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京都市市民参加推進フォーラム第3回会議 摘録

ページ番号35262

2022年6月28日

 

日時:平成15年4月24日(木)午後3時~5時10分

 

場所:京都市国際交流会館 第1・第2会議室

 

出席:京都市市民参加推進フォーラム委員13名(宇戸純子委員,川名マミ委員は欠席) 傍聴者:9名

 

1 開会 (人見パートナーシップ推進室長)

 

 昨年12月17日の「第2回会議」以来,約4ヶ月ぶりの開催となりますが,この間,委員の皆様には,市民参加推進条例案を検討する勉強会,電子会議室運営委員会並びに,電子会議室の試行実施における進行役として,精力的にご活動を頂き,誠にありがとうございます。この場をお借りしましてお礼を申し上げます。

 

2 西島座長あいさつ

 

 これから第3回市民参加推進フォーラムに入りたいと思います。天気があまりよくないのに傍聴に来てくださった皆さんありがとうございます。

 初めに,昨年12月の第2回から4ヶ月の間にやっていただいたことについて報告,感想,意見の交換を行い,時間があれば今後の進め方を相談させていただきたいと思います。
市民参加推進条例について,我々としてはいいものができたと思っても,それを市民の皆さんが進めていこうという時に,市民参加を真正面から受け止めて市の行政に反映させてもらうためには,地方自治というものが幅をもって判断し,動けるような数字も必要である。進めていくうちに,少しずつ克服しないといけないような問題点がでてまいります。
最初の議題,「電子会議室の試験運用及び試行実施について」から始めていきたいと思います。電子会議室につきましては,副座長宗田先生を中心に大変熱心に進めていますので,後で発表してもらいます。まずは,事務局から説明をお願いします。

 

3 議題

 

(1)議題説明
ア 電子会議室の試験運用及び試行実施について
(報告 事務局)‥「資料3」(ページ末に掲載)参照
イ 市民参加の平成14年度の取組状況及び平成15年度の取組について(報告 事務局)‥「資料3」(ページ末に掲載)参照

 

(2) 議論
ア 電子会議室の試験運用及び試行実施について


西島座長:運営委員会は常時メールで会議を開いていただいております。宗田さんから報告していただきます。

 

宗田副座長:運営委員会の委員長を務めさせていただきました。運営委員会はまさに市民参加ですが,委員の皆さんの積極的な参加で委員長はなにもしなかったという現状です。
この電子会議室は,市民参加の場をインターネット上に設けるということで時間と場所に制約されることなく,市民参加の機会を拡大しようとするものです。京都市の地域でまちづくりをされる方あるいは各種団体等を通じて市政に発言される方がおられる反面,少々おこがましいとか仕事が忙しいとかいろんな理由で市民参加できないという方もこのインターネットを通じて会話をすることができます。
京都市の人口は65歳以上の高齢者,55歳でピークとなる団塊の世代,30歳がピークである団塊ジュニアと大きく3つに分けられます。最初の2つは比較的市民参加の機会がありますが,3つめの団塊ジュニアとこの3つに入らない世代の方はなかなか発言する場所がない。
そこで昨年秋から他の自治体ですすめている電子会議室の事例をみることから始めました。たいへんおもしろい議論が行われ,京都でもやってみようと始めましたが,実際やってみるといろいろな困難なことがあり,藤沢市は上手にやったものだと感心して,簡単に見えて実は難しいということを痛感しました。
電子会議室に行かなくてもメールを開けば,皆さんの意見が届いているので,積極的に発言してくださる方もおられる。試験運用の期間,進行役は多くの時間を割いてくださいましたが,労力をかけた割に問題点が見えてこなかったということが事実です。どのようにすれば発言が活発になるのか。また,それほど恐ろしいことは起こらなかったので,何かあったときどのような問題になるのかわからないということがあります。
今後やることは3つあり,1つは参加しやすい環境作りと不規則発言をどう防止するかということ。例えば本名で発信するのかニックネームで発信するのか,また本人であることをどの程度まで認識していけばよいのかということ。しくみと同時に個人情報の保護という観点から,発言内容に関して事前に検査したものをインターネット上に公開するのか,それとも外部に書き込んでいただくのかということもずいぶん議論されましたが,これも大変難しい課題です。このほかに,電子会議室を始める前から議論していることですが,ページのレイアウトや会議室のタイトルや,今はもう出ていますが進行役だけでなくサポーターがいないと議論はとても活発にならないということです。
2点目はルールとしてかっちりしたものを作って示すほうがいいのか,それともソフトに「マナーですよ」とかあるいは電子保護社会のエチケットをみなさんにご理解いただけるようなしくみにするのか。今後規制して制限することなく,マナー,エチケットというものでうまく積極的に皆さんの善意でできるようにしたい。電子会議室であるだけにこのマナー,エチケットをどう意識していくかということが大事です。
3点めは運営上の課題として,審議会だけで運営できるのか,今回熱心にご参加いただいた方たちの時間をどうするか,進行役にどういう器量がいるかなど,いろいろ議論する点があります。「電子会議室を考えよう」という会議室の他に,今ご紹介した「YOUTH・VOICE」,「お京ちゃん家の食卓」,「ストップ ザ 地球温暖化」とそれぞれ3人の進行役にお願いして進めてきましたが,会議室をおもしろく盛り上げていく支援をどうしていくかということが大きな課題です。6月からいよいよ試行実施に入るわけですが,この試行に当たりまだ解決すべき点がありますので今後ともご協力いただきたいと思います。

 

西島座長:アンケートにもありましたが,進行役というのは大変ですね。進行役をやっていただいた方のご意見をお願いします。

 

小林委員:進行が大変です。狭い中でいろいろなことが書かれており,その中で顔は見えませんが,文脈から表情がだんだんわかってくるような気がします。それをつなぐパートナーシップができるような進行役がいたらいいと思いますし,そういう方はそれが快感になってやめられないようになり,そういう人が増えてくるような気がします。それは年齢に関係なく自分の生きてきた人生のスキームの中でつないでいく可能性があります。

