スマートフォン表示用の情報をスキップ

京都市市民参加推進フォーラム第12回会議 摘録

ページ番号35271

2022年6月28日

 

日時:平成17年9月29日(木) 午後6時30分~8時50分

 

場所:こどもみらい館 第2研修室

 

出席:京都市市民参加推進フォーラム委員11名(大木委員,川名委員,不破委員,松尾委員は欠席) 傍聴者:8名

 

 

1 会議次第

 

1 開会
2 座長あいさつ
3 議題
(1)市民参加推進フォーラムの活動状況について
(2)市民参加推進フォーラムからの提案について
4 その他
5 閉会

[配布資料]  太字のものは、下のPDFファイルでご覧になれます。
資料1 配席図
資料2 市民参加推進フォーラム委員名簿

資料3 市民参加推進フォーラムの活動状況について
資料4 市民参加推進計画取組状況一覧
資料5 市民参加推進フォーラム提案書の構成(イメージ)

[追加資料]
市民参加推進に関するアンケート調査実施結果について

第12回会議

Adobe Reader の入手
PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。同ソフトがインストールされていない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Reader をダウンロード(無償)してください。

2 摘 録

1 開会

2 座長あいさつ
<宗田座長>

 本日は今までで一番多い,8名の傍聴者にお越しいただいている。フォーラムでは京都市市民参加推進計画の取組状況に関して点検を重ねているが,そのなかでも審議会等の公開,公募委員あるいは傍聴ということを通じて,市民が市政に参加するということを重要なテーマとして捉えており,まずはフォーラム自らが公募委員に活躍いただける環境を整え,傍聴席を賑わうようにしていくことを実現していかなければならないと思っている。傍聴に何回かお越しいただいた方は御存知だとは思うが,京都市の審議会の中では唯一,傍聴者の意見もお伺いするようにしているのも,市民参加をテーマとしているフォーラムゆえの実験的な試みだ。また,何時に開催すべきか,どこを会場とすべきか,といったことも含めて,色々な取組をしているところだ。
 現在フォーラムでは,2つの部会に分かれて作業をしているが,部会に分かれる前から自主勉強会を実施していて,委員同士がかなり頻繁に会って議論を重ねている。できれば傍聴席の皆さんからも,市民参加に関わる取組,手法,実績について色々と御意見を伺って,市民の立場で審議会は傍聴しやすいのか,市民公募委員になりやすいのか,といったことについても御意見を伺いたい。
 フォーラムでは8月7日に円卓会議を開催し,公募委員の方や地域で市民活動を行っている人たち等,様々な立場の方に集まっていただき討論を行ったが,その結果についても御報告し,公開していく予定だが,できるだけ参加する市民の立場に立って,市民参加推進計画の点検を進めていくことを,今日も含めてこれからの重要な課題としていきたいと思っている。

3 議題
(1)市政参加推進フォーラムの活動状況について
(2)市民参加推進フォーラムからの提案について
<宗田座長>

 今日の議題は二つあって,市民参加推進計画の点検を中心とした活動状況についてということと,市民参加推進フォーラムからの提案をどのようにまとめるかということだ。では,事務局から説明をお願いしたい。説明が終わった後に各部会の活動状況について委員の皆さんに意見を伺うこととしたい。


[説明要旨]
 資料3,4,5に基づいて,「市民参加推進フォーラムに活動状況」及び「市民参加推進フォーラムからの提案」について説明を事務局から行った。


[意見交換]
<宗田座長>

 まずは資料3に書かれている活動状況について部会ごとに検討したい。また資料4の取組状況についても,今後どのように取り扱うかに関して意見を伺い,提案書についても議論をしていきたいと思う。
 その前に先ほどの事務局の説明の仕方は,言葉遣いや委員が色々と作業を進めることについて気遣ってもらった内容になっていたが,後ろに傍聴者を抱えている我々の立場からすると,丁寧に扱われることは逆に居心地のいいことではない。市役所の職員も審議会委員もともに市民のために,公のために一緒に頑張っているわけであって,審議会委員が一生懸命働くのは市民のためである。我々も公のために一緒に働いているのであって,申し訳ないと思わずに「頑張って。」と言えば済むことなのかもしれない。そのような関係を築いていくことから何か変わってくるのではないかと思った。
 公募委員の問題にしても,「一市民の意見を市長に伝えるために公募委員になった」という素朴な動機からスタートしていると思うのだが,素朴な動機とは別に,委員になった以上,全市のことを考えつつ,議論に加わるというような責任があるのではないか。これは非常に重い責任で私も十分に果たせているとは思わないが,公募委員の深さのようなものも考えさせられる,あるいは公募委員以外の委員の責任ということについても考えさせられる例ではないかと思う。
 他の委員の方はどうか。長谷川委員は市政参加・情報提供部会の部会委員として活動をしているが。


<長谷川委員>
 学校評議委員制度の問題も地域的な市民参加の問題だと思うし,資料4には簡略化された委員の発言が記載されているが,もう少し掘り下げて議論しないといけない項目が見え隠れしている。発言が記載されているから「点検が終わった」とは言いがたい部分がある。


<宗田座長>
 円卓会議にも保健所運営協議会に参画されている市民公募委員に参加していただいたのだが,学校,保健所,警察といったように地域の住民の皆さんに参画していただいている審議会や評議会が非常に増えていて,審議会でないにしてもその種の組織に参画する市民が非常に増えている。それぞれの現場で果たす役割が多様化しているということもあって,学校評議委員にしても審議会の市民公募委員にしても,様々な問題が出ているということだ。江田委員はいかがか。


