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京都市市民参加推進フォーラム第6回会議 摘録

ページ番号35265

2022年6月28日

 

日時:平成16年3月30日(火)午前10時~正午

 

場所:京都国際ホテル 愛宕の間

 

出席:京都市市民参加推進フォーラム委員12名(川名委員,不破委員,米丸委員は欠席) 傍聴者:10名

 

 

1 議題

 

(1)平成15年度の市民参加の取組について
ア 京都市政出前トークの実施結果について・・・資料1(ページ末に掲載)
イ 電子会議室「みやこeコミュニティ」試行実施について・・・資料2(ページ末に掲載)
ウ 市民参加情報カレンダーについて・・・資料3(ページ末に掲載)
エ 市民活動総合センター


(2)これまでの市民参加推進フォーラムの総括について
・これまでの市民参加推進フォーラムの取組について・・・資料4(ページ末に掲載)
・市民参加推進フォーラム自主研究会:今後のフォーラムの役割と機能を考える・・・資料5(ページ末に掲載)

 

1 議論等

 

(1)西島座長あいさつ
 委員の皆さん,傍聴者の皆さん,お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
 今日は,最後にまとめとして,総括的なあいさつをさせていただきたいと考えている。ある意味フォーラムの第一段階が完結して,いよいよ第二段階に入るという節目の時である。よろしくお願いしたい。
 では,議題に入る前に,高木副市長からあいさつをお願いしたい。

 

(2)高木副市長挨拶
 市民参加推進フォーラムは,平成14年8月に第1回目を開催し,今回で6回目を数えるが,市民参加に力点を置いて行政を進めることになったのは,平成13年1月に京都市基本計画を策定したことがきっかけである。
 それ以前は,市民参加というと行政がこういうまちをつくっていくために市民の皆さんのお力をいただきたい,というものだった。現在の基本計画における市民参加とは,いろいろな計画を作り,実行し,それでよかったのかを見直し,また新たな計画を先に進めていく,そのどの段階においても,市民の皆さんに参加をしていただいて,よりよい行政を進めていく,より大きな成果をあげていこうということである。
 それを受けて平成13年度に策定した市民参加推進計画を実行していくためにこのフォーラムを設置し,皆さんに様々な御意見,御提案をいただいてきた。これまでご尽力いただいた座長の西島先生,土山委員,木村委員,小井委員,小林委員,松本委員,この皆さん方には今回の会議をもってご退任いただくが,本当にお世話になり誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 これからいよいよ市民参加の第2ステージに入るが,市民参加を進めるしくみは,まだまだ,市民の皆さんの手が届くまでにはいっていないと思う。NPOの皆さん方にも市民活動総合センターを活用していただき,育ってきてはおられるが,まだまだこれからである。京都市も,さらに地道に,着実に,「市民参加のカタチ」,市民参加のしくみづくりを築き上げていきたい。
 皆さん,ここでのご論議に留まらず,それぞれの立場で市民参加に興味を持っていただいてご助言いただければ大変ありがたいと思っている。今後ともよろしくお願いしたい。

(3)議論
議題1 平成15年度の市民参加の取組について
事務局から報告
ア 京都市政出前トーク
 今年度は,各局・区から12のジャンルに,160のテーマを設定し,12月22日から1月31日まで受付を行い,出講は,1月19日から2月29日まで行った。申込は17件,実施したものは13件だった。参加人数は合計560人(平均43人),平日昼間5件,平日夜間3件,休日5件であった。
 参加された方からは,「自分たちの生活と,行政がとても身近であることを感じた。」「とても良いことだ,これからも利用したい。」などという意見があり,概ね好評であったと思っている。この他,「積極的な広報をして欲しい。」「時間が短かった。」など出前トークをより良くするためのご意見もいただいたので,検討していきたい。
 出講した職員からは,「行く前は緊張したが,真剣に聞いていただき,喜んでもらって自信になった。」などといった感想が寄せられた。
 平成16年度は,4月,5月に出講テーマの調整,パンフレット及びテーマ集の作成を行い,6月から受付を開始していきたい。
イ 電子会議室
 今年度は,8月1日から,運営体制等の点検や会議室議事運営内容の検証等を目的として,7つの会議室を運営し,試行実施を行った。
 発言の事前確認の仕組や,本名での発言などを参加の条件としていることから,若干発言が少ない状況だったので,本名発言でなくニックネーム発言も行うことができる会議室の設置を検討するなど,活発な意見交換が行われるよう,今後とも様々な工夫を図っていきたい。
ウ 市民参加情報カレンダー
 昨年8月1日から実施しており,審議会の公開や,パブリック・コメントなどの項目やキーワードによる検索などが可能である。これまで,既に260件以上の情報を提供しており,市民の皆様から8千件以上の閲覧をいただいている。今後とも市民の皆様の市政への参加を一層進めるため,市民参加情報カレンダーによる積極的な情報提供に努めていく。
エ 京都市市民活動総合センター
 「ひと・まち交流館 京都」の一施設として,平成15年6月23日に開所した。その後の利用状況について,センター来館者数は,お盆及び年末に実績が減少したものの,その後は増加している。また,印刷室利用件数も増えており,市民活動総合センターを拠点として,活動されている団体が増えてきている表れと思っている。
 今後とも,初心者から経験者まで幅広い市民や市民活動団体等を対象とした事業を展開するとともに,コミュニケーション・カードの設置,アンケートの実施など,施設の知名度向上と利用者のニーズの積極的な把握に努め,事業に反映させることにより,施設の利用者増に努めていく。