 

西島座長:進行役がおっしゃったように,パソコンの中で顔が見えないけれどもだんだん気持ちがお互いつながっていくというのは新しい意見ですね。浅野さん何か意見ありませんか。

 

浅野委員:進行役とは,三角形の頂点でみなさんをうまく調整していく役と,公園のおじさんおばさんという感じで皆さんが楽しく腹をわって話せるように,ちょっと技術が足りなければサポーター的な形で進行していく役,コーディネーター的な形にもっていく役といろいろな進行のパターンがあると思います。
試験運用1ヶ月の中でパターン化できませんでしたが,進行役についてどうしたらわかってもらえるのかということを考えることができました。発言しない人もむしろメールの文化を学習した期間ではなかったかと思います。この期間100人くらいなので,何百人単位となると,進行役は何通りあるかとか不規則発言に対してどうしたらよいのかという話になりますので,本格実施ということになると数人程度の進行役グループができてくるとかなりいいものになるのではないかと思いました。

 

西島座長:どうもありがとうございました。はじめから,問題点を考えて勉強会をしようということでやっていただきましたが,実際始まってからの論争で何か?

 

土山委員:勉強会は5,6回くらい行い,その中では,条例をめぐっていろいろ議論するような企画をとりましたので,ひとまわりして終わりました。自主的な参加ですが,私のほうがかえって勉強させていただくというような貴重なご意見を聞けてありがたいと思っております。

 

長谷川委員:私が進行したのはわずかで終わってしまいましたが,いろいろ話を聞いていると自分の頭の整理がつかなくなる。それをどのようにまとめていくかというところで苦労しました。やはりこれでは自分はどうもついていけないという感想をもち,もう少し勉強しなければと思ったしだいです。

 

西島座長:浅野さんの話にもありましたが,あまり進行ということを意識してまとめていくというやり方をすると難しいようですね。一緒に話していくということからだんだんもっていくというのはどうでしょうか?

 

土山委員:これは電子会議室の運営委員会でも話していましたが,新しい部屋ができても何ヶ月か数年単位かその会議室の展開によって成熟度もでてくるので,ゆっくりとペース配分を考え,慣れてくると徐々に早くしていく。あるいは最初の立ち上げた時はぐいぐいとひっぱって飛ばしていく。ただ,うまくいかないとリズム,話題のようなものに見えるかもしれない。やんわりと楽しい話題であったり,非常にセンチな問題だったりするので,そういうテーマと進行のカラーは何パターンか見えてくるかと思います。

 

西島座長:はじめにルールかマナーかエチケットかという話がでてきましたが,整理をしていきましょう。理想的にいけばエチケットが共通部分になるのでしょう。

 

土山委員:電子会議室に一緒に参加できなかった方もいらっしゃいますので,ご報告かたがた感想をのべさせていただきます。まず自分の関心事の話題提供の場であり,緊張して会話できる勉強会であったので,とても楽しかったです。電子会議室はこういうものというイメージがあったので,「今日は何を食べたか?」というような日常レベルの感覚で電子会議室に参加ができるといいと思い参加しましたが,実際に参加すると小林さんがおっしゃったように,「昨日の人何言った?」というようなことを見ることで,あの人何か怒っていたのだということがわかるということはいやです。参加する中で感じたことは,たとえばこれは男性と女性のどちらが書いているのか,役所言葉と日常レベルで書くのではどちらが使われやすいのかというようなことで会話レベルが違うこともあり,どれがよくて悪いのかということを定義づけることはもったいない気がします。また,不規則発言については,言葉尻だけでとらえて,不規則発言ではないかという意見があった場合,確かにそれが不規則発言,あるいは人権にひっかかる言葉であるかもしれません。それを進行役やいろんな人が止めてしまうのではなく,「そういう発言で傷つく人はいないでしょうか」と誰かが茶々をいれることにより,気づいてもらうやり方があってもよいと思います。

 

西島座長:不規則発言をきつくしばってしまうと,あれも言えない,これも言えないとなることをまず考えなければならないということは非常に不幸な状況ですね。1つのやり方でいって,それから別のやり方でいけばいいと思うのですが。

 

木村委員:まったく同感です。日本人はだいたい対話が苦手ですが,今回電子会議室なので文字による対話です。現在対話の仕方は直接会って話をする方法と手紙で話をする方法と2つありますが,将来的にはテレビガイドで音声,顔が見られるようなものができると思うので,今がちょうど過渡期だと思います。そういう面で,日本人は外国語の勉強でもリーディングとライティングは得意ですが,リスニングとスピーキングは下手です。それがこの電子会議室で1つの運試しといいますか,会話になるのかなあということで,画期的なシステムだと思います。前回の運営委員会で発言したのですが,やはりIT格差というのが生まれるのではないかなあと思います。

 

西嶋委員:ITは電子会議室が初めての経験で,言葉では10分で伝えられることが,文章にすると3,4時間かかってしまいます。皆さんの意見を自分の好きな時にみられるということは確かにいいことだと思います。ただ,私と同じように他にも苦手な人がいると思います。本当に説得したいような話をしたいときは体面をおして拍手しないことには絶対私はあわないと思っております。ただそれを使うためのきっかけにもなりたいと思いますし,また,匿名ということになればその会議室でない部分での相手に伝える方法があればいいと思っております。もう1つは,ある会議室を見ていますと,何かとり残されているようなところがあります。入りたいけど入れない,今ここで入ってしまうと…と何か町内会で取り残された気分になり,そうこうするうちに終わっている。誰でもが入りやすくなるような仕組があるほうがいいと思います。

 

