平成28年12月号 調査マンからのメッセージ
ページ番号207750
2016年12月1日


私たちが日頃よく利用している家電製品,自動車等は,技術の進歩とともに新しい製品が続々と作りだされ,日々便利に
なっています。
しかし,この家電製品や自動車に思わぬ落とし穴がある場合があります。
皆さん「リコール」という言葉を,新聞やテレビなどよく見聞きする機会があると思いますが,多くの方は「自分には関係な
い」と無関心ではないでしょうか。
そこで,今回は「リコール」について記載していきたいと思います。

リコールとは,製品に欠陥があることがわかったときに,法令の規定またはメーカー・販売者の判断で,修理・交換・返金な
どを行い,製造・販売後の製品の安全を目指す制度のことです。
リコールが行われた製品や車両などには,不具合の内容により,そのまま使用を続けると発熱や発煙が発生し,最悪の場
合は火災になるものがあります。
万一,出火した場所の状況や発見の遅れなどにより大きな被害となるおそれがあります。

次に,WEB京都消防の読者の皆さんにお知らせです。
京都市消防局では,広く市民の方にリコール火災等の危険性をアピールするため,過去に京都市内でリコール対象品か
ら発生した火災等について,京都市消防局ホームページに情報提供しています。
情報提供している内容は下記のとおりです。
(1) 使用中のカーボンヒーター(株式会社山善 型式CBH-D900)から出火し,製品本体を焼失し,周囲の床等を焼損
した火災
(2) 使用中のホットカーペット(ナショナル 型式DR213)のコントロールパネル内のリレー部品の一部が焼損した火災
(3) 電気クッキングヒーター(松下電器産業 型式NK-1102等)の器具スイッチのつまみに持っていた物や身体が接
触し,意図せずにスイッチが入ったことにより,電気クッキングヒーターの上に置いていた物品が焼失した火災
※ 電気クッキングヒーターからの火災は,複数のメーカーが販売している1977年から1988年(一部のメーカーは1996
年まで)の製品で類似の事案が発生したため,2007年に「小型キッチンユニット用電気こんろ協議会」が設立され,
新聞等で謹告が出され,改修に努めています。
(4) 使用中のガスハンドトーチ(岩谷産業株式会社 型式CB-TC-CPRO3)のガスボンベの接続部から漏れたガスにハ
ンドトーチの火が引火し,周囲の物品を焼失した火災
(5) 使用中のドラム式洗濯乾燥機(株式会社東芝 型式EWD-D80A)から出火し,製品本体及び周囲の物品を焼失し
た火災
(6) 使用中の全自動電気洗濯乾燥機(株式会社日立製作所 型式NW-D8AX)から出火し,製品本体の一部を焼損し
た火災
(7) ノートパソコン(パナソニック株式会社 型式CF-J10FELDP)から出火し,製品本体を焼失した他,周囲の物品を焼
損した火災
(8) 携帯型オーディオプレーヤー(アップルジャパン株式会社 iPodnano 型式MA005J/A)から出火し,製品本体を焼
損した火災
(9) 使用中の観賞魚用ヒーター(ジェックス株式会社 ICオートヒーター トラスティ300)から出火し,周囲の物品を焼失
し,居室の一部も焼損した火災
(10) テレビドアホン(アイホン株式会社 型式MY-2CD)から出火し,製品本体の一部を焼損した火災
(11) 停車中の軽乗用車(スズキ株式会社 エブリィ 型式EBD-DA64Ⅴ)から出火し,同車両の内部の一部を焼失した
火災
(12) 駐車中の普通乗用車(ビー・エム・ダブリュー株式会社 BMWミニクーパーSシリーズ 型式DBA-SV16)から出火
し,同車両,カーポート及び周囲の家屋の壁体等焼失,焼損
※ この事案は,京都市消防局が原因を究明した結果,リコール対象となりました。
(13) エアゾール式簡易消火具(ヤマトプロテック株式会社 型式K4423)が破裂し,天井の一部が損壊した破裂事案

上記に記載した「京都市内でリコール対象製品から出火した事例等」の詳細な情報については,京都市消防局のホーム
ページ → 安心・安全情報 → 火災予防情報 → 製品からの火災・事故で検索出来ますので確認してください。
なお,この情報は随時,更新していますので,常に新しい情報を確認してください。



リコールの情報を入手するには,当局のホームページ以外にも,いくつかの方法があります。
入手手段としましては,インターネットによる検索が最も簡単で有効です。
消費者庁,経済産業省,国土交通省のホームページには,各種製品や自動車等のリコール情報や事故情報が公開され
ています。
また,多くのメーカーでは,電話で相談用窓口を開設していますので,使用している製品等で不安を感じる場合は,メー
カーに直接電話をして確認することも有効です。
・ 新聞の記事や広告,折込チラシ,店頭のポスター等に掲載されていることがありますので,自分が使用しているものと
似ている場合は,確認しましょう。
・ 自動車のように所有者の特定が可能な場合は,メーカーからリコール情報等のダイレクトメールが届く場合があります
ので,届いた場合は改修等を受けてください。
・ 各製品メーカーのホームページ・相談窓口への電話
・ 以下の各ホームページ
消費者庁ホームページ : http://www.recall.go.jp/
経済産業省ホームページ : http://www.meti.go.jp/product_safety/index.html
国土交通省ホームページ(自動車): http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/index.html
製品評価技術基盤機構ホームページ: http://www.nite.go.jp/jikojohou/recall_new/index4.html
国民生活センターホームページ : http://www.kokusen.go.jp/g_link/gyosei.html
★ 各家庭に設置しています住宅用火災警報器にもリコール製品があります。
住宅用火災警報器のリコール情報を調べるには,京都市消防局ホームページから「トップページ」
→ 「安心・安全情報」 → 「火災予防情報」 → 「住宅用火災警報器について」 → 「住宅用火災警報器のリコー
ル情報」で検索出来ます。

リコール対象製品を知らずに使い続けると,取り返しのつかない事故を引き起こす可能性があります。リコールに気付い
た場合はすぐに使用を中止し,メーカーの対策を受けるようにしてください。
私たちの周りで使用している製品は,新しい物でも古い物でも積極的にリコール情報を収集するように努めてください。
お問い合わせ先
京都市 消防局消防学校教育管理課
電話:075-682-0119
ファックス:075-671-1195