 

西島座長
 このうち,電子会議室について,運営委員会委員長を務められた宗田副座長にご報告いただきたい。

 

宗田副座長
 電子会議室については,ここにおられるフォーラム委員の方々や,進行役の方々にいろいろご協力いただき,丁寧に作ってきたつもりだが,今ひとつふるわなかったというのが正直なところかなと思う。問題は,システムやテーマなどいろいろあるが,そもそも電子会議室という仕組が新しすぎて,どうすれば参加していただけるのかがよくわからなかったという反省点が大きかった。ニックネーム発言の是非,発言内容の事前確認についても議論をしたが,どうもニックネーム発言が大きな問題ではない,ということがわかった。発言の事前確認については,試行実施において事例がなかった。
 また,電子会議室には,「市役所ひろば」と「市民ひろば」というのがあって,「市役所ひろば」は行政課題を議論しあうもので,この試行実施でやってきたことである。「市民ひろば」についてはもっと自由に市民の皆さんに意見を交換してもらうもので,これはまだ着手していない。設置したテーマの一つ「YOUTH?VOICE」は,若い人に自由に議論して頂いて,という「市民ひろば」的な内容だったが,その他は,京都市が計画を策定するに当たり意見をいただきたい,という趣旨で設定したものが多く,それらがあまりふるわなかった,ということである。
 積極的な市民の参加があって初めて「パートナーシップ」ができるのだが,市役所の提供する情報と市民の皆さんの感性が合ってないようだ。
 また,進行役の皆さんには,大変がんばってもらったが,進行役の根本的な役割を考える必要がある。京都では,いろんな組織でいろんな世話役,コーディネーターが活躍している。電子会議室の場合,テーマで進行役を選んでしまうと,解説はできるが,参加をあおったり,皆さんの心をつかんで一緒にやりましょう,ということはなかなかできない,ということもある。電子会議室で進行役をやっていく難しさを痛感した。
「分散する市民」というか,市民の皆さんは,それぞれの場所で一生懸命がんばっているが,どちらかというと,分散して,一つにまとまる方向になっていない。多様性を認め合うところまではいっているが,それをまとめるため皆で一緒に議論しよう,というのはまだまだできていない。
 電子会議室は,今後も続けていくべきだと思うので,いろいろがんばっていきたい。

 

西島座長
 ありがとうございました。
 ここで,新しく委員に加わっていただいた石原委員をご紹介したい。

 

石原委員
 京都青年会議所は任期が1年となっている関係で,これまでお世話になった平井誠一氏が日本青年会議所の常務理事ということになり,私が,本年度副理事長ということで,1年という短い期間であるがお世話になる。よろしくお願いしたい。

 

西島座長
 宗田副座長から電子会議室について自らに対する厳しい報告があった。取り越し苦労もあったし,これからよくなるきざしははっきり見えている。一方,電子ネットワークは蚊帳みたいなもので,蚊帳の中のものと蚊帳の外のものは別世界ということで,それぞれ進んでいく傾向がある。
 今日のような,皆に来ていただいて聞いてもらう公開のフォーラムというのはありがたいと思う。これからいよいよ芽が出る電子会議室ということで,がんばっていただきたい。
 これまでの内容について,委員の皆さんから何かご意見は。

 

松本委員
 市民公募委員として,たくさんのことを勉強させていただいたと思っている。
 出前トークは,これからPTA活動を通して声かけをして,来ていただいて面白いテーマを探して申し込んでいければと思う。
 電子会議室は,最近パソコンを使うことが多いが,積極的に参加できなかった。行きやすいところとしては,「2ちゃんねる」がおもしろい。あそこまでいかなくても,京都市の電子会議室もどんどん意見を書き込めたら,言葉が集めやすいのではないかと思う。突然「電子会議室」と言われても遠い。ツリー形式になっていてもどこまでさかのぼれば自分がその話題についていけるかが難しい。2ちゃんねるは,コーディネーターがいなくても答が返ってくる。市政なりの枠があってもいいと思うが,若者の使っているものに近い形で,やりやすさ,アクセスしやすさを考えていけばいいのでは。今後,電子会議室を考えていく際に,アクセス数の多いところで使われているツールが参考になるかと思う。

 

浅野委員
 出前トークを申し込んだが,「よかった」という感想を持っている。この4月から,京都市に全盲の職員が採用されるが,その方に京都の状況をお知らせしたいと思ったときに,出前トークを併せて実施してみた。道路の状況や市のバリアフリーの取組を教えていただき,皆も勉強になり,交流会がうまくいったと思う。16年度は6月から受付開始ということだが,またやっていきたいと思う。
 出前トークのような,インフォーマルな市民との交流の場は意義があると思うので,細かくこういうことをやりながら,市に親近感を持っていただきながら,緊張感を持ちつつやっていかれてはどうか。
 電子会議室も,そういう顔の見えるところからやっていけばいいと思う。インターネット上だけでなく,フィジカルな人と人との交流も大事にしながら第二段階をやっていければと思う。

