちづくりセンターがそのような取組をやっていることを全然知らなかった。

 今回の冊子についても,京都に住んでいる市民がどのように地域において対話を進め,始めの一歩を踏み出すのかを示した生きた声を集めた冊子にしないと,また“紙切れ”で終わってしまうと思う。私はそれだけはしたくないし,そういう意味でもアンケートを生かしていきたい。そしてその過程で分かってきた課題に対して解決策を提供できるようなものにして欲しいし,していきたいと思っている。

 

<西村委員>

 上村委員と同じように私も思うのだが,地域の方は何らかの期待を込めてアンケートに答えると思うので,それに対して市や区がどのようなサポートをできるのかを,匂わすだけではなく具体的に示す必要があるのでないかと思っている。

 また,自主勉強会や部会で議論したときに,行政区においても温度差があるという話が出ていた。私は山科区に住んでいるが,中京区などとの温度差を本当に肌で感じている。

 

<宗田座長>

 これまで部会員の方の御意見を伺ったが,部会員以外の方の御意見をお伺いしたい。

 

<不破委員>

 調査の主体についてだが,京都市なのか市民参加推進フォーラムなのかが,これまでの説明ではよくわからなかった。また,調査をするとなると,冒頭に御挨拶が必要になる。御挨拶をどのように書くかということは重要なことで,個人情報を聞く部分については,より慎重に検討する必要があると思った。それと,地域の基礎データを,NHKの『ご近所の底力』のような形で活用したいというのであれば,調査票の中に自由記述欄を設けて,最後に「あなたの学区の自慢をひとつ書いてください」とか,「調査に対しての御意見,御要望を御自由にお書きください」といった設問を設けてもいいのではないかという印象を受けた。

 

<宗田座長>

 アンケートの主体は市民参加推進フォーラムということでいいと思う。部会を設置し,フォーラム委員に集まっていただき,アンケートの細部まで御検討いただいているのは,その主体をフォーラムに担っていただきたいという意味もある。

 

<不破委員>

 「京都市から調査が来た」というように自治連合会長が思うのではないか。その辺はどうだろうか。

 

<乾副座長>

 市民参加推進フォーラムとは何なのかという説明がいるだろう。

 

<宗田座長>

 それも必要だが,フォーラムも京都市が要綱によって設置した審議会の一つなので,京都市という枠はもちろん逃れられないのだが,あくまでフォーラムが調査をやっているわけであって,決して行政の所管課が次の政策を立てるためにやっていることではない。調査は市民参加の推進という目的のためにフォーラムがやっていることであって,そのことを御確認いただきたい。

 

<大木委員>

 アンケートを見ていて,やはりこれだけの情報が必要なのかと思いつつも,これだけの設問に答えることは大変だと感じた。なかには聞かなくてもいいのではと思えるような項目もあるように思える。設問についてはもう少し精査していく必要があるのではないかと感じた。

それと,学区内の活動を更に進めるために必要なものは何かを問う項目があるが,地域内のコミュニケーションを図ることは,これからの地域活動を考えるうえで重要な要素だと思う。それに関する項目をなぜ抜かしているのか。

 

<乾副座長>

 項目はこれから精査していく。

 

<宗田座長>

 少し古い学区をイメージしているので忘れてしまったのだが,本能学区でもマンション住民といった問題はよくテーマに挙がってくる。もちろんその項目もあってもいいと思う。

 

<西嶋委員>

 私も今後のことを考えたら,「まちづくり組織を地域で作っていく」といった期待を込めた設問があってもいいと思う。冊子作成のスケジュールからいけば,実施が9月頃までに完了ということだが,この間に部会は開催するのか。

 

<乾副座長>

 そうだ。

 

<宗田座長>

 申し訳ないが,一回では済まないだろう。

 

<西嶋委員>

 9月末までに完了ということは,8月中にはアンケート調査の中身の決定をしなければならないということか。

 

<乾副座長>

 先ほど上村委員や大木委員の御指摘にあったように,地域交流やコミュニティ,もしくは施設とか,そういう課題はもう少しきっちりと明らかに見ることのできる設問にしていきたい。細かい設問項目については,今日初めて部会員に見てもらう状況だから,引き続き設問に対する御意見は求めていきたい。そういう意味では可能な限り部会員以外の方からも御意見をいただきたい。

 

<宗田座長>

 鈴木委員に率直な感想をお伺いしたい。

 

