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京都市消防局

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平成29年4月号 教養課通信

ページ番号216017

2017年4月3日


 京都市消防局の発足から遅れること半年,昭和23年10月に機関誌「京都消防」を創刊し,その後,平成27年4月からは冊子から電子版に変更して名称も「Web京都消防」と改めホームページに掲載してまいりましたが,今月号をもって「Web京都消防」としての掲載を終了することとなりました。

 機関誌「京都消防」の創刊以来,「Web京都消防」を含めて68年半の永きにわたり,ご愛読いただきました皆様,また,発行,掲載にあたり御協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

 今月号では,京都市消防職員の教養誌としてだけでなく,京都市消防局に関わる全ての皆様のコミュニケーションツールとして愛されてきた機関誌「京都消防」から「Web京都消防」までの歩みをご紹介いたします。

○機関誌「京都消防」の変遷

 大きさは発刊以来A5版でしたが,ページ数はまちまちで60ページで構成されているものもあれば,中には100ページを超えるものもありました。平成になってからは74ページ構成となりました。

 昭和23年10月に創刊した機関誌「京都消防」ですが,毎月発行となったのは,昭和30年以降です。それまでは,合併号や隔月発行といったこともありました。

 過去には,「20年連続火災減少記念号」など何冊かの記念号や特集号といった別冊を発行しており,平成7年3月には阪神・淡路大震災の記録を残すため,フルカラーの別冊特集号を発行しました。

○表紙絵と挿絵

 冊子であった機関誌「京都消防」は発刊以来,日本画家の先生方の絵画作品で表紙を飾っていただきました。

 この表紙絵については,日本を代表する日本画家の堂本印象画伯や上村松篁画伯といった著名な先生にも御協力いただいていました。そのご縁から,表紙絵や挿絵は,堂本印象画伯が主宰されていた画塾「東丘社」に所属されている先生方に提供していただいていました。ちなみに,「Web京都消防」のバナーや,トップページで使用させていただいている絵は,東丘社の由里本 出 先生が描かれた作品です。

 このような著名な先生方に描いていただいた作品を掲載できることは,いかにも文化芸術都市「京都」らしくて,我々の自慢であり誇りでした。

 これまで御協力いただきました先生方,本当にありがとうございました。

  

○「京都消防」の役割

 創刊三十周年を迎えて【昭和53年10月号】(安田耕三局長のことばから(抜粋))

  『創刊から今日に至るまでの京都消防をひもといてみますと,消防のたゆまぬ努力と歴史がうかがわれ,躍進する「京都消防」に感慨深いものがあります。(中略)京都市では「無火災都市の実現」スローガンに,職員,団員が火災のない,町づくりに総力を挙げて運動をおこなっていますが,今日の社会情勢は災害発生の危険を益々増大させ,又新しい災害を起こす要因を数多くはらみ,市民の防災に対する関心は異常な高まりを見せています。こうしたときにあたり,私たちは更に高度な行政感覚と専門的な知識,技能を駆使して「火事のないまちづくり」を全市民運動として高めていく必要が痛感されます。機関 誌「京都消防」は,私たちのこうした期待にこたえ,その原動力となって職員に広い視野から教養を与え,消防人としてのプロ意識を促し,又,組織人としての連帯感を強めるなど,京都消防の発展に大いに寄与しているところであります。一方,機関紙「京都消防」は誌上を通じて職員全体のコミュニケーションの場として,大きな役割を担っています。』

 これは約40年前に掲載されたものですが,機関誌「京都消防」が職員の消防に関わる専門知識や社会一般知識を向上させるための教養誌としての役割と,職員間はもちろん,消防団員,事業所,そして職員家族をつなぐためのコミュニケーションツールとして重要な役割を担っていたことがわかります。

 人と人とのつながりが薄れつつあるといわれる昨今,「京都消防」は消防組織の発展と市民と消防のつながりを目指して様々なコーナーを設けていました。特に,冊子の頃に掲載していた「家族からの通信簿」「マイホビー」といった家族や趣味に関する投稿記事などは,普段は厳しい先輩や気難しい上司の少し違った一面を垣間見ることができ,どこかホッとした気分になれたことを覚えています。

○編集後記

 機関誌「京都消防」の巻末に掲載されていた「編集後記」は,編集担当者が日常のちょっとした出来事やそれぞれの思いを表現する場として掲載し,意外と人気のあるコーナーでした。読まれた方の中には,思わず笑ってしまうようなことや共感できることなど人情味溢れる内容の短文に,コアなファンも多かったのではないかと思います。

 では,創刊号の「編集後記」の内容は,どのようなものだったのでしょうか?

 機関誌「京都消防」創刊に当たり,次のように綴られています。(抜粋)

 『本誌名についても職員の総意を満足に表現したものではないかもしれないが,一応地名と業務とを端的に表するものとして「京都消防」と名付けた。しかし誌名の如何にかかわらず,将来益々の内容の充実を図り,誌友各位の職務を助け,或いは心を慰める唯一のフレンドとして最善のものをお送りできるよう努力したい。本誌創刊に際して熱心な方々から教養雑誌のあり方について御叱正を頂いていますが,それらは逐号実現していき,明るい,正しい,親しまれる京都消防になるよう努めますから,絶えず御叱正ご指導を願います。』

 誌名の由来と,機関誌「京都消防」に与えられた役割,そして,これから充実,発展させるのだという熱意と決意が伝わってきます。

 新しい事業を始めるときは幾多の困難があり,時には悩み,苦労も多かったと思いますが,この熱意溢れる「編集後記」を読みますと羨ましくも感じます。時代の変化を敏感に感じ取り,「スクラップアンドビルド」により刻々と変化する情勢に迅速に対応していかなくてはならない時代にあって,様々なことが型を変え,新たな物や方法になってきていますが,機関誌「京都消防」から引き継ぎ,「Web京都消防」まで68年半にわたり続いてきた「京都消防」の最終号をまさか自分が担当するとは考えてもいませんでした。歴代の編集担当者や「京都消防」を愛読いただいていた皆様のお気持ちを考えると胸がいっぱいです。


 機関誌「京都消防」と「Web京都消防」は,自治体消防発足間もない頃から平成の現代まで,永きにわたって職員に幅広い教養を身につけさせるとともに,市民の皆様をはじめ消防団員,職員同士やその家族とをつなぐ重要なコミュニケーションの場として皆様に親しまれてきましたが,一旦その幕を下ろします。

 今後は,京都市消防局のホームページの各コーナーやフェイスブックを架け橋として,新鮮な情報をタイムリーに発信し,市民の皆様と京都市消防局をつないでいきますので,今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 これまで機関誌「京都消防」と「Web京都消防」の発行や記事掲載に御協力いただきました数え切れないほどの多くの皆様に,改めて心から感謝申し上げます。


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お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195