木村委員
 2つの観点からお話したい。一つは,これからの市民参加推進フォーラムについて,もう一つは公募市民についてである。
 まず,フォーラムについてだが,市民参加が起こってきた時代背景について,じっくり見ていく必要があるが,これは懇話会提言に集約されている。第1回会議でこの資料をいただいていたが,私自身読み込んでいなかったので,提言,計画は座右の銘としてこれから取り組んでいきたい。
 西洋的な考え方と伝統的な考え方が合わない部分があり,それが試行錯誤で進んでいっているのではないか。また,中央集権化の形が崩れてきて,市民社会を構成する市民のあり方が大きく変わってきたが,それをよりよい方向にもっていくのが市民参加であると思う。
 また,市民参加が市長のリーダーシップで始められた。この大きな激動の時代には,自分の言葉を出していくことが時代を動かすよい方法になるのではないかと思う。
 自主研究会でもお話したが,計画55項目の取組のうち,市政への参加,市民の自主的なまちづくり活動の支援と,最後に情報の公開・提供となるが,先の2つに併せて補償基盤を大きくする必要があるのではないか。二本柱ではなく三本柱,情報公開だけではなく,政策評価と市役所の体制づくりについてこれからもっと大きく議論して頂いて,行政と市民のパートナーシップ,信頼関係を築くような視点でこれから論議してほしいと思う。
 公募市民に何が期待されたかについては最後に話す。

小井委員
 私も公募委員としてお世話になったが,出前トークについては,正直残念という感想がある。突然こういうテーマで出前トークやります,と言われ,電子会議室がありながらそれが機能していなかった,ということが残念です。
 電子会議室についても,進行役の問題が難しかったと思う。学術性,専門性で参加されている方がいるが,私は市民の立場で話してきたつもりであり,接点がなく,折り合いがつかない難しさを感じたことがあった。そのことについて,市民活動総合センターが立ち上がったが,そこで自分自身を生かせていけるか期待している。

宇戸委員
 フォーラムに参加させていただいて,市民公募委員の皆さんの積極性と新鮮な御意見にはっとさせられることが何度もあった。私自身もランドスケープデザインをやりながら,使い手側,市民の立場で環境を考えていくよう心がけてきていたが,いろいろ気づかせていただいた。フォーラムに参加させてもらって良かったと思う。
 今日御説明いただいた取組を見て,京都市の市民参加が進んできた,と思っている。交流館の中にセンターができ,活動される方が作業するスペースが確保できたことなどがすごく大きいことだと思う。
 第1ステージが終わってこれからどうしていくかということだが,センターのような場所もできたし,種がまかれてどういうふうに花を咲かせるかが次の段階かなと思う。座長が最初におっしゃったように,市民の側の問題意識をどういうふうに育てていくか,考えていかないとこれらの取組が生きてこない。市民の問題意識をどう発掘していくか,自分が何かやるという気持ちに自然になっていくにはどういう環境作りが必要か考えていきたいと思っている。

小林委員
 電子会議室運営委員をさせていただいて,手探りでさせていただいた。結構難しいというのが実感だが,初めてのものなのでそれが当たり前だと思う。ITの道具は,あくまでも電話や手紙と同じで,人と人との間をつなぐものであり,できるだけ顔が見える電子会議室になるよう,どう仕組みづくりをしていくかが今後の課題になってくると思う。
 自分なりに今後こうしていったらいいかなと思うのは,宗田副座長からもあったが,市役所ひろば的ではなく,市民ひろば的なやり方,例えば自分もNPOの活動をしているが,イベントでボランティアを集めているなど,掲示板として活用できるなど,市民と市民のつながり,団体と団体のつながりが広がるよう,市民の皆さんが主体性を持ってある程度自由に使えるようなものも必要ではないか。市役所ひろばは,市役所が勝手にやっているというイメージにとられがちなところがあるので,市民が運営していくというほうがとっつきやすいと思う。自由さを持っていっていただきたい。
 情報公開から評価までの間に,情報共有というのを置き,そこに電子会議室を持っていってほしい。進行役も重要な役割であり,たとえば有名人にやってもらえばPRになるなどが考えられる。せっかく作ってもらったしくみなので,どんどん進化する電子会議室にしてもらいたい。

 

西嶋委員
 このフォーラムが,どういった機能を成しているのか自分自身で懸念を持っている。2年間委員をやって,満足感が全くない。今報告のあった出前トークにしろ,電子会議室にしろ,それ以上に,市民が自ら積極的に,以前より活発に活動をされていると思う。その中で,フォーラムの役割は何か。フォーラム委員が企画立案して何かやったのか。何もやってない。
パートナーシップ推進室が,懇話会から提言のあった取組を実行し,それらに対し,評論家的な意見を出すだけでは,第2ステージに行ってもその役割が果たせるのか。今まで以上に市民参加を推進していくにはどうすればいいか,議論を重ねて,それを成功していくように導いていく,修正も加えていくのが我々の役割であると思う。何ヶ月かごとに集まって報告されて,ということでほんとにこれからの2年間いいのか,と思う。
 例えば,去年9月に市民参加ガイドラインの作成,この1月に市民参加推進レポートの作成と,事務局は大変な作業だったと思うが,中身を見たらよく似たものが作られている。フォーラム委員が議論した結果がここに出ているわけではなく,感想を述べているというだけである。財政難の折り,我々が市民レベルで意識を高めて京都市のお金を使わないでよりよい京都市にしていこうというのがあるべき姿だと思うが,こういうところにお金を使うのがいかがか。
 他の部署の審議会がやっている従来のパターンを改革していかなければならない。新しい時代に対応できるような審議会のあり方について,このフォーラムから変えていかなければならない。審議会のやり方が変わっていくことが我々の役割である。そのあたりをもっと議論したい。