<鈴木委員>

 上村委員が先ほど紹介した記事に載っている学区に私は住んでいて,会長も知っているのだが,マンション住民と旧住民との交流を促進するために,子育てサークルや児童館など,色々なところを巻き込んで地域活動に取り組んでおられて,その御努力をひしひしと感じている。今回のアンケートについても,古典的なものとして自治連合会を捉えるというよりは,もう少し前向きな活動にも焦点を当てて,もう少し動き出すイメージを聞けるような設問があると,将来につながる調査結果が出るのではないかという気がしている。ただ,現状を把握するデータを集めるということについては,今までそのような調査がなかったことが不思議なくらいだというのが正直な感想だ。

 

<宗田座長>

 鈴木委員は自治連合会の将来をどういうものになって欲しいと思っておられるのかをお聞かせ願いたい。

 

<鈴木委員>

 私はある学区で日本語教室をやっていたのだが,その地域の自治連合会のイメージと,現在住んでいる学区の自治連合会イメージがまったく違う。やはりもう少しNPOや若い人たちの集まりを巻き込んで,地域外の力を採り入れてはどうかと感じる。そのためにはマンション住民の参加というものも重要になってくるのだが,私の学区ではニュースレターを発行したりして工夫をしている。それらは将来につながる取組だと感じるのだが,それらの活動に対して自分がどれだけ労力を割けるかといったら,それは正直厳しいと思っている。この前,当番で班長のようなものをやったのだが,それだけでも結構大変だった。もう少し業務をコンパクトにして,機能的にしていくような方法が必要なのではないかと感じる。

 

<乾副座長>

 不破委員や鈴木委員がおっしゃったように,前向きな取組を聞き取れる項目もきっちりと入れておくことは重要なことだ。まずは活動が展開できていない学区を意識して基礎データを収集したいと思ったのだが,それを無理に聞くのではなく,自由記入欄のようなものを設けることも重要だと思った。また,挨拶文が非常に重要だという御指摘があったが,まさにそのとおりだと思う。

 先ほど宗田座長が「行政と地域が微妙な関係にあるということがわかった」とおっしゃられたが,部会において議論していて,実感として「行政も大変だな」と感じるのは,このようなアンケートを実施して,地域から様々な希望や要望が出てきたときに,行政として答えたくても答えられない状況があるということだ。特に最前線にいるまちづくり推進課は,人やノウハウが足りないし,バックアップがない状況で,微妙なバランスを取りながら四苦八苦して仕事をしている。そんな状況で,アンケートを実施したら大変なことになるという反応を持つのは非常に良くわかることなのだ。だからといって実施しないで済むことではない。先ほど鈴木委員がおっしゃったように,本来ならばこのような調査をきっちりと行いながら,次なる展望を検討していかなければならない。微妙な状況のままで動くわけにはいかないということで,今回敢えて実施しようとしているわけだが,やはり一方では,フォーラムとしても,行政がこれからも継続して実施できることを念頭に入れながら進めていかなければならない。フォーラム自身が全力をもって取り組んでいって解決していく力を持っているのならば別だが,そうではない限り,次の段階で動くのは都市づくり推進課や地域づくり推進課,そしてまちづくり推進課だ。だとすれば,そこはきっちりと京都市の現状も頭の中に入れながら進んでいくことが,フォーラムとして大事なことだろうと理解している。そういった意味でも挨拶文というものは非常に重要で,このアンケートが直ぐに答えを返せることを聞くものではないということは明確にして,結果をどのように使っていこうとしているのか,フォーラムが何を考えているのか,といったことをきっちりと書くのが非常に大事だ。

 そして地域組織に聞いていくのと同時に,フォーラムは地域が動き始めようとする際には,現状では区のまちづくり推進課が地域のまちづくりを支えていく役割を担っているわけだから,そういった部署の職員の方と平場で忌憚ない意見交換ができる状況を作っていかなければならないだろうと思っている。直ぐには難しいかもしれないが,この調査に御協力いただきながら,日頃の業務の中で感じる悩みや疑問などをきっちりと話し合える場を作れればいいと私自身は思っている。それを抜きにしては次の段階は切り開いていけないという気がするので,この場で問題提起をしておきたいと思う。

 

