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京都市消防局

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平成29年2月号 調査マンからのメッセージ

ページ番号214078

2017年2月1日


 最近,某国で製造されたスマートフォンからの出火事例が続発し,社会問題となったことは記憶に新しいことと

思います。

 日ごろ何気なく使用している携帯電話,スマートフォン,携帯充電器(モバイルバッテリー),ノートパソコンやラジ

コン飛行機など,多くの携帯機器等の電源に使用されているリチウムイオン二次電池が原因となった火災が,近年

増加する傾向にあります。

 京都市内では,平成24年から平成28年までの過去5年間にリチウムイオン二次電池が原因で14件の火災が発生し

ていますが,年別の発生状況を見ると,平成24年では1件だったのが,平成27年は5件,平成28年には7件と急激に増

えており,今後も増加することが懸念されます。

 身近で手軽に扱われるリチウムイオン二次電池ですが,非常に高いエネルギーを内蔵しており,維持,管理及び

処分等には十分な注意が必要であるにもかかわらず,無意識のうちに乱暴に扱われることも多くあり,使用者にも火災

を防ぐための知識が必要です。


 充電を行うことにより繰り返し使用することができ,一般的に使用されているアルカリ電池や,ニッケル水素電池

などと比べて高容量,高出力,軽量という優れた特徴があるので,使用用途はますます増加しています。




1 設定のできる充電器で,仕様に応じた設定で充電しなかったため,過充電となり出火した。

2 専用の充電器を使用しなかったため,電池の保護装置の不具合,自作での電池に保護装置がない等の場合に

 過充電となり出火した。

3 折り曲げた,犬が噛んだ等の外力により電池が損傷し出火した。

4 清掃や修理の際,鋭利なものを差し込んだため,内蔵のリチウムイオン二次電池が損傷し,出火した。

5 リコール対象品等の不具合品を使用していたため出火した。

 出火時の状況では充電中に発生した火災が最も多く,続いて外力による損傷,リコール対象品を使用していた等

になっています。

 リチウムイオン二次電池は非常にデリケートな製品で,充電中の状況の変化が顕著に現われます。

 電池には保護回路を設けるよう電気用品安全法により規定されており(一部のものを除く),電圧・電流や温度を

監視するセンサーやバランスよく充電するバランサーなどが設置されており,充電中に異常があれば充電を中止す

るものもありますが,中止しないものもありますので取扱説明書等により確認するようにしてください。

 エラー等の不具合の表示が出ているときにそのまま充電を継続したような場合,専用充電器以外の充電器で充電

した場合,間違った設定で充電した場合等は,電池内部から発熱し出火に至る場合があります。

 充電前や充電中に電池が膨らんでいた場合や普段と違うと感じた場合は,充電を中止してください。

 また,長時間使用していない場合も電池が劣化している可能性が高く,充電器で充電してもエラー等の不具合が

表示されることがありますので,これらの異常の際は,使用を取り止めてください。


1 接合部が合致するからといってむやみに使用せず,各機器を購入したときに付属されている充電器やメーカー指定

 の物を使用する。また,設定のできる充電器を使用する際は,取扱説明書をよく読み,設定を確認してから充電する。

2 膨張,異音,異臭など異常が生じたものを使用しない。

3 最後まで充電ができない,使用時間が短くなった,充電中に熱くなるなどの異常があった際には使用をやめて,

 メーカーや販売店に相談する。

4 廃棄の際には,事業団体が回収するリサイクルへ出す。

 ※ 京都市では,リチウムイオン二次電池は充電式電池として拠点回収を実施していますので,家庭ごみとして出

   さないようにしてください。


【リコール製品から出火した事例】

・平成26年9月 住宅

 (概要)木造住宅の居室から出火。携帯型オーディオプレーヤー1台を焼損。

 (原因)携帯型オーディオプレーヤー(リコール対象品)に内蔵されているリチウムイオン二次電池から出火した

      もので,製造時に不具合のあったリチウムイオン二次電池を長年使用していたこと等により出火したもの。

・平成27年12月 大学

 (概要)ノートパソコン1台焼失。

 (原因)ノートパソコン(リコール対象品)内蔵のリチウムイオン二次電池が製造工程の不備により出火したもの。


【正規品以外の充電器で充電中に出火した事例】

・平成27年6月 住宅

 (概要)住宅の室内の一部を焼失。

 (原因)LEDヘッドライトのACアダプター差込口に,他のACアダプターを使用して充電していたため,リチウム

    イオン二次電池が過充電となり発熱し,出火したもの。                  

【機器の損傷により出火した事例】

・平成28年11月 複合ビル

 (概要)トイレに置かれていたごみ箱内のスマートフォン1基焼失。

 (原因)スマートフォンが何らかの外力により屈曲した際,内蔵のリチウムイオン二次電池も屈曲し,内部短絡を

    起こし出火したもの。


【廃棄方法が不良であったため出火した事例】

・平成28年12月 作業場

 (概要)敷地内に置かれていた資源ごみ等を焼失。

 (原因)仕分け作業で置かれていたリチウムイオン二次電池から出火したもので,仕分け作業時の衝撃等で

     リチウムイオン二次電池が発火したもの。

  • 目次

お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195