 

木村委員
 行政は計画に沿って着実に歩んでいるが,枠に留まらないようにしてほしい。幅広い観点からフォーラムを見てほしい。市民から見れば政治不信があり,行政には身構えがある。西嶋委員の心配されているような思いを皆共有しているので,行政の方がそれをどう受け止められるか,というところである。市民参加検討プロジェクトチームに入られた職員の一口コメントでは,2名の方が広い目で見ておられたが,その他の方は,大変だ,仕事が増えるという本音の部分が出ている。フォーラムは,硬く考えず柔軟にやっていただくよう行政にお願いする。
 フォーラム委員に若い方が選ばれているのは,京都市の審議会を変えていこうという意図が見えると思う。公募委員に何を期待されるかだが,市は,公募委員を通して,市民の方がこういうことを考えているということで,モルモット的に勉強材料として公募委員を見ておられるのではないかと感じている。私なりに,公募市民としてこれだけの実績を残せば今後に影響を持つのでは,と思いいろいろな勉強をしてきた。公募市民は,どんどん遠慮されずに自分のパーソナリティーを出していってほしい。

西嶋委
 木村委員とちょっと違うのだが,まず市の方々に行政批判をするということではなしに,事務局がすごく気を使っていると思う。先生方も我々にものすごく気を使っておられる。我々は,先生方や行政の言いたいことやりたいことを,勇気を持って発言し,実行していくべきである。市民からの声で進めていかなければ,行政の声で進めるだけではこれからの時代はうまくいかない。市民として,業界もそうだが,意識を変えなければならない。4月になってからやる方がいい事業も,助成金をもらうには,該当する年度が3月で終わるため,3月中に事業をしなければならないというケースがあるが,そういったしくみを事業がしやすいように変えていき,無駄になるようなことをなくしていかなければならない。
 お金を出すと行政もやっている気になるのかもしれないが,もっと地道にやっておられるところもある。

木村委員
 これだけ財政が逼迫している中,行政は予算で仕事しており,大きく市民の目からメスを入れるのが大切である。これから,市民参加の取組だけではなく,都市もインフラ等予算を使うところに,市民の意見を取り入れるということが大事である。予算を執行して書類を作って,今年も役所の仕事が終わったというような時代ではない。これからの委員の御活躍に期待します。

宗田副座長
 メスを入れるのはいいのだが,難しいのは,メスを入れると縫わなければならないということである。新しいことをやっていくのはいいのだが,具体的に何をするかを考えると難しい。メスを入れることに躊躇すべきではないが,その前にどこが悪いか見極めてからメスを入れ,開いている時間はできるだけ短くしなくてはいけない。それを市役所に考えろ,という言い方をぼくら委員がしてはいけない。
 委員に見通しがたたないことを市役所が思いつくわけがない。それをちゃんと責任を持って議論できるフォーラムにしたい。かなり議論を重ねていかないと言いっ放しに終わってはいけない。

長谷川委員
 木村,西嶋両氏の手厳しい意見を聞いていたが,話をちょっと戻すと,平成14年から各行政区でも区基本計画推進組織が立ち上がり,ホームページでも紹介されているが,そうした推進組織の情報がフォーラムに入ってきていない。フォーラムと似ている部分が多々あるように感じる。電子会議室の中にも,「これからの区役所を考える」というテーマがあったが,内容を見ると,行政区での取組の方が進んでいるようである。情報の共有が必要である。
 何か問題提起があればフォーラムで出して,電子会議室なりで議論していく,ということをしていければいいのではないかと思う。この2年間,これだけのことをやってきたので,少しずつ修正していけばもっと充実していくと思う。

西島座長
 京都市基本計画を策定する際,同時並行で各区基本計画を作ったが,その際,もうワンクッションおいて,市の計画,各区の計画,そして市民参加推進計画と進めてもよかったのではないか,という気もする。

土山委員
 2年間,大変勉強させていただき,御礼を申し上げたい。京都市に来てまもなくこの委員になったが,最初は地域の事情も知らないうちに何ができるかと思いながら,入ったからにはニューカマーとしてがんばろうと,いろいろさせていただいた。勉強会については,幅広く受け入れていただき,また私が思っていた以上に評価していただき,楽しんでいただき,喜んでいる。いろいろな勉強をさせてもらった。研究会が3回あった分の報告を後でさせていただくが,活発に議論していただき,大変面白い審議会に関わることができたというのが率直な感想である。ありがとうございました。

  

議題2 これまでの市民参加推進フォーラムの総括について
事務局から説明
 これまでの市民参加推進フォーラムの取組について,2年間のできごとを時系列で書いている。(以下,資料読み上げ)

西島座長
 すべてはこれからである。
 これを見て思い出すのは,フォーラムのシンポジウム「市民参加推進条例を考える」というのがあったが,そのあとはやっていない。またシンポジウムみたいな形式で,新しいテーマでやってはどうかと思う。
 また,先ほど批判のあったレポートの書き方をどうするのか。区切りをつけるためのものだが,出版の間隔や内容などについて,今後検討していく必要があると思う。

