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京都市消防局

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平成29年2月号 予防タイムズ・リターンズ

ページ番号213287

2017年2月1日



後輩: 先輩おはようございます。今日から2月ですね。

先輩: おはよう。そういえば,もう2月だな。

後輩: 今年度もあと2箇月ですね。4月になったら初任教育生が消防学校に入校する時季になりますね。僕もついこの前,

    初任教育を修了したところだと思っていたのですが。

先輩: いつまでもフレッシュマンの気持ちで頑張ってくれよ。でも,俺も10年以上前に初任教育生だった頃があったな。入校

    初日はめちゃくちゃ緊張したなぁ。

後輩: 先輩の貫録からすると,そんな時期があったことが信じられません(笑)

先輩: 俺にも新人時代があったんだぞ。俺が初任教育を修了して消防署に配置されたときは,ちょうど住宅用火災警報器

    (以下,「住警器」という。)の設置促進事業が始まる頃だったなぁ。あの頃は早朝から駅前に立って,上司に言われ

    るまま,大声を挙げて住警器設置を啓発する広報活動をしたんだ。

後輩: 今では各家庭に設置することが知れ渡っている住警器も,まったく認知されていない状況だったんですよね。

先輩: そうだな。平成18年6月に新築の住宅に設置することが義務となってから,もう10年が経つな。


後輩: そういえば,僕の実家も,ある日母が住警器を買ってきて,天井に設置していましたよ。なんでも,母が家にい

    るときに,消防署の職員が訪問してきて,「住警器を設置してください。」と言われたそうで,翌日買いに行ったようです。

先輩: そうなのか。あのときは様々な設置促進の取組を実施していたんだよ。どんな取組だったか知っているかな?

後輩: うーん,街頭広報ですか?

先輩: そうだな。設置促進キャンペーンとして街頭広報を実施したり,消防音楽隊による防火ふれあいコンサートの場で

    の広報も実施したな。ほかにも,消防職員が市内の住宅を1軒1軒回って設置を啓発したり,ゼスト御池地下街の大型

    ディスプレイを活用するなど,市民の皆様に知ってもらうため,様々な方法で広報したんだ。

     また,自主防災組織などの地域の力をいかした取組として,共同購入事業を促進したり,共同購入後に天井など

    高所に取り付けられない方がおられる世帯に対する取付支援制度を行ったんだ。

後輩: 地域での共同購入ですか。それはどのような取組だったのですか?

先輩: 設置が義務化された当初は,住警器の価格が高価で,購入をためらい,設置が遅れることが懸念されたんだ。そこ

    で,地域の皆様でまとめて購入する共同購入を実施することとしたんだ。地域の必要数をまとめて購入することによ

    るスケールメリットをいかして,価格を安くすることが実現し,また併せて地域の中で住警器に関する知識を啓発する

    ことにより,悪徳訪問販売の防止などにもつながったことで,非常に効果がある取組だったんだ。

後輩: なるほど。共同購入を活用することで,地域の皆様にとっては,割安で,信頼性のある住警器を手に入れることが

    できたということですね。それでは,市内の各世帯に設置される住警器も,この期間に一挙に増えたのではないで

    すか?

先輩: そうだな,平成18年から平成22年までの5年間で非常に多くの世帯に設置することができたな。


     平成23年度以降も,住警器が必要な場所に設置されていない各世帯に対し,我々消防職員が個別に訪問して,

    粘り強く設置の必要性を訴えてきたことで,今では住警器を必要場所全てに設置している住宅が,80%を超えてい

    るんだよ。(平成28年12月末現在80.7%)

後輩: なるほど。共同購入で設置された住警器は,もう10年も経っているんですね。

先輩: そうだな。実は住警器の寿命はおおむね10年と言われているんだ。

後輩: えっ!?寿命が来るのですか?

先輩: 住警器内部の機器劣化や電池切れが発生するんだよ。一時期にまとめて住警器が設置されたことから,交換も

    ほぼ同じ時期にする必要があるな。

後輩: 市内に設置されているかなりの数を交換することになりますね。そういえば,設置したものの,その後の手入れは

    見落としがちですよね。自分の家が火事になることが滅多にないだけに,しっかり作動する状態なのかは,普段から

    確認しないと分からないですね。

先輩: そうだな。


後輩: ということは,平成19年や平成20年にかなり多くの住警器が共同購入されているので,今年(平成29年)や来年

    (平成30年)には,正常に作動しない住警器が,とてもたくさん出てくる可能性があるんですね。

先輩: そうだ。設置するべき場所に設置されていても,実は電池が切れていた,なんてことがあると,当然いざというとき

    に作動しないな。

後輩: それは大問題ですね。では,我々消防職員は市民の皆様に何を周知すれば良いのでしょうか?

先輩: まず,現在設置されている住警器の作動点検をしてもらうことだな。

    基本的に住警器は日常の作動点検用に点検ボタン,又は点検ひもがついているので,作動確認をする。作動した

    場合は,正常な警報音が鳴る。警報音は,機種によるけど,音声,スイープ,ブザーの3タイプが一般的だ。


     もし,「電池切れです」などの音声や,「ピッ…ピッ…」等の警報音以外の音が鳴った場合,またはそもそも警報音

    が鳴らない場合は,本体の故障か電池切れということだ。

     注意しないといけないのが,共同住宅に設置されている自動火災報知設備の感知器は,住警器のように電池切

    れの心配はなく,また法定点検が定められているので,住警器と混同しないようにな。

後輩: そうですね。住警器は10年間まったく作動させていなくても,電池が切れることがあるのですか?例えば,ほとんど

    作動させていない場合は,電池交換で済ませておけばいいのでしょうか?

先輩: その場合,電池切れではなくても,住警器の内部の基盤が経年により劣化することがあるので,作動しない可能性

    があるな。

後輩: そうなんですね。

先輩: 設置されてから10年が経つものは,新しい住警器と交換することが望ましいな。今後は市民の皆様に,「定期的な作

    動確認」と,作動しない場合は「新しい住警器と交換」を周知しないといけないな。

後輩: はい。


先輩: ここで改めて,住警器は何故設置する必要があるのだろう?

後輩: 火災を早く発見し,初期消火,通報及び避難を行うためですよね。

先輩: そのとおり。火災の早期発見により,適切な対応をとることで,人命や財産を守るということだな。

    住警器を設置することで,火災発生時に初期消火や避難などの行動につながった件数は,平成18年の設置義務化

    当初から見ると,随分と増えているんだ。


     消防法第9条の2に定めるように,住宅の関係者は住警器を設置して,維持しないといけない。適切に維持管理

    するよう,今までの設置広報と同様,粘り強く訴えていく必要があるな。

後輩: そうですね。

先輩: ところで君の実家に設置されている住警器は,定期的にしっかり点検しているのか?

後輩: もちろんです。台所の住警器は,ガスコンロで魚を焼くたびに絶好調に働いてくれていますよ。

先輩: ・・・

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