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京都市消防局

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平成28年7月号 予防タイムズ・リターンズ

ページ番号201156

2016年7月1日


後輩

 コンコンチキチン♪ コンチキチン♪

先輩

 おいおい,今日は御機嫌さんじゃないか。何か良いことでもあったかい?

後輩

 何を言ってるんですか,先輩。今は祇園祭ですよ。街中に流れる涼しげな祇園囃子を聞いて,生粋の京都っ子の私が浮かれずにいられますかって!

先輩

 そうだな。祇園祭といえば言わずと知れた日本三大祭りの一つで,山鉾行事は国の重要無形民俗文化財でもある。そのうえ,ユネスコ無形文化遺産でもある祇園祭は,京都が世界に誇る日本の祭りだ。どうだ,今夜辺り,山鉾巡りを一緒にどうだ?

後輩

 いいですね!通りに山鉾が競い合うように立ち並ぶ光景は,本当に見応えありますもんね。

先輩

 だろ? 現在30数基ある山鉾は,その多くが国の重要文化財に指定されていて,京都の歴史と魅力を肌で感じられる絶好のチャンスだからな。

 京都には山鉾のほかにもたくさんの文化財がある。京都で火災予防の仕事をしている私たちにとって,文化財防火はとても重要な仕事だ。



後輩

 もちろんです!でも先輩,「文化財」って一くくりに言いますけれど,形の有るもの,ないもの,建物であるもの,工芸品であるもの,はたまた景色や地中に埋まっているものまで,多岐にわたりますよね?

先輩

 そのとおり。「文化財保護法」では,文化財を次のように分類し,その中で重要なものを国の文化財として指定しているんだ。また,国に指定されていないものでも,都道府県や市町村が文化財保護条例を定めて,必要なものについてはそれぞれ保護措置を講じているんだ。



後輩

 私たち消防職員は,防火の見地から文化財を守っていくという使命があるのですね。ウォー,なんだか燃えてきました!

先輩

 君が燃えることで文化財が燃えないまちづくりにつながるのなら,ステキな駄洒落だな。

 ところで,京都市火災予防条例で「文化財の防火管理」について規定しているのは,知っているな?

後輩

 もちろんです!

 指定区域における喫煙,たき火等の制限(第54条の4),指定建造物における防火管理者の選任(第54条の5),指定美術工芸品等に係る防火上の措置(第54条の6),指定建造物に使用する幕,カーテン等の防炎処理(第54条の7),公衆の出入りする指定建造物等における火災予防上の安全管理(第54条の8),指定美術工芸品等を公開する場合の火災予防上必要な措置(第54条の9)等について定められています。

先輩

 よく勉強しているじゃないか。

 さらに,「京都市火災予防規程」と同規程に基づく「文化財関係対象物防火指導要綱」において,消防局における文化財防火のための指導の体制や方法について規定しているよね。

後輩

 はい。今年3月,国の政府関係機関移転基本方針が発表され,京都市の悲願ともいうべき文化庁の京都への移転が決定したというニュースを知って,文化財防火については猛勉強しましたのでバッチリです!

 今後は,名実共に日本の文化の中心地となる京都に,これまで以上に多くの人たちが訪れ,文化財社寺もより一層にぎわうことが予想されますよね。

 文化財を火災から守るだけでなく,文化財社寺を訪れる人たちをあらゆる災害から守ることも,私たちにとって今まで以上に重要な使命になりますね!

先輩

 そうだ。その取組の一つに,「文化財防災マイスター」がある。最後に,この制度について,少し詳しく勉強しようじゃないか。


先輩

 「文化財防災マイスター」とは,どのような人を指していうのか,答えられるかい?

後輩

 大丈夫です,しっかりと調べました!文化財防災マイスターについては,平成22年に通達された「文化財防災マイスター研修実施要綱」に詳しく規定されています。この要綱第1条に,文化財防災マイスターとは「防火,防災及び救急の知識を持ち,文化財社寺等における災害発生時に初期消火,応急手当等を行う者で,文化財防災マイスター研修を修了した者」と定義されています。

先輩

 そうだな。ただ,誰にでも文化財防災マイスター研修を受講してもらっているわけではない。この研修の対象者は,次の人たちに限定しているんだ。

   1.観光ボランティアガイド

   2.観光タクシーの運転手

   3.観光バスガイド

   4.そのほか,消防局長が必要と認める者

後輩

 つまり,文化財社寺等で観光ガイドを行っている人たちで,文化財社寺等が人でにぎわう時期や時間帯にそこにいる可能性が高い人たち,ということですよね。

先輩

 そのとおり。そういった人たちに,普通救命講習,防火講習及び文化財防災施設取扱訓練を合計360分間(6時間)の研修を受けてもらって,修了者に対し「文化財防災マイスター研修修了証」を交付するとともに,次のような活動用物品を配布して,いざというときに活用してもらえるよう,観光ガイド実施中には携行していただいているんだ。


後輩

 文化財だけでなく,そこを訪れる人をも守る!文化財防災マイスターは,まさに,京都の「おもてなし」の神髄ですね♪

  • 目次

お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195