土山委員
 自主研究会について報告する。有志の集まりであり,フォーラムに対して正式な位置づけがあるわけではないが,第一期を終了するに当たり,機能と役割を考えてみようというものだった。この内容をどう扱うかについては,来期の方及び今期と来期を継続される方に,今後,議論していただきたいと思う。
 自主研究会の議論の結果や条例勉強会について,また何らかの形でまとめさせていただければ,と思っている。
 今回の自主研究会では,第一期が終わるに当たり,どんな消化不良があり,どんなところがよかったかを考えた。最も広範に見られた意見は,具体的な課題を扱うざっくばらんな議論の機会の確保が必要ではないか,自主研究会のようなものが継続してできるようなしくみが必要なのではないか,ということであった。
 形式については,広く参加してもらえるようなものにするとか,具体的な政策について議論するラウンドテーブルのようなものを,などの意見があった。こういう形にすべきだという明確なものがあったわけではなかったが,内容についても,各局の市民参加推進委員に来てもらったり,出前トークなどの新しいしくみについて,フォーラムも関わっていくとか,多様な意見が出た。
 フォーラムは,もっと積極的な議論を展開して,「健全なうるさ型」としての機能を果たせることがいいのではないか,という意見も出た。電子会議室についてもいろいろ意見が出たが,運営委員会があるので詳しくは申し上げない。可能性としての電子会議室のツールを広げていく試みが継続的に必要だろう。個人的には,後半の方でなかなか関われなかったので申し訳なく思う。
 「ツナギ」という言葉が,自主研究会でたくさん出てきた。市民と市民をつなぐ,あるいは行政と市民をつなぐことの重要性,それはフォーラムだけではできないが,こうしたツナギ役が増えることが京都市の市民参加が広がっていくことにつながる。テーマ型と地縁型などこれまで連携してこれなかった部分,あるいは家族と地域をつなげるような,多様なツナギ役が必要である。フォーラムも,そのツナギ役の一つとなることを目指していくべきではないか,という議論があった。これをどう具体的にやっていくか,市の中にある多様な問題を提起すること自体を担えるようなフォーラムになることが期待できるのではないか。
 一期から二期につないでいくということで,フォーラム自身も市民参加推進懇話会が前身にあり,二代目という位置づけができると聴いている。前身の議論については,十分に検証されていなかった。一期から二期には積極的に提言を作って引き継いでいけるのではないか,と期待している。各委員から「市民参加とは」「フォーラムとは」という意見もいただいたり,資料にまとめて発表していただいたりしたので,自分でも納得いくまとめができたと思う。
 市民参加推進フォーラムが発足した一期は,様々な取組や制度が作られていった時期である。何か制度を作るときの審議会というのは聞くが,その制度がうまく運用してるかどうか,活用を担うという大変珍しい審議会の部類に入ると思う。制度の整備ができてきたので,第二期は制度の活用が期待されるのではないか。そのためにも第一期の成果をつないでいただいて,「機能するフォーラム」としての輝きを発揮していただければと思っている。参加してくださった皆様に御礼申し上げる。

西島座長
 非常に早い段階で,勉強会の話を出していただいた。フォーラムの中での議論と,勉強会での議論と,先を見ながら相談していく必要がある。つないでいくフォーラムということである。10年前,ボランティア活動やNPOは,ちょっと距離をおいて見ていたが,この10年間ですごく変わった。京都はその変化の最前線であると思う。
 第二期に入るが,私は退任するので,座長を宗田先生にお願いしたい。

宗田副座長
 座長ということに関してはずっと固辞してきて,他の方を探していただいていたというのはあるが,こういうことになったのでがんばってやっていきたい。
 このフォーラムでは,一人一人の個性が発揮された。土山先生の学識と,各委員の個性的な経験がぶつかりあった面白い議論が展開したと思う。
 市民参加の推進では,従来の学識が役に立つものではない。具体的なアクションを起こす必要がある。市民参加推進レポートの中身は我々が作るべきである。出前トークがあれば我々委員も出て行って,いろんな団体の話を聞いていく。公開フォーラムも開いていく。退任される公募委員の方には出前の場を設定していただいたらと思う。出前レクチャーではなく出前トークなので,その場で自由な意見を引き出していってはどうか。壁を打ち破るには現地に出て行って,みんなの意見を聞きながら進めていく必要がある。

西島座長
 それでは,退任される皆さんから一言ずついただきたい。

松本委員
 意見を言う機会を与えていただいたことに感謝している。聞いていただくだけでなくそれを広げていただいて,先生方には感謝している。生活していく中で気づいたことは,家庭や子どもを守るのに必要なのは安心して生活していけるまちづくりが必要だということ。地域で何ができるか考えていかなければならないし,これからも関わり続けていきたいと思う。

土山委員
 1年間留学でアイルランドに行く。アイルランドは,自治体行政がはっきりしているわけではなく,市民がやっている部分があるが,そうした自治の形に興味を持ち,勉強したいと考えた。
 フォーラムではいろいろ勉強させていただいた。自主研究会の呼びかけについては,1回目と2回目では呼びかけるプレッシャーが違って,2回目は来ていただけると思っていた。学識とは何だろう。年齢的に若いということで,きれいごと言う人間も必要だろう。
議論させていただき,研究者としても勉強させていただいた。今後,一人の市民としてフォーラムからつないでいきたい。