米丸委員:前回試験運用の時にあまり参加できなくて大変申し訳ございませんでした。それぞれのテーマで熱心に議論されていたメッセージもありましたが,ワークアクティビティーに関わっていなかったので最後はメールを見るだけで終わってしまったという状況です。
先ほど宗田先生がおっしゃっていましたが,電子会議室は24時間どこでも見たりサービスしたりできるので,少し油断すると議論はあっという間に進み,終わってしまうこともあると思います。今後電子会議室が本運用になり,参加者が増えていくとますますそういうことが起きて,一晩であらぬ方向を向いているということがありうると思います。
そうすると進行役の役割が非常に大切になり,自分がリードするのではなく,何かあった時に軌道修正するというように,議論自体はユーザーの自由な展開にゆだねられるということにならざるをえないのではないかという感じがします。
電子会議室だけでなくて,いただくメーリングリストもそういうものだということを経験しておりますので,できるだけ自由な意見を尊重し,規則は例外的な時に初めて問題にすればよいので,そういうものは必要最小限であったほうがいいのではないか。自由な議論の中で軌道修正がうまくいけばいいのではないか。しかし,ユーザーの数が増えると不規則発言を超えて名誉毀損や他人の営業を妨害するような書き込みも出てくるかもしれないので,そのように行き過ぎた場合は委員会のほうで迅速に対応できるような訓練を今後実施しなければいけないと考えております。会議室自体はユーザーをあらかじめ登録することになっているので,いざという時の責任は個人が問われることになりますが,そのような問題が出てくることに備えて周辺整理しておいた方がいいと思います。

 

西島座長:会議室の将来ということで,自由な議論は,できるだけルールは最小限にしてしかもあまり脱線しないようにという具体的な意見をいただきました。

 

平井委員:ぼくは運営委員にはなっておらず傍観ばかりしていますが,匿名の方が半透明でいろんな意見を言いやすいと思います。もともと電子会議室は市民の交流という部分と市政への参加という部分のどちらの方向に進んでいるのでしょうか。市政に対する意見や提案がとりあげられるという実例がでた場合,市民の意欲は増してくると思いますが,取り上げようと思えばある程度根拠があり提案者の姿が見えている中でも,取り上げていなければ取り上げられないというものです。その試みだけでいくと,楽しく終わればいいというルールでよいと思いますが,市政参画という部分でいくと,本名でいくなりルールを持ってやっていくべきだと思います。その分け方も目的に応じてルール決めのある部屋と交流だけを楽しむ部屋という2本立てがあってもいいのではないかと思います。

 

宗田副座長:中には辛口の意見も出るわけですね。その辛口の意見の場合に匿名で言ったほうがいいのか実名で言ったほうがいいのかということは深刻な問題です。

 

西島座長:言われたほうは実名のほうがこたえますね。

 

宗田副座長:実名を出さないほうが勝手なことが言えます。

 

平井委員:最近私も市役所のいろんな部署の方とお話する機会が増えてきました。この電子会議室のお話は広く皆さんにチャンスを与えられているので,私達は名刺交換もしているので,反対にその覚悟があってもいいと思います。ただ私はパソコンが得意でないので,会話をキーポイントと考えております。大事な話をするときは大事であるということを伝えておくべきだと思います。確かに楽しむような部分もあるようですが,そういうものは趣味の世界で進めばいいのかなあと2つの部屋にしたらと思いました。

 

西島座長:市民参加推進フォーラムの市民とはどういうものと行政は考えるのか。市民という個人なのか1人1人の意見を幅広く集めてそこから全体の意見を判断するということが行政にあると思う。こういう意味での市民参加にするのか。あるいは本当の意味での協同を築くのか。そのときには市民を消して1人1人でなくそういう意思を表明する1つの力をもつまでになってきます。内容的にも数からも視点がないかという。市民参加というものは今おっしゃった中で市民交流か市民参加かというようなお話もありましたが,条例の問題でもその辺ははじめからその議論をしているとなかなか進まないものですから,時々立ち止まって議論する必要があると思います。

 

不破委員:私は新聞社に勤めておりますので,読者から記事に対しての批判や意見をメール等でいただきますが,これまでの印象では,匿名で批判される方は言葉が汚いしきつい。住所氏名を書かれておられる方は批判であっても責任を持って批判されている。 
それから,話の内容によってつきつめていくべきものもありますから,読者のページ,家庭面のページでは,掲載は匿名希望でもかまいませんが,住所氏名はきちんと記入していただくということにしています。ネットでそういうことは可能なのでしょうか。
京都市の他の委員会も参加させていただいていますが,たばこの害等について市民の健康委員会ではたばこを追放すべきだとしています。健康づくり懇談会でパブリックコメントをかけると,かなりたばこ商業関係の方から反対意見がくる。このように市民の意見を求めるようなものでも特定の業界や利害関係者から反対意見が来ることもあるでしょう。
まったく自由な形にすることは,現実的には大変だと思います。自由な形で意見を望むべくはやはり実名のほうが不規則発言は少ないと思います。しかし匿名でも言いたいという人の,それももっともだという場合の人の権利はどうすれば可能かという技術的なことはわかりませんが。

 

西島座長:新聞を毎日作っておられる方の意見,確かに読者のページといいますか扱い難しいということはありますね。寄稿と投稿とありますが,それは頼んで原稿を書いてもらうのが寄稿で,自分から送ってくるのが投稿ですか。

 

不破委員:そうですね。そのほかに電話の問い合わせもあり,毎日のように誰でもいいから自分の話を聞いてほしいという方の電話を取ったりもします。そういう面もありますので現実を見ていきたいと思います。

 

米丸委員:先ほど不破さんご指摘の投稿は匿名でもいいから,住所,氏名を明らかにして意見を載せるということは当初から事務局は意識的にきちんと検討されております。ニックネームで発言する場合も事前に登録しなければならないので,自由に発言はできますが,その所在に責任が問われますし,どういう人かはあらかじめ把握しているので,よくインターネットの掲示板でまったくの匿名で住所氏名もわからずに自由に議論できるところもありますが,そういうところとは違いますので,非常に事務局は考えておられると思います。