<江田委員>
 フォーラムに1年半参加してきて,「公募委員も随分勉強しないといけない」と感じているというのが本音だが,ただその反面,「審議会における公募委員とは何なのか」という疑問が改めて頭に上り始めている。公募委員アンケートの結果を見ると,公募委員の発言がまったくない審議会もあったし,ただ講演を聞いて帰っていくというだけの審議会もあるということだったので,この辺りに公募委員の位置づけ,考え方に関する大きな問題があると思っている。


<宗田座長>
 他に市政参加・情報提供部会で補足することはあるか。乾副座長はいかがか。


<乾副座長>
 今日の会議の位置づけを確認しておきたいのだが,一旦これまでの議論をある程度集約するということと思っていいのか。


<事務局>
 中間的なまとめになる。


<乾副座長>
 そういう意味合いだと,円卓会議で語られた話がこんな話だったかということが若干疑問で,まとめる前にきっちりとした記録がいると思う。結果がこうだったということだけではなく,円卓会議に参加した人が語ったこと,例えばBグループであれば,「リタイアして地域活動に参加しようとしているがどこから取り掛かっていいのか分からない」といったような悩みを語っていた人もいたし,様々な話が語られたので,そういう話をきっちりと拾いあげておくことが非常に大事だと私自身は思っている。それを整理整頓してみると,まとめてあるような課題が浮かびあがったということは必要だと思うが。


<宗田座長>
 ひとまず,市政参加・情報提供部会と市民活動部会を分けて議論しようとしていて,今は市政参加・情報提供部会について御意見をいただき,それが終わったら市民活動部会の方を御説明いただこうと思っていたのだが。


<乾副座長>
 他の委員にも聞いてもらいたいが,私自身は円卓会議のAグループの記録をきっちりと読んで理解しておかないと,このまとめの資料だけを見ても感想を述べにくい。


<宗田座長>
 そう思って円卓会議の前段で実施した,公募委員の方へのアンケートを集約した資料を事務局に用意してもらうよう頼んでおいた。それを配付してもらいたい。

 

[追加資料の配布]
 事務局から委員及び傍聴者に,資料「市民参加推進に関するアンケート調査実施結果について」が追加配付された

 

<乾副座長>
 他の委員の方はどうか。


<竹下委員>
 審議会によって運営方法や公募委員の参画の仕方等が全然違うということを始めて知ったし,円卓会議のような交流の場を持てたこと自体が良かったのではないかと思う。その交流の場への参加が決してノルマではなく,自主的な気持ちで参加しているということだったので,本当に意義のある会議だったと思う。あのような場を設定してもらえればこれからよい方向に向っていくのではないか。


<乾副座長>
 西嶋委員はいかがか。


<西嶋委員>
 市政参加・情報提供部会の議論でポイントになるのは,審議会のあり方自体を変えていかないといけないという問題と,今後も市民公募委員が多く参画していくべきであるということだと思う。ただ多く参画していくためには,公募委員にもそれだけの知識を持ってもらわなければならない。そのためにはフォーラムで実施しているような勉強会のようなものが,必ずどの審議会でも公募委員を中心に月一回くらいの割合で行われ,公募委員以外の委員にも,そのような取組を行う必要があるのだという認識を持ってもらうことが,まず必要ではないかと思う。年数回の会合に出席するだけでは,せっかく公募委員になった値打ちはないと思うので,市政参加・情報提供部会でまとめられた内容については私も大賛成だし,ぜひともそういった方向で進めてもらいたいし,宗田座長が言われたように,我々以上に行政の方々はあるべき方向性が分かっているはずだから,遠慮して言いにくい面もあるのかもしれないが,市民とのパートナーシップを掲げるのならば,やはりここ一番のリーダーシップは行政に発揮してもらわなければならないと思う。また,審議会の方も行政と一緒に審議をしていくという気持ちを持つべきではないかと思う。


<乾副座長>
 他の方はいかがか。


<藤澤委員>
 まとめた資料しか読んでいないので,細かい部分がまだ見えていないのだが,結論を出す必要はないのかもしれないが,市民公募委員の声が「届いているのか,いないのか」ということで言うと,結論としては「届いていない」という認識でいいのか。


<宗田座長>
 100%届いていないとは言えないが,届いていない部分もあるということだ。


<藤澤委員>
 届いていないという気持ちを持たれている方が多いということだと思う。この市政参加・情報提供部会のまとめを見ていると,「届いていないからこうして欲しい」という意見よりも,「市民公募委員も勉強を重ねて欲しい」という意見の方が多く目立つような気がする。それも大事なのだが,「なぜ届かないのか」といった,「市民の声を届かせるための環境作り」という部分に対する意見は出てこなかったのか。


<宗田座長>
 今の藤澤委員の意見に答える形になるが,公募委員の意見が届かないのは制度にも問題がある。そして当然,公募委員にも問題がある,という両方の意見がある。つまり公募委員制度という仕組みそのものに限界があるということだ。公募委員の仕組みも審議会の方の仕組みも不十分だということだ。その現状を打開するためには,審議会が変わり,公募委員も変わるしかない。そのためには審議会とは何か,公募委員とは何かということをそれぞれ深めていって,より良いあり方というものを公募委員も考えるし,審議会の方も考えるしという,ということをしなければならない。 
 だから取りあえず公募委員になってくださった皆さんの熱意を生かすような形で交流会をしながら,フォーラムでより良い公募委員制度というものを模索しなければならない。制度はできた,しかし完璧ではなかった。だからより良いものにしなければならない。「どうすればより良くなるか」というところまではそう簡単に辿り着かない。