 

小林委員
 2年間ありがとうございました。そんなに興味がない中で,自問自答しながらやってきたところがある。そんな市民の目線で意見が言えたら,と思っていた。
 いろんな人がいっぱいおり,話し合うことが大事ということが分かった。意見のキャッチボールだけではなく,時にはドッジボールもしながら,思いをぶつけていくことが大切である。
 メールマガジンで「プロジェクトXの裏側」というのを読んだが,そこに「プロジェクトXは現代の成果主義では成功しなかった」とあった。
 この時期には何をしなくてはいけないか,こうするにはどうしていこう,といろいろ試行錯誤しながら皆で考えていければと思う。

小井委員
 2年間ありがとうございました。現場の意見を言っていたが,聞いてもらえる安心感があった。かわされたり,ぶつかったりして楽しかった。
 委員をやってきて思ったことは,自分はここで議論する人ではなくて,現場で動くのが合っているということである。フォーラムにどう関わっていくかは分からないが,自分でメスを入れたことに対し,何をやっていけばいいか,考えていきたい。以前,電子会議室の議論について「薬味の入っていないうどん」と言ったことがあったが,自分は,フォーラムの薬味であり続けたい。

 

木村委員
 西嶋委員の意見にいつも大変同感している。市民公募委員として,このままさようならではもったいない。若い方がこれから中心になれる社会が必要であり,できれば引き続き,関わっていきたいので,6ヵ月後を目途に何らかの形で呼びかけ,(仮称)市民参加推進市民会議を立ち上げて,個人で動くより組織として動き,若い方を育てたいと考えている。個人的には,3年半くらい前にまちづくりの組織を立ち上げたが,その時は一人で白紙から作り出した。既存の組織に乗っかってしまい,若い方を取り込めなかった。フォーラムでの勉強をこれからも生かしていきたい。

西嶋委員
 高木副市長の挨拶にもあったが,2年という任期で終わられるのは分かっていたが残念である。自主研究会の呼びかけなど,フォーラムにおいて各委員をまとめてもらった土山委員については,一年間おられないということではだめなのだろうか。インターネットで世界はつながっているのではないだろうか。ずっと帰ってこられないというのではだめだろうと思うが,帰って来られてからでもそういった役割を果たしてもらえないものかと思っている。

西島座長
 第2期が始まるが,若い力にがんばっていただきたい。私はこれで退任するが,楽しく勉強させていただいた。市民というのがわかってきた。

事務局
 2時間半近く御議論いただき,ありがとうございました。西嶋委員,土山委員,宗田副座長,木村委員などの皆さんから,適切なご意見をいただいたが,運営に稚拙なところがあったと反省している。意見を噛み締めて,今後,ご相談させていただきたいと考えている。「市がモルモット的に」というご意見があったが,前回の会議で出前トークを提案して,ああいう反応があるとは思っていなかった。フォーラムの運営を通して,今の行政の進め方のレベルを見ておられるのかなと思う。他部署もがんばっている。ネットワークや区の役割が大事になっている。
 2年近くお世話になった退任される委員の方々,ありがとうございました。また引き続きお世話になる委員の方々,よろしくお願いします。

西島座長
 パートナーシップというのは時間がかかるものである。今日も大変有意義な議論ができた。これからもがんばって下さい。委員の皆さんも傍聴の皆さんも,長時間ありがとうございました。

 

 

*資料

 

資料1・・・京都市政出前トークの実施結果について

 

この度,市民の皆さんの身近な場所に直接出向いて市政についての説明を行い,市政に関する理解を深めていただくとともに,これからのまちづくりについて共に考えるきっかけを作ることを目的として,平成15年度の「京都市政出前トーク」を下記のとおり実施致しました。

 

 

1 内容
 市民の皆さんの関心の高い施策・事業やまちづくりについて多様なテーマ(160テーマ)をあらかじめ設定し,これらのテーマの中から,聞きたいテーマを選んで申し込んでいただき,テーマ所管課の担当職員が出向いて説明するものです。


 

2 実施期間
受付:平成15年12月22日(月)から平成16年1月31日(土)まで
出講:平成16年1月19日(月)から2月29日(日)まで


 

3 実施件数
13件
参加者総数 560名


 

4 出講日時
平日昼間実施:5件
平日夜間実施:3件
土・日実施:5件


 

5 受付区等
各区・支所受付:3件
パートナーシップ推進室受付:10件

 

<今後の予定>
平成16年4月及び5月にテーマ照会・調整等を行い,6月から受付を開始します。
※ 今後,毎年度,6月から翌年2月まで実施する予定です。

 

 

資料2・・・電子会議室「みやこeコミュニティ」試行実施について 

1 目的
 基本的な運営システムについての機能や体制の検証等を目的に,市民参加推進フォーラム委員及び市役所関係職員等を参加者として,平成15年1月から3月まで「試験運用」を実施したが,今回は,運営体制等の点検や会議室議事運営内容の検証等を目的として,市民の参加により,試行実施を行う。

 

2 概要
(1)実施期間
平成15年8月1日(金)~平成16年3月15日(月)