 

松本委員:この会議室では事務だけで,登録はさせていただいていますが,一度も発言できなくて大変申し訳ないのですが,何人か参加した友人からお話を聞いたところ,最初の登録で戸惑った人もおり,そのような会議室を立ち上げてほしいけれども個人情報のからみでやりにくいという意見がありました。性別,年齢など前情報を隠した状態で参加できるので,自分の意見だけでイメージしてもらえるということが,この電子会議室での利点だと思う。自分のイメージを作ってもらうためのニックネームで迷ったという意見もあります。
進行役が誰に対してものを言っているかわからないと,井戸端会議と同じように発展性のない会議になりかねない。進行役への意見というように,どこかに必ず届くという方向性のあるものであれば,もっと自分の意見を書き込みやすかったという意見もありました。
また,今後,IT講習会や小中高の学校で,このような会議室に参加してみようと推薦された場合,何百倍,何千倍となって返ってくることもあると思います。そのときに進行役が対応できるのかと,時間的にもそのような問題がでてくるのではないと思われます。

 

西島座長:ニックネームは他人がつけるのは簡単ですが自分でつけるのは難しいですね。みなさんどうもありがとう。時間がないので「電子会議室の試験運用および試行実施について」はこれくらいにし,これから今年度の試行実施も近づいて参りますので,また改めてやりましょう。

 それでは議題2に入りますが,「市民参加の平成14年度の取組状況および平成15年度の取組について」ということでまず事務局から説明してもらいます。

 

 

イ 市民参加の平成14年度の取組状況及び平成15年度の取組について

 

西島座長:平成14年度から15年度にかけて,確かに市民参加の準備がたくさん出てきた時期です。何かご質問ありませんか。

 

不破委員:確認ですが,市民参加推進条例はもうできたのでしょうか?素案でしたでしょうか?

 

事務局:まだできておりません。議会に提案はしておりません。

 

不破委員:いつ頃の予定ですか。

 

事務局:もともと市民参加推進計画の中で14年度中を目途に制定に努めるということでしたが,庁内の状況を含めて昨年度の2月市会には提案できませんでした。できるだけ早い議会に提案したいと現在庁内,庁外の手続きを行っております。

 

不破委員:条例の大綱案の中に,市は市民と協働でこういうことをやっていきます,市民もこういうことやります,とありますが,市民の動員条例のようなものになっていないか,あくまで自発的な意志に基づいてということが欠けているようなので気をつけたほうがいいと思います。

 

西島座長:非常に大事なご指摘です。条例の素案をもとにシンポジウムを開き,市民と行政という中で市会,市会議員の役割は何かということでディスカッションは終わりました。議員の皆さんにとっては市民の声が聞きやすく,しかも市会で活動のエネルギーになるという見方と,そうでなく行政と市民が直結している市会が市民の地域の代表という役割はどうなのかということで,市会と突っ込んだ話を早くして,できれば14年度中という話が進んでいましたが,市民の自発的意思と条例となると市会で煮詰めてもらわないといけません。そのあたりが,市民参加のあり方と条例の手続きの問題では,多少ずれがあると思います。だから征服していくべき部分がだいぶあると思いますが,実際に進む前に少なくとも改めて,最後の段階で原案を皆さんに読んでいただき,このフォーラムのメンバーとしていろんな意見を聞くことは必要だと思いますし,今すべき意思というようなものをどのようにもっていくか,今の協働という中で社会契約的な方向でいくということと,市民参加の根っこにある意欲が少しずれている感じがします。

 

宗田副座長:国民あるいは市民の自由,先ほどから話題になっている市民は京都市民ではなく市民社会の市民という政治的な意味を加えると,一定市民社会プラス政治として2面ある。自発的に市民としての責任を果たすということをある程度再確認したうえで市民社会を作っていくという趣旨が条例の中に込められていたと思いますし,他の自治体の参加条例もそのような趣旨で市民の責務ということを確認していると思います。
今西島座長のおっしゃったシンポジウムを実施した時に,長さんが「参加の反対の言葉は何か。」というお話をし,委託や市民から信託を受けた議会,ある部分に対して委託,信託をし,ある組織,それが上局,議会にまかせるということになります。したがって委託するか,議会に参加するかという選択は常に市民に残されていますが,無関心でいることが許されるかというとそうではないだろう。参加する,信託するのが京都市全体のことでもあるし,もっと小さな地域社会(町内会,学区,行政区)の場合もあるし,もっと京都市より大きな京都府,日本のような場合もある。そこで選択をしながらがんばってるという自覚をもってもらうということと,市民参加推進の確認事項としたのではないかということが条例の中に込められていたと思いますので,全員参加ということは常に信託,委託をしていただいてかまいませんが,行政はそれができるような信頼がついてほしいわけです。しかし,我々の急速な変化の中で,行政の志が変わっていくうちに,市民の多くの関心を集めて参加を仰いで,よりよいものをつくっていく。その結果また信託,委託が発生するという仕組みが必要となっていくということをお話しておきたいと思います。

 

西島座長:参加の意味はシンポジウムでお話しましたが,具体的な条例の制定にいく前にグランドビジョンというこれから京都市はどうしていくかとそのあたりからぐるぐるまわっており,市民参加にしても何にしても,信頼ということが今の世の中でこれからどう確立していくか。その中で参加,協働はできるのか。そこまでいくと,グランドビジョンを最後まとめるときに,一番中心に信頼をおくよりも,いかに信頼を積み上げるかということでまとまったということを思い出します。

 