<藤澤委員>
 「こうすればいい」というところはまだまだ見えていないのか。


<宗田座長>
 まったく見えていない。それぞれに述べられてはいるが。


<藤澤委員>
 具体的な話は出てこなかったのか。


<宗田座長>
 具体的には「公募委員を中心とした自主勉強会の開催」や「事務局が公募委員に分かるように詳しい資料を用意する」であるとか,「審議会における公募委員の割合を増やす」だとか色々と意見が出ているが,審議会も多様なので,緻密なマニュアルのようなものを作るところまではなかなか行き着きにくいと思う。今は各審議会を所管している京都市の原局,原課が,どちらかというと市民参加推進計画に則って,アリバイ的にという言葉は悪いが,「やっています。」状態だ。公募委員に参画してもらうときの一定の注意事項というものはあるのだが。


<事務局>
 このアンケートの結果は,意外と好結果だったと思っている。「大変満足だ」といった意見もあるし,わりと肯定的な意見もあると思う。一方では否定的というか「議論がなかなか活発にならない」とか,「回数や時間が短い」といった意見が色々とあるのだが。公募委員が個々の審議会のなかで意見を活発に出せるような仕組みというものは当然考えないといけないと思うが,審議会の内容,専門性等も少し影響しているのではないかと思っている。
行政の立場から言えば,審議会における一番答えにくい質問というものは,実は市民公募委員からの質問なのだ。常識の考え方で質問をされるので。専門家の方ならば専門家のペースで話をされるので,それなりの答えが返せるのだが,公募委員の方の質問には返しにくいところがあって,逆にそれが行政の職員にとってみれば刺激になることがある。


<宗田座長>
 よくわかるのだが,答えの返しにくいような質問をする公募委員がいるからこそ,市政はより開かれるのだ。


<事務局>
 そのとおりだ。それを否定的には捉えていない。


<宗田座長>
 市民に分かるような説明責任を果たすべく市役所も変わっていく必要がある,というのが市民参加推進計画の重要なポイントだ。部会で公募委員のアンケートを検証したが,確かに「満足だ」とおっしゃられる方もいるし,満足と答えた方が半数を占めている。しかし,「不満だ」「大変不満だ」という回答は全体の三分の一か四分の一の意見かもしれないが,非常に重要な回答だと思う。なぜならば「満足だ」と答えた方は「審議会を通して活動する勇気が湧いた」とか「気楽に率直な意見が言える審議会運営に満足している」とか「大変勉強になる」といった,割と消極的な評価しかしていない。今まで意見をいう場がまったくなかった市民が,行政に意見を聞いてもらったことに対して「ありがとう」と感謝しているといった内容だ。しかし時代はそんな暢気なものではなく,やはり厳しい意見に照準を合わせていく必要がある。本来,市民参加推進計画はそういう趣旨のものだし,せっかく公募委員という制度を作った以上,「取りあえず満足される方が多いからいい」というものではなく,それ以上に役立つものに変えていかなければならないという観点に立つべきであって,今からでも改善の余地があると思う。公募委員制度を否定しているわけではない。京都市は大変な一歩を踏み出したのだが,公募委員制度を始めてしまった以上,本当に役立つ,市民の皆さん,公募委員の皆さんに満足していただけるようなものにしていかなければならないと思う。公募委員制度は始めた,しかし本当の公募委員を作るのはこれからだ。今はそのような時期に差し掛かっていると思う。我々もそれを明確に出したうえで議論を進めていかないとならない。


<江田委員>
 前回の円卓会議でようやく公募委員の現状がわかってきたという段階だ。公募委員の制度そのものはいいことだが,しかし公募委員が意見を出せない。出すような環境ですらない審議会もある。公募委員制度を続けていく以上,もう少しその辺りに目を向けるべきではないのかと思う。


<事務局>
 知りたいのはなぜ意見が言えないのかということなのだが。


<江田委員>
 不思議に思ったのだが,アンケートに「講演を聞くだけで終わった」という意見が出ていた。それは審議会ではないのではないかと思った。それが一番不思議だった。講演を聞いた後でそれに対する議論ができるのであれば審議会だと思うが。それと年に1回あるかないかという審議会もあるということだったので,そういった状況をどうしていくのかというのが一番大きな問題だと思う。


<千葉委員>
 結局,委員間のコミュニケーションの量だと思う。私も一年半くらい委員をさせてもらってようやく意見を言えるようになってきたが,最初の頃は2時間の会議で一言発言するかどうか,その一言も考えに考えて発言するといった状態だった。最近,ようやく自然に言葉が出るようになりかけている。もし年に2~3回しかないような審議会だったら,公募委員が訓練される前に終わってしまうと思う。しかも会議の間隔が空くことになるので,その間は中だるみすると思う。自分以外の他の委員の皆さんが,どんな方でどのような意見を持っている,といった空気を掴むためにはコミュニケーションが必要で,このフォーラムでは一月に何度も出会っているからこれだけ議論ができるようになるのだと思う。私はまったくの素人でフォーラムに参加したが,「私と同じような立場の公募委員が他にもおられる」という雰囲気が,私を発言させやすくさせていったと思うし,人数についても検討する余地があって,1名や2名しか公募委員がいない審議会ならば,せめて4名くらいにするべきではないかと思う。そうすれば,どんな審議会でも議論が盛り上がってくるのではないか。確かに審議会によって様々な性格があるので簡単にいくものといかないものがあるとは思うが。


<宗田座長>
 事務局からの発言にあったように審議会にも様々な性格があって,そう簡単に変われないものもたくさんある。確かに専門性が非常に高い審議会もあるということも事実だ。ただ,公募委員制度というものに踏み出してしまった以上,京都市としては変われる審議会は積極的に変わっていって,市民に開く,市民に理解を進める,京都市も変わる,審議会も変わる,ということを始めるということを宣言してしまったわけだから,それに対応する必要がある。