 

(2)会議室のテーマ
会議室名         設置期間   登録者数(人) 発言数(件)

 

電子会議室を考えよう   8/1~2/17    48       119

 

電子会議室を考えよう  2/18~3/15   36       24
(ニックネーム版)

 

ストップ ザ 温暖化    8/1~2/29    32       122

 

これからの区役所を考える 8/1~ 9/27  20       56

 

YOUTH‐VOICE     10/24~2/29   13       73

 

もっと華やか京の商業   9/1~2/29   23       48

 

水との共生を考えよう   10/17~2/29   12       16

 

(3)その他
ア 広報活動
・市民しんぶん8月1日号及び12月1日号(いずれも全市版)に掲載
・京都市広報テレビ番組「京のまち」で紹介
・京都駅前電光文字表示板「駅前電光ニュース」で紹介
・市民活動総合センターメールマガジンに掲載
・京都高度技術研究所(ASTEM)及び大学コンソーシアム京都にリンクを作成
・各進行役,テーマ所管課から関係者,知人等への周知
等を行った。

 

イ ページデザイン
ページデザインの変更について,ボランティアの御協力を得て修正案を完成。来年度の本格実施スタート時から変更する予定。


 

資料3・・・市民参加情報カレンダーについて

 

1 概要
 「市民参加情報カレンダー」は,各局区等において進められる施策や事業についての市民参加の情報を,インターネット上で,月ごとのカレンダー形式により,迅速かつ総合的に提供し,市民参加を一層促進するためのもので,平成15年8月1日から運営を開始している。

 

2 提供する情報
  市が主催,共催又は後援等を行い,市民の参加が求められる事業で,市が事務局となっているもの及び市長が特に認めるものの情報を提供する。具体的には,以下のとおりとする。

 

(1)審議会等の開催情報
(2)審議会等委員の市民公募情報
(3)パブリック・コメントの実施情報
(4)シンポジウムやワークショップ,まちづくり活動等の情報
(5)その他の市民活動情報

 

 

3 工夫した点
 市民が閲覧するに当たっては,本市のホームページである「京都市情報館」トップページに,「市民参加情報」という入口ボタンを設けており,市民に閲覧していただきやすいように工夫している。
また,市民参加情報が月ごとに一覧で表示され,個々の事業名をクリックすれば詳細が表示されるようにしている。
 さらに,検索機能を設けて,「審議会開催」「委員公募」「パブリック・コメント」などの分野別検索やキーワード検索で,知りたい情報を得られやすくしている。

 

4 掲載件数
(1)月別情報件数(3月20日現在)
15年  8月  34件
15年  9月  38件
15年 10月  36件     
15年 11月  40件
15年 12月  43件
16年  1月  41件
16年  2月  45件
16年  3月  49件     計326件
※複数月にわたって実施される事業については,複数回カウントしている。

 

(2)分野別情報件数(3月20日現在)
・審議会など委員公募        22件
・審議会等開催           116件
・パブリック・コメント実施       14件
・まちづくり活動            11件
・その他(イベント開催案内など) 103件    計266件

 

5 アクセス数(3月20日現在)
15年   8月  1,705件
15年   9月  1,364件
15年  10月  1,214件      
15年  11月    926件     
15年  12月    841件 
16年   1月    873件
16年   2月    718件
16年   3月    495件     計8,136件

 

 

資料4・・・これまでの市民参加推進フォーラムの取組について

 

平成14年8月7日
市民参加推進フォーラム第1回会議開催
9月~11月
自主勉強会(市民参加推進条例<5回>)
10月7日~11月15日
市民参加推進条例案大綱(素案)へのパブリック・コメント実施
10月20日
市民参加推進フォーラムシンポジウム「市民参加推進条例を考える」開催
11月
フォーラムニューズレター「みやこ協働通信」第1号発行
12月17日
市民参加推進フォーラム第2回会議開催
平成15年1月~3月
電子会議室「みやこeコミュニティ」試験運用
3月
フォーラムニューズレター「みやこ協働通信」第2号発行
4月24日
市民参加推進フォーラム第3回会議開催
6月23日
市民活動総合センター開設
7月30日
市民参加推進フォーラム第4回会議開催

8月1日
市民参加推進条例施行
電子会議室試行実施(~16年3月15日まで)
市民参加情報カレンダー運用開始
9月
フォーラムニューズレター「みやこ協働通信」第3号発行
12月15日
市民参加推進フォーラム第5回会議開催
12月~2月
京都市政出前トーク実施
平成16年1月
市民参加推進レポート発行
2月~3月
自主研究会(これまでのフォーラムの取組等<3回>)
3月25日
電子会議室運営委員会拡大会議開催
3月30日
市民参加推進フォーラム第6回会議開催


 

資料5・・・市民参加推進フォーラム自主研究会:今後のフォーラムの役割と機能を考える<フォーラム委員作成>

 

 市民参加推進フォーラム委員の有志により、今期のフォーラムの活動を振り返り、次期フォーラムの役割や機能について議論する機会を持った。
 議論の詳細については、各回の記録を参照されたいが、そのなかでいくつか特徴的な提案があったので、来期のフォーラムの活動の参考として、ご報告させていただきたい。

 