不破委員:趣旨に反対しているわけではありませんが,選挙では棄権が権利としてあります。私たちも新聞で「棄権しないようにしましょう」とうたっていますが,有権者にとって棄権は認められないかというと,そうではないと思います。ただ,そういう意味では,京都市が何かのアクションを起こしたとき,こんないいものをやっているので参加してほしい,市民の利益に関わるものだから賛成でも反対でもアクションを起こしてほしいと働きかけることも大事だと思いますが,みんなが何かしなくてはいけないということになると動員条例になりかねないと思います。言葉の上だけかもしれませんが,条例はそれなりのしばり,使いようによっては力を持つものなので,慎重になったほうがいいと思います。

 

西島座長:土山さん何か。

 

土山委員:勉強会の中でも,市民とは何か,参加とは何か,なぜこの条例が必要なのかということが繰り返し議論になり,自由な時に必要な手段で気軽に参加するという大前提のもとにかなりこだわりがあり,逆に参加する人がいないと参加しない人はそういう人なんだと思われるというようなことがありました。同じ京都市という社会に同じ時間に存在するという意味での市民とはどういうものかということも議論されて,やはりどこでもこの輪が課題になりそれは強制されるものではないこれらの趣旨の背後にあるものをきちんと整理できるようにならないといけないということが勉強会の中でも言われていました。先ほど座長がおっしゃいましたように,正式に出る前にオフィシャルな面を含めた問題を改めてフォーラムの中で検討する時間が必要だと思う。

 

宗田副座長:私も勉強会によせていただいていますが,議論以外でちょっと気になることがありましたので申し上げたいと思います。私は専門が都市計画,その工学ですから,橋を架ける,架けないから議論が発生します。多数決で決めるのが一般的ですが,できれば反対意見をたくさん言っていただきたい。橋や道路の架け方にしても,それ1つしかないわけではなく,反対される方の不利益を最小限にするような研究努力をしています。
できるだけ多くの意見を聞きよりよいものを作るという前提がありますので,できるだけ棄権せずに,もちろん選択的に棄権もありますが,無関心による棄権もあるわけで,その案に対しての考え,どういう利害関係が発生するか,どういう意見をお持ちかということを教えていただきたい。そうすることでよりいいものができるという理想主義かもしれませんが,賛成よりも反対意見の方に積極的に参加していただきたいと思います。
だから大政翼賛的にみんな参加して賛成せよということを言っているのではない。たった1人の重みというものがあれば,ぜひでてきてご意見を言っていただきたい。そのことが全体を非常にいいものにするかもしれないと思っております。

 

小井委員:条例の勉強会で市民とは何かと議論していく中で,結論が出なかったというか,ほんと時間切れでというようなことがあり,みんなどう思ったかが,単にのってないままに議会に並べられたとかそのまま実際に行ってしまう部分があったことがあると思いますが,どういうものか議論はしたがだめだったということもあって,だめなことについて,無力だと私も思うこともあって,みんなでこの部分を宿題にしたりしてもやはりわからないとか,実際行政の人と場所を貸してもらって,いろんな人と共同で勉強会をやってきた中でも,わからないというのがありました。それを公募委員はどこに伝えたらいいのか,ここでしか伝えることができなくて,ここの場は公開で,見るか見ないか市民の方々がどう判断されるかわからないけれども,少なくとも行政としては歩み寄りというものもあり,ここで発言する場を与えられたということに関しては,私の世代は恵まれていると理解しています。「条例ができてそれで終わりか」と反発する人もいれば,いろんな意見を言う人もいて,そういう意味では必ずし動員だ,というものではないだろうし,私はそれでは行政が1番困られると思いますが,それがこけたらどうするのかということを心配されているということがあると思います。市民から見ると,不安で行政がゆれていると思うと,参加したり,意見を言ったり,感覚で言えることを許されて参加しやすいのではないかと思います。勉強会があったり電子会議室に参加させていただいた中で,私が1番感じたところです。

 

木村委員:15年度の計画4番の市役所出前トークの運営で,今実際にお話された実践面でかなりの危惧のある取組だろうと,どうもパートナーシップ推進室では見込を持ってされていると思いますが,市民と直接対話される部署の方は重いなという反応が出てくると思います。私の予想は普通の市民はありていにして最初に呼んでください。意見を交換しましょう。まず,意見を言われる方の半分は役所に対しての要望や不満がほとんどです。対話的な,建設的なものは期待しにくいし,推進室の方はあまり期待を持たれないほうが,あとの喜びが大きいと思います。ある新聞で小さなコラムに「選挙を味方に」というみだしがあり,選挙に当選させない人にも×をつけるような制度にしたらという意見もありますが,投票率に出ているように約6割の人が政治について無関心である。これをどうするかということが我々フォーラムの役割でもあると思います。15年度で勉強してみたいのは,市民参加を推進するうえでの第1条件は何か,人,組織はどうかということについてです。人はいろんな意欲を持って参加されますが,経営学者が人が意欲をもつ根底にあるのは生理的欲求や,自己実現がありますが,自己実現できるような担い手は非常に少数なので,それを上手に育てるという手法がフォーラムの長い道のりですが必要だと思います。

 

西島座長:どうもありがとうございます。大事な議論が次々出てきて大変よかったと思います。市民活動総合センターの総合は,いろいろな意味の総合が重なって総合になっている。すばらしいセンターができるという時に,このような考え方,哲学を我々のグループのような根幹が市民参加とか市民運動がどういうものかということを議論しながら,それに対する意見が電子会議室のようなところに入ると,意見が拡散することなく的を絞ることができると思います。その辺はこれから相談しましょう。今大事なところにさしかかっていると思います。

 