<事務局>
 公募委員は自ら応募して審議会に参画している。すべてそこに問題があるとは言わないが,なぜ意見が出せないのか。回数を踏まないとなぜ意見がでないのか。志して参加しているのだから難しいことがあるのならば自分で調べるとか,自ら応募したからにはそういった努力は当然するべきことだと思う。誰かが落選した結果,公募委員として参画しているわけだから。自らが応募をしたというスタンスを強調しないと。


<宗田座長>
 御指摘のとおりだ。公募委員の方も変わっていかないといけないということも言っているわけで,市民の方も変わらなければ市民としての責務を果たしていけない。決して市役所に頼まれてやっているのではない,公に奉仕したいし,するべきだと思っているから公募委員に応募しているわけで,その思いを伸ばしていかなければならない。そのとおりだと思う。


<大島委員>
 私は市民公募委員の経験者なので市民公募委員としての気持ちも分かるのだが,私の感想としては「内容としてはわかる,でも居心地が悪い」というものがどうしてもあった。どうしても市民公募委員は審議会における自分のポジショニングが見えない。自分が元来持っている専門性は求められていないような気がする。一市民としての発言をしないといけないのか,あるいは少しなりとも専門性を出していいのか,というところがなかなか見えない。そういう状況が作り出す居心地の悪さから,発言がしにくいというところはあるのではないか。


<宗田座長>
 学識の先生方が今まで行政に甘やかされてきたということもあって,審議会のような場で威張りすぎているところがあると思う。市民にとっては我々学識者もパートナーシップの一員なのだから,謙虚に意見を伺うという姿勢を持たないといけない。悪い癖だと思って反省しているが,専門家も含めた委員全員が変わらないといけないということも含めて,「審議会は変わらないといけない」と言っているつもりだ。


<乾副座長>
 この公募委員のアンケートはとても面白いのだが,一般論で並べるとまとめられた話以上のものは出ないと思う。「大変満足だ」という意見が出ている5件の審議会の運営は,ものすごくよい運営をしているかもしれない。そういった要素を拾い出すという努力をしてもらいたい。一般論としては審議会の性質や運営の仕方によっても違うかもしれないということなのだろうが,もう少し確信に迫ろうとしたら,クロス集計を行うなどの作業が必要ではないかという気がする。事務局の方でそこまでの作業ができるのであれば面白い分析ができるのではないか。それと,もう少し客観的な要素が拾えそうな気がしている。対象にした審議会は何時くらいに開催しているとか,議事録を見て公募委員がどれくらい発言しているかを調べるとか,そういったデータはアンケートと表裏一体のものとして,さほど手間をかけずにできそうな気がする。
「こうあるべきだ」という一般的な提案があると同時に,表に出す必要はないが「審議会の評価」が欲しいと思う。それを加えるとそこから得られるヒントのようなものが具体的なものとして見えてきそうなので,その作業はお願いしたいと思う。


<江田委員>
 事務局にお願いするならば,公募委員を教育するような学校が必要かもしれない。我々は他の委員に自主勉強会の場で色々と教えていただいたが,他の審議会でもいずれそのような場が必要になってくるのではないかという気がする。また,参加してみてから「ちょっと自分が思っていたイメージと違うな」という感想を持った公募委員も多くいるようだ。それならばフォーラムでガイダンス的な勉強会を開催して,そのうえで審議会に臨んでもらったらどうか。公募委員の立場からするとその辺のフォローも必要ではないかなと思う。


<事務局>
 そうなってくると「公募委員」ではなくなるのではないか。


<乾副座長>
 今の江田委員の話を聞いていて面白いなと思ったのだが,できるかどうかはわからないが塾を作ればいいのだ。市が作るのではなく,公募委員が自分たちで集まって。公募委員に応募するような人たちが集まって塾を作ったら面白いかもしれない。


<江田委員>
 審議会のなかに自主勉強会のようなものをきっちり実施して,ある程度レベルを合わせてから審議に臨むようにすればいいと思う。自主勉強会をしていない審議会が随分あると円卓会議の議論を聞いていて感じた。


<宗田座長>
 あくまでも自主勉強会なので公募委員が勉強しようという自覚を持って集まるところから始まるものだ。恥ずかしながらフォーラムの自主勉強会も事務局におんぶにだっこのところがある。だからといって事務局側の強い影響を受けているというわけではないが,自主的に行われなければならない。学校や塾という方法がいいかは分からないが,公募委員は民主主義の試金石であることは確かだ。京都市が自信を持って始めた公募委員制度は市民参加の大きなきっかけとなるものだから,更に発展させていくことが重要で,この制度や市民参加推進計画を否定するつもりはない。


<藤澤委員>
 全部の審議会を網羅したような方向性というものは出しにくいとは思うが,基本的な方向性だけではなく,具体案を一つや二つでも提示できれば,公募委員がもっと自立した公募委員活動をできるようになるのではないかと思う。ぜひ具体案まで出していって欲しい。


<宗田座長>
 では,具体案を出すところまで部会で審議していくこととしたい。それでは市民活動部会の方に議題を移したいと思う。


<乾副座長>
 その前に事務局に聞くが,審議会の開催の時間帯などのデータは既に持っているのではないか。


<事務局>
 時間帯に関するデータは持っていないが,どの審議会に所属している公募委員の意見なのかは調べればわかる。クロス集計できるような分析の方法を深く掘り下げることは可能だと思う。


<乾副座長>
 知りたいのは,対象にした審議会が現実にどんな状況にあるのかということで,回答がどのような条件下で発せられた言葉かがわかるようなデータが欲しいと思う。非常に参加しにくい時間帯に開催されているとか,子どもを預ける場がないとか,いろんな要素があると思う。
 市民活動部会についてだが,まずは補足するところから始めた方がいいと思うが,市民活動部会に参加された委員の方はいかがか。


