平成28年7月号 装備課News!
ページ番号201160
2016年7月1日

今回は,車両点検整備の一環として装備課が実施する「消防機械器具の巡回点検」(臨時点検)にスポットを当てて紹介をします。
今年度は,5月10日から23日までの間,各署の巡回点検を実施しました。この時期は,定期人事異動後間もないこともあり,新所属での車両の運行など,慣れない環境から様々なところにリスクが潜んでいるといえます。
自分たちが乗る車,使用する資器材を自ら点検確認することは,車両や装備品をより熟知し,操作に慣れることができるとともに,故障の早期発見にもつながります。
巡回点検の結果については,事前に各署において所属長点検を実施されたことにより各車両,資器材とも非常に良く手入れされており,大きな故障等もありませんでした。

また,巡回点検に合わせて,経験の浅い職員を対象に実車を用いた教養を実施しました。
1.ディスクブレーキとドラムブレーキ
ディスクバッドとローター,ブレーキシューとドラムの見本を見せ,構造と機能について説明しました。日頃,取り外したブレーキパッドを見る機会がない職員は,メモを取るなど熱心に聴き入っていました。
2.クラッチ
消防車にもオートマチック車が増えてきましたが,まだまだマニュアルミッション車もあります。ガレージ内のピットに入り,車両の下からマニュアルミッション車のクラッチの減りや,クラッチが滑ればどうなるかなど,適正な運転方法についての教養は,非常に役に立ったと好評でした。

最後に,以前装備課で取り扱った事例を紹介しますので,日頃の点検の参考にしていだだければと思います。
事例1. 「バッテリの劣化」
バッテリ1個の電圧は12V強です。電解液は6層に分かれて入っています。電解液は希硫酸で,液の付着は金属の腐食や布をボロボロにしますので注意が必要です。
そのバッテリは,バッテリチェッカーで測定しますと「早めの交換」が表示されました。6層のうち1層が劣化し電圧が下がっていました。バッテリを手配しなければと思っていた矢先,翌日にバッテリが上がりエンジン始動困難となったのです。
日頃,各層の比重を計り,状態を知っていれば防げたかも知れません。

事例2. 「バッテリターミナルの緩み」
消防車のバッテリは,ケースを引き出して点検する構造のものが多くありますが,様々なコードや配線がターミナルに接続されているため,配線の取付け部に緩みが生じているものがありました。
バッテリの接続不良は,エンジンの始動不良や火花の発生など不具合を起こしかねません。バッテリは,液量の点検と共にターミナルに緩みがないかを併せて点検してください。

事例3. 「ホイールナットの締め付け不良」
ホイールナットの締め付けトルクがバラバラの車両がありました。
ホイールナットは,タイヤの取付け時,トルクレンチで締め付けていますが,正しい方法で締め付けないと緩みが発生したり,締め付け過ぎでナットやボルトを痛めることがあります。
運送業界では,トラック車両は,タイヤを取付けた後,50~100キロ走行後に点検を兼ねて増し締めすることが推奨されています。タイヤの脱着後は,ナットの初期なじみ不良で緩む場合があるので,点検が欠かせません。

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