<西嶋委員>

 私もリビング京都で紹介されている学区の会長と親交があるのだが,地域の活動は地域の者だけで考えてやっているわけではない。やはり行政や景観・まちづくりセンターからの呼び掛けがあり,サポートしてもらったからやってこられたのだ。自分たちだけでは到底なにもできない。そう考えると,行政にもサポートを必要としている地域に入ってもらいたい。今回の調査はそのきっかけでもあると思うし,まちづくり活動の先進事例をうまく結びつけることによって,少しずつ広がりを持たせ,京都全体に浸透していくようにしていくことがフォーラムの役割ではないのかと思う。

 当然,各種団体が様々な活動を行っていることは否定しない。今日の地域活動があるのは各種団体のお陰だ。ただ将来のことを考えたときには,現状のままでは大変難しいだろうとも思える。まして,学校の統合が行われるところでは各種団体も統合していかなければならないような時代が来るわけで,そのときにはそれに代わる地域性というものを作っていかなければならない。そのためにもフォーラムでアンケートなどを通じて,地域の将来について考えていければいいのではないかと思っている。

 もちろん市民や地域組織に物申すのだけではなく,行政に対して意見を述べていかなければならない。まちづくり支援事業などは,中京区よりも実施しなければならない行政区があると思う。支援事業に採択されたときには,補助金をもらえるだけではなくて,まちづくり推進課の方も地域の会合に出席し,資料を作成してくれるし,一緒に事業を組み立ててくれる。そのように,アンケート調査の分析を通じて,支援を必要としている地域に入ってもらえるようになったらいいと思う。正直に言って活動の活発な学区に重複して補助をするのはもったいない話だ。補助を受けることができれば直ぐに形は整ってくるので,結果はすぐに作れると思う。これまで結果の作れていないところに入っていってもらうためにも,フォーラムとして意見を述べていければと思う。

 

<宗田座長>

 そういう意味でも,アンケート調査については,景観・まちづくりセンターのまちづくりコーディネーターや各行政区のまちづくり推進課と連携して働いているまちづくりアドバイザーにも,行政の枠を超えたフォーラムから呼びかけて皆さんに御協力いただきながら進めてきたのだが,西嶋委員がおっしゃったことは,まさに地域の声だと思うし,地域はそのような支援を必要としている。ただ,そうやって行政が入ったら直ぐに元気になる地域があれば,入り方もわからない地域もある。リーダーも不在でまとまりもない地域があることも事実であって,それは留意すべき点だと思う。行政も入りやすい地域から入ってしまうので,偏りが生じてくるというのもまた事実だ。そのような現状もあるからこそ,今回初めて実態を調査しようということなのだ。

 それでは,アンケート調査については議論が深まったと思うので,今日の議論を踏まえて,部会長の乾副座長と事務局とで御相談いただき,まちづくり推進課長会の意向も勘案したうえで,アンケートを実施するということで御了解いただきたいと思う。今回,まちづくり推進課長の皆さんの大変熱心な発議を引き出すことに成功したので,ぜひその意向も活かして,現場で生かせるようなアンケートにしていただくという点を確認しておきたいと思う。

 少し戻るが資料3を御覧いただきたい。これまで円卓会議や市民公募委員交流会は,ひと・まち交流館を中心に開催してきたが,各行政区には「暮らしの工房」という施設が現在7箇所できているので,そのような場所を会場にしたらどうかと思っている。フォーラムも地域に出かけていって,暮らしの工房を運営しておられる方やその周辺の自治連合会長とかに集まってもらい,意見交換ができればいいと思っている。これは座長としての提案だ。前回の部会は呉竹文化センターという伏見区の会場で行ったのだが,出向いていくことで,まちの雰囲気を肌で感じることができるし,その場でその地域の方たちと交流できれば,様々なことが分かってくるかもしれない。今まではついつい中京区や下京区といった市役所の近くの施設で開催してきたが,少し会場の幅を広げていきたいと思う。

 

<西嶋委員>

 昨年度はぎりぎりになっても日程が決まらなかったので,できるだけ早い段階で調整して,フォーラム委員全員が参加できるような日程で実施することも必要かと思う。

 

<宗田座長>

 それでは8月中くらいに年度内の日程を決めてはどうか。事務局にも都合があろうかと思うので少し検討して欲しい。我々の方も早めに調整する。それについては打ち合わせをしたいと思う。

   

4 報告

  市民公募委員交流会の実施結果について

<宗田座長>

 それでは資料3に戻ったが,議題1,2を終えて,続いて報告事項に入る。「市民公募委員交流会の実施結果について」,事務局から報告をお願いする。

[説明要旨]

資料6「市民公募委員交流会の実施結果について」及び参考資料「みやこ協働通信第8号」に基づき,事務局から説明を行った。

 [意見交換]