<竹下委員>
 私は自分の活動で壁にぶち当たってフォーラムに参加したのだが,円卓会議でヒントが具体的に見えてきて,それも実践の場で役立てるようなヒントだったのでとてもありがたかった。地域住民組織も変えていけるという事例を聞いて,その発想が今まで私にはなかったので,世代が代われば変わっていくものなのかなと思った。私たちがその地域の中心になっていけるように頑張っていけばいいのだと前向きに思えるようになった。


<藤澤委員>
 私は竹下委員のように活動をしていない立場なので,どういう関わりをもったら地域活動というものができるのかも知らない状態だった。しかし今回,市民活動部会に参加して色々と勉強させてもらい,若い世代でも参加していける場所があるのだと感じた。自治会というものは縁のないものと思っていたのだが,自分たちで縁がないと思っているだけで,自治会は縁を求めている可能性がある。そこに近づいていく必要があると思う。意識の問題だと感じた。


<西嶋委員>
 私はやっぱり人間関係だと感じた。その地域の人間関係によって,活発に活動できたり,消極的になったり,様々な問題が起こったりする。勇気ある発言をしていって,地域自らが改革をしていかないといけないのではないかと思う。


<鈴木委員>
 円卓会議では個々の発言にヒントが多く含まれていたと思う。もし今後,事例集やハンドブック的なものを作るのであれば,一般論的な結論ではなく,個々の発言を発信していく方がいいのではないか。その方が臨場感のあるものになっていくと思う。


<乾副座長>
 円卓会議は小さな集まりだったが,実際に出会って話をする場を持てたということは有意義だったと思う。それをどのように伝えていくかが重要で,それを具体化にするものがノウハウ集や事例集のようなものにつながっていくと思う。結果をまとめると資料3に書かれているような結論になるのかもしれないが,その前提で個々に語られた話をきっちりと発信していければと思う。
 市民活動部会の議論の経過についてだが,円卓会議で出された意見を第3回部会の場で整理した結果,まちづくり委員会の可能性について話を聞いてみようということになり,第4回部会で「本能まちづくり委員会」へのヒアリングを行った。昨日に第5回の部会を開催したのだが,そこでプラスアルファされた話だけをこの場で報告したいと思う。
 その前に資料について一点だけ。資料3の図に「悟っている人」と書いてあるが,これは揶揄しているわけではなく,もちろんほめているわけでもない。将来的には理解できる言葉に直したいと思う。それから「良識」と書いてあるが,これはまるでAグループの人に良識があって,Bグループの人に良識がないように見えるが,これは言葉が違っていて「地域の常識」という限定的な常識という意味だ。学生の言葉で言うと「ローカル・ルール」ということになるのだが。
 そのような話を加えながら第5回部会で議論を進めたのだが,やはりコーディネーターという存在が必要だということで,竹下委員や藤澤委員のような立場の方から見ると,まちづくり活動などについて気軽に相談ができる場があることが非常に大事なのだという話が出された。そこから「コーディネーターはどこにいるのか」,「どうやってつくればいいのか」という話題になったのだが,本音で言えば区役所のまちづくり推進課の最前線にそういう人がいてくれるのが一番いいのだが,実態はなかなか達成されていない。
 では現状の中でどうしていけばいいのかという議論を重ねる過程で,たいした話ではないが,フォーラムで勉強した委員が相談窓口を設けて始めるしかないのではという提案が出てきた。先ほど話題に出た「公募委員の塾」のようなことにも関連するのだが,まずはそのような取組から始めることが必要で,少なくとも「たらい回し」にしない,答えがわからなくても誰かにつなぐ,といった活動をしてみてはどうかといった意見が出された。そのような取組は,市の方でも色々な所属でもやり始めているのだが,それらが縦割りで一本化されていないといったことも話題になり,そういったものは一本化するべきだという意見もだされた。
 資料3の図のなかでは,A「地域住民組織」,B「地域密着型市民活動」といった形でかなり機械的に整理しているが,今,取り組んでいかなければならないことは,Bの地域密着型市民活動を励まさないといけないということと,Aの地域住民組織に,地域の柱になってもらいながら,ちょっと意識改革してもらわなければならない部分があるということで,その両面に対する作戦がいるという意見が出された。
 地域密着型市民活動を支援するという切り口で話題に上ったのが,市が行っている「暮らしの工房づくり支援事業」だった。「暮らしの工房づくり支援事業」は,地域で活動をしているお母さん達が「ちょっと集まってみようか」というようなときに,気軽に使える場を設けるという趣旨で考えられた事業だが,実態はどうなのか,本当にそうなっているかということをチェックしないといけないという意見があった。
 一方,地域住民組織に変わっていってもらうための方策を考えるうえで,基礎的な現状を把握しておきたいということで,自治連合会長と市政協力委員にフォーラムの名前で「お宅の現状どうですか」「あなたおいくつですか」という程度の簡単なアンケートを行って,現状を掴んでみようではないかという提案があった。そしてアンケートは現状を掴むと同時に,フォーラムからのメッセージを発信する機会にも成りうるのではないかという意見も出され,是非それはやりたいという結論になった。


<西嶋委員>
 今,説明されたなかで,アンケート調査について補則があるのだが,自治連合会長と市政協力委員ではなく「市政協力委員長」だ。委員を対象にすると多すぎるので。