宗田副座長:先ほどの議論で,不破委員は十分お分かりでおっしゃったことを取り違えるような受け答えをしたので気になってまして,申し上げたいのは「市民の責務」というところが大衆動員をかけるようにとられるかもしれないということです。市民参加しなければいけないというように,1つの形を押し付けようとすると大衆動員のようにとられるきらいがある。
そこで我々は,福祉社会,地域社会における福祉の理想像化ということに関しても,どのモデルが一番いいかということがわからない状態でいろいろ試行錯誤し,実践活動を積みつつ,いいものを生み出そうとしている。総合施設のなかでお互いに理解し,認め合うという,その寛容さの上に立つインキュベーションが必要です。ただ,これはかなり大きな転換を伴うので,丁寧に時間をかけて説明しないと市民の方に理解していただきにくいかもしれないというのが不破委員のご指摘だったと思いますが,私もそう思うところであります。そこは総合センターもできることでもあり,単に統一ではない,インテグレートするんだ,認め合うんだということを繰り返し言っておかないと,市民参加の本質的な意味が損なわれる危険があります。大政翼賛会がこの1世紀の間にあったので,一人一人の個性を大事にような社会が日本にできているとは思いませんので,そのところは確認していく必要があると思います。

 

平井委員:市民参加推進条例の決定後を想像すると,市役所の各部署で今パートナーシップと言っているように,こぞって市民参加とやり出すようになる。今回市民活動総合センターができてNPOのように自立している市民活動団体はこういう総合センターの中でいろいろ情報交換をし,広く市民参加を遂行できると思います。
かたや市役所の各部署は担当しているイベントに対してボランティアをよく集めておられるが,そのように関わっておられる方々の横のネットワークはどこにあるのか?たとえば1つのイベントで,そこの企画・運営チームがボランティアを集めたのに,そのイベント自体が違う部署に行ってしまうと,自分のところのボランティアだから他課に行かれては困るというような話が,現実に起きようとしている。NPOや自立した市民活動団体はそういう意味ではチャンスに恵まれているし,いろいろな機会もでてきましたが,一個人として参画しようとしている人は情報が見えないという現実があるということを整理しながら,条例の制定に向けていかないとおかしいことになってしまうのではないかと思います。

 

西島座長:大変大事なことだと思います。今おっしゃったように,市役所の中の部局の総合的な運営のありかたは,本当の意味での市民参加を生かすようにしてもらわないといけませんね。シエナの場合,都市国家ができたごく初期は,各地区から選ばれた1人は地域市民の代表として,任期の間は家の仕事は一切してはいけないということで,市役所に泊り込みます。そして町や都市国家のためだけに自分の時間をささげ,一生懸命考えているので,行政はその人の言うことは天の声のように考えないといけない。広い意味で電子会議室が時代の特徴的な古典的な都市国家の市民参加にあてはまるのではないかと思います。

 

小林委員:電子会議室と市民参加の2とおりの言葉は,それぞれ違うのですね。それぞれ作っていくのが本当の市民参加ではないかと思います。「みやこ協働通信」の中で,青少年参画プロジェクトであるWACCORD(若人)の取材をさせていただきましたが,いろいろなところで京都市民が活動していることがわかりおもしろかった。今言っていることは昔からあったのではないか。同じことが同じ目的で違うところでやっている。それが1つの電子会議室をきっかけとしてたてと横のつながりをNPOや各種団体がいうことも1つですし,個人が大事だということも電子会議室にかかってくるかという意味で電子会議室は発展していく可能性があると思います。

 

西嶋委員:今回の統一地方選挙で行政もメディアも宣伝していく中で,6割の方が参加されなかった。権利はあるではないかとそこまでの議論をもっと真剣にできればいいなと思います。市民参加を推進していく上で,市政参加をしていただくということはどのようなこととつながっていくのか。私は行くことが義務だと思います。権利が先か義務が先かもっと真剣に話ができてより多くの市民参加につながっていけばよいと思います。

 

小井委員:市民参加というとき,どこまでが市民なのか。選挙と参加は権利や義務であると思いますが,たとえば選挙権のない人もいます。電子会議室ではいろいろな人に呼びかけましょうという一方で,国籍の違う人,成人でありながら選挙権のない人もいますが,その人たちは市民ではないということを明文化し排除するところから市民というものを考えていただきたい。ルールやマナーという中で一緒に考えていきたいと思います。

 

西島座長:どうもありがとうございます。きょうはすばらしい議論をできました。ますます総合センターの中のバックボーンをしっかり持っていかないといけないと思いました。今日はこのぐらいで終わりたいと思います。傍聴の方,今日は長時間どうもありがとうございました。
 

*資料

「資料1」‥「電子会議室の試験運用及び試行実施について」

 

1 実施状況

全体参加人数110名(平成15年3月28日現在)

 

会議室名  「電子会議室を考えよう」
担当課   パートナーシップ推進室
進行役   運営委員3名,フォーラム委員1名
開始日   1月20日
参加登録者数  71名
発言数   312
1日平均発言数  5.2件

 

会議室名  「YOUTH VOICE」
担当課   勤労福祉青少年課
進行役   ユースサービス協会職員
開始日   2月17日
参加登録者数 34名
発言数   62
1日平均発言数 1.9件

 

会議室名   「お京ちゃん家の食卓」
担当課   市民総合相談課
進行役   府立大学大学院生
開始日   2月17日
参加登録者数 25名
発言数   68
1日平均発言者数 2.1件

 

会議室名  「ストップ ザ 地球温暖化」
担当課   地球環境政策課
進行役   立命館大学教授
開始日   2月21日
参加登録者数  23名
発言数   30
1日平均発言者数  1件

 

2 各会議室での協議内容
・ 「電子会議室を考えよう」
(1)テーマ 「京都市電子会議室のあるべき姿とは?」
(2)内容
3つの期間に分けて,主要な話題について集中的に議論を行った。

 
ア 第1フェーズ(1月16日~2月8日)の議題
(ア)運用ソフトの全体の使い勝手
「発言と内容を掲示するフレーム割り」…横割りと縦割りどちらがいいか?
→人間の本能的に横に広い方が見やすいという意見が多数→横割りで修正。
(イ)デザイン面やアクセシビリティ面(画面レイアウト・フレームデザイン等)
「会議室トップページのデザイン」
・会議室一覧の見出しが分かりづらい。→説明をつける。
・イラストがさびしい,京都らしいものを→デザインを修正していく
「ボタンの位置と表現」
投稿記事の確認ボタンの位置や色を分かりやすくした方が良い。→表現を工夫するとともに,配置場所やデザインを修正
(ウ)分かりやすさ,親しみといった観点    
「発言タイトルの付け方」は,発言タイトルの先頭に内容が分かる語句を入れる→発言ルールとして採用

