平成29年4月号 警防計画課通信
ページ番号216019
2017年4月3日
国民保護法に基づき,国,地方公共団体,その他関係機関及び地域住民が一体となった共同の実動訓練を実施し,関係
機関の機能確認及び関係機関相互の連携強化を図るとともに,国民の保護のための措置に対する国民の理解の促進を図
ること。また,国際観光地として,多言語に対応した,避難誘導,医療救護を実施すること。
1 実施日時
平成29年2月2日 木曜日 午前11時00分から午後2時30分まで
2 訓練想定
JRA京都競馬場施設内において化学剤(サリン)が散布され,多数の死傷者等が発生している。その後,京都国際
会館,市営地下鉄四条駅等に爆破予告がされる想定。
3 訓練会場(5会場)・訓練内容
⑴ JRA京都競馬場 【初動対処訓練,除染・応急救護訓練,被災者搬送訓練,現地調整所運営訓練】
⑵ 京都第一赤十字病院 【被災者受入訓練,医療救護訓練,遺族支援訓練】
⑶ 京都大学医学部附属病院 【被災者受入訓練,医療救護訓練】
⑷ 京都府立伏見港公園総合体育館 【救援訓練(避難所運営訓練等)】
⑸ 京都府庁,総理大臣官邸 【通信訓練(テレビ会議),合同対策協議会運営訓練】
4 訓練参加機関(41機関,約1,200名)
内閣官房,京都府,京都市,警察,消防,自衛隊,医療機関等
○消防機関
・京都市消防局 29隊(航空隊を含む。)
・伏見消防団 13名(本団,4分団:納所・久我・羽束師・淀)
・府内消防本部 5隊
(宇治市消防本部,城陽市消防本部,八幡市消防本部,久御山町消防本部,乙訓消防組合消防本部)
初動対処訓練(ゾーニング・被災者の避難誘導・救出,救助)
1 消防(消防団を含む。),警察が発生現場における原因物質の特性,危険度等に応じて,散布された建物周辺の
ゾーニングを設定。【危険区域(ホットゾーン),準危険区域(ウォームゾーン),警戒区域(コールドゾーン)】
2 消防,警察,JRA等が連携して,被災者の避難誘導及び救出・救助活動を実施。除染・応急救護訓練(除染前トリアージ・除染処置(乾的・水的除染)・搬送トリアージ)
1 消防,警察,自衛隊が連携して,除染エリアを設置し,化学剤の付着状況から,除染方法を決定。
乾的除染(脱衣,清拭)又は水的除染(洗浄)による化学剤の除去を実施。
2 応急救護所において,救急隊,DMATが連携して,被災者に対する搬送トリアージ及び応急処置を実施。
被災者搬送訓練
1 消防・自衛隊・DMAT・ドクターヘリが連携して,被災者(赤タグ・黄色タグ)をヘリコプター(京都市消防局消防航空隊,
陸上自衛隊第3飛行隊,大阪府・京滋ドクターヘリ)及び車両により,早期に府内医療機関へ搬送を実施。
2 京都府が準備したバスにより,被災者(緑タグ)の継続観察,安否確認等を目的とした避難所への輸送を実施。
現地調整所運営訓練
早期に災害の実態を把握し,効率良く活動を実施するために,関係機関(農林水産省,京都府,京都市,消防,警察,自衛
隊,DMAT,JRA)が活動内容・活動調整・役割の確認等のため,京都市が現地調整所の設置・運営を実施。
被災者受入訓練(被災者の受入準備・収容)
1 多数の被災者に対応する医師,医療スタッフの確保・配置,医療資機材等の事前準備。
2 ヘリコプター(京都市消防局消防航空隊,陸上自衛隊第3飛行隊,大阪府・京滋ドクターヘリ),救急車,DMATカーに
より搬送される被災者の受入対応を実施。
医療救護訓練及び遺族支援訓練
被災者の医療処置を実施。警察・医療機関により,亡くなった被災者の検視及び遺族対応を実施。救援訓練(避難所運営訓練・安否情報収集・メンタルヘルスへの配慮・給食)
被災者を収容する避難所(医療救護所を含む。)の設営・運営,災害時多言語支援センターの設置,外国人被災者の
対応,被災者の安否情報の収集,安否情報システムの運用,心理学的情報提供としてのチラシ配布,医療チームによ
る問診・健康相談等,被災者の食事の提供を実施。
通信訓練,合同対策協議会運営訓練
1 総理大臣官邸と京都府庁をテレビ会議システムにより接続し,協議・情報共有を実施。
2 政府,京都府,京都市,消防,関係機関等による合同対策協議会を開催し,活動内容,今後の対応等について協議等
を実施。
訓練は,テロに起因するNBC災害で,除染を必要とする被災者が約150名,全体で約370名の被災者が発生する想定
で実施しました。
早期に災害の実態を把握し,効率よく活動することが求められました。そのため,現地調整所において,多くの機関と連携
を密にし,また,活動部隊の増強・増隊を目的とした,府内近隣の消防本部や緊急消防援助隊の応援要請,さらに,化学剤
への適切な対応など,関係機関との情報共有等が必要でありました。
訓練を通して,次の課題が挙げられました。
1 100人単位で被災者が発生している災害対応への出動部隊数及び同時かつ複数の場所でテロ災害の発生が予測され
る状況下での部隊配置を考慮した警備態勢
2 活動する隊員がテロによる災害活動を行っている認識。警察機関等との連携によるテロに関する情報共有及び活動
の実施
3 多くの被災者が発生していることから,最先着部隊等による情報収集,状況確認,明確なゾーニング,救助隊員等の進
入管理,ショートピックアップによる早期のホットゾーンからの救出,適切なトリアージ,医療機関への迅速な搬送の実施
4 実動対応を行う関係機関との活動に対する共通認識と連携の強化
京都市は世界有数の観光都市であり,年間5,500万人を超える観光客が訪れます。また,観光名所も多くあり,テロによる
災害が発生すれば,多数の被災者が発生するおそれがあります。
今回の訓練の課題を改めて検証し,活動内容の見直しや訓練により,災害対応力を向上させ,京都府が中心となり行う,
図上・実動訓練に継続して参加し,関係機関と円滑な連携を行うための関係を築き,テロ災害への対応力の強化を図りま
す。
武力攻撃から国民の生命,身体及び財産を保護し,国民生活等に及ぼす影響を最小にするための,国,地方公共団体等の責務,避難,救援,武力攻撃災害への対処等の措置が規定されています。
お問い合わせ先
京都市 消防局消防学校教育管理課
電話:075-682-0119
ファックス:075-671-1195