<乾副座長>
 追加で何かあれば御発言いただきたい。第5回部会に参加していない方からも意見を出していただければありがたい。


<千葉委員>
 A(地域住民組織)とB(地域密着型市民活動)の区別が理解しにくい方もいるのではないか。詳しく説明すると,A(地域住民組織)というのは地縁の自治連合会や各種団体のような組織で,B(地域密着型市民活動)というのは地域の中で,同じ目的を共有して集まって活動しているような団体を指している。そしてもっとグローバルな課題で集まっているのがC(いわゆる市民活動,NPO)という分類だ。
 市民活動部会で話し合われているのは,当面大事なことは「AとBがいかにして協働していくか」ということで,AとCがうまくいけば本当はいいのだが,それは現実的にはだいぶ先の話になるだろうから,まずAとBがうまくいくためにはどうしたらいいかということから始めていこうということだったと思う。AとBは,目的が似通っていたりするのだが,ついつい仲が悪くなりがちになっているということが問題となっている。

 

<宗田座長>
 それをつなぐためにはコーディネーターが必要だということか。


<乾副座長>
 それだけではない。コーディネーターも必要ということだ。当然,資料3に書いてあるように,Bグループを励ますような事例を伝えていくことも大切だろう。「こういった事例もあるのか」と気づいてもらうためには,まちづくり事例集のようなものがあってもいいのだろうということと,そしてもう少し悩んでいる人には「地域デビューノウハウ集」のようなもの,もう少しアクションを含めるならば,コーディネーターのようなものが必要だろうということだ。このような話が大きな話題として語られたことだ。


<宗田座長>
 どういう人が地域を担うリーダーとなりうるのか,もっと言うならば,地域でみんなが暮らしていくときに,どういう大人が地域の人に頼られる人物なのだろうか。今までの社会は,地域のリーダーを作る努力をしてこなかったというか,そういう人を強化することを忘れてしまってきていて,「いいサラリーマンになろう」とか「いいお父さんになろう」とか「もっとお金持ちになろう」といったことをずっと追求してきたのだが,本当は「地域とのいい関わり方」や「地域に根ざして地域の人たちに役立つような人材とはどのようなものか」ということを追及するべきだったのに,そういったことを忘れてきていたのではないかと思う。
 民主主義的社会のなかで,「地域を支える人間像とは何だろうか」,「どういう組織が必要なのだろうか」ということを考えたときに,コミュニケーションは最低限必要なのだろうが,どのようにすればそのような人物が生まれてくるのかがよくわからない。西嶋委員や長谷川委員のような人が地域には必要だということはよく分かるのだが,それを普遍化していくためには,一種の憧れというか,「私も地域を支える人間になりたい。私も地域のために役立たなければならない。」という気持ちを地域のみんなで持つことから始める必要があると感じるが。


<長谷川委員>
 私は京都市で行っている「生涯学習コーディネーター」と「人づくり21世紀委員会」に関わっているが,行政区代表で意見交換を行っているのは「21世紀委員会」だけで,「生涯学習コーディネーター」は京都市から認証は受けているが,コーディネーター同士の横のつながり一切ない。ただ自分の自負心だけでやっているだけだ。市民活動総合センターでも「市民コーディネーター養成」の講座を開催しているというとだが,結局,そういう立場になられた方も,今の公募委員と一緒で,「何をやっていいのかわからない」というのが現状だと思う。ただ講習や研修を受けて認証をもらっても,自分の地元に帰ってみたら何をしていいのかわからない。私もそうだった。生涯学習コーディネーターの資格をもらったが,結局,「何をする人なのか」ということが見えてこなかった。好きだから自分なりに地域に入っていって,やっと芽が出たかなというのが現状だが。
 そういう人材を市が研修会等を行って育成したいと思っているのはよくわかる。しかし,育成された人たちが地元へ帰ったときに問題がある。私もそうだが,地元の各種団体に「邪魔をするのか」とか「うちの団体ではとっくにやっている」とか色々と言われた。ただ資格が与えられただけで,その後のフォローがなされておらず,資格を持っている者同士が毎年顔を合わせて情報交換を行うこともできないのが現状だ。市民の中にはそのような資格を持っている人が結構おられるのだが,徐々につぶれてしまうというのが現状だと思う。だからそういう人材をもう一度掘り下げて,ワークショップ等を行いながら,地域にどんどん排出していく努力が必要だと思う。


<宗田座長>
 まったく同感だが,必要なのは資格ではないのだ。資格しか用意できないところが行政の悲しさなのだが,資格を取得することとはまったく別に,いい人間になる,地域で愛され尊敬される,信頼される人物になろうという気持ちがないと肩書きに頼ってしまう。地域のみんなから好かれる人がいれば,肩書きなんかなくても,市役所の講習を受けずとも,その地域はまとまっていくものだ。「いい人になりたいね」という気持ちをどこかで忘れたまま,簡単に講習を受けて市役所で資格をもらえば,いい人になれると思ってしまうところに過ちがあるように思える。


<乾副座長>
 一番大事な議論だと思う。資料3では単純にAとかBとかといって図分けしているが,もがきながら地域で活動している人,何とかしたいと思っている人がものすごく大切なのだ。宗田座長の話は理念としてはそうなのだが,実際に何らかのアクションを起こしていくときには,「どういうチャンスをどこでつくりだすのか」ということを提案していくことになると思う。「こういう事例があるよ」と紹介するだけで気がつく人もいれば,そうでもない人もいるので,色んなタイプに対応できるツールを用意しようということだ。
 地域を支える人材に対して「素敵な大人だ」「あの人たちはなぜ地域のために汗を流すのだろうか」という気持ちを抱かせることが重要なのだとしたら,まず出会うきっかけを作り出していくことが必要だと思う。では,どのようにしてそのような状況をつくり出すかをということを考えたときに,まず必要になってくるのが具体的に交流のノウハウを伝えることで,今すぐにできることは「お祭りやイベントなど今まで地域になかった新しいものを持っていくことで様々なタイプの団体が出会うきっかけが生まれた」といった具体的なノウハウを記載した「交流アイデア集」をまとめることではないかと思っており,部会でもそのような方向で議論している。
 また,地域の中にコーディネーター的な人材が必要であるとともに,その前段として,第三者的な立場でまちづくりや市民活動の相談に乗ってくれるところがないという課題もある。市役所や区役所が当てにならないというケースもあって,それで活動することをあきらめてしまう場合があるということも問題だという議論が部会の中でも出ていて,その点も提案の中に入れていきたいと思っている。


