宿泊施設に対する防火指導
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2023年10月2日
宿泊施設に対する防火指導
近年、日本を訪れる外国人が増え、京都市においても宿泊施設が増加しています。
また、平成30年には住宅宿泊事業法が施行され、旅館業法に基づく許可を受けた宿泊施設に加え、一定の基準を満たせ
ば、住宅においても宿泊事業を行うことができるようになりました。
消防局では引き続き、市民の皆様や観光客の更なる安全の確保に取り組みます。
消防法令適合通知制度
昭和40年代から50年代にかけて、磐梯熱海温泉磐光ホテル火災、川治プリンスホテル火災、ホテルニュージャパン
火災など、宿泊施設における火災が相次いで発生しました。これらの火災は、消防用設備の維持管理上の不備や従業員の
防火意識の低さなどから、初期消火や119番通報が遅れるなど、ハードとソフトの両面に問題があり、多くの犠牲者を
出す大惨事となりました。
これらの事案を教訓に、昭和56年には国において関係省庁が協議し「旅館ホテル防火安全対策連絡協議会における
了解事項」が取りまとめられ、旅館業法に基づく営業の許可手続の際、当該施設が消防法令に適合していることを確認
した書類(消防法令適合通知書)の提出が必要とされました。この制度により、宿泊施設が営業を開始する前に、消防
機関が防火の安全性を確認する取組が全国的に開始され、現在も継続しています。
防火基準適合表示制度
平成24年5月に発生した福山市のホテル火災を契機に総務省消防庁に設置された「予防行政の在り方に関する検討会
(ホテル火災対策検討部会)」において、消防法及び建築構造や防火区画、避難施設などの建築基準法上の防火の規定
等が審査されました。この中で、消防機関が以前交付していた旧「適マーク制度(※)」が再評価され、 防火の基準に
適合していると認められた優良な宿泊施設に対し、マークを交付する「防火基準適合表示制度」が全国的にスタート
しました。
京都市では、平成26年度から旅館・ホテル等の関係者の申請に基づいて消防機関が審査を実施し、消防法令及び
防火上重要な建築構造等について基準に適合していると認められた建物に対し「表示マーク」を交付する制度が発足
しました。現在、京都市消防局のホームページでは、宿泊者に対する安全情報として、表示マークを交付した宿泊施設を
公開しています。
平成29年度には、初回交付から3年間継続して優良と認められた施設に対し、初めて金の表示マークを交付しました。
消防検査済表示制度
小規模な宿泊施設において検査を実施し、消防法令が守られているなど、一定の条件をクリアされていることを確認
できた場合、申請に基づいて「消防検査済ラベル」を交付しています。
このラベルを入口等の屋外の見えやすい位置に掲示してもらうことで、適切に防火対策を行う宿泊施設であることを、
宿泊者及び地域住民に対して、広く情報提供しています。
〇 運用開始
平成30年6月15日
〇 対象施設
「民泊」等の小規模な宿泊施設(収容人員30人未満)
〇 ラベルの交付条件
・消防法令に適合していること。
・出火防止及び初期消火方法等について、外国語併記で記載した書面等を備え付け、宿泊者に対して説明を行うこと。
・消火器を設置していること。
〇 消防検査済ラベル
・銀色ラベル
交付条件を全て満たしていること。
・金色ラベル ※上位のラベル
銀色ラベルを3年間継続して掲示し、かつ、事業者等がラベルを継続して掲示している期間の3年ごとに「京の宿泊
所防火研修」を受講していること。
京の宿泊所防火研修
「民泊」等の小規模な宿泊施設の関係者に、施設の安全管理に必要な、防火等に関する知識や技術を身に着けてもらう
防火研修を行っています。
〇 受講状況
平成30年度からの4年間で計513名が受講
(令和3年度は、計44名が受講(全4回))
〇 受講対象者
小規模な宿泊施設の事業者等(予定者を含む。)
〇 研修内容
講義及び実技訓練等(計3.5時間)
〇 実施場所
京都市市民防災センター
〇 その他
参加費は無料、受講修了者に修了証及び修了カードを発行
民泊対策
京都市消防局では近年増加する、いわゆる「民泊」に対し、防火安全対策の確保を図るための取組を実施しています。
● 消防法令上の基準や届出等に関する情報発信の充実及び相談体制の強化
「民泊」には、空き家や共同住宅の空き室等を活用することが多く、こうした場合、大きな改装を行うことがない
ため、建築士や消防設備士等の専門家による関係法令のチェックがなされないことがあります。このため、法令に定める
手続きや基準を遵守していないものも少なくありません。
こうした状況を踏まえ、市民や事業者の方に、宿泊施設に関する情報をより分かりやすくお知らせするよう、ホームペ
ージ等における情報の発信に努めています。
● 「民泊」対策プロジェクトチームにおける関係局との連携及び消防法令の順守に向けた指導
無許可で営業している「民泊」施設は、安全管理の面から問題がある場合があります。また、具体的なトラブルがなく
ても、周辺住民が施設に対して不快感・不安感を抱くケースが多く認められます。
そのため、京都市では、平成27年12月1日に文化市民局、産業観光局、保健福祉局、都市計画局及び消防局からなる
「民泊」対策プロジェクトチームを設置し、様々なルールの策定に向け取り組みました。平成29年6月16日に住宅宿泊
事業法が公布された後にも、更に検討を重ね、これらの検討内容を踏まえたうえで、市民からも意見を募集し、京都市
独自のルール(「民泊」関係条例)が制定、公布されました。
● 「民泊」に対する防火対策の強化
京都市では、住宅宿泊事業を行う事業者には、宿泊者に対し、消火器の使用方法や避難経路、こんろの使用方法など
を、図や書面を使って説明するように義務付けています。
このため、消防法令による規制のほか、喫煙の方法やこんろの使用方法といった出火防止対策や、119番通報の要領、
消火器の使用方法等を掲載したリーフレットを作成しました。特に、外国人宿泊者にとっては、慣れない日本での対応が
必要となることから、4箇国語で作成し、消防局ホームページからもダウンロードできるようにしています。
また、外国人観光客が、火災が発生した場合に適切に初期対応ができるよう、外国人宿泊者向けの紹介動画を製作し、
消防局ホームページに掲載しています。
火災通報装置の設置指導
消防法令上、火災通報装置が義務とならない宿泊施設に同装置が設置され、消防検査の結果法令基準に適合した場合は、
「火災通報装置設置済ラベル」と同装置の取扱方法を記載した「火災通報装置取扱シート(4箇国語)」を交付していま
す。
〇 運用開始
令和2年6月1日
〇 対象施設
火災通報装置が消防法令上義務とならない宿泊施設
〇 火災通報装置設置済ラベル
火災通報装置が設置された宿泊施設は、下のラベルを玄関等の見えやすいところに掲出することで、宿泊客や地域住民
に、いざという時の通報対策が充実している施設であることをアピールできます。
お問い合わせ先
京都市 消防局総務部総務課
電話:075-231-5311
ファックス:075-251-0062