●具体的な施策、課題、論点について「議論する機会」を
 もっとも広範にみられた意見は、市政や市民、市民活動に関連して、具体的な議論が委員のあいだでなされることが必要であり、その機会を確保したいということであった。
 前年度、同様にフォーラム委員のうち有志によって自発的に行われた市民参加推進条例の自主勉強会についての評価が高く、こうした機会を継続的にもち、多様なテーマについて議論するようにしてはどうかという提案である。

 

 形式については
・委員有志による自主研究会
・委員有志に前任委員有志も含めた、より広く参加が可能な自主研究会
・議員も参加してもらえる「政策ラウンドテーブル」のようなもの。
・定期的、継続的な開催。月1回程度?
などの意見がでた(これらの要素をすべて満たすべきという意味ではない)

 

 また、内容についても、多様なアイディアや提案があった。
・参加する有志でテーマを決め、具体的な政策課題を議論する
・(昨年度の勉強会で時代祭や子育てサポート制度についてやったような)現在京都で実際に行われている価値ある市民活動の掘り起こし
・各局の市民参加推進委員に来てもらい、局の取り組みを聞く
・「待ち」の姿勢でなく、具体的積極的な課題を見つけ「攻め」の議論を
・(出前トークのような)新しい仕組みについては、こちらから聞くだけでなく、担当課からの相談という需要もあるのでは
・施策などについて(市と市民、NPOなどから)賛否が別れる意見を聴取する
・市営駐車場のプリペイドカード、100円循環バスなどの個別の具体課題なども
・市がこれまでにもつ委託や各種団体参加の制度などの現状や課題
などの意見があった。

 

 形式や内容については自主研究会で一致した一つの提案となったということではないが、「有志による、京都市政と市民参加にかかわる具体的な課題・施策・取り組みについて、自由に議論する機会を継続的につくること」は、参加者の一致した意見であり、提案としたい。

 

●電子会議室について
 また、現在試行されている電子会議室についても、意見が交わされた。
 現状、見えない層を盛り上げていく難しさについても指摘があったが、同時に、「担当者は異動で変わってしまうが、そのテーマについての変わらない窓口になりえる」「パブリックコメント以前の気軽な(実現を保障しない)意見徴収の場として使えるのでは」「具体的な課題をあつかって市民の生の声を聞く」「市政への参加と市民どうしの情報交換ができる場として」といった可能性と今後の活性化について期待する意見があった。

 

●「つないでいく」フォーラム(1)~市民・行政・フォーラム
 フォーラムが目指すべき機能や役割としては、多くの委員から、「ツナギ役」ということばで表現されていた。
 フォーラムの役割としてあがったものだけではないが、市政をとりまく、行政・市民・多様な市民活動主体をめぐって、多様な「ツナギ」についての要望があった。たとえば、(市民の提案が生きるように)縦割りになりがちな行政内部の組織と組織とのツナギ役、(単にPR役ということではなく、課題の指摘や提起を含めて)行政と市民とのツナギ役、市民と市民とのツナギ役などがあげられた。市民と市民との間のツナギ役、という意味では、本質的に対立するものではないはずのテーマ型の市民活動と地縁型の市民活動が分離しており、市政への市民参加にとっても課題のある状況が話題となり、両者をつないでいく必要性が指摘された。また、これまで「地域」に入ってこなかった市民層(たとえば若いお母さん層)が、地域やまちづくり、市政にかかわっていけるようなツナギ役あるいは窓口などが必要との意見が多くみられた。
 こうした「ツナギ役」としての機能を果たすことは容易ではなく、仕組みの面でも具体化しにくいところもある。もちろん、フォーラムだけがこうした役割を持つものではないが、こうした「ツナギ役」が多様に生まれることを期待し、フォーラムも「市民参加推進」という面で、その一助を果たすことをめざしていくべきとされた。

 

●「つないでいく」フォーラム(2)~「つぎ」への継承
 また、1期から2期へ「つないでいく」ことについても多くの意見があった。
 フォーラム自身も、市民参加推進懇話会の提言からつながった「二代目」「起承転結の承」という位置づけができる。しかし、一方で、そうした前身の議論や意見、委員がとりくんできた「想い」などが十分継承されず、「ゼロからやり直し」となっている面もある。
 1期から2期の転機にあたっては、こうした研究会や提言をいかし、入れ替わりになる委員からの「ツナギ」を土台として、フォーラムに蓄積されていくようなつながりのかたちが期待された。

 

 委員からは、当初持っていたイメージや使命感が変わってきたこと、主体的なかかわりの必要性について意見が多くあった。「市民参加」がもつ大きさや、委員としての自分の役割について、それぞれの総括があった。第1期を通じて委員それぞれが得られた感覚や意識、考え方を今後につなげていきたいという声が多くみられた。
 市民参加推進フォーラムが発足した第1期では、市民参加推進条例、庁内体制、電子会議室、ひとまち交流館、出前トークなどの制度が具体化して実現した。前身にあたる提言やそれをもとにした市民参加推進計画の役割がこうした制度の設計、フォーラムの第1期が制度の整備にあたったとすれば、第2期では制度の活用が期待される。そのためにも、フォーラムがその機能を十分に発揮できるように、第1期の成果を「つないで」いくことを提案したい。 

 

 

お問い合わせ先

総合企画局 政策推進室 市民参加推進担当
電話: 075-222-3178 ファックス: 075-213-0443

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