 

イ 第2フェーズ(2月9日~3月7日)議題
(ア)「電子会議室の未来を考えよう」
「電子会議室の目指すものは」
・なぜ電子会議室を開設するかという目的をしっかりすえる。
・新旧・老若の交流や多くの人のコミュニケーションの場という姿も公共の電子会議室の姿である。
(イ)「電子会議室を市民と共有するには?」~参加者激増戦略を練る!
「広報」について
・電子会議室広報ステッカーを作成する。
・ターゲットを絞ってアピールする。特に学生を呼びかける。
・インターネット講習会を利用して広報する。
→本格実施に向けて,具体策をまとめる
「市政への反映」について
電子会議室での議論が市政に反映されたという具体的な成果を見せることで,議論が活性化する。
雑談の会議室を設置する
発言のし易い会議室を用意して参加者を集める。その会議室から出た話題をテーマとして設定することも可能。
(ウ)この電子会議室のルールについて
「実名発言について」は,ペンネーム発言には良い面と悪い面がある。→個別の会議室の内容を検討して,運営委員会で判断
「伏字について」は, 無意味な多用はしないことをルール化する。

 
ウ 第3フェーズ(3月8日~3月20日)
(ア)「広報」については,広報用のステッカーを作成していく。(デザインを工夫)
(イ)「盛り上げる工夫編」では,全員で楽しめるようなオフ会を開催する。
(ウ)「どのような話題やテーマなら活発な意見交換が得られるか」
話題になっているテーマや京都らしいテーマ,情報交換やためになるテーマなどの視点から考えていけば。
(エ)「発言の仕方」
発言は結論を最初に書いてから,説明を行う
字数制限をルール化したら
(オ)「気楽な話題」を話してみようは,「電子会議室も会議だ!会議に関するあれこれ」について話題提供があった。
 

 

2 「YOUTH・VOICE(ゆーす・ぼいす)」
(1)テーマ 「若者の市民参加をどうすすめるの?」
(2)内容 「若い世代が行政やまちづくりに参画していく街に京都を変えていくには,どうしたらいいのか?」を市民レベルで考える場とする。
ア 「市民参加ってどんなこと?」か考えよう。
「町内会や体育振興会など地域団体への参加というルートも,市民参加の入りやすい方法では?」
お祭りへの参加も「参加」の一つのかたち。
若い世代からは,行政計画への意見をハガキで出して,それに「返事が返ってきたので参加した実感があった」という発言
イ そもそも何で若者の参加は必要なの?
若い世代自身が関わることについて,当事者として発言する機会がなく,行政だけで決めていると,上手くいかない。
ウ 何で若者は「参加しない」の?
「楽しくないから」,また,「受け身にならされてきて,自主的に参画していく楽しみを知らないのでは?」という補足意見もあった。
「市役所からの情報が少なすぎる」「市に参加しやすい仕組みがない」「“参加”しなくても何もしなくても毎日行政活動が行われているから・・・」といった意見が出された。
エ 若者の市民参加を進めていくためには
キーワードは「言って無駄にならないと思える参加のシステム」
「面白い」「楽しい」と感じたことは,友達にも波及していく。
「何らかの形で,行政と市民としての若者が共感しあえるような場があると良い」
「民間のビジネスプランコンテストのように,若者に関係のあるテーマでプランを競うコンテストをやり,優勝者には,そのプランを実施できるとか」
オ まとめ
 やはり若者の意見を反映させるシステム作りが大切ではないか。若者が述べた意見だからといって全部が全部素通りする,というのでは本末転倒なので,たとえば市議会に意見陳述をする場を設けるなり,何らかの目に見える形で若者の意見を表明させる場を作るべきではないか。
 若者の意見が聞きたいならば,京都に数多ある大学,高校にアンケートを行う,または代表者を出させるなどして若者の意見を抽出する方法を採るべき。
 市の側からも若者の職員が若者の間に入って話をし,意見を聞くような形の協議の場を持つことはできないか。
 行政と市民としての若者が共感しあえるような場があると良い。

 

3 「お京ちゃん家の食卓」
(1)テーマ 「食生活」に関する話題を出発点として取り上げ,最終的には市民生活に関する様々な情報の入手方法等の意見交換を通じて,的確かつ有効な情報収集方法を考えていく。
(2)内容
ア 第1ピリオド[2/17~2/28]
(ア)食材の再利用 ~環境にやさしい市民を目指して~ (生ゴミの肥料への活用etc)
再利用の前に,ゴミをださないという心掛けをする。キャベツの芯をどこまで食べるか,しいたけのいしづきをどこまで食べるか。再利用の前にも考えられることがあるのでは。
コーヒーを入れた後のでがらしで,生ゴミの上に撒くと脱臭効果があるとか大根の皮でシンクを磨くとピカピカになるとかの食材の再利用が考えられる。
パンの耳をパイ生地に利用
(イ)食生活がもたらす効能 (スローフード,より良い食材を求めることにより広がる行動範囲etc)
ファストフードとスローフードのどんなものがあり,どこが違うの。
地産地消の食べ物がスローフードでは。
私の考えるスローフードとは。
自家製燻製やお寿司もスローフードでは。
イ 第2ピリオド[3/1~3/10]
(ア) “中食”ってことば,知ってる? (お惣菜やお弁当の利用頻度,品目,その経済性etc)
デパートの地下で中食を購入。
カップラーメンは中食になるの。
(イ) 食品購入に関する情報交換(不当表示,賞味期限,栄養価,おいしさetc)
(ウ) 中食をめぐる今後の食生活のゆくえ(家庭料理はどうなるのか?)
ウ 第3ピリオド[3/11~3/20]
(ア)的確かつ有効な情報を手に入れるためには?
保健所が食品衛生の情報を提供。
(イ)行政(市)の情報は行き届いている?  
*特に意見なし。
(ウ)行政(市)と市民が相互に情報発信できる新しい形を考えてみましょう!
*特に意見なし。