<宗田座長>

 この件について当日御参加いただいた方から御意見はないか。安本委員は何か御意見はあるか。

 

<安本委員>

 交流会での意見交換は本当に活発だった。グループワークでは「このようなことで困っている」といった本音が聞けて,交流会ならではの話を聞くことができた。もっと多くの方に広げていけたらいいと感じた。

 

5 その他

<宗田座長>

 それでは,本日の議題・報告は以上だが,最後に何かあれば自由に御発言をお願いしたい。

 

<安本委員>

 先ほどの地域間の温度差についての話題が出ていたが,私はその温度差を知ってみたいと思った。京都に住んでいても自分の町内しか知らないので,温度差というものを知りたいと思った。

 

<宗田座長>

 それはアンケートを通じてということか。それとも別の方法でということか。

<安本委員>

 アンケートを通じてでもよい。どれだけわかるかはわからないが。

 

<宗田座長>

 どういう聞き方をすればわかるのだろうか。客観的にどういう組織があるのかということはわかってくるが。

 

<安本委員>

 うちの学区はどんどん新築の家が建っていて,かなり広い範囲に広がっており,学区の境目も分からない。私の学区は自治連合会長が全部の仕事を受け持っているのだが,そうではない地域もあるということが本日の会議でよくわかった。他の地域はどのようなところがあるのかを知りたいと思った。

 

<宗田座長>

 今まで農地だったところに新しく家が建つと町内が確定していない場合がある。そもそも家が建ったときに初めて番地が決まるというケースもある。農地だと地名が付いていないこともあって,区役所で住民票を受け付ける前に住所の確定をする必要があるところもある。京都市内でもそのようなことが起こっている。

 

<長谷川委員>

 先ほど話題に出た温度差の話だが,自治連合会長の選び方については,選挙によって選ばれているところもあるし,輪番制で各町の自治会の会長から選ばれているところもある。輪番制で行っている地域の会長は,毎年変わるわけだ。自治会長も一年だけではなく,三年くらい務めないと自治会のこともわからないと言っても,輪番制なので毎年1回ずつ代わっていく。80世帯あれば80回変わるわけだ。毎年代わるわけだから,そんな人たちが学区の連合会に行っても顔もわからない。その辺に先ほど指摘した温度差がある。マンションなどでも自治会方式をとって選挙をしているところもあれば,輪番制でやっているところもある。輪番制で会長を回していると,どうしても無責任になってしまう。「新聞だけ配ったらいいよ」とか,簡単なことだけを頼む。自ら「町内のことは全部やりますよ」いう人は珍しく,頼まれたからやっている人が多い。そのように地域には様々な温度差がある。

例えば,学校の行事を地域の人たちに声を掛けてやってもらうにしても,学校に近い町内は協力するけども,歩いて30分もかかるような町内は,「平素から我々は学校を使っていないのだから,そのような行事は必要ない」というところもある。それが温度差だ。本来ならばみんなでやるのが当たり前だとしても,当たり前の話がなかなか今の自治会ではできない。私は市政協力委員や各種団体長を一方的に批判しているわけではないが,役を受けたからには積極的にやって欲しいと思っている。「輪番でやっているだけだから,そこまで言われるならば人に任せる」といった感覚の人もいる。地域のためにやらなければならないと思ってくれている人はすごくありがたい存在だ。今,教育委員会の取組である「おやじの会」が各学区でものすごく普及しているが,それも7年くらいかかった。

 

<安本委員>

 「おやじの会」は補助金がすごく出るのではなかったか。

 

<長谷川委員>

 お金の問題ではなく,そのような取組は,いつも地域で一生懸命になって頑張ってくれる人が地域に根付いてこそ進めていけるのであって,一朝一夕には行かない。そうでなければ「なんでこんなしんどいことをしなければならないのか」という一言で終わってしまう。だから「ここの地域でできたのだから,ここでもできる」といったことではなく,時間をかけて一生懸命に口説きながらやっていかなければならない。その意味でもアンケートは,地域には様々なところがあるのだということを認識するための材料くらいに捉えておいた方がいい。回答が出てこないことを批判していくと,おかしなことになるのではないかと私は危惧しているのだ。

 

<乾副座長>

 その点についてはその通りだと思う。

 

<宗田座長>

  それでは予定の時間となったので,本日はこれで閉会とさせていただく。委員の皆さん,御協力ありがとうございました。

 

【終了】 

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