<鈴木委員>
 私はB(地域密着型市民活動)とC(市民活動,NPO)の間にあるような活動をしていて,単純に分けられるものではないとは思うのだが,BやCの団体がA(地域住民組織)に対する入り口を知らないというケースがたくさんある。行政とNPOとのパートナーシップというテーマでワークショップなどに参加すると,参加者がイメージで語っている部分が多く見受けられる。しかし,課題をひとつひとつ整理していくことでそれぞれの立場の違いを参加者が明確に認識できることが多い。今後,そのようなワークショップを行うことも考えられるのではないか。


<大島委員>
 先日「三条あかり景色」を開催した「楽洛まちぶら会」はAもBもCも混ざっている組織で,同じ組織で活動をしていても価値観の対立というものが当然出てくる。それをクリアしていく方法は,「お互いの立場を知る」というところに尽きると思う。そういう意味では人と接して触れることも必要だし,事例集やノウハウ集を出すとか,色んな複合的なやり方で交流を促進させていくが必要なのではないかと思う。


<千葉委員>
 長谷川委員が言われた「コーディネーターの資格をもらったけども何をして良いか分からない」という現状は,市民公募委員の話にもつながることで,確かに自分がなりたいと思って論文まで書いて応募したのだが,委嘱をされて,いざ会議に臨んで「どうぞ話してください」という状況になると,それを表現することはまた別の技術や慣れも必要だ。その間の訓練のようなものができるような仕組ができれば,うまくいくと思うのだが。


<宗田座長>
 ありがとうございます。そろそろ資料4の「市民参加推進計画取組状況一覧」を踏まえて,今後,どのような方向で議論を取りまとめていくかということについて御議論いただきたいと思うのだが,米丸委員は今までの議論を踏まえて何か御意見はないか。


<米丸委員>
 公募委員の在り方を考えることで市民参加の重要な場面である審議会をよりよく変えていこうという「制度や仕組に関わる議論」と,地域を担う人材や地域のことに対して自ら主体的に動いている人材をいかに活性化していくのかという「人や地域の組織に関わる議論」の「車の両輪」が,うまく動きつつあるのだなという感想を持った。 
 今後,これまで積み重ねてきた議論を更に発展させて,最終的には中間的な推進計画の点検を行わなければならないので,これまで起こっていることや発展させられる可能性のあることに結び付けていかなければならないのではないかと考えていたところだ。
 私自身は制度や仕組といった法制度的なことに関わっている者なので,計画にリストアップされている項目のなかでも,「住民投票制度」や「市民提案制度」といった「調査研究中」という状況に留まっている項目がかなり気になっていて,そうした未解決の項目の宿題の部分も含めて,あと半年でどこまで点検を進める見込みで議論をすればいいのかというところが気になっている。これまで市政参加・情報提供部会の方で議論されてきた,「公募委員同士の意見交流の場づくり」という点でいうと,例えば,電子会議室のテーマの中に公募委員の交流の会議室を作って,他の課題と結びつけるなど,まだアイデアを詰めていく余地があるのではないかと思う。
 また,制度的な宿題が残っているところだけではなく,パブリック・コメント等の既に京都市でも実績が積み重ねられている項目であっても,まだ議論の余地がある。国の法律の改正でパブリック・コメントが法制度化されたのだが,現在の京都市のパブリック・コメントの制度と比べると相互にずれがあって,国の制度に合わせて今後パブリック・コメントの制度を整理しなければならない余地が残っている部分がある。そうした細かい詰めも必要になってくるのだろうと考えている。
 更に細かいところを見ていくと「公文書公開請求におけるITの活用」の項目においても,請求をオンラインでできるようなシステムを確立するといった検討,改善の余地がある課題があるので,そのような細かいところも点検しながら半年間で進めていくのか。最終的にフォーラムの提案書に詰めていく個別の課題を,今後どうするのかということも検討しなければならないと感じている。


<宗田座長>
 市政参加・情報提供部会の第4回会議で住民投票制度の他都市の事例資料を事務局から提出してもらい,市民提案制度についても触れた。次の日程が合うのであれば,早々に米丸委員に部会へ参加していただき,御指摘いただいた案件について教えていただきつつ議論を深めたいと思うし,パブリック・コメントに関しても合わせて検討したいと思う。他にも「アンケート・モニター調査等による市民意見の活用」,あるいは「区役所機能の強化」等の項目についても,他都市の事例と比較しながら点検を行いたいと思うので,今後,10月,11月で済ませていきたいと思う。それから電子会議室に関しても,米丸委員から御提案いただいた公募委員の会議室の開設についても,早速実施していきたいと思う。
 現在,2つの部会に分かれて議論を進めているが,資料4の委員の発言が記入されているところは議論をしたところだし,そうではないところも未だにある。先ほど事務局からはすべてを網羅する必要はないという主旨の発言があったが,一応全部我々で時間とエネルギーを使って,点検できるところは点検していかなければならないと思っている。