 

4 「ストップ ザ 地球温暖化」
(1)テーマ 地球温暖化防止に関して,市民生活で取り組めることについて意見交換し,その取組促進のための情報発信に活用する。
市民生活からの二酸化炭素等温室効果ガスの排出削減策の参考にする他,来年度制定予定の地球温暖化防止条例(仮称)に対する広聴及び情報発信方法に活用していく。
(2)内容
ア 家庭において取り組める環境にやさしいライフスタイル及び見込める行動実践度について
エアコンを適正温度で使用する
スーツを止めて浴衣で仕事を
ノーネクタイ運動を広げよう
イ 自家用車の走行量の削減に向けた家庭での取組及び見込める行動実践度について
自動車の流入規制について海外での取り組み事例を紹介
京のアジェンダ21フォーラムで,都市型レンタサイクルの社会実験を実施
ウ もっと情報提供をしてほしいという声が聞かれるので,市民生活における取組促進に向けた情報発信方法について
* 特に意見なし。

 

試験運用の実施成果
1 試験運用の目的
運営上の課題を検証し,システムなどの技術的な課題に対応するため


 
2 試験運用により分かったことや改善点
(1)運営上の課題について
ア 運営委員会内での意思統一の難しさ
不規則発言などが発生しなかったこともあり,運営委員会内で試験運用についての活発な議論がされなかった。
(改善点)メーリングリストを作成するか,運営委員会専用の会議室を設置する。

 

イ 不規則発言の対処
不規則発言としては,他の発言者に対しての暴言が在ったが,進行役の差配で収まった。
(課題)不規則発言があまり出ず,不規則発言の事例サンプルを集めることができなかったため,どのような場合が不規則発言に該当するかの基準づくりをする必要がある。また,不規則発言が発生した場合の対処方法が確立されていないので,その対応シュミレーションを作成する必要がある。

 

ウ 進行役の役割
(ア) 適切な時間に適切な回答を行うことが困難であった。
(課題)進行役自ら答えるのではなく,他の参加者に続けて発言してもらう方法や回答が遅れる旨の返事をとりあえず書くなどの技術的なノウハウを確立する。
(イ) 協議された発言内容を適切にまとめることが困難であった。
(課題) テーマ設定にもよるが,それぞれの会議室で協議された内容を最終的にまとめていくことはかなりの能力が必要であり,どのようなスキルを持つ進行役なら上手くいくのかを検討する必要がある。
 また,進行役マニュアルを作成し議事のまとめ方の例などをづくる必要がある。     
(ウ)議事進行において具体的な議論の方向性を出せないことがあった
進行役の発言が抽象的な感想で終わることもあり,その後の発言に結びつかない例が見受けられた。
(課題) 上記進行役マニュアルの作成時に対応項目として記載する。

 

エ 市政への反映の明確化
各会議室の開設時に,どのように市政に反映していくかを明示するようにしたが,結果としてどれが反映していくのかが明示されなかった。
(課題)市政への反映結果を明示するページを確保する。

 

オ 技術・運営管理者の対応
システムの使い方に対しての質問が事務局に届くことが多く,本来の役割を果たせなかった。
(課題)質問用の会議室を用意して,そこから答えてもらうことや,専用のメールアドレスを明示する

 

カ 開発側と技術・運営管理者との連携がうまくいっていなかった。
事務局から技術運営管理者にシステムの使用について説明することが多く,十分な理解を得ることができなかった。
(改善点)顔を会わせてのシステム説明会を行う

 

キ 事務局の対応
運営委員会や技術運営管理者,進行役と連携が不十分であった。
(改善点)定期的な会議の開催など顔を会わせて意思確認が必要。

 

 

ク 担当課の対応
担当課へ回答を求められている場合に,迅速な対応ができなかった。
(課題)職員対応マニュアルに記載されている内容が適正であるか,試行実施も踏まえて改善していく必要がある。

 

(2) システムの技術的な課題
ア 運用ソフトの全体の使い勝手の改善
「発言と内容を掲示するフレーム割り」‥横割りと縦割りどちらがいいか?
→人間の本能的に横に広い方が見やすいという意見が多数
(改善点)横割りで修正。
イ デザイン面やアクセシビリティ面(画面レイアウト・フレームデザイン等)
「会議室トップページのデザイン」
・会議室一覧の見出しがわかりづらい。
(改善点)説明文をつける。
・イラストがさびしい,京都らしいものを
(改善点)デザインを修正していく
「ボタンの位置と表現」
投稿記事の確認ボタンの位置や色を分かりやすくした方が良い。
(改善点)表現を工夫するとともに,配置場所やデザインを修正


 

「資料2」‥「市民参加の平成14年度の取組状況及び平成15年度の取組について」

 

1 市民参加推進条例の制定
○これまでの取組
条例案大綱(素案)を基にパブリック・コメントを実施
〔実施期間 平成14年10月7日(月)~11月15日(金)〕

 

2 電子会議室の運営
○平成15年6月 試行実施開始(予定)

 

3 市民参加情報カレンダーの運営
○平成15年6月 運営開始(予定)

 

4 市役所出前トークの運営
○市民の要望に応じて職員が出向き,市政の課題について意見交換する事業
平成15年6月開始(予定)

 

5 市民参加推進白書の発行
○市民参加推進計画に基づく施策・事業等の進捗状況をとりまとめ,冊子を発行
平成15年9月発行(予定) 

お問い合わせ先

総合企画局 政策推進室 市民参加推進担当
電話: 075-222-3178 ファックス: 075-213-0443

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