<乾副座長>
 資料4の中身についてではなく,市民参加推進計画の項目のチェックの進め方についてだが,一覧表を用いて「これはできた,これはできてない」というチェックの進め方もあると思うのだが,計画の55項目を市政参加と市民活動の部会に分けたといっても項目同士が重なる部分も多くある。例えば市政参加・情報提供部会が担当している21番の「市民参加を促進する職員研修の充実」は,先ほど議論した「地域と市民活動をつないでいくために,職員に頑張ってもらわなければならない」といった議論と関連するし,31番の「区役所機能の強化」という項目もまさに,「相談したいときにどこへ行けばいいのか」という先ほどの議論とセットの話で,実は重なるものだ。
 その視点で言えば,項目を網羅的に見るのではなく,今すぐに重要になる課題にポイントを絞って,市政参加・情報提供部会の方は「市民公募委員制度を拡充する方向から審議会自身のあり方を変える」という提案をしていくとか,市民活動部会の方は「市民活動を活発にするために,地域住民組織を活性化させると同時に小さな市民活動を元気にさせて,実はその2つは近いということを明確にしながら手をつないでいく」ということを提案していくとか,そのような提案の仕方もあると思う。いわゆる重点ポイント提案型になると思うのだが,つまり,「こういうことを進めていきたい」という提案があって,それを計画項目に当てはめると「この項目を提案に合致する方向で充実させてもらわなければならない」というストーリーの提示の仕方が非常に重要だと思っている。それを誰が整理するのかという問題があるが,計画項目を一度ばらしてしまって,提案に対する答えとして,また,提案を実現する手法として,再度項目に反映させていくというやり方があると思う。そういう進め方を是非行って欲しいと思う。


<宗田座長>
 それぞれの部会ごとに報告書のまとめ方があると思う。今日は報告書のまとめ方に関しては時間もないのでここでは議論しないが,市民活動部会ではそのようなストーリー型のまとめ方があるだろうし,市政参加・情報提供部会の方では制度を対象としているだけに,一通りバランスよく点検していくことも重要なのではないかと思う。よって,公募委員のことだけを書けばいいというものではない。
 例えば「住民投票制度の調査研究」という項目は,これだけ世の中が変わった以上,審議会として市民に報告する必要があると思う。様々な項目をすべて点検しながら,その中の一つとして市民公募委員を特化することはあるかもしれないが,バランスもあると思うので,それぞれ報告書の書き方が部会によって違ってくるし,報告書の中にもそういったバラエティな部分がでてくるだろうと思う。
 提案書の作成に関してだが,市役所の担当者が提案書の原案を書いて,我々がそれをオーソライズするというやり方ではなく,内容がつたないものであっても委員全員で書くという方法をとりたいと思うし,特に公募委員の皆さん方には書いていただきたいと思う。その取りまとめ役を大島委員にお願いしたいと考えているが,そういう形で進めるというところだけ御理解いただきたいし,御約束いただきたいと思う。
 資料5についても,今の段階の案なので,皆さんでイメージを膨らませていただきたいと思う。それぞれの書き方が上手にまとまるようにしていきたい。
ただ,市民参加推進計画が達成されたかどうかで市民参加は評価するものではない。評価をするのではなく,市民参加推進計画の具体的なアクションプランを書くという,むしろこの先につなげる新しい道を提案していくことにしたい。


<乾副座長>
 この章立てそのものも,もう少し変えた方がいいと思っているのだが,提言を書くと同時に,このフォーラムの中で学んできたプロセス,市民として大事な知識を得た話だとか,あるいは経験の中で気づいた話だとかを大切にしたい。私はフォーラムに参加していて,市民公募委員さんが語る話にすごく刺激を受けていて,素晴らしいなと常々感じている。徐々に勉強を重ねてきたうえでの生まれる発言なので。そのプロセスを入れたほうがいいのではないか。「公募委員とはこういう形で成立していくものだ」ということを示す意味でも,非常に意味があるのではないかと思っている。提案書にはそのような部分が是非欲しいと思う。
 また,公募委員の方々も「この提案がどこで受け止められ,どこで使われるのか」といったところは知りたいはずだから,そこまで踏み込んだ答えの出し方,受け止め方がいるのではないかと思っている。せっかくまとめた提案書がプロジェクト推進室の本棚に並んでいるだけでは余りにも寂しいので。


<宗田座長>
 皆さん気づいていると思うが,市役所だけに提案するものではなく,市民の皆さんにも提案していくものだ。そもそも市民参加を推進していくうえで「提案」という形がいいのかどうかもわからない。


<乾副座長>
 どういう提案の出し方をするのか,それがどのような効果を生むのかというところまで議論しないといけない。


<宗田座長>
 通常の審議会は,市長から諮問を受けて答申をするといったように,市長が権限を持っている行政行為を行うに当たって提案を述べるのだが,この市民参加推進計画の点検作業に関しては,「誰のために点検するのか」,そしてその結果を「誰に提言するのかと」いうことが非常に本質的な問題になってくる。そういう意味でも,提案のあり方,提案の書き方というものも,是非皆さんと考えていきたいと思っている。
 それでは傍聴者の意見をお伺いしてみたいと思う。

 

<主な傍聴者の意見>
・公募委員は気後れせず積極的に会議に参加していくべきだ。
・様々な立場の方の意見が聞けて嬉しかった。 ほか

 

 

4 その他
  特になし。

 

5 閉会  
<宗田座長>
 それでは本日はこれで閉会とさせていただく。委員の皆さん,御協力ありがとうございました。
 
 
 
 

 

お問い合わせ先

総合企画局 政策推進室 市民参加推進担当
電話: 075-222-3178 ファックス: 075-213-0443